JPH04281443A - フレネルレンズおよびその製造方法 - Google Patents

フレネルレンズおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH04281443A
JPH04281443A JP3044622A JP4462291A JPH04281443A JP H04281443 A JPH04281443 A JP H04281443A JP 3044622 A JP3044622 A JP 3044622A JP 4462291 A JP4462291 A JP 4462291A JP H04281443 A JPH04281443 A JP H04281443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fresnel lens
mold
lens
prism
prism surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3044622A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2958137B2 (ja
Inventor
Takashi Nishiguchi
西口 隆
Shinji Sawa
沢 真司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP3044622A priority Critical patent/JP2958137B2/ja
Publication of JPH04281443A publication Critical patent/JPH04281443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2958137B2 publication Critical patent/JP2958137B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレネルレンズおよび
その製造方法と、製造に供する金型およびその切削工具
と、フレネルレンズを用いたプロジェクションテレビセ
ットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のフレネルレンズの構造を図2ない
し図6を用いて説明する。図2は、従来のフレネルレン
ズを示す説明図、図3は、フレネルレンズ成形用金型の
切削加工方法を示す部分断面図である。図2(a)は、
従来のフレネルレンズの斜視図であり、フレネルレンズ
1は、光の透過度が高い、例えば光学プラスチックスで
構成され、同心円状の複数個のプリズムが表面上に形成
されている。図2(b)は、このフレネルレンズ1を中
心方向に切断した要部断面拡大図である。この図に示す
ように、フレネルレンズ本体1の表面には、プリズム面
2と、このプリズム面と相対する逃げ面3とから構成さ
れる断面が山形形状のプリズムが、同一平面上に同心円
状に、しかも周期的に複数個形成されている。プリズム
面2と水平基準面5とのなす角θは、プリズム角もしく
はフレネル角とよばれ、レンズの中心に向かって行くに
従い、角度が小さくなっており、プリズム面2のみを全
数連続すると、一つの凸レンズを形成するものである。
【0003】このフレネルレンズ1の成形法は、一般的
に、母型としてフレネルレンズの転写断面形状を有する
金型を製作し、光学プラスチックス材を金型に流し込ん
で成形し、1枚の金型から副数枚のフレネルレンズを複
製するものである。次にこの金型の製作法について図3
を参照して説明する。図3において、フレネルレンズ金
型11は、回転テ−ブル12の上面に真空吸引などの手
法を用いて保持、回転される。切削工具6の切れ刃6a
をプリズム角θの角度になるような姿勢に原点Iの水平
基準面を基準に位置決めし、工具切込み原点Iより矢印
aのように破線で示した位置まで切込みを行い、プリズ
ム面2を切削する。その後、矢印bのように工具切込み
原点Iまで上昇して停止し、矢印cのように切れ刃先端
を中心として回転させ、プリズム面2と相対した逃げ面
3の角度αと切削工具6の切刃6bが一致するよう一点
鎖線で示した位置に位置決めを行う。
【0004】この状態で工具切込み原点Iより矢印dの
ように二点鎖線で示した位置まで切込みを行い、矢印e
のように工具切込み原点に戻った後、太い矢印fのよう
に次のプリズムの位置まで1ピッチ分切削工具が移動さ
れる。なお、逃げ面3の角度αをここでは「逃げ角度α
」と称し、プリズムの山頂部4(金型における同心円の
谷底部4’に相当)から原点Iの水平基準線に垂直に下
した垂直基準線と逃げ面3との成す角度をもって定義す
る。図2に示したように、プリズム角θは、フレネルレ
