JPH043015Y2 - - Google Patents

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JPH043015Y2
JPH043015Y2 JP17004186U JP17004186U JPH043015Y2 JP H043015 Y2 JPH043015 Y2 JP H043015Y2 JP 17004186 U JP17004186 U JP 17004186U JP 17004186 U JP17004186 U JP 17004186U JP H043015 Y2 JPH043015 Y2 JP H043015Y2
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traveler
ring
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Description

【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野) この考案はリング精紡機、リング撚糸機等に使
用する紡機用トラベラに関するものである。 (従来の技術) 近年、リング精紡機、リング撚糸機等の紡機に
おいても生産性向上のため、高速化が指向されて
いる。そして、高速化を進める上でトラベラの摩
耗が重要な問題となる。 従来、紡機用トラベラの材質としては、一般に
炭素工具鋼(JIS G−4401 SK材)がよく用いら
れており、紡機のスピンドルの回転が比較的遅い
ときにはあまり問題はないが、スピンドルの回転
数が20000rpmを超える場合には摩耗の点などで
問題が生じ、対応できなくなつてきた。 巻取運転中紡機用トラベラ1には、第5図に示
すように、糸Yの巻取張力W、バルーン張力T及
び遠心力Cが加わつており、その合成力がリング
2との接触圧力として作用する。また、トラベラ
1とリング2との摺動速度は、スピンドルの回転
数とリング径により定まる。この接触圧力と摺動
速度によつてリングとトラベラとの間に摩擦熱が
発生する。 そして、従来の炭素工具鋼(SK材)で形成し
たトラベラの場合には、リングとトラベラ間の摩
擦熱により、第6図に示すようにスピンドル回転
数の上昇にともないトラベラ温度が上昇し、スピ
ンドル回転数が20000rpmを超えると400℃を超
え、スピンドル回転数が25000rpmでは600℃にも
達する。また、炭素工具鋼(SK材)は温度上昇
にともなつてその硬度が低下し、温度が300℃を
超えると硬度が急激に低下して600℃ではロツク
ウエル硬度HRC40以下となる。 一般に滑り摩擦による摩耗は、鋼材の硬度が
HRC40以下になると急激に進行する。そして、前
記従来のトラベラではスピンドルの回転数を現在
の使用条件(12000〜18000rpm)よりさらに高速
の20000〜25000rpmで使用すると、トラベラの温
度が600℃にも達し、その硬度がHRC40以下とな
り急激に摩耗が進行する。また、従来のSK材製
のトラベラは酸化膜が容易にでき、しかも剥離し
やすいため、特に高温において酸化膜の発生と剥
離の繰返しによる摩耗も急激に進行する。そのた
めスピンドル回転数25000rpmになると、トラベ
ラの使用寿命は精々数時間で、常用することがで
きないという問題がある。 そこで、トラベラの耐摩耗性、耐熱性を向上さ
せる手段として、特開昭61−6329号公報、特開昭
61−6333号公報等に、トラベルの少なくともリン
グと接触する部分に表面処理により耐摩耗性の皮
膜層を形成したものが提案されている。 (考案が解決しようとする問題点) 一般にトラベラ1はその使用初期においては、
第7図に示すようにリング2との接触面積が小さ
いため滑走姿勢が不安定となり、糸切れが多発し
たり毛羽の発生が多くなるという不都合がある。
この不都合を解消するため、従来トラベラはその
使用初期に、リング面とのなじみ形状が形成され
るまで慣らし紡出運転を行つている。 一方、前記表面処理により耐摩耗性皮膜層を形
成したトラベラは、その皮膜層の厚さが1〜
20μmと薄いため、なじみ形状が形成された段階
では当該部分の耐摩耗性皮膜層が摩滅した状態と
なり、通常紡出時には耐摩耗性の効果が発揮され
ないという問題がある。 考案の構成 (問題点を解決するための手段) 前記の問題点を解決するためこの考案において
は、モリブデン含量がほぼ90%以上のモリブデン
金属と、鋼等の他の金属とを2層となるように形
成した金属線材料を、リングと接触する側が前記
モリブデン金属層となるように加工成形した。 (作用) 紡機の巻取運転時にトラベラ1はリング2のフ
ランジ部2a上を摺動し、トラベラ1とリング2
間に摩擦熱が発生する。スピンドルの高速回転の
とき、例えば、25000rpmの時にはリング2との
摩擦熱によりトラベラ1の温度が600℃に達する
場合もある。しかし、本考案のトラベラ1は慣ら
し紡出運転によりなじみ形状が形成された段階で
も、耐熱性及び耐摩耗性に優れたモリブデン金属
層がリングと接触する状態で摺動し、従来品と異
なり摩耗の急激な増加がなく十分使用に耐えう
る。また、モリブデン金属は靭性がないため、単
独でトラベラを形成した場合には、曲げ加工ある
いは巻取運転時に加わるバルーン張力T、遠心力
