JPH0429486B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、挾み鋭角をなしてクサビ形のインサ
ート本体を規定している１対の長手面、切刃を担
持したインサート本体の拡幅部に配位するインサ
ート前端、インサート本体の狹幅部に配位するイ
ンサート後端を含んで構成された旋削インサート
に関する。このインサートの切刃は円形であつて
インサートの厚みを越える長さの直径を有してい
る。インサートは概して円形のチツププレートを
切刃の半径方向内側に有している。

〔従来技術〕

米国特許第3705447号は外方に向くように直線
切刃に接続した部分的に円形切刃を含んで成る旋
削インサートを開示している。しかしこの切刃の
円形部と直線部の接続がインサートを弱体化させ
ている。更にこのインサートのレーキ面がチツプ
フオーミング（切り屑生成）手段を有しておら
ず、従つてインサートは負の幾何学的配置
（geometry）をなしている。従つて、この種の幾
何学的配置は工作物からインサート担持ホルダに
大きな力を伝達する。

〔発明の目的〕 本発明の目的は複数の旋削作業を遂行出来るよ
うなインサートの形状を創造することにある。

本発明の第２の目的はこのインサートを送り方
向に無関係に良好なチツプ制御が出来るようにす
ることにある。

本発明の第３の目的は種々のセツテイング角で
以つて旋削するインサートを提供することにあ
る。

上記並びにその他の本発明の目的は添附図を参
照した下記の説明に従つてインサートを形成する
ことにより達成される。

〔発明の構成・作用と実施例〕

図には、本発明のインサート１０が示されてい
る。このインサートは二つの概して平坦且つ平行
な側面１１，１２、二つの端縁面１３，１４、二
つの端面１５、１６、肩部１７及び切刃とチツプ
フオーミング装置２０を具備した刃部１８を含ん
で成る。インサート１０は一体に成形されたクラ
ンプアームを有するホルダ本体に確保される。イ
ンサートはクランプアームがインサートに作用す
る弾力によつて工作位置にクランプ（締結）され
る。このインサートの締結の詳細はこゝでの説明
に関係している本出願人に係るスウエーデン特許
出願第8601533−６号に説明されている。１つの
端縁面１３はホルダ本体に当接すべきインサート
の第１支持面を構成する。この第１面は工作機械
の中立面Ｐと平行である。この中立面は機械の軸
方向と半径方向の送り方向によつて規定された平
面である。他の端縁面１４はホルダ本体に当接す
べきインサートの第２支持面を構成している。こ
の端縁面１４はインサートの狹幅部でもう１つの
端縁面１３と鋭角をなしている。端縁面１４はイ
ンサート中央の近くで分断されており、その両側
端部分は端縁面１３に概して平行になつている。

端縁面１４は肩部１７に接続しているが、この
肩部の頂は中立面Ｐの高さを越えたインサートの
最高の高さｈを規定している。切刃１９は円形で
あり、その直径Ｄはインサート厚ｔよりもその１
〜75％、好ましくは10〜40％だけ大きい。切刃は
少くとも200°の角度、好ましくは少くとも220°の
角度の円周セグメント（円弧）曲線である。イン
サートのセツテイング角はインサートの振動を低
下させる外向きである期間に変動する。

切刃１９は逃げ面２１と耳部（リスト）２２の
交差線に沿つて形成されている。逃げ面２１は、
側面１１，１２と端面１６によつて形成された上
から見て四角の基本形の外側にはみ出している
（第１図の点線を参照）。この逃げ面２１はインサ
ート中央線Ｍに沿つたインサート断面における端
面１６（第２図）との間、この中央線Ｍに垂直な
インサート断面における側面１１との間、及びこ
のインサート断面における側面１２との間で、
夫々約0.1〜15°、好ましくは２〜12°の鋭角をなし
ている。耳部２２は概して平坦に成形されてい
て、中央面Ｐと合致している。この耳部２２は、
切刃１９に垂直な方向に延長しているうね２４に
沿つて互いに交差する一連の凹所２３により、半
径内方向に位置での境界が規定されている。各凹
所２３はトロイド（toroid）の形状であるが、球
形状、楕円形状または放物線形状の凹面である。

約20個の凹所２３の群は約５〜30°の正のレー
キ角γを付与し、且つチツプ（切り屑）を塑性変
形させ（波形にひだをよらせ）て容易に破壊され
るようにすることを狙つたものである。うね２４
は耳部２２を支えている。

一連の凹所２３は切刃１９の曲率半径の中心へ
向う下方且つ内方へ指向し、レーキ面２５に勾配
をつけている。凹面のレーキ面２５は凹所２３の
半径方向の最内端境界線の内側に半径方向に延長
した底領域とこの底から立上つて成る平坦中央領
域２６を有している。この中央領域は切刃１９と
同じ水準又はそれより高い水準にある。肩部は、
切り屑（チツプ）が中央線Ｍの方向に小さな送り
量で以つて流れるときにチツプフオーミング（切
り屑生成）の機能を有している。肩部１７はチツ
プのストツパ手段であるが、図示のように切刃の
両後端１９ａ，１９ｂの間の両側面１１，１２に
垂直な横方向の間隙寸法より小さくない幅寸法を
有する横方向へ延長した前面１７ａを有し、この
前面１７ａがチツプフオーミングの機能を奏す
る。チツプフオーミング装置２０と肩部１７は分
断や溝切り加工において種々の送り速度での旋削
を有利に実行するのに不可欠である。このチツプ
は切刃１９に概して垂直な方向に旋削している間
に流れ、従つてチツプフオーミング装置２０は切
刃１９に沿つて全て同じである。少送り量におい
ては、チツプは凹所２３を越えて流れ、肩部１７
で生成される。大送り量においては、チツプはレ
ーキ面２５と凹所２３の大部分に沿つて従動し、
工作物に当つて破壊される。チツプフオーミング
装置２０自体は概して切刃１９の半径中心へ向つ
て内方へ下るように傾斜している複数の凹所２３
によつて構成され、該凹所２３は隣り合つて交差
して切刃１９に垂直に該凹所の半径方向長の大半
に亘つて延長するうね２４を形成している。従つ
て、全ての切屑（チツプ）が破断され、且つカー
ルされるので、インサートで削成された工作物の
切り溝の中での処理が容易且つスムースに行われ
得る。

