JPH04297408A - 水系美爪料 - Google Patents

水系美爪料

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Publication number
JPH04297408A
JPH04297408A JP6291291A JP6291291A JPH04297408A JP H04297408 A JPH04297408 A JP H04297408A JP 6291291 A JP6291291 A JP 6291291A JP 6291291 A JP6291291 A JP 6291291A JP H04297408 A JPH04297408 A JP H04297408A
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JP
Japan
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weight
monomer
water
aqueous
polymer emulsion
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Application number
JP6291291A
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English (en)
Inventor
Tadashi Igarashi
正 五十嵐
Susumu Sugawara
享 菅原
Akira Yoshimatsu
吉松 明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Publication of JPH04297408A publication Critical patent/JPH04297408A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来の有機溶剤を用い
た美爪料とは異なる水系の美爪料に関するものである。 本発明における美爪料とは、ネイルエナメル、ネイルエ
ナメルベースコート、ネイルエナメルオーバーコート等
を含むものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
美爪料は、皮膜形成剤としてのニトロセルロース、アル
キッド樹脂等の樹脂、さらに可塑剤、有機溶剤を主基剤
としたものがその主流を占めている。しかしながら、こ
れらの有機溶剤系美爪料は、塗膜形成剤としての諸性能
は優れているものの、有機溶剤使用による引火性、溶剤
臭、人体への影響、特に、爪そのものへの悪影響等にお
いて重大な欠点を有している。これらの欠点を解決する
ために、従来より、有機溶剤を使用しない、水性の美爪
料が提案されている。
【0003】例えば、特開昭54−28836 号公報
、特開昭54−52736 号公報には、アクリル系ポ
リマーエマルジョンから成る美爪料が開示されているが
、本発明者が追試した限りでは、それらは、筆さばき性
、成膜性(特に低温成膜性)、塗膜の光沢などで劣るも
のである。
【0004】又、特開昭56−131513号公報、特
開昭57−56410 号公報にはアクリル系ポリマー
マイクロエマルジョンから成る美爪料が開示されている
が、得られる塗膜は機械的摩擦に対して全くもろいとい
う欠点を有している。
【0005】又、特開昭56−131513号公報、特
開昭62−63507 号公報には剥離型の水系美爪料
が開示されているが、日常の使用状態ですぐに剥がれる
という欠点があり、実用的とはいえない。
【0006】
【課題を解決するための手段】係る状況に鑑み、本発明
者らは、光沢、密着性、耐水性、塗膜強度に優れ、しか
も引火性、溶剤臭がない等の長所を備えた水系の美爪料
を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定の水性複合ポリ
マーエマルジョンが、本目的達成に極めて有効である事
を見出し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、ポリマーエマルジョ
ンを構成するポリマー粒子が化学組成の異なる少なくと
も二層からなる多層構造を有し、かつ、最内層が架橋重
合体である水性複合ポリマーエマルジョンを固形分換算
で5〜60重量%含有することを特徴とする水系美爪料
を提供するものである。
【0008】本発明に用いられる多層構造を有する水性
複合ポリマーエマルジョンは、塗料分野においていくつ
か知られており、例えば、英国特許第928,251 
号公報には、3段階にわけて乳化重合することによって
得られた多層構造ポリマーラテックスが耐水性の良い塗
膜性能の優れた水性の光沢ペイント素材となることが、
また米国特許第3,256,233 号公報には、重合
を2〜3段階にわけて行い、生成した層構造をもったポ
リマーラテックスとアルカリ可溶性のスチレン/無水マ
レイン酸系の交互共重合体とからなる水性の光沢ペイン
トが、更に米国特許第3,236,798 号公報には
、重合を段階的に行ったアクリロニトリルとアクリル酸
エチルの共重合体ラテックスが耐溶剤の優れたラテック
スペイント素材となることが記載されているが、美爪料