ンズが使用される用途に応じて要求される光学特性から
決定されるが、プリズム面2に相対する逃げ面3の逃げ
角度αは、一般的に0°であり、逃げ面3は水平基準面
5に対し垂直に構成されている。また、図2のフレネル
レンズ1の断面における、プリズムの山頂部4は、一般
的に曲率半径は0であり、図3に示すフレネルレンズ成
形用金型11の溝底部4’に対応するため、切削工具6
の刃先先端の形状と同一となる。なお、この種のフレネ
ルレンズとして関連するものには、例えば特開昭58−
184939号公報が挙げられる。
【0005】上記フレネルレンズでは、水平方向のスク
リ−ン中心面に対して30°程度以上の角度をなすよう
な上方もしくは下方からスクリ−ンを見ると、上方から
であればスクリ−ンの下部、下方からであればスクリ−
ンの上部の一部、ほぼフレネルレンズの同心円に沿って
長さ100〜150mm、幅20〜50mm程度の領域
が白色光ではなく、青、緑、赤の3原色が隣接して並ん
で見えることが知られている。したがって、本来は白で
あるべきところが、虹状に色付いて見えてしまう(以下
カラ−コ−ンと称す)。また、通常は白画面ではなくテ
レビ画面のような画像を見るわけであるが、この場合に
白画面と異なるのは特定の位置に投影される青,緑,赤
の光の強度が時々変化するだけであるから、白画面で虹
状に見える部分も、青,緑,赤の光の強度が時々変化す
るだけで同様に虹状に見え、画質が損なわれることにな
る。
【0006】上記問題点に対し、カラ−コ−ンの発生原
因となるフレネルレンズ逃げ面からの不要出射光を低減
する目的で、逃げ面を光拡散層にて構成し、3原色光を
拡散させたり、逃げ面の面粗さを粗くすることによって
、カラ−コ−ンを低減させる手法については既に知られ
ている。この種のフレネルレンズとして関連するものに
は、例えば実開昭63−187139号公報が挙げられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、カ
ラ−コ−ンの対策のために、逃げ面を光拡散層にて構成
し、3原色光を拡散させたり、逃げ面の面粗さを粗くす
ることを施しているが、フレネルレンズ面上の各位置の
カラ−コ−ンの状態に応じた対策については考慮されて
いない。この問題点について以下説明する。図3のフレ
ネルレンズ断面に示されているように、プリズム角θは
フレネルレンズ外周からフレネルレンズ内周に行くに従
い小さくなっていく。このため、一義的に上記カラ−コ
−ンの発生状況がフレネルレンズの各位置において同一
とは言えず、上記従来技術の効果がフレネルレンズ上の
すべての位置におけるカラ−コ−ンを低減できないとい
う問題があった。この問題を図4ないし図6を参照して
説明する。
【0008】図4は、従来のフレネルレンズにおける出
射角度に対する出射光量を示す線図、図5は、従来のフ
レネルレンズへの入射光と出射光を示す断面図、図6は
、従来のフレネルレンズの各位置における入射光と出射
光を示す要部拡大断面図である。図4は、図5(b)に
示したフレネルレンズのA部位置における出射光の方向
と光量を測定したものである。この図4において■で示
される、観察者が画像として観察する主要出射光以外に
、■,■,■で示される不要出射光、すなわち上述した
カラ−コ−ンが測定される。このカラ−コ−ンの発生要
因である不要出射光の、図5(b)のA部における光路
追跡を行った結果を図5(a)に示す。13aおよび1
3bの2点鎖線で示される入射光はフレネルレンズ1の
内部を通過し、プリズム面から水平基準線に対して上向
き2.9°の方向に出射光■となって出射され、図4に
示された主要出射光■の出射角度と一致する。
【0009】しかし、13a,13bの2点鎖線で示さ
れる入射光のうち、一部はプリズム面の内面で反射し、
さらにフレネルレンズ底面で反射したのち、逃げ面から
出射される出射光■,■によるゴ−スト光の存在が考え
られ、作図から求めたそれぞれの出射角度+31°,−
31°は図4の出射光量のピ−クの角度と一致する。し
かしながら、図5(a)における出射光■のように、図
4の出射光量のピ−クの角度と一致するプリズム面から
出射される出射光も考えられ、一義的に逃げ面における
カラ−コ−ン対策のみで良いとは言えない。特に、図4
はフレネルレンズの中心Lから375mmの位置のみに
おけるものであり、レンズ上の位置が異なればカラ−コ
−ンの発生状況も変化すると予測される。レンズ上の各
位置におけるカラ−コ−ンの要因となる不要出射光の光
路を図6に示す。
【0010】図6では(a)〜(e)に示したフレネル
レンズ上の位置において、太線矢印13a,13bで示
される入射光に対する出射光の光路を示している。 (c)〜(e)におけるフレネルレンズ外周側では太線
矢印で示した主要出射光以外の不要出射光(1)ないし
(3)はすべて逃げ面から出射されているが、(a),
