JPH04262792A - 蛋白質の精製法 - Google Patents

蛋白質の精製法

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JPH04262792A
JPH04262792A JP3001790A JP179091A JPH04262792A JP H04262792 A JPH04262792 A JP H04262792A JP 3001790 A JP3001790 A JP 3001790A JP 179091 A JP179091 A JP 179091A JP H04262792 A JPH04262792 A JP H04262792A
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JP
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antibody
purification method
fraction
igg
column
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JP3001790A
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English (en)
Inventor
Tadashi Nishimura
紀 西村
Hiroaki Omae
大前 弘明
Susumu Iwasa
岩佐 進
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH04262792A publication Critical patent/JPH04262792A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動物細胞の培養上清中に
蓄積された蛋白質の精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年遺伝子工学および細胞工学技術の進
歩にともなって、動物細胞を培養することによって得ら
れる蛋白質、特にモノクローナル抗体の生化学および医
薬品分野等における利用が急速に広まり、その精製法に
関してもおびただしい数の報告(例えば「ライフサイエ
ンスのための高速液体クロマトグラフィー  −基礎と
実験」271頁  中川照真,牧野圭祐著  広川書店
  1988年を参照)がなされている。最近では、硫
酸アンモニウム等による沈澱,ついでDEAE(ジエチ
ルアミノエチル)イオン交換クロマトグラフィーによる
従来からの精製法に加えて、固定化プロテインAやGを
用いるアフィニティークロマトグラフィーによる精製が
主流となりつつある。
【0003】一方、最近の抗体産生ハイブリドーマ作成
技術の進歩は新しいタイプのトリオーマやテトラオーマ
といったポリドーマの出現をもたらし[C. Mils
tein:ネーチャー(Nature),305,53
7(1983);M. R. Sureshら:プロシ
ーディング・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンス,ユーエスエー(Proc. Natl. A
cad.Sci. U.S.A.),83, 7989
(1986)]、新しい機能をもった第2世代の抗体と
もいうべき二重特異性を有する抗体の作製を可能にした
[特開昭58−59994号公報,特開昭63−122
76号公報]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、培養上清中の
微量のIgGに代表される免疫グロブリン特にヒト−ヒ
トハイブリドーマ培養上清中に蓄積される微量のIgG
型ヒトモノクローナル抗体を通常の硫酸アンモニウム等
による塩析法で集めることはロスが多く効率的ではない
。一方、アフィニティークロマトグラフィーによるIg
G画分の捕捉法はカラムから脱離してくるプロテインA
やGの混入が危惧されることから、他の有効なIgGの
分離精製法が求められている。
【0005】一方、上記したトリオーマやテトラオーマ
といったポリドーマは通常のハイブリドーマのように1
種類のモノクローナル抗体を産生するのではなく、理論
的には目的の二重特異性抗体を含めて10種類のIgG
分子を産生し、これらを完全に分離することはきわめて
困難であった。従来からの精製法では、イオン交換クロ
マトグラフィーやヒドロキシアパタイト(HCA)クロ
マトグラフィー,特に蛋白分離能に優れた後者のHCA
クロマトグラフィーが繁用されてきたが、それでもなお
二重特異性抗体の単離が困難な例が数多く見られた。ま
た、純度の高い対象抗原が多量に得られる時は、これを
担体に結合させ抗原カラムを作成してアフィニティーク
ロマトグラフィーに供することにより精製でき、この場
合対象となる2種の抗原カラムを用いることにより、二
重特異性抗体を精製することが可能である。しかしこの
方法では抗原カラムに結合した二重特異性抗体を溶離す
るために、強酸性もしくは強アルカリ性水溶液などを用
いる必要があり、これを2度繰り返すことによる二重特
異性抗体の活性低下が無視しえない。さらに、純度の高
い該抗原を2種とも多量に取得することが困難である場
合があり、特に癌関連抗原や細胞表面マーカーあるいは
生体の微量活性成分が抗原である場合には抗原カラムの
作成がほとんど不可能である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決するため、塩析法やアフィニティークロマトグ
ラフィーを用いることなく、免疫グロブリン産生細胞の
培養上清中に蓄積された微量の抗体を精製する方法につ
いて鋭意検討を進めた。その結果、疎水クロマトグラフ
ィーを用いて、培養上清中の微量の免疫グロブリン画分
を濃縮・捕捉して該免疫グロブリン画分を精製する効率
的な精製法を見い出した。
【0007】また、本発明者らは、抗体分子間のわずか
な構造の相違を認識し、かつ大量の二重特異性抗体含有
培養上清から純度の高い二重特異性抗体のみを単離する
精製法についても鋭意検討を進めた。その結果、意外に
も疎水クロマトグラフィーに無機塩の濃度勾配溶出法を
組み合わせることにより、二重特異性抗体を大量にかつ
効率的に精製する方法を見い出し、さらにこの疎水クロ
マトグラフィーにヒドロキシアパタイト(HCA)カラ
ムを用いる吸着クロマトグラフィーを組み合わせること
により、高純度の二重特異性抗体の単離が可能になるこ
とをも見い出した。
【0008】これらの知見をもとに、本発明者らは、こ
の方法が一般的に動物細胞の培養上清中に蓄積される蛋
白質の基本的かつ有効な精製法となり得ることを見い出
し、さらに研究を進め本発明を完成するに至った。すな
わち本発明は、動物細胞の培養上清中に蓄積された蛋白
質を無機塩の存在下疎水担体に吸着させ、次いで塩濃度
を下げることにより蛋白質画分を分離・採取することを
特徴とする蛋白質の精製法を提供するものである。特に
、本発明はハイブリドーマ上清中に蓄積された免疫グロ
ブリンを無機塩の存在下疎水担体に吸着させ、次いで塩
濃度を下げることにより免疫グロブリンを取得すること
を特徴とする免疫グロブリンの精製法を提供するもので
あり、さらに本発明は、二重特異性抗体産生細胞の培養
上清中に蓄積された該抗体を高濃度無機塩の存在下、疎
水担体に吸着させ、次いで濃度勾配により塩濃度を下げ
ることにより、二重特異性抗体画分を単離することを特
徴とする二重特異性抗体の精製法をも提供するものであ
る。さらには、上記のごとく疎水クロマトグラフィーに
より得られた二重特異性抗体画分を、吸着クロマトグラ
フィーに供し、より純度の高い二重特異性抗体を取得す
ることを特徴とする精製法をも提供するものである。
【0009】本発明における蛋白質としては、動物細胞
の培養上清中に蓄積されうる蛋白質であればいずれでも
よいが、なかでも分子量が約5,000〜900,00
0の蛋白質が好ましく、さらに分子量が約10,000
〜200,000の有用生理活性蛋白質が好ましく、と
りわけ免疫グロブリン(例、IgGなど)が好ましく用
いられる。ここで、免疫グロブリンは抗体活性(抗原に
対する結合能)を有するものであればいずれでもよく、
例えば蛋白分解酵素処理などにより得られるF(ab′
)2やFab断片など、あるいはマウス−ヒトキメラ抗
体などであってもよい。
【0010】免疫グロブリン産生細胞としては、免疫グ
ロブリンを産生しうる細胞であればいずれの細胞を用い
てもよいが、なかでもモノクローナル抗体を産生する細
胞が好ましく用いられ、とりわけIgG型モノクローナ
ル抗体を安定に産生するハイブリドーマが好ましい。ヒ
トIgG型モノクローナル抗体産生ハイブリドーマとし
ては、例えばHBsAg(ヒトB型肝炎ウイルス表面抗
原)に対するヒトモノクローナル抗体を産生するヒト−
ヒトハイブリドーマHBW−4.16,HBW−6.2
0, W471−7.24[IFO  50094]〔
バイオテクノロジー,7,374(1989)参照〕な
どが挙げられる。IgGはいずれのサブクラスに属する
ものであっても本発明の精製法に用いることができるが
、ヒトモノクローナル抗体の場合にはIgG1またはI
gG2とりわけIgG1が好都合に用いられる。
【0011】二重特異性抗体産生細胞としては、二重特
異性抗体を産生しうるいずれの細胞を用いてもよいが、
特にIgG型モノクローナル抗体(MoAb)を安定的
に産生するポリドーマが好ましい。特に、2種の異なっ
たIgGサブクラスもしくは抗体L鎖(κ鎖およびλ鎖
)を産生するポリドーマの場合に本発明は好ましく用い
られる。ポリドーマとしては、例えばアンサマイトシン
(ANS)およびヒトトランスフェリンレセプター(h
TfR)に対する二重特異性IgG MoAbを産生す
るマウステトラオーマATF1−170[IFO  5
0182,FERM  BP−2234;特願平1−3
33720号明細書(EP公開第376176号公報)
参照],組織プラスミノ−ゲンアクチベータ(TPA)
およびフィブリンに対する二重特異性IgG MoAb
を産生するマウステトラオーマFT2−14[IFO 
 50180,FERM  BP−2158;EP公開
第363712号公報参照],ウロキナーゼ(UK)お
よびフィブリンに対する二重特異性IgG  MoAb
を産生するマウステトラオーマFU1−74[IFO 
 50185,FERM  BP−2334;EP公開
第363712号公報参照],TPAおよび西洋ワサビ
パーオキシダーゼ(HRP)に対する二重特異性IgG
 MoAbを産生するマウステトラオーマHT2−26
3[IFO  50235,FERM  BP−281
7;特願平2−66810号明細書参照],ヒトリンホ
トキシン(hLT)およびHRPに対する二重特異性I
gGMoAbを産生するマウストリオーマPLTI−1
09[IFO  50166,FERM  BP−18
40;EP公開第338497号公報参照]などが挙げ
られる。
