JPH04276046A - 成形用アルミニウム合金硬質板の製造方法 - Google Patents

成形用アルミニウム合金硬質板の製造方法

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JPH04276046A
JPH04276046A JP5945291A JP5945291A JPH04276046A JP H04276046 A JPH04276046 A JP H04276046A JP 5945291 A JP5945291 A JP 5945291A JP 5945291 A JP5945291 A JP 5945291A JP H04276046 A JPH04276046 A JP H04276046A
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annealing
temperature
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JP5945291A
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Shinji Teruda
照田 伸二
Masafumi Mizouchi
政文 溝内
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Sky Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主としてアルミニウ
ム合金製の2ピース缶の材料、特に蓋材として用いられ
る成形用のアルミニウム合金硬質板の製造方法に関する
ものであり、特に塗装焼付後の強度が高くかつ成形性に
優れ、しかも缶蓋材として用いた場合にリサイクル性に
優れたアルミニウム合金板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知のようにアルミニウム2ピース缶の
缶体は、DI加工による缶胴(DI缶胴)と缶蓋(エン
ド)とによって組立てられている。
【0003】これらのうち、缶体の胴材としては、深絞
り性、しごき性、さらにはDI加工−焼付塗装後のネッ
キング加工性、フランジング加工性等に優れていること
が要求され、一般にはAl−Mn系の3004合金H1
9材やH39材が使用されている。近年の薄肉化の要求
に伴ない、胴材としてもより高強度化が要求されるよう
になっているが、従来の3004合金缶胴材でも焼付塗
装後の耐力で270N/mm2 以上の強度が得られる
ようになっている。
【0004】一方缶体の蓋材としては、ビールその他の
炭酸飲料用の缶体の蓋材、すなわち内圧が高くなる用途
の缶体の蓋材では、近年の薄肉化の傾向に伴ない、焼付
塗装後の耐力で300N/mm2 以上の高強度が要求
され、そこで一般にはAl−Mg系の5182合金が多
用されており、このほか特に高強度が要求されない蓋材
では5082合金や5052合金も使用され、さらにA
l−Mn系の3004合金も使用されることがある。
【0005】なおタブ材は、一般に焼付塗装を施さない
ため、特に高強度は要求されず、耐力250N/mm2
 以上で曲げ性に優れていれば良く、5182合金、5
082合金、5052合金、3004合金のいずれも上
述の強度は得られ、かつ低加工度であるため、曲げ性に
対しても特に問題はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
アルミニウム2ピース缶体の胴材としてはAl−Mn系
の3004合金が一般的であり、蓋材としては内圧が加
わる用途ではAl−Mg系の5182合金が主流である
。ところがこのように胴材に3004合金、蓋材に51
82合金を用いた場合、使用後の缶体を回収して再溶解
して、再び2ピース缶体用の材料として用いる場合(す
なわちリサイクル時)に、再生前と同じ缶胴用3004
合金および缶蓋用5182合金を溶製するためには、新
たな純アルミ地金とMg添加用の母合金、その他若干の
成分調整材料を添加して成分調整を行なわなければなら
ない不便がある。
【0007】一方、最近では缶体のリサイクルを容易に
するため、缶胴と缶蓋とを同一成分組成の合金で構成す
る所謂ユニアロイ化の試みもなされているが、この場合
最も問題となるのは、内圧が加わる用途の缶体における
蓋材である。すなわち、缶胴のDI加工に要求されるよ
うな良好な成形性を呈し得る成分組成の合金を用いて、
内圧が加わるような用途の缶体の蓋材に要求される高強
度を達成しようとした場合、蓋材としての成形性が著し
く低下してしまう。具体的には、3004合金を缶胴、
缶蓋の両者に共用しようとする提案が既になされている
が、この場合、内圧が加わる用途の缶蓋に要求される焼
付塗装後の300N/mm2 以上の強度を得るために
はH19相当以上の冷間加工が必要となり、蓋材として