(b)に示したフレネルレンズ上の位置では不要出射光
がプリズム面から出射されていることが分かる。すなわ
ち、フレネルレンズの中周から外周におけるカラ−コ−
ン対策は、逃げ面に施すことが上述したように有効であ
るが、内周側では逃げ面にカラ−コ−ン対策を施しても
効果がないという問題があった。
【0011】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消することにあり、その第1の目的は、レンズ全面に
おいてカラ−コ−ンを低減したフレネルレンズを提供す
ることにある。また、第2の目的は、レンズ全面におい
てカラ−コ−ンを低減したフレネルレンズの成形に好適
な改良された成形用金型を提供することにある。さらに
、第3の目的はそのフレネルレンズの成形方法を、第4
の目的は上記金型加工用の切削工具を、そして第5の目
的はこのフレネルレンズを適応したオ−バヘッドプロジ
ェクタ,プロジェクションテレビセットを、それぞれ提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の第1の発明に係るフレネルレンズの
構成は、断面が山形形状を呈した複数個の同心円状のプ
リズムが同一平面上に形成されてなるフレネルレンズに
おいて、前記各プリズムのプリズム面の面粗さが、レン
ズ外周のプリズム面からレンズ内周のプリズム面に向か
って、粗くなっていくように構成されたものである。よ
り詳しくは、断面が山形形状を呈した複数個の同心円状
のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネルレン
ズにおいて、レンズ外周部のプリズム面の面粗さが0.
05μmRmax以内の鏡面であり、レンズ中心部のプ
リズム面の面粗さが約1μmRmax以上の粗面となる
ように構成されたものである。
【0013】上記第2の目的を達成するために、本発明
の第2の発明に係るフレネルレンズ用成形金型の構成は
、断面が山形形状を呈した複数個の同心円状のプリズム
が同一平面上に形成されてなるフレネルレンズ用成形金
型において、プリズム面の面粗さが、レンズ金型外周の
プリズム面からレンズ金型内周のプリズム面に向かって
、粗くなっていくように加工されたものである。より詳
しくは、断面が山形形状を呈した複数個の同心円状のプ
リズムが同一平面上に形成されてなるフレネルレンズ用
成形金型において、レンズ金型外周部のプリズム面の面
粗さが0.05μmRmax以内の鏡面であり、レンズ
金型中心部のプリズム面の面粗さが約1μmRmax以
上の粗面となるように加工されたものである。
【0014】また、フレネルレンズ成形用金型の製造方
法の構成は、断面が山形形状を呈した複数個の同心円状
のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネルレン
ズ用成形金型において、プリズム面の切削に供される切
れ刃稜を、摩耗しやすい結晶方位に構成したダイヤモン
ド切削工具を用い、金型外周から内周に向かって切削す
るようにしたものである。
【0015】上記第3の目的を達成するために、本発明
の第3の発明に係るフレネルレンズの成形方法の構成は
、断面が山形形状を呈した複数個の同心円状のプリズム
が同一平面上に形成されてなるフレネルレンズの成形方
法において、プリズム面の面粗さがレンズ金型外周のプ
リズム面からレンズ金型内周のプリズム面に向かって悪
くなっていくように加工されたフレネルレンズ用成形金
型に、光学プラスチック材を流入させて成形するように
したものである。より詳しくは、断面が山形形状を呈し
た複数個の同心円状のプリズムが同一平面上に形成され
てなるフレネルレンズの成形方法において、レンズ金型
外周部のプリズム面の面粗さが0.05μmRmax以
内の鏡面であり、レンズ金型中心部のプリズム面の面粗
さが約1μmRmax以上の粗面となるように加工した
フレネルレンズ用成形金型に、光学プラスチック材を流
入させて成形するようにしたものである。
【0016】上記第4の目的を達成するために、本発明
の第4の発明に係るフレネルレンズ用成形金型の切削工
具の構成は、断面が山形形状を呈した複数個の同心円状
のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネルレン
ズ用成形金型の切削工具おいて、プリズム面切削に供さ
れる切れ刃稜を、ダイヤモンドの摩耗しやすい結晶方位
に構成したものである
【0017】さらに、上記第5の目的は、光学系として
フレネルレンズを使用したオ−バ−ヘッドプロジェクタ
,プロジェクションテレビセットにおいて、前記フレネ
ルレンズを請求項1あるいは2記載のいずれかのフレネ
ルレンズで構成してなるオ−バ−ヘッドプロジェクタ,
プロジェクションテレビセットにより、達成される。
