JPH04270243A - 含フッ素化合物および含フッ素化合物を含有する潤滑剤組成物および磁気記録媒体 - Google Patents

含フッ素化合物および含フッ素化合物を含有する潤滑剤組成物および磁気記録媒体

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JPH04270243A
JPH04270243A JP33798390A JP33798390A JPH04270243A JP H04270243 A JPH04270243 A JP H04270243A JP 33798390 A JP33798390 A JP 33798390A JP 33798390 A JP33798390 A JP 33798390A JP H04270243 A JPH04270243 A JP H04270243A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は高精度な潤滑が要求される精密機械,精密部品
の潤滑剤あるいは界面活性剤,離型剤,防錆剤等に有用
な新規含フッ素化合物とその製造方法およびその含フッ
素化合物を含有する潤滑剤組成物およびその含フッ素化
合物を潤滑剤層に含有させた磁気テープ,磁気ディスク
等の磁気記録媒体に関するものである。
従来の技術 機械装置,部品の小型化、高精度化に伴いそれらの摺動
部における潤滑形態も流体潤滑から境界潤滑へと移行し
てきている。とりわけ、VTR,磁気ディスク等の電子
機器,電子部品においては、記録密度の向上を目的とし
た強磁性金属薄膜の採用により、磁気テープや磁気ディ
スクと磁気ヘッドとの摺動には高精度の潤滑が必要とな
ってきた。たとえば、蒸着テープやハードディスクでは
その耐久性,実用信頼性を確保しながら磁気記録媒体と
磁気ヘッドとのスペーシングロスを極力小さくして高出
力化を計るために、磁性層表面の潤滑剤層はわずか数1
0Åの厚さとなるように形成される。したがって、この
潤滑剤層を形成させる材料としては、特に潤滑性能に優
れた有機化合物の開発が重要な課題となっている。
金属薄膜型磁気記録媒体用の潤滑剤としては、その分子
内にフロロカーボン鎖を有するものが金属薄膜との適合
性に優れているため、多数のフロロカーボン系潤滑剤が
提案されている(たとえば、特開昭61−107527
号公報,特開昭61−107528号公報,特開昭61
−107529号公報,特開昭62−92225号公報
,特開昭62−92226号公報,特開昭62−922
27号公報)。また、パーフロロアルキルポリエーテル
鎖から成る化合物を磁気記録媒体用の潤滑剤としたもの
も提案されている(たとえば、米国特許第3,778,
308号、特開昭60−109028号公報)。
一方、本発明の含フッ素化合物に類似の分子構造を有す
るものとしては、 (式中、R6は水素または炭素数1〜12の脂肪族アル
キル基を示し、R8は炭素数1,2または5の脂肪族ア
ルキレン基を示し、hは0〜8の整数を示す。] が界面活性剤として提案されている(米国特許第3,7
98,265号)。
つぎに、本発明の含フッ素化合物の製造方法と類似の方
法もしくは本発明の含フッ素化合物と類似の化合物の製
造方法を提示している先行文献について述べる。
一般式[II]および[IX]で表わされる含フッ素化
合物の製造方法と類似の方法または一般式[III]で
表わされる含フッ素化合物と類似の化合物の製造方法が
、特開昭61−257226号公報において含フッ素ア
ルキルコハク酸誘導体の製造方法として提案されている
。これは具体的には、パーフロロアルキル基付高級アル
コールとアルキル無水コハク酸とのほぼ等モル混合物を
大気中、60〜150℃に加熱して反応させることによ
り含フッ素アルキルコハク酸誘導体を得るというもので
ある。
一般式[VII]で表わされる含フッ素化合物と類似の
化合物の製造方法が、特開昭64−70450号公報に
おいて含窒素パーフルオロカルボン酸フルオリドの製造
方法として提案されている。これは具体的には、3−ジ
アルキルアミノ−n−酪酸の反応性誘導体を液体フッ化
水素中において電解処理することにより、パーフルオロ
(3−ジアルキルアミノ−n−酪酸フルオリド)を得る
というものである。
一般式[VIII]で表わされる含フッ素化合物の製造
方法と類似の方法が、特開昭61−24547号公報に
おいてパーフルオロブテニロキシ基を有するフタル酸ジ
エステルの製法として提案されている。これは具体的に
は、パーフルオロブテニロキシ基を有する無水フタル酸
1モルに対して炭素数1〜15のアルキル基を有する脂
肪族アルコール2〜20モルと濃硫酸0.01〜1モル
とを加え、アルコールの還流下または100〜150℃
で30分間から24時間反応させることによってパーフ
ルオロブテニロキシ基を有するフタル酸ジエステルを得
るというものである。
一般式[X]で表わされる含フッ素化合物と類似の化合
物の製造方法が、特開昭54−84524号公報におい
て過フッ化アルキル置換半エステルおよび半アミドの製
法として提案されている。これは具体的には、無水マレ
イン酸とヒドロキシまたはアミノ置換非イオン性化合物
(たとえば、脂肪族アルキルアルコールまたは脂肪族ア
ルキルアミン)とを室温または50〜100℃で反応さ
せてマレイン酸半エステルまたはマレイン酸半アミドと
した後、さらにこれに過フッ化アルキルアルキレンチオ
ールを塩基触媒の存在下に30〜75℃で付加させるこ
とにより過フッ化アルキル置換半エステルまたは同半ア
ミドを得るというものである。なお、この化合物は上記
の反応の手順を逆にすることによっても得ることができ
る。
発明が解決しようとする課題 金属薄膜型磁気記録媒体用の潤滑剤は金属薄膜表面ある
いは保護膜表面と磁気ヘッド表面に強く付着してそれら
の表面に潤滑剤による被覆層を形成し、それらの被覆層
の接触点、すなわち磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動
面において潤滑剤分子間で容易にせん断されることが重
要である。ところで、磁気記録媒体用の潤滑剤として従
来公知のパーフロロアルキルポリエーテルはその分子表
面のほとんどすべてがフッ素原子で覆われているために
分子間のせん断性は良好であるが、その分子の極性が弱
いために金属薄膜表面あるいは保護膜表面と磁気ヘッド
表面に付着する力は弱い。この欠点を改善するために、
パーフロロアルキルポリエーテルの分子末端に各種の極
性基を導入したものが提案されているが、その分子量が
3,000以上のものは極性基導入の効果があまり得ら
れず、極性基の効果を高めるために分子量を低減すると
、パーフロロアルキルポリエーテル分子間の相互作用が
小さいためにそれ自体の蒸発による潤滑剤の減少が生じ
る。すなわち、パーフロロアルキルポリエーテルやその
末端基変性物は金属薄膜表面あるいは保護膜表面と磁気
ヘッド表面への付着性や安定性が悪く、その結果、これ
らの化合物を金属薄膜型磁気記録媒体用の潤滑剤に用い
たものは耐久信頼性、特に磁性金属の凝着が磁気ヘッド
表面で発生しやすい低湿度環境下における性能に問題を
有していた。
一方、前記先行文献に記載されるフロロカーボン系潤滑
剤は金属薄膜との適合性に優れているため、金属薄膜型
磁気記録媒体に適用されてきたが、湿度が10%RH以
下となる低湿度環境下においては充分な耐久性が得られ
ないという問題を有していた。
以上のことを考慮して種々検討した結果、同一分子内に
フロロアルキルエーテル末端基と脂肪族炭化水素末端基
と特定の極性末端基とを有する含フッ素化合物が金属薄
膜型磁気記録媒体用の潤滑剤として最適であるという結
論に達した。
ところで、本発明の含フッ素化合物の製造にあたり前記
従来技術による方法を用いると、つぎに述べる種々の問
題が有り、本発明の含フッ素化合物を製造することが困
難もしくは不可能であった。