等の化粧品分野への応用例は見当たらない。
【0009】多層構造をとることによって、ロールなど
で混練する従来技術のブレンド方法では困難であった、
ガラス転移温度が高く、かつ、相溶性の悪いポリマーど
うしの組み合わせや、ガラス相〜結晶相〜ゴム相の共存
するポリマーの生成などの種々の組み合わせが可能であ
る。本発明者らは、最内層のポリマーが架橋体であるよ
うに設計すれば、内層のポリマーが非架橋である多層構
造ポリマーエマルジョンに比べて、成膜性のよさと、塗
膜硬度の高さの両立がより容易となり、美爪料として好
適に用いうること見出した。
【0010】このような多層構造を有する粒子からなる
水性複合ポリマーエマルジョンの製造方法としては、一
般的に、水媒体中で段階的に乳化重合を行う方法等が知
られている。例えば、いわゆるシード乳化重合により内
層と外層とを異なる組成のモノマーを組み合わせて生成
せしめる方法がある(色材協会誌,50(5), 26
7− 275(1977)等)。その際に、組み合わせ
るモノマーの種類を選択することによりシード(種)ポ
リマーが内層を形成する場合と、外層を形成する場合と
がある。またシード重合により層構造の明瞭でないポリ
マー粒子が得られることもあるが、そのようなポリマー
のエマルジョンは本発明には用いられない。
【0011】本発明においては、最内層が架橋重合体で
ある水性複合ポリマーエマルジョンを固形分換算で5〜
60重量%含有することを特徴とする。こうすることに
より、粒子内の層構造がより明瞭になり易く、そのため
、成膜性のよさと、塗膜硬度の高さが両立し易くなる。 架橋しないと層構造が明瞭になりにくく多層構造ポリマ
ーエマルジョンの特徴が出にくい。
【0012】本発明において外層のポリマーの軟化温度
はできるだけ低い方が成膜性の面で有利であるが、低す
ぎると塗膜がべとつき光沢保持性に欠けることから、−
10℃以上が好ましく、より好ましくは0℃以上である
。 また、外層のポリマの軟化温度が高く(例えば室温以上
)成膜しにくい場合には成膜助剤、可塑剤を適宜併用し
て成膜性を調整することができる。
【0013】内層部と外層部のポリマーの重量比につい
て述べると、外層部のポリマーは内層部のポリマーに対
して、0.1 〜20重量倍が好ましく、より好ましく
は0.5 〜5重量倍である。0.1 重量倍未満及び
20重量倍を越えた場合は、内層部もしくは外層部のポ
リマーの性質がより支配的になるため、上記のような複
合ポリマーエマルジョンとしての効果は期待できない。
【0014】尚、シード重合を1段階行えば内層と外層
の二層からなる複合ポリマーエマルジョンが得られるが
、更にシード重合をくり返して行い、更に多層構造の複
合ポリマーエマルジョンを得ることも可能である。その
場合は内層のうちの一層もしくは内層全てが架橋体であ
っても構わない。
【0015】本発明において、外層を構成するポリマー
は、重合可能な二重結合を有するモノマーを重合するこ
とによって得られる。用いられるモノマーとしては特に
制限はなく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸 n−ブチル、アクリル酸ラウリル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸 n−ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ス
チレン、クロルスチレンなどのスチレン系モノマー; 
t−ブチルアクリルアミドなどの N−置換(メタ)ア
クリルアミド;並びにアクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどが挙げられ、これらの一種または二種以上か
ら選択することができる。
【0016】また、内層は上記の重合可能な二重結合を
有するモノマーと架橋性単量体を共重合することにより
得られる。用いられる架橋性単量体としては、ジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート等の多官能モノマーが挙げられるが
、これらに限定されるものではない。
【0017】ここで内層を構成するポリマーは外層を構
成するポリマーに比べて疎水的であった方が、目的とす
る多層構造エマルジョンを得やすい。
【0018】従って、重合して得られるポリマーの親水
性/疎水性、及び軟化温度の高/低を考慮して用いるモ
ノマーを選択すればよい。これらを適宜組み合わせて乳
化剤を用いた乳化重合、シード乳化重合、乳化剤を用い
ない水媒体不均一重合等、公知の手法により多層構造を
有する水性複合ポリマーエマルジョンを作製することが
できる。
【0019】本発明において用いられる特に好ましい水
性複合ポリマーエマルジョンは、塩生成基を有し重合可
能な二重結合を有する単量体0.5 〜15重量%と、
それと共重合し得る重合可能な二重結合を有する単量体
85〜99.5重量%とを共重合して得られる共重合体
の有機溶剤溶液に水を加えた後、有機溶剤を留去して得
られる水性ビニル樹脂(A) の存在下で、重合可能な
二重結合を有する単量体50〜99.9重量%と、それ
と共重合し得る架橋性単量体0.1〜50重量%とから
なる単量体混合物(B)を重合して得られた水性複合ポ
リマーエマルジョンである。
【0020】本発明において、水性ビニル樹脂(A) 
