JP2553831B2 - 含フッ素化合物および含フッ素化合物を含有する潤滑剤組成物および磁気記録媒体 - Google Patents

含フッ素化合物および含フッ素化合物を含有する潤滑剤組成物および磁気記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高精度な潤滑が要求され
る精密機械、精密部品の潤滑剤あるいは界面活性剤、離
型剤、防錆剤等に有用な新規含フッ素化合物およびその
含フッ素化合物を含有する潤滑剤組成物およびその含フ
ッ素化合物を潤滑剤層に含有させた磁気テープ、磁気デ
ィスク等の磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械装置、部品の小型化、高精度化に伴
いそれらの摺動部における潤滑形態も流体潤滑から境界
潤滑へと移行してきている。とりわけ、VTR、磁気デ
ィスク等の電子機器、電子部品においては、記録密度の
向上を目的とした強磁性金属薄膜の採用により、磁気テ
ープや磁気ディスクと磁気ヘッドとの摺動には高精度の
潤滑が必要となってきた。たとえば、蒸着テープやハー
ドディスクではその耐久性、実用信頼性を確保しながら
磁気記録媒体と磁気ヘッドとのスペーシングロスを極力
小さくして高出力化を計るために、磁性層表面の潤滑剤
層はわずか数10Åの厚さとなるように形成される。し
たがって、この潤滑剤層を形成させる材料としては、特
に潤滑性能に優れた有機化合物の開発が重要な課題とな
っている。
【0003】金属薄膜型磁気記録媒体用の潤滑剤として
は、その分子内にフロロカーボン鎖を有するものが金属
薄膜との適合性に優れているため、多数のフロロカーボ
ン系潤滑剤が提案されている(たとえば、特開昭61−
107527号公報、特開昭61−107528号公
報、特開昭61−107529号公報、特開昭62−9
2225号公報、特開昭62−92226号公報、特開
昭62−92227号公報)。また、パーフロロアルキ
ルポリエーテル鎖から成る化合物を磁気記録媒体用の潤
滑剤としたものも提案されている(たとえば、米国特許
第3,778,308号、特開昭60−109028号
公報)。
【0004】一方、本発明の含フッ素化合物に類似の分
子構造を有するものとして(化7)が界面活性剤として
提案されている(米国特許第3,798,265号)。
【0005】
【化7】
【0006】(式中、R6は水素または炭素数1〜12
の脂肪族アルキル基を示し、R8は炭素数1、2または
5の脂肪族アルキレン基を示し、hは0〜8の整数を示
す。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】金属薄膜型磁気記録媒
体用の潤滑剤は金属薄膜表面あるいは保護膜表面と磁気
ヘッド表面に強く付着してそれらの表面に潤滑剤による
被覆層を形成し、それらの被覆層の接触点、すなわち磁
気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動面において潤滑剤分子
間で容易にせん断されることが重要である。ところで、
磁気記録媒体用の潤滑剤として従来公知のパーフロロア
ルキルポリエーテルはその分子表面のほとんどすべてが
フッ素原子で覆われているために分子間のせん断性は良
好であるが、その分子の極性が弱いために金属薄膜表面
あるいは保護膜表面と磁気ヘッド表面に付着する力は弱
い。この欠点を改善するために、パーフロロアルキルポ
リエーテルの分子末端に各種の極性基を導入したものが
提案されているが、その分子量が3,000以上のもの
は極性基導入の効果があまり得られず、極性基の効果を
高めるために分子量を低減すると、パーフロロアルキル
ポリエーテル分子間の相互作用が小さいためにそれ自体
の蒸発による潤滑剤の減少が生じる。すなわち、パーフ
ロロアルキルポリエーテルやその末端基変性物は金属薄
膜表面あるいは保護膜表面と磁気ヘッド表面への付着性
や安定性が悪く、その結果、これらの化合物を金属薄膜
型磁気記録媒体用の潤滑剤に用いたものは耐久信頼性、
特に磁性金属の凝着が磁気ヘッド表面で発生しやすい低
湿度環境下における性能に問題を有していた。
【0008】一方、前記先行文献に記載されるフロロカ
ーボン系潤滑剤は金属薄膜との適合性に優れているた
め、金属薄膜型磁気記録媒体に適用されてきたが、湿度