一般式[II]および[IX]で表わされる含フッ素化
合物の製造にあたり特開昭61−257226号公報に
記載されている方法を用いると、フロロアルキルエーテ
ル基付アルコールの反応性がパーフロロアルキル基付高
級アルコールに比べて相当劣るため、その収率は10%
以下と極めて低い水準にとどまるという問題を有してい
た。
一般式[III]で表わされる含フッ素化合物の製造に
あたり特開昭61−257226号公報に記載されてい
る方法を用いると、フロロアルキルエーテル末端基の脂
肪族アルキルカルボン酸もしくは脂肪族アルケニルカル
ボン酸への結合位置はカルボキシル基と隣接するα位ま
たはβ位炭素に限定され、本発明の製造方法によるα位
からω位炭素に至る種々の位置へ結合する含フッ素化合
物を得ることができないという問題を有していた。
一般式[VII]で表わされる含フッ素化合物の製造に
あたり特開昭64−70450号公報に記載されている
方法を用いると、同一分子内の2つの脂肪族炭化水素末
端基はいずれもパーフロロアルキル基となるばかりでな
く、脂肪族長鎖アルキル基や脂肪族ポリアルキルオキサ
イド基への展開は困難であるという問題を有していた。
一般式[VIII]で表わされる含フッ素化合物の製造
にあたり特開昭61−24547号公報に記載されてい
る方法を用いると、酸無水物反応基はいずれもエステル
結合基となるばかりでなく、フロロアルキル基がパーフ
ロロブテニロキシ基に限定されるためにフロロアルキル
エーテル基への展開ができないという問題を有していた
一般式[X]で表わされる含フッ素化合物の製造にあた
り特開昭54−84524号公報に記載されている方法
を用いると、チオエーテル結合基はカルボキシル基に隣
接するα位とβ位炭素とに結合する混合物となり、本発
明の製造方法によるα位炭素のみに結合する単一含フッ
素化合物を得ることができないという問題を有していた
本発明は上記の結論および新規の製造方法によりなされ
たものであり、金属薄膜型磁気記録媒体に対して良好な
耐久信頼性を付与する新規含フッ素化合物およびその含
フッ素化合物を含有する潤滑剤組成物およびその含フッ
素化合物を潤滑剤層に含有させた磁気テープ,磁気ディ
スク等の磁気記録媒体を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するための本発明は、以下の1〜9に関
するものである。
(1)一般式[I] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
脂肪族アルケニル末端基を示し、R2は炭素数0もしく
は1以上の脂肪族アルキレン基もしくは脂肪族ポリアル
キレンオキサイド基を示し、R3およびR4は炭素数0
もしくは1以上の脂肪族アルキレン基を示し、Xは−C
OOR5−,−CON(R6)− (ただし、R5は炭素数0もしくは1以上の脂肪族アル
キレン基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜12
の脂肪族アルキル基を示す。)の中から選ばれる結合基
を示し、WおよびYはの中から選ばれる結合基を示し、
Zは の中から選ばれる結合基を示し、l,mおよびnは0も
しくは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物。
(2)脂肪族アルキル無水コハク酸もしくは脂肪族アル
ケニル無水コハク酸と炭素数6〜50のフロロアルキル
エーテル基付アルコールとをオートクレーブ中で付加反
応させることを特徴とする一般式[II] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
脂肪族アルケニル末端基を示し、R′2は脂肪族アルキ
レン基もしくは脂肪族ポリアルキレンオキサイド基を示
し、Xは −COOR5−,−CON(R6)− (ただし、R5は炭素数0もしくは1以上の脂肪族アル
キレン基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜12
の脂肪族アルキル基を示す。)の中から選ばれる結合基
を示し、mおよびnは0もしくは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
(3)脂肪族アルキルオキシ酸もしくは脂肪族アルケニ
オキシ酸と炭素数6〜50のフロロアルキルエーテル基
付カルボン酸ハライドとを塩基の存在下で低温で反応さ
せることを特徴とする一般式[III] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
脂肪族アルケニル末端基を示し、R″2およびR4は炭
素数0もしくは1以上の脂肪族アルキレン基を示し、X
′は (ただし、R′5は脂肪族アルキレン基を示し、R6は
水素原子または炭素数1〜12の脂肪族アルキル基を示
す。) の中から選ばれる結合基を示し、mは0もしくは1を示
す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
(4)一般式[IV] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
脂肪族アルケニル末端基を示し、R″′2は脂肪族アル
キレン基を示す。]で表わされるフロロアルキルエーテ
ル基付第2アルキルアミンと一般式[V] [式中、Rは脂肪族アルキル末端基もしくは脂肪族アル
ケニル末端基を示し、R4は炭素数0もしくは1以上の
脂肪族アルキレン基を示し、Qはハロゲン原子を示す。
] で表わされるω−ハロアルキルカルボン酸エステルとを
弱アルカリの存在下で反応させて、一般式[VI] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
ル末端基を示し、R,R1は脂肪族アルキル末端基もし
くは脂肪族アルケニル末端基を示し、R″′2は脂肪族
アルキレン基を示し、R4は炭素数0もしくは1以上の
脂肪族アルキレン基を示す。] で表わされる含フッ素化合物を合成した後、強アルカリ
でエステル結合基を加水分解させて片末端基をカルボキ
シル基とすることを特徴とする一般式[VII] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
脂肪族アルケニル末端基を示し、R″′2は脂肪族アル
キレン基を示し、R4は炭素数0もしくは1以上の脂肪
族アルキレン基を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
(5)脂肪族アルキルアルコールもしくは脂肪族アルケ
ニルアルコールと炭素数6〜50のフロロアルキルエー
テル基付アルコールとを各々別々に無水トリメリット酸
クロライドに段階的に反応させることによる一般式[V
III][式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキ
ルエーテル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基
もしくは脂肪族アルケニル末端基を示し、R′2は脂肪
族アルキレン基もしくは脂肪族ポリアルキレンオキサイ
ド基を示し、Xは −COOR5−,−CON(R6)− (ただし、R5は炭素数0もしくは1以上の脂肪族アル
キレン基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜12
の脂肪族アルキル基を示す。)の中から選ばれる結合基
を示し、Z′はで表わされる結合基を示し、mは0もし
くは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
(6)脂肪族アルキル基付無水チオリンゴ酸と炭素数6
〜50のフロロアルキルエーテル基付アルコールとをオ
ートクレーブ中で付加反応させることを特徴とする一般