の製造に用いられる塩生成基を有し重合可能な二重結合
を有する単量体としては、アニオン性単量体、カチオン
性単量体、両性単量体等が挙げられる。
【0021】アニオン性単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸モノマ
ー又はそれらの無水物あるいは塩;スチレンスルホン酸
、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
等の不飽和スルホン酸モノマー又はそれらの塩;ビニル
ホスホン酸、アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリ
レート等の不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
【0022】カチオン性単量体としては、N,N −ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N −
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のジアルキル
アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メ
タ)アクリルアミド類;N,N −ジメチルアミノスチ
レン、N,N −ジメチルアミノメチルスチレンの如き
ジアルキルアミノ基を有するスチレン類;4−ビニルピ
リジン、2−ビニルピリジンの如きビニルピリジン類;
或いはこれらをハロゲン化アルキル、ハロゲン化ベンジ
ル、アルキル又はアリールスルホン酸、又は硫酸ジアル
キルの如き公知の四級化剤で四級化したもの等が挙げら
れる。
【0023】両性単量体としては、 N−(3−スルホ
プロピル)−N −メタクリロイルオキシエチル−N,
N −ジメチルアンモニウムベタイン、N −カルボキ
シメチル−N −メタクリロイルオキシエチル−N,N
 −ジメチルアンモニウムベタイン等が挙げられる。
【0024】これら塩生成基を有し重合可能な二重結合
を有する単量体と共重合し得る重合可能な二重結合を有
する単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸 n−ブチル、アクリル酸ラウリル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸 n−ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ス
チレン、クロルスチレンなどのスチレン系モノマー; 
t−ブチルアクリルアミドなどの N−置換(メタ)ア
クリルアミド;並びにアクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上から
選択することができる。
【0025】本発明において、塩生成基を有し重合可能
な二重結合を有する単量体と、それと共重合し得る重合
可能な二重結合を有する単量体の配合割合は、前者0.
5 〜15重量%、後者85〜99.5重量%であり、
より好ましくは前者2〜10重量%、後者90〜98重
量%である。塩生成基を有し重合可能な二重結合を有す
る単量体の量が0.5 重量%未満では安定な水性ビニ
ル樹脂は得られず、15重量%を超えると、実用性のあ
る耐水性を有する樹脂は得られない。
【0026】上記の塩生成基を有し重合可能な二重結合
を有する単量体と、それと共重合し得る重合可能な二重
結合を有する単量体とを共重合させるには、公知のラジ
カル開始剤を用い、溶液重合法、バルク重合法、沈殿重
合法等の公知の重合法により共重合させればよい。後に
水系に転相することから、溶液重合法を用い重合後直ち
に次の工程に移るのが好ましい。又、重合の後、水系に
転相させる前に得られた共重合体を公知の方法で精製す
ることも可能である。得られた共重合体の重量平均分子
量は10,000〜500,000 が好適であり、5
0,000〜200,000 がより好ましい。重量平
均分子量が10,000未満では塗膜の物性が劣り、ま
た500,000 を超えると転相が困難となり、水性
ビニル樹脂が得られなくなる。
【0027】共重合体の塩生成基がイオン化されていな
い場合は必要に応じて中和剤によりイオン化を行う。塩
生成基を有し重合可能な二重結合を有する単量体として
、既に塩となっている単量体を用いる場合は、中和剤に
よるイオン化は不要であるが、そうでない場合は、中和
剤によりイオン化した方が爪や皮膚に対する刺激性が少
ないため好ましい。
【0028】中和剤としては塩生成基の種類に応じてそ
れぞれ公知の酸、塩基を用いればよい。酸としては、例
えば塩酸、硫酸等の無機酸;酢酸、プロピオン酸、乳酸
、コハク酸、グリコール酸等の有機酸が挙げられる。 また塩基としては例えばトリメチルアミン、トリエチル
アミン等の3級アミン類、アンモニア、水酸化ナトリウ
ム等が挙げられる。中和度に特に制限はないが、得られ
た水性ビニル樹脂のpHが中性付近になるように中和す
るのが望ましい。
【0029】こうして得られた共重合体を水系に転相し
、水性樹脂とするには、共重合体をアルコール系、ケト
ン系、エステル系、エーテル系等の有機溶剤の溶液とし
、これに水を加え、上記有機溶剤を留去すればよい。 上記有機溶剤溶液の濃度は共重合体の組成及び分子量に
