JPH04280819A - コバルト置換六方晶系バリウムフェライト磁性粉の製造方法、磁性粉および磁気記録媒体 - Google Patents

コバルト置換六方晶系バリウムフェライト磁性粉の製造方法、磁性粉および磁気記録媒体

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JPH04280819A
JPH04280819A JP3069240A JP6924091A JPH04280819A JP H04280819 A JPH04280819 A JP H04280819A JP 3069240 A JP3069240 A JP 3069240A JP 6924091 A JP6924091 A JP 6924091A JP H04280819 A JPH04280819 A JP H04280819A
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sulfate
cobalt
coercive force
barium ferrite
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JP3069240A
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Kozo Mitani
幸三 三谷
Akihisa Yamamoto
陽久 山本
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は保磁力を制御したコバル
ト置換六方晶系バリウムフェライト磁性粉の製造方法お
よび該磁性粉を用いた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に磁気記録媒体の磁性層に用いる磁
性粉の保磁力(Hc)は、200〜2000(Oe)の
範囲に設定することが必要である。ところが六方晶系バ
リウムフェライト(BaFe12O19)磁性粉は保磁
力が5000(Oe)程度で、このままでは磁気記録媒
体用磁性材料としては保磁力が大きすぎて使用出来ない
。このためバリウムフェライトのFeの一部をCo、N
i、Mn、Zn、In、Ge、Nb等の異種元素で置換
することにより保磁力を低下させる方法が提案されてい
る(特開昭56−67904号公報、特開昭59−17
5707号公報、特開昭55−86103号公報など)
。 置換元素としてはコバルトが最も効果的である(特開昭
62−91425公報)。
【0003】しかし、コバルト置換六方晶系バリウムフ
ェライト磁性粉の保磁力はコバルト量のわずかな変動に
よって大きく変動し(日経ニューマテリアル、1986
年4月28日号52頁)、また、製造工程の微妙な条件
変化にも影響を受ける。
【0004】さらに、所望の保磁力を有する磁性粉を製
造しても、その磁性粉を用いた磁気記録媒体の保磁力が
大きく変動するという問題がある。たとえば、コバルト
置換六方晶系バリウムフェライト磁性粉を用いた磁気記
録媒体の保磁力は、元のバリウムフェライト磁性粉の保
磁力に対して約1.1倍以上、ときには2.0倍以上に
まで上昇する(表1)。
【0005】
【表1】
【0006】このようにコバルト置換六方晶系バリウム
フェライト磁性粉の保磁力はコバルト量のわずかな変動
によって大きく変動し、また、磁気記録媒体の保磁力を
制御することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前述の問
題点を解決すべく鋭意検討したところ、コバルト置換六
方晶系バリウムフェライト磁性粉に、特定の化合物を被
着させたのち、特定の温度で熱処理すると、磁性粉の保
磁力が制御でき、さらに、該磁性粉を用いた磁気記録媒
体の保磁力がほとんど変動しないことを見出し、これら
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれば
、(1)コバルト置換六方晶系バリウムフェライト磁性