式[IX] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
ル末端基を示し、R′1は脂肪族アルキル末端基を示し
、R′2は脂肪族アルキレン基もしくは脂肪族ポリアル
キレンオキサイド基を示し、Xは (ただし、R5は炭素数0もしくは1以上の脂肪族アル
キレン基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜12
の脂肪族アルキル基を示す。)の中から選ばれる結合基
を示し、mおよびnは0もしくは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
(7)α−メルカプト脂肪族アルキルカルボン酸に炭素
数6〜50のフロロアルキルエーテル基付アクリレート
または同メタクリレートを付加反応させることによる一
般式[X] [式中、R1は炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
ル末端基を示し、R′1は脂肪族アルキル末端基を示し
、R′2は脂肪族アルキレン基もしくは脂肪族ポリアル
キレンオキサイド基を示し、R7は水素原子またはメチ
ル基を示し、Xは(ただし、R5は炭素数0もしくは1
以上の脂肪族アルキレン基を示し、R6は水素原子また
は炭素数1〜12の脂肪族アルキル基を示す。)の中か
ら選ばれる結合基を示し、mは0もしくは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
(8)一般式[I]で表わされる含フッ素化合物を含有
することを特徴とする潤滑剤組成物。
(9)非磁性支持体上に強磁性金属薄膜が形成されてい
る磁気記録媒体において、前記強磁性金属薄膜上に直接
あるいは保護膜を介して一般式[I]で表わされる含フ
ッ素化合物を少なくとも1種以上含有する潤滑剤層が形
成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
本発明の含フッ素化合物の末端基としては、たとえば下
記に示すようなものがある。
脂肪族炭化水素末端基すなわち脂肪族アルキル末端基お
よび脂肪族アルケニル末端基としては、(ただし、iお
よびjは8以上の整数を示し、kは0もしくは1以上の
整数を示す。)等があり、これらの末端基の総炭素数は
8〜30(好ましくは12〜26)が適しており、総炭
素数が7以下や31以上では潤滑性が充分ではない。
フロロアルキルエーテル末端基としては、(ただし、p
は1〜15、qは1〜45の整数を示す。) 等があり、これらの末端基の総炭素数は6〜50(好ま
しくは10〜30)が適しており、総炭素数が5以下で
は潤滑性が充分ではなく、総炭素数が51以上では極性
末端基の効果が低下する。
つぎに、本発明の含フッ素化合物の製造方法について説
明する。
一般式[II]で表わされる含フッ素化合物は脂肪族ア
ルキル無水コハク酸もしくは脂肪族アルケニル無水コハ
ク酸とフロロアルキルエーテル基付アルコールとの等モ
ル混合物をオートクレーブ中で3kg/cm2以上の加
圧下で100〜150℃に加熱して付加反応を行なわせ
ることにより収率良く製造することができる。なお、こ
の付加反応に関しては従来公知の常圧法では収率が著し
く低いため、本発明においては新たに加圧下で反応を行
なう方法を見い出すことにより高収率を得ることができ
た。この場合、圧力としては少なくとも3kg/cm2
は必要である。
一般式[III]で表わされる含フッ素化合物は脂肪族
アルキルオキシ酸もしくは脂肪族アルケニルオキシ酸と
トリエチルアミンやピリジン等の塩基との混合溶液(溶
媒としては、塩基自体か無水ベンゼンや無水エーテル等
の非プロトン性無水溶媒が適している。)にフロロアル
キルエーテル基付カルボン酸ハライドを氷冷下にオキシ
酸と等モルになるように徐々に添加し、酸ハライド反応
基とオキシ酸の水酸基とをエステル化反応させて副生す
る塩酸を塩基で捕獲、除去することにより製造すること
ができる。ところで、オキシ酸の水酸基にフロロアルキ
ルエーテル基を結合させる方法として、フロロアルキル
エーテル基付カルボン酸と常用の酸触媒と高温条件を用
いてエステル化反応を試みると、オキシ酸のカルボキシ
ル基がこの反応を阻害し、オキシ酸の水酸基にフロロア
ルキルエーテル基を結合させることができない。すなわ
ち、このエステル化反応はフロロアルキルエーテル基付
カルボン酸ハライドを用い、かつ、低温で反応させる方
法に限って進行することを見い出した。本発明の含フッ
素化合物はこの発見によって製造が可能となった。
一般式[VII]で表わされる含フッ素化合物は前記フ
ロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミンとω−ハ
ロアルキルカルボン酸エステルとの等モル混合溶液(溶
媒としてはアセトンやメチルエチルケトン等のプロトン
性溶媒が適している。)に炭酸ソーダや炭酸カリウム等
の弱アルカリ水溶液を添加し、加熱還流させることによ
り脱ハロゲン化反応と窒素・炭素結合反応を起こさせた
後、強アルカリでエステル結合基を加水分解させて片末
端基をカルボキシル基とすることにより製造することが
できる。この脱ハロゲン化反応において、カルボキシル
基はイミノ基と親和してω−ハロアルキル基のイミノ基
への攻撃を阻害する。すなわち、カルボキシル基の存在
は脱ハロゲン化反応を阻害するため、カルボキシル基を
エステル化するなどの方法によりマスキングすることに
よって窒素・炭素結合反応が進行することを見い出した
。本発明の含フッ素化合物はこの発見によって製造が可
能となった。
一般式[VIII]で表わされる含フッ素化合物は無水
トリメリット酸クロライドとトリエチルアミンやピリジ
ン等の塩基との混合溶液(溶媒としては、塩基自体が無
水ベンゼンや無水エーテル等の非プロトン性無水溶媒が
適している。)にフロロアルキルエーテル基付アルコー
ルを氷冷下に無水トリメリット酸クロライドと等モルに
なるように徐々に添加し、副生する塩酸を塩基で捕獲,
除去して得た無水トリメリット酸フロロアルキルエーテ
ルエステルに脂肪族炭化水素基付アルコールの等モルと
無水ベンゼンや無水n−ヘプタン等の非プロトン性無水
溶媒を加え、70〜140℃で加熱還流させて酸無水物
反応基に脂肪族炭化水素基付アルコールをエステル付加
反応させることにより製造することができる。
無水トリメリット酸クロライドへのエステル化反応は酸
クロライド反応基への第1段反応の後、酸無水物反応基
へ第2段反応を起こさせることにより同一分子内に異な
るアルコールをエステル結合で導入することができ、さ
らに酸無水物反応基の一方のカルボニル基はカルボキシ
ル末端基となる。すなわち、第2段反応の際、前段でエ
ステル結合したアルコールは加水分解反応やエステル交
換反応を起こさないことを見い出した。本発明の含フッ
素化合物はこの発見によって製造が可能となった。
一般式[IX]で表わされる含フッ素化合物は脂肪族ア
ルキル基付無水チオリンゴ酸とフロロアルキルエーテル
基付アルコールとの等モル混合物をオートクレーブ中で
3kg/cm2以上の加圧下で、100〜150℃に加
熱して付加反応を行なわせることにより収率良く製造す
ることができる。なお、この付加反応に関しては従来公
知の常圧法では収率が著しく低いため、本発明において
は新たに加圧下で反応を行なう方法を見い出すことによ
り高収率を得ることができた。この場合、圧力としては
少なくとも3kg/cm2は必要である。
一般式[X]で表わされる含フッ素化合物はα−メルカ
プト脂肪族アルキルカルボン酸とフロロアルキルエーテ
ル基付アクリレートまたは同メタクリレートとの等モル
混合溶液(溶媒としてはエタノールやメチルエチルケト
ン等のプロトン性溶媒が適している。)に酢酸ナトリウ
ムやトリエチルアミンやピリジン等の塩基触媒とハイド
ロキノン等の重合禁止剤を添加し、加熱還流させてメル
