JPH0430051Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、画像や文字等を記録する熱転写記録
装置に係り、特に短時間に高解像度の画像や文字
等の記録を得るのに好適な熱転写記録装置に関す
る。

［従来の技術］ コンピユータ等の端末出力機器において、デー
タ信号に従つてサーマルヘツドを駆動させ、転写
シートを用いて選択的に熱を加えて色材層を転写
する方法が知られている。

この方法は、コンピユータの操作によつて即座
に可変情報を出力できる等のメリツトがある。し
かしながら出力できる文字の種類、大きさ等に限
界があり、画像についてもサーマルヘツドによつ
て解像度が決定してしまい、さらに画像形成につ
いてはヘツド走査単位となるため、時間がかかる
という欠点があつた。

［目的］ 本考案の目的は短時間に再現性の良い画像を得
ることができる熱転写記録装置を提供することに
ある。

［構成］ 本考案の熱転写記録装置は、前記の目的を達成
するために、記録紙とフイルム状の基材上に色材
層を塗布した転写シートとを密着させ、熱を加え
て色材層を記録紙側へ転写させることにより記録
する熱転写記録装置において、前記記録紙と転写
シートと、暗部と明部により情報を記録したシー
ト状の原板とを、裏面側よりの吸引機構を設けた
平板のステージと透明な板材の間に挟持してこれ
らを前記ステージ裏面よりの吸引により密着させ
る手段と、前記透明な板材の上方より光を照射す
る手段と、この光が透明な板材を介して原版に当
り、原版の明部を通つた光により前記転写シート
の色材層が前記記録紙に転写された後に、照射光
手段より搬送方向の下流側にあつて、記録紙の搬
送手段と転写シートの搬送手段との間に搬送方向
と交る方向に挿入され、記録紙の搬送手段の搬送
方向と平行に逆行して転写シートを反転させて記
録紙より転写シートを剥離するよう作用する剥離
バーを備えた剥離機構と、前記記録紙と転写シー
トと原版とを搬送する機構とを有するようにした
ものである。

［実施例］ 本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
第１図は本考案の装置の概要を示し、第５図は装
置の転写プロセスの動作フローを示し、モータ１
９で駆動されるコンベアベルト２に保持された記
録紙１が第５図ａに示すように平板状のステージ
１２の中央に送られる。この時点で転写シート
３、原板版１６、及び光源１４と透明板１３とを
内蔵した反射板１５の順で記録紙１の上方より降
下し、重なり合う状態となる。ここで問題となる
のは記録紙１と転写シート３及び原版１６の密着
度合である。特に記録紙１と転写シート３の密着
度合が悪いと転写シート上の色材層の転写効率が
劣化し、又転写シート３と原版１６の密着度合が
悪い場合には画像の再現性が低下することにな
る。

本実施例においてはこの問題を解決するために
真空密着を行つている。すなわち、第２図に示す
ように、ステージ１２の表面に複数の環状の溝穴
２２を設け、ここから真空ポンプ等で空気を抜
く。又ステージ１２の外周には溝穴２２とは別に
ゴム枠２０を設け、透明板１３の底面に装着され
たゴム枠２１と対応してゴムパツキンの役目をな
している。

さらに、コンベアベルト２には、第３図に示す
ように、多数の吸引穴２３が表裏を貫通して設け
られている。このようにして、ステージ１２と透
明板１３間を密封し、全ての溝穴２２から空気を
抜くことによつて全面真空の状態となり、記録紙
１と転写シート３と原版１６の密着が得られた上
で第５図ｂに示すように光源１４に電力を供給
し、光の熱による転写を行う。本実施例では原板
１６の明部が光を透過して下の転写シート３まで
達し、その部分が吸熱することによつて、記録紙
１に色材層を選択的に転写し画像を形成するもの
であるが、原版として光を反射する部分と透過す
る部分にて情報を記録した物を使用しても良い。

転写が完了した後、転写シート３と記録紙１を
剥離する。この時、問題は転写シートの基材フイ
ルムと色材層の接着力が大きいものについては接
着剤の未硬化に起因する色材層の浮き、剥れが発
生し、画像を壊す恐れがあることである。これを
防ぐためには180°剥離方法を採用すると良い。