粉に含硫黄無機化合物を被着させたのち、200℃以上
、800℃以下の温度で熱処理することを特徴とする制
御された保磁力を有するコバルト置換六方晶系バリウム
フェライト磁性粉の製造方法、(2)(1)の製造方法
で得られた、制御された保磁力を有するコバルト置換六
方晶系バリウムフェライト磁性粉、および(3)(2)
のコバルト置換六方晶系バリウムフェライト磁性粉を用
いた磁気記録媒体が提供される。
【0009】本発明は、一般組成式BaaFebCoc
OdXeで表される原料磁性粉に、含硫黄無機化合物を
被着させ、次いで200℃以上、800℃以下の温度で
熱処理して保磁力を200(Oe)以上2000(Oe
)以下の範囲内に制御したコバルト置換六方晶系バリウ
ムフエライト磁性粉の製造方法に関する。本発明によれ
ば、制御された保磁力を有するコバルト置換六方晶系バ
リウムフェライト磁性粉が得られ、さらに該磁性粉を用
いて所望の保磁力を付与された磁気記録媒体を得ること
ができる。
【0010】ここで一般組成式中、a、b、c、dはそ
れぞれBa、Fe、Co及びOの原子数を表し、aは0
.5〜3.0、bは8〜12、cは0.01〜3.0の
値をとり、dは他の元素の原子価を満足する酸素の原子
数である。
【0011】さらに、Xは、Mg、Sc、Y、V、Si
、Ta、Mo、W、Re、Sr、Ru、Os、Ca、R
h、Ir、Pb、Pt、Ag、Hg、Ga、Ge、As
、Te、Ni、Mn、Zn、Ti、In、Nd、Zr、
Cr、La、Cu、Cd、Al、Tl、Sn、P、Sb
、Bi、Se、Ce、Pr、Tb、Gd、Yb、Th、
U等から選ばれる一種以上の元素であって、eは0〜3
.0の値をとる。本発明の方法によって保磁力を制御で
きるのは、コバルト含有六方晶系バリウムフェライト磁
性粉に限られる。したがって、コバルトを含まない六方
晶系バリウムフェライト磁性粉は対象外である。
【0012】本発明の方法によれば、原料磁性粉の保磁
力は最大1000(Oe)程度上昇する。したがって、
保磁力が200(Oe)以上、2000(Oe)以下の
範囲内の磁性粉を得るためには、原料磁性粉の保磁力が
、目的とする磁性粉の保磁力より1000(Oe)程度
、好ましくは50〜1000(Oe)程度、さらに好ま
しくは50〜800(Oe)程度低ければ良い。
【0013】原料磁性粉の平均粒径は、0.01〜0.
1μmであることが、高密度磁気記録用媒体材料に用い
る上で好ましい。
【0014】また原料磁性粉は、公知の磁性粉調製方法
、例えば、共沈法、水熱合成法、ガラス結晶化法等を用
いて調製される。
【0015】本発明で用いる含硫黄無機化合物は、硫黄
のほか、硫黄酸化物、各種硫化物、硫酸、二硫酸、硫酸
化合物、亜硫酸、亜硫酸化合物、硫化水素、硫化水素化
合物、チオ硫酸、チオ硫酸化合物、フルオロ硫酸、フル
オロ硫酸化合物、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸
化合物、硫黄のハロゲン化物等である。
【0016】具体的な化合物を例示すると、硫黄酸化物
としては、二酸化硫黄、三酸化硫黄、三酸化二硫黄、七
酸化二硫黄などが挙げられる。
【0017】各種硫化物としては、硫化銀、硫化アルミ
ニウム、三硫化ホウ素、三硫化バリウム、硫化ビスマス
(III)、硫化セリウム(III)、二硫化コバルト
、硫化クロム(II)、硫化クロム(III)、硫化セ
シウム四水和物、二硫化二セシウム、三硫化二セシウム
、硫化銅(I)、二硫化鉄、硫化インジウム(III)
、硫化カリウム、二硫化カリウム、三硫化二カリウム、
四硫化二カリウム、五硫化二カリウム、三硫化ランタン
、硫化リチウム、硫化マグネシウム、硫化マンガン(I
I)、硫化モリブデン(VI)、四硫化二窒素、五硫化
二窒素、四硫化四窒素、硫化アンモニウム、五硫化アン
モニウム、硫化ナトリウム、四硫化二ナトリウム、硫化
ネオジム(III)、硫化ニッケル(II)、四硫化三
ニッケル、硫化鉛(II)、硫化ケイ素(IV)、硫化
チタン(IV)、硫化バナジウム(V)、硫化亜鉛等が