カプト基にアクリルまたはメタクリルの炭素2重結合基
を付加反応させることにより製造することができる。脂
肪族アルキルチオールの脂肪族アルキルオレフィンへの
付加反応については従来公知[たとえば、文献として有
機硫黄化学−合成反応編33頁(発行所(株)化学同人
1982)がある。]であるが、チオールとしてα−メ
チルカプト脂肪族アルキルカルボン酸を用いた場合にも
カルボキシル基が前記付加反応を阻害することなく、進
行することを見い出した。本発明の含フッ素化合物はこ
の発見によって製造が可能となった。
本発明の含フッ素化合物の製造に用いるフロロアルキル
エーテル原料としては、たとえば下記に示すようなもの
がある。
フロロアルキルエーテル基付アルコールとしては、 (ただし、R6は水素原子または炭素数1〜12の脂肪
族アルキル基を示し、R″′2は脂肪族アルキレン基を
示し、pは1〜15の整数を示し、qは1〜45の整数
を示し、rは1以上の整数を示す。) 等がある。
フロロアルキルエーテル基付カルボン酸ハライドとして
は、 (ただし、R6は水素原子または炭素数1〜12の脂肪
族アルキル基を示し、R″′2は脂肪族アルキレン基を
示し、Xはフッ素原子または塩素原子を示し、pは1〜
15の整数を示し、qは1〜45の整数を示す。) 等がある。
フロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミンとして
は、 (ただし、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは脂肪族
アルケニル末端基を示し、pは1〜15の整数を示し、
qは1〜45の整数を示す。)等がある。
フロロアルキルエーテル基付アクリレートとしては、 (ただし、R6は水素原子または炭素数1〜12の脂肪
族アルキル基を示し、R″′2は脂肪族アルキレン基を
示し、pは1〜15の整数を示し、qは1〜45の整数
を示し、rは1以上の整数を示す。) 等がある。
フロロアルキルエーテル基付メタクリレートとしては、 (ただし、R6は水素原子または炭素数1〜12の脂肪
族アルキル基を示し、R″′2は脂肪族アルキレン基を
示し、pは1〜15の整数を示し、qは1〜45の整数
を示し、rは1以上の整数を示す。) 等がある。
本発明の潤滑剤組成物としては一般式[I]で表わされ
る含フッ素化合物単独あるいはこれらと他の潤滑剤との
混合物が適しており、前記他の潤滑剤としてはフロロカ
ーボン系潤滑剤の使用が好ましい。とりわけ、特開昭6
1−107527号公報,特開昭61−107528号
公報,特開昭61−107529号公報,特開昭62−
92225号公報,特開昭62−92226号公報,特
開昭62−92227号公報等に記載されているものが
好適である。さらにその他公知の潤滑剤,防錆剤等を混
合使用することもできる。
一般式[I]で表わされる含フッ素化合物は潤滑剤組成
物中に20%以上、好ましくは30%以上含有させるこ
とが必要で、20%未満であると本発明の効果が得られ
難い。
つぎに、一般式[I]で表わされる含フッ素化合物を含
有する潤滑剤層を形成した強磁性金属薄膜型磁気記録媒
体の例について説明する。
強磁性金属薄膜型磁気記録媒体の磁性層上には前記潤滑
剤組成物が直接あるいは保護層を介して通常の湿式塗布
法あるいは真空蒸着等の乾式塗布法により形成される。
その付着量としては表面1m2当り0.05〜100m
g、好ましくは0.1〜50mgとなるように薄層状に
存在させる。
強磁性金属薄膜としてはCo,Co−Ni,Co−Cr
,Co−Fe,Co−Ni−Cr,Co−Ni−Fe,
Co−Ni−P,Co−Ni−Ta等あるいはこれらの
部分酸化されたものが適用でき、これらの薄膜は真空蒸
着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メ
ッキ法等により形成される。また、必要に応じてCr,
Ti等の下地層を設けることも可能であり、下地層を含
めた強磁性金属薄膜の厚みとしては500〜5,000
Åか適当である。強磁性金属薄膜の表面には必要に応じ
てCr,W,NiP等の金属系保護層、SiO,SiC
、カーボン、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボ
ン等の無機系保護層、フッ素樹脂、シリコン樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリアミド樹脂、プラズマ重合生成物、放射
線重合生成物等の有機系保護層あるいは複合系保護層等
を形成させることができる。
非磁性支持体としてはガラス、セラミックス等の酸化物
、A■合金、Ti合金等の金属あるいはポリエステル、
ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポ
リアクリレート等のプラスチックス等を主体として用い
ることができる。さらに、その表面には必要に応じてC
o−Pメッキ、ポリイミドコーティング膜等を形成させ
たものや微小粒状、山状、波状等の突起、テクスチャ加
工による突起等を設けたものが使用できる。それらの支
持体の表面粗さとしては最大高さRmaxで50〜60
0Åが適当である。また、その形状としてはテープ、フ
ィルム、シート、ディスク、カード、ドラム等目的に応
じて選定することができる。
作用  本発明の含フッ素化合物は同一分子内にフロロアルキ
ルエーテル末端基と脂肪族炭化水素末端基と特定の極性
末端基とを有しており、その分子量が数100〜3,0
00程度であるために極性末端基の効果が充分発揮され
、金属薄膜表面あるいは保護膜表面と磁気ヘッド表面に
この極性末端基が強く付着する。また、フロロアルキル
エーテル末端基は表面に露出してその表面の低エネルギ
ー化に寄与し、非粘着面を形成する。さらに、脂肪族炭
化水素末端基は柔軟な炭素−炭素結合鎖であり、かつ隣
接する他の分子の炭化水素鎖との適度な分子間相互作用
で配向するために良好な潤滑性を示す。
したがって、これらの各末端基の相乗効果により過酷な
低湿度環境を含む全環境において良好な潤滑性能を発現
し、金属薄膜型磁気記録媒体の耐久信頼性に関する問題
は解決されることになる。
実施例  以下、実施例1〜39においては含フッ素化合物の例
とその製造方法について、実施例40、72においては
それらの含フッ素化合物を含有する潤滑剤組成物を用い
た磁気記録媒体の例について具体的に述べる。
式F[CF(CF3)CF2O]3CF(CF3)CH
2OHで表わされるフロロアルキルエーテル基付アルコ
ール64.8g(0.10モル)とオクタデシル無水コ
ハク酸35.3g(0.10モル)を攪拌翼を備えた1
■のガラス製耐圧オートクレーブに採取し、系内を窒素
置換した後、120℃で窒素圧3kg/cm2の下で5
時間攪拌しながら反応を行なった。この後、反応混合物
をイソプロピルエーテルに溶解し、−10℃に冷却して
未反応のオクタデシル無水コハク酸を除去した。さらに
、反応混合物を油拡散ポンプを有する真空蒸留器に移し
、100℃、約1×10−3mmHgの条件下で未反応
のフロロアルキルエーテル基付アルコールを除去して融
点86℃の白色固体を収率92%で得た。この白色固体
は赤外分光分析(IR)、GPCおよび有機質量分析(
FD−MS)により、出発原料および副生成物を含まな
い式Aおよび式A′で表わされる含フッ素化合物の混合
物であることが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
75cm−1の吸収ピーク出現、酸無水物1,755c
m−1の吸収ピーク消滅GPC;フロロアルキルエーテ
ル基付アルコール原料およびオクタデシル無水コハク 酸原料検出されず FD−MS;m/e1,000に主ピーク有実施例2 分子量700、p,qは1〜9の整数)で表わされるフ
ロロアルキルエーテル基付アルコール70.0g(0.
