JPH04288347A - イオン交換膜 - Google Patents

イオン交換膜

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JPH04288347A
JPH04288347A JP3075684A JP7568491A JPH04288347A JP H04288347 A JPH04288347 A JP H04288347A JP 3075684 A JP3075684 A JP 3075684A JP 7568491 A JP7568491 A JP 7568491A JP H04288347 A JPH04288347 A JP H04288347A
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JP
Japan
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ion exchange
group
exchange membrane
meq
membrane
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Withdrawn
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JP3075684A
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English (en)
Inventor
Yoshio Sugaya
良雄 菅家
Ichiro Terada
一郎 寺田
Haruhisa Miyake
三宅 晴久
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、混合流体より特定成分
を吸着、または透過分離せしめるイオン交換膜に関する
。更に詳しくは、海水濃縮、かん水の脱塩等の電気透析
や酸アルカリの拡散透析あるいは電池セパレータに有用
な抵抗が低く、イオンの選択透過性の優れた新しいイオ
ン交換膜に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン交換膜として数多くの文献、特許
が報告されているが、最も実用的で有益なものとして、
スチレンージビニルベンゼン共重合体を使用したイオン
交換膜がある。これらはベンゼン核の反応性を利用して
陽イオン交換基や陰イオン交換基に容易に変換できるだ
けではなく、その耐薬品性、耐熱性に加え、架橋剤であ
るジヒ゛ ニルベンゼンの含有量を変えることにより、
イオン交換特性や選択透過性を制御できることから、あ
らゆる用途に対し多種の品種が開発され発展してきた。
【0003】しかしながら、新しい用途、例えば、工業
塩並の安価な食塩を製造する海水濃縮、各種産業から排
出する酸またはアルカリ廃液からの回収、レドックスフ
ロー電池やメタノール電池用セパレータなど超低抵抗イ
オン交換膜のニーズに対し、従来のスチレンージビニル
ベンゼン系では対応できない欠点がある。即ち抵抗を低
下させるには、架橋密度を低下するか膜厚を薄くせしめ
る必要があるが、架橋密度を低下させると選択性や耐薬
品性が低下する欠点があり、またスチレンージビニルベ
ンゼン系樹脂は、機械的強度、特に脆さがあるため膜厚
を薄くできず、選択透過性を損なわずに抵抗を低下する
ことができない。
【0004】一方、限外ろ過、逆浸透膜やガス分離膜等
の分離膜において、機械的強度、加工性の優れたエンプ
ラ系プラスチックが使用されている。特に耐薬品性の優
れたポリスルホン膜は膜内にイオン交換基を導入し、限
外ろ過や逆浸透での透過性の改良や、イオン選択透過性
を付与しイオン交換膜への適応が検討されている。例え
ば、繰り返し単位が、
【0005】
【化2】
【0006】からなるポリスルホンをクロルメチル化し
た後、トリメチルアミンで4級化した強塩基性陰イオン
交換膜やスルホン化した陽イオン交換膜がJ.MEMB
RANE  SCIENCE,22(1985)325
 〜■332に記載されている。しかしながら、これら
のポリスルホン系イオン交換膜は、イオン交換容量を増
加し、抵抗を低下せしめようとすると、吸水率が急激に
増加し、選択透過性が低下する。
【0007】かかる欠点が改良された膜として、ブロム
メチル化ポリスルホンとポリスルホンとの混合物からな
るアミノ化ポリマーを多孔性ポリスルホン支持体にコー
テイングした複合陰イオン交換膜が開発され、酸の透析
分離への利用が[繊維と工業]44巻1号11頁(19
88)に記載されているが、従来のスチレン系陰イオン
交換膜に代替できるものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が有していた前述の欠点を解消しようとするもので
あり、イオン選択性が優れ、抵抗が低い新規なイオン交
換膜を提供することを目的とする。本発明は、従来技術
では到達しえない、省エネルギー海水濃縮用電気透析法
や拡散透析法または電池セパレータ、更には、コンパク
トでメンテナンスが容易なホローファイバーモジュール
等に使用できるイオン交換膜を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、少なくとも、繰り返し
単位内に一般式(1) −X−Ar−Y− (ただし、式中Xは、− O− 、− S− 以外から
選ばれる電子供与性の連結基、Yは、− O− または
− S− を含む電子供与性の連結基、Arは
【0010】
【化3】
【0011】を表す。R1 〜R5 は,互いに同一ま
たは異なるハメットの置換基定数が負の置換基。aは0
〜3、b+cおよびd+eは0〜5を示す。)を0.5
〜4mmol/gを含有する重合体からなり、その芳香
族環に、イオン交換基が導入されたことを特徴とするイ
オン交換膜より達成せしめられる。本発明のイオン交換
膜は、基本的には、上記特定の重合体にイオン交換基が
導入されたイオン交換膜からなるが、これは従来イオン
交換膜とは、格段に優れた特性を有するイオン交換膜を
提供することができる。
【0012】即ち、従来の芳香族系重合体を使用したイ
オン交換膜としては、J.Membrane.Sci.