挙げられる。
【0018】硫酸化合物としては、硫酸銀、ジアミン銀
(I)硫酸塩、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアル
ミニウム十二水和物、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸
ルビジウムアルミニウム十二水和物、硫酸セシウムアル
ミニウム十二水和物、硫酸タリウム(I)アルミニウム
十二水和物、硫酸アンモニウムアルミニウム十二水和物
、硫酸バリウム、硫酸ビスマス(III)、硫酸カルシ
ウム、硫酸セリウム(III)、硫酸セリウム(IV)
、硫酸アンモニウムセリウム(III)四水和物、硫酸
コバルト(II)、硫酸コバルト(III)、硫酸アン
モニウムコバルト(II)六水和物、硫酸クロム(II
)七水和物、硫酸クロム(III)十八水和物、硫酸カ
リウムクロム(III)十二水和物、硫酸クロム(II
I)セシウム十二水和物、硫酸アンモニウムクロム(I
II)十二水和物、硫酸セシウム、硫酸水素セシウム、
硫酸チタン(III)セシウム十二水和物、硫酸銅(I
I)、硫酸鉄(II)七水和物、硫酸鉄(III)九水
和物、硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物、硫酸カリ
ウム鉄(III)十二水和物、硫酸インジウム(III
)、硫酸カリウム、二硫酸カリウム、硫酸水素カリウム
、塩化硫酸マグネシウムカリウム三水和物、硫酸マグネ
シウムカリウム、硫酸ニッケルカリウム六水和物、硫酸
亜鉛カリウム六水和物、硫酸バナジウム(III)カリ
ウム十二水和物、硫酸マンガン(III)カリウム十二
水和物、硫酸ランタン(III)、硫酸リチウム一水和
物、硫酸水素リチウム、硫酸ルテチウム(III)八水
和物、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムマグネシウム
四水和物、硫酸アンモニウムマグネシウム六水和物、硫
酸マンガン(II)、硫酸マンガン(III)、硫酸ア
ルミニウムマンガン(II)六水和物、硫酸水素ニトロ
シル、硫酸ヒドラジニウム(+1)、硫酸ヒドラジニウ
ム(+2)、ヒドロキシルアミド−o−硫酸、硫酸ヒド
ロキシルアンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素ア
ンモニウム、アミド硫酸アンモニウム、硫酸ニッケル(
II)アンモニウム六水和物、硫酸亜鉛アンモニウム六
水和物、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、二硫酸
ナトリウム、硫酸ネオジム(III)八水和物、硫酸ニ
ッケル(II)、硫酸鉛(II)、硫酸鉛(IV)、硫
酸ジアミド、硫酸スズ(II)、硫酸スズ(IV)二水
和物、硫酸チタン(III)、硫酸チタン(IV)、硫
酸バナジウム(II)七水和物、硫酸バナジウム(II
I)、酸化硫酸バナジウム(IV)、硫酸亜鉛七水和物
、硫酸ジルコニウム(IV)四水和物等が挙げられる。
【0019】亜硫酸化合物としては、亜硫酸銀、亜硫酸
アルミニウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸カリウム二水和
物、亜硫酸水素カリウム、二亜硫酸カリウム、亜硫酸ア
ンモニウム一水和物、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸鉛(II)等が挙げられる。
【0020】硫化水素化合物としては、硫化水素カルシ
ウム六水和物、硫化水素カリウム、硫化水素リチウム、
硫化水素アンモニウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素
ストロンチウム、硫化水素等が挙げられる。
【0021】チオ硫酸化合物としては、チオ硫酸銀、チ
オ硫酸バリウム、チオ硫酸カルシウム六水和物、チオ硫
酸カリウム−水(1/3)、チオ硫酸アンモニウム、チ
オ硫酸ナトリウム五水和物等が挙げられる。
