JPH0428518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、キヤンプ、川遊び、釣り場或いは一
般家庭等でバーベキユーを行うに好適な簡易なバ
ーベキユー用具に関する。

〈従来の技術〉 従来、キヤンプ、川遊び、釣り場等で釣つた川
魚等をバーベキユーする場合、枝木等を燃やし、
その周囲に魚等を串刺しにして並べて焼くという
原始的な方法、或いは大掛かりなバーベキユー装
置を使用する方法等がある。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、原始的な方法では、火力が充分
ではなく、しかも風等の影響を受けるため、魚等
の加熱を効率良く行えないため、焼けるまでに非
常に時間が掛かると言う問題点がある。

また大掛かりなバーベキユー装置では、重量や
嵩があるため、携帯に不便であり、車等で運搬し
なければならず、しかも価格も高いという問題点
がある。

そこで、本考案は以上のような従来の課題に鑑
み、効率の良い加熱状態が得られると共に、分解
収納可能で、コンパクトであり、携帯便利しかも
安価なバーベキユー用具を提供することを目的と
する。

〈課題を解決するための手段〉 このため本考案のバーベキユー用具は、「下方
からの火炎を通過可能とする中央貫通口を有する
環状トレー形の油受けと、中央に貫通口を有する
環状板を上下に所定の距離を隔てて略平行に配設
して相互に連結固定するとともに、上板には複数
の大孔を、下板には複数の小孔を、夫々設けた構
成であつて、前記油受けのトレー内に載置可能な
サイズに形成された串立てと、該串立ての下板の
小孔に突入係止可能な係止基端部を有し、前記上
板の大孔に嵌挿可能な太さに形成された串棒と、
前記串立ての上・下板及び油受けの貫通口内方に
遊挿され、かつ下方の火炎を覆うように配設可能
なロストルと、前記油受け、串立て、串棒及びロ
ストルの組立体の側方周囲に配設可能な折り畳み
式の囲い部材と、を含んで構成されてなるバーベ
キユー用具。」を含んで構成した。

〈作用〉 かかる構成においては、油受けを例えば携帯用
の燃焼器のバーナを囲むように配設し、該油受け
内に串立てを収納載置する。次に、ロストルを串
立ての上・下板及び油受けの貫通口の内方に遊挿
して前記バーナの上方から火炎を覆うように配設
する。そして、例えば釣つた魚の口から尾へと刺
した串棒の基端部を、上板の大孔に嵌挿しかつ該
基端部を下板の小孔に突入係止させる。

さらに、油受け、串立て、串棒及びロストルの
組立体の側方周囲に囲い板を配設する。

以上により、バーベキユー用具のセツトが完了
する。

前記バーナから上に向けられた炎によりロスト
ルは加熱され、赤熱した該ロストルから周囲に熱
が輻射放熱され、この熱により前記串棒に刺した
魚が焼かれる。

この場合、囲い板により、防風効果が得られる
と共に、熱の放散が防止され、魚は良好な蒸し焼
き状態となる。

魚から落ちる油は油受けによつて受けられる。

以上の構成のバーベキユー用具によると、油受
け、串立て、串棒、ロストル及び囲い板等の簡単
な構成の各部品により構成したから、容易に分解
収納可能であると共に組立も容易に行うことがで
き、コンパクトで携帯にも便利であり、キヤン
プ、川遊び、釣り場或いは一般家庭等でバーベキ
ユーを行うに非常に好適である。

〈実施例〉 次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図において、本考案の対象とするバーベキ
ユー用具は、夫々金属の油受け１と、串立て２
と、串棒３と、ロストル４と、囲い板５と、から
構成される。

ここで、前記油受け１は、第２図に示すよう
に、円環状の底板部材１ａの外周縁と内周縁に
夫々上方に立上り部１ｂ，１ｃを形成するととも
に、中央部に円形貫通口１Ａを有した環状トレー
形に形成され、後述する燃焼器のバーナの火口を
貫通口１Ａに臨ませて配設可能に設けた構成であ
る。

