JPH0430045A

JPH0430045A - 鉄筋コンクリート構造物の柱・梁仕口部構造

Info

Publication number: JPH0430045A
Application number: JP13393590A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Irisawa; 入沢　賢一
Original assignee: Obayashi Corp
Current assignee: Obayashi Corp
Priority date: 1990-05-25
Filing date: 1990-05-25
Publication date: 1992-02-03

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、柱主筋と梁主筋とが交差される柱・梁仕口
部の強度や施工性の向上を図った鉄筋コンクリート構造
物の柱・梁仕口部構造に関する。

（従来の技術）鉄筋コンクリート構造にあっては、柱・梁部材に配筋さ
れる鉄筋が多い場合、仕口部では柱主筋と梁主筋とが複
雑に交錯し、剪断補強に用いるフープ筋の配筋設計並び
に施工が困難となり、剪断耐力が不足する。また、仕口
部では、鉄筋が複雑に交錯するため、コンクリートのま
わりか不十分となりやすく、耐力低下を助長するおそれ
がある。

そこで従来では、例えば特公昭５Ｂ−５４５７号公報や
特公昭６１−８２１９号公報に示すように、柱・梁仕口
部の鉄量を増すことによって耐力向上を図ると共に施工
性の簡略化を確保するために、鋼板製等の補強パネルを
柱・梁仕口部に設置する提案がなされている。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、各構造にあっては剪断耐力の向上は図れ
るものの、補強パネルの存在によりコンクリートのまわ
り込みが阻害されたり、補強パネル分の重量増加を招き
、施工性に問題があった。

本発明は上述したような背景に鑑みて創案されたもので
あり、高引張強度を有する繊維材料を利用して柱・梁仕
口部の剪断補強を行うようにした鉄筋コンクリート構造
物の柱・梁仕口部構造を提供することを目的としている
。

（課題を解決するための手段）前記目的を達成するため、この発明は、柱・梁仕口部に
、高引張強度を有する繊維材料を組んで形成した立体格
子状構造を設置したことを特徴とする。

また本発明は、高引張強度を有する繊維材料で立体格子
状構造を形成すると共に、立体格子状構造に梁主筋に接
続される梁筋を取り付け、立体格子状構造を柱主筋に挿
通させて柱・梁仕口部に設置することを特徴とする。

（作　用）本発明の作用について述べると、炭素繊維などの高引張
強度を有する繊維材料は、軽量かつ高強度であると共に
、鉄と同等以上の弾性を有し、また鋼材以上の優れた引
張り強度、耐久性を有している。このような高引張強度
を有する繊維材料により、予め工場生産などによって立
体格子状構造を形成する。そしてこの立体格子状構造を
柱・梁仕口部に設置する。この際には、まず立体格子状
構造を既設の柱の柱主筋に挿通させた後、梁筋を貫通さ
せれば良い。他方、次のようにしても良い。

立体格子状構造に予め上記梁筋を取り付けると共に、柱
主筋に挿通させて柱・梁仕口部へ設置する。

柱主筋は立体格子状構造の内側に配置されると共に、梁
主筋は梁筋を介して立体格子状構造と接続される。この
状態でコンクリートが打設されると、コンクリートは立
体格子状構造内にスムーズにまわり込むと共にこの立体
格子状構造に拘束されるので、仕口部における各主筋の
コンクリートに対する定着性を確保できる。またコンク
リートと一体化された立体格子状構造はその材質特性を
発揮し、仕口部における剪断補強を確実なものとする。

さらに、このような繊維材料で形成した立体格子状構造
は軽量であり、仕口部への設置作業も簡単であると共に
、柱主筋や梁主筋との取合いも容易で、施工性に優れる
ものである。

（実　施　例）以下、この発明の好適な実施例を図面を用いて詳細に説
明する。

第１図〜第３図において、１は断面矩形状の鉄筋コンク
リート製柱、２は柱１上の柱・梁仕口部に設置される柱
１の断面より小さく形成された立体格子状構造、２ｂは
立体格子状構造２にこれより水平方向に延出させて取り
付けられ、梁主筋３に接続される短尺な梁筋、４は梁用
の型枠である。

立体格子状構造２は、例えば炭素繊維等をエポキシ樹脂
等で収束硬化させた繊維強化ロッド２ａを縦横に組み合
わせて籠状に形成したもので、予め工場生産などによっ
て製造される。