10モル)とテトラデシル無水コハク酸29.7g(0
.10モル)を攪拌翼を備えた1lのガラス製耐圧オー
トクレーブに採取し、系内を窒素置換した後、100℃
で窒素圧5kg/cm2の下で6時間撹拌しながら反応
を行なった。この後、反応混合物をイソプロピルエーテ
ルに溶解し、−10℃に冷却して未反応のテトラデシル
無水コハク酸を除去した。さらに、反応混合物を油拡散
ポンプを有する真空蒸留器に移し、100℃,約1×1
0−3mmHgの条件下で未反応のフロロアルキルエー
テル基付アルコールを除去して融点約60℃の白色固体
を収率96%で得た。この白色固体はIR,GPCおよ
びFD−MSにより、出発原料および副生成物を含まな
い式Bおよび式B′で表わされる含フッ素化合物の混合
物であることが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
55cm−1の収率ピーク出現、酸無水物1,775c
m−1の吸収ピーク消滅GPC;フロロアルキルエーテ
ル基付アルコール原料およびテトラデシル無水コハク 酸原料検出されず FD−MS;m/e1,000に主ピーク有式F■C3
F6O■pC2F4CH2OH(平均分子量2,480
、pは1〜15の整数)で表わされるフロロアルキルエ
ーテル基付アルコール283g(0.10モル)とオク
タデセニル無水コハク酸35.0g(0.10モル)を
攪拌翼を備えた1lのガラス製耐圧オートクレーブに採
取し、系内を窒素置換した後、140℃で窒素圧10k
g/cm2の下で8時間撹拌しながら反応を行なった。
この後、反応混合物をイソプロピルエーテルに溶解し、
−10℃に冷却して未反応のオクタデセニル無水コハク
酸を除去した。さらに、反応混合物を油拡散ポンプを有
する真空蒸留器に移し、140℃,約1×10−4mm
Hgの条件下で未反応のフロロアルキルエーテル基付ア
ルコールを除去してワックス状半固体を収率82%で得
た。このワックス状半固体はIR,GPCおよびFD−
MSにより、出発原料および副生成物を含まない式Cお
よび式C′で表わされる含フッ素化合物の混合物である
ことが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
55cm−1の吸収ピーク出現、酸無水物1,775c
m−1の吸収ピーク消滅GPC;クロロアルキルエーテ
ル基付アルコール原料およびオクタデセニル無水コハ ク酸原料検出されず FD−MS;m/e2,830に主ピーク有均分子量1
,280、p,qは1〜20の整数)で表わされるフロ
ロアルキルエーテル基付アルコール128g(0.10
モル)とデシル無水コハク酸24.0g(0.10モル
)を実施例1と同様の条件で製造して無色透明液体を収
率87%で得た。この無色透明液体はIR,GPCおよ
びFD−MSにより、出発原料および副生成物を含まな
い式DおよびD′で表わされる含フッ素化合物の混合物
であることが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
75cm−1の吸収ピーク出現、酸無水物1,755c
m−1の吸収ピーク消滅GPC;フロロアルキルエーテ
ル基付アルコール原料およびデシル無水コハク酸原料 検出されず FD−MS;m/e1,520に主ピーク有実施例5〜
8 実施例1と同様の条件で下記に示す含フッ素化合物を製
造した。
実施例5 実施例6 および 実施例7 および 実施例8 および 実施例9 式F■CF(CF3)CF2O■3CF(CF3)CO
Fで表わされるフロロアルキルエーテル基付カルボン酸
フロライド66.4g(0.10モル)と無水ジエチル
エーテル300mlを攪拌翼と滴下ロートを備えた1l
のフラスコに採取し、5℃以下に冷却後、α−ヒドロキ
シパルミチン酸27.2g(0.10モル)を溶解した
無水ピリジン100mlを撹拌下に約2時間で滴下して
反応を行なった。反応終了後、この溶液を5%塩酸で洗
浄し、つづけて蒸溜水で水層のpHが7になるまで繰り
返し洗浄した後、この溶液を無水芒硝で乾燥させた。つ
ぎに、ジエチルエーテルを−10℃冷却して未反応のα
−ヒドロキシパルミチン酸を除去した。さらに、反応混
合物を油拡散ポンプを有する真空蒸留器に移し、100
℃,約1×10−3mmHgの条件下で未反応のフロロ
アルキルエーテル原料から加水分解生成したフロロアル
キルエーテル基付カルボン酸を除去して融点76℃の白
色固体を得た。この白色固体はIR,GPCおよびFD
−MSにより、出発原料および副生成物を含まない式E
で表わされる含フッ素化合物であることか判明した。
IR;エステル1,755cm−1の吸収ピーク出現、
水酸基3,330cm−1の吸収ピーク消滅 GPC;フロロアルキルエーテル基付カルボン酸および
α−ヒドロキシパルミチン酸 原料 検出されず FD−MS;m/e917に主ピーク有実施例10 式CF3O■CF2CF(CF3)O■p■CF2O■
qCF2COC■(平均分子量750、p、qは1〜9
の整数)で表わされるフロロアルキルエーテル基付カル
ボン酸クロライド75.0g(0.10モル)と無水ジ
エチルエーテル300m■を攪拌翼と滴下ロートを備え
た1■のフラスコに採取し、5℃以下に冷却後、12−
ヒドロキシステアリン酸30.1g(0.10モル)を
溶解した無水ピリジン100m■を攪拌下に約2時間で
滴下して反応を行なった。反応終了後、実施例9と同様
な精製処理を行なって融点62℃の白色固体を得た。こ
の白色固体はIR、GPCおよびFD−MSにより、出
発原料および副生成物を含まない式Fで表わされる含フ
ッ素化合物であることが判明した。
IR;エステル1.755cm−1の吸収ピーク出現、
水酸基3,330cm−1の吸収ピーク消滅 GPC;フロロアルキルエーテル基付カルボン酸および
12−ヒドロキシステアリン 酸原料 検出されず FD−MS;m/e1,050に主ピーク有実施例11 9−オキシ−12−オクタデセン酸30.0g(0.1
0モル)と無水ピリジン300m■を攪拌翼と滴下ロー
トを備えた1■のフラスコに採取し、5℃以下に冷却後
、式F■C3F6O■pC2F4COC■(平均分子量
2,510、pは1〜15の整数)で表わされるフロロ
アルキルエーテル基付カルボン酸クロライド251g(
0.10モル)を溶解した無水ジエチルエーテル300
m■を攪拌下に約3時間で滴下して反応を行なった。反
応終了後、実施例9と同様な精製処理を行なってワック
ス状半固体を得た。このワックス状半固体はIR、GP
CおよびFD−MSにより、出発原料および副生成物を
含まない式Gで表わされる含フッ素化合物であることが
判明した。
IR;エステル1,755cm−1の吸収ピーク出現、
水酸基3,330cm−1の吸収ピーク消滅 GPC;フロロアルキルエーテル基付カルボン酸および
9−オキシ−12−オクタデ セン酸原料 検出されず FD−MS;m/e2,760に主ピーク有実施例12 式CC■F2O■CF2CF(CF3)O■p■CF2
O■qCF2COC■(平均分子量1,310、p、q
は1〜20の整数)で表わされるフロロアルキルエーテ
ル基付カルボン酸クロライドとβ−ヒドロキシミリスチ
ン酸を用いて実施例9と同様の条件で製造して無色透明
液体を得た。この無色透明液体はIR、GPCおよびF
D−MSにより、出発原料および副生成物を含まない式
Hで表わされる含フッ素化合物であることが判明した。
IR;エステル1,755cm−1の吸収ピーク出現、
水酸基3,330cm−1の吸収ピーク消滅 GPC;フロロアルキルエーテル基付カルボン酸および
β−ヒドロキシミリスチン酸 原料 検出されず FD−MS;m/e1,550に主ピーク有実施例13
〜15 実施例9と同様の条件で下記に示す含フッ素化合物を製
造した。
実施例13 実施例14 実施例15 実施例16 式F■CF(CF3)CF2O■3CF(CF3)CH
2NHC18H37で表わされるフロロアルキルエーテ
ル基付第2アルキルアミン90.0g(0.10モル)
と3−ヨードプロピオン酸メチル21.4g(0.10
モル)とメチルエチルケトン(MEK)300mlを攪
拌翼と滴下ロートを備えた1lのフラスコに採取し、昇
温と攪拌を行ないながら炭酸ソーダ15.9gを溶解し
た蒸留水100mlを約1時間で滴下した後、さらに8
時間還流と撹拌を続けて反応を完結させた。反応終了後
、反応溶液からMEKを留去し、反応混合物をヘキサン
溶液とした。この溶液を蒸留水で水層のpHが7になる
まで繰り返し洗浄した後、この溶液を無水芒硝で乾燥さ
せた。
つぎに、ヘキサンを留去し、反応混合物をイソプロピル