が10%RH以下となる低湿度環境下においては充分な
耐久性が得られないという問題を有していた。
【0009】以上のことを考慮して種々検討した結果、
同一分子内にフロロアルキルエーテル末端基と脂肪族炭
化水素末端基と特定の極性末端基とを有する含フッ素化
合物が金属薄膜型磁気記録媒体用の潤滑剤として最適で
あるという結論に達した。
【0010】本発明は金属薄膜型磁気記録媒体に対して
良好な耐久信頼性を付与する新規含フッ素化合物および
その含フッ素化合物を含有する潤滑剤組成物およびその
含フッ素化合物を潤滑剤層に含有させた磁気テープ、磁
気ディスク等の磁気記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、 「(1)下記一般式(化8)で示される含フッ素化合
物。
【0012】
【化8】
【0013】ここで、Rfは炭素数6〜50の(化
9)、(化10)、(化11)、(化12)、(化1
3)で表わされるフロロアルキルエーテル末端基を示し
(pは1〜15、qは1〜45の整数)、R1は炭素数
8〜30の脂肪族アルキル末端基もしくは脂肪族アルケ
ニル末端基を示し、R2およびR3は炭素数1以上の脂肪
族アルキレン基を示す。
【0014】
【化9】
【0015】
【化10】
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】(2)一般式(化8)で示される含フッ素
化合物を含有する潤滑剤組成物。 (3)非磁性支持体上に強磁性金属薄膜が形成されてい
る磁気記録媒体において、前記強磁性金属薄膜上に直接
あるいは保護膜を介して一般式(化8)で示される含フ
ッ素化合物を少なくとも1種以上含有する潤滑剤層が形
成されている磁気記録媒体。」に関するものである。
【0020】本発明の含フッ素化合物の末端基として
は、たとえば下記に示すようなものがある。
【0021】脂肪族炭化水素末端基すなわち脂肪族アル
キル末端基および脂肪族アルケニル末端基としては、次
の(化14)、(化15)、(化16)等があり、これ
らの末端基の総炭素数は8〜30(好ましくは12〜2
6)が適しており、総炭素数が7以下や31以上では潤
滑性が充分ではない(ただし、iおよびjは8以上の整
数を示し、kは0もしくは1以上の整数)。
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】フロロアルキルエーテル末端基としては、
(化9)、(化10)、(化11)、(化12)、(化
13)等があり、これらの末端基の総炭素数は6〜50
(好ましくは10〜30)が適しており、総炭素数が5
以下では潤滑性が充分ではなく、総炭素数が51以上で
は極性末端基の効果が低下する。
【0026】本発明の含フッ素化合物はフロロアルキル
エーテル基付第2アルキルアミンとω−ハロアルキルカ
ルボン酸エステルとの等モル混合溶液(溶媒としてはア
セトンやメチルエチルケトン等のプロトン性溶媒が適し
ている)に炭酸ソーダや炭酸カリウム等の弱アルカリ水
溶液を添加し、加熱還流させることにより脱ハロゲン化
反応と窒素・炭素結合反応を起こさせた後、強アルカリ
でエステル結合基を加水分解させて片末端基をカルボキ
シル基とすることにより製造することができる。この脱
ハロゲン化反応において、カルボキシル基はイミノ基と
親和してω−ハロアルキル基のイミノ基への攻撃を阻害
する。すなわち、カルボキシル基の存在は脱ハロゲン化
反応を阻害するため、カルボキシル基をエステル化する
などの方法によりマスキングすることによって窒素・炭
素結合反応が進行する。
【0027】本発明の含フッ素化合物の製造に用いるフ
ロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミンとして
は、たとえば下記に示す(化17)、(化18)、(化
19)、(化20)、(化21)のようなものがある。
ただし、R1は脂肪族アルキル末端基もしくは脂肪族ア
ルケニル末端基を示し、pは1〜15の整数を示し、q
は1〜45の整数を示す。
【0028】
【化17】
【0029】
【化18】
【0030】
【化19】
【0031】
【化20】
【0032】
【化21】
【0033】本発明の潤滑剤組成物としては一般式(化
8)で表わされる含フッ素化合物単独あるいはこれらと
