JP3167024B2 - エンドセリン―3あるいはエンドセリン―3前駆体に対するモノクローナル抗体およびその用途 - Google Patents

エンドセリン―3あるいはエンドセリン―3前駆体に対するモノクローナル抗体およびその用途

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエンドセリン−3およびエンドセリン−3の
前駆体、例えばビッグエンドセリン−3に結合特異性を
有する点で有用かつ新規な抗体に関する。更に詳しく
は、抗原抗体反応に基づくエンドセリン−3およびエン
ドセリン−3の前駆体、例えばビッグエンドセリン−3
の測定法の開発、あるいはエンドセリン−3が関与する
疾患の診断、予後治療に有用な抗体に関する。
〔従来の技術〕
エンドセリン−1は血管内皮細胞の培養上清中に見出
された21個のアミノ酸からなるペプチドであり、極めて
強力かつ持続的な血管平滑筋収縮活性ならびに血圧上昇
活性を有する。また、エンドセリン−1のcDNAの解析か
ら、その生合成過程の中間体として、アミノ酸約40個か
らなるビッグエンドセリン−1(エンドセリン−1前駆
体)の存在も想定されている。これまでにエンドセリン
−1およびビッグエンドセリン−1に対するモノクロー
ナル抗体が作製され、高感度な酵素免疫測定法が開発さ
れたことによりエンドセリン−1の生理的役割・病態と
の関連の解明に向けて幅広に研究を展開することが可能
となった。既に、中和活性能を有するモノクローナル抗
体を特異的アンタゴニストとして用いることにより、エ
ンドセリン−1が虚血性疾患と深い関わりを有すること
が明らかにされ、さらに該測定法を用いて血漿エンドセ
リン−1レベルと病態との関連について詳細な研究が進
められている。
一方、染色体DNAの解析から、新たにエンドセリン−
2およびエンドセリン−3の配列が見出され、エンドセ
リンが遺伝子ファミリーを形成していることが明らかに
された。特にエンドセリン−3は、エンドセリン−1、
エンドセリン−2とは、以下の例に示すように21アミノ
酸残基中6残基(アンダーライン参照)が異なってお
り、その平滑筋収縮、血圧上昇活性もエンドセリン−
1、エンドセリン−2と比較してかなり微弱であること
が報告されている。
また、エンドセリン−3のcDNAの解析から、エンドセ
リン−3の前駆体構造が明らかにされ(特願平1−2537
97)、エンドセリン−3が下記の配列を有するビッグエ
ンドセリン−3を直接の前駆体として合成されることが
示唆された。
このように、構造および薬理作用の研究結果は、エン
ドセリン−3がエンドセリン−1、−2とは異なるリセ
プターシステムを形成していることを強く示唆してお
り、その生理的役割に深い関心が寄せられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したように、エンドセリン−3の生理的役割に対
する関心が高まっているにもかかわらず、これまで、エ
ンドセリン−3の発現部位、血漿レベル等、基本的な生
理的情報はほとんど得られていない。この主たる原因と
して、これまでエンドセリン−3あるいはエンドセリン
−3前駆体を特異的に認識するモノクローナル抗体が作
製されておらず、さらにエンドセリン−3あるいはエン
ドセリン−3前駆体を特異的かつ高感度に測定する免疫
学的測定法が開発されていないことが挙げられる。これ
らの免疫学的手法は、エンドセリン−3の研究、特に代
謝経路、分泌機構、リセプターシステム、病態との関連
等に関する研究を総合的に行う上で最も有効な手段の一
つと考えられ、該手法の確立が各界から切望されてい
た。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、エンドセリン−3あるいはエンドセリ
ン−3前駆体である、例えばビッグエンドセリン−3に
結合特異性を有するモノクローナル抗体を作製し、該抗
体を用いてエンドセリン−3あるいはビッグエンドセリ
ン−3を高感度にかつ特異的に検出し得る免疫測定法を
開発した。さらに該抗体特有の薬理作用、すなわち、該
抗体が種々の動物の平滑筋のエンドセリン−3による収
縮を抑制することを見出した。これらの知見は、該抗体
をエンドセリン−3の特異的アンタゴニストとして使用
し得ることを示しており、該抗体がエンドセリン−3と
因果的に、または症候的に関連する各種疾患の予防ある
いは治療薬となり得ることを示している。
すなわち、本発明はエンドセリン−3あるいはエンド
セリン−3前駆体に結合性を有するモノクローナル抗
体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞、および該抗体を用いた競合法あるいはサンドイッチ
法によるエンドセリン−3およびエンドセリン−3前駆
