JP3546631B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー像を印字用紙の搬送方向と直交する方向に印字用紙へ転写する直交転写方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザープリンタに代表されるように、解像度に優れ鮮明な画像を形成できるトナー方式の画像形成装置が普及してきている。このようなトナー方式の画像形成装置の中でも、特願平7−328600で開示したように、印字用紙の搬送方向と直交する方向へトナー像担持体を移動させ、1工程ずつ小刻みにトナー像の転写を行う直交転写方式の画像形成装置は、その構成上製品の小型化を推進するのに大変適している。
【0003】
以下、このような直交転写方式によるカラー対応の従来の画像形成装置について説明する。
【0004】
図11は従来の画像形成装置の概略構成図であり、図12は従来の画像形成装置の転写の工程を示す斜視図、図13は従来の画像形成装置の現像ローラのトナー層の形成状態を示す模式図である。そして、図14〜図17は従来の画像形成装置の転写の状態を示す模式図である。
【0005】
図11〜図12において、表面が有機光導電性材料の層でコーティングされた感光体ベルトからなるトナー像担持体1は、支持ローラ2,変位ローラ3,転写対向ローラ4等の複数のローラにより印字用紙5の搬送方向と直交する方向に張られており、画像形成時には矢印方向に回転することでトナー像担持体1の表面にトナー像が形成される。このトナー像担持体1の周囲には、帯電手段6,現像手段7,クリーニング手段8,除電手段9等が配置されており、トナー像担持体1の上部にはレーザー光を照射するための露光手段10が配置されている。図11に矢印で示すように、トナー像担持体1が印字用紙5の搬送方向と直交する方向に回転すると、帯電手段6を通過した部分は−600V程度に均一に帯電する。露光手段10はシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4原色各々の画像信号に基づき、トナー像担持体1の表面を1ラインを4原色に対応したレーザー光で照射する。レーザー光を照射された部分の電位が−100V程度に上昇することにより、原色毎に4つに区分された静電潜像がトナー像担持体1の表面に同時に形成される。この静電潜像が形成された部分に4原色のトナーを現像ローラ11で押し付けると、トナー像担持体1上に可視像となった4原色各々のトナー像が次々に現れる。
【0006】
図11〜図12に示すように、現像手段7は原色毎に4つの部分から構成されており、現像手段7Cがシアン,現像手段7Mがマゼンタ,現像手段7Yがイエロー,現像手段7Bがブラックというように、それぞれに内蔵された原色のトナーによりシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4原色のトナー層を、共通の現像ローラ11上に原色毎に4つに区分して形成する。図13に示すように、現像ローラ11には右からシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のトナー層12が形成されており、各トナー層12は混色防止のために隙間13あるいは隙間14で隔てられているが、この隙間13,14の部分はシール材15,16によりシールされているので通常はトナーは付着しないようになっている。図14〜図17に示すように、トナー像担持体1には現像手段7により現像される各色の現像領域と、現像領域に挾まれた非現像領域とが存在するが、印字用紙5の搬送方向における現像領域の幅は各色とも同じに設定している。特に、図14〜図17では現像領域の幅と非現像領域の幅とを1:1に設定している。
【0007】
このような直交転写方式の画像形成装置の特徴は、図12に示すように、転写の際にはトナー像担持体1の回転と印字用紙5の搬送を一旦停止し、静止した印字用紙5上をトナー像担持体1が転写対向ローラ4の移動に伴い擦(こす)り付けられて変位することである。この際、トナー像担持体1の弛(たる)みをなくすために変位ローラ3は転写対向ローラ4の動きに追随して変位する。
【0008】