22(1985  )325〜332 頁、J.App
l.Polym.Sci.20(1976)1885 
〜1903及びJ.Poly.Sci:Poly.Ch
em.Ed.,22(1984)721〜737 に記
載されているように
【0013】
【化4】
【0014】の繰り返し単位のスルホン化ポリスルホン
膜やクロルメチル化ポリスルホンの4級アンモニウム化
膜からなるが、イオン交換容量が1.2〜1.4ミリ当
量/g樹脂を超えると吸水率が、大きくなり選択透過性
の低下を招き、またイオン交換容量が1.0ミリ当量/
g樹脂以下では抵抗の増加が大きい欠点を有している。
【0015】本発明者は、かかる欠点の改良について鋭
意検討した結果、実質的に芳香族環と連結基から構成さ
れた機械的強度に優れたいわゆるエンジニアプラスチッ
ク系重合体において、−O−Ar−O−セグメントをブ
ロック的に含有する重合体を使用してイオン交換基がブ
ロック的に導入されたイオン交換膜を特開平1−215
348、特開平2−211257に提案したが、さらに
誠意検討したところ、本発明の特定の重合体を使用する
ことを見出し本発明を完成せしめた。
【0016】以下に本発明を更に詳しく説明すると、本
発明のイオン交換膜に使用する重合体としては、実質的
に芳香族環と連結基から構成された重合体において、少
なくとも、繰り返し単位内に一般式(1)−X−Ar−
Y− (ただし、式中Xは、− O− 、− S− 以外から
選ばれる電子供与性の連結基であって、対応する水素置
換基−X−Hとした時、ハメットの置換基定数が0また
は負の連結基、Yは、− O− または− S− 含む
電子供与性の連結基であって、対応する水素置換基−Y
−Hとした時、ハメットの置換基定数が0または負の連
結基、Arは
【0017】
【化5】
【0018】を表す。R1 〜R5 は,互いに同一ま
たは異なるハメットの置換基定数が負の置換基。aは0
〜3、b+cおよびd+eは0〜5を示す。)を0.5
〜4mmol/g含有する重合体からなる。対応する水
素置換基−X−Hまたは−Y−Hとした時、ハメットの
置換基定数が0または負の連結基としては、−N(R6
 )−、−NHCO−、−(CH2 O)n −、−(
C2 H4 O)n −、−(SiR6 R7 )−、
−(CR6 R7 )n −、または単結合が使用でき
るが、−N(R6 )−、−NHCO−、−(CH2 
O)n −または−(SiR6 R7 )−は、酸には
耐性があるがアルカリには弱いため、特に耐薬品性の点
から−(CR6 R7 )n −、または単結合が好し
く使用される(ただし、R6 、R7 は、互いに同一
または異なる水素、または炭素数1〜8の炭化水素基。 nは1〜50を示す。)。
【0019】また、その芳香環Arに結合するハメット
の置換基定数が負の置換基としては、−N(R6 R7
 ),−OH,−OR6 ,−C(R6 R7 R8 
),−SiR6 R7 ,R8 ,−SR6 ,−O−
Ar,−NHCORまたは炭素数1〜8の炭化水素基が
使用できるが、耐薬品性の点から炭素数1〜8の炭化水
素基が好ましくは使用される。
【0020】重合体に含まれる一般式(1)の含有量は
、0.5mmol/g以下では、得られるイオン交換膜
の透過性が十分でなく、また4mmol/g以上では、
イオン交換容量の制御が困難のみならず、イオン交換容
量を制御しても選択性の良いイオン交換膜が得られにく
い点から、0.5〜4mmol/g、好ましくは1〜3
.5mmol/g、特には1.5〜3.0mmol/g
の重合体が使用される。かかる重合体としては、一般式
(1)の含有量が、上記の範囲にあれば、芳香族ポリエ
ーテル類、ポリアリレート、ポリアラミド、ポリイミド
そして芳香族複素環状ポリマーなどなんら制限なく使用
でき、例えば
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】が例示される。また他の好ましい重合体と
しては、一般式(1)の含有量を制御された共重合体が
使用される。共重合体としては、コモノマーを一般式(
1)を構成するモノマーと一緒に反応せしめてなるラン