体である、例えばビッグエンドセリン−3の免疫測定法
に関する。エンドセリン−3のサンドイッチ法において
は、1次反応および2次反応に用いられる抗体はそれぞ
れポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であっ
てもよいが、好ましくはその一方がエンドセリン−3と
は反応するが、エンドセリン−3のC端部とは反応しな
い抗エンドセリン−3モノクローナル抗体であって、他
方がエンドセリン−3のC端部と反応する抗エンドセリ
ン−3ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体が用
いられる。この後者のエンドセリン−3のC端部と反応
する抗エンドセリン−3ポリクローナルもしくはモノク
ローナル抗体は、上記のエンドセリン−1,2とのアミノ
酸配列の比較から判るように、エンドセリン−1または
−2のC端部と反応する抗体と同一のものを含み、これ
については特願平1−46560号で言及している。
また、ビッグエンドセリン−3のサンドイッチ法にお
いても、好ましくは、1次反応および2次反応に用いら
れる抗体の一方が、ビッグエンドセリン−3とは反応す
るが、エンドセリン−3とは反応しないモノクローナル
抗体であって、他方がエンドセリン−3と反応するモノ
クローナル抗体が用いられる。さらに、ビッグエンドセ
リン−3とは反応するが、エンドセリン−3とは反応し
ないモノクローナル抗体において、特に好ましくは、ビ
ッグエンドセリン−3のC端部分の構造に対し、広い特
異性を有する抗体、例えばC末端がArg−Glyの配列で
も、Arg−NH2の配列でも、同程度に反応する抗体が用い
られる。
本発明のポリクローナル抗体の調製は一般に免疫抗原
のエンドセリン−3あるいはビッグエンドセリン−3と
キャリアー蛋白との複合体をつくり、このものを動物に
接種して免疫を行い、該免疫動物から目的とする抗体含
有物を採取、抗体の分離精製を行うことによる。
本発明のモノクローナル抗体の調製に当っては、上記
免疫動物から抗体価の高い個体を選び、最終免疫2〜5
日後に脾臓あるいはリンパ節を採取、それらに含まれる
抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させ、安定的に力価の
高い抗体を産生するハイブリドーマを選択し、モノクロ
ーナルなハイブリドーマを得ることによる。
免疫抗原としては、天然精製標品、合成標品等いずれ
も使用でき、先に述べたエンドセリン−3、ビッグエン
ドセリン−3、およびビッグエンドセリン−3の一部分
が用いられる。また免疫抗原として、エンドセリン−3
の構造を含む化合物、あるいはエンドセリン−3の一部
分の構造を含む化合物が用いられる場合もある。
本発明で用いられる種々のペプチドは、ペプチド合成
の公知の常套手段で製造しうる。固相合成法、液相合成
法のいずれによってもよい。例えば固相法によりエンド
セリン−3を合成する場合、メリーフィールドの固相ペ
プチド合成方法〔ジャーナル オブ ジ アメリカン
ケミカル ソサィエティ(J.Am.Chem.Soc.),85,2149
(1963)〕を用いるのが好ましい。不溶性樹脂として当
該技術分野で知られたもののいずれであってもよく、例
えばクロロメチル化されたスチレン−ジビニルベンゼン
共重合体、フェナシルアセティックメチル化されたスチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体のようなポリスチレン
型樹脂、ポリジメチルアクリルアミド樹脂のようなポリ
アミド型樹脂が挙げられる。C末端のN−保護アミノ酸
を不溶性樹脂に結合させた後、エンドセリン−3のC末
端側から保護アミノ酸を常法に従って順次結合し、次い
でフッ化水素で処理した後、ジスルフィド結合を形成さ
せ目的とするエンドセリン−3を合成することができ
る。N−保護アミノ酸としては、α−アミノ基はすべて
Boc基で保護し、セリンおよびスレオニンの水酸基はBzl
基で、グルタミン酸、アスパラギン酸のω−カルボン酸
はOBzl基、リジンのε−アミノ基はCl−Z基、システイ
ンのチオール基はAcm基、MeBzl基、チロシンの水酸基は
Br−Z基、ヒスチジンのイミダゾール基およびアルギニ
ンのグアニド基はTos基、トリプトファンのインドール
基はCHO基で保護するのが好ましい。
液相法による合成の手段としては、たとえば「ザ ペ
プチズ(The Peptides)」、第1巻(1966年)、Schrod
er and Lubke著、Academic Press,New York,U.S.A.ある
いは“ペプチド合成”、泉屋ら著、丸善株式会社(1975
年)に記載された方法、たとえばアジド法、クロライド
