JPH07148908A - 転写印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 迅速かつ低価格で多種少量の転写を実現する
ために、周回する無端転写ベルトに原画の画像を繰り返
し静電印刷し、無端転写ベルトの画像を石鹸などの表面
へ順次転写するようにする。 【構成】 無端転写ベルトａの上側移行経路に沿つて、
静電複写装置Ａと、石鹸ｓを転写ベルトａに沿つて転写
ベルトａの前方まで移送する材料供給装置４１と、材料
供給装置４１の石鹸ｓへ転写ベルトａを加振しつつ接近
させる転写装置Ｂとを順に配設する。転写ベルトａの下
側移行経路に転写ベルトａを洗浄するベルト洗浄装置Ｄ
と、転写ベルトａに剥離剤を塗布する剥離剤塗布装置Ｅ
とを配設する。石鹸ｓの下面に接近する熱板５２ａを昇
降台５１に支持してなる画像固定装置Ｃを転写ベルトａ
の上側移行経路の前方へ配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は周回する無端転写ベルト
に原画の画像を繰り返し静電印刷し、無端転写ベルトの
画像を石鹸などの固形物の表面へ順次転写する転写印刷
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】特公平4-69067 号公報に開示される熱転
写印刷装置では、予めグラビヤ印刷機などにより原画の
画像を印刷した転写フイルムを、石鹸の表面へ重ね合せ
たうえ加熱ローラを押し付け、転写フイルムの画像を石
鹸の表面へ熱転写している。上述の熱転写印刷装置で
は、採算上少くとも１万個分ほどの転写フイルムを外注
しないと、転写フイルム代が割高になり、時間的にも数
日を要し、数百個程度の広告用石鹸などの印刷には向か
ない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は迅速か
つ低価格で多種少量の転写を実現するために、周回する
無端転写ベルトに原画の画像を繰り返し静電印刷し、無
端転写ベルトの画像を石鹸などの表面へ順次転写する、
転写印刷装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成は無端転写ベルトの上側移行経路に沿
つて、静電複写装置と、固形物を転写ベルトの上側に沿
つて転写ベルトの前方まで移送する材料供給装置と、材
料供給装置の固形物へ転写ベルトを加振しつつ接近させ
る転写装置とを順に配設し、転写ベルトの下側移行経路
に転写ベルトを洗浄する洗浄装置と、転写ベルトに剥離
剤を塗布する剥離剤塗布装置とを配設し、固形物の下面
に接近する熱板を昇降台に支持してなる画像固定装置を
転写ベルトの上側移行経路の前方へ配設したものであ
る。

【０００５】

【作用】固形物としての石鹸（以下これを単に石鹸とい
う）は下面に、予め水に溶けない加熱接着剤を含んだ材
料を塗布して、転写可能の薄膜を形成しておく。周回す
る無端転写ベルトは片面に剥離剤を塗布して剥離層を形
成し、剥離層の上に静電複写装置により原画の画像を静
電印刷する。

【０００６】材料供給装置は無端チエーンの搬送枠に支
持した石鹸を、転写ベルトの上側に沿つて移送する。転
写装置の加振ローラにより転写ベルトが石鹸に接近し、
転写ベルトの画像が石鹸の下面へ静電転写される。石鹸
は画像固形装置で表面を加熱され、画像を焼き付けられ
る。その後、搬送枠は石鹸を取出コンベヤへ引き渡し、
旧位置へ戻つて新たな石鹸を受け取り、転写ベルトの画
像に同期して再び転写装置へ移送する。