C等による曲げ応力に十分耐いえることができな
い。しかし、この考案では鋼等の他の金属層が靭
性を有しているため、前記曲げ応力に十分耐えう
る。 (実施例) 第3図に示すように、増速機3を介して変速モ
ータ4により回転駆動されるデイスク5と、デイ
スク5に試験材料で形成されたピン6を所望の荷
重Pで圧接するレバー7とから構成された高速す
べり摩擦試験機8を用いて材料の評価を行つた。
デイスク5はリング2と同じ材質により、直径
210mmの円板状に形成し、ピン6は直径3mmに形
成した。 [試験条件] 荷重:200g、回転速度:4500rpm(スピンドル
回転数25000rpmに相当)、摺動距離:30000mで
の結果を次表に示す。
【表】 なお、材料Aとは本願出願人が耐摩耗性に優れ
たトラベラとして先に特許出願(特願昭60−
219807)を行つたトラベラの材料として使用し
た、高C−Cr−Mo−V系の合金鋼である。 表から明らかなように、材料Aは標準のSK5に
比較して約4倍の耐摩耗性があり、モリブデン金
属は材料Aの約5倍の耐摩耗性がある。 次にトラベラの製造方法について説明する。断
面長方形状の鋼線の片面にモリブデン含量が90%
以上のモリブデン金属を溶射した後、通常のトラ
ベラ形成用線材と同じ太さとなるまで引き延ば
し、モリブデン金属と鋼とが2層となつた金属線
材料を形成した。次に成形機によりモリブデン金
属層L1がリングと接触する側、すなわち内側と
なるように横型形状のトラベラ1を形成し、必要
に応じて熱処理を施した。 次に前記トラベラ、材料Aで形成したトラベラ
及びSK5材で形成したトラベラについて下記の条
件でスピンドル回転数を変化させて紡出試験を行
つた。 [紡出条件] 紡出糸:綿コーマNe40 リング内径:36mm フランジ幅;3.2mm 第2図に示すように、従来の標準品であるSK5
材製のトラベラ(破線で示す)ではスピンドル回
転数が25000rpmに達すると、ほとんど使用に耐
えられない。又、鎖線で示す材料A製のトラベラ
では、スピンドル回転数が20000rpmの時に約
1000時間、25000rpmの時には約300時間の寿命が
得られ、25000rpmの高速回転時においても常用
が可能である。 これに対して実線で示す本考案のトラベラで
は、スピンドル回転数が20000rpmの時にはその
寿命が約1000時間と材料A製と同じであるが、
25000rpmの時には約600時間と材料A製のトラベ
ラと比較しても2倍と大幅に延長された。 なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、第4図に示すように鋼等他の
金属線の周囲をモリブデン金属層L1で被覆した
状態の金属線でトラベラを形成したり、横型トラ
ベラに限らず縦型トラベラに適用してもよい。 考案の効果 以上詳述したように、本考案によれば耐熱性、
耐摩耗性には優れているが靭性のないモリブデン
金属の欠点を他の金属と2層構造にすることによ
り補い、スピンドル回転数25000rpmの高速回転
時においても長時間の使用に十分耐えうるという
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案を具体化したトラベラの正面
図、第2図はスピンドル回転数とトラベラ寿命と
の関係を示す線図、第3図は高速すべり摩擦試験
機の概略正面図、第4図は変更例の金属線を示す
断面図、第5図は巻取運転時にトラベラに加わる
力を示す要部断面図、第6図は炭素工具鋼(SK
材)製トラベラを使用した場合のスピンドル回転
数とトラベラの温度及び硬度との関係を示す線
図、第7図はトラベラとリングとの接触状態を示
す断面図である。 トラベラ……1、リング……2、モリブデン金
属層……L1。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 モリブデン含量がほぼ90%以上のモリブデン
    金属と他の金属とを2層となるように形成した
    金属線材料を、リングと接触する側が前記モリ
    ブデン金属層となるように加工成形した紡機用
    トラベラ。 2 前記モリブデン金属層はその厚さがほぼ
    100μmに形成されている実用新案登録請求の
    範囲第1項に記載の紡機用トラベラ。
JP17004186U 1986-11-04 1986-11-04 Expired JPH043015Y2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17004186U JPH043015Y2 (ja) 1986-11-04 1986-11-04

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JP17004186U JPH043015Y2 (ja) 1986-11-04 1986-11-04

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JPS6373373U JPS6373373U (ja) 1988-05-16
JPH043015Y2 true JPH043015Y2 (ja) 1992-01-31

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