JPH04288948A - 連続鋳造設備における湯面保護カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は移動鋳型壁を持つ連続鋳
造設備における湯面保護カバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】薄板を連続鋳造するものに、移動鋳型壁
の一例であるツインロール型モールドを有するものがあ
る。このツインロール型連続鋳造設備は、図４に示すよ
うに、互いに平行に配置された一対のモールドロール（
以下、ロールという）２１Ａ，２１Ｂと、これらロール
２１Ａ，２１Ｂの端面に接触して配置されて両ロール２
１Ａ，２１Ｂ間に溶鋼受け２２を形成するための堰体２
３（一方しか図示せず）と、この溶鋼溜め２２に溶鋼を
注入するための注湯ノズル２４を有するタンディシュ２
５とが具備されていた。この構成により薄板を連続鋳造
する場合、溶鋼溜め２２に溶鋼が入っている状態におい
て、両ロール２１Ａ，２１Ｂを矢印Ａ方向に回転させれ
ば、各ロール２１Ａ，２１Ｂの表面に形成された鋳片シ
ェルが両ロール２１Ａ，２１Ｂの中央部で合流押圧され
て一枚の鋳片となり、薄板鋳片２６として連続的に引抜
かれる。

【０００３】ところで、従来、溶鋼受け２２に注入され
た溶鋼表面が酸化したりまた温度が低下すると、酸化物
や表面に生成されたシェル、または湯面に浮上したタン
ディシュやノズル耐火物の溶出物などが溶湯の流れ内に
巻き込まれて、薄板鋳片２６の内部または外部表面欠陥
の原因となる。このため、従来、溶鋼表面上方をカバー
で覆うとともに、カバー内に不活性ガスを注入して酸化
を防止していた。しかし、不活性ガスを使用するものに
よると、カバー内の空間の容量が大きいとともに表面積
も広いため、輻射による熱量が大きいため溶鋼が湯面か
ら冷えて湯面シェルができるという問題が生じ、この問
題を解決するため、本発明者は図５に示す湯面カバーを
特願平１−４１４３９号（平成１年２月２１日付け出願
）により提案した。これは、溶鋼厚受け３３内に保温材
３４を浮遊させるとともに、保温材３４のロール３１Ａ
，３１Ｂ側に浸漬壁部３５を設けた湯面保護カバー３６
を提案した。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、ロール３１
Ａ，３１Ｂの表面と浸漬壁部３５の対向面が略平行に形
成されているため、ロール３１Ａ，３１Ｂの表面と浸漬
壁部３５の間の空間３７において、図６に示すように、
ロール３１Ａ，３１Ｂが矢印Ａ方向に回転されると、溶
鋼の粘性により、ロール３１Ａ，３１Ｂの表面に生成さ
れた鋳片シェル３２の移動に伴って下向きに移動する流
れＥと、空間３７内に溶鋼を補充しようとする上向きで
浸漬壁部３５に沿う流れＦとが形成される。そしてこれ
ら流れＥ，Ｆの接するところで流れＥから流れＦに迂回
する流れＧが生じて、その結果空間３７内にに溶鋼の循
環流（淀み）Ｈが形成される。 するとこの循環流Ｈが冷却されて凝固浮遊結晶が生成さ
れることになる。この凝固浮遊結晶がロール３１Ａ，３
１Ｂ表面の鋳片シェル３２内に取り込まれて鋳片が鋳造
されると鋳片の内部欠陥となるため、製品に欠陥が生じ
る。

【０００５】そこで、本発明は上記問題点を解決して製
品鋳片に欠陥が生じにくい連続鋳造設備における湯面保
護カバーを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明の連続鋳造設備における湯面保護カバーは、互
いに平行に配置された一対の移動鋳型壁間に形成される
溶鋼受け内に注入された溶鋼湯面上に、その表面全体を
覆うカバー体を配設するとともに、このカバー体の移動
鋳型壁に対向する両側部から移動鋳型壁表面に所定隙間
をあけて溶鋼湯面内に没入する浸漬壁部をそれぞれ垂下
し、前記移動鋳型壁表面と浸漬壁部との隙間を移動鋳型
壁の上位上流側ほど狭くなるように形成したものである
。