よって適宜決定されるが、通常10〜80重量%であり
、好ましくは20〜70重量%である。
【0030】有機溶剤としては上記のものの中でも、ア
ルコール系及び/又はケトン系の有機溶剤が転相がうま
く行なえるので好ましい。尚、溶液重合法による場合、
重合の溶剤としては任意に選ぶことができるが、上記の
ような有機溶剤を用いれば、重合から転相までの工程が
簡略化されるので好ましい。
【0031】本発明に用いられるアルコール系溶剤とし
ては、例えばメタノール、エタノール、n −プロパノ
ール、イソプロパノール等が挙げられ、好ましくはイソ
プロパノールである。ケトン系溶剤としては、例えばア
セトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が挙げ
られ、好ましくはメチルエチルケトンである。これらは
1種又は2種以上混合して用いられる。
【0032】上記のような有機溶剤溶液から水系への転
相は従来公知の手法により行うことができ、有機溶剤溶
液を攪拌下、室温〜80℃、好ましくは室温〜60℃の
温度で水を加えればよい。このように、水系に転相した
後、常圧下もしくは減圧下で有機溶剤を留去することに
より、水性ビニル樹脂(A) が得られる。
【0033】上記水性ビニル樹脂(A) の存在下で重
合させる単量体混合物(B) 中の重合可能な二重結合
を有する単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸 n−ブチル、アクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸 n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸 t−ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類
;スチレン、クロルスチレンなどのスチレン系モノマー
; t−ブチルアクリルアミドなどの N−置換(メタ
)アクリルアミド;並びにアクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上
から選択することができる。また、架橋性単量体として
は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート等の多官能モノマーが
挙げられ、これらの一種又は二種以上から選択すること
ができる。
【0034】単量体混合物(B) 中の重合可能な二重
結合を有する単量体と、架橋性単量体の配合割合は、前
者50〜99.9重量%、後者0.1 〜50重量%が
好ましく、より好ましくは、前者70〜99.5重量%
、後者0.5 〜30重量%である。架橋性単量体が0
.1 重量%未満では架橋体としての効果が得られず、
50重量%を越えると、得られた塗膜がもろくなり、美
爪料に適さない。
【0035】重合方法としては、水性ビニル樹脂(A)
 に上記単量体混合物(B) 及び公知のラジカル開始
剤を加えて重合させればよい。ラジカル開始剤は過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウム、2,2’−アゾビス(2
−アミジノプロパン) ジクロライドなどの水溶性ラジ
カル開始剤、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ルなどの油溶性ラジカル開始剤のどちらか一方もしくは
両方併用して使用することができる。水溶性の開始剤を
使用するときには通常の乳化重合の手法で重合すること
ができ、油溶性の開始剤を使用するときには単量体溶液
に溶解して水性ビニル樹脂(A) に加えればよい。重
合温度は開始剤の分解速度を考慮して自由に設定できる
。単量体混合物(B) の使用量は、水性ビニル樹脂(
A) 中の樹脂分と単量体混合物(B) の合計量が全
系の50重量%以下となる範囲が好ましい。 50重量%を超えると、安定な水性複合ポリマーエマル
ジョンは得られにくい。又、単量体混合物(B) の使
用量は水性ビニル樹脂(A) 中の樹脂分の0.05〜
10重量倍が好ましく、更に好ましくは0.2 〜2重
量倍である。0.05重量倍未満では新たに生じた単量
体混合物(B) の共重合体の割合が低すぎるため所期
の目的は達し得ない。10重量倍を超えると安定な水性
複合ポリマーエマルジョンが得られにくい。このように
して、水性ビニル樹脂(A) の存在下で乳化剤を用い
ずに一種又は二種以上の単量体混合物(B) を重合す
ることができるが、もし安定な水性複合ポリマーエマル
ジョンが得られにくい場合は系にメタノール、エタノー
ルなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケ
トンなどのケトン系溶媒といった水溶性溶媒を加えて重
合を行い、重合終了後留去することにより安定な水性複
合ポリマーエマルジョンが得られやすい。 この場合は、例えば、単量体混合物(B) と上記水溶
性溶媒とを予め混合し、これを水性ビニル樹脂(A) 
に添加すればよい。
【0036】こうして得られる水性複合ポリマーエマル
ジョンは、美爪料として使用した場合、好適な成膜性と
塗膜強度を有するものである。また、界面活性剤等の乳
化剤成分を含まないため、得られた塗膜の耐水性も優れ