ダム共重合体や、または一般式(1)を構成するモノマ
ーを予め重合せしめた後、他の構成セグメントを重合せ
しめてなるブロック共重合体が使用できる。
【0024】特にブロック共重合体は、異なる反応形式
による重合が可能であることから、共重合体を構成する
セグメントの機械的性質や化学的性質が制御できる特徴
の他、イオン交換基がブロック的に導入される結果、得
られるイオン交換膜の選択性、透過性、そして機械的性
質が優れる点で特に好ましく使用される。
【0025】一般式(1)を構成するモノマーを含む共
重合体としては、ポリスルホン/ポリスルホン共重合体
等の同族系の共重合体はもちろんのこと、ポリスルホン
/アリレート共重合体、ポリスルホン/ポリカーボネー
ト共重合体、ポリスルホンアミド、ポリスルホンイミド
等から使用でき、例えば
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】が例示される。これらの式中、m,nは、
−X−Ar−Yの繰り返し単位が0.5〜4mmol/
g乾燥樹脂になるように選ばれる。
【0030】かくして選ばれた重合体または共重合体に
イオン交換基を導入する方法としては、イオン交換基ま
たはその前駆体の官能基を有するモノマーから重合する
こともできるが、一般的にイオン交換基またはその前駆
体の官能基は、重合を阻害するか、重合時に分解するこ
とが多いので特別な目的の他は、重合後、イオン交換基
を導入する方法が、1つの原料ポリマーから、陽イオン
交換膜または陰イオン交換膜のごとく多種のイオン交換
膜が得られる点から好ましく採用される。
【0031】これらの重合体に陰イオン交換基を導入す
る方法としては、(a)アミノアルキル基を導入、必要
によりハロゲン化アルキルで、4級塩に変換する。 (b)ハロアルキル基とを導入後、NH3 、1〜2級
アミンまたは3級アミンにより1〜3級アミンの弱塩基
性陰イオン交換基または4級アンモニウム塩の強塩基イ
オン交換基を導入する方法が使用できるが、反応が容易
で、イオン交換容量の制御が容易であること、イオン強
度の異なるイオン交換基の導入性が優れていること、ハ
ロアルキル基の反応性を利用して架橋を導入できる点で
、(b)のハロアルキル化−アミノ化反応が好ましく使
用される。
【0032】ハロアルキル基の導入方法としては、芳香
族環にアルキル基が置換されている重合体を原料とする
場合には、塩素化、臭素化等の反応も使用できるが、一
般的には、クロルメチルメチルエーテル、1,4−ビス
(クロルメトキシ)ブタン、1−クロルメトキシ−4ク
ロロブタンやホルマリン−塩化水素、パラホルムアルデ
ヒド−塩化水素等の親電子反応性のクロルメチル化反応
により本発明の重合体の− X−Ar− Y− 繰り返
し単位の芳香族環に選択的に導入することができる。か
くて得られたクロルメチル化重合体は、好ましくは以下
の方法にてイオン交換体層とすることができる。
【0033】(1)クロルメチル化重合体を溶液化せし
め、アミンを添加、陰イオン交換樹脂溶液とした後、流
延し、膜状に成形せしめる。 (2)クロルメチル化重合体を溶液化せしめた後、流延
し、膜状に成形せしめた後、アンモニアまたは1〜3級
アミンと接触させ、クロルメチル基を塩基性イオン交換
基に変換する。 (3)クロルメチル化重合体を溶液化せしめ、クロルメ
チル基の一部、好ましくは20〜80モル%の3級アミ
ンを添加し、陰イオン交換樹脂溶液とし、膜状に成形せ
しめた後、残余のクロルメチル基を加熱処理、ルイス酸
との接触、または少なくとも2個以上のアミノ基を有す
るアミンと反応し架橋構造を導入する。
【0034】本発明に使用されるアミノ化剤としては、
アンモニアの他、1級アミンとしては、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアル
キルアミン、アニリン等の芳香族アミン、またはエタノ
ールアミン等が、2級アミンとしては、ジメチルアミン
、ジエチルアミン等のジアルキルアミンの他、Nメチル
アニリン等の芳香族アミン、ピロリジン、ピペラジン、
モルホリン等の複素環アミン、またはジエタノールアミ