法、酸無水物法、混合無水物法、DCC法、活性エステル
法、ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボジイミダ
ゾール法、酸化還元法、DCC/アディテイブ(例、HONB,H
OBt,HOSu)法などがあげられる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャ
リアー蛋白との蛋白複合体に関し、キャリアー蛋白の種
類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリア
ーにカプリングさせて免疫したハプテンに対して抗体が
効率よく出来れば、どの様なものをどの様な比率でカプ
リングさせてもよいが、例えば、牛血清アルブミンや牛
サイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン
1対し0.1〜20、好ましくは1〜5の割合でカプルさせ
る方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々
の縮合剤を用いることが出来るが、グルタルアルデビト
やカルボジイミド、マレイミド活性エステル等が好都合
に用いられる。
縮合生成物は温血動物に対して投与により抗体産生が
可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投
与されるが、なかでも皮下注射が好ましい。投与に際し
て抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバン
トや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。
投与は通常2〜6週毎に1回ずつ行われる。
用いられる温血動物としては、たとえばサル、ウサ
ギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤ
ギ、ニワトリがあげられる。
抗体は上記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水
(好ましくは血液)などから採取される。例えば、免疫
原がエンドセリン−3あるいはその部分ペプチドである
場合、抗血清中の抗エンドセリン−3抗体価の測定は、
例えば後記の標識化エンドセリン−3と抗血清とを反応
させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定するこ
とによりなされる。抗体の分離精製は免疫グロブリンの
分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈
殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸
脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原抗体結合物あるい
は活性吸着剤により特異抗体のみを採取し、結合を解離
させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行われる。
このようにして作製された抗体は、IgGを主たる成分
とし、IgM,IgA等、他の免疫グロブリンも含む。
一方、上記のポリクローナル抗体の調製法と同様に免
疫された温血動物、たとえばマウスから抗体価の認めら
れた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリ
ンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄
腫細胞と融合させることにより、抗エンドセリン−3抗
体および抗エンドセリン−3前駆体抗体産生ハイブリド
ーマを調製することができる。融合操作は既知の方法、
たとえばケーラーとミルスタインの方法〔ネーチャー
(Nature)、256、495(1975)〕に従い実施できる。融
合促進剤としてはポリエチレングリコール(PEG)やセ
ンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが
用いられる。骨髄腫細胞としてはたとえばNS−1、P3U
1、SP2/0などがあげられるが、特にP3U1が好ましく用い
られる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄
細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG
(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度
で添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分