ている。
【0037】得られた水性複合ポリマーエマルジョン粒
子の微細構造は未だ明らかではないが、第二段階の重合
、即ち、水系に転相して得られた水性ビニル樹脂(A)
 の存在下で単量体混合物(B) の重合を行う際に、
水性ビニル樹脂(A)が単量体混合物(B)の液滴及び
生成ポリマー粒子の分散安定剤として働いているのか、
あるいは水性ビニル樹脂(A) がシードとして働き、
単量体混合物(B) を吸収して重合が行われるかのい
ずれかと思われる。いずれにせよ、出来上がったポリマ
ーエマルジョンにおいて水性ビニル樹脂(A) はイオ
ン基を有し、比較的親水性であるので粒子の表面近傍も
しくは外層部に存在し、単量体混合物(B) の共重合
体は粒子の中心部もしくは内層を形成すると思われる。
【0038】水性ビニル樹脂(A) 、及び単量体混合
物(B) の共重合体の物性はモノマーを適宜選択する
ことにより任意に設計可能であるが、水性ビニル樹脂(
A) 中の樹脂分の軟化温度は−10℃以上が好ましく
、より好ましくは0℃以上である。軟化温度が−10℃
未満では塗膜がべとつき、光沢保持性に欠ける。
【0039】尚、本発明において、軟化温度は熱応力歪
測定装置(TMA) を用いて 0.1〜 0.2mm
×3mm×20mmの試料片の熱変形開始点の温度を測
定した値である(昇温速度5℃/min )。
【0040】本発明の水系美爪料において、上記水性複
合ポリマーエマルジョンは塗膜形成基剤として用いられ
、その含有量は5〜60重量%(固形分として)である
。5重量%より少ない場合には実用上必要な塗膜を得る
のに数度の重ね塗りが必要となり、60重量%を超える
場合には美爪料の粘度が高くなり、筆さばき性等の塗布
性の低下がみられる。
【0041】本発明の水系美爪料中には上記水性複合ポ
リマーエマルジョン以外に顔料、染料、防腐剤、香料、
必要であれば可塑剤、成膜助剤等を配合することができ
る。可塑剤、成膜助剤としては、セロソルブ、メチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチルカ
ルビトール、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート、ブチルカルビトールアセテート等の公知の
ものが使用できるが、水性複合ポリマーエマルジョンの
貯蔵安定性、塗膜の耐水性の面から、その配合量は0〜
15重量%程度が望ましい。
【0042】
【実施例】次に水性複合ポリマーエマルジョンの合成例
、水性ネイルエナメルの実施例及び比較例を掲げて本発
明を具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されな
いことは勿論である。なお、例中の部及び%は特記しな
い限り全て重量基準である。
【0043】合成例1 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
のついた反応器にメチルエチルケトン50部を仕込み、
窒素ガスを流し溶存酸素を除去した。一方、滴下ロート
にメチルエチルケトン35部、メチルメタクリレート5
6部、n−ブチルアクリレート40部、アクリル酸4部
及びアゾビスイソブチロニトリル0.2 部を仕込んだ
【0044】攪拌下、反応器内を80℃まで昇温し、滴
下ロートより上記モノマー及びラジカル開始剤のメチル
エチルケトン溶液を2.5 時間かけて滴下した。モノ
マーを滴下終了2時間後、アゾビスイソブチロニトリル
0.2 部をメチルエチルケトン10部に溶解した溶液
を加えた。3時間同じ温度で熟成後、再びアゾビスイソ
ブチロニトリル0.1 部をメチルエチルケトン5部に
溶解したものを加え、更に5時間反応を続け、共重合体
を得た。
【0045】得られた共重合体の一部を単離し、分子量
をゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測
定したところ、その重量平均分子量は75,000であ
った。 尚、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの検量線
はポリスチレンを標準物質として作成した(溶媒:テト
ラヒドロフラン)。
【0046】反応終了後の共重合体溶液を室温まで冷却
し、トリエチルアミン5.6 部を加えて中和し、更に
300 rpm で攪拌下イオン交換水400 部を加
えた後、減圧下40℃でメチルエチルケトンを留去し、
更に50℃で水を留去することにより濃縮し、固形分2
5%の水性ビニル樹脂を得た。得られた水性ビニル樹脂
の一部を乾燥して樹脂を取り出し、樹脂の軟化温度を熱
応力歪測定装置(セイコー電子工業(株)製 TAM/
SS−10)で測定したところ22℃であった。
【0047】撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計
、窒素導入管のついた反応器に上記水性ビニル樹脂を2
00 部、水100 部を仕込み、窒素ガスを流し溶存
酸素を除去した。一方、滴下ロートにイソブチルメタク
リレート49.7部、ジビニルベンゼン0.3部、メタ
ノール75部を仕込んだ。攪拌下、滴下ロートにより上
記モノマーのメタノール溶液を1時間かけて上記反応器
内に滴下した。 反応器内を70℃まで昇温した後、過硫酸カリウム0.