ン等が例示され、弱塩基性の陰イオン交換膜とすること
ができる。
【0035】また強塩基性イオン交換膜用の3級アミン
としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のト
リアルキルアミンの他N,Nジメチルアニリン、Nメチ
ルジフェニルアミン、ピリジン、キノリン、アクリジン
、Nメチルピロール、1メチルインドール、Nエチルカ
ルバゾール等の芳香族アミン、Nメチルピロリジン、N
メチルペリジン、Nメチルモルホリン等の複素環系アミ
ン、またはトリエタノールアミンが例示される。
【0036】またイオン交換基と架橋が導入されるアミ
ノ基が2個有するアミンとしては、一般式R1 R2 
[N](R3 )[N]R4 R5 (但し、R1 、
R2 、R4 またはR5 は、互いに同一または異な
る水素、炭素数1〜6の炭化水素基叉は水酸化炭化水素
基。R3 は、炭素数1〜15の直鎖状または分岐を持
つアルキル基、または芳香族あるいは複素環族で示され
る)または、アミノ基が環を構成する状に含有する複素
環系ジアミンが使用され、メチレンジアミン、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、mフェニレンジアミン、ピリダジン、ピリミジン、
ピラジン、キノゾリン、キノザリン、ベンゾシノリン、
1メチルイミダゾール、NN’ジメチルピペラジン、(
1、4)ジアザビシクロ(2、2、2)オクタン等が例
示される。
【0037】またアミノ基が3個以上有するアミンとし
ては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン
、テトラエチレンヘプタミン等のポリエチレンイミン化
合物やトリアジン、ヘキサメチレンテトラミン等の環状
ポリアミンなどが例示される。
【0038】かくて本発明の陰イオン交換体膜は、全イ
オン交換容量が、0.5〜4ミリ当量/g乾燥樹脂、好
ましくは、0.8〜3.5ミリ当量/g乾燥樹脂、特に
は1.2〜3.0ミリ当量/g乾燥樹脂の高いイオン交
換容量を有するにもかかわらず固定イオン濃度が、4ミ
リ当量/g水以上、好ましくは6ミリ当量/g水以上の
高い値を示し、選択性と透過性が大きい特徴を有する。 膜厚は、0.1〜300μm、好ましくは、1〜100
μm、特には5〜50μmとすることができる。
【0039】一方、陽イオン交換膜を合成するための陽
イオン交換基としては、−SO3 H,−CF2 SO
3 H,−CH2 SO3 H,−COOH,−CF2
 COOH,燐酸基が例示されるが、広範囲のpHでイ
オン交換特性を有し、またイオン交換基の導入の点から
−SO3 H基が特に好ましい。またスルホン酸基と架
橋が導入された、陽イオン交換膜は、イオン交換容量の
制御性、膜の機械的強度の向上、高いイオン交換容量を
有する膜を得る点で好ましい。
【0040】これらの重合体にスルホン酸基と架橋を導
入する方法としては、 (a)スルホン酸基を導入後、架橋反応性官能基を導入
し架橋せしめる方法。 (b)架橋反応性官能基を導入した後、スルホン酸基を
導入する方法。のいずれも使用できる。
【0041】架橋反応性官能基としては、ハロゲン基、
水酸基、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、
アミノ基、ビニル基、ハロアルキル基が、例示されるが
、導入反応が容易で、しかも耐薬品性の優れた架橋物が
得られやすい点からハロアルキル基が特に好ましく使用
される。ハロアルキル基の導入方法としては、陰イオン
交換膜の合成で述べた方法が使用される。
【0042】架橋の方法としては、クロルメチル基のフ
リーデルクラフト反応による芳香環のメチレン結合型架
橋、または少なくとも2個のクロルメチル基と化学結合
する反応基を有する化合物を架橋剤として用いる方法、
クロルメチル基を他の官能性反応基に転換せしめた後化
学結合せしめる方法が使用され、好ましくは、クロルメ
チル基をフリーデルクラフト反応により架橋する方法は
反応が容易で架橋密度の制御と耐薬品性が優れ、かつイ