間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実
施できる。
抗エンドセリン−3抗体産生ハイブリドーマあるいは
抗ビッグエンドセリン−3抗体産生ハイブリドーマのス
クリーニングには種々の方法が使用できるが、たとえば
エンドセリン−3、ビッグエンドセリン−3、あるいは
ビッグエンドセリン−3の部分ペプチドを吸着させた固
相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清
を添加し、次に西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で
標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる
細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用
いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合した
抗エンドセリン−3モノクローナル抗体を検出するELIS
A(Enzyme−linked immunosorbent assay)法、抗免疫
グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相に
ハイブリドーマ培養上清を添加し、HRPで標識したエン
ドセリン−3、ビッグエンドセリン−3、あるいはビッ
グエンドセリン−3の部分ペプチドを加え、固相に結合
したモノクローナル抗体を検出するEIA(Enzyme immuno
assay)法などがあげられる。ハイブリドーマの選別、
育種は通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チ
ミジン)を添加して、10〜20%牛胎児血清を含む動物細
胞用培地(例、RPMI 1640)で行われる。ハイブリドー
マ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定
と同様にして測定できる。
抗エンドセリン−3モノクローナル抗体あるいは抗ビ
ッグエンドセリン−3抗体の分離精製は上記のポリクロ
ーナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精
製法に従って行われる。
エンドセリン−3の一部領域と反応する抗エンドセリ
ン−3ポリクローナル抗体は、その一部領域に相当する
ペプチド(部分ペプチド)をハプテンとして免疫し上記
の方法で調製することもできるが、エンドセリン−3を
ハプテンとして用いて調製された抗エンドセリン−3ポ
リクローナル抗体から、その一部領域に相当するペプチ
ドを結合したカラムによるアフィニティクロマトグラフ
ィを用いて調製することもできる。
また、ビッグエンドセリン−3の一部領域と反応する
抗ビッグエンドセリン−3ポリクローナル抗体は、その
一部領域に相当するペプチドをハプテンとして免疫し上
記の方法で調製することもできるが、ビッグエンドセリ
ン−3をハプテンとして用いて調製された抗ビッグエン
ドセリン−3ポリクローナル抗体から、その一部領域に
相当するペプチドを結合したカラムによるアフィニティ
クロマトグラフィを用いて調製することもできる。
また、エンドセリン−3あるいはビッグエンドセリン
−3の一部領域と反応するモノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマおよび、エンドセリン−3あるいはビ
ッグエンドセリン−3とは反応するがその一部領域とは
反応しないモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マの選別はたとえばその一部領域に相当するペプチドと
ハイブリドーマが産生する抗体との結合性を測定するこ
とにより行うことができる。
特にエンドセリン−3 C端ペプチドCys His Leu Asp I
le Ile Trp以外を認識するモノクローナル抗体のスクリ
ーニングには、該ペプチドに対する抗体の標識体を用い
るサンドイッチ型EIAを用いるのが好ましい。すなわ
ち、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着さ
せた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、エンドセ
リン−3を加え、さらにHRPで標識した抗エンドセリン
−3 C端ペプチド抗体を反応させたのち、固相上の酵素
活性を測定するEIA法である。
上記で得られた抗エンドセリン−3および抗ビッグエ
ンドセリン−3モノクローナル抗体を用いて、エンドセ