1工程分の転写が終了する毎に、転写対向ローラ4が印字用紙5上を通り過ぎて印字用紙5の領域外に移動することにより、トナー像担持体1は印字用紙5から離隔する。すると印字用紙5の搬送が開始されるが、印字用紙5の搬送距離は図14〜図17に示した各色のトナー層で表わすトナー像担持体1の各色の現像領域の幅の分だけである。印字用紙5は各色の現像領域の幅の分ずつ断続的に定着手段17側に送られ、定着手段17は画像が転写された印字用紙5を加圧ローラ18と内部に熱源を有する加熱ローラ19とで挟み込み、トナー粒子を溶融させて印字用紙5に定着させる。
【0009】
カラーのトナー像の形成方法は、最初は図14に示す状態から始まるが、1回目の転写では1工程で{シアン}のトナー像を転写するだけであるので、1列目にはシアンのトナー像のみが転写される。現像領域の幅の分だけ印字用紙5を搬送すると2回目の転写が行われるが、2回目の転写でも1工程で{シアン}のトナー像を転写するだけであるので、2列目にもシアンのトナー像のみが転写される。
【0010】
次は図15に示すように、3回目の転写では1工程で{シアン,マゼンタ}のトナー像を転写するので、1列目は{シアン,マゼンタ}のトナー像が重ねられるが、3列目は{シアン}のトナー像のみが転写される。現像領域の幅の分だけ印字用紙5を搬送すると、同様にして4回目の転写が行われるが、4回目の転写でも1工程で{シアン,マゼンタ}のトナー像を転写するので、2列目は{シアン,マゼンタ}のトナー像が重ねられるが、4列目は{シアン}のトナー像のみが転写される。
【0011】
次は図16に示すように、5回目の転写では1工程で{シアン,マゼンタ,イエロー}のトナー像を転写するので、1列目は{シアン,マゼンタ,イエロー}のトナー像が、3列目は{シアン,マゼンタ}のトナー像が重ねられる。5列目は{シアン}のトナー像のみが転写される。現像領域の幅の分だけ印字用紙5を搬送すると、同様にして6回目の転写が行われるが、6回目の転写でも1工程で{シアン,マゼンタ,イエロー}のトナー像を転写するので、2列目は{シアン,マゼンタ,イエロー}のトナー像が重ねられ、4列目は{シアン,マゼンタ}のトナー像が重ねられるが、6列目は{シアン}のトナー像のみが転写される。
【0012】
その後は図17に示すように、7回目の転写では1工程で{シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック}のトナー像を転写するので、1列目は{シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック}のトナー像によりカラーのトナー像が形成され、3列目は{シアン,マゼンタ,イエロー}のトナー像が重ねられる。5列目は{シアン,マゼンタ}のトナー像が重ねられるが、7列目は{シアン}のトナー像のみが転写される。
【0013】
転写の最後の方は丁度逆の経路を辿り、1工程で{シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック}のトナー像を転写していたのが、シアンが欠けて{マゼンタ,イエロー,ブラック}となり、さらにはマゼンタも欠けて{イエロー,ブラック}となり、最後には{ブラック}だけとなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような従来の画像形成装置では、図12〜図13に示すように、現像手段7は印字用紙5の搬送方向に沿って4原色各々の現像手段7C〜7Bが並んでいるために、4原色の各色の現像手段7C〜7Bの幅は当然狭くなる。そして、現像手段7の共通の現像ローラ11には隙間13,14の部分が存在するために現像ローラ11の有効利用幅は更に狭くなり、カラー印字の際には印字速度が低下する原因となる。特にブラックのトナーのみを使用するモノクロ印字の際には、直交転写方式でない画像形成装置に比べて極端に印字速度が遅くなるという課題を有していた。
【0015】
本発明は以上の課題を解決し、カラー印字の際やモノクロ印字の際の印字速度を速めた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、複数のローラにより印字用紙の搬送方向と直交する方向に張られたトナー像担持体に担持されたトナー像を、転写対向ローラにより印字用紙の搬送方向と直交する方向に印字用紙へ転写し、印字用紙に転写されたトナー像を定着させる直交転写方式の画像形成装置であって、トナー像担持体にトナーを付着させる現像手段をブラックとその他の原色とに分離し、ブラックに対応する現像ローラを1本丸ごと用いた現像手段と、1本の現像ローラをその他の原色で共用する現像手段とを備え、各々の現像手段をトナー像担持体の回転方向に沿って配置した構成としたものである。