【0018】
【作用】断面が山形形状を呈した複数個の同心円状のプ
リズムが同一平面上に形成されてなるフレネルレンズに
おいて、プリズム面の面粗さをレンズ外周のプリズム面
からレンズ内周のプリズム面に向かって、悪くなってい
く(粗くなっていく)ように構成するには、このフレネ
ルレンズを成形する金型のプリズム面切削時に、外周か
ら内周に向かって切削面粗さを次第に劣化させれば良い
。上記金型を切削加工するための、切削工具としては、
切れ刃先端が摩耗しやすい結晶方位で構成された単結晶
ダイヤモンド切削工具が好適であり、外周から内周に向
かって切削を行なうことにより、切削工具の刃先が徐々
に摩耗し、内周に行くに従って、プリズム面の面粗さが
劣化して粗くなっていく。これにより、外周側ではカラ
−コ−ンの発生原因となる不要出射光が出射されないプ
リズム面の面粗さを低下させることなく、内周側で不要
出射光が出射されるプリズム面の面粗さを劣化させるこ
とができ、プリズム面内部で不要出射光の散乱効果によ
り、内周側で発生するカラ−コ−ンを低減することがで
きる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図1および図7な
いし図11を参照して説明する。 〔実施例1〕図1は、本発明の一実施例に係るフレネル
レンズの要部拡大断面図である。図1において、図2と
同一番号のものは従来技術と同等部分であるから、その
説明を省略する。Lはフレネルレンズ1の中心線、2a
,2b,2cは、同心円状のプリズムのプリズム面(2
)を示し、外周部,中間部,内周部の各プリズム面であ
る。すなわち、フレネルレンズ1の外観形状は、先に従
来の技術の項で説明した図2(a)と同様の形状である
。つまり、レンズを構成する材料としては光の透過度が
高い光学プラスチックスで構成され、中心線Lに対し同
心円状の複数個のプリズムが同一レンズ基板上に形成さ
れている。
【0020】図1において、山形形状を呈したプリズム
は、水平基準線5に対してプリズム角θ(フレネル角θ
とも称する)だけ傾斜したプリズム面2と、山頂部4か
らこの水平基準線に垂直あるいは逃げ角αだけ傾斜した
逃げ面3から構成されている。図6に示したように、外
周側ではカラーコーンの原因となる不要出射光が逃げ面
から出射され、内周側では不要出射光がプリズム面から
出射される。このため図1の本発明のフレネルレンズ1
では、外周側では逃げ面の面粗さを粗くし、内周側では
プリズム面の面粗さを粗くした構成になっている。次に
、カラーコーンの発生原因となる不要出射光の出射を防
止できる逃げ面、およびプリズム面の面粗さを決定する
ために、面粗さと光の散乱について実験した。実験は透
明アクリル板の片面をサンドペーパ等にて表面をあらし
、光の透過した光量および光線透過率を測定した。この
結果を図7に示す。
【0021】図7は、フレネルレンズの表面粗さと最大
出射光量との関係を示す線図である。図7から分かるよ
うに、面粗さ約1μmRmaxを境に最大出射光量、光
線透過率とも急激に低下していることが分かる。すなわ
ち、光の散乱が生じていることになり、逆に面粗さが1
μmRmax以下では光の散乱の効果が少ないことが分
かる。したがって、外周側ではカラーコーンの原因とな
る不要出射光が出射される逃げ面の粗さを、内周側では
カラーコーンの原因となる不要出射光が出射されるプリ
ズム面の粗さを、それぞれ1μmRmax以上にすれば
良いことが分かる。本実施例のフレネルレンズを得るた
めのフレネルレンズ用成形金型は、上記実施例記載のフ
レネルレンズの転写断面を有しているようにすれば良く
、加工方法について次に図8を用いて説明する。
【0022】図8は、本発明のフレネルレンズ用成形型
の切削加工プロセスを示した図である。図8に(a)で
示した切込み原点にて所要のプリズム角θになるようバ
イトを傾斜して位置決めをし、(b)で示したように垂
直に切込みを与え、金型の表面から切削を開始する。 (c)の状態で切込みを停止し、金型回転が1回転以上
の時間保持して、プリズム面2を切削する。このプリズ
ム面2は、ダイヤモンドバイトの高精度に仕上げられた
切れ刃稜が転写されるため、面粗さは0.05μmRm
ax以内の鏡面となる。これに対し、逃げ面3はバイト
先端のみにて切削されるため、加工条件を適切に選択す
ることによって、所要の面粗さを得ることができる。一
般にバイト切れ刃稜の先端曲率半径をRμmとし、金型
1回転当たりの工具送り量をfμm/revとすると、
面粗さRthは
【数1】    Rth=f2/8R  (μmRma
x)で与えられる。例えば、切れ刃稜の先端曲率半径を
5μmのバイトを用い、金型1回転当たりの工具送り量
を7μm/revとすると、面粗さは
【数2】    Rth=72/8×5=1.225(
μmRmax)となり、逃げ面に要求される面粗さ1μ