他の潤滑剤との混合物が適しており、前記他の潤滑剤と
してはフロロカーボン系潤滑剤の使用が好ましい。とり
わけ、特開昭61−107527号公報、特開昭61−
107528号公報、特開昭61−107529号公
報、特開昭62−92225号公報、特開昭62−92
226号公報、特開昭62−92227号公報等に記載
されているものが好適である。さらにその他公知の潤滑
剤、防錆剤等を混合使用することもできる。
【0034】一般式(化8)で表わされる含フッ素化合
物は潤滑剤組成物中に20%以上、好ましくは30%以
上含有させることが必要で、20%未満であると本発明
の効果が得られ難い。
【0035】つぎに、一般式(化8)で表わされる含フ
ッ素化合物を含有する潤滑剤層を形成した強磁性金属薄
膜型磁気記録媒体の例について説明する。
【0036】強磁性金属薄膜型磁気記録媒体の磁性層上
には前記潤滑剤組成物が直接あるいは保護層を介して通
常の湿式塗布法あるいは真空蒸着等の乾式塗布法により
形成される。その付着量としては表面1m2当り0.0
5〜100mg、好ましくは0.1〜50mgとなるように
薄層状に存在させる。
【0037】強磁性金属薄膜としてはCo,Co−N
i,Co−Cr,Co−Fe,Co−Ni−Cr,Co
−Ni−Fe,Co−Ni−P,Co−Ni−Ta等あ
るいはこれらの部分酸化されたものが適用でき、これら
の薄膜は真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法、メッキ法等により形成される。また、必要
に応じてCr、Ti等の下地層を設けることも可能であ
り、下地層を含めた強磁性金属薄膜の厚みとしては50
0〜5,000Åが適当である。強磁性金属薄膜の表面
には必要に応じてCr,W,NiP等の金属系保護層、
SiO,SiC,カーボン,グラファイト,ダイヤモン
ドライクカーボン等の無機系保護層,フッ素樹脂,シリ
コン樹脂,エポキシ樹脂,ポリアミド樹脂,プラズマ重
合生成物,放射線重合生成物等の有機系保護層あるいは
複合系保護層等を形成させることができる。
【0038】非磁性支持体としてはガラス、セラミック
ス等の酸化物、Al合金、Ti合金等の金属あるいはポ
リエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカー
ボネート、ポリアクリレート等のプラスチックス等を主
体として用いることができる。さらに、その表面には必
要に応じてCo−Pメッキ、ポリイミドコーティング膜
等を形成させたものや微小粒状、山状、波状等の突起、
テクスチャ加工による突起等を設けたものが使用でき
る。それらの支持体の表面粗さとしては最大高さRmax
で50〜600Åが適当である。また、その形状として
はテープ、フィルム、シート、ディスク、カード、ドラ
ム等目的に応じて選定することができる。
【0039】
【作用】本発明の含フッ素化合物は同一分子内にフロロ
アルキルエーテル末端基と脂肪族炭化水素末端基と特定
の極性末端基とを有しており、その分子量が数100〜
3,000程度であるために極性末端基の効果が充分発
揮され、金属薄膜表面あるいは保護膜表面と磁気ヘッド
表面にこの極性末端基が強く付着する。また、フロロア
ルキルエーテル末端基は表面に露出してその表面の低エ
ネルギー化に寄与し、非粘着面を形成する。さらに、脂
肪族炭化水素末端基は柔軟な炭素−炭素結合鎖であり、
かつ隣接する他の分子の炭化水素鎖との適度な分子間相
互作用で配向するために良好な潤滑性を示す。
【0040】したがって、これらの各末端基の相乗効果
により過酷な低湿度環境を含む全環境において良好な潤
滑性能を発現し、金属薄膜型磁気記録媒体の耐久信頼性
に関する問題は解決されることになる。
【0041】
【実施例】以下、実施例1〜4においては含フッ素化合
物の例とその製造方法について、実施例5、12におい
てはそれらの含フッ素化合物を含有する潤滑剤組成物を
用いた磁気記録媒体の例について具体的に述べる。
【0042】(実施例1)(実施例1)は(化22)で
示される含フッ素化合物(分子量972)の製造に関す
る。
【0043】
【化22】
【0044】(化23)で表わされるフロロアルキルエ
ーテル基付第2アルキルアミン90.0g(0.10モ
ル)と3−ヨードプロピオン酸メチル21.4g(0.
