JP2938129B2 - 虚血性腎疾患の予防・治療剤 - Google Patents

虚血性腎疾患の予防・治療剤

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は腎移植のためのドナー腎の虚血障害予防剤に
関し、さらに虚血性腎疾患の予防・治療剤に関する。
従来の技術 急性腎不全とは腎機能(腎血流および腎糸球体ろ過量
(GFR))が突然低下し、血中尿素窒素(BUN)および血
清クレアチニンが著しく上昇するような状態を指す。ヒ
トにおいてみられる急性腎不全は、しばしば虚血によっ
てひき起こされる。このような急性腎不全は通常虚血に
よる組織障害が完成した段階でようやく臨床家の前に現
われることが多く、腎組織の自然回復を待つ以外に組織
障害を外的に修復させる有効な手段は今のところないと
言われている。そこで現在、臨床的に最も要請される分
野は、死体腎移植のためのドナー腎を虚血障害から守る
ための基礎的、臨床的研究であり、組織の虚血障害保護
薬剤の探索が行われている。実験的には、腎動脈結紮−
再灌流というモデルが使われているが、結紮を解除して
も血流量は50程度しか回復せず、腎動脈の持続的収縮が
想定される。この持続的な収縮および組織障害をひき起
こす媒介物としてはトロンボキサン、カルシウムあるい
は活性酸素が考えられており、トロホキサン合成酵素阻
害剤、Ca++−エントリー ブロッカーおよびスーパーオ
キサイド ディスムターゼ(SOD)などの効果が検討さ
れ報告されているが、再灌流の短時間以内(1〜3時
間)の腎機能低下抑制はみられるものの、1日後ではそ
の効果は明確ではない。
最近発見された内皮細胞由来のエンドセリンは、生体
内投与した場合、腎血管に対して強力かつ持続的な収縮
作用を示し、GFRを低下させることが報告されている。
しかしながら、これまで内因性エンドセリンの腎臓にお
ける生理的役割あるいは病態との関係は、ほとんど解明
されていない。
なおエンドセリンに関しては、内皮細胞培養上清中よ
り見出されたエンドセリン−1(アミノ酸配列:Cys Ser
Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tys Phe C
ys His Leu Asp Ile Ile Trp)、およびその遺伝子ファ
ミリーとして染色体DNAよりその配列が決定されたエン
ドセリン−2(アミノ酸配列:Cys Ser Cys Ser Ser Trp
Leu Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His Leu Asp I
le Ile Trp)およびエンドセリン−3(アミノ酸配列:C
ys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Tyr
Phe Cys His Leu Asp Ile Ile Trp)が知られている。
またエンドセリン−1の前駆体としてアミノ酸38個から
なるヒトビッグエンドセリン−1(アミノ酸配列:Cys S
er Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe
Cys His Leu Asp Ile Ile Trp Val Asn Thr Pro Glu H
is Val Val Pro Tyr Gly Leu Gly Ser Pro Arg Ser)お
よびアミノ酸39個からなるブタビッグエンドセリン−1
(アミノ酸配列:Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys
Glu Cys Val Tyr Phe Cys His Leu Asp Ile Ile Trp V
al Asn Thr Pro Glu His Ile Val Pro Tyr Gly Gly Ser
Pro Ser Arg Ser)も得られている。本明細書において
は、これらのエンドセリン関連ペプチドをあわせてエン
ドセリンと総称する。
発明が解決すべき課題 以上述べたように、ドナー腎の虚血障害予防剤の提
供、ひいては虚血性腎疾患の予防・治療剤の提供が急務
であった。
課題を解決するための手段 本発明者等はエンドセリンの作用を特異的に抑制する
抗体を作製し、本抗体特有の薬理作用を見出した。
すなわち、腎動脈結紮−再灌流ラットを用いる虚血性
急性腎不全モデルにおいて本抗体が腎機能の低下(BUN
の上昇)を顕著に抑制することが判明し、これらの知見
に基づいてさらに検討の結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は腎移植のためのドナー腎の虚血障害
予防剤を提供し、さらに虚血性腎疾患の予防・治療剤を
提供する。
すなわち本発明はエンドセリンの作用を特異的に抑制
する抗体を含有する虚血性腎疾患予防および治療剤であ
る。該エンドセリンの作用としては哺乳動物大動脈血管
平滑筋収縮活性、あるいは細胞障害活性等が挙げられ
る。該抗体としては、ポリクローナル抗体およびモノク
ローナル抗体が含まれる。
本発明のポリクローナル抗体の調製は一般に免疫抗原
のエンドセリンとキャリアー蛋白との複合体をつくり、
このものを動物に接種して免疫を行い、該免疫動物から