【0012】動物細胞なかでも上記した免疫グロブリン
(例、IgGなど)産生細胞の培養は、通常液体培地中
または動物の腹腔内(通常は同系マウスまたはヌードマ
ウス等哺 乳動物の腹腔内)で行うが、なかでも液体培
地における培養上清が本発明の精製 法に好ましく用い
られる。液体培地としては、例えば動物細胞培養用基礎
培地〔イスコフ培地とハムF12培地の等量混合培地(
I・H培地)やRPMI  1640培地など〕に牛胎
児血清(FCS)等を添加したもの、あるいはGIT培
地(和 光純薬工業株式会社販売)(哺乳動物の血清を
混在微生物の不活化工程および塩析,脱塩工程を含む精
製処理に付すことによって製造される哺乳動物血清由来
の動物細胞培養用組成物;特開昭60−145088号
公報参照)、PEG86−1 培地〔北野ら:第4回次
世代産業基盤技術シンポジウム−バイオテクノロジー 
 −予稿集,p 51(1986),Appl. Mi
crobiol. Biotechnol., 27,
533(1988)〕、HSA(ヒト血清アルブミン)
添加培地などの無血清培地などが挙げられるが、なかで
も無血清培地が本発明の精製法に有利に用いられる。培
養は通常約3〜60日間,好ましくは約5〜10日間,
約30〜38℃,好ましくは約37℃で行う。
【0013】動物細胞の培養上清をそのまま以下に示す
本発明の精製法に付すことにより、動物細胞の培養上清
中に蓄積された蛋白質(例、IgGなどの免疫グロブリ
ンなど)を精製することができる。すなわち、動物細胞
の培養上清に無機塩を添加し、ついで蛋白質画分を疎水
担体に吸着させる。ここで、無機塩としては、硫酸アン
モニウム,硫酸ナトリウム,塩化ナトリウムなどが挙げ
られるが、なかでも硫酸アンモニウムが好ましい。無機
塩の添加量は、例えば硫酸アンモニウムを用いる場合に
は、所望の蛋白質が塩析されない濃度であればいくらで
もよいが、塩析される直前の濃度が、疎水担体への吸着
効率の点からより好ましく、例えば所望蛋白質が免疫グ
ロブリンの場合には飽和度約25〜32%が好ましい。 吸着に用いる疎水担体としては蛋白質の疎水基と相互作
用しうるものであればいずれでもよく、例えば疎水基と
してプロピル基,ブチル基,オクチル基,フェニル基,
エーテル基等を有する疎水担体のいずれも用いることが
できるが、中でもブチル基を有する疎水担体[例えばブ
チル−トヨパール(東ソー(株)),ブチル−セルロフ
ァイン(チッソ(株))など]やエーテル基を有する疎
水担体[例えばエーテル−トヨパール(東ソー(株))
やTSKゲル・エーテル−5PW(東ソー(株))など
]の使用が好ましい。この他の例としては、通常はゲル
ろ過クロマトグラフィーに用いるアサヒパックGS32
0HやGS520H(旭化成(株))もその疎水性の性
質を生かして疎水クロマトグラフィーに利用できる。吸
着法はバッチ式,カラム式のいずれの方法でもよいが、
二重特異性抗体の大量精製にはカラム式が適している。 また、カラム式の吸着法を用いる場合、カラムに通す培
養上清液量はカラム容量1対し、約50〜500なかで
も約100〜200とするのが望ましい。疎水担体に吸
着された蛋白質(例、IgGなど免疫グロブリンなど)
画分の溶出は無機塩の濃度を下げることにより行う。溶
出法としては、無機塩の濃度を段階的に下げる段階的溶
出法、あるいは連続的に濃度を下げる濃度勾配溶出法の
いずれを用いてもよい。また、溶出のための塩濃度は所
望蛋白質の吸着に用いた濃度から0%(例、水,緩衝液
などの水溶液)までの間で効率的な溶出が可能である濃
度いずれを選択してもよい。例えば、免疫グロブリンな
どの溶出において、疎水担体としてブチル基を有する疎
水担体を用い、無機塩として硫酸アンモニウムを用いる
場合には、通常硫酸アンモニウムの濃度を飽和度約8〜
22%、好ましくは約8〜12%に下げることによりI
gG画分の溶出を行うが、無機塩の濃度は培養に用いる
培地の成分等に応じて適宜選択することができる。特に
、二重特異性抗体精製の場合には、例えばエーテル基を
有する疎水担体が好ましく用いられ、その溶出は無機塩
の濃度をゆるやかに減少させることにより実施され、例
えば硫酸アンモニウム濃度30%飽和度から0%飽和度
までの濃度勾配溶出法が使用できる。以上の疎水担体に
よる吸着・脱離操作により不純物の大部分を除去しつつ
、蛋白質(例、IgGなどの免疫グロブリンなど)画分
を一気に濃縮・捕捉することができる。得られた蛋白質
画分のより一層の精製を行うには、自体公知の分離・精
製法を適切に組み合わせて行うことができる。これら公
知の分離・精製法としては、ゲルろ過法,イオン交換ク
ロマトグラフィー,吸着クロマトグラフィー,高速液体
クロマトグラフィーなどが挙げられるが、免疫グロブリ
ンのより一層の精製にはなかでもイオン交換クロマトグ
ラフィー[例、CM(カルボキシメチル)基を交換基と
するイオン交換クロマトグラフィーなど]、ついで吸着
クロマトグラフィー(例、ヒドロキシアパタイトを担体
とするクロマトグラフィーなど)を組合わせる方法が好
ましく、さらにゲルろ過法を組合わせることにより、一
層高純度の免疫グロブリンを取得することができる。特
に、二重特異性抗体の単離・精製には、本発明の疎水ク
ロマトグラフィーをヒドロキシアパタイトクロマトグラ
フィーなどの吸着クロマトグラフィーと組み合わせるこ
とにより効率的に実施できる。なお、上記各クロマトグ
ラフィーは低圧,中圧,高圧(高速)のいずれの方式を
用いても行うことができる。
【0014】本発明の精製法により得られる免疫グロブ
リン(例、IgGなど)は純度が高いので、そのまま、
あるいは他の薬理学的に許容され得る担体,賦形剤,希
釈剤,さらに二重特異性抗体の場合には、該抗体により
標的部位に運搬される薬物(例、ANS,TPAなど)
などとともに医薬組成物(例、注射剤など)としての製
剤化 を行い、温血動物(例、ヒト,サルなど)に対し
て非経口的に安全に投与することができる。該製剤とし
ては、たとえば注射剤あるいは注射投与に用いるための
溶液,凍結品もしくは凍結乾燥品などの形態のものが好
ましい。 医薬組成物としての製剤化にあたっては、公知の製剤学
的製造に準じ、所望により製剤学的に許容され得る添加
剤,希釈剤,賦形剤などを用いる。たとえば、注射用水
溶液剤とする場合は、水性溶剤(例、蒸留水),水溶液
溶剤(例、生理的食塩水,リンゲル液),油性溶剤(例
、ゴマ油,オリーブ油)等の溶剤,または所望により溶
解補助剤(例、サリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム
),緩衝剤(例、クエン酸ナトリウム,グリセリン),
等張化剤(例、ブドウ糖,転化糖),安定剤(例、ヒト
血清アルブミン,ポリエチレングリコール),保存剤(
例、ベンジルアルコール,フェノール),無痛化剤(例
、塩化ベンザルコニウム,塩酸プロカイン)等の添加剤
を用いて、常套手段により製造される。また、たとえば
固型状注射用製剤とするには、希釈剤(例、蒸留水,生
理的食塩水,ブドウ糖),賦形剤[例、カルボキシメチ
ルセルロース(CMC),アルギン酸ナトリウム],保
存剤(例、ベンジルアルコール,塩化ベンザルコニウム
,フェノール),無痛化剤(ブドウ糖,グルコン酸カル
シウム,塩酸プロカイン)等を混合し、常套手段により
、固型状注射用製剤に製造することができる。さらに、
製剤化にあたっては、ブドウ糖などの単糖類や、アミノ
酸,各種塩類,ヒト血清アルブミンなどを添加しても良
く、その他に等張化剤、pH調節剤,無痛化剤,防腐剤
などを加えて安定で有効な免疫グロブリン製剤を調製す
ることができる。 上記の精製法により得られる抗体、例えば抗HBsAg
ヒトモノクローナル抗体を投与する場合には、HBsA
g陽性血液による汚染事故や新生児のB型肝炎の予防に
、1日量約0.1〜20mg/ヒトの投与が適切である
。また上記の精製法により得られる二重特異性抗体、例
えば抗ANS−抗hTfR二重特異性抗体を成人の癌患
者に静脈内投与する場合、投与量は1日当り約0.01
〜2mg/kg,好ましくは約0.02〜0.5mg/
kgである。また抗TPA−抗フィブリン二重特異性抗
体を、例えば心筋梗塞患者に静脈内投与する場合、投与
量は1日当り約0.02〜1mg/kg,好ましくは約
0.04〜0.4mg/kgである。一方、診断に供す
る場合にも上記の精製法で得られた二重特異性抗体は、
そのまま、あるいは適当な希釈剤,緩衝剤,安定剤,保
存剤,防腐剤などと混じて使用できる。
【0015】
【実施例】本発明の明細書および図面において、アミノ
酸等の略号で表示する場合には、IUPAC−IUB 
 Commission on Biochemica
l Nomenclature による略号あるいは当
該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を
以下に示す。またアミノ酸に関し光学異性体がある場合
は、特に明示しなければL−体を示すものとする。 SDS    :ドデシル硫酸ナトリウムGly   
   :グリシン Ala      :アラニン Val      :バリン Leu      :ロイシン Ile      :イソロイシン Ser      :セリン Thr      :スレオニン Cys      :システイン Met      :メチオニン Glu      :グルタミン酸 Gln      :グルタミン Asp      :アスパラギン酸 Asn      :アスパラギン Lys      :リジン Arg      :アルギニン His      :ヒスチジン Phe      :フェニールアラニンTyr   
   :チロシン Trp      :トリプトファン Pro      :プロリン Asx      :Asp+Asn Glx      :Glu+Gln 以下に参考例,実施例をもって本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は、これによってなんら限定されるも
のではない。
【0016】実施例1 抗HBsAgヒトモノクローナ
ル抗体の精製 0.1%のPEG(ポリエチレングリコール)−200
00を添加したPEG86−1培地で、ヒト−ヒトハイ
ブリドーマHBW−4.16株の培養を行い、培養終了
後、5℃で一晩静置した。細胞を沈降させたあと、上澄
液をポンプで吸い出し、培養上清100lを得た。この
培養上清に硫酸アンモニウム17.6kgを添加して溶
解し、30%飽和硫酸アンモニウム溶液とした。この液
をあらかじめ100mMリン酸緩衝液(pH6.8)+
30%飽和硫酸アンモニウム溶液で平衡化したブチル−
トヨパール650C(東ソー(株))カラム(12.5
cmI.D.×24.5cm)に注ぎ込み吸着を行った
。100mMリン酸緩衝液(pH6.8)+30%飽和
硫酸アンモニウム溶液10lでカラムを洗浄したあと、
50mMリン酸緩衝液(pH6.8)+20%飽和硫酸
アンモニウム溶液で溶出を行い、1.2lの抗体画分を
得た。この抗体画分を10mMリン酸緩衝液(pH6.