mRmax以上の面粗さを達成できる。
【0023】次に、図8の(d)に示すように、次のプ
リズム山頂部の高さまでバイトを上昇させ、1ピッチ分
金型表面を切削しながらバイトを横方向に送る。このプ
ロセスは本発明のフレネルレンズを得るためには直接関
連はないが、プリズム山頂部のバリ発生を抑止するため
の重要なプロセスである。(e)の状態で横方向への送
りを止め、バイトを上方へ引上げ、(f)で示した切込
み原点まで移動させて、(a)の状態に戻り以後繰り返
しとなる。以上述べた本金型切削プロセスでは、プリズ
ム面の面粗さは0.05μmRmax以内の鏡面となり
、逃げ面の面粗さを粗くすることが可能になるため、図
7から得られた光の散乱効果によるカラーコーンの低減
が、カラーコーンの原因となる不要出射光が逃げ面から
出射されるフレネルレンズ外周側で期待できる。
【0024】次に内周側でのカラーコーン低減が可能な
金型の切削プロセスについて説明する。これまでに説明
したように、内周側ではカラーコーンの発生原因となる
不要出射光がプリズム面より出射されるため、プリズム
面の面粗さを1μmRmax以上にする必要がある。こ
れをフレネルレンズ成形用金型加工で実現する手段につ
いて説明する。
【0025】図9は、ダイヤモンド切削工具における切
削方向と結晶方位とのなす角度が切削可能距離に及ぼす
影響を示す線図である。すなわち、図9はダイヤモンド
切削工具を用いて、切れ刃稜が形成されているダイヤモ
ンドチップの結晶方位のうち、(110)面と切削方向
のなす角度を変えて、金型材料である真ちゅう材を切削
したときの切削可能距離(切削面粗さが0.8μmRm
ax以上となる時点)を示した実験データである。図9
から分かるように、切削方向と(110)面とのなす角
度を変えることにより、切削可能距離が大きく変化する
ことが分かる。これは切削方向に対するダイヤモンドの
結晶方位を変えることにより、ダイヤモンド切れ刃稜の
摩耗量が変化するためである。通常のダイヤモンド切削
を行なう場合には、工具寿命が最長となるように切削方
向に対する(110)面の角度が45°であるダイヤモ
ンド切削工具を用いるが、本実施例のフレネルレンズを
成形するための金型加工では、(110)面を切削方向
にしたダイヤモンド切削工具を用いる。
【0026】図10は、(110)面と切削方向を一致
させたダイヤモンド切削工具二よる切削距離と切削面粗
さとの関係を示す線図である。図10から分かるように
、切削距離が長くなるに従い切削面粗さは悪くなり、切
削距離80km以上では面粗さが1μmRmax以上に
なる。このことを利用し、本実施例のフレネルレンズ成
形用金型の加工を外周から内周に向かって行なえば、プ
リズム面の面粗さは徐々に悪くなり、プリズム面から出
射される不要出射光によるカラーコーンが発生する内周
側(切削距離に換算して約80km以上に相当)におけ
るプリズム面の面粗さを1μmRmax以上にすること
は容易である。このプロセスを用いた金型から、光学プ
ラスチックスを用いて成形したフレネルレンズによれば
、プリズム面から出射される不要出射光によるカラーコ
ーンが発生する内周側でも、カラーコーンの低減を容易
に行なうことができた。
【0027】〔実施例2〕次に、同様の効果を得ること
のできる他の実施例について説明する。図1に示したフ
レネルレンズを成形するための金型の加工法において、
先に説明した図8の切削プロセスを適用したのち、微粒
砥粒を用いたサンドブラスト手法により、内周側のみを
選択的に加工し、プリズム面の面粗さを1μmRmax
以上にすることも有効である。こうして得られた金型か
ら、光学プラスチックスを用いて成形したフレネルレン
ズにおいても、実施例1と同様な効果が期待される。
【0028】〔実施例3〕上記実施例1,2で成形した
フレネルレンズをプロジェクションテレビの光学系に適
用した応用例について説明する。図11は、フレネルレ
ンズを使用したプロジェクションテレビの一部破断斜視
図である。図11に示すように、テレビ本体21の全面
に設置されたフロントスクリーン101の裏側から赤,
緑,青のそれぞれのブラウン管22a,22b,22c
より出射された光線A,B,Cがミラー23で反射され
、フロントスクリーン101に投影される。フロントス
クリーン101の内側に上述したフレネルレンズ1を設
置したものである。これにより、従来のフレネルレンズ
を使用した装置よりも、フレネルレンズ全面にわたって
カラーコーンを低減したプロジェクションテレビを得る
ことができた。
【0029】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、レンズ全面においてカラーコーンを低減したフレ
ネルレンズを提供することができる。また、レンズ全面
においてカラーコーンを低減したフレネルレンズの成形