抗エンドセリン抗体含有物を採取、抗体の分離精製を行
うことによる。
本発明のモノクローナル抗体の調製に当っては、上記
免疫動物から抗体価の高い個体を選び、最終免疫3〜5
日後に脾臓あるいはリンパ節を採取、それらに含まれる
抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させ、安定的に力価の
高い抗体を産生するハイブリドーマを選択し、モノクロ
ーナルなハイブリドーマを得ることによる。
免疫抗原のエンドセリンとしては、例えば、前記文献
等に記述された天然精製標品あるいは合成標品等いずれ
も使用でき、先に述べたエンドセリン−1、エンドセリ
ン−2、エンドセリン−3、ヒトビッグ−エンドセリン
−1、ブタビッグ−エンドセリン−1およびそれらの一
部分がこの中に含まれる。
本発明で用いられる種々のペプチドは、ペプチド合成
の公知の常套手段で製造しうる。固相合成法、液相合成
法のいずれによってもよい。
固相法によりエンドセリンを合成する場合、メリーフ
ィールドの固相ペプチド合成方法〔ジャーナル オブ
ジ アメリカン ケミカル ソサィエティ(J.Am.Chem.
Soc.),85,2149(1963)〕を用いるのが好ましい。不溶
性樹脂として当該技術分野で知られたもののいずれであ
ってもよく、例えばクロロメチル化されたスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体、フェナシルアセティックメチ
ル化されたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体のよう
なポリスチレン型樹脂、ポリジメチルアクリルアミド樹
脂のようなポリアミド型樹脂が挙げられる。C末端のN
−保護アミノ酸を不溶性樹脂に結合させた後、エンドセ
リンのC末端側から保護アミノ酸を常法に従って順次結
合し、次いでフッ化水素で処理した後、ジスルフィド結
合を形成させ目的とするエンドセリンを合成することが
できる。N−保護アミノ酸としては、α−アミノ基はす
べてBoc基で保護し、セリン水酸基はBzl基で、グルタミ
ン酸、アスパラギン酸のω−カルボン酸はOBzl基、リジ
ンのε−アミノ基はCl−Z基、システインのチオール基
はAcm基、MeBzl基、チロシンの水酸基はBr−Z基、ヒス
チジンのイミダゾール基はTos基、トリプトファンのイ
ンドール基はCHO基で保護するのが好ましい。
液相法による合成の手段としては、たとえば「ザ ペ
プチズ(The Peptides)」、第1巻(1966年)、Schrod
er and Lubke著、Academic Press,New York,U.S.A.ある
いは“ペプチド合成”、泉屋ら著、丸善株式会社(1975
年)に記載された方法、たとえばアジド法、クロライド
法、酸無水物法、混合無水物法、DCC法、活性エステル
法、ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボジイミダ
ゾール法、酸化還元法、DCC/アディテイブ(例、HONB,H
OBt,HOSu)法などがあげられる。
哺乳動物を免疫するために用いられるエンドセリンと
キャリアー蛋白との蛋白複合体に関し、キャリアー蛋白
の種類およびキャリアーとハプテン(この場合ペプチ
ド)との混合比は、キャリアーにカプリングさせて免疫
したハプテンに対して抗体が効率よく出来れば、どの様
なものをどの様な比率でカプリングさせてもよいが、例
えば、牛血清アルブミンや牛サイログロブリン,ヘモシ
アニン等を重量比でハプテン1対し0.1〜20、好ましく
は1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々
の縮合剤を用いることが出来るが、グルタルアルデビト
やカルボジイミド、マレイミド活性エステル等が好都合
に用いられる。
縮合生成物は温血動物に対して投与により抗体産生が
可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投
与されるが、なかでも皮下注射が好ましい。投与に際し
て抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバン
トや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。
投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計3〜6回程度行わ
れる。
用いられる温血動物としては、たとえばサル、ウサ
ギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤ
ギ、ニワトリがあげられる。
抗体は上記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水
(好ましくは血液)などから採取される。抗血清中の抗
エンドセリン抗体価の測定は、例えば後記の標識化エン
ドセリンと抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した
標識剤の活性を測定することによりなされる。抗体の分
離精製は免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、ア
ルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交
換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合物あるいはプロテイン−A等の活性吸着剤
により特異抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を
得る特異的精製法〕に従って行われる。
このようにして作製された抗体は、IgGを主たる成分
とし、IgM,IgA等、他の免疫グロブリンも含む。また、
このものはエンドセリンと特異的に結合し、アンジオテ
ンシン−IIには結合しない。
一方、上記のポリクローナル抗体の調製法と同様に免
疫された温血動物、たとえばマウスから抗体価の認めら
れた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリ
ンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄
腫細胞と融合させることにより、抗エンドセリン抗体産
生ハイブリドーマを調製することができる。融合操作は
既知の方法、たとえばケーラーとミルスタインの方法
〔ネーチャー(Nature)、256、495(1975)〕に従い実
施できる。融合促進剤としてはポリエチレングリコール
(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ま
しくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞としてはたとえばN
S−1、P3U1、SP2/0などがあげられるが、特にP3U1が好
ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細
胞)数と骨髄細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度
であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10〜80
%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37
℃で3〜10分間インキュベートすることにより効率よく
細胞融合を実施できる。
抗エンドセリンモノクローナル抗体の分離精製は上記
のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリ
ンの分離精製法に従って行われる。
このようにして作製・精製された抗エンドセリン抗体
の中から、エンドセリンの作用を特異的に抑制する抗体
をスクリーニングする方法としては、エンドセリンの薬
理作用を検出するいかなる方法を用いることも可能であ
り、例えば、エンドセリンのブタ、ラット、ウサギ、モ
ルモット、イヌ、ヒト等、各種血管平滑筋収縮活性を指
標とする生体外の測定系、あるいはエンドセリンの上記
動物の血圧上昇活性を指標とする生体の測定系が挙げら
れる。
得られたエンドセリンの作用を特異的に抑制し得る抗
体はIgG,IgA,IgMいかなるクラスのものでもよく、また
それらかFcあるいはFc領域を除去したFab′あるいはFab
画分あるいはその重合体でもよい。また、エンドセリン
の作用を特異的に抑制し得るモノクローナル抗体の可変
遺伝子部と、ヒトイムノグロブリン定常遺伝子とを融合
させ、組み換え体として発現させたキメラ抗体を用いる
こともできる。
また得られた抗体がエンドセリン−1のN端領域を認
識する抗体であるならば、この抗体は同時にヒトビッグ
−エンドセリン−1およびブタビッグ−エンドセリン−
1の薬理活性を中和することが期待され、また、エンド
セリン−1のC端領域を認識する抗体であるならば、こ
の抗体は同時にエンドセリン−2およびエンドセリン−
3の薬理活性を中和することが期待される。
本発明の虚血性腎疾患の予防・治療剤は、そのまま液
剤として、または適当な剤型の医薬組成物として、哺乳
動物(例、ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウ
ス)に対して経口的または非経口的に投与することがで
きる。投与量は投与対象、対象疾患、症状、投与ルート
などによっても異なるが、たとえば成人の腎不全の予防
・治療のために使用する場合には、エンドセリンの活性
を抑制する抗体を1回量として通常0.01〜20mg/kg体重
程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好まし
くは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ま
しくは1日1〜3回程度、静脈注射により投与するのが
好都合である。他の非経口投与および経口投与の場合も
これに準ずる量を投与することができる。症状が特に重
い場合にはその症状に応じて増量してもよい。
本発明のエンドセリンの活性を抑制する抗体はそれ自
体または適当な医薬組成物として投与される。上記投与
に用いられる医薬組成物は、上記エンドセリンの活性を
抑制する抗体またはその塩と薬理学的に許容され得る担