5,20l×2回)に対して透析を行った。透析終了後
、内液を遠心分離(10,000 rpm,30分)し
た。遠心分離した内液の上清2lを、あらかじめ20m
Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡化したCM−トヨ
パール650M(東ソー(株))のカラム(4.5cm
I.D.×15.0cm)に注ぎ込み、吸着を行った。 カラムは20mMリン酸緩衝液(pH6.8)2lで洗
浄し、ついで20mMリン酸緩衝液(pH6.8)1l
と20mMリン酸緩衝液(pH 6.8)+100mM
NaCl 1lの間で直線濃度勾配をかけて溶出を行っ
た。主要溶出画分302mlを集め抗体画分とした。こ
の画分を20mMリン酸緩衝液(pH6.8)で525
mlに希釈し、2回に分けてHCA(ハイドロキシアパ
タイト)(三井東圧(株))カラム(ガードカラム:2
0.0mmI.D.×30.0mm,メインカラム:2
0.0mmI.D.×250.0mm)で処理した。カ
ラムを20mMリン酸緩衝液で洗浄したあと、20mM
と500mMのリン酸緩衝液の間で直線濃度勾配をかけ
て高速液体クロマトグラフィーを行った。主要溶出画分
46mlを抗体画分として集めた。この画分をあらかじ
め20mMリン酸緩衝液(pH7.3)で平衡化したト
ヨパールHW−55F(東ソー(株))カラム(5.0
cmI.D.×47.0cm)に負荷し、同じ系で展開
を行い、主要溶出画分159mlを集めた。この画分を
、あらかじめ20mMリン酸緩衝液(pH6.8)で平
衡化しておいたパイロセップ(ダイセル(株))カラム
(1.1cmI.D.×5.0cm)に通過させ、混在
する可能性のあるエンドトキシンを除去した。通過液に
NaClを加え、150mMになるようにした。除菌ろ
過を行い、抗HBsAgヒトモノクローナル抗体HBW
4精製原液313ml(蛋白質量437mg:Lowr
y法)を得た。ヒト−ヒトハイブリドーマW471−7
.24およびHBW−6.20がそれぞれ産生する抗H
BsAgヒトモノクローナル抗体  W471およびH
BW6についても、上記の抗HBsAgヒトモノクロー
ナル抗体HBW4の精製法と同様の方法で取得できた。 表1に上記で取得した3種の抗体(HBW4,W471
,HBW6)の酸分解物のアミノ酸組成分析の結果を示
した。表2に各抗体のL鎖のN末端アミノ酸配列分析の
結果を示した。H鎖はいずれもブロックされており検出
できなかった。表3に各抗体のC末端アミノ酸分析の結
果を示した。表4に各抗体の抗体価をAUSAB−EI
A(ダイナボット社)を用いて測定した結果を示した。 表1  アミノ酸組成分析   ───────────────────────
───                      
  組    成  (%)            
  ────────────────────   
 アミノ酸    HBW4    W471    
HBW6  ───────────────────
───────      Asx        7
.52        8.72        8.
44      Thr        7.52  
      6.89        6.67   
   Ser        8.24       
 7.86        8.21      Gl
x       10.49       10.78
       10.74      Pro    
    7.74        7.05     
   6.61      Gly        7
.77        7.53        7.
53      Ala        6.44  
      5.21        5.79   
   Cys*       2.99       
 2.55        2.66      Va
l        9.72        9.68
        9.27      Met    
    0.41        0.88     
   1.12      Ile        2
.40        2.12        2.
23      Leu        7.78  
      8.14        8.02   
   Tyr        4.60       
 4.59        4.91      Ph
e        2.74        3.78
        4.04      Lys    
    6.40        6.81     
   6.70      His        2
.43        2.31        2.
29      Arg        3.01  
      3.50        3.30   
   Trp        1.80       
 1.60        1.47  ──────
────────────────────*  Cy
sSO3Hとして測定した。   表2  L鎖のN末端アミノ酸配列分析─────
──────────────────────  S
tepNo.    HBW4      W471 
     HBW6────────────────
───────────     1        
Ser( 81)      Glu(248)   
   Asp(199)     2        
Glu(253)      Ile(377)   
   Ile(400)     3        
Val(521)      Val(730)   
   Gln(125)     4        
Ser( 69)      Met(736)   
   Met(416)     5        
Tyr(407)      Thr(112)   
   Thr(105)     6        
Glu(268)      Gln(539)   
   Gln(269)     7        
Leu(533)      Ser( 73)   
   Ser( 22)     8        
Thr(100)      Pro(550)   
   Pro(308)     9        
Gln(248)      Ala(708)   
   Ser( 91)    10        
Pro(320)      Thr(103)   
    X     11        Ser( 
59)      Leu(682)      Le
u(371)    12        Val(4
46)      Ser( 63)      Se
r( 49)    13         X   
         Val(673)      Al
a(220)    14         X   
         Ser( 58)       X
    15         X         
   Pro(385)       X    16
         X            Gly
(474)       X    17      
   X            Glu(232) 
      X    18         X  
           X             
X    19         X        
     X    20         X   
          X──────────────
─────────────  サフ゛ク゛ルーフ゜ 
     λIV          κIII   
       κI────────────────
───────────X :アミノ酸が不明 (  ):検出されたPTH−アミノ酸、pmol  
表3  C末端アミノ酸分析   ───────────────────────
────                   検出
された   回収率    予想される       
            アミノ酸    (mol/
mol)  アミノ酸  ─────────────
──────────────           
 H鎖    Gly         0.37  
      Gly  HBW4             L鎖    Ser    
     0.53        Ser     
       H鎖    Gly         
0.38        Gly  W471             L鎖      −    
      −         Cys      
      H鎖    Gly         0
.31        Gly  HBW6             L鎖      −    
      −         Cys  ────
───────────────────────  
  ヒドラジン分解法:100℃,5時間  表4  
抗体価   ───────────────────────
────              タンパク濃度 
      IgG濃度            ──
───────              lowr
y     A280     (ELISA)   
 抗体価             (mg/ml) 
            (mg/ml)  ────
───────────────────────  
 HBW4    1.4     1.520   
   1.08      105〜106   W4
71    1.4     1.386      
0.82      105〜106   HBW6 
   1.3     1.391      1.1
3      106〜5×106  ───────
────────────────────得られた各
抗体(HBW4,W471,HBW6)の精製標品を、
それぞれSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(還
元条件:100mMDTT(ジチオトレイトール),9
5℃,3分;濃縮用ゲル:6%;分離用ゲル:12.5
%)およびゲルパーミエイションクロマトグラフィー(
GPC)(カラム:TSKgel G3000 SW(
7.5mmI.D.×60cm);展開緩衝液:100
mMリン酸緩衝液+100mM 硫酸ナトリウム(pH
6.8);流速: 0.5ml/min;検出:280
nm;温度:室温;試料注入量:50μl)で分析した
結果を、図1および図2に示す。
【0017】実施例2 抗HBsAgヒトモノクローナ
ル抗体の精製 実施例1で用いた0.1%のPEG(ポリエチレングリ
コール)−20000の代りに0.1%のPEG−40
00を添加したPEG86−1培地でヒト−ヒトハイブ
リドーマHBW−4.16株の培養を行い、培養終了後
、5℃で一晩静置した。細胞を沈降させたあと、上澄液
をポンプで吸い出し、培養上清 24lを得た。この培
養上清に硫酸アンモニウム4.2kgを添加して溶解し
、30%飽和硫酸アンモニウム溶液とした。この液をあ
らかじめ 100mMリン酸緩衝液(pH6.8)+3
0%飽和硫酸アンモニウム溶液で平衡化したブチル−ト
ヨパール650C(東ソー(株))カラム(10 cm
I.D.×18.5cm)に注ぎ込み吸着を行った。 
100mMリン酸緩衝液(pH6.8)+30%飽和硫
酸アンモニウム溶液5l、次いで100mMリン酸緩衝
液(pH6.8)+20%飽和硫酸アンモニウム溶液2
lでカラムを洗浄したあと、50mMリン酸緩衝液(p
H6.8)+10%飽和硫酸アンモニウム溶液で溶出を
行い、0.8lの抗体画分を得た。この抗体画分を10
mMリン酸緩衝液(pH6.5,20l×2回)に対し
て透析を行った。透析終了後、内液を遠心分離(10,
000 rpm,30分)した。遠心分離した内液の上
清1.25lを、あらかじめ20mMリン酸緩衝液(p
H6.5)で平衡化したCM−トヨパール650M(東
ソー(株))のカラム(4.5cmI.D.×15.0
cm)に注ぎ込み、吸着を行った。カラムは20mMリ
ン酸緩衝液(pH6.8)2lで洗浄し、ついで20m
Mリン酸緩衝液(pH6.8)1lと20mMリン酸緩
衝液(pH6.8)+100mM  NaCl 1lの
間で直線濃度勾配をかけて溶出を行った。主要溶出画分
360mlを集め抗体画分とした。この画分を20mM
リン酸緩衝液(pH6.8)で500mlに希釈し、H
CA(ハイドロキシアパタイト)(三井東圧(株))カ
ラム(ガードカラム:20.0mmI.D.×30.0
mm,メインカラム:20.0mm I.D.×250
.0mm)で処理した。カラムを20mMリン酸緩衝液
で洗浄したあと、20mMと500mMのリン酸緩衝液
の間で直線濃度勾配をかけて高速液体クロマトグラフィ
ーを行った。主要溶出画分50mlを抗体画分として集
めた。この画分を、あらかじめ20mMリン酸緩衝液(
pH7.3)で平衡化したトヨパールHW−55F(東
ソー(株))カラム(5.0cmI.D.×47.0c
m)に負荷し、同じ系で展開を行い、主要溶出画分をあ
らかじめ20mMリン酸緩衝液(pH6.8)で平衡化
しておいたパイロセップ(ダイセル(株))カラム(1
.1cmI.D.×5.0cm)に通過させ、混在する
可能性のあるエンドトキシンを除去した。通過液にNa
Clを加え、150mMになるようにした。除菌ろ過を
行い、抗HBsAgヒトモノクローナル抗体HBW4精
製原液191ml(蛋白質量217mg:Lowry法
)を得た。ヒト−ヒトハイブリドーマW471−7.2
4およびHBW−6.20がそれぞれ産生する抗HBs
Agヒトモノクローナル抗体W471およびHBW6に
ついても、上記の抗HBsAgヒトモノクローナル抗体
HBW4の精製法と同様の方法で取得できた。
【0018】実施例3  抗HBsAgヒトモノクロー
ナル抗体の精製 実施例1で用いたPEG86−1培地に0.03%のG
FS(第2回次世代産業基盤技術シンポジウム−バイオ
テクノロジー 予稿集  161頁,1984年参照)
を添加したPEG86−2培地でヒト−ヒトハイブリド
ーマHBW−4.16株の培養を行い、培養終了後、5
℃で一晩静置した。細胞を沈降させたあと、上澄液をポ
ンプで吸い出し、培養上清12lを得た。この培養上清
に硫酸アンモニウム2.1kgを添加して溶解し、30
%飽和硫酸アンモニウム溶液とした。この液をあらかじ
め100mMリン酸緩衝液(pH6.8)+30%飽和
硫酸アンモニウム溶液で平衡化したブチル−トヨパール
650C(東ソー(株))カラム(9.6cmI.D.