エーテル(IPE)溶液とした後、5℃に冷却して未反
応のフロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミン原
料を除去した。つぎに、IPEを留去し、反応混合物を
メタノール溶液とした後、0℃に冷却して未反応の3−
ヨードプロピオン酸メチル原料を除去した。このように
して得られた式Jで表わされる含フッ素化合物のメチル
エステル98.7g(0.10モル)と苛性ソーダ13
.0gを溶解した90%エタノール150mlを攪拌翼
と滴下ロートを備えた1lのフラスコに採取し、3時間
還流と撹拌を続けた後、6N塩酸を反応溶液が酸性にな
るまで滴下して沈澱物を生成させた。この沈澱物をクロ
ロホルム溶液とし、蒸留水で水層のpHが7になるまで
繰り返し洗浄した後、この溶液を無水芒硝で乾燥させた
。つぎに、クロロホルムを留去し、反応生成物をヘキサ
ン溶液とした後、室温で再結晶させて融点110℃の白
色固体を得た。この白色固体は赤外分光分析(IR),
GPCおよび有機質量分析(FD−MS)により、出発
原料および副生成物を含まない式Jで表わされる含フッ
素化合物であることが判明した。
IR;カルボン酸1,710cm−1の吸収ピーク出現 GPC;フロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミ
ン原料および3−ヨードプロ ピオン酸メチル原料 検出されず FD−MS;m/e972に主ピーク有実施例17 (平均分子量890、p,qは1〜9の整数)で表わさ
れるフロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミン8
9.0g(0.10モル)とヨード酢酸メチル20.0
g(0.10モル)とMEK300mlを攪拌翼と滴下
ロートを備えた1lのフラスコに採取し、昇温と撹拌を
行ないながら炭酸ソーダ15.9gを溶解した蒸留水1
00mlを約1時間で滴下した後、さらに8時間還流と
撹拌を続けて反応を完結させた。反応終了後、実施例1
6と同様な精製処理を行なって得た式Kで表わされる含
フッ素化合物のメチルエステル96.4g(0.10モ
ル)と苛性ソーダ13.0gを溶解した90%エタノー
ル150mlを攪拌翼と滴下ロートを備えた1lのフラ
スコに採取し、3時間還流と攪拌を続けた後、6N塩酸
を反応溶液が酸性になるまで滴下して沈澱物を生成させ
た。この沈澱物を実施例16と同様な精製処理を行なっ
て融点85℃の白色固体を得た。この白色固体はIR,
GPCおよびFD−MSにより、出発原料および副生成
物を含まない式Kで表わされる含フッ素化合物であるこ
とが判明した。
IR;カルボン酸1,710cm−1の吸収ピーク出現 GPC;フロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミ
ン原料およびヨード酢酸メチ ル原料 検出されず FD−MS;m/e950に主ピーク有実施例18 式F■C3F6O■pC2F4CH2NHC18H35
(平均分子量2,730)pは1〜15の整数)で表わ
されるフロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミン
と12−ブロモドデカン酸メチルを原料として、実施例
16と同様の製造方法によってワックス状半固体を得た
。このワックス状半固体はIR,GPCおよびFD−M
Sにより、出発原料および副生成物を含まない式Lで表
わされる含フッ素化合物であることが判明した。
IR;カルボン酸1,710cm−1の吸収ピーク出現 GPC;フロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミ
ン原料および12−ブロモド デカン酸メチル原料 検出されず FD−MS;m/e2,930に主ピーク有実施例19 (平均分子量1,420、p,qは1〜20の整数)で
表わされるフロロアルキルエーテル基付第2アルキルア
ミンと6−ヨードヘキサン酸メチルを原料として、実施
例16と同様の製造方法によってワックス状半固体を得
た。このワックス状半固体はIR,GPCおよびFD−
MSにより、出発原料および副生成物を含まない式Mで
表わされる含フッ素化合物であることが判明した。
IR;カルボン酸1,710cm−1の吸収ピーク出現 GPC;フロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミ
ン原料および6−ヨードヘキ サン酸メチル原料 検出されず FD−MS;m/e1,530に主ピーク有実施例20 式F■CF(CF3)CF2O■3CF(CF3)CH
2OHで表わされるフロロアルキルエーテル基付アルコ
ール64.8g(0.10モル)を溶解した無水ジエチ
ルエーテル300mlを撹拌下に約3時間で滴下して反
応を行なった。反応終了後、この溶液を5%塩酸で洗浄
し、つづけて蒸留水で水層のpHが7になるまで繰り返
し洗浄した後、この溶液を無水芒硝で乾燥させた。つぎ
に、ジエチルエーテルを留去し、反応混合物を油拡散ポ
ンプを有する真空蒸留器に移し、100℃、約1×10
−3mmHgの条件下で未反応のフロロアルキルエーテ
ル基付アルコール原料を除去して無水トリメリット酸フ
ロロアルキルエーテルエステル72.0gを得た。この
生成物72.0g(0.088モル)とステアリルアル
コール23.8g(0.88モル)と無水ベンゼン30
0mlとを攪拌翼を備えた1lのフラスコに採取し、加
熱還流して反応を行なった。反応終了後、反応溶液を室
温で一昼夜放置して反応生成物を再結晶させた。さらに
、この反応生成物をアセトンから再結晶させて融点42
℃の白色固体を得た。この白色固体はIR,GPCおよ
びFD−MSにより、出発原料および副生成物を含まな
い式NおよびN′で表わされる含フッ素化合物であるこ
とが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
55cm−1の吸収ピーク出現、酸無水物1,775c
m−1の吸収ピーク消滅GPC;フロロアルキルエーテ
ル基付アルコール原料、ステアリルアルコール原料、 無水トリメリット酸クロライド原料お よびその他副生成物 検出されず FD−MS;m/e1,093に主ピーク有実施例21
〜30 実施例20と同様の条件で下記に示す含フッ素化合物を
製造した。
実施例21 実施例22 実施例23 実施例24 実施例25 実施例26 実施例27 実施例28 実施例29 実施例30 実施例31 式CC■F2O■CF(CF3)CF2O■p■CF2
O■qCF2CH2OHで表わされるフロロアルキルエ
ーテル基付アルコール(平均分子量1,000、p、q
は1〜7の整数)100gとテトラデシル無水チオリン
ゴ酸33gとを1■のガラス製オートクレーブに採取し
窒素置換後、140℃で窒素圧9〜10kg/cm2の
下で2時間反応させることにより、乳白色コロイド状液
状物(25℃)130gを得た。IRによりカルボン酸
1,705cm−1およびエステル1,775cm−1
の吸収ピーク出現、酸無水物1,755cm−1の吸収
ピーク消滅を確認、式Oおよび式O′で表わされる含フ
ッ素化合物の混合物であることが判明した。
実施例32 式F■CF(CF3)CF2O■4CF(CF3)CH
2OHで表わされるフロロアルキルエーテル基付アルコ
ール76gとオクタデシル無水チオリンゴ酸38gとを
ガラス製オートクレーブ内で120℃で窒素圧4〜5k
g/cm2の下で10時間反応させ、融点63℃の白色
固体110gを得た。IRによりカルボン酸1,705
cm−1およびエステル1,755cm−1の吸収ピー
ク出現、酸無水物吸収ピーク消滅を確認、式Pおよび式
P′で表わされる含フッ素化合物の混合物であることが
判明した。
実施例33 式CF3O■CF2CF2O■p■CF2O■qCF2
CON(CH3)CH2CH2OH(平均分子量900
、p、qは1〜7の整数)90gとヘプタデシル無水チ
オリンゴ酸37gとをガラス製オートクレーブ内で14
0℃で窒素圧9〜10kg/cm2の下で2時間反応さ
せることにより乳白色コロイド状液状物(25℃)12
0gを得た。IRによりカルボン酸1,705cm−1
およびエステル1,755cm−1の吸収ピーク出現、
酸無水物ピーク消滅を確認、式Qおよび式Q′で表わさ
れる含フッ素化合物であることが判明した。
実施例34 式CF3CF2CF2O■CF2CF2CF2O■pC
F2CF2CH2OHで表わされるフロロアルキルエー
テル基付アルコール(平均分子量1,000)100g
とオクタデシル無水チオリンゴ酸38gとをガラス製オ