【0017】
この発明によれば、カラー印字の際やモノクロ印字の際の印字速度を速めた画像形成装置を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数のローラにより印字用紙の搬送方向と直交する方向に張られたトナー像担持体に担持されたトナー像を、転写対向ローラにより印字用紙の搬送方向と直交する方向に印字用紙へ転写し、印字用紙に転写されたトナー像を定着させる直交転写方式の画像形成装置であって、トナー像担持体にトナーを付着させる現像手段をブラックとその他の原色とに分離し、ブラックに対応する現像ローラを1本丸ごと用いた現像手段と、1本の現像ローラをその他の原色で共用する現像手段とを備え、各々の現像手段をトナー像担持体の回転方向に沿って配置した構成としたものであり、ブラックに対応する現像ローラの全面を有効に使用できるのでカラー印字の際やモノクロ印字の際の印字速度が速まるという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、トナー像担持体が感光体ベルトからなり、画像信号に基づきトナー像担持体を露光する露光手段を備えた構成としたものであり、ブラックに対応する現像ローラの全面を有効に使用できるのでカラー印字の際やモノクロ印字の際の印字速度が速まるという作用を有する。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図10を用いて説明するが、従来例と同一部分には同一の符号を付している。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態の大要は、ブラックに対応する現像ローラを1本丸ごと用いた現像手段と、1本の現像ローラをその他の3原色で共用する現像手段とを配置し、ブラックに対応する現像ローラの有効利用を図ることによりカラー印字の際やモノクロ印字の際の印字速度を速めたことである。以下、本発明の一実施の形態の詳細を図1〜図10を参照しながら説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施の形態による画像形成装置の概略構成図であり、図2は本発明の一実施の形態による画像形成装置の転写の工程を示す斜視図、図3〜図4は本発明の一実施の形態による画像形成装置の現像ローラのトナー層の形成状態を示す模式図である。そして図5〜図9は本発明の一実施の形態による画像形成装置の転写の状態を示す模式図であり、図10は本発明の一実施の形態による画像形成装置の定着手段の模式図である。
【0023】
図1〜図2において、表面が有機光導電性材料の層でコーティングされた感光体ベルトからなるトナー像担持体1は、支持ローラ2,変位ローラ3,転写対向ローラ4等の複数のローラにより印字用紙5の搬送方向と直交する方向に張られており、画像形成時には矢印方向に回転することでトナー像担持体1の表面にトナー像が形成される。このトナー像担持体1の周囲には、帯電手段6,クリーニング手段8,除電手段9等が配置されている。さらにトナー像担持体1の周囲には、トナー像担持体1と各々が離接可能な現像手段20C,20Bが配置されている。シアン,マゼンタ,イエローに対応する現像手段20Cには現像ローラ21Cが使用され、ブラックに対応する現像手段20Bには現像ローラ21Bが使用されている。そして、トナー像担持体1の上部にはレーザー光を照射するための露光手段10が配置されている。本発明の一実施の形態では露光手段10の代表的なものとしてレーザーを用いた場合について説明するが、露光手段10はレーザーだけでなくLEDあるいはLCDを用いたものでも良い。図1に矢印で示すように、トナー像担持体1が印字用紙5の搬送方向と直交する方向に回転すると、帯電手段6を通過した部分は−600V程度に均一に帯電する。露光手段10はシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4原色各々の画像信号に基づき、トナー像担持体1の表面を{ブラック}に対応したレーザー光や、1ラインを{シアン,マゼンタ,イエロー}の3原色に対応したレーザー光で照射する。レーザー光を照射された部分の電位が−100V程度に上昇することにより、静電潜像がトナー像担持体10の表面に形成される。この静電潜像が形成された部分に現像手段20C,20Bの内の照射したレーザー光に対応するものだけを接触させ、トナーを現像ローラ21Cあるいは現像ローラ21Bで押し付けるとトナー像担持体1上に可視像となったトナー像が次々に現れる。