×21cm)に注ぎ込み吸着を行った。100mMリン
酸緩衝液(pH6.8)+30%飽和硫酸アンモニウム
溶液10lでカラムを洗浄したあと、50mMリン酸緩
衝液(pH6.8)+20%飽和硫酸アンモニウム溶液
で溶出を行い、1.1lの抗体画分を得た。この抗体画
分を10mMリン酸緩衝液(pH6.5,20l×2回
)に対して透析を行った。透析終了後、内液を遠心分離
(10,000 rpm, 30分)した。遠心分離し
た内液の上清2lを、あらかじめ20mMリン酸緩衝液
(pH6.5)で平衡化したCM−トヨパール650M
(東ソー(株))のカラム(2.5cmI.D.×28
cm)に注ぎ込み、吸着を行った。カラムは20mMリ
ン酸緩衝液(pH6.8)2lで洗浄し、ついで20m
Mリン酸緩衝液(pH6.8)0.5lと20mMリン
酸緩衝液(pH6.8)+100mM  NaCl 0
.5lの間で直線濃度勾配をかけて溶出を行った。主要
溶出画分150mlを集め抗体画分とした。この画分を
20mMリン酸緩衝液(pH6.8)で300mlに希
釈し、HCA(ハイドロキシアパタイト)(三井東圧(
株))カラム(ガードカラム:4mmI.D.×75m
m,メインカラム:7.6mmI.D.×100mm)
で処理した。カラムを20mMリン酸緩衝液で洗浄した
あと、20mMと500mMのリン酸緩衝液の間で直線
濃度勾配をかけて高速液体クロマトグラフィーを行った
。主要溶出画分5.5mlを抗体画分として集めた。こ
の画分を、あらかじめ20mMリン酸緩衝液(pH7.
3)+150mM  NaClで平衡化したトヨパール
HW−55F(東ソー(株))カラム(2.5cmI.
D.×60cm)に負荷し、同じ系で展開を行い、主要
溶出画分17.5mlを集めた。除菌ろ過を行い、抗H
BsAgヒトモノクローナル抗体HBW4精製原液27
.5ml(蛋白質量34mg:Lowry法)を得た。 ヒト−ヒトハイブリドーマW471−7.24およびH
BW−6.20がそれぞれ産生する抗HBsAgヒトモ
ノクローナル抗体W471およびHBW6についても、
上記の抗HBsAgヒトモノクローナル抗体HBW4の
精製法と同様の方法で取得できた。
【0019】実施例4  抗HBsAgヒトモノクロー
ナル抗体の精製 実施例1で用いた0.1%のPEG(ポリエチレングリ
コール)−20000の代りに0.1%のPEG−40
00を添加したPEG86−1培地にさらに0.005
%のHSAを添加した培地でヒト−ヒトハイブリドーマ
HBW−4.16株の培養を行い、培養終了後、5℃で
一晩静置した。細胞を沈降させたあと、上澄液をポンプ
で吸い出し、培養上清100lを得た。この培養上清に
硫酸アンモニウム17.6kgを添加して溶解し、30
%飽和硫酸アンモニウム溶液とした。この液をあらかじ
め100mMリン酸緩衝液(pH6.8)+30%飽和
硫酸アンモニウム溶液で平衡化したブチル−トヨパール
650C(東ソー(株))カラム(12.5cmI.D
.×24.5cm)に注ぎ込み吸着を行った。100m
Mリン酸緩衝液(pH6.8)+30%飽和硫酸アンモ
ニウム溶液10l、次いで100mMリン酸緩衝液(p
H6.8)+20%飽和硫酸アンモニウム溶液2lでカ
ラムを洗浄したあと、50mMリン酸緩衝液(pH6.
8)+10%飽和硫酸アンモニウム溶液で溶出を行い、
2lの抗体画分を得た。この抗体画分を10mMリン酸
緩衝液(pH6.5,20l×2回)に対して透析を行
った。透析終了後、内液を遠心分離(10,000 r
pm,30分)した。遠心分離した内液の上清2lを、
あらかじめ20mMリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡
化したCM−トヨパール650M(東ソー(株))のカ
ラム(4.5cmI.D.×15.0cm)に注ぎ込み
、吸着を行った。カラムは20mMリン酸緩衝液(pH
6.8)2lで洗浄し、ついで20mMリン酸緩衝液(
pH6.8)1lと20mMリン酸緩衝液(pH6.8
)+100mM  NaCl 1lの間で直線濃度勾配
をかけて溶出を行った。主要溶出画分566mlを集め
抗体画分とした。この画分を20mMリン酸緩衝液(p
H6.8)で1100mlに希釈し、5回に分けてHC
A(ハイドロキシアパタイト)(三井東圧(株))カラ
ム(ガードカラム:20.0mmI.D.×30.0m
m,メインカラ ム:20.0mm I.D.×250
.0mm)で処理した。カラムを20mMリン酸緩衝液
 で洗浄したあと、20mMと500mMのリン酸緩衝
液の間で直線濃度勾配をかけて高速液体クロマトグラフ
ィーを行った。主要溶出画分401mlを抗体画分とし
て集めた。この画分を、あらかじめ20mMリン酸緩衝
液(pH7.3)で平衡化し たトヨパールHW−55
F(東ソー(株))カラム(5.0cmI.D.×47
.0cm)に2回に分けて負荷し、同じ系で展開を行い
、主要溶出画分をあらかじめ20mMリン 酸緩衝液 
(pH6.8)で平衡化しておいたパイロセップ(ダイ
セル(株))カラム(1.1cmI.D.×5.0cm
)に通過させ、混在する可能性のあるエンドトキシンを
除去 した。通過液にNaClを加え、150mMにな
るようにした。除菌ろ過を行い、 抗HBsAgヒトモ
ノクローナル抗体HBW4精製原液1304ml(蛋白
質量1,361mg:Lowry法)を得た。ヒト−ヒ
トハイブリドーマW471−7.24およびHBW−6
.20がそれぞれ産生する抗HBsAgヒトモノクロー
ナル抗体W471およびHBW6についても、上記の抗
HBsAgヒトモノクローナル抗体HBW4の精製法と
同様の方法で取得できた。
【0020】実施例5  抗HBsAgヒトモノクロー
ナル抗体の精製 実施例1で用いた0.1%のPEG−20000の代わ
りに0.1%のPEG−4000を添加したPEG86
−1培地でヒト−ヒトハイブリドーマHBW−4.16
株の培養を行い、培養終了後、5℃で一晩静置した。細
胞を沈降させたあと、上澄液をポンプで吸い出し、培養
上清25lを得た。この培養上清に硫酸アンモニウム4
.4kgを添加して溶解し、30%飽和硫酸アンモニウ
ム溶液とした。この液をあらかじめ100mMリン酸緩
衝液(pH6.8)+30%飽和硫酸アンモ ニウム溶
液で平衡化したブチル−セルロファイン(生化学工業(
株))カラム(6cmI.D.×17cm)に注ぎ込み
吸着を行った。100mMリン酸緩衝液(pH6.8)
+3 0%飽和硫酸アンモニウム溶液2lでカラムを洗
浄したあと、50mMリン酸緩衝液(pH6.8)+2
0%飽和硫酸アンモニウム溶液で溶出を行い、3lの抗
体画分 を得た。この抗体画分を10mMリン酸緩衝液
(pH6.5,20l×2回)に対して透析を行った。 透析終了後、内液を遠心分離(10,000 rpm,
30分)した。遠心分 離した内液の上清3.5lを、
あらかじめ20mMリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡
 化したCM−トヨパール650M(東ソー(株))の
カラム(3cmI.D.×30cm)に注ぎ込み、吸着
を行った。カラムは20mMリン酸緩衝液(pH6.5
)0.1lで洗浄 した。ついで20mMリン酸緩衝液
(pH6.5)と20mMリン酸緩衝液(pH6.5)
+500mM  NaCl の間で直線濃度勾配をかけ
て高速液体クロマトグラフィーを行った。主要溶出画分
50mlを集め抗体画分とした。この画分を20mMリ
ン 酸緩衝液(pH6.8)で100mlに希釈し、2
回に分けてHCA(ハイドロキシア パタイト)(三井
東圧 (株))カラム(ガードカラム:20.0mmI
.D.×30.0mm,メインカラム:20.0mm 
I.D.×250.0mm)で処理した。 カラムを20mMリン 酸緩衝液で洗浄したあと、20
mMと500mMのリン酸緩衝液の間で直線濃度勾配を
かけて高速液体クロマトグラフィーを行った。主要溶出
画分43mlを抗体画分として集めた。この画分を、あ
らかじめ20mMリン酸緩衝液(pH7.3)で平 衡
化したトヨパールHW−55F(東ソー(株))カラム
(5.0cmI.D.×100cm) に負荷し、同じ
系で展開を行い、主要溶出画分210mlを集めた。こ
の画分を、あらかじめ20mMリン酸緩衝液(pH7.