リン−3の測定ないし組織染色等を行ない得る。エンド
セリン−3およびビッグエンドセリン−3の測定法には
通常、以下に述べる競合法が用いられるが、後述するサ
ンドイッチ法を用いるのが好ましい。
競合法においては、本発明で得られた抗エンドセリン
−3あるいは抗ビッグエンドセリン−3抗体と、被検液
および標識化エンドセリン−3あるいは標識化ビッグエ
ンドセリン−3あるいはその部分ペプチドとを競合的に
反応させたのち、抗体に結合した標識剤の割合を測定す
ることにより、被検液中のエンドセリン−3、ビッグエ
ンドセリン−3、あるいはビッグエンドセリン−3の部
分ペプチドを定量する。
該エンドセリン−3、ビッグエンドセリン−3、ある
いはビッグエンドセリン−3の部分ペプチドの標識剤あ
るいは後記の抗体の標識剤としては、放射性同位元素、
酵素、蛍光物質、発光物質などが挙げられる。放射性同
位元素としては、例えば125I,131I,3H,14Cなどが、上記
酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、
例えばβ−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ア
ルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸
脱水素酵素等が、蛍光物質としては、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが、発光物
質としては、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェ
リン、ルシゲニンなどがそれぞれ挙げられる。さらに、
抗体あるいはエンドセリン3、ビッグエンドセリン−
3、あるいはビッグエンドセリン−3の部分ペプチドと
標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることも
できる。
上記の標識剤の活性の測定に当っては、例えばエンド
セリン−3の測定の場合、抗体に結合した標識化エンド
セリン−3と遊離の標識化エンドセリン−3とを分離
(以後B/F分離と略す)する必要があるが、標識剤とし
て酵素を用いた場合には、このための試薬に不溶化した
抗エンドセリン−3抗体に対する抗体あるいは不溶化し
たプロテインA等の活性吸着剤が有利に用いられる。例
えば、抗IgG抗体(抗エンドセリン−3抗体に対する抗
体に相当)を固相として用い、これと反応性のある上記
抗体を介して標識化エンドセリン−3を固相にある抗Ig
G抗体に結合させ、該固相上の標識剤を測定することに
よって行なうことができる。標識剤として酵素を用いた
場合には、不溶化担体上の酵素活性の測定には通常の比
色法あるいは蛍光法が用いられる。標識剤にラジオアイ
ソトープ等、非蛋白性物質を用いた場合には、B/F分離
に上記の試薬以外にも不溶化しない抗エンドセリン−3
に対する抗体、硫酸ナトリウム、デキストラン炭末、ポ
リエチレングリコール等の試薬が用いられる。いずれの
方法においても上清中あるいは沈降物中の標識剤の活性
を測定する。
上記の不溶化に当っては、物理的吸着を用いてもよ
く、また通常蛋白質あるいは酵素等を不溶化、固定化す
るのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体
としては、アガロース、デキストラン、セルロースなど
の不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、
シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等が挙げられ
る。
競合法においては、例えばエンドセリン−3の測定の
場合、抗エンドセリン−3抗体、被検液、標識化エンド
セリン−3、およびB/F分離用試薬は、どのような順序
に反応させることも可能であり、また全部あるいは一部
を同時に反応させてもよいが、少なくとも標識化エンド
セリン−3は、被検液と抗エンドセリン−3抗体との反
応と同時に、あるいは反応後に遅れて反応系に加えられ
ることが好ましい。
ただし硫酸ナトリウム、デキストラン炭末、ポリエチ
レングリコール等のB/F分離試薬は主として反応系の最
後に用いられる。
一方、サンドイッチ法においては不溶化した抗エンド
セリン−3あるいはビッグエンドセリン−3抗体に被検
液を接触(反応)させ(1次反応)、さらに標識化抗エ
ンドセリン−3あるいはビッグエンドセリン−3抗体を
反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することにより被検液中のエンドセリン−3
あるいはビッグエンドセリン−3量を定量することがで
きる。1次反応と2次反応は同時に行なってもよいし時
間をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の
方法は前記のそれらに準じることができる。
2次反応に用いられる抗エンドセリン−3抗体あるい
は抗ビッグエンドセリン−3抗体としては、1次反応に
用いられる抗エンドセリン−3抗体あるいは抗ビッグエ
ンドセリン−3抗体とはエンドセリン−3あるいはビッ
グエンドセリン−3の該抗体と結合する部位が相異なる
抗体が好ましく用いられる。たとえばエンドセリン−3
の測定の場合、1次反応で用いられる抗体がエンドセリ
ン−3のC端部との結合能を有する場合、2次反応で
は、好ましくはC端部以外(例、N端部)と結合する抗
エンドセリン−3抗体が用いられ、また1次反応で用い
られる抗体がエンドセリン−3のN端部との結合能を有
する場合、2次反応では、好ましくはN端部以外(例、
C端部)と結合する抗エンドセリン−3抗体が用いられ
る。
1次反応および2次反応に用いられる抗体はそれぞれ
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であって
もよいが、例えばエンドセリン−3の測定の場合、好ま
しくはその一方がエンドセリン−3とは反応するが、エ
ンドセリン−3のC端部とは反応しない抗エンドセリン
−3モノクローナル抗体であって、他方がエンドセリン
−3のC端部と反応する抗エンドセリン−3ポリクロー
ナルもしくはモノクローナル抗体が用いられる。
サンドイッチ法によるエンドセリン−3の免疫学的測
定法において特に好ましくは、エンドセリン−3のC端
ペプチド、すなわちCys−His−Leu−Asp−Ile−Ile−Tr
pと反応する抗エンドセリン−3ポリクローナル抗体お
よび、エンドセリン−3とは反応するが、上記エンドセ
リン−3のC端ペプチドとは反応しない抗エンドセリン
−3モノクローナル抗体が用いられる。
サンドイッチ法による免疫測定法においては、固相用
抗体および標識用抗体いずれもいかなるクラス、サブク
ラスのものでもよく、また、抗体活性が保持されている
なら、それらからFc′あるいはFc領域を除去したF(a
b′)画分、Fab′画分あるいはFab画分でもよい。
サンドイッチ法による免疫測定法において、モノクロ
ーナル抗体を用いる場合、固相用抗体あるいは標識用抗
体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はな
く、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体
の混合物を用いてもよい。
また、本発明で得られた抗体を用いる免疫測定法は、
エンドセリン−3が関与する疾患の診断および予後管理
に使用し得る。
被検試料としては、血漿、血清、尿、脳脊髄液、腹
水、胸水、羊水等の体液や、痰、便などが使用し得る。
これらの試料は、そのまま、あるいは各種緩衝液で希釈
あるいは抽出後濃縮し、イムノアッセイの試料とし得
る。試料の希釈あるいは抽出に用いられる溶媒としては
どのような緩衝液あるいは有機溶媒を用いてもよいが、
好ましくはイムノアッセイ用緩衝液、水、生理食塩水、
酢酸緩衝液、アセトン、クロロホルム−メタノールある
いは、界面活性剤を含むこれらの溶液が用いられる。ま
た、濃縮は、試料を直接減圧下、あるいは常圧、窒素気
流下濃縮してもよいし、また試料をイオン交換あるいは
逆相クロマトグラフィー用担体あるいは抗エンドセリン
−3抗体結合担体に添加したのち、適当な溶出条件で溶
出後、減圧下あるいは常圧、窒素気流下濃縮しても良
い。濃縮用担体として特に好ましくは、逆相クロマトグ
ラフィー用担体のC2,C8あるいはC18カートリッジが用い
られる。濃縮物はイムノアッセイ用緩衝液に溶解後、イ
ムノアッセイの試料とする。
さらに、本発明で得られた抗エンドセリン−3および
抗ビッグエンドセリン−3抗体はエンドセリン−3およ
びビッグエンドセリン−3の免疫組織染色法等にも用い
る事ができる。その方法は、例えば標識化抗エンドセリ
ン−3あるいは標識化ビッグエンドセリン−3抗体を用
いる直接法、抗エンドセリン−3抗体あるいはビッグエ
ンドセリン−3抗体および該抗体に対する抗体の標識化
されたものを用いる間接法等に準ずることができる。
また、さらに本発明で得られた抗エンドセリン−3抗
体のうちエンドセリン−3の血管収縮能を中和し得る抗
体は、エンドセリン−3の特異的アンタゴニストとして
使用し得る。
抗エンドセリン−3抗体の中からエンドセリン−3の
作用を特異的に抑制する抗体をスクリーニングする方法
としては、エンドセリン−3の薬理作用を検出するいか
なる方法を用いることも可能であり、例えば、エンドセ
リン−3のブタ、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、