の成形性が従来の5182合金と比較して著しく劣って
しまう問題があった。したがって従来は実際にはユニア
ロイ化を達成することは困難であった。
【0008】また従来から、3004合金の強度を向上
させるため、MgやCu等の強化用合金元素を増量して
高強度を達成することが提案されているが、これらの合
金元素を単純に増量しただけの場合、特に缶体の胴材と
してはDI加工性を悪化させ、さらにはDI加工後のフ
ランジ部の加工性(ネッキング成形性、フランジ成形性
)を悪化させる等の問題が生じ、そのため単純にMgや
Cuを増量することは不適当と考えられる。
【0009】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、アルミニウム2ピース缶の蓋材に必要な焼付
塗装後の強度と成形性とを兼ね備え、しかも2ピース缶
の蓋材として使用した場合に缶のリサイクルが容易な成
形用のアルミニウム合金硬質板を製造する方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、本発明者等が種々実験・検討を重ねた結果、
従来から胴材に使用されている3004合金に比較的近
い成分系でその成分組成を適切に設定すると同時に、圧
延中途での中間焼鈍の条件を適切に設定してその中間焼
鈍に溶体化効果を持たせ、さらに、高温短時間での焼付
塗装処理時における強度低下を少なくするために最適な
条件での最終焼鈍を施して時効性を高め、さらに中間焼
鈍後の冷間圧延条件を適切に調整し、これにより焼付塗
装後の高強度と優れた成形性とを同時に達成できるとと
もに蓋材として用いた場合のリサイクルを容易にし得る
ことを見出し、この発明をなすに至ったのである。
【0011】具体的には、この発明の成形用アルミニウ
ム合金硬質板の製造方法は、Mg1.2〜 3.0wt
%、Cu0.05〜 0.5wt%、Mn 0.7〜 
1.8wt%、Fe 0.1〜 0.7wt%、Si 
0.1〜 0.5wt%を含有し、残部がAlおよび不
可避的不純物よりなる合金を鋳造後、所定の中間板厚ま
で圧延し、その後、1℃/sec 以上の昇温速度で4
00〜620℃の範囲内の温度に加熱して保持なしもし
くは10分以下の保持後、1℃/sec 以上の冷却速
度で冷却する中間焼鈍を行ない、次いで合計50%以上
の圧延率の冷間圧延を2パス以上の圧延パスでかつ最終
の仕上パスの圧下率が40%以下となるように行なって
最終板厚とし、さらに10〜100℃/hrの昇温速度
で120〜220℃の範囲内の温度に加熱して10分以
上保持した後10〜100℃/hrの冷却速度で冷却す
る最終焼鈍を施すことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】先ずこの発明における成分組成限定理由を説明
する。
【0013】Mg:MgはCuやSiとの共存によりM
g2 SiやAl2 CuMgを析出させて時効硬化を
もたらし、これによって強度向上に寄与するとともに、
Mgそれ自体でも固溶強化に寄与する。またMgは冷間
圧延加工時に剪断帯を発達させて再結晶粒を微細化する
にも寄与する。Mg量が 1.2wt%未満では蓋材と
して充分な強度が得られず、一方Mg量が3.0wt%
を越えれば蓋材としての強度は得られるが、成形性を悪
化させるから、Mg量は 1.2〜 3.0wt%の範
囲内とした。なおこの範囲内でも特に 1.5〜 3.
0wt%の範囲内が好ましい。
【0014】Cu:CuもMgと同様に強度向上に寄与
し、特にMgとの共存下でGPゾーンやS′相等の時効
析出による強度向上が期待できる。特にこの発明で主用
途としている2ピース缶蓋材の如く焼付塗装処理を施す
用途、とりわけ連続焼付塗装ラインの如く220〜40
0℃の高温で焼付けする場合には、中間焼鈍に連続焼鈍
を適用して溶体化効果を得て、焼付塗装処理時の時効析
出を図り、焼付塗装後の強度低下を少なくするに有効で
ある。Cu量が0.05wt%未満ではその効果が少な
く、蓋材として必要な強度を得ることが困難となり、一
方Cu量が 0.5wt%を越えれば、溶体化後に常温
でも時効してしまうため安定した強度が得られず、また
時効硬化性が大き過ぎるため材料が硬化して成形性が低
下する。したがってCu量は0.05〜 0.5wt%
の範囲内とした。
【0015】Mn:Mnは強度向上に寄与するばかりで
なく、Al−Mn−Fe系あるいはAl−Mn−Fe−
Si系等の微細な金属間化合物を形成して適切な金属間
化合物の分散状態を得、これにより成形性を向上させる
役割を果たす。Mn量が 0.7wt%未満ではその効
果が少なく、一方Mn量が 1.8wt%を越えれば巨
大晶出物を生成して成形性を低下させるおそれがある。 したがってMn量は 0.7〜 1.8wt%の範囲内
とした。
【0016】Fe:Mnと同様に金属間化合物の適切な
分散状態を得て成形性を向上させる効果がある。Fe量
が 0.1wt%未満ではその効果が得られず、 0.