2)で平衡化しておいたパイロセップ(ダイセル(株)
)カラム(1.5cmI.D.×11.5cm)に通過
させ、混在する可能性のあ るエンドトキシンを除去し
た。通過液にNaClを加え、150mMになるように
 した。除菌ろ過を行い、抗HBsAgヒトモノクロー
ナル抗体HBW4精製原液271ml(蛋白質量273
mg:Lowry法)を得た。
【0021】以下に示す参考例,実施例に記載されてい
るマウスハイブリドーマは、表5に示すとおりIFOお
よびFRIに寄託されている。   表5   ───────────────────────
────                     
           IFO      FRI  
      動物細胞               
                       (I
FO No.)  (FERM No.)  ────
───────────────────────  
マウスハイブリドーマ  AS6−44.9  501
81     BP−2233        〃  
            22C6      501
72     〃  2054        〃  
            ATF1−170  501
82     〃  2234        〃  
            FIB1−11   501
74     〃  2081        〃  
            TPA1−41   501
78     〃  2085        〃  
            FT2−14    501
80     〃  2158        〃  
            TPA1−39   502
33     〃  2819        〃  
            HR1−32    502
34     〃  2818        〃  
            HT2−263   502
35     〃  2817        〃  
            LT3−11    501
67     〃  1813        〃  
            PLT1−109  501
66     〃  1840        〃  
            FU1−74    501
85     〃  2334  ─────────
──────────────────IFO:財団法
人発酵研究所(大阪) FRI:通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所

0022】参考例1  抗ANS抗体測定用EIA■ 
 固相抗原の調製 N−(γ−マレイミド・ブチリロキシ)−スクシイミド
でマレイミド化したメイタンシノール  3−α−アミ
ノフェニルアセテートを、予めN−サクシミジルピリジ
ルジチオプロピオネートで修飾還元したHSAに添加し
、チオール交換反応で(メイタンシノール  3−α−
アミノフェニルアセテート)−HSA複合体を作製した
。次いでこの蛋白複合体50μg/mlを96穴マイク
ロプレートに100μl/ウエルの割合で添加し、固相
抗原を調製した。 ■  アッセイ法 被検ハイブリドーマ培養上清100μlを上記の抗原感
作プレートに添加し、室温で2時間反応させた。0.0
5%Tween20含有20mMリン酸食塩緩衝液(p
H7.3;以下,PBS−Twと略記する)でプレート
を十分に洗浄後、HRP標識ウサギ抗マウスIgG抗体
を添加し、さらに室温で2時間反応させた。洗浄後、酵
素基質としてオルソーフェニレンジアミンおよびH2O
2を含有する0.1Mクエン酸緩衝液を各ウエルに加え
、室温で酵素反応を実施した。1N硫酸で反応停止後、
マルチスキャン(フロー社製)を用いて波長492nm
で発色色素量を測定した。
【0023】参考例2  抗hTfR抗体産生ハイブリ
ドーマの作成 ■  hTfRの精製 ヒト胎盤組織1.5kgを細かく切断しPBS(pH7
.5)中でブレンドしたのち、遠心分離した。得られた
沈渣を4%トリトンX−100含有PBS中でホモゲナ
イズし、さらに超音波処理後再び遠心分離した。次いで
上清100ml当り約32gの硫酸アンモニウムを添加
し塩析後、抗hTf抗体結合カラムに供し0.5MNa
Cl含有PB(pH7.5)で十分に洗浄した。0.5
M NaClおよび0.5%トリ トンX−100含有
0.02Mグリシン緩衝液(pH10.0)で溶出した
hTfR画 分を、さらにhTf結合カラムに供し1M
 NaCl含有PBで洗浄後、1M NaClおよび1
%トリトンX−100含有0.05Mグリシン緩衝液(
pH10.0)で溶 出することによりhTfR精製標
品約1.5mgを得た。 ■  免疫 上記のhTfR精製標品200μg/ml生理食塩水溶
液に等量のフロイント完全アジュバンドを添加し十分乳
濁後、BALB/cマウス(♀,n=10:20μg/
ml/マウス)に腹腔および背部皮下投与し、3週間隔
で追加免疫を実施した。4回の追加免疫後、2週で最大
の血清抗体価を示した個体について、同じhTfRの抗
原液(30μg/0.1ml生理食塩水/マウス)を静
脈内投与した。 ■  細胞融合 最終免疫後3日で脾臓を摘出し、脾臓細胞懸濁液を常法
により調製した(約108個)。次いでマウス骨髄腫細
胞(P3U1)2×107個を添加し、PEG6000
を用いてケーラーとミルスタインの方法[ネーチャー(
Nature),256,495(1975)]に準じ
て細胞融合に供した。融合終了後、細胞混液をヒポキサ
ンチン・アミノプテリンおよびチミジンを含む、いわゆ
るHAT培地中に懸濁し、10日間培養した。以後は、
親細胞の選択が終了次第、HAT培地からアミノプテリ
ンを除いたHT培地に代え培養を続けた。 ■  ハイブリドーマの選択およびクローニング市販の
ウサギ抗マウスIgG抗体液20μg/を96穴マイク
ロプレートに100μlずつ分注し4℃で一夜放置後、
さらに2%BSA含有PBS(pH7.3)を添加して
感作プレートを作成した。また■で得たhTfR精製標
品を常法に従いHRP標識後EIAに用いた[北川常広
:有機合成化学、42,283(1984)]。すなわ
ち、上記第2抗体感作プレートにハイブリドーマ培養上
清を添加し室温で2時間反応後、PBSで洗浄した。次
いでHRP標識hTfRを添加しさらに室温で2時間反
応させた。以下、参考例1−■に記載の方法で酵素反応
を実施し抗体価を測定した。特に結合能の強いハイブリ
ドーマについて限界希釈法によるクローニングを実施し
、抗hTfR抗体産生ハイブリドーマ22C6を得た。 本抗体のサブクラスはIgG1(κ鎖)で、ヒト腫瘍細
胞株K562に高い親和性を示した。
【0024】参考例3  抗ANS抗体産生ハイブリド
ーマの作成 ■  免疫 以下に示すANS誘導体PDM−3−C20−カルボキ
シメチルエーテルをN−ヒドロキシスクシンイミドとジ
シクロヘキシルカルボジイミドとで活性エステル化し、
次いでキャリヤ蛋白であるBSAに結合させ免疫原を調
製した。
【化1】 上記の(PDM−3−C20−カルボキシメチルエーテ
ル)−BSA複合体200μg/ml生理食塩水溶液に
等量のフロイント完全アジュバンドを添加し十分乳濁後
、BALB/cマウス(♀,20μg/0.2ml/マ
ウス)に腹腔および背部皮下投与し、2〜3週間隔で追
加免疫を実施した。3回の追加免疫後、10日で最大の
血清抗体価を示した個体について、(PDM−3−C2
0−カルボキシメチルエーテル)−BSA複合体液(5
0μg/0.1ml生理食塩水/マウス)を静脈内投与
した。 ■  細胞融合 参考例2−■に記載の方法に従い、細胞融合を実施した
。 ■  ハイブリドーマの選択およびクローニング(メイ
タンシノール  3−α−アミノフェニルアセテート)
−HSA結合マイクロプレートを用いる参考例1記載の
EIAでハイブリドーマをスクリーニングし、以下参考
例2−■と同じ方法で抗ANS MoAb産生ハイブリ
ドーマを取得した。これらの中、免疫原であるPDM−
3−C20−カルボキシメチルエーテルのみならず9−
チオメイタンシン,メイタンシン,さらにはANSにも
強い結合反応を示すMoAb産生マウスハイブリドーマ
AS6−44.9が得られた。本抗体の免疫グロブリン
クラス,サブクラス,軽鎖の種類はオークターロニー法
,EIA法による測定でIgG1(λ鎖)と決定された
。またANSの細胞毒性に対する中和能を有していた。
【0025】参考例4  抗ANS−抗hTfR二重特
異性抗体産生テトラオーマの作成 ■  細胞融合 参考例2および3で取得したハイブリドーマ22C6お
よびAS6−44.9を、それぞれ1.5μg/mlの
テトラメチルロダミン・イソチオシアネート(TRIT
C)および0.5μg/mlのフルオレセイン・イソチ
オシアネート(FITC)で蛍光染色した。次いで、L
SM溶液(和光純薬工業K.K.販売)を添加し死細胞
を除去したのち、両ハイブリドーマを1:1の割合で混
じ、PEG6000を用いて細胞融合した。37℃で2
時間インキュベート後、フルオレッセンス・アクティベ
イティッド・セルソーター(FACS)に供することに
よりフルオレセインおよびローダミンで二重染色された
細胞25,000個を分取し、次にフィーダーとしてマ
ウス胸腺細胞を5×105個/ウエル播種した96穴マ
イクロプレートに、上記の二重染色細胞を10個/ウエ