【0022】フルオロ硫酸化合物としては、フロオロ硫
酸カリウム、フルオロ硫酸ニトロシル、フルオロ硫酸ニ
トロイル、フルオロ硫酸ナトリウム、フルオロ硫酸等が
挙げられる。
【0023】ペルオキソ二硫酸化合物としては、ペルオ
キソ二硫酸バリウム四水和物、ペルオキソ二硫酸カリウ
ム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸
ナトリウム等が挙げられる。
【0024】硫黄のハロゲン化合物としては、四フッ化
硫黄、六フッ硫黄、二塩化二硫黄、二塩化硫黄、四塩化
硫黄、二臭化硫黄等が挙げられる。さらにその他の化合
物としては、ジチオン酸カリウム、トリチオン酸カリウ
ム、テトラチオン酸カリウム、ペンタチオン酸カリウム
、亜ジチオン酸ナトリウム二水和物、フッ化チオニル、
塩化チオニル、臭化チオニル、フッ化スルフリル、塩化
スルフリル、フッ化塩化スルフリル、塩化ピロスルフニ
ル、ペルオキソ一硫酸、クロロ硫酸等も用いることが出
来る。これらの含硫黄無機化合物は、単独で使用しても
よく、また、2種以上を混合して用いてもよい。
【0025】本発明の方法は、含硫黄無機化合物を原料
磁性粉に被着させる工程(被着工程)と、次いで該原料
磁性粉を200℃以上、800℃以下の温度で熱処理す
る工程(熱処理工程)とからなる。
【0026】被着工程では、含硫黄無機化合物が原料磁
性粉全体に均一に被着するようにすることが、均一な品
質の磁性粉を得るために好ましい。
【0027】含硫黄無機化合物を原料磁性粉に被着させ
る方法は特に限定されない。例えば常温で液体の含硫黄
無機化合物の場合、直接含硫黄無機化合物に原料磁性粉
を加えて撹拌する方法、あるいは化合物を溶媒で希釈し
たのちに原料磁性粉に加えて攪拌する方法;常温で気体
の含硫黄無機化合物を冷却液化してから原料磁性粉に加
えて撹拌する方法;常温で固体の含硫黄無機化合物の場
合、加熱して融解させて液状にしてから原料磁性粉に加
えて攪拌する方法、あるいは溶媒に溶解させてから原料
磁性粉に加えて攪拌する方法などが挙げられる。溶液と
して用いる場合には、通常、5重量%以上の濃度とする
ことが処理作業効率上好ましい。さらに必要に応じて、
常温で液体の含硫黄無機化合物や、固体の願硫黄無機化
合物を加熱して気体状にし、固定床、流動床、移動床な
どにより原料磁性粉に被着させることもできる。
【0028】被着工程における含硫黄無機化合物の使用
量は、原料磁性粉に対して0.01重量%以上、10%
重量以下、好ましくは0.1重量%以上、8重量%以下
である。被着工程における含硫黄無機化合物の使用量が
、原料磁性粉に対し0.01重量%未満の場合は充分な
保磁力の上昇効果が得られない。また10重量%を超え
ると、得られる磁性粉の高密度記録媒体材料としての性
能が低下するので好ましくない。
【0029】熱処理工程においては、含硫黄無機化合物
を被着させた原料磁性粉を熱処理する。熱処理の温度は
、200℃以上、800℃以下、好ましくは300℃以
上、700℃以下、さらに好ましくは500℃以上、6
50℃以下が適当である。熱処理温度が200℃未満で
は磁性粉の保磁力が変動するため好ましくない。また、
熱処理温度が800℃を越えると、磁性粉が焼成されて
保磁力が上昇し変動する。熱処理時間は0.5時間以上
10時間以内である。圧力は通常常圧で実施され、空気
中でまたは窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で実施さ
れる。必要に応じて10気圧(絶対圧)以下の加圧下で
実施してもかまわない。
【0030】本発明の磁気記録媒体は、本発明の方法に
よって得られた磁性粉を用いて製造することができる。 磁気記録媒体の製造は常法にしたがって行われる。例え
ば、磁性粉を分散剤、溶剤、バインダーおよびその他の
添加剤とともによく分散、混練して磁性塗料を調製する
。この磁性塗料にイソシアネートなどの硬化剤を適宜添
加し、たとえばポリエチレンテレフテレートフイルムの