2 部を水10部に溶解した溶液を加えた。6時間同じ
温度で熟成して、重合反応を終了した。反応器内を50
℃まで冷却後、減圧下50℃でメタノール及び水を留去
することより濃縮し、固形分35%の水性複合ポリマー
エマルジョンを得た。
【0048】得られた水性複合ポリマーエマルジョンの
一部を乾燥して樹脂を取り出し、樹脂の軟化温度を熱応
力歪測定装置(セイコー電子工業(株)製TMA/SS
−10)で測定したところ、23℃と51℃に2つの軟
化温度が観察された。
【0049】合成例2 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
のついた反応器に合成例1で合成した水性ビニル樹脂を
200 部、水100 部を仕込み、窒素ガスを流し、
溶存酸素を除去した。一方、滴下ロートに t−ブチル
メタクリレート15部、n −ブチルメタクリレート2
5部、エチレングリコールジメタクリレート10部、エ
タノール75部、2,2’−アゾビス( 2,4−ジメ
チルバレロニトリル)0.2 部を仕込んだ。
【0050】攪拌下、滴下ロートより上記モノマー及び
ラジカル開始剤のエタノール溶液を1時間かけて上記反
応器内に滴下した。反応器内を60℃まで昇温し、6時
間同じ温度で熟成して、重合反応を終了した。合成例1
と同様な方法でエタノール及び水を留去し、固形分35
%の水性複合ポリマーエマルジョンを得た。得られた水
性複合ポリマーエマルジョン中の樹脂の軟化温度は24
℃と55℃であった。
【0051】合成例3 合成例1と同様な方法でメチルメタクリレート40部、
エチルアクリレート52部、N,N −ジメチルアミノ
エチルメタクリレート8部をメチルエチルケトン中で重
合し、共重合体を得た。この共重合体の重量平均分子量
は、82,000であった。次にこの共重合体に乳酸4
.5 部を加え中和し、合成例1と同様な方法で水に転
相し、固形分25%の水性ビニル樹脂を得た。得られた
水性ビニル樹脂の一部を乾燥して樹脂を取り出し、樹脂
の軟化温度を測定したところ20℃であった。
【0052】合成例1と同様な反応器に上記水性ビニル
樹脂を200 部、水100 部を仕込み、窒素ガスを
流し、溶存酸素を除去した。一方、滴下ロートにスチレ
ン20部、ジビニルベンゼン20部、エタノール80部
、2,2’−アゾビス(2,4 −ジメチルバレロニト
リル)0.2 部を仕込んだ。
【0053】攪拌下、滴下ロートより上記モノマー及び
ラジカル開始剤のエタノール溶液を1時間かけて上記反
応器内に滴下した。反応器内を60℃まで昇温し、6時
間同じ温度で熟成して、重合反応を終了した。合成例1
と同様な方法でエタノール及び水を留去し、固形分35
%の水性複合ポリマーエマルジョンを得た。得られた水
性複合ポリマーエマルジョン中の樹脂の軟化温度は19
℃と92℃であった。
【0054】実施例1〜3 下記に示す処方で水性ネイルエナメルを製造した。尚、
実施例1〜3においては、それぞれ合成例1〜3で得ら
れた水性複合ポリマーエマルジョンを用いた。製法はイ
オン交換水に成膜助剤及び可塑剤を加え、これに顔料を
分散させた後、水性複合ポリマーエマルジョン、その他
の成分を添加し、均一に攪拌混合を行い最後に脱気した
。尚、成膜助剤と可塑剤の使用量は、水性ネイルエナメ
ルの成膜温度がほぼ一定となるように調整した。
【0055】 処  方   水性複合ポリマーエマルジョン(35%固形分) 
       100 部  顔料(赤色顔料R−22
6)                       
         3 部  イオン交換水     
                         
         10 部  成膜助剤(カルビトー
ル)                      適
量(0〜10部)   可塑剤(フタル酸ジエチル) 
                   適量(0〜1
0部)   香  料               
                         
     0.1部  防腐剤           
                         
        適  量  シリコーン系消泡剤  
                         
     適  量比較例1 合成例1のイソブチルメタクリレート49.7部、ジビ
ニルベンゼン0.3 部の代わりに、イソブチルメタク
リレート50部を用いる以外は、合成例1と同様にして