【0024】
少し敷衍すると、図1〜図2に示すように、現像手段20は{シアン,マゼンタ,イエロー}に対応する現像手段20Cと、{ブラック}に対応する現像手段20Bとで構成されており、それぞれが前述したようにトナー像担持体1と離接可能である。ただし、トナー像担持体1と非接触で行うジャンピング現像等の方法もあるので、本発明においては離接可能の「接」の意味は「接触」だけでなく「接近」の意味も含むものと定義する。現像手段20Cが{シアン,マゼンタ,イエロー}のグループ,現像手段20Bが{ブラック}のグループというように、それぞれに内蔵された原色グループのトナーにより{シアン,マゼンタ,イエロー}の3原色、あるいは{ブラック}の原色のトナー層を、各々の現像ローラ21C,21B上に形成する。図3に示すように、現像手段20Cの現像ローラ21Cに形成されるトナー層12の状態は、従来例の説明で用いた図11において左端にあるブラックのトナー層12を削除したものとなる。そして図4に示すように、現像手段20Bの現像ローラ21Bには現像ローラ21Cと異なり、現像ローラ21Bに丸ごとブラック1色分のトナー層12を形成し、ブラックのトナー層12はシール材22でシールされた隙間23で隔てられている。
【0025】
{シアン,マゼンタ,イエロー}の3原色のグループ、あるいは{ブラック}のグループのような原色グループ単位でのトナー像の印字用紙5への転写の際には、図2に示すように、一時的に印字用紙5の搬送を中断して転写板24(図1参照)上に印字用紙5を静止させると共に、トナー像担持体1の回転も停止させる。そして、トナー像担持体1のトナー像が形成された部分を、トナー像担持体1の裏側から転写対向ローラ4を転がして印字用紙5に擦り付けて原色グループのトナー像の転写を行い、トナー像担持体1を左端あるいは右端から逆の方向へ1工程分変位させる。この時、原色グループのトナー像の転写を終えたトナー像担持体1の転写終了面Zは、転写対向ローラ4の通過と共に印字用紙5から逐次離隔していく。転写工程中は、印字用紙5を載せた転写板24に正の電圧を印加し、負に帯電したトナー像をトナー像担持体1の表面から引き寄せて剥離させ印字用紙5に転写させる。なお、このトナー像担持体1による転写は、今述べたように往路だけではなく復路にも可能である。この時、トナー像担持体1の移動方向を印字用紙5側から眺めると、トナー像担持体1は印字用紙5上を印字用紙5の搬送方向に対し直交する方向に変位している。
【0026】
図1に示すように、クリーニング手段8は、トナー像担持体1の表面の残留トナーを、クリーニングブレードやクリーニングブラシにより除去して廃トナーとして回収し、トナー像担持体1の表面を物理的に清浄化する。そして、除電手段9は、残留トナーを除去した後のトナー像担持体1の表面に残留した負の電荷を中和して、トナー像担持体1の表面を電気的に清浄化する。なお、除電手段9の設置は必須要件ではない。
【0027】
図5〜図8に示すように、3原色からなる{シアン,マゼンタ,イエロー}の原色グループの転写の際には、トナー像担持体1には現像手段20Cにより現像される各色の現像領域と、現像領域に挾まれた非現像領域とが存在するが、現像領域の幅は各色とも同じに設定している。現像領域の幅と非現像領域の幅との比率は、{1:1},{2:1},{3:1},・・等に設定可能であるが、図5〜図8では現像領域の幅と非現像領域の幅とを{1:1}に設定している。
【0028】
図8に示すように、{シアン,マゼンタ,イエロー}の原色グループの転写が、ブラックのトナー層で表わすトナー像担持体1の現像領域の幅の分(この場合は5列分)だけ終了すると、印字用紙5は直ちに図7に示す位置まで引き戻され、次の段階の{ブラック}の原色グループ分の転写に移行する。図9に示すように、{ブラック}の原色グループの転写が1回の工程で(この場合は5列分)終了すると、4原色からなるカラーのトナー像(この場合は5列分)が印字用紙5上に形成され、次の転写のために印字用紙5の搬送が開始される。
【0029】
繰り返して説明すると、印字用紙5へのカラーのトナー像の形成方法は、前述のように{シアン,マゼンタ,イエロー}の3原色グループの転写を終えた後に、印字用紙5を引き戻して{ブラック}の原色グループの転写の転写を行う。モノクロ印字を行う場合の印字用紙5へのブラックのトナー像の形成方法は、現像手段20Bのみを用いて{ブラック}の原色グループの転写を繰り返して{ブラック}のトナー像を転写する。