体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。かかる
組成物は経口または非経口投与に適する剤形として提供
される。
すなわち、たとえば経口投与のための組成物として
は、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、
フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散
剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ
剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は自
体公知の方法によって製造され、製剤分野において通常
用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するもの
である。たとえば、錠剤用の担体、賦形ざいとしては、
乳糖、でんぷん、庶糖、ステアリン酸マグネシウムなど
があげられる。
非経口投与のための組成物としては、たとえば注射
剤、坐剤などがあげられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注
射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤などの剤型
を包含する。かかる注射剤は自体公知の方法、すなわち
エンドセリンの活性を抑制する抗体またはその塩を通常
注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、
懸濁または乳化することによって調製される。注射用の
水性液としては生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬
を含む等張液などがあげられ、適当な溶解補助剤、たと
えばアルコール(例、エタノール)、ポリアルコール
(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HC
O−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogena
ted castor oil)〕などと併用してもよい。油性液とし
てはゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として
安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用して
もよい。調製された注射液は通常適当なアンプルに充填
される。直腸投与に用いられる坐剤は、エンドセリンの
活性を抑制する抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分
の投与量に適合するような投薬単位の剤形に調製される
ことが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、
錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤な
どが例示され、それぞれの投薬単位剤形当り通常5〜50
0mg、とりわけ注射剤では5〜100mg、その他の剤形では
10〜250mgの化合物エンドセリンの活性を抑制する抗体
が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、エンドセリンの活性を抑制
する抗体との配合により好ましくない相互作用を生じな
い限り他の活性成分を含有してもよい。
実施例 以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はこれに限定されるべきものではない。
後述の実施例で用いられているマウスモノクローナル
抗体AwETN40aを産生するハイブリドーマ細胞AwETN40は
財団法人発酵研究所(IFO)に受託番号IFO 50168として
昭和63年7月14日から寄託されている。また該ハイブリ
ドーマは通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所
(FRI)に受託番号FERM BP−1950としてブダペスト条約
に基き昭和63年7月12日から寄託され、FRIに保管され
ている。
AwETN40が産生するマウスモノクローナル抗体AwETN40
aはエンドセリン−1のN端領域を認識し、エンドセリ
ン−2、ヒトビッグ−エンドセリン−1およびブタビッ
グ−エンドセリン−1とは100%かそれ以上の交差反応
性を示し、エンドセリン−3とは0.1%以下の交差反応
性しか示さない。
実施例1 エンドセリン−1のラット血圧反応に対する拮抗作用 (i)実験方法 雄性Wistarラット(体重250〜300g)をペントバルビ
タール麻酔下に用いた。右頚動脈に挿入したカニューレ
より血圧を測定した。エンドセリン−10.3n mol/kgを静
注投与し血圧に対する作用を調べた。1時間後にmAb Aw
ETN40a 10n mol/kgを静注投与して1分後にエンドセリ
ン−1を同用量静注投与し血圧に対する作用を調べた。
(ii)実験結果 次表にまとめて示す。
mAbはエンドセリン−1の降圧および昇圧反応をそれ