ートクレーブ内で140℃で窒素圧9〜10kg/cm
−1の下で2時間反応させることにより乳白色コロイド
状液状物(25℃)120gを得た。IRによりカルボ
ン酸1,705cm−1およびエステル1,755cm
−1の吸収ピーク出現、酸無水物ピーク消滅を確認、式
Rおよび式R′で表わされる含フッ素化合物であること
が判明した。
実施例35 式CF3O■CF2CF(CF3)O■p■CF2O■
qCF2CH2OCOCH=CH2(平均分子量790
、p、qは1〜9の整数)で表わされるフロロアルキル
エーテル基付アクリレート79.0g(0.10モル)
とα−メルカプトミリスチン酸26.0g(0.10モ
ル)と酢酸ナトリウム50gとハイドロキノン1gと9
5%エタノール300m■とを攪拌翼を備えた1■のフ
ラスコに採取し、6時間加熱還流を続けて付加反応を行
なわせた。反応終了後、エタノールと未反応のフロロア
ルキルエーテル基付アクリレートを真空蒸留により留去
し、反応生成物に蒸留水を加えてイソプロピルエーテル
で抽出精製することにより融点35℃の白色固体86g
を得た。この白色固体はIRおよびFD−MSにより出
発原料および副生成物を含まない式Sで表わされる含フ
ッ素化合物であることが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
55cm−1ピークが存在、チオール2,600cm−
1、炭素炭素二重結合1,640cm−1ピーク消滅。
FD−MS;m/e980に主ピーク有り。
実施例36 α−メルカプトステアリン酸28.2gと次式で示され
るフロロポリエーテルアクリレート(分子量703) F■CF(CF3)CF2O■3CF(CF3)CH2
OCOCH=CH270.3gおよび95%エタノール
400m■を使用し実施例35と同様の方法にて白色固
体(融点79℃)81gを得た。分析の結果式Tで表わ
される含フッ素化合物であることが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
55cm−1ピークが存在、チオール2,600cm−
1、炭素炭素二重結合1,640cm−1ピークが消滅
FD−MS;m/e985に主ピーク有り。
実施例37 α−メルカプトラウリン酸21.0gと次式で示される
フロロポリエーテルアクリレート(平均分子量1,00
0) F■CF2CF2CF2O■pCF2CF2CH2OC
OCH=CH2100gおよび95%エタノール500
m■を使用し実施例35と同様の方法にて白色状半固体
76gを得た。分析の結果式Uで表わされる含フッ素化
合物であることが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
55cm−1ピークが存在、チオール2,600cm−
1、炭素炭素二重結合1,640cm−1ピークが消滅
FD−MS;m/e1,200に主ピーク有り。
実施例38 α−メルカプトステアリン酸28.2gと次式で示され
るフロロポリエーテルアクリレート(平均分子量1,3
50、p、qは1〜20の整数)100gおよび95%
エタノール CC■F2O■CF2CF(CF3)O■p■CF2O
■qCF2CH2OCOCH=CH2400m■を使用
し実施例35と同様の方法にて白色半固体103gを得
た。分析の結果式Vで表わされる含フッ素化合物である
ことが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
55cm−1ピークが存在、チオール2,600cm−
1、炭素炭素二重結合1,640cm−1ピークが消滅
FD−MS;m/e1,600に主ピーク有り。
実施例39 α−メルカプトステアリン酸29.3gと次式で示され
るフロロポリエーテルアクリレート(平均分子量1,4
00)100gおよび95%エタノール400mlを使
用し F■CF(CF3)CF2O■pCF■CF3■CO■
OC2H4)4OCOCH=CH2実施例35と同様の
方法にて白色半固体95gを得た分析の結果式Wで表わ
される含フッ素化合物であることが判明した。
IR;カルボン酸1,705cm−1、エステル1,7
55cm−1ピークが存在、チオール2,600cm−
1、炭素炭素二重結合1,640cm−1ピークが消滅
FD−MS;m/e1,700に主ピーク有り。
実施例40 ポリエステルフィルム内に添加されたシリカ微粒子によ
る勾配のゆるやかな粒状突起(平均高さ70Å、直径1
μm)が表面100μm2当り数個存在し、しかも重合
触媒残渣に起因する微粒子による比較的大きな突起を極
力低減させたポリエステルフィルムの表面に、直径15
0Åのシリカコロイド粒子を核とし紫外線硬化エポキシ
樹脂を結合剤とする急峻な山状突起を1mm2当り1×
10−個となるように形成させたものを非磁性基板とし
た。その上に連続真空斜め蒸着法によりCo−Ni強磁
性金属薄膜(Ni含有量20%、厚膜1000Å)を微
量の酸素の存在下で形成させた。薄膜中の酸素含有量は
原子分率で5%であった。
この試料に前記本発明の含フッ素化合物あるいはそれら
と従来公知の潤滑剤との混合物を各々別々に金属薄膜表
面1m2当り10mgの存在量となるように塗布して潤
滑剤層を形成させた後、所定幅に裁断して磁気テープを
作製した。これらのテープを23℃、5%RH環境下で
市販ビデオデッキに掛けて繰り返し走行時の出力特性を
測定し、RF出力が初期値に対し3dB低下するかある
いは出力変動の発生し始めるまでの走行回数を求めた。
これらの結果を第1表に示す。なお、用いた本発明の含
フッ素化合物は前記の実施例番号で第1表中に示した。
また、本発明の含フッ素化合物と従来公知の潤滑剤との
混合物により潤滑剤層を形成した例も併せて記した。
第1表より、本発明の含フッ素化合物を含有する潤滑剤
層を有する磁気テープ試料はすべて低湿度中における繰
り返し走行耐久性に優れていることがわかる。一方、従
来公知の潤滑剤のみから成る潤滑剤層を有する磁気テー
プ試料は比較例の通り、低湿度中での耐久性に劣る。
実施例72 直径95mm、厚さ1.2mmのAl合金板の表面に厚
さ25μmの非磁性Ni−P合金メッキを施し、テクス
チャ加工により平均粗さ50Å、最大高さ300Åの突
起を形成したものを非磁性基板とした。その上にスパッ
タリング法によって厚さ1、300ÅのCr下地と厚さ
600ÅのCo−Ni強磁性金属薄膜を形成し、さらに
その上にスパッタリング法によって厚さ200Åのグラ
ファイト保護層を形成させたものを試料Aとする。前記
において、グラファイト保護層の代わりにプラズマCV
D法によって厚さ50Åのダイヤモンドライクカーボン
保護層を形成させたものを試料Bとする。これらの試料
に前記本発明の含フッ素化合物あるいはそれらと従来公
知の潤滑剤との混合物を各々別々に保護層表面1m2当
り10mgの存在量となるように塗布して潤滑剤層を形
成させた。
これらの磁気ディスクを23℃、5%RH環境下でCS
S耐久試験を実施し、摩擦係数が1.0を超えた時点の
CSS回数またはヘッドクラッシュ発生時のCSS回数
で耐久性の判定を行なった。
これらの結果を第2表に示す。なお、用いた本発明の含
フッ素化合物は前記の実施例番号で第2表中に示した。
また、本発明の含フッ素化合物と従来公知の潤滑剤との
混合物により潤滑剤層を形成した例も併せて記した。
第2表より、本発明の含フッ素化合物を含有する潤滑剤
層を有する磁気ディスク試料はすべて低湿度中における
CSS耐久性に優れていることがわかる。一方、従来公
知の潤滑剤のみから成る潤滑剤層を有する磁気ディスク
試料は比較例の通り、低湿度中での耐久性に劣る。
発明の効果 本発明用の含フッ素化合物は同一分子内にフロロアルキ
ルエーテル末端基と脂肪族炭化水素末端基とカルボキシ
ル末端基とを有する特異構造のものであり、それらの各
末端基の相乗効果により過酷な低湿度環境を含む全環境
において良好な潤滑性能を発現する。
したがって、本発明の含フッ素化合物はそれ単独での利
用はもちろんのこと、それらと従来公知の化合物との混
合物から成る潤滑剤として、さらにはそれらを潤滑剤層
とする磁気記録媒体として利用できるためにその工業的
価値は非常に大きい。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
    ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
    脂肪族アルケニル末端基を示し、R2は炭素数0もしく
    は1以上の脂肪族アルキレン基もしくは脂肪族ポリアル