【0030】
本発明の特徴として、ブラックの現像に用いる現像手段20Bでは、現像ローラ21Bを1本丸ごと{ブラック}の原色グループの現像に用いているために、トナー像担持体1のブラックの現像領域の幅が従来例と異なり大幅に広がっている。このためにブラックの転写速度が速くなり、カラー印字の際は無論のこと、ブラックのトナーを使うモノクロ印字の場合には従来例と比較して大幅な印字速度の向上が見られる。
【0031】
カラーのトナー像の形成方法を詳述すると、最初は図5に示す状態から始まるが、1回目の転写では1工程で{シアン}のトナー像を転写するだけであるので、1列目にはシアンのトナー像のみが転写される。現像領域の幅の分だけ印字用紙5を搬送すると2回目の転写が行われるが、2回目の転写でも1工程で{シアン}のトナー像を転写するだけであるので、2列目にもシアンのトナー像のみが転写される。
【0032】
次は図6に示すように、3回目の転写では1工程で{シアン,マゼンタ}のトナー像を転写するので、1列目は{シアン,マゼンタ}のトナー像が重ねられるが、3列目は{シアン}のトナー像のみが転写される。現像領域の幅の分だけ印字用紙5を搬送すると、同様にして4回目の転写が行われるが、4回目の転写でも1工程で{シアン,マゼンタ}のトナー像を転写するので、2列目は{シアン,マゼンタ}のトナー像が重ねられるが、4列目は{シアン}のトナー像のみが転写される。
【0033】
次は図7に示すように、5回目の転写では1工程で{シアン,マゼンタ,イエロー}のトナー像を転写するので、1列目は{シアン,マゼンタ,イエロー}のトナー像が、3列目は{シアン,マゼンタ}のトナー像が重ねられる。5列目は{シアン}のトナー像のみが転写される。現像領域の幅の分だけ印字用紙5を搬送すると、同様にして6回目の転写が行われるが、6回目の転写でも1工程で{シアン,マゼンタ,イエロー}のトナー像を転写するので、2列目は{シアン,マゼンタ,イエロー}のトナー像が重ねられ、4列目は{シアン,マゼンタ}のトナー像が重ねられるが、6列目は{シアン}のトナー像のみが転写される。
【0034】
その後は図8に示すように、{シアン,マゼンタ,イエロー}の原色グループの転写が、ブラックのトナー層で表わすトナー像担持体1の現像領域の幅の分(この場合は5列分)だけ終了すると、印字用紙5は直ちに図7に示す位置まで引き戻され、次の段階である{ブラック}の原色グループの転写に移行する。
【0035】
図9に示すように、{シアン,マゼンタ,イエロー}の原色グループにおける5列分の転写は、{ブラック}の原色グループの転写においては1回の転写で終了し、{ブラック}の原色グループを重ねた部分には4原色からなるカラーのトナー像が5列分形成される。その後は、新たに{シアン,マゼンタ,イエロー}の原色グループの転写を行うために、カラーのトナー像が形成された部分の長さだけ印字用紙5の搬送が行われる。
【0036】
以上の説明では、印字用紙5が前進と後退を繰り返しながら、{シアン,マゼンタ,イエロー}の原色グループの転写と、{ブラック}の原色グループの転写とを交互に行う場合について述べた。つまり、トナー像担持体1のブラックの現像領域の幅ずつカラーのトナー像が逐次形成されて行くという、いわば逐次転写方式について述べたのであるが、カラーのトナー像の転写方式はその他の方式を採用しても良い。それは、いわば逐次転写方式に対する一括転写方式とでもいうものであり、印字用紙5が前進しながら{シアン,マゼンタ,イエロー}の原色グループの転写を全て終えると印字用紙5が全面的に後退して最初の転写位置に戻り、印字用紙5が再び前進しながら{ブラック}の原色グループの転写を一括して行うものである。
【0037】
以上に述べた、逐次転写方式か一括転写方式かどちらかの転写方式による転写を繰り返した後、図2に示すように、印字用紙5は定着手段17側に送られる。定着手段17は画像が転写された印字用紙5を、加圧ローラ18と内部に熱源を有する加熱ローラ19とで挟み込み、トナー粒子を溶融させて印字用紙5に定着させる。印字用紙5に全ての画像が転写された後であれば、印字用紙5は停止することなく搬出されるので加熱ローラ19の熱源はオンのままで良い。しかし、印字用紙5に画像を転写中であれば、印字用紙5は停止状態にあるので加熱ローラ19の熱源を一時オフにするか、あるいは加熱ローラ19を印字用紙5から遠ざける必要がある。また、図10に示すように、定着手段25として熱源26と反射板27とで構成されたものを採用し、定着手段25の下側に反射板28を設置して熱効率を向上させることにより、トナーと非接触で定着させる方法もある。以上のようにして一連の画像形成の工程が終了する。