に好適な成形用金型を提供することができる。さらに、
前記金型から優れたフレネルレンズを成形する方法を、
この金型の加工に好適なダイヤモンド切削工具を、そし
てまた、カラーコーンがレンズ全面で低減されたプロジ
ェクションテレビを、それぞれ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るフレネルレンズの要部
拡大断面図である。
【図2】従来のフレネルレンズを示す説明図である。
【図3】従来のフレネルレンズ成形用金型の切削加工方
法を示す要部拡大断面図である。
【図4】従来のフレネルレンズにおける出射角度に対す
る出射光量を示す線図である。
【図5】従来のフレネルレンズへの入射光と出射光を示
す断面図である。
【図6】従来のフレネルレンズの各位置における入射光
と出射光を示す要部拡大断面図である。
【図7】フレネルレンズの表面粗さと最大出射光量との
関係を示す線図である。
【図8】本実施例のフレネルレンズの加工プロセスを示
す要部拡大断面図である。
【図9】ダイヤモンド切削工具における切削方向と結晶
方位とのなす角度が切削可能距離に及ぼす影響を示した
線図である。
【図10】(001)面と切削方向を一致させたダイヤ
モンド切削工具による切削距離と切削面粗さとの関係を
示す線図である。
【図11】本発明のフレネルレンズを用いたプロジェク
ションテレビの一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1  フレネルレンズ 2,2a,2b,2c  プリズム面 3  逃げ面 6  切削工具 11  フレネルレンズ金型

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  断面が山形形状を呈した複数個の同心
    円状のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネル
    レンズにおいて、前記各プリズムのプリズム面の面粗さ
    が、レンズ外周のプリズム面からレンズ内周のプリズム
    面に向かって、粗くなっていくように構成されたことを
    特徴とするフレネルレンズ。
  2. 【請求項2】  断面が山形形状を呈した複数個の同心
    円状のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネル
    レンズにおいて、レンズ外周部のプリズム面の面粗さが
    0.05μmRmax以内の鏡面であり、レンズ中心部
    のプリズム面の面粗さが約1μmRmax以上の粗面と
    なるように構成されたことを特徴とするフレネルレンズ
  3. 【請求項3】  断面が山形形状を呈した複数個の同心
    円状のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネル
    レンズ用成形金型において、プリズム面の面粗さが、レ
    ンズ金型外周のプリズム面からレンズ金型内周のプリズ
    ム面に向かって、粗くなっていくように加工されたこと
    を特徴とするフレネルレンズ用成形金型。
  4. 【請求項4】  断面が山形形状を呈した複数個の同心
    円状のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネル
    レンズ用成形金型において、レンズ金型外周部のプリズ
    ム面の面粗さが0.05μmRmax以内の鏡面であり
    、レンズ金型中心部のプリズム面の面粗さが約1μmR
    max以上の粗面となるように加工されたことを特徴と
    するフレネルレンズ用成形金型。
  5. 【請求項5】  断面が山形形状を呈した複数個の同心
    円状のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネル
    レンズ用成形金型において、プリズム面の切削に供され
    る切れ刃稜を、摩耗しやすい結晶方位に構成したダイヤ
    モンド切削工具を用い、金型外周から内周に向かって切
    削することを特徴とするフレネルレンズ成形用金型の製
    造方法。
  6. 【請求項6】  断面が山形形状を呈した複数個の同心
    円状のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネル
    レンズの成形方法において、プリズム面の面粗さがレン
    ズ金型外周のプリズム面からレンズ金型内周のプリズム
    面に向かって悪くなっていくように加工されたフレネル
    レンズ用成形金型に、光学プラスチック材を流入させて
    成形することを特徴とするフレネルレンズの成形方法。
  7. 【請求項7】  断面が山形形状を呈した複数個の同心