10モル)とメチルエチルケトン(MEK)300ml
を撹拌翼と滴下ロートを備えた1lのフラスコに採取
し、昇温と撹拌を行ないながら炭酸ソーダ15.9gを
溶解した蒸留水100mlを約1時間で滴下した後、さ
らに8時間還流と撹拌を続けて反応を完結させた。
【0045】
【化23】
【0046】反応終了後、反応溶液からMEKを留去
し、反応混合物をヘキサン溶液とした。この溶液を蒸留
水で水層のpHが7になるまで繰り返し洗浄した後、こ
の溶液を無水芒硝で乾燥させた。つぎに、ヘキサンを留
去し、反応混合物をイソプロピルエーテル(IPE)溶
液とした後、5℃に冷却して未反応のフロロアルキルエ
ーテル基付第2アルキルアミン原料を除去した。つぎ
に、IPEを留去し、反応混合物をメタノール溶液とし
た後、0℃に冷却して未反応の3−ヨードプロピオン酸
メチル原料を除去した。このようにして得られた(化2
2)で表わされる含フッ素化合物のメチルエステル9
8.7g(0.10モル)と苛性ソーダ13.0gを溶
解した90%エタノール150mlを撹拌翼と滴下ロー
トを備えた1lのフラスコに採取し、3時間還流と撹拌
を続けた後、6N塩酸を反応溶液が酸性になるまで滴下
して沈澱物を生成させた。この沈澱物をクロロホルム溶
液とし、蒸留水で水層のpHが7になるまで繰り返し洗
浄した後、この溶液を無水芒硝で乾燥させた。つぎに、
クロロホルムを留去し、反応生成物をヘキサン溶液とし
た後、室温で再結晶させて融点110℃の白色固体を得
た。
【0047】この白色固体は以下に示す赤外分光分析
(IR)、GPCおよび有機質量分析(FD−MS)を
行うと、 IR;カルボン酸1,710cm-1の吸収ピーク出現 GPC;フロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミ
ン原料および3−ヨードプロピオン酸メチル原料 検出
されず FD−MS;m/e972に主ピーク有 であった。
【0048】これから出発原料および副生成物を含まな
い(化22)で表わされる含フッ素化合物であることが
判明した。
【0049】(実施例2)(実施例2)は(化24)で
示される含フッ素化合物(分子量950)の製造に関す
る。
【0050】
【化24】
【0051】(化25)(平均分子量890、p,qは
1〜9の整数)で表わされるフロロアルキルエーテル基
付第2アルキルアミン89.0g(0.10モル)とヨ
ード酢酸メチル20.0g(0.10モル)とMEK3
00mlを撹拌翼と滴下ロートを備えた1lのフラスコ
に採取し、昇温と撹拌を行ないながら炭酸ソーダ15.