オン交換容量が高くできる点から好ましい架橋方法とし
て例示される。
【0043】またスルホン酸基を導入する方法としては
、濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、無水硫酸、無
水硫酸ートリエチルホスフェート錯体等、芳香族環のス
ルホン化方法を使用することができる。かくて、好まし
くは以下の方法にて架橋された陽イオン交換膜とするこ
とができる。
【0044】(1)クロルメチル化重合体を溶液化せし
めた後、流延し、膜状に成形中または成形後架橋せしめ
るか、またはスルホン化時に架橋せしめ陽イオン交換膜
とする。 (2)スルホン化重合体を溶液化せしめた後、流延し、
膜状に成形した後、クロルメチル化反応中、またはクロ
ルメチル化反応後架橋せしめ陽イオン交換膜とする。 (3)クロルメチル化重合体の溶液とスルホン化重合体
の溶液の混合溶液を流延し、膜状に成形中または成形後
架橋せしめ陽イオン交換膜とする。
【0045】かくして本発明の陽イオン交換膜は、イオ
ン交換容量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂以下では、膜
抵抗が著しく高く、また4ミリ当量/g乾燥樹脂以上で
は、架橋剤が多量に必要なため、結果として膜の機械的
強度、特に靭性が低下するため、イオン交換容量は0.
5〜4ミリ当量/g乾燥樹脂、好ましくは1.0〜3.
5ミリ当量/g乾燥樹脂、特には、1.5〜2.5ミリ
当量/g乾燥樹脂で、固定イオン濃度が4ミリ当量/g
水以上好ましくは6ミリ当量/g水以上からなる。膜厚
は、0.1〜300μm、好ましくは、1〜100μm
、特には5〜50μmとすることができる。
【0046】かくして得られるイオン交換膜は、単独で
、膜状に加工する他、寸法安定性、取扱性等の実用的な
強度を付与するために、多孔性基材により、補強するこ
とができる。かかる多孔性基材は、イオン交換体層に埋
め込んで、補強された複合イオン交換膜として使用でき
る他、膜抵抗を低下させる目的で、イオン交換体の薄膜
層と多孔性基材層との複層陽イオン交換膜とすることが
できる。膜の形状は、一般的な平面状だけではなく、袋
状、中空糸、中空管などにも成形できる。
【0047】
【作用】芳香環と電子供与性の連結基から構成されたセ
グメントを有する重合体において、少なくとも一方の連
結基が−O−または−S−を含まない電子供与性の連結
基からなり、該セグメントが特定の含有量を有すること
を特徴とする重合体を使用することにより、イオン交換
基の導入を制御できる。該セグメントをブロック状とす
ることにより、イオン交換基が多いセグメントとイオン
交換基が少ないセグメントを有する結果、選択性が高く
、透過性が大きく、且つ機械的強度が優れたイオン交換
体膜が得られる。本発明のイオン交換膜は、海水濃縮等
の電気透析法、拡散透析または電池セパレータ等の隔膜
として特に好ましく使用される。
【0048】
【実施例】本発明を実施例により説明するが、本発明は
、かかる実施例に限定されるものではない。
【0049】[実施例1]ジクロロ(ビスフェニル)フ
ェニルスルホン1モルとKOH  0.45モルを反応
せしめた後、重合し固有粘度0.20の芳香族ポリエー
テルスルホンA1を得た。次いで重合体A1とジクロロ
ジフェニルスルホン0.45モルとジフェノールスルホ
ンの2ナトリウム塩0.55モルとを重合し、固有粘度
0.6の共重合体A2を得た。
【0050】
【化11】
【0051】次に、該共重合体A2は、1、1、2、2
、テトラクロルエタンに溶解した後、クロルメチルメチ
ルエーテル、無水塩化スズを添加し、80℃、4時間反
応せしめた後、メチルアルコールで沈澱、洗浄しクロル
メチル化重合体A3を得た。かくて得たクロルメチル化
重合体A3は、1、1、2、2、テトラクロルエタンに
溶解し、流延、乾燥により膜厚25μmの膜とした。ト
リメチルアミンでアミノ化せしめ陰イオン交換膜とした
。該陰イオン交換膜は、イオン交換容量1.6ミリ当量
/g乾燥樹脂、固定イオン濃度9ミリ当量/g水であっ
た。
【0052】[実施例2]ジクロロ(ビスフェニル)フ