前記串立て２は、第３図に示すように、中央に
貫通口６ａ，６ｂを有する円環状の上・下板６
Ａ，６Ｂを所定の距離を隔てて略平行に配設して
相互に連結固定し、上板６Ａには複数の大孔７
を、下板６Ｂには複数の小孔８を、夫々設けた構
成であり、前記油受け１内に収納載置される。

前記上板６Ａと下板６Ｂとの結合は、該上板６
Ａ下面と下板６Ｂ上面との間に介装して溶接によ
り固着された複数の足部１０により行われる。前
記足部１０の下端部は、下板６Ｂ外周端から外方
に突出した後下方に折曲され、串立て２を油受け
１内で所定の高さに浮かせた状態で載置支持する
支持部となつている。

また、前記上板６Ａの大孔７は、円形状に形成
され、下板６Ｂの小孔８は、角形状に形成するの
が好ましい。

前記串棒３は、第４図に示すように、先端部か
ら基端部にかけて徐々に幅が大となる断面矩形状
の棒状又は板状部材からなる。この串棒３は、上
板６Ａの大孔７に嵌挿可能であると共に、基端部
には、前記下板６Ｂの小孔８に突入係止可能な係
止部１１が形成されている。

前記ロストル４は、串立て２の貫通口６ａ，６
ｂ及び油受け１の貫通口１Ａを貫通して遊挿さ
れ、前記バーナの火炎を覆うように配設され、該
バーナの熱を周囲に幅射するものである。すなわ
ち、第５図に示すように、多数の孔１２を有した
上面閉塞かつ上方から下方に行くに従つて徐々に
径が拡大される略円錐台形筒体４Ａ内部に図示し
ない加熱フイラメントを充填して固定した構成で
ある。

このロストル４の上壁外面には摘み部１３が設
けられている。

前記囲い板５は、油受け１、串立て２、串棒３
及びロストル４の組立体の側方周囲に配設され、
風防作用を有するとともに熱の放射を防止して、
蒸し焼き状態にするためのもので、折り畳み可能
な構成である。

即ち、囲い板５は、第６図に示すように、４枚
の方形板部材５ａ〜５ｄを方形筒状に組んで、隣
接する板部材５ａ，５ｂ相互と板部材５ｂ，５ｃ
相互と板部材５ｃ，５ｄ相互を夫々適宜のヒンジ
（図示せず）を介して折り畳み可能に連結し、隣
接する板部材相互を係止部材１４で着脱自由に組
立連結した構成である。

なお、本実施例では、上記の油受け１と、串立
て２と、串棒３と、ロストル４と、囲い板５の他
に、囲い板５の上面開放部に載置可能に設けた上
蓋板１５と、バーナ周囲と油受け１の間に介在さ
せるためのゴトク部材１６と、清掃用のブラシ１
７と、が選択的に装備される。

前記上蓋１５は、第６図に示すように、長方形
状の金属製板部材の両端部に折曲リブを設けた形
状で２つ用意され、前記囲い板５の上面開放部に
並べて載置して使用される。この場合、上蓋１５
は、囲い板５の上面開放部を２枚で完全に閉塞す
るものではなく、該上面開放部に若干の隙間がで
きるような大きさに形成される。

また、上蓋１５の上面には、摘み部１５ａが設
けられている。

前記補助のゴトク部材１６は、第７図に示すよ
うに、両端部を折曲した４本の細長い金属製板部
材１６ａを井桁に組み、夫々を軸ピン１８等で回
動自由に結合して折り畳み可能に構成したもので
ある。

ここで、前記油受け１を燃焼器のバーナ火口の
周囲において既製備え付けのゴトク上に載置して
使用する場合には、該ゴトクの内方に前記ロスト
ル４を挿通させてバーナに被せて使用するが、該
ゴトクの内径がロストル４外径よりも小なる場合
には、該ロストル４を通すことができない。従つ
て、この場合には、燃焼器のバーナ周囲の既製の
ゴトクを取り外し、代わりに前記補助のゴトク部
材１６をバーナ周囲に置き、このゴトク部材１６
上に油受け１を載置し、該ゴトク１６の中央部に
形成される方形上の空間部１６Ａの内方に前記ロ
ストル４を遊挿した状態でバーナに被せて使用す
る。