ような支持体にリバースコータ、グラビヤコータ、スピ
ンコータなどの塗布機を用いて塗布し、必要に応じて水
平方向や垂直方向の磁場等による配向処理を行った後乾
燥し、これを表面形成処理、硬化養生して必要に応じて
、研磨し、裁断すればよい。もちろん必要に応じて、バ
ックコートおよびトップコートを設けることもできる。
【0031】本発明の方法により得られる磁性粉および
該磁性粉を用いた磁気記録媒体の各種物性の測定方法は
次の通りである。
【0032】(磁性粉の保磁力(Hc)及び飽和磁化)
振動試料型磁力計(VSM)を用い、最大印加磁場10
(kOe)、測定温度28℃で測定した。 (平均粒径)透過型電子顕微鏡で得られたコバルト含有
六方晶系バリウムフェライト磁性粉の写真から400個
の粒子の最大直径を測定し、算術平均によって算出した
。 (磁気記録媒体の保磁力)振動試料型磁力計(VSM)
を用い、最大印加磁場5(kOe)を5mm角の磁気記
録媒体の基体面に垂直に印加し、測定温度28℃で測定
した垂直方向保磁力の測定値をもって磁気記録媒体の保
磁力とした。
【0033】
【実施例】以下本発明について実施例および比較例を挙
げて具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0034】(実施例1)組成式BaFe10.3 C
o0.85Ti0.85O19 、保磁力550(Oe
)、飽和磁化56.5(emu/g)、平均粒径0.0
5μmのコバルト置換六方晶系バリウムフェライト磁性
粉100部と、表2〜表14に示した各使用量の含硫黄
無機化合物であって、加圧、加温または適当な溶媒に溶
解して溶液としたものとを混合し、攪拌して均一に含硫
黄無機化合物を原料磁性粉に被着させた。次いで、常圧
下空気中で表2〜表14に示した各温度条件で5時間熱
処理した。 得られた磁性粉の磁気特性の測定値を表2〜表14に示
す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】
【表13】
【0047】
【表14】
【0048】表2〜表14から、原料磁性粉に含硫黄無
機化合物を被着し熱処理することにより、該磁性粉の保
磁力が最大1000(Oe)程度の範囲で上昇する。含
硫黄無機化合物の種類や使用量を選択することにより、
磁性粉の保磁力を任意に設定できることがわかる。
【0049】(実施例2)実施例1で用いたのと同じ原
料磁性粉に、表15に示す含硫黄無機化合物を用いて、
実施例1と同様の処理を行なって磁性粉を調製し、得ら
れた磁性粉の磁気特性の測定結果を表15に示した。
【0050】また得られた磁性粉を各々60重量部に、
導電性カーボンブラック3重量部、シクロヘキサノン1
0重量部、メチルエチルケトン50重量部、トルエン3
0重量部を加えて混合し、さらに磁気テープバインダー
(日本ゼオン(株)製、製品名  MR−110)を6
重量部添加して調製した磁気塗料を、ロールコーターに
てポリエチレンテレフタレートフィルム面に無配向塗布
し、カレンダーロールにて平滑化を行い磁気記録媒体と
した。これらの磁気記録媒体について、その垂直方向の
保磁力を測定し、結果を表15に示した。
【0051】
【表15】
【0052】表15から、含硫黄無機化合物を被着し熱
処理した磁性粉の保磁力と、それを用いた磁気記録媒体
との保磁力の比が小さいことがわかる。
【0053】(実施例3、比較例1)表17に示す組成
式の各種原料磁性粉1〜8について、硫酸アンモニウム
を所定量使用して、実施例1と同様な処理で磁性粉を調
製し、該磁性粉を用いて実施例2と同様な方法で磁気記
録媒体を作製した。また、原料磁性粉をそのまま用いた
磁気記録媒体を比較例として作製した。表16には硫酸
アンモニウムを被着し熱処理した磁性粉を用いた磁気記
録媒体の保磁力の測定結果を示す。また表17には、原
料磁性粉をそのまま用いた磁気記録媒体の保磁力の測定
結果を示した。
【0054】
【表16】
【0055】
【表17】
【0056】表16からは、硫酸アンモニウムを被着さ