    キレンオキサイド基を示し、R3およびR4は炭素数0
    もしくは1以上の脂肪族アルキレン基を示し、Xは−C
    OOR5−,−CON(R6)− (ただし、R5は炭素数0もしくは1以上の脂肪族アル
    キレン基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜12
    の脂肪族アルキル基を示す。)の中から選ばれる結合基
    を示し、WおよびYはの中から選ばれる結合基を示し、
    Zは の中から選ばれる結合基を示し、l,mおよびnは0も
    しくは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物。
  2. 【請求項2】脂肪族アルキル無水コハク酸もしくは脂肪
    族 アルケニル無水コハク酸と炭素数6〜50のフロロアル
    キルエーテル基付アルコールとをオートクレーブ中で付
    加反応させることを特徴とする一般式[II] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
    ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
    脂肪族アルケニル末端基を示し、R′2は脂肪族アルキ
    レン基もしくは脂肪族ポリアルキレンオキサイド基を示
    し、Xは −COOR5−,−CON(R6)− (ただし、R5は炭素数0もしくは1以上の脂肪族アル
    キレン基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜12
    の脂肪族アルキル基を示す。)の中から選ばれる結合基
    を示し、mおよびnは0もしくは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】脂肪族アルキルオキシ酸もしくは脂肪族ア
    ル ケニオキシ酸と炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
    ル基付カルボン酸ハライドとを塩基の存在下で低温で反
    応させることを特徴とする一般式[III] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
    ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
    脂肪族アルケニル末端基を示し、R″2およびR4は炭
    素数0もしくは1以上の脂肪族アルキレン基を示し、X
    1は (ただし、R′5は脂肪族アルキレン基を示し、R6は
    水素原子または炭素数1〜12の脂肪族アルキル基を示
    す。) の中から選ばれる結合基を示し、mは0もしくは1を示
    す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式[IV] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
    ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
    脂肪族アルケニル末端基を示し、R″′2は脂肪族アル
    キレン基を示す。]で表わされるフロロアルキルエーテ
    ル基付第2アルキルアミンと一般式[V] [式中、Rは脂肪族アルキル末端基もしくは脂肪族アル
    ケニル末端基を示し、R4は炭素数0もしくは1以上の
    脂肪族アルキレン基を示し、Qはハロゲン原子を示す。 ] で表わされるω−ハロアルキルカルボン酸エステルとを
    弱アルカリの存在下で反応させて、一般式[VI] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
    ル末端基を示し、R,R1は脂肪族アルキル末端基もし
    くは脂肪族アルケニル末端基を示し、R″′2は脂肪族
    アルキレン基を示し、R4は炭素数0もしくは1以上の
    脂肪族アルキレン基を示す。] で表わされる含フッ素化合物を合成した後、強アルカリ
    でエステル結合基を加水分解させて片末端基をカルボキ
    シル基とすることを特徴とする一般式[VII] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
    ル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは
    脂肪族アルケニル末端基を示し、R″′2は脂肪族アル
    キレン基を示し、R4は炭素数0もしくは1以上の脂肪
    族アルキレン基を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】脂肪族アルキルアルコールもしくは脂肪族
    ア ルケニルアルコールと炭素数6〜50のフロロアルキル
    エーテル基付アルコールとを各々別々に無水トリメリッ
    ト酸クロライドに段階的に反応させることによる一般式
    [VIII][式中、Rfは炭素数6〜50のフロロア
    ルキルエーテル末端基を示し、R1は脂肪族アルキル末
    端基もしくは脂肪族アルケニル末端基を示し、R′2は
    脂肪族アルキレン基もしくは脂肪族ポリアルキレンオキ
    サイド基を示し、Xは −COOR5−,−CON(R6)− (ただし、R5は炭素数0もしくは1以上の脂肪族アル
    キレン基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜12
    の脂肪族アルキル基を示す。)の中から選ばれる結合基
    を示し、Z′はで表わされる結合基を示し、mは0もし
    くは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】脂肪族アルキル基付無水チオリンゴ酸と炭
    素 数6〜50のフロロアルキルエーテル基付アルコールと
    をオートクレーブ中で付加反応させることを特徴とする
    一般式[IX] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
    ル末端基を示し、R′1は脂肪族アルキル末端基を示し
    、R′2は脂肪族アルキレン基もしくは脂肪族ポリアル
    キレンオキサイド基を示し、Xは (ただし、R5は炭素数0もしくは1以上の脂肪族アル
    キレン基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜12
    の脂肪族アルキル基を示す。)の中から選ばれる結合基
    を示し、mおよびnは0もしくは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】α−メルカプト脂肪族アルキルカルボン酸
    に炭素数6〜50のフロロアルキルエーテル基付アクリ
    レートまたは同メタクリレートを付加反応させることに
    よる一般式[X] [式中、Rfは炭素数6〜50のフロロアルキルエーテ
    ル末端基を示し、R′1は脂肪族アルキル末端基を示し
    、R′2は脂肪族アルキレン基もしくは脂肪族ポリアル
    キレンオキサイド基を示し、R7は水素原子またはメチ
    ル基を示し、Xは−COOR5−,−CON(R6)− (ただし、R5は炭素数0もしくは1以上の脂肪族アル
    キレン基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜12
    の脂肪族アルキル基を示す。)の中から選ばれる結合基
    を示し、mは0もしくは1を示す。] で表わされる含フッ素化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】一般式[I]で表わされる含フッ素化合物
    を 含有することを特徴とする潤滑剤組成物。
  9. 【請求項9】非磁性支持体上に強磁性金属薄膜が形成さ
    れ ている磁気記録媒体において、前記強磁性金属薄膜上に
    直接あるいは保護膜を介して一般式[I]で表わされる
    含フッ素化合物を少なくとも1種以上含有する潤滑剤層
    が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
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