このように、本発明は分断や限りない深さの溝
切りを含む複数の旋削作業が出来るような形状の
旋削インサートに関する。このインサートは工作
物から切削力の伝達を最少限に抑えるチツプフオ
ーミング装置を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るインサートの平面図、第
２図は当インサートの側面図、第３図は当インサ
ートの斜視図、第４図は第１図の線−におけ
る当インサートの断面図、及び第５図と第６図は
夫々第３図の線−と線−における当イン
サートの断面図である。 図において、１０……インサート、１１，１２
……側面、１３，１４……端縁面、１５，１６…
…端面、１７……肩部、１８……刃部、１９……
切刃、２０……チツプフオーミング装置、２１…
…逃げ面、２２……耳部（list）、２３……凹所、
２４……うね、２５……レーキ面、２６……平坦
中心部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 平行な平坦側面１１，１２、長手方向に延長
   した上、下面１４，１３、刃部１８、インサート
   前端の前端面１６及びインサート後端の後端面を
   含んで成り、該側面が該上下面に接続し、該刃部
   がインサートのレーキ面と逃げ面２１の交差によ
   つて規定された切刃１９を有しており、該刃部１
   ８と該上面１４の間にはストツパ手段１７が配設
   されていて、該ストツパ手段が該切刃１９によつ
   て規定された平面Ｐに関し相対的に突出してい
   る、斯ゝる分断や溝加工用の旋削インサートにお
   いて、 １）切刃１９はその両後端の挟角が少くとも
   200°の円弧状でその全長に亘つて概して等しい曲
   率を有しており；２）該円弧状切刃の当該両後端
   は該両側面１１，１２と該ストツパ手段１７の前
   方にある該レーキ面との交差線に接しており；
   ３）該円弧状切刃１９は該両側面間の垂直距離幅
   ｔを越える直径Ｄを有しており；４）該ストツパ
   手段は該円弧状切刃を含む仮想平面より上位の高
   さに該上面から直立した肩部１７によつて形成さ
   れており；５）当該肩部は該円弧状切刃の該両後
   端の間の該両側面に垂直な横方向の間隙寸法より
   小さくはない幅寸法を有する該横方向へ延長した
   チツプフオーミング用の前面を有しており；そし
   て６）該レーキ面は該切刃の半径内方向に配設さ
   れた概して円形のチツプフオーミング装置２０を
   具備しており、該装置自体は概して切刃１９の半
   径中心へ向つて内方へ下るように傾斜している複
   数の凹所２３によつて構成され、該凹所２３は隣
   り合つて交差して切刃１９に垂直に該凹所の半径
   方向長の大半に亘つて延長するうね２４を形成し
   ていることを特徴とする分断や溝切り加工用の旋
   削インサート。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の旋削インサー
   トにおいて、該チツプフオーミング装置２０がイ
   ンサートに正のレーキ角γを付与することを特徴
   とする旋削インサート。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載の旋削インサー
   トにおいて、平面Ｐが下面１３と平行であること
   を特徴とする旋削インサート。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載の旋削インサー
   トにおいて、切刃１９の直径Ｄが両側面１１，１
   ２の間の距離ｔより１〜75％大きく、切刃１９が
   少くとも220°の挟角の円弧曲線であることを特徴
   とする旋削インサート。 ５ 特許請求の範囲第１項に記載の旋削インサー
   トにおいて、インサートが切刃１９に直に接続し
   た耳部２２を有し、この耳部２２が切刃１９の半
   径内方向に延長しており、該チツプフオーミング
   装置２０が耳部２２の半径方向に見て内側の境界
   線を形成していることを特徴とする旋削インサー
   ト。 ６ 特許請求の範囲第２項に記載の旋削インサー
   トにおいて、レーキ角γが約５〜30°であること
   を特徴とする旋削インサート。 ７ 特許請求の範囲第５項に記載の旋削インサー
   トにおいて、チツプフオーミング装置２０が底領
   域を有する凹状の円形レーキ面２５を含んで成
   り、凹所２３の内側境界線がこの底領域の半径方
   向に見て外側に配位されていて、レーキ面２５は
   切刃１９の面の水準又はそれ以上の水準に配位し
   た平坦中央部分２６に向つて内側で上昇するよう
   に立上つていることを特徴とする旋削インサー
   ト。 ８ 特許請求の範囲第１項に記載の旋削インサー
   トにおいて、逃げ面２１がインサート本体の前端
   面１６と鋭角αをなし、該角αが約0.1〜15°であ
   ることを特徴とする旋削インサート。