水性複合ポリマーエマルジョンを得た。この水性複合ポ
リマーエマルジョンを用いて実施例1と同じ処方で水性
ネイルエナメルを製造した。
【0056】比較例2 合成例2の t−ブチルメタクリレート15部、n −
ブチルメタクリレート25部、エチレングリコールジメ
タクリレート10部の代わりに、 t−ブチルメタクリ
レート20部、n −ブチルメタクリレート30部を用
いる以外は、合成例2と同様にして水性複合ポリマーエ
マルジョンを得た。 この水性複合ポリマーエマルジョンを用いて実施例1と
同じ処方で水性ネイルエナメルを製造した。
【0057】比較例3 合成例3のスチレン20部、ジビニルベンゼン20部の
代わりに、スチレン40部を用いる以外は、合成例3と
同様にして水性複合ポリマーエマルジョンを得た。この
水性複合ポリマーエマルジョンを用いて実施例1と同じ
処方で水性ネイルエナメルを製造した。
【0058】実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた
ネイルエナメルの物性を下記方法により評価した。結果
を表1に示す。
【0059】評価方法 (1) 乾燥性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で爪に試料をネイ
ルエナメル筆にて塗布し、指触乾燥時間を測定する。
【0060】○;3分以内 △;3〜6分 ×;6分以上 (2) 光  沢 乾燥性評価時に於て、30分後の乾燥塗膜の光沢を肉眼
評価する。
【0061】(3) 接着性 乾燥性評価時に於いて、20分後の爪への接着性をミク
ロスパチュラにて、皮膜を表面より削り取り評価する。
【0062】(4) 耐水性 0.5 ×15×40mmの大きさのナイロン板に試料
をネイルエナメル筆にて均一に塗布し、温度25℃、相
対湿度60%の条件で1時間乾燥後35℃の水に1時間
浸漬して塗膜の劣化の有無(白濁、膨潤、柔軟化、剥離
等)を評価する。
【0063】(5)耐摩耗性 乾燥性評価時に於いて、30分後の乾燥塗膜を木綿布で
100 回摩擦した後の状態を観察する。
【0064】(6) 臭  い ネイルエナメルビンの口元で臭いを官能評価する。
【0065】尚、上記評価項目(2) 〜(6) につ
いては次のように判定した。
【0066】◎;極めて良好 ○;良好 △;普通 ×;不良
【0067】
【表1】
【0068】表1より明らかな通り、本発明による水性
ネイルエナメルは美爪料として要求される各特性におい
て、満足な性能を示すものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ポリマーエマルジョンを構成するポリ
    マー粒子が化学組成の異なる少なくとも二層からなる多
    層構造を有し、かつ、最内層が架橋重合体である水性複
    合ポリマーエマルジョンを固形分換算で5〜60重量%
    含有することを特徴とする水系美爪料。
  2. 【請求項2】  塩生成基を有し重合可能な二重結合を
    有する単量体 0.5〜15重量%と、それと共重合し
    得る重合可能な二重結合を有する単量体85〜99.5
    重量%とを共重合して得られる共重合体の有機溶剤溶液
    に水を加えた後、有機溶剤を留去して得られる水性ビニ
    ル樹脂(A) の存在下で、重合可能な二重結合を有す
    る単量体50〜99.9重量%と、それと共重合し得る
    架橋性単量体 0.1〜50重量%とからなる単量体混
    合物(B) を重合して得られた水性複合ポリマーエマ
    ルジョンを固形分換算で5〜60重量%含有することを
    特徴とする水系美爪料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6372201B1 (en) 1999-04-01 2002-04-16 L'oreal Nail varnish comprising an aqueous polymer dispersion
JP2007022961A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Asanuma Corporation 水除去性美爪料
JP2008539210A (ja) * 2005-04-29 2008-11-13 フィアビラ 水性爪磨き組成物

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