9gを溶解した蒸留水100mlを約1時間で滴下した
後、さらに8時間還流と撹拌を続けて反応を完結させ
た。
【0052】
【化25】
【0053】反応終了後、(実施例1)と同様な精製処
理を行なって得た(化24)で表わされる含フッ素化合
物のメチルエステル96.4g(0.10モル)と苛性
ソーダ13.0gを溶解した90%エタノール150m
lを撹拌翼と滴下ロートを備えた1lのフラスコに採取
し、3時間還流と撹拌を続けた後、6N塩酸を反応溶液
が酸性になるまで滴下して沈澱物を生成させた。この沈
澱物を(実施例1)と同様な精製処理を行なって融点8
5℃の白色固体を得た。
【0054】この白色固体は、 IR;カルボン酸1,710cm-1の吸収ピーク出現 GPC;フロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミ
ン原料およびヨード酢酸メチル原料 検出されず FD−MS;m/e950に主ピーク有 であった。
【0055】これから出発原料および副生成物を含まな
い(化24)で表わされる含フッ素化合物であることが
判明した。
【0056】(実施例3)(実施例3)は(化26)で
示される含フッ素化合物(分子量2930)の製造に関
する。
【0057】
【化26】
【0058】(化27)(平均分子量2,730、pは
1〜15の整数)で表わされるフロロアルキルエーテル
基付第2アルキルアミンと12−ブロモドデカン酸メチ
ルを原料として、(実施例1)と同様の製造方法によっ
てワックス状半固体を得た。
【0059】
【化27】
【0060】このワックス状半固体は、 IR;カルボン酸1,710cm-1の吸収ピーク出現 GPC;フロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミ
ン原料および12−ブロモドデカン酸メチル原料 検出
されず FD−MS;m/e2,930に主ピーク有 であった。
【0061】これから出発原料および副生成物を含まな
い(化26)で表わされる含フッ素化合物であることが
判明した。
【0062】(実施例4)(実施例4)は(化28)で
示される含フッ素化合物(分子量1530)の製造に関
する。
【0063】
【化28】
【0064】(化29)(平均分子量1,420、p,
qは1〜20の整数)で表わされるフロロアルキルエー
テル基付第2アルキルアミンと6−ヨードヘキサン酸メ
チルを原料として、(実施例1)と同様の製造方法によ
ってワックス状半固体を得た。
【0065】
【化29】
【0066】このワックス状半固体は、 IR;カルボン酸1,710cm-1の吸収ピーク出現 GPC;フロロアルキルエーテル基付第2アルキルアミ
ン原料および6−ヨードヘキサン酸メチル原料 検出さ
れず FD−MS;m/e1,530に主ピーク有 であった。
【0067】これから出発原料および副生成物を含まな
い(化28)で表わされる含フッ素化合物であることが
判明した。
【0068】(実施例5)ポリエステルフィルム内に添
加されたシリカ微粒子による勾配のゆるやかな粒状突起
(平均高さ70Å、直径1μm)が表面100μm2
り数個存在し、しかも重合触媒残渣に起因する微粒子に
よる比較的大きな突起を極力低減させたポリエステルフ
ィルムの表面に、直径150Åのシリカコロイド粒子を
核とし紫外線硬化エポキシ樹脂を結合剤とする急峻な山
状突起を1mm2当り1×107個となるように形成させた
ものを非磁性基板とした。その上に連続真空斜め蒸着法
によりCo−Ni強磁性金属薄膜(Ni含有量20%、
厚膜1000Å)を微量の酸素の存在下で形成させた。
薄膜中の酸素含有量は原子分率で5%であった。
【0069】この試料に前記本発明の含フッ素化合物あ
るいはそれらと従来公知の潤滑剤との混合物を各々別々
に金属薄膜表面1m2当り10mgの存在量となるように
塗布して潤滑剤層を形成させた後、所定幅に裁断して磁
気テープを作製した。これらのテープを23℃、5%R
H環境下で市販ビデオデッキに掛けて繰り返し走行時の
出力特性を測定し、RF出力が初期値に対し3dB低下
するかあるいは出力変動の発生し始めるまでの走行回数