【０００７】

【作用】上記構成によると、溶鋼受けの溶鋼湯面の表面
は、カバー体に覆われるとともに、溶鋼湯面の湯面シェ
ルや浮遊不純物が移動鋳型壁側に移動して移動鋳型壁上
に生成された鋳片シェル内に取り込まれないようにする
ための浸漬壁部がカバー体の両側部に設けられ、かつこ
の浸漬壁部と移動鋳型壁との空間部が上部ほど狭く形成
されているので、空間部の溶鋼が鋳片シェルの移動に伴
って下方に移動すると、流出した溶鋼を補うため、浸漬
壁部に沿って新しい溶鋼が上向きに流入する。この時、
漸次狭くなる空間部により移動鋳型壁に近い側から順に
鋳片シェルの移動に伴って下方に流出されるので、浸漬
壁部と移動鋳型壁との空間部に循環する流れや淀みは生
じない。したがって、この空間部で凝固浮遊結晶が生成
されることがなく、また溶鋼湯面の湯面シェルや浮遊不
純物が流入されることがないので、均質な製品を製造す
ることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１，図２に基づ
き説明する。図１において、１Ａおよび１Ｂは互いに平
行に配置された移動鋳型壁の一例であるモールドロール
（以下、単にロールと称す。）で、これら両ロール１Ａ
，１Ｂ間位置には、両ロール１Ａ，１Ｂと、両ロール　
　１Ａ，１Ｂの両端面に接触配置される一対の堰体（短
辺堰ともいい、一方だけ図示している。）２との協働に
よって溶鋼受け３が形成されている。４はこのタンディ
シュ（図示せず）から溶鋼受け３内に溶鋼を導くための
注湯用ノズル本体で、タンディシュから垂下して設けら
れている。

【０００９】この溶鋼湯面３ａ（以下、単に湯面という
）の全体、正確には湯面３ａと各ロール１Ａ，１Ｂとの
接触部（接線部）近傍を除いた湯面を覆う平面視矩形状
のカバー体５が、湯面の上方所定位置に溶鋼受け３等の
支持部材６を介して支持されている。そして、上記カバ
ー体５の両側部下面には、ロール１Ａ，１Ｂ軸心と平行
でかつロール１Ａ，１Ｂ表面と所定隙間を有して断面形
状が逆三角形状の浸漬壁部７が垂下され、湯面３ａ内に
没入されている。ロール１Ａ，１Ｂに対向する浸漬壁部
７の傾斜面７ａは、図２に示すように、ロール１Ａ，１
Ｂ表面との隙間がロール１Ａ，１Ｂの下位下流側隙間ａ
から上位上流側隙間ｂほど小さくなるように設定されて
、実線で示す平面状あるいは仮想線で示す湾曲凸面状に
形成され、ロール１Ａ，１Ｂと浸漬壁部７により形成さ
れた空間部８は上位ほど狭くなっている。

【００１０】また、前記カバー体５には湯面３ａとの空
間内にＮ２　ガス、Ａｒ　ガスなどの不活性ガスを吹き
込むための不活性ガス供給管９Ａが配設され、さらにロ
ール１Ａ，１Ｂとカバー体５との隙間ｂから溶鋼内に空
気が巻き込まれるのを防止するために、隙間ｂにＮ２　
ガス、Ａｒ　ガスなどの不活性ガスを吹き付けるための
不活性ガス供給管９Ｂが配置されている。

【００１１】上記構成において、鋳造が開始されると、
湯面全体はカバー体５により外部と接触が断たれて溶鋼
の温度低下が防止される。そして、ロール１Ａ，１Ｂが
矢印Ａ方向に回転された場合、図２に示すように、表面
に生成された鋳片シェル１０はロール１Ａ，１Ｂと共に
下方の移動し、鋳片シェル１０の近辺で粘性のある溶鋼
は、鋳片シェル１０に従って下方に移動する流れＢとな
り、空間部８から下方に流出する。この移動した分の溶
鋼を補うために、新たな溶鋼が浸漬壁部７の傾斜面７ａ
に沿って上方に流入Ｃしてくる。ところが、この空間部
８が上位ほど狭くなるため、流れＣは流れＢに接触する
接近部１１から順に流れＢに同伴されて迂回される迂回
流Ｄが形成され、空間部８から流出されることになる。 したがって、流れＣによって空間部８に流入された溶鋼
は順次流れＢによって空間部８から排出され、循環流や
淀みが発生することもなく、凝固浮遊結晶が生成される
こともない。