    円状のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネル
    レンズの成形方法において、レンズ金型外周部のプリズ
    ム面の面粗さが0.05μmRmax以内の鏡面であり
    、レンズ金型中心部のプリズム面の面粗さが約1μmR
    max以上の粗面となるように加工したフレネルレンズ
    用成形金型に、光学プラスチック材を流入させて成形す
    ることを特徴とするフレネルレンズの成形方法。
  8. 【請求項8】  断面が山形形状を呈した複数個の同心
    円状のプリズムが同一平面上に形成されてなるフレネル
    レンズ用成形金型の切削工具おいて、プリズム面切削に
    供される切れ刃稜を、ダイヤモンドの摩耗しやすい結晶
    方位に構成したことを特徴とするフレネルレンズ用成形
    金型の切削工具。
  9. 【請求項9】光学系としてフレネルレンズを用いるオ−
    バ−ヘッドプロジェクタ,プロジェクションテレビセッ
    トにおいて、前記フレネルレンズを請求項1あるいは2
    記載のいずれかのフレネルレンズで構成したことを特徴
    とするオ−バ−ヘッドプロジェクタ,プロジェクション
    テレビセット。
JP3044622A 1991-03-11 1991-03-11 フレネルレンズおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP2958137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3044622A JP2958137B2 (ja) 1991-03-11 1991-03-11 フレネルレンズおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3044622A JP2958137B2 (ja) 1991-03-11 1991-03-11 フレネルレンズおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04281443A true JPH04281443A (ja) 1992-10-07
JP2958137B2 JP2958137B2 (ja) 1999-10-06

Family

ID=12696535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3044622A Expired - Lifetime JP2958137B2 (ja) 1991-03-11 1991-03-11 フレネルレンズおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2958137B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002029451A1 (fr) * 2000-09-29 2002-04-11 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Lentille de fresnel. ecran, dispositif d'affichage d'images, procede de fabrication d'un moule de lentille, et procede de fabrication d'une lentille
US6726859B2 (en) 2000-09-29 2004-04-27 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Fresnel lens, screen, image display device, lens mold manufacturing method and lens manufacturing method
JP2005219185A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Konica Minolta Opto Inc 加工方法
JP2015068979A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 大日本印刷株式会社 反射型スクリーン、映像表示装置、反射型スクリーンのレンズ層の成形型

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002029451A1 (fr) * 2000-09-29 2002-04-11 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Lentille de fresnel. ecran, dispositif d'affichage d'images, procede de fabrication d'un moule de lentille, et procede de fabrication d'une lentille