【０００７】

【実施例】本発明による転写印刷装置は、周回する無端
転写ベルトａ（以下これを単に転写ベルトという）の上
側移行経路に沿つて静電複写装置Ａと、固形物としての
石鹸ｓを転写ベルトａに沿つて移送する材料供給装置４
１と、材料供給装置４１の石鹸ｓの下面へ転写ベルトａ
を加振しつつ接近させる転写装置Ｂとを順に配設し、転
写ベルトａの下側移行経路に転写ベルトａを洗浄するベ
ルト洗浄装置Ｄと、転写ベルトａに剥離剤を塗布する剥
離剤塗布装置Ｅとを配設される。石鹸ｓに画像を加熱固
定する画像固定装置Ｃは、転写ベルトａの上側移行経路
の前方へ配設し、転写ベルトａを短縮し、転写ベルトａ
を高熱から保護する。

【０００８】静電複写装置Ａは公知のカラーコピー機と
同様のものであり、駆動ローラ２１から案内ローラ２２
を経て駆動ローラ２３までの転写ベルトａの上側移行経
路に配設される。箱１８の上面に備えられた透明な原画
載置板１６の上に原画を乗せ、遮光板１７により覆い、
起動スイツチを入れると、箱１８の内部の光学的スキヤ
ナにより原画が電気的な画像信号として読み取られ、
黄、赤（マゼンダ）、青（シアン）、黒の各画像信号に
対応して粉末インキが、同期回転する各静電ドラム１２
〜１５に帯電付着する。

【０００９】転写ベルトａは転写ベルトａの下側に配設
した、ばね力を受ける各押圧ローラ２〜５により各静電
ドラム１２〜１５との隙間を調整される。各押圧ローラ
２〜５のばね力は図示してない電磁アクチユエータによ
り加減される。転写ベルトａが各静電ドラム１２〜１５
の周速と同速で矢印ｘ方向へ移行すると、各静電ドラム
１２〜１５の粉末インキが、転写ベルトａに予め塗布さ
れた剥離層の上へ移り、画像が転写ベルトａへ静電印刷
される。

【００１０】材料供給装置４１は絶縁支持具４２により
図示してない機体に架設した水平な機枠４８と、左右１
対の無端チエーン４３により往復駆動される搬送枠４７
とから構成される。各無端チエーン４３は機枠４８の前
後端部に支持した上下２個の鎖車４４に掛け回され、か
つＵ形の案内軌条５５（図２）に沿つて移動する。搬送
枠４７は左右１対の無端チエーン４３の間に支持され、
両側に突出・引退可能の２対の挟持板４６を備えてい
る。図示してないが、石鹸ｓは予め下面に、印刷面とし
ての水に溶けない薄膜を形成される。

【００１１】図２に示すように、搬送枠４７は長方形の
枠からなり、両側壁を前後２対の腕４９により無端チエ
ーン４３に支持される。搬送枠４７の両側壁に前後２対
の挟持板４６が、例えば電磁アクチユエータなどにより
突出・引退可能に支持される。搬送枠４７と転写ベルト
ａとの間へ突出する水平な受板５０が機体４８に支持さ
れる。好ましくは、受板５０は通常は無端チエーン４３
の側方へ引退していて、搬送枠４７が後方（図１の位
置）へ戻つている時、図２に仮想線で示すように搬送枠
４７の下側へ突出するように構成される。

【００１２】図示してない例えば産業用ロボツトなどの
供給装置により、石鹸ｓが１個ずつ搬送枠４７の上側か
ら受板５０の上へ供給されると、石鹸ｓは左右２対の挟
持板４６により弾性的に挟持され、かつ帯電され、転写
ベルトａと同速で転写ベルトａの画像に同期して矢印ｘ
方向へ送られる。下面に予め表面処理を施された石鹸ｓ
は、転写ベルトａに接近しつつ転写装置Ｂへ送られる。

【００１３】転写装置Ｂは案内ローラ２２と駆動ローラ
２３との間の転写ベルトａの下側にあつて、転写ベルト
ａの下面に接して遊転する加振ローラ３１を電磁加振器
３２に支持される。搬送枠４７の石鹸ｓが転写ベルトａ
と一緒に転写装置Ｂを通過する時、加振ローラ３１によ
り転写ベルトａが石鹸ｓの下面へ接近され、転写ベルト
ａの画像が石鹸ｓの下面へ静電的に転写される。詳しく
は、転写ベルトａの静電印刷層すなわち画像は剥離層か
ら剥離し、石鹸ｓの水に溶けない薄膜へ静電的に付着す
る。加振ローラ３１は適当な温度（熱板５２ａよりも低
い温度）に加熱されることが好ましい。