せ熱処理した磁性粉を用いた磁気記録媒体の保磁力と、
該磁性粉の保磁力との差はきわめて小さいことがわかる
【0057】これに対して表17からは、原料磁性粉を
そのまま用いた磁気記録媒体の保磁力は、原料磁性粉の
保磁力に対して約1.2〜約2.0倍程度に増大するこ
とがわかる。
【0058】(実施例4、比較例2)表18に示す組成
式の各種コバルト含有六方晶系バリウムフェライト磁性
粉と各種含硫黄無機化合物とを用いて、実施例1と同様
の処理を行なって得られた磁性粉の保磁力を測定した。 さらに表19に示すコバルトを含有しない各種置換六方
晶系バリウムフェライト磁性粉と各種含硫黄無機化合物
とを用いて、同様の処理を行なってその保磁力を測定し
た。それぞれの結果を表18と表19に示す。
【0059】
【表18】
【0060】
【表19】
【0061】表18からは、置換元素としてコバルトを
含有している六方晶系バリウムフェライト磁性粉の保磁
力が、最大1000(Oe)程度の範囲で上昇すること
がわかる。また、表19からは、コバルトを含有しない
各種置換六方晶系バリウムフェライト磁性粉の保磁力は
上昇しないことがわかる。
【0062】(実施例5〜16、比較例3〜11)実施
例1で用いたのと同じ原料磁性粉(保持力550(Oe
))に各種含硫黄無機化合物を被着させ、熱処理温度を
100℃〜900℃の範囲で変化させ、他の条件は実施
例1と同様の処理を行った。得られた磁性粉の保磁力測
定結果を表20に示す。
【0063】
【表20】 表20から、熱処理温度が200℃以上、800℃以下
の範囲内では、得られた磁性粉の、原料磁性粉に対する
保磁力の上昇幅がほぼ一定になることがわかる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、コバルト含有六方晶系
バリウムフェライト磁性粉の保磁力を10〜1000(
Oe)の範囲で上昇させることができ、制御された保磁
力を有するコバルト含有六方晶系バリウムフェライト磁
性粉を得ることができる。また該磁性粉を用いて所望の
保磁力を精度よく付与された磁気記録媒体を得ることが
出来る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  コバルト置換六方晶系バリウムフェラ
    イト磁性粉に含硫黄無機化合物を被着させたのち、20
    0℃以上、800℃以下の温度で熱処理することを特徴
    とする制御された保磁力を有するコバルト置換六方晶系
    バリウムフェライト磁性粉の製造方法。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の製造方法で得られた、
    制御された保磁力を有するコバルト置換六方晶系バリウ
    ムフェライト磁性粉。
  3. 【請求項3】  請求項2記載のコバルト置換六方晶系
    バリウムフェライト磁性粉を用いた磁気記録媒体。
JP3069240A 1991-03-08 1991-03-08 コバルト置換六方晶系バリウムフェライト磁性粉の製造方法、磁性粉および磁気記録媒体 Pending JPH04280819A (ja)

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JP3069240A Pending JPH04280819A (ja) 1991-03-08 1991-03-08 コバルト置換六方晶系バリウムフェライト磁性粉の製造方法、磁性粉および磁気記録媒体

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JP (1) JPH04280819A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113707186A (zh) * 2020-05-21 2021-11-26 昭和电工株式会社 磁记录介质及磁存储装置

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