7wt%を越えれば成形性を劣化させるから、Fe量は
 0.1〜 0.7wt%の範囲内とした。
【0017】Si:SiはMg2 Si等の微細析出物
を生成して強度向上に寄与するが、この発明の場合はF
eおよびMnの析出を促進させて金属間化合物の適切な
分散状態を得るに寄与する。Si量が 0.1wt%未
満ではその効果が得られず、一方 0.5wt%を越え
ればその効果が飽和する。したがってSi量は 0.1
〜 0.5wt%の範囲内とした。
【0018】なお通常のアルミニウム合金においては、
鋳塊結晶粒微細化のため、Ti単独あるいはTiをBと
組合せて微量添加することがあり、この発明でも微量の
Ti、あるいはTiおよびBを添加することは許容され
る。但しTiを添加する場合その添加量が0.01wt
%未満では鋳塊結晶粒微細化の効果が得られず、一方 
0.3wt%を越えれば成形性を害するから、Tiは0
.01〜 0.3wt%の範囲内とすることが好ましい
。またTiとともにBを添加する場合、Bが1ppm 
未満ではその効果がなく、一方500ppm を越えれ
ば成形性を害するからBは1〜500ppm の範囲内
とすることが好ましい。
【0019】またこのほか、Cr,Zr,Vはいずれも
それぞれ 0.3wt%程度以下であれば、この発明の
効果を失わずに強度向上に寄与し、またZnも 1.0
wt%程度以下であれば、この発明の効果を失わずに強
度向上に寄与するから、これらの元素をそれぞれ前述の
量以下含有することは許容される。
【0020】次にこの発明における製造プロセスを説明
する。
【0021】先ず前述のような成分組成の合金を鋳造し
、所定の中間板厚まで圧延し、その後中間焼鈍を施すが
、この中間焼鈍の前までのプロセスは常法に従って行な
えば良い。そこで先ず中間焼鈍の前までのプロセスの望
ましい条件を説明する。
【0022】前述のような成分組成の合金の溶湯を常法
に従って溶製し、通常はDC鋳造法(半連続鋳造法)に
よって鋳造する。得られた鋳塊に対しては常法に従って
500〜620℃で1〜24時間程度の均質化熱処理を
行ない、そのまま熱間圧延を開始するかまたは改めて熱
間圧延前予備加熱を施してから熱間圧延を開始する。熱
間圧延も常法に従って行なえば良いが、ロールコーティ
ング等を考慮すれば熱間圧延開始温度は400〜550
℃が好ましい。また一般に材料強度を高めるためには合
金元素が固溶状態にある方が良く、そこで熱間圧延後の
状態で固溶状態を維持するためには、熱間圧延の上がり
温度を250〜350℃とすることが好ましい。熱間圧
延上がり温度が250℃より低い場合、熱延時に生じる
歪が多く、そのため熱間圧延直後の通常の自然放冷では
、その歪の存在によりCu,Mg,Si等の金属元素が
析出し、一方熱間圧延上がり温度が350℃を越える場
合は、Mn等の遷移金属が析出しやすくなるからである
【0023】このようにして熱間圧延を終了した後には
、そのまま中間焼鈍を施すか、また冷間圧延を行なって
所要の板厚とした後、中間焼鈍を施す。この中間焼鈍は
、再結晶させるばかりでなく、溶体化効果を持たせるた
めに急速加熱、急速冷却の条件で行なう必要があり、そ
のためには連続焼鈍を適用することが望ましい。具体的
には、1℃/sec 以上の加熱速度で昇温して、40
0〜620℃の範囲内の温度に到達させ、その範囲内の
温度に到達後直ちに、もしくは10分以内の保持の後、
1℃/sec 以上の冷却速度で冷却する。ここで、中
間焼鈍の昇温速度が1℃/sec 未満、または冷却速
度が1℃/sec 未満では固溶元素が析出してしまう
おそれがある。 また加熱到達温度が400℃未満では再結晶せず、62
0℃を越えれば実生産で連続焼鈍を適用した場合に通板
上問題が生じる。なお加熱到達温度は再結晶の点では4
00℃以上で充分であるが、充分な溶体化効果を得て充
分な強度を達成するためには500℃以上が適当である
。また上記の範囲内の温度に到達すれば目的は達せられ
るから、特にその範囲内の温度での保持は行なわなくて
も良いが、10分以内の保持であれば表面酸化等の弊害
は少ない。
【0024】このようにして中間焼鈍を行なった後には
冷間圧延を行なって最終板厚に仕上げる。この中間焼鈍
の最終冷間圧延は、合計圧延率50%以上とし、かつ2