ルの割合で播種し培養した。 ■  ハイブリッドハイブリドーマの選択およびクロー
ニング 融合後1−2週で細胞増殖のみられたウエルの培養上清
を、下記に示す二重特異性抗体測定用EIAに供し抗体
活性を測定した。すなわち、参考例1−■で作成した(
メイタンシノール  3−α−アミノフェニルアセテー
ト)−HSA感作プレートに被検ハイブリッド・ハイブ
リドーマ培養上清を添加し、室温で2時間反応後PBS
−Twで洗浄した。次いでビオチン標識した抗マウスI
gG−κ鎖特異抗体を添加し、さらに室温で2時間反応
後、HRP標識したアビジンを加えて洗浄し、固相に結
合した酵素活性を参考例1−■に記載の方法で測定した
。高いハイブリッド抗体活性を示したウエルについて限
界希釈法によるクローニングを実施し、目的の二重特異
性抗体産生テトラオーマATF1−170を取得した。
【0026】参考例5  抗フィブリン抗体測定用EI
A3.3M尿素,0.01%EDTA含有PBS(pH
7.3)に溶解したヒトフィブリンモノマー溶液1mg
/mlを、96穴マイクロプレートに50μlずつ分注
し4℃で一夜放置後、2%カゼイン,0.01%チメロ
サール含有PBS150μlを添加して感作プレートを
作製した。次に100単位/mlヘパリン,3mMフェ
ニルメチルスルホニルフルオリド含有PBSに溶解した
ヒトフィブリノーゲン溶液10mg/mlを、等量の被
検ハイブリドーマ培養上清と混じ、室温で30分間反応
後、その100μlを上記のフィブリン感作プレートに
添加し室温で2時間反応させた。PBS−Twでプレー
トを十分に洗浄後、HRP標識ウサギ抗マウスIgG抗
体を添加し、さらに室温で2時間反応させた。洗浄後、
参考例1−■に記載の方法で抗体価を測定した。
【0027】参考例6  抗TPA抗体測定用EIAT
PA  5μg/ml溶液を96穴マイクロプレートに
100μlずつ分注し4℃で一夜放置後、2%カゼイン
,0.01%チメロサール含有PBS150μlを添加
して感作プレートを作製した。上記の液を除去しPBS
−Twで洗浄後、被検ハイブリドーマ培養上清100μ
lを添加し室温で2時間反応させた。以下、参考例1−
■に記載の方法で酵素反応を実施し抗体価を測定した。
【0028】参考例7  抗フィブリン−抗TPA二重
特異性抗体測定用EIA 参考例1で作製したフィブリン感作プレートに被検ハイ
ブリッド・ハイブリドーマ培養上清を添加し、室温で2
時間反応させる。次いでPBS−Twで洗浄後、ビオチ
ン標識したTPAを添加し、さらに室温で2時間反応さ
せる。次にアビジン−HRP複合体を添加し室温で1時
間反応後、固相に結合したHRP活性を参考例1−■に
示した方法で測定する。
【0029】参考例8  抗フィブリン抗体産生ハイブ
リドーマの作成 ■  免疫原の調製 公知の固相合成法によりペプチド合成機(アプライド・
システム,モデル430A型)を用いて作製されたヒト
フィブリンβ鎖N末端ペプチド(1−11)−Cys 
3.3mgを、予めN−(γ−マレイミドブチリルオキ
シサクシニミド)(GMBS)でマレイミド化したBS
A(BSA1モル当り13モルのマレイミド基を導入)
12mg/2ml水溶液に加え30℃で1時間反応させ
、ヒトフィブリンβ鎖N末端ペプチド(1−11)−B
SA複合体を得た。 次いで生理食塩水で3回透析後(3l×3)、凍結保存
し免疫原として用いた。 ■  免疫 ペプチド−BSA複合体1mg/ml生理食塩水溶液に
等量のフロイント完全アジュバンドを加え、マウス(♀
,n=10:0.1mg/0.2ml/マウス)の背部
および腹部皮下への免疫を開始した。追加免疫は免疫原
に等量のフロイント不完全アジュバンドを加えて、2−
3週毎に5回接種し実施した。 ■  細胞融合 参考例2−■に記載の方法に従い、細胞融合を実施した
。 ■  ハイブリドーマの選択およびクローニング固相に
ヒトフィブリンモノマーを吸着させたマイクロプレート
を用いる参考例5に記載のEIAでハイブリドーマ培養
上清の抗体価を測定した。融合10日から20日後でハ
イブリドーマの出現を認め、かつヒトフィブリンに特異
結合する抗体がみられた。特に結合活性の強いハイブリ
ドーマについて、限界希釈法によるクローニングに供し
た。クローン化したハイブリドーマの培養上清を同様に
EIAのスクリーニングに供し、ヒトフィブリン結合能
の強いものを選択した。これらの結果、高濃度ヒトフィ
ブリノーゲン存在下でフィブリンに特異結合するMoA
b産生マウスハイブリドーマ  FIB1−11が得ら
れた。産生される抗体FIB1−11の免疫グロブリン
クラス,サブクラス,軽鎖の種類はオークターロニー法
,EIAによる測定でIgG1(κ鎖)と決定された。
【0030】参考例9  抗TPA抗体産生ハイブリド
ーマの作成 ■  免疫 市販の1本鎖TPA(中央科学工業K.K.販売)20
0μg/ml生理食塩水溶液に等量のフロイント完全ア
ジュバンドを添加し十分乳濁後、BALB/cマウス(
♀,20μg/0.2ml/マウス)に腹腔および背部
皮下投与し、2〜3週間隔で追 加免疫を実施した。3
回の追加免疫後、10日で最大の血清抗体価を示した個
体について、TPA抗原液(50μg/0.1ml生理
食塩水/マウス)を静脈内投与した。 ■  細胞融合 参考例2−■に記載の方法に従い、細胞融合を実施した
。 ■  ハイブリドーマの選択およびクローニングTPA
結合マイクロプレートを用いる参考例6に記載のEIA
でハイブリドーマをスクリーニングし、以下参考例2−
■と同じ方法で抗TPA MoAb産生ハイブリドーマ
TPA1−39およびTPA1−41が得られた。 それぞれの産生する抗体のクラス,サブクラス,軽鎖の
種類はIgG1(κ鎖)およびIgG2b(κ鎖)であ
った。
【0031】参考例10  抗TPA−抗フィブリン二
重特異性抗体産生テトラオーマの作成 参考例8で取得した抗ヒトフィブリン抗体産生ハイブリ
ドーマFIB1−11および参考例9で取得した抗TP
A抗体産生ハイブリドーマTPA1−41を、それぞれ
0.5μg/mlFITCおよび1.5μg/mlTR
ITCで染色し、以下参考例4−■に記載の方法に従い
二重染色細胞を分別・取得した。さらに参考例4−■の
方法に従い、参考例7に記載のEIAを用いてスクリー
ニングし、目的の二重特異性抗体産生テトラオーマFT
2−14を取得した。
【0032】参考例11  抗HRP抗体測定用EIA
ウサギ抗マウスIgG抗体5μg/ml溶液を96穴マ
イクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で一昼夜
放置後、さらに2%BSA含有PBSを添加して感作プ
レートを作製した。EIA測定時には、上記の液を除去
し、PBSで洗浄後、被検ハイブリドーマ培養上清を添
加し、室温で2時間反応させた。次いでPBSで洗浄後
、HRPを添加し、さらに室温で2時間反応させた。以
下、参考例1−■に記載の方法で酵素反応を実施し、抗
体価を測定した。
【0033】参考例12  抗TPA−抗HRP二重特
異性抗体測定用EIA 参考例6で作成したTPA感作プレートに被検ハイブリ
ドーマ培養上清を添加し、室温で2時間反応させた。次
いでPBSで洗浄後、HRPを添加し、さらに室温で2
時間反応させた。以下、参考例1−■に記載の方法で酵
素反応を実施し、抗体価を測定した。
【0034】参考例13  抗HRP抗体産生ハイブリ
ドーマの作成 ■  免疫 市販のHRP(生化学工業株式会社販売)200μg/
ml生理食塩水溶液に等量のフロイント完全アジュバン
トを添加し十分乳濁後、BALB/cマウス(♀,20
μg/0.2ml/マウス)に腹腔および背部皮下投与
し、2〜3週間隔で追加免疫を実施した。3回の追加免
疫後、10日で最大の血清抗体価を示した個体について
、HRPの抗原液(50μg/0.1ml生理食塩水/
マウス)を静脈内投与した。 ■  細胞融合 最終免疫後3日で脾臓を摘出し脾臓細胞を調製し、以下
参考例2−■と同様の方法で細胞融合を実施した。 ■  ハイブリドーマの選択およびクローニング融合1
0〜20日後に出現するハイブリドーマの培養上清を、
抗マウスIgG抗体感作プレートを用いる参考例11に
記載のEIAに供し、抗HRP抗体価を測定した。特に
強い抗体活性を示したハイブリドーマについて限界希釈
法によるクローニングに供した。クローン化したハイブ
リドーマの培養上清を参考例11に記載のEIAに供し
、HRP結合能が強くHRP酵素活性を中和しない抗H
RP抗体産生マウスハイブリドーマHR1−32を取得
した。産生する抗体はIgG1(λ鎖)であった。
【0035】参考例14  抗TPA−抗HRP二重特
異性抗体産生テトラオーマの作成 参考例9および13で取得したハイブリドーマTPA1
−39およびHR1−32を、参考例4−■に従ってそ
れぞれFITCおよびTRITCで蛍光標識してから細
胞融合に供した。以下、参考例4−■に従い、参考例1
2に記載のEIAでスクリーニングし、目的の二重特異
性抗体産生テトラオーマHT2−263を取得した。
【0036】参考例15  抗hLT抗体測定用EIA
hLT5μg/ml溶液を96穴マイクロプレートに1
00μlずつ分注し、4℃で一昼夜放置後、さらに2%
BSA含有20mM  PBS(pH7.3)を添加し
て感作プレートを作成した。EIA測定時には、上記の
液を除去し、PBSで洗浄後、被検ハイブリドーマ培養
上清を添加し、室温で2時間反応させた。次いでPBS