【００１４】次いで、搬送枠４７の石鹸ｓは転写ベルト
ａから離れ、画像固定装置Ｃの上側を通過する。この時
までに昇降台５１が上昇し、加熱器５２により加熱され
る熱板または遠赤外線加熱板５２ａが石鹸ｓの下面へ接
近または密着され、転写された画像が石鹸ｓの下面に焼
き付けられる。熱板５２ａは表面に画像が付着しないよ
うに、剥離剤をコーテイングされている。こうして、画
像が石鹸ｓに焼き付けられると、昇降台５１が下降し、
無端チエーン４３により駆動される搬送枠４７は、無端
ベルトからなる取出コンベヤ５３の上で、石鹸ｓを前後
２対の挟持板４６から解放し、次いで図１に示す位置へ
後退する。取出コンベヤ５３の上へ移された石鹸ｓは箱
詰装置などへ送り込まれる。

【００１５】転写ベルトａはローラ２４，２５を経て緊
張ローラ２６とローラ２７との間でベルト洗浄装置Ｄの
洗浄槽３５へ案内され、ばね３３ａにより転写ベルトａ
へ押し付けられる複数のドクタ３３により、下面の粉末
インキなどの付着物を除去され、剥離剤塗布装置Ｅへ送
られる。

【００１６】剥離剤塗布装置Ｅは塗布ローラ３４の下半
部が剥離剤槽３５ａに浸漬し、塗布ローラ３４の上側周
面が転写ベルトａの下面に接して剥離剤を塗布する。次
いで、転写ベルトａはローラ２７からローラ２１へ移行
する間に、遠赤外線などの加熱器により乾燥される。

【００１７】

【発明の効果】本発明は上述のように、無端転写ベルト
の片面に剥離層を形成したうえ、剥離層の上に原画の画
像を静電印刷を繰り返し施し、転写ベルトの画像を石鹸
へ順次転写するものであるから、広告用石鹸などの印刷
を少数でも迅速かつ安価に製造できる。

【００１８】従来の転写フイルムの代りに転写ベルトを
用いるので、転写ベルトが変形したり破損する恐れがな
く繰り返し使用でき、また画像を簡単に変更できるので
経済的である。

【００１９】石鹸に画像を加熱固定する画像固定装置
は、転写ベルトの上側移行経路の前方へ配設されるの
で、転写ベルトを短縮し、転写ベルトを画像固定装置の
高熱から保護できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る転写印刷装置の概略構成を示す側
面図である。

【図２】同転写印刷装置における材料供給装置の平面図
である。

【符号の説明】

Ａ：静電複写装置 Ｂ：転写装置 Ｃ：画像固定装置
Ｄ：ベルト洗浄装置 Ｅ：剥離剤塗布装置 ａ：転写ベ
ルト ｓ：石鹸 ４１：材料供給装置 ４７：搬送枠
５１：昇降台 ５２ａ：熱板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】無端転写ベルトの上側移行経路に沿つて、
   静電複写装置と、固形物を転写ベルトの上側に沿つて転
   写ベルトの前方まで移送する材料供給装置と、材料供給
   装置の固形物へ転写ベルトを加振しつつ接近させる転写
   装置とを順に配設し、転写ベルトの下側移行経路に転写
   ベルトを洗浄する洗浄装置と、転写ベルトに剥離剤を塗
   布する剥離剤塗布装置とを配設し、固形物の下面に接近
   する熱板を昇降台に支持してなる画像固定装置を転写ベ
   ルトの上側移行経路の前方へ配設したことを特徴とする
   転写印刷装置。