パス以上の圧延パスで圧延し、しかも最終の仕上げパス
(1パス)を40%以下の圧下率とする。ここで合計圧
延率が50%未満では目的とする高強度を得ることが困
難となる。但し、後述するようにこの発明では中間焼鈍
を適切に行ないかつ最終焼鈍を適切に行なうことによっ
て、中間焼鈍後の冷間圧延率が比較的低くても充分な高
強度を得ることができるのであり、そのためには中間焼
鈍後の冷間圧延率が50%以上であれば充分である。ま
たこの中間焼鈍後の冷間圧延の各圧延パスのうち最終の
1パス(仕上げパス)の圧下率が40%を越えれば、冷
延による動的回復が進んで充分な高強度が得られなくな
るから、仕上げパスは40%以下の圧下率とする必要が
ある。またこのように最終の1パスの圧下率を40%以
下とししかも全体の圧延率を50%以上とする関係から
、圧延パス数は2パス以上とする必要がある。
【0025】上述のようにして最終板厚に仕上げた後に
は、10〜100℃/hrの加熱速度で昇温して120
〜220℃の範囲内の温度に10分以上(通常は10時
間以内)保持し、10〜100℃/hrの冷却速度で冷
却する最終焼鈍を行なう。このような条件で最終焼鈍を
施すことによって時効析出を充分に行なうことができ、
そのためこの発明のアルミニウム合金板の主用途である
蓋材の如く高温短時間(220〜400℃×5〜300
sec )の焼付塗装に供される場合にはその焼付塗装
時における強度の低下を確実に防止できる。ここで昇温
速度または冷却速度が10℃/hr未満の場合、また加
熱保持温度が220℃を越える高温の場合、さらに加熱
保持時間が10時間を越える長時間の場合には、いずれ
も回復が進んで強度が低下してしまう。一方、昇温速度
または冷却速度が100℃/hrを越える場合、また加
熱保持温度が120℃より低温の場合、さらには加熱保
持時間が10分より短時間の場合には、いずれも充分な
時効析出が進行せず、焼付塗装時における強度低下が著
しくなる。 したがって最終焼鈍の条件は前述のような範囲内とした
。なおこのような条件の最終焼鈍には、箱型焼鈍炉を用
いたバッチ式の焼鈍を適用すれば良い。
【0026】以上のように、各プロセス条件、特に中間
焼鈍条件、冷間圧延条件、最終焼鈍条件を適切に調整す
ることによって、従来2ピース缶胴材に用いられていた
3004合金よりも格段に高い強度を有しかつ従来2ピ
ース缶蓋材として用いられていた5182合金と同程度
の高強度を有する硬質板、すなわち蓋材として充分な強
度を有する硬質板を得ることができる。そして特に中間
焼鈍後の冷間圧延率が比較的低くても高強度が得られる
ところから、蓋材に要求される充分な成形性をも確保す
ることが可能となったのである。したがってこの発明に
より得られる硬質板は2ピース缶の蓋材に最適であるが
、この発明による硬質板の成分組成は従来から胴材とし
て使用されている3004合金の成分組成に近いため、
2ピース缶蓋材に使用すれば、缶胴材に近い成分組成と
なり、その結果アルミニウム缶のリサイクルを容易化す
ることができる。また缶胴材に同じ成分組成の合金板を
用いて2ピース缶のユニアロイ化を図り、より一層のリ
サイクル容易化を図ることも可能である。
【0027】
【実施例】表1に示すようなこの発明の成分組成範囲内
の符号Aの合金と、従来の蓋材として用いられている5
182合金に相当する符号Bの合金とについて、常法に
従ってDC鋳造、鋳塊加熱、熱間圧延、冷間圧延を行な
って、表2中に示すように1.1〜 3mmの中間板厚
に仕上げた。その後表2の製造番号1〜5に示すような
種々の条件で中間焼鈍、冷間圧延を行って最終板厚 0
.3mmに仕上げ、さらに一部のものについて最終焼鈍
を施した。なおここで中間焼鈍は連続焼鈍炉もしくは箱
型焼鈍炉を用いて行なったが、連続焼鈍炉の場合には昇
温速度、冷却速度ともにこの発明で規定する下限(1℃
/sec )を大幅に上回っており、一方箱型焼鈍炉の
場合はその下限を大幅に下回っている。また最終焼鈍は
バッチ式の箱型焼鈍炉で行なったものであって、昇温速
度、冷却速度はこの発明で規定する範囲を満たしている
【0028】以上のようにして得られた各板について、
連続焼付塗装に相当する熱処理として、オイルバスによ
る270℃×20sec の熱処理を施した。この連続
焼付塗装相当熱処理後の板について、圧延方向に対して