第５図ｃ，ｄに示すように、転写後ステージ１
２の記録紙１の載つている部分の溝穴２２からだ
け空気を抜くように切り換えて、この真空吸引力
によつて記録紙１をコンベアベルト２上に保持
し、それと同時に反射板１５及び原版１６を原版
ステージ１７ごと上昇させる。一方、これと同時
に転写シートの巻取り側のガイドローラ７を上昇
させ、剥離バー１０をローラ７の下方をくぐるよ
うにスタージ１２上へ進める。剥離のプロセスは
第４図に示すように、基材フイルムをほぼ180°方
向で剥がして行く。この時、転写シート３の送り
出し側のガイドローラ６とニツプローラ５によつ
て転写シート３を挟持する。このようにすれば剥
離動作に伴つて記録紙１に位置ずれを生じること
もなく、続けて同じ記録紙に多重転写を行うこと
も可能になる。

転写部の剥離が完了した時点で剥離バー１０を
原位置に戻し、剥離動作を完了する。この後第５
図ｅのように、転写シート３の送り出し側のニツ
プローラ５による挟持を解除しローラ６を上昇さ
せ巻取り側のローラ８につながつているモータ１
１によつて転写シートを巻き取り、かつコンベア
ベルト２を駆動させ、記録紙１を搬送、排出して
転写装置の１サイクルを終了する。

本装置を使用してカラー画像を形成する場合に
は、転写シートとして第６図に示すようにＹ（イ
エロー）、Ｍ（マゼンタ）、Ｃ（シアン）、Ｂ（ブラツ
ク）の４色に色材層を塗り分けた転写シートを用
い、原版も４色分の版を原版ステージ１７にピン
を見当の基準としてセツトし、モータ１８にて移
動量を制御することにより、見当を合わせて転写
サイクルを４回繰り返すことでカラー画像を形成
することができる。

［効果］ 本考案は、以上のように構成されているので、
透明板による押圧とステージ吸着面よりの吸引に
より原板、転写シート、記録紙を確実に密着させ
ることができ、また、原板の画像を記録紙に熱転
写後に、記録紙と接着状態にある転写シートの記
録紙の搬送手段の搬送方向と平行に逆行し、転写
シートを反転させるようにして、記録紙より転写
シートを剥離するように作用する剥離バーを設け
たので、剥離バーの移動により色材層の浮き、剥
れを発生させることなく転写シートと記録紙の剥
離を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の熱転写記録装置の外観斜視
図、第２図はステージ及び反射板の密着方法に関
する詳細図、第３図は記録紙の保持方法に関する
詳細斜視図、第４図は転写後の転写シートと記録
紙とを剥離バーで剥離する過程の詳細図、第５図
ａ〜ｅは転写プロセスのフローを示す概要図、第
６図は転写シートの詳細図、である。 １……記録紙、２……コンベアベルト、３……
転写シート、４……転写シート供給ローラ、５…
…ニツプローラ、６……ガイドローラ、７……ガ
イドローラ、８……巻取りローラ、１０……剥離
バー、１１……モータ、１２……ステージ、１３
……透明板、１４……光源、１５……反射板、１
６……原版、１７……原版ステージ、１８……モ
ータ、１９……モータ、２０……ゴム枠、２１…
…ゴム枠、２２……溝穴、２３……吸引穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 記録紙とフイルム状の基材上に色材層を塗布し
   た転写シートとを密着させ、熱を加えて色材層を
   記録紙側へ転写させることにより記録する熱転写
   記録装置において、前記記録紙と転写シートと、
   暗部と明部により情報を記録したシート状の原板
   とを、裏面側よりの吸引機構を設けた平板のステ
   ージと透明な板材の間に挟持してこれらを前記ス
   テージ裏面よりの吸引により密着させる手段と、
   前記透明な板材の上方より光を照射する手段と、
   この光が透明な板材を介して原版に当り、原版の
   明部を通つた光により前記転写シートの色材層が
   前記記録紙に転写された後に、照射光手段より搬
   送方向の下流側にあつて、記録紙の搬送手段と転
   写シートの搬送手段との間に搬送方向と交る方向
   に挿入され、記録紙の搬送手段の搬送方向と平行
   に逆行して転写シートを反転させて記録紙より転
   写シートを剥離するよう作用する剥離バーを備え
   た剥離機構と、前記記録紙と転写シートと原版と
   を搬送する機構とを有することを特徴とする熱転
   写記録装置。