で洗浄後、HRP標識ウサギ抗マウスIgG抗体を添加
し、さらに室温で2時間反応させた。以下、参考例1−
■に記載の方法で酵素反応を実施し、抗体価を測定した
【0037】参考例16  抗hLT−抗HRP二重特
異性抗体測定用EIA 参考例15で作成したhLT感作プレートに被検ハイブ
リッドハイブリドーマ培養上清を添加し、室温で2時間
反応させた。次いでPBSで洗浄後、HRPを添加し、
さらに室温で2時間反応させた。以下、参考例1−■に
記載の方法で酵素反応を実施し、抗体価を測定した。
【0038】参考例17  抗hLT抗体産生ハイブリ
ドーマの作成 ■  免疫 hLT精製標品200μg/ml生理食塩水溶液に等量
のフロイント完全アジュバンドを添加し十分乳濁後、B
ALB/cマウス(♀,n=10:20μg/0.2m
l/マウス)に腹腔および背部皮下投与し、3週間隔で
追加免疫を実施した。4回の追加免疫後、2週で最大の
血清抗体価を示した個体について、同じLTの抗原液(
50μg/0.1ml生理食塩水/マウス)を静脈内投
与した。 ■  細胞融合 最終免疫後3日で脾臓を摘出し、脾臓細胞懸濁液を常法
により調製し、以下参考例2−■と同様の方法で細胞融
合を実施した。 ■  ハイブリドーマの選択およびクローニング固相に
精製hLTを吸着させたマイクロプレートを用いる参考
例15に記載のEIAでハイブリドーマ培養上清の抗体
価を測定した。融合10日から20日後でハイブリドー
マの出現を認め、かつhLTに結合する抗体がみられた
。特に結合活性の強いハイブリドーマについて、限界希
釈法によるクローニングに供した。クローン化したハイ
ブリドーマの培養上清を同様にEIAのスクリーニング
に供し、hLT結合能の強いものを選択した。この操作
により抗hLT抗体産生ハイブリドーマLT3−11を
取得した。産生する抗体はIgG2b(κ鎖)であった
【0039】参考例18  抗hLT−抗HRP二重特
異性抗体産生トリオーマの作成 ■  免疫 市販HRP200μg/ml生理食塩水溶液に等量のフ
ロイント完全アジュバンドを添加し十分乳濁後、BAL
B/cマウス(♀,20μg/0.2ml/マウス)に
腹腔および背部皮下投与し、2〜3週間隔で追加免疫を
実施した。3回の追加免疫後、10日で最大の血清抗体
価を示した個体について、HRP抗原液(50μg/0
.1ml生理食塩水/マウス)を静脈内投与した。 ■  細胞融合 参考例17で取得した抗hLT抗体産生ハイブリドーマ
LT3−11をHAT感受性とするため、8−アザグア
ニン(AZG)添加培地での培養、馴化を実施した。す
なわち、1μM濃度の8−AZGおよび10%FCSを
含有するイスコフーハムF・12混合培地で培養を開始
し、8−AZG濃度を1μMから順次2〜5倍ずつ上昇
させ培養を続けた。100μMの8−AZGに耐性とな
った株についてHAT感受性を検討し、抗hLT抗体産
生性でかつHAT感受性株LTAG−1を取得した。上
記のLTAG−1に■で得たHRP免疫マウスの脾臓細
胞を1:5の割合で加え、参考例2−■に記載の要領で
融合を実施した。得られたトリオーマをHAT培地で選
択培養した結果、融合後、10〜15日後にトリオーマ
の増殖を認めた。 ■  トリオーマの選択およびクローニング培養上清中
の抗体価を参考例16記載のEIAで測定し、以下参考
例2−■に記載の方法に従い、目的の二重特異性抗体産
生トリオーマPLT1−109を取得した。産生する抗
体はIgG1(λ鎖)×IgG2b(κ鎖)であった。
【0040】 参考例19  抗体産生ハイブリドーマの腹水化BAL
B/cマウスもしくはハイブリッドヌードマウス(Jc
l:AF−nu)に0.5ml鉱油を腹腔内投与し、1
週後に0.5−2.0×106個の抗体産生ハイブリド
ーマを腹腔内接種した。約10−15日後に腹水の貯溜
がみられたので、これを採取し次いで遠心分離して細胞
成分を除去した。得られた腹水液は抗体の精製に供した
【0041】実施例6  二重特異性抗体の精製  ■
(1)  疎水クロマトグラフィー 参考例4で取得した抗ANS−抗hTfR二重特異性抗
体産生マウステトラオーマATF1−170を参考例1
9の方法に従いハイブリッドヌードマウスを用いて腹水
化し、得られた腹水液に硫酸アンモニウムを添加して溶
解し30%飽和液とした。この抗体液を予め0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH7.0)−30%飽和硫酸アンモニウ
ム溶液で平衡化したTSKゲルエーテル−5PWカラム
(7.5×75mm)に供し吸着させた。次いで0.1
Mリン酸緩衝液(pH7.0)−30%飽和硫酸アンモ
ニウム溶液30mlと0.1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)30mlとの間で直線濃度勾配(流速1ml/分)
をかけてIgG抗体を溶出した。得られた結果は図3(
A)に示した通りであった。3種のIgGピーク(1〜
3)について、参考例4−■記載のEIAで二重特異性
抗体活性を測定したところ、ピーク2のみが有意に抗体
活性を示したので、この画分をPBSに対して透析した
。 (2)  吸着クロマトグラフィー (1)で得られた二重特異性抗体画分(ピーク2)を、
予めリン酸緩衝液(pH6.8)で平衡化したHCAカ
ラム(7.6×100mm)に供し10mMと300m
Mとのリン酸カリウム緩衝液の間で直線濃度勾配(流速
1ml/分)をかけてIgG抗体を溶出した。得られた
結果は図4に示した通りであった。主要ピークが二重特
異性抗体で一部単特異性抗体が溶出された。この主要ピ
ークから得られた二重特異性抗体の精製標品を、実施例
1記載のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(D
TT還元条件下)に供したところ、H鎖およびL鎖、そ
れぞれ単一のバンドが得られた。また同時に、実施例1
記載のGPC(G3000SWカラム)に供したところ
、単一のピークが得られた。
【0042】実施例7  二重特異性抗体の精製  ■
参考例10、14および18で取得した抗TPA−抗フ
ィブリン、抗TPA−抗HRPおよび抗hLT−抗HR
P二重特異性抗体産生ポリドーマFT2−14,HT2
−263およびPLT1−109を、参考例19の方法
に従いBALB/cマウスを用いて腹水化した。得られ
た腹水液について実施例6−■に記載の方法に従いTS
Kゲルエーテル−5PWカラムを用いて、直線濃度勾配
による疎水カラムクロマトグラフィーを実施した。得ら
れた結果はそれぞれ図3(B)、図3(C)および図3
(D)に示した通りであった。IgG分子(ピーク番号
で示す)は、早い時期に溶出する他の蛋白とは異なり疎
水カラムに吸着を示した。さらにIgG分子種間におい
ても分離がみられ、二重特異性抗体[図3(B):ピー
ク2、図3(C):ピーク2、図3(D):ピーク1]
の濃縮・単離が可能となることが分かる。
【0043】実施例8  二重特異性抗体の精製  ■
実施例6および7に記載のポリドーマATF1−170
およびFT2−14、HT2−263,PLT1−10
9由来の腹水液を、予め0.05Mトリス塩酸緩衝液(
pH7.5)−32%飽和硫酸アンモニウム溶液で平衡
化したアサヒパックGS520Hカラム(7.6×25
0mm)に供し吸着させた。次いで0.05Mトリス塩
酸緩衝液−32%飽和硫酸アンモニウム溶液(pH7.
5)30mlと0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)30mlとの間で直線濃度勾配(流速1ml/分)
をかけてIgG抗体を分取した。得られた結果は図5(
A)〜(D)に示した通りであった。IgG抗体は腹水
液中の他の蛋白から分離され、なおかつIgG分子種間
の相互分離が可能となり、二重特異性抗体含有画分(図
5(A)〜(D)中、矢印で示したピーク)が得られた
【0044】実施例9  抗HBsAgヒトモノクロー
ナル抗体の精製 実施例1で用いた0.1%のPEG−20000の代わ
りに0.1%のPEG−4000を添加したPEG86
−1培地でヒト−ヒトハイブリドーマHBW−4.16
株の培養を行い、培養終了後、遠心機(ベツクマン社,
JCF−Zロータ)で遠心分離(7,000rpm,3
0l/hr)し、培養上清125lを得た。この培 養
上清に硫酸アンモニウム22kgを添加して溶解し、3
0%飽和硫酸アンモニウム溶液とした。この液をあらか
じめ100mMリン酸緩衝液(pH6.8)+30% 
飽和硫酸アンモニウム溶液で平衡化したブチル−セルロ
ファイン(生化学工業(株))カラム(11.3cmI
.D.×15cm)に注ぎ込み吸着を行った。100m
Mリン酸 緩衝液(pH6.8)+30%飽和硫酸アン
モニウム溶液2lでカラムを洗浄したあ と、50mM
リン酸緩衝液(pH6.8)+20%飽和硫酸アンモニ
ウム溶液で溶出 を行い、7.5lの抗体画分を得た。 この抗体画分をペリコンカセットシステム (PTGC
膜(10kMWCO),ミリポア社)を用いて濃縮,脱
塩した。この濃縮液1lを4回に分けて、あらかじめ2
0mMリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡 化したCM
−トヨパール650M(東ソー(株))のカラム(3c
mI.D.×30cm)に注ぎ込み、処理を行った。カ
ラムは吸着後20mMリン酸緩衝液(pH6.5)0.