45°方向の耐力(すなわち一般に面内各方向のうち耐
力値が最低となる方向の耐力)を調べるとともに、成形
性評価として、エリクセン値および曲げ性を調べたので
、その結果を表3に示す。
【0029】なおここで曲げ性は0.15mmRの18
0°曲げ試験を行ない、従来の蓋材である5182合金
(製造番号5)についての評価を良(○印)とし、それ
より若干劣る場合に△印、大幅に劣る場合に×印を付し
た。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】表3に示すように、この発明の方法による
場合(製造番号1)には、焼付塗装後の耐力として蓋材
として充分な300N/mm2 以上の高強度が得られ
ると同時に、成形性も従来の5182合金と同程度以上
に優れていた。一方製造番号2の比較例は、最終焼鈍を
行なわなかったものであるが、この場合には中間焼鈍後
の冷間圧延率を若干高くしなければ300N/mm2 
の耐力が得られず、またその結果、成形性が若干劣って
いた。また製造番号3の比較例は、中間焼鈍後の冷間圧
延の最終の仕上げパスの圧下率をこの発明の上限を越え
る50%としたものであり、この場合は冷間圧延での動
的回復が進むために強度が低下する傾向があり、そのた
め耐力300N/mm2以上の高強度を得るためには中
間焼鈍後の冷間圧延での合計圧延率を若干大きくせざる
を得ず、その結果成形性が若干低下した。さらに製造番
号4の比較例は、中間焼鈍を徐熱、徐冷却の箱型焼鈍炉
で行ない、かつ最終焼鈍を施さなかったものであり、こ
の場合は耐力300N/mm2 以上の高強度を得るた
めには中間焼鈍後の冷間圧延率を90%と著しく高くせ
ざるを得ず、そのため成形性が大幅に劣ってしまった。
【0034】
【発明の効果】前述の実施例からも明らかなように、こ
の発明の方法によれば、従来から2ピース缶の胴材に使
用されている3004合金に近い成分系で、焼付塗装処
理後の強度として従来の蓋材に用いられている5182
合金と同程度以上の高い強度を有すると同時に成形性に
も優れたアルミニウム硬質板を得ることが可能となった
。そしてこの発明の方法により得られた硬質板の成分組
成は、一般に2ピース缶の胴材に使用されている300
4合金の成分組成に近いため、これを2ピース缶の蓋材
に使用すれば、アルミニウム缶のリサイクルが従来より
も著しく容易となる効果も得られる。
【0035】なおこの発明の方法により得られたアルミ
ニウム合金硬質板は、2ピース缶の蓋材に最適であるが
、もちろん2ピース缶の胴材に用いて2ピース缶のユニ
アロイ化を達成することも可能であり、さらには他の焼
付塗装処理を施して用いられる成形加工用の用途にも適
用し得ることはもちろんである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  Mg 1.2〜 3.0wt%、Cu
    0.05〜0.5wt%、Mn 0.7〜 1.8wt
    %、Fe 0.1〜 0.7wt%、Si 0.1〜 
    0.5wt%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純
    物よりなる合金を鋳造後、所定の中間板厚まで圧延し、
    その後、1℃/sec 以上の昇温速度で400〜62
    0℃の範囲内の温度に加熱して保持なしもしくは10分
    以下の保持後、1℃/sec 以上の冷却速度で冷却す
    る中間焼鈍を行ない、次いで合計50%以上の圧延率の
    冷間圧延を2パス以上の圧延パスでかつ最終の仕上パス
    の圧下率が40%以下となるように行なって最終板厚と
    し、さらに10〜100℃/hrの昇温速度で120〜
    220℃の範囲内の温度に加熱して10分以上保持した
    後10〜100℃/hrの冷却速度で冷却する最終焼鈍
    を施すことを特徴とする、成形用アルミニウム合金硬質
    板の製造方法。
JP5945291A 1991-02-28 1991-02-28 成形用アルミニウム合金硬質板の製造方法 Withdrawn JPH04276046A (ja)

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