他方建築現場では、立体格子状構造２を、柱１の柱主筋
１ａに挿通させつつ柱・梁仕口部に設置し、その後立体
格子状構造２に取り付けた梁筋２ｂに梁主筋３を溶接等
で接続する。この場合、予め梁主筋３には所要のスター
ラップ筋３ａを装備しておく。この設置作業は、立体格
子状構造２を、予め梁主筋３に接続した状態で柱１上方
から柱主筋１ａに挿通させつつ建て込むようにしても良
いことは勿論である。

以上の準備作業終了後に型枠４内にコンクリドＣを打設
すれば、梁主筋３．スターラップ筋３ａなどを一体に埋
設した状態の梁６が形成される。

この際、梁６と柱１との仕口部においては、コンクリー
トＣが立体格子状構造２の内部にまわり込んで充填され
、また型枠４に囲まれた立体格子状構造２の外側にもコ
ンクリートＣが充填される。

この仕口部は、一般に柱主筋１ａと梁主筋３とが交錯し
ているためコンクリートＣがまわり込み難い部分である
が、立体格子状構造２はコンクリートＣをまわり込ませ
る十分な空隙を形成するので、コンクリートＣの充填が
阻害されることはなく、立体格子状構造２の内部に拘束
されたコンクリートＣによって柱主筋１ａ及び梁主筋３
の定着状態が確保される。また、コンクリートＣがその
内外に充填された立体格子状構造２は、その構造素材で
ある高引張強度を有する繊維材料（繊維強化ロッド２ａ
）がその特性を発揮し、仕口部における剪断補強を確実
なものとする。そして仕口部及びその近傍に剪断ひび割
れが発生しても、仕口部の剪断剛性低下に抵抗するよう
に各ロッド２ａに一方向引張り力が作用し、繊維材料の
特性を発揮させて破壊を抑制できる。また仕口部では、
立体格子状構造２でコンクリートＣが拘束され主筋１ａ
。

３の定着が確保されることより、エネルギー吸収能が改
善され、変形を受けた場合の良好な復元力特性を得るこ
とができる。

なお、実施例では柱１の上部に梁６が一方向にのみ交差
状態に配置された仕口部を示したが、十文字形１丁字形
、Ｌ字形などに構成される仕口部に対しても本立体格子
状構造２を使用することで、剪断耐力の向上を図ること
ができる。

（発明の効果）以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を
発揮する。

剪断補強に使用される高引張強度を有する繊維材料自体
が軽量であると共に、この繊維材料で構成した立体格子
状構造を仕口部に設置するのみであるため、作業性が良
好であると共に施工が簡単である。そしてこの繊維材料
で構成される立体格子状構造はユニット化し易く、また
工場等で大量生産できるので、コストダウンを図ること
かできる。

他方、高引張強度を有する繊維材料の強度特性は鉄筋と
同等以上であるので、鉄筋よりも使用量を減少させるこ
とができる。従って、仕口部におけるコンクリートの充
填スペースを十分に確保でき、コンクリートのまわりを
良好なものとすることができる。そしてこれら繊維材料
の強度特性とコンクリートまわりの確保により、十分な
剪断補強性能を発揮させることができる。また、高引張
強度を有する繊維材料によるコンクリートの拘束と十分
なコンクリートのまわりによって、仕口部における柱・
梁主筋の定着性を良好なものとして抜出し等を防止でき
る。さらにこれら繊維材料によるコンクリートの拘束と
、鉄筋の抜出し防止効果により、エネルギ吸収能が向上
されると共に、良好な復元力特性を確保することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の好適な一実施例を示す斜視図、第２図
はその平面断面図、第３図は側断面図である。１・・・コンクリート製柱　１ａ・・・柱主筋２・・・
立体格子状構造

Claims

【特許請求の範囲】

（１）柱・梁仕口部に、高引張強度を有する繊維材料を
組んで形成した立体格子状構造を設置したことを特徴と
する鉄筋コンクリート構造物の柱・梁仕口部構造。
（２）高引張強度を有する繊維材料で立体格子状構造を
形成すると共に、該立体格子状構造に梁主筋に接続され
る梁筋を取り付け、該立体格子状構造を柱主筋に挿通さ
せて柱・梁仕口部に設置することを特徴とする鉄筋コン
クリート構造物の柱・梁仕口部構造。