【００１２】また、湯面８の表面に湯面シェルが形成さ
れたり、パウダーを使用した場合のパウダーや溶鋼に含
まれる浮遊不純物があっても、この浸漬壁部７に阻まれ
て鋳片シェル１０内に取り込まれることがないので、鋳
片シェル１０内には異物が混入せず、両ロール１Ａ，１
Ｂ間から引抜かれる薄板鋳片１２には欠陥が生じない。 なお、不活性ガス供給管１０Ｂからカバー体５とロール
１Ａ，１Ｂとの隙間ｂに不活性ガスが供給されて、溶鋼
の酸化が確実に防止されている。

【００１３】なお、上記実施例では、カバー体５を溶鋼
湯面上方に固定したが、図３に示すように、溶鋼湯面上
に昇降自在に浮遊する保温材１５で構成してもよい。こ
の場合には、保温材１５と溶鋼湯面とが直接接触するた
め、パウダーを使用することなく溶鋼の保温および酸化
防止を確実に行える。図３において、１６は保温材１５
の下降限を規制するストッパー、１８は湯面検出棒１７
の指示針１７ａ　により湯面位置を検出するレベル検知
計である。なお、上記実施例と同一部材には同一符号を
付して説明は省略する。

【００１４】また、上記各実施例では堰体２をロール１
Ａ，１Ｂの両端面側方から摺接するものとして説明した
が、たとえば堰体２をロール１Ａ，１Ｂの端部の上方か
ら載置摺接させるようにしてもよい。また、各実施例に
おいてツインロール型について説明したが、ロールに替
えて、ベルト型や、キャタビラ型の連続鋳造設備にも適
用できることは説明するまでもなく明白である。

【００１５】

【発明の効果】上記本発明の構成によると、溶鋼受けの
溶鋼湯面の表面は、カバー体に覆われるとともに、溶鋼
湯面の湯面シェルや浮遊不純物が移動鋳型壁側に移動し
て移動鋳型壁上に生成された鋳片シェル内に取り込まれ
ないようにするための浸漬壁部がカバー体の両側部に設
けられ、かつこの浸漬壁部と移動鋳型壁との空間部が上
部ほど狭く形成されているので、空間部の溶鋼が鋳片シ
ェルの移動に伴って下方に移動すると、これを溶鋼を補
うため、浸漬壁部に沿って新しい溶鋼が上向きに流入す
る。この時、流れの接触部において、上理由側ほど漸次
狭くなる空間部で移動鋳型壁に近い側から鋳片シェルの
移動に伴って順次下方に流出されるので、浸漬壁部と移
動鋳型壁との空間部に循環する流れや淀みは生じない。 したがって、この空間部で凝固浮遊結晶が生成されるこ
とがなく、また溶鋼湯面の湯面シェルや浮遊不純物が流
入されることがないので、均質な製品を製造することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る薄板連続鋳造設備の一実施例を示
す湯面保護カバーの断面図である。

【図２】同湯面保護カバーの作用を説明する拡大断面図
である。

【図３】他の実施例を示す湯面保護カバーの断面図であ
る。

【図４】従来例を示す湯面保護カバーの断面図である。

【図５】他の従来例を示す湯面保護カバーの断面図であ
る。

【図６】同従来例の作用を説明する拡大断面図である。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ　　　モールドロール ２　　　　　　堰体 ３　　　　　　溶鋼受け ４　　　　　　カバー体 ７　　　　　　浸漬壁部 ７ａ　　　　　　傾斜面 １０　　　　　　鋳片シェル １２　　　　　　薄板鋳片 １５　　　　　　保温材 ａ　　　　　　下流側隙間 ｂ　　　　　　上流側隙間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　　　互いに平行に配置された一対の移
   動鋳型壁間に形成される溶鋼受け内に注入された溶鋼湯
   面上に、その表面全体を覆うカバー体を配設するととも
   に、このカバー体の移動鋳型壁に対向する両側部から移
   動鋳型壁表面に所定隙間をあけて溶鋼湯面内に没入する
   浸漬壁部をそれぞれ垂下し、前記移動鋳型壁表面と浸漬
   壁部との隙間を移動鋳型壁の上位上流側ほど狭くなるよ
   うに形成したことを特徴とする連続鋳造設備における湯
   面保護カバー。