ヒト等、各種血管平滑筋収縮活性を指標とする生体外の
測定系、あるいはエンドセリン−3の上記動物の血圧上
昇活性または血圧下降活性を指標とする生体の測定系が
挙げられる。
得られたエンドセリン−3の作用を特異的に抑制する
抗体はIgG,IgA,IgMいかなるクラスのものでもよく、ま
たそれらからFc′あるいはFc領域を除去したFab′ある
いはFab画分あるいはその重合体でもよい。また、エン
ドセリン−3の作用を特異的に抑制及し得るモノクロー
ナル抗体の可変遺伝子部と、ヒトイムノグロブリン定常
遺伝子部とを融合させ、組み換え体として発現させたキ
メラ抗体を用いることもできる。
〔実施例〕
以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はこれに限定されるべきものではない。
後述の実施例で用いられているマウスモノクローナル
抗体AET−30aを産生するハイブリドーマ細胞AET−30は
財団法人発酵研究所(IFO)に受託番号IFO 50193とし
て平成1年7月7日から寄託されている。また、該ハイ
ブリドーマは通商産業省工業技術院微生物工業研究所
(FRI)に受託番号FERM BP−2523としてブダペスト条
約に基き平成1年7月20日から寄託され、FRIに保管さ
れている。
後述の実施例で用いられているマウスモノクローナル
抗体bET−31aを産生するハイブリドーマ細胞bET−31は
財団法人発酵研究所(IFO)に受託番号IFO 50247とし
て平成2年5月24日から寄託されている。また、該ハイ
ブリドーマは通商産業省工業技術院微生物工業研究所
(FRI)に受託番号FERM BP−2949としてブダペスト条
約に基き平成2年6月12日から寄託され、FRIに保管さ
れている。
後述の実施例で用いられているマウスモノクローナル
抗体bET−23aを産生するハイブリドーマ細胞bET−23は
財団法人発酵研究所(IFO)に受託番号IFO 50246とし
て平成2年5月24日から寄託されている。また、該ハイ
ブリドーマは通商産業省工業技術院微生物工業研究所
(FRI)に受託番号FERM BP−2948としてブダペスト条
約に基き平成2年6月12日から寄託され、FRIに保管さ
れている。
I.酵素標識化抗エンドセリン−3 C端ペプタイド抗体の
作製 I−1.ペプタイドの合成 i)H−Cys−His−Leu−Asp−Ile−Ile−Trp−OH(エ
ンドセリン−3のC端部)の合成 Boc−Ile−Trp−OBzl:H−Trp−OBzl−pTsOH84gをDMF1
00mlに溶解し、TEA25mlで中和ののちBoc−Ile−OH・1/2
H2O48.9g,HONB40.12g、DCC46.20gより調製のBoc−Ile
−ONBを加え一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、残留物
にジエチルエーテル400mlと酢酸エチル20mlを加え溶解
し、0.5N−HCl,5%−NaHCO3水で洗い、水洗ののち無水M
gSO4で乾燥した。溶媒を留去し、残留物に石油エーテル
を加え結晶をろ取した。収量 83.1g(90.9%) ▲〔α〕18 D▼−19.7゜(c=0.99 MeOH) 元素分析:C29H37N3O5として 計算値:C,68.62;H,7.35;N,8.28 実測値:C,68.69;H,7.35;N,8.16 Boc−Ile−Ile−Trp−OBzl:Boc−Ile−Trp−OBzl53.3
gをジオキサン120mlに溶解し、氷冷下に7.1N−HCl−ジ
オキサン160mlを加え、90分間撹拌した。溶媒を減圧留
去し、残留物にジエチルエーテルを加え、析出物をろ取
した。これをアセトニトリル150mlとDMF250mlの混合溶
媒に溶解し、氷冷下、TEA14.6mlで中和し析出するTEA・
HClをろ去した。ろ液にBoc−Ile−ONB45.33gを加え一晩
撹拌した。溶媒を留去し残留物をCHCl31に溶解し、0.
5N−HCl,5%−NaHCO3,水で洗い、無水MgSO4で乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、残留物にジエチルエーテルを加
え析出物を結晶としてろ取したのちアセトニトリルとジ
エチルエーテルで洗い乾燥した。
収量 54.95g(84.3%) ▲〔α〕18 D▼−12.0゜(c=0.98,CHCl3) 元素分析:C35H48N4O6としての 計算値:C,67.72;H,7.79;N,9.03 実測値:C,67.72;H,7.91;N,8.87 Boc−Asp−(OBzl)−Ile−Ile−Trp−OBzl:Boc−Ile
−Ile−Trp−OBzl49.7gを氷冷下に10%−1,2−エタンジ