を求めた。これらの結果を(表1)に示す。なお、用い
た本発明の含フッ素化合物は前記の実施例番号で(表
1)中に示した。また、本発明の含フッ素化合物と従来
公知の潤滑剤との混合物により潤滑剤層を形成した例も
併せて記した。
【0070】
【表1】
【0071】(表1)より、本発明の含フッ素化合物を
含有する潤滑剤層を有する磁気テープ試料はすべて低湿
度中における繰り返し走行耐久性に優れていることがわ
かる。一方、従来公知の潤滑剤のみから成る潤滑剤層を
有する磁気テープ試料は比較例の通り、低湿度中での耐
久性に劣る。
【0072】(実施例12)直径95mm、厚さ1.2mm
のAl合金板の表面に厚さ25μmの非磁性Ni−P合
金メッキを施し、テクスチャ加工により平均粗さ50
Å、最大高さ300Åの突起を形成したものを非磁性基
板とした。その上にスパッタリング法によって厚さ1,
300ÅのCr下地と厚さ600ÅのCo−Ni強磁性
金属薄膜を形成し、さらにその上にスパッタリング法に
よって厚さ200Åのグラファイト保護層を形成させた
ものを試料Aとする。前記において、グラファイト保護
層の代わりにプラズマCVD法によって厚さ50Åのダ
イヤモンドライクカーボン保護層を形成させたものを試
料Bとする。これらの試料に前記本発明の含フッ素化合
物あるいはそれらと従来公知の潤滑剤との混合物を各々
別々に保護層表面1m2当り10mgの存在量となるよう
に塗布して潤滑剤量を形成させた。これらの磁気ディス
クを23℃、5%RH環境下でCSS耐久試験を実施
し、摩擦係数が1.0を超えた時点のCSS回数または
ヘッドクラッシュ発生時のCSS回数で耐久性の判定を
行なった。これらの結果を(表2)に示す。なお、用い
た本発明の含フッ素化合物は前記の実施例番号で(表
2)中に示した。また、本発明の含フッ素化合物と従来
公知の潤滑剤との混合物により潤滑剤層を形成した例も
併せて記した。
【0073】
【表2】
【0074】(表2)より、本発明の含フッ素化合物を
含有する潤滑剤層を有する磁気ディスク試料はすべて低
湿度中におけるCSS耐久性に優れていることがわか
る。一方、従来公知の潤滑剤のみから成る潤滑剤層を有
する磁気ディスク試料は比較例の通り、低湿度中での耐
久性に劣る。
【0075】
【発明の効果】本発明の含フッ素化合物は同一分子内に
フロロアルキルエーテル末端基と脂肪族炭化水素末端基
とカルボキシル末端基とを有する特異構造のものであ
り、それらの各末端基の相乗効果により過酷な低湿度環
境を含む全環境において良好な潤滑性能を発現する。
【0076】したがって、本発明の含フッ素化合物はそ
れ単独での利用はもちろんのこと、それらと従来公知の
化合物との混合物から成る潤滑剤として、さらにはそれ
らを潤滑剤層とする磁気記録媒体として利用できるため
にその工業的価値は非常に大きい。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(化1)で示される含フッ素化合
    物。 【化1】 ここで、Rfは炭素数6〜50の(化2)、(化3)、
    (化4)、(化5)、(化6)で表わされるフロロアル
    キルエーテル末端基を示し(pは1〜15、qは1〜4
    5の整数)、R1は炭素数8〜30の脂肪族アルキル末
    端基もしくは脂肪族アルケニル末端基を示し、R2およ
    びR3は炭素数1以上の脂肪族アルキレン基を示す。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
  2. 【請求項2】一般式(化1)で示される含フッ素化合物
    を含有することを特徴とする潤滑剤組成物。
  3. 【請求項3】非磁性支持体上に強磁性金属薄膜が形成さ
    れている磁気記録媒体において、前記強磁性金属薄膜上
    に直接あるいは保護膜を介して一般式(化1)で示され
    る含フッ素化合物を少なくとも1種以上含有する潤滑剤
    層が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
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