前記ブラシ１７は、第８図に示すように、柄１
７Ａの先端に毛１７ａを集合して植毛したもので
ある。なお、前記柄１７Ａの基端部には、先端縁
部を若干直径方向に押し潰して偏平孔とした金属
製のパイプ１９が固定取付されている。このパイ
プ１９は、前記串棒３の先端部に嵌合可能であ
り、後に詳述する串棒３の操作に使用される。

次に、かかる構成のバーベキユー用具の使用方
法について説明する。

まず、第１図に示すように、油受け１を例えば
携帯用の燃焼器のバーナを囲むように配設し、該
油受け１内に串立て２を配設する。次に、ロスト
ル４を串立て２の上・下板６Ａ，６Ｂの貫通口６
ａ，６ｂ及び油受け１の貫通口１Ａの内方に遊挿
して前記バーナを覆うように配設する。

そして、例えば釣つた魚２０の口から尾へ串棒
３を先端側からと刺し、この串棒３の基端部を上
板６Ａの大孔７から下方に嵌挿しかつ該基端部の
係止尖端部１１を下板６Ｂの小孔８に突入して係
止させる（第９図参照）。

さらに、囲い板５を油受け１、串立て２、串棒
３及びロストル４の組立体の側方を囲んで立設配
置し、上蓋１５を囲い板５の上面開放部に並べて
載置する（第６図参照）。

以上により、バーベキユー用具のセツトが完了
する。

前記バーナ火口から吹き上る炎によりロストル
４は加熱され、該ロストル４から周囲に熱が輻射
され、この放熱により前記串棒３に刺した魚２０
が焼かれる。

この場合、囲い板５により、防風効果が得られ
ると共に、熱の放散が防止され、魚２０は蒸し焼
き状態となる。

上蓋１５は、囲い板５の上面開放部には若干の
隙間があるので、この隙間から排気がなされる。

魚２０から落ちる油は油受け１によつて受けら
れる。

以上の構成のバーベキユー用具によると、油受
け１、串立て２、串棒３、ロストル４及び囲い板
５等の簡単な構成の各部品により構成し、かつ容
易に分解収納可能であると共に組立も容易に行う
ことができるものとしたので、コンパクトで携帯
にも便利であり、キヤンプ、川遊び、釣り場或い
は一般家庭等でバーベキユーを行うに非常に好適
である。

特に、囲い板５は折り畳み可能であるため、板
状体のコンパクトな形状にすることができ、携帯
により便利である。

また、かかる構成のバーベキユー用具では、油
受け１、串立て２、串棒３、ロストル４及び囲い
板５に夫々次のような利点がある。

即ち、油受け１は、魚２０から落ちる油を受け
ることができ、油で周囲を汚すことなく衛生的で
ある。

串立て２は、串棒３を立てて魚２０を焼くこと
ができる結果、次のような利点がある。

即ち、イワナ、アユ、ヤマベ等の川魚は油が多
いため、頭を下にして焼くと、油が下降して魚の
頭に至り、頭の骨がカラ揚げ状態となつて美味し
く焼き上がるという効果がある。

また、串立て２の上板６Ａに大孔７を下板６Ｂ
に小孔８を設けて、串棒３を該大孔７に嵌挿しか
つその基端部の係止部１１を前記小孔８に突入係
止し得るようにしたから、前記嵌挿する大孔７と
係止させる小孔８の位置を適宜選択することによ
り、串棒の傾斜角度を調節してロストル４との距
離を任意に設定することができ（第９図ａ，ｂ参
照）、魚の大きさや形に合つた最適な加熱状態を
得ることができる。特に、本実施例によると、小
孔８を角孔形状に形成したから、該小孔８に突入
された串棒３の基端係止部１１が回転してしまう
のを防止でき、一旦選択した串棒３の傾斜角度が
変化してしまうことがない。