ェニルスルホン1モルとKOH  0.5モルを反応せ
しめた後、重合し芳香族ポリエーテルスルホンBを得た
【0053】
【化12】
【0054】実施例1と同様にして、陰イオン交換膜を
作成した結果、イオン交換容量2.0ミリ当量/g乾燥
樹脂、固定イオン濃度は4ミリ当量/g水であった。
【0055】[比較例1]ビスフェノールAとジクロロ
ジフェニルスルホンと反応せしめ、固有粘度0.56の
芳香族ポリスルホン重合体Cを得た。
【0056】
【化13】
【0057】実施例1と同様にして、陰イオン交換膜を
作成したが、ゼリー状となり、膜にならなかった。
【0058】[実施例3]実施例1で得たクロルメチル
化共重合体A3の25μmキャスト膜をスルホン化せし
め陽イオン交換膜を得た。該膜は、イオン交換容量が1
.7ミリ当量/g乾燥樹脂、固定イオン濃度が5.1ミ
リ当量/g水であった。
【0059】
【発明の効果】本発明のイオン交換膜は、機械的強度に
優れてた芳香族環と連結基からなる重合体を骨格とし、
イオン交換基が導入される芳香族環の構造と量を特定し
た結果、選択性、透過性の優れたイオン交換膜とするこ
とができる。特に膜厚を薄くできるため透過性を大幅に
向上できる。その結果、従来のイオン交換膜と比較して
電気透析による濃縮、脱塩の電気エネルギーを低減でき
又拡散透析用隔膜として使用することにより、酸を含有
する廃液から高純度の酸を効率よく回収することができ
る効果がある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、繰り返し単位内に一般式(1
    ) −X−Ar−Y− (ただし、式中Xは、−O−または−S−以外から選ば
    れる電子供与性の連結基、Yは、−O−または−S−を
    含む電子供与性の連結基、Arは 【化1】 を表す。R1 〜R5 は,互いに同一または異なるハ
    メットの置換基定数が負の置換基。aは0〜3、b+c
    およびd+eは0〜5を示す。)を0.5〜4mmol
    /gを含有する重合体からなり、その芳香族環に、イオ
    ン交換基が導入されたことを特徴とするイオン交換膜。
  2. 【請求項2】連結基Xが対応する水素置換基−X−Hと
    したとき、ハメットの置換基定数が0または負の連結基
    であり、連結基Yが対応する水素置換基−Y−Hとした
    とき、ハメットの置換基定数が0又は負の連結基であり
    、イオン交換容量0.5〜4ミリ当量/g乾燥樹脂、固
    定イオン濃度が4ミリ当量/g水以上である請求項1の
    イオン交換膜。
  3. 【請求項3】連結基Xが、単結合、または−(CR6 
    R7 )n −(ただしR6 、R7 は、互いに同一
    または異なる水素、または炭素数1〜8の炭化水素基。 nは1〜8を示す)である請求項2のイオン交換膜。
  4. 【請求項4】重合体が一般式(1)−X−Ar−Y−の
    繰り返し単位を有する少なくとも2種の繰り返し単位か
    らなるブロック共重合体からなる請求項1,2又は3の
    イオン交換膜。
  5. 【請求項5】イオン交換基が、アミノ基また4級アンモ
    ニウム基からなり、イオン交換容量が1.0〜4ミリ当
    量/g乾燥樹脂、固定イオン濃度が4ミリ当量/g水以
    上、厚みが1〜100ミクロンである請求項1,2,3
    または4の陰イオン交換膜。
  6. 【請求項6】イオン交換基が、スルホン酸基からなり、
    イオン交換容量が1.0〜4ミリ当量/g乾燥樹脂、固
    定イオン濃度が4ミリ当量/g水以上、厚みが1〜10
    0ミクロンである請求項1,2,3または4の陽イオン
    交換膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002100384A (ja) * 2000-09-22 2002-04-05 Asahi Kasei Corp 燃料電池およびこれに用いられる水蒸気透過膜

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