【0038】
最後に、本発明の請求項1に関わることを簡潔に述べておくと、トナー像担持体には必ずしも感光体を用いる必要はないし、露光手段も必要としない場合がある。というのは、熱源により静電潜像を形成して現像することによりトナー像を形成することもできるし、トナーでベタ塗りにしたトナー像担持体をエアージェットで吹き飛ばし、あたかも版画を彫るようにしてトナー像を形成することもできるからである。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数のローラにより印字用紙の搬送方向と直交する方向に張られたトナー像担持体に担持されたトナー像を、転写対向ローラにより印字用紙の搬送方向と直交する方向に印字用紙へ転写し、印字用紙に転写されたトナー像を定着させる直交転写方式の画像形成装置であって、トナー像担持体にトナーを付着させる現像手段をブラックとその他の原色とに分離し、ブラックに対応する現像ローラを1本丸ごと用いた現像手段と、1本の現像ローラをその他の原色で共用する現像手段とを備え、各々の現像手段をトナー像担持体の回転方向に沿って配置した構成としたことにより、ブラックに対応する現像ローラの全面を有効に使用できるのでカラー印字の際やモノクロ印字の際の印字速度を大幅に速めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による画像形成装置の概略構成図
【図2】本発明の一実施の形態による画像形成装置の転写の工程を示す斜視図
【図3】本発明の一実施の形態による画像形成装置の現像ローラのトナー層の形成状態を示す模式図
【図4】本発明の一実施の形態による画像形成装置の現像ローラのトナー層の形成状態を示す模式図
【図5】本発明の一実施の形態による画像形成装置の転写の状態を示す模式図
【図6】本発明の一実施の形態による画像形成装置の転写の状態を示す模式図
【図7】本発明の一実施の形態による画像形成装置の転写の状態を示す模式図
【図8】本発明の一実施の形態による画像形成装置の転写の状態を示す模式図
【図9】本発明の一実施の形態による画像形成装置の転写の状態を示す模式図
【図10】本発明の一実施の形態による画像形成装置の定着手段の模式図
【図11】従来の画像形成装置の概略構成図
【図12】従来の画像形成装置の転写の工程を示す斜視図
【図13】従来の画像形成装置の現像ローラのトナー層の形成状態を示す模式図
【図14】従来の画像形成装置の転写の状態を示す模式図
【図15】従来の画像形成装置の転写の状態を示す模式図
【図16】従来の画像形成装置の転写の状態を示す模式図
【図17】従来の画像形成装置の転写の状態を示す模式図
【符号の説明】
1 トナー像担持体
2 支持ローラ
3 変位ローラ
4 転写対向ローラ
5 印字用紙
6 帯電手段
7 現像手段
7C 現像手段
7M 現像手段
7Y 現像手段
7B 現像手段
8 クリーニング手段
9 除電手段
10 露光手段
11 現像ローラ
12 トナー層
13 隙間
14 隙間
15 シール材
16 シール材
17 定着手段
18 加圧ローラ
19 加熱ローラ
20 現像手段
20C 現像手段
20B 現像手段
21C 現像ローラ
21B 現像ローラ
22 シール材
23 隙間
24 転写板
25 定着手段
26 熱源
27 反射板
28 反射板

Claims (2)

  1. 複数のローラにより印字用紙の搬送方向と直交する方向に張られたトナー像担持体に担持されたトナー像を、転写対向ローラにより印字用紙の搬送方向と直交する方向に印字用紙へ転写し、印字用紙に転写されたトナー像を定着させる直交転写方式の画像形成装置であって、トナー像担持体にトナーを付着させる現像手段をブラックとその他の原色とに分離し、ブラックに対応する現像ローラを1本丸ごと用いた現像手段と、1本の現像ローラをその他の原色で共用する現像手段とを備え、各々の現像手段をトナー像担持体の回転方向に沿って配置したことを特徴とする画像形成装置。
  2. トナー像担持体が感光体ベルトからなり、画像信号に基づきトナー像担持体を露光する露光手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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