US6726859B2 (en) 2000-09-29 2004-04-27 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Fresnel lens, screen, image display device, lens mold manufacturing method and lens manufacturing method
US7116476B2 (en) 2000-09-29 2006-10-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Fresnel lens, screen, image displaying device, lens forming mold manufacturing method and lens manufacturing method
JP2012000996A (ja) * 2000-09-29 2012-01-05 Mitsubishi Electric Corp レンズ成形型製造方法およびレンズ製造方法
JP2012008583A (ja) * 2000-09-29 2012-01-12 Mitsubishi Electric Corp レンズ成形型製造方法およびレンズ製造方法
JP2005219185A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Konica Minolta Opto Inc 加工方法
JP4582495B2 (ja) * 2004-02-09 2010-11-17 コニカミノルタオプト株式会社 加工方法
JP2015068979A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 大日本印刷株式会社 反射型スクリーン、映像表示装置、反射型スクリーンのレンズ層の成形型

Also Published As

Publication number Publication date
JP2958137B2 (ja) 1999-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100788524B1 (ko) 확산시트, 이를 갖춘 투과형 스크린, 확산시트용 성형틀의제작방법 및 확산시트의 제조방법
KR100633556B1 (ko) 프레넬 렌즈시트
US5005945A (en) Rear projection screen and rear projection system comprising such a screen
JP2006243508A (ja) フレネルレンズ
JP3537309B2 (ja) 透過型スクリーン用レンズシート及び透過型スクリーン
US12061348B2 (en) Diffusion plate and optical device
JPH03249602A (ja) フレネルレンズ及びその製造方法
JPH04281443A (ja) フレネルレンズおよびその製造方法
JPH01182837A (ja) 透過型スクリーン
KR20060090701A (ko) 프레넬 렌즈 및 투과형 스크린 및 이들을 이용한 배면투사형 디스플레이 장치
JP3209345B2 (ja) 透過形スクリーン及びフレネルレンズシート製造用型
JP4778279B2 (ja) 光ミキシング素子及びそれを用いた面光源装置
JP2004070188A (ja) フレネルレンズ
JPH07225323A (ja) 液晶表示用導光板
US4921329A (en) Rear projection screen
JPH04127101A (ja) フレネルレンズ
JPS5969748A (ja) 透過型投影スクリ−ン
JP2007264415A (ja) フレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置、並びに、フレネルレンズシート成形用金型
JPH02190835A (ja) 背面透過型スクリーン用レンズシート
JPS63205601A (ja) プラスチツクレンズ
JP2006145881A (ja) 反射型投影スクリーン
JP2837192B2 (ja) 背面投写スクリーン
JP2003015227A (ja) レンチキュラ−レンズシート
CN115508923B (zh) 复眼透镜、投影照明光路及投影装置
JP2005037623A (ja) 微細構造素子の製造方法、この方法により製造された微細構造素子、空間光変調装置及びプロジェクタ