ロストル４は、燃焼器のバーナに被せるだけ
で、熱を周囲に幅射することができ、携帯用の燃
焼器でも、一般家庭の都市ガス用、プロパンガス
用の燃焼器に対しても適用できる。

囲い板５は、防風効果が得られると共に、熱の
放散が防止され、魚は蒸し焼き状態となるため、
焼き上がりを早めることができ、およそ20〜30分
程度で焼き上げることができる。

さらに、本実施例における上蓋１６、補助のゴ
トク部材１６及び清掃用のブラシ１７は、夫々次
のような利点を有する。

即ち、上蓋１５は、囲い板５による防風効果
と、熱の放散防止効果をより助長できる利点があ
る。

また、補助のゴトク部材１６は、前述したよう
に、燃焼器に既設のゴトク内径がロストル４外径
よりも小なる時にも、この既製ゴトクの代わりに
使用することで、ロストル４をバーナに容易に被
せて使用することができるという利点がある。

さらに、ブラシ１７は、ロストル４等の清掃を
するのに便利であると共に、焼いている途中で、
ブラシ１７の柄１７Ａの基端部に設けられた金属
製のパイプ１９を串棒３の先端部に嵌合して、該
柄１７Ａを回動することにより、串棒３を強制的
に回動することができ、魚２０の向きを変えるこ
とができるという利点を有する。

〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案のバーベキユー用
具によると、油受け、串立て、串棒、ロストル及
び囲い板等の簡単な構成の独立した各部品により
構成したから、容易に分解収納可能であると共に
組立も容易に行うことができ、コンパクトで携帯
にも便利であり、キヤンプ、川遊び、釣り場或い
は一般家庭等でバーベキユーを行うに非常に好適
である。

また、油受け、串立て、串棒、ロストル及び囲
い板夫々の効果により、衛生的、美味しい焼き上
がりが得られる、魚の大きさや形に合つた最適な
加熱状態が得られる、携帯用の燃焼器、一般家庭
の都市ガス用、プロパンガス用の燃焼器に対する
適用性に優れる、焼き上がりを早めることができ
る等の利点があり、利用性が高く、実用性に優れ
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバーベキユー用具の全体
構成を示す斜視図、第２図は油受けの構成を示す
斜視図、第３図は串立ての構成を示す斜視図、第
４図は串棒の構成を示す斜視図、第５図はロスト
ルの構成を示す斜視図、第６図は囲い板の構成を
示す斜視図、第７図は補助のゴトクの構成を示す
斜視図、第８図はブラシの構成を示す斜視図、第
９図ａ，ｂは夫々串立てへの串棒の装着状態を示
す拡大断面図である。 １……油受け、１Ａ……貫通口、２……串立
て、３……串棒、４……ロストル、５……囲い
板、６Ａ……上板、６Ｂ……下板、６ａ，６ｂ…
…貫通口、７……大孔、８……小孔、１１……係
止部、１２……孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下方からの火炎を通過可能とする中央貫通口を
   有する環状トレー形の油受けと、 中央に貫通口を有する環状板を上下に所定の距
   離を隔てて略平行に配設して相互に連結固定する
   とともに、上板には複数の大孔を、下板には複数
   の小孔を、夫々設けた構成であつて、前記油受け
   のトレー内に載置可能なサイズに形成された串立
   てと、 該串立ての下板の小孔に突入係止可能な係止基
   端部を有し、前記上板の大孔に嵌挿可能な太さに
   形成された串棒と、 前記串立ての上・下板及び油受けの貫通口内方
   に遊挿され、かつ下方の火炎を覆うように配設可
   能なロストルと、 前記油受け、串立て、串棒及びロストルの組立
   体の側方周囲に配設可能な折り畳み式の囲い部材
   と、 を含んで構成されてなるバーベキユー用具。