5l で洗浄した。ついで20mMリン酸緩衝液(pH
6.5)と20mMリン酸緩衝液(pH6.5)+50
0mM  NaClの間で直線濃度勾配をかけて高速液
体クロマトグラフィーを行った。主要溶出画分1,00
0mlを集め抗体画分とした。 この画分を20mMリン酸緩衝液(pH6.8)で2,
000mlに希釈し、2回に分けてセラミ ックハイド
ロキシアパタイト(東亜燃料(株))カラム(30.0
mmI.D.×30. 0mm)で処理した。カラムを
20mMリン酸緩衝液で洗浄したあと、20mMと5 
00mMのリン酸緩衝液の間で直線濃度勾配をかけて高
速液体クロマトグラフィ ーを行った。主要溶出画分3
90mlを抗体画分として集めた。この画分を、あらか
じめ20mMリン酸緩衝液(pH7.3)+150mM
  NaClで平衡化したトヨパールHW−55F(東
ソー(株))カラム(5.0cmI.D.×100cm
)に負荷し、同じ 系で展開を行い、主要溶出画分45
0mlを集めた。この画分を、あらかじめ20mMリン
酸緩衝液(pH7.3)+150mM NaClで平衡
化しておいたパイロセッ プCA(ダイセル(株))カ
ラム(1.5cmI.D.×13cm)に通過させ、混
在する可能 性のあるエンドトキシンを除去したのち、
1mg/mlになるように同じ緩衝液で希釈した。除菌
ろ過を行い、抗HBsAgヒトモノクローナル抗体HB
W4精製原液3,675ml(蛋白質量3,863mg
:Lowry法)を得た。
【0045】実施例10  抗フィブリン−抗ウロキナ
ーゼ二重特異性抗体の精製 1%のFCSを添加したI・H培地でマウステトラオー
マFU1−74[IFO50185,FERM  BP
−2334]株の灌流培養を行い、培養上清7lを得た
。 この上清を限外膜(フィルトロン、富士フィルター社)
を用いて濃縮し、500mlとした。この濃縮液に88
gの硫酸アンモニウムを添加して溶解し、30%飽和硫
酸アンモニウム溶液とした。この液を、あらかじめ10
0mMリン酸緩衝液(pH6.8)+30%飽和硫酸ア
ンモニウム溶液で平衡化したブチル−セルロファイン(
生化学工業(株))カラム(5cmI.D.×50cm
)に注ぎ込み吸着を行った。吸着後、100mMリン酸
緩衝液(pH6.8)+30%飽和硫酸アンモニウム溶
液2lでカラムを洗浄した後、100mMリン酸緩衝液
(pH6.8)+20%飽和硫酸アンモニウムで溶出を
行い、2,020mlの抗体画分を得た。この抗体画分
を限外膜(フィルトロン、富士フィルター社)で濃縮、
脱塩し、500mlにしたあと10回に分けてCBx(
ベーカーボンド社)カラム(8mmI.D.×25cm
)で処理した。カラムを20mMリン酸緩衝液(pH6
)で洗浄したのち、20mMリン酸緩衝液(pH6)と
20mMリン酸緩衝液(pH6)+500mM NaC
l溶液との間で直線濃度勾配をかけて、高速液体クロマ
トグラフィーを行った。主要溶出画分210mlを抗体
画分として集めた。この画分を蒸留水で300mlに希
釈し、4回に分けてラセミックヒドロキシアパタイト(
TOHNEN(株))カラム(8mmI.D.×10c
m)で処理した。カラムを20mMリン酸緩衝液(pH
6.8)で洗浄した後、20mMリン酸緩衝液(pH6
.8)と500mMリン酸緩衝液(pH6.8)との間
で直線濃度勾配をかけて、高速液体クロマトグラフィー
を行い、抗体画分21mlを得た。得られた抗体画分を
セントリカットU−10(倉敷紡績(株))で濃縮脱塩
後、上記のセラミックヒドロキシアパタイトカラムで再
度、高速液体クロマトグラフィーを行い、抗体画分7.
8mlを得た。この画分をセントリカットU−10で濃
縮後、20mMリン酸緩衝液+150mM NaCl(
pH7.3)で平衡化したG3000SWカラム(7.
5mmI.D.×60cm,東ソー(株))に負荷し、
同じ系で展開を行い主要溶出画分4.3mlを集めた。 除菌ろ過を行い抗フィブリン−抗ウロキナーゼ二重特異
性抗体精製原液4.2ml(T.U.OD280=4.
16)を得た。得られた抗体精製原液を、それぞれGP
C(カラム:G3000SWカラム(7.5mmI.D
.×60cm);展開緩衝液:20mMリン酸緩衝液+
150mM NaCl(pH7.3))およびHCAカ
ラムクロマトグラフィー(カラム:セラミックヒドロキ
シアパタイトカラム(8mmI.D.×10cm,TO
HNEN(株));展開緩衝液:20mMリン酸緩衝液
(pH6.8)→500mMリン酸緩衝液(pH6.8
)(直線濃度勾配)で分析した結果を、図6および図7
に示す。
【0046】
【発明の効果】本発明の精製法を用いれば、従来の塩析
法やアフィニティークロマトグラフィーに頼ることなく
、高純度の細胞培養蛋白、特に免疫グロブリン、さらに
IgG抗体、またさらには二重特異性IgG抗体を効率
的に取得できるので、特に医療の場で有利に用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得た各抗体の精製標品のS
DS−ポリアクリルアミド電気泳動のパターンを示す。
【図2】図2は、実施例1で得た各抗体の精製標品のG
PC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)のパ
ターンを示す。
【図3】図3は実施例6および7で得られた各二重特異
性抗体産生ポリドーマ[図3(A):ATF1−170
,図3(B):FT2−14,図3(C):HT2−2
63, 図3(D):PLT1−109]の腹水液の疎
水カラム(TSKゲル  エーテル− 5PW)クロマ
トグラフィーのパターンを示す。
【図4】図4は実施例6−(1)の疎水カラムクロマト
グラフィーで得られた二重特異性抗体ATF1−170
含有画分のHCAカラムクロマトグラフィーのパターン
を示す(破線は硫酸アンモニウムの飽和度を示す)。
【図5】図5は実施例6および7で得られた各二重特異
性抗体産生ポリドーマ[図5(A):ATF1−170
,図5(B):FT2−14,図5(C):HT2−2
63, 図5(D):PLT1−109]の腹水液の疎
水カラム(アサヒパックGS520 H)クロマトグラ
フィーのパターンを示す(矢印は二重特異性抗体を含有
するピークを示す)。
【図6】図6は、実施例10で得られた二重特異性抗体
精製原液のGPCのパターンを示す。
【図7】図7は、実施例10で得られた二重特異性抗体
精製原液のHCAカラムクロマトグラフィーのパターン
を示す。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動物細胞の培養上清中に蓄積された蛋白質
    を無機塩の存在下疎水担体に吸着させ、次いで塩濃度を
    下げることにより蛋白質画分を分離・採取することを特
    徴とする蛋白質の精製法。
  2. 【請求項2】蛋白質がIgGである請求項1記載の精製
    法。
  3. 【請求項3】塩濃度を直線濃度勾配により下げることを
    特徴とする請求項1記載の精製法。
  4. 【請求項4】IgGがIgG型モノクローナル抗体であ
    る請求項2記載の精製法。
  5. 【請求項5】IgG型モノクローナル抗体がIgG1型
    モノクローナル抗体である請求項4記載の精製法。
  6. 【請求項6】モノクローナル抗体がヒトモノクローナル
    抗体である請求項4記載の精製法。
  7. 【請求項7】モノクローナル抗体が二重特異性モノクロ
    ーナル抗体である請求項4記載の精製法。
  8. 【請求項8】動物細胞がIgG型モノクローナル抗体産
    生ハイブリドーマである請求項2記載の精製法。
  9. 【請求項9】ハイブリドーマがヒト−ヒトハイブリドー
    マである請求項8記載の精製法。
  10. 【請求項10】動物細胞が、二重特異性モノクローナル
    抗体産生ポリドーマである請求項1記載の精製法。
  11. 【請求項11】ポリドーマがマウスハイブリッドハイブ
    リドーマである請求項10記載の精製法。
  12. 【請求項12】培養上清が液体培地における培養上清で
    ある請求項1記載の精製法。
  13. 【請求項13】培養上清がマウス腹水液である請求項1
    記載の精製法。
  14. 【請求項14】無機塩が硫酸アンモニウム,硫酸ナトリ
    ウムまたは塩化ナトリウムである請求項1記載の精製法
  15. 【請求項15】疎水担体がエーテル基,プロピル基,ブ
    チル基,オクチル基またはフェニル基を有する疎水担体
    である請求項1記載の精製法。
  16. 【請求項16】請求項1記載の蛋白質画分を、さらに吸
    着クロマトグラフィーに付すことを特徴とする請求項1
    記載の精製法。
  17. 【請求項17】IgG型ヒトモノクローナル抗体産生ヒ
    ト−ヒトハイブリドーマの液体培地における培養上清中
    に蓄積されたIgG型ヒトモノクローナル抗体を飽和度
    約25〜32%の硫酸アンモニウムの存在下ブチル基を
    有する疎水担体に吸着させ、次いで硫酸アンモニウム濃
    度を飽和度約8〜22%に下げることによりIgG型ヒ
    トモノクローナル抗体画分を分離・採取し、しかる後に
    イオン交換クロマトグラフィー、次いで吸着クロマトグ
    ラフィーに付して精製することを特徴とするIgG型ヒ
    トモノクローナル抗体の精製法。
  18. 【請求項18】二重特異性抗体産生ポリドーマの液体培
    地またはマウス腹水液における培養上清中に蓄積された
    二重特異性抗体を飽和度約25〜32%の硫酸アンモニ
    ウム存在下エーテル基を有する疎水担体に吸着させ、次
    いで硫酸アンモニウム濃度を飽和度約0%にまで直線濃
    度勾配により下げることにより二重特異性抗体画分を分
    離・採取し、さらに吸着クロマトグラフィーに付して精
    製することを特徴とする二重特異性抗体の精製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013147499A (ja) * 2005-01-27 2013-08-01 Binding Site Group Ltd 悪性プラズマ細胞疾患を検出又はモニタリングするための抗体及びキット
CN110904059A (zh) * 2019-11-18 2020-03-24 华中农业大学 花青素合成酶抗原表位肽及其抗体与应用

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