ぞれ85.5および67.1%抑制し、拮抗作用を有することが
明らかとなった。
実施例2 ラットにおける急性腎不全モデルにおけるエンドセリン
−1抗体の腎機能改善作用 (i)実験方法 7週令雄性Spragne−Dawleyラット(体重約250g)を
ペントバルビタール(50mg/kg,静注)により麻酔し、開
腹し、両腎動脈にクリップをかけて結紮した。45分後に
クリップをはずし、再灌流し、閉腹縫合した。再灌流後
3時間目に尾静脈から、20時間目に腹部大動脈から、ヘ
パリンを含む注射筒にて採血し、遠心にて血漿中尿素窒
素は、尿素窒素−テストワコー(和光純薬工業株式会
社)を用いて測定した。
エンドセリン抗体AwETN40g又はマウスIgGは、腎動脈
結紮の5分前、再灌流の5分前、再灌流1時間後および
2時間後の4時点で尾静脈より0.1ml/ラットの容量で投
与した。
(ii)実験結果 抗体は0.88×4回および8.8×4回n mol/ラットの用
量において、血漿中尿素窒素の上昇(腎機能低下の指
標)を用量依存性に抑制した 発明の効果 本発明の抗体はラット腎における虚血/再灌流による
虚性血急性腎不全モデルにおいて、腎機能の低下を顕著
に抑制することが判明した。
したがって、本発明の予防・治療剤はヒトなどの哺乳
動物における虚血性腎不全などの予防・治療剤として有
用であり、とりわけ、腎移植のためのドナー腎の虚血障
害予防剤として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C12N 5/10 C12P 21/08 15/02 ZNA C12N 15/00 ZNAC C12P 21/08 5/00 B (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 J.Clin.Invest.,Vo l.83,No.5(May,1989)P. 1762−1767 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 39/395 Medline(STN) CA(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンドセリンの活性を抑制する抗体を含有
    することを特徴とする虚血性腎疾患の予防・治療剤。
  2. 【請求項2】エンドセリンが Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Ty
    r Phe Cys His Leu Asp Ile Ile Trp のアミノ酸配列を有するエンドセリン−1である、請求
    項1記載の虚血性腎疾患の予防・治療剤。
  3. 【請求項3】エンドセリンが Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu Asp Lys Glu Cys Val Ty
    r Phe Cys His Leu Asp Ile Ile Trp のアミノ酸配列を有するエンドセリン−2である、請求
    項1記載の虚血性腎疾患の予防・治療剤。
  4. 【請求項4】エンドセリンが Cys Thr Cys Phe Thr Thr Lys Asp Lys Glu Cys Val Ty
    r Tyr Cys His Leu Asp Ile Ile Trp のアミノ酸配列を有するエンドセリン−3である、請求
    項1記載の虚血性腎疾患の予防・治療剤。
  5. 【請求項5】エンドセリンが Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Ty
    r Phe Cys His Leu Asp Ile Ile Trp Val Asn Thr Pro
    Glu His Val Val Pro Tyr Gly Leu Gly Ser Pro Arg Se
    r のアミノ酸配列を有するヒト ビッグエンドセリン−1
    である、請求項1記載の虚血性腎疾患の予防・治療剤。
  6. 【請求項6】抗体がエンドセリン(エンドセリン−3を
    除く)のN端部位 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Ty
    r Phe Cysあるいは Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu Asp Lys Glu Cys Val Ty
    r Phe Cys を認識する抗体であることを特徴とする請求項1記載の
    虚血性腎疾患の予防・治療剤。
  7. 【請求項7】抗体がエンドセリン−1、エンドセリン−
    2、およびエンドセリン−3のC端部位 Cys His Leu Asp Ile Ile Trp を認識する抗体であることを特徴とする請求項1記載の
    虚血性腎疾患の予防・治療剤。
  8. 【請求項8】抗体がマウスモノクローナル抗体AwETN40a
    かあるいは、その抗原結合部位を含む一部分であること
    を特徴とする請求項1記載の虚血性腎疾患の予防・治療
    剤。
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