チオール含有TFA250mlに溶解し、室温下に15分間放置し
た。溶媒を留去し、残留物に4N−HCl−ジオキサン20ml
を加えよくかきまぜたのち、ジエチルエーテルを加え、
析出物をろ取した。これをDMF250mlに溶解し、氷冷下に
TEA11.1mlで中和したのち、析出するTEA・HClをろ去し
た。ろ液にBoc−Asp−(OBzl)−OH31.0g,HONB20.6g,DC
C23.8gより調製のBoc−Asp−(OBzl)−ONBを加え一晩
攪拌した。溶媒を減圧留去し、残留物に酢酸エチル800m
lを加え溶解し、10%クエン酸水、5%−NaHCO3、水で
洗い、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残留
物にジエチルエーテルを加え析出物を結晶としてろ取
し、アセトニトリルから再結晶した。
収量 54.0g(81.7%) ▲〔α〕18 D▼−13.7゜(c=1.04,CHCl3) 元素分析:C46H59N5O9としての 計算値:C,66.89;H,7.20;N,8.48 実測値:C,66.69;H,7.23;N,8.31 Boc−Leu−Asp(OBzl)−Ile−Ile−Trp−OBzl:Boc−
Asp(OBzl)−Ile−Ile−Trp−OBzl48.0gを氷冷下に10
%−1,2−エタンジチオール含有TFA210mlに溶解し、室
温下に15分間放置した。溶媒を留去し、残留物に4N−HC
l−ジオキサン14.5mlを加えよくかきまぜたのち、ジエ
チルエーテルを加え、析出物をろ取した。これをDMF300
mlに溶解し、氷冷下TEA42mlで中和したのち、析出するT
EA−HClをろ去し、ろ液にBoc−Leu−ONB27.3gを加え、
一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、残留物にCHCl3600ml
を加えて溶解し、10%−クエン酸水、5%−NaHCO3、水
で洗い無水MgSO4で乾燥した。残留物に石油エーテルを
加え析出物をろ取し、含水アセトニトリルより再結晶し
た。収量 53.1%(97.5%) ▲〔α〕18 D▼−20.6゜(c=1.02,CHCl3) 元素分析:C52H70N6O10・1/2H2Oとしての 計算値:C,65.87;H,7.55;N,8.86 実測値:C,66.08;H,7.58;N,8.78 Boc−His−Leu−Asp(OBzl)−Ile−Ile−Trp−OBzl:
Boc−Leu−Asp(OBzl)−Ile−Ile−Trp−OBzl46.5gを
氷冷下に10%−1,2−エタンジチオール含有TFA220mlに
溶解し、室温下15分間放置した。溶媒を減圧留去し、残
留物にジエチルエーテルを加えろ取した。これをDMF25m
lに溶解し、TEA20mlを加えよくかきまぜたのち、ジエチ
ルエーテル500mlを加え析出物を粉末としてろ取した。
これをDMF200mlに溶解し、Boc−His(Tos)−OH22.3g,H
ONB11.7g,DCC13.5gより調製した。Boc−His(Tos)−ON
Bを加え、一晩攪拌した。溶媒を留去し、残留物にアセ
トニトリルを加え、粉末をろ取した。
収量 45.9g(86.2%) ▲〔α〕18 D▼−16.6゜(c=1.0,DMF) 元素分析:C58H77N9O11・2.5H2Oとしての 計算値:C,62.13;H,7.37;N,11.24 実測値:C,62.25;H,7.02;N,11.03 Boc−Cys(MeBzl)−His−Leu−Asp(OBzl)−Ile−I
le−Trp−OBzl:Boc−His−Leu−Asp(OBzl)−Ile−Ile
−Trp−OBzl17.2gを氷冷下、10%−1,2−エタンジチオ
ール含有TFA88mlに溶解し、室温下15分間放置した。溶
媒を減圧留去し、残留物にエーテルを加え粉末としてろ
取したのちDMF25mlに溶解した。これにTEA25mlを加えよ
く撹拌したのち、エーテル500mlを加え析出物を粉末と
してろ取した。これをDMF40mlに溶解し、Boc−Cys(MeB
zl)−OH5.72g,HONB3.48g,DCC4.00gより調製したBoc−C
ys(MeBzl)−ONBを加え、一晩撹拌した。溶媒を留去
し、残留物にアセトニトリルを加え、析出物を粉末とし
てろ取し、さらに熱アセトニトリル中で洗い、室温に冷
却後粉末をろ取した。
収量 15.0g(72.9%) ▲〔α〕18 D▼−23.3゜(c=1.02,DMF) 元素分析:C69H90N10O12S・3H2Oとしての 計算値:C,61.96;H,7.23;N,10.47;S,2.40 実測値:C,62.24;H,6.90;N,10.49;S,2.53 H−Csy−His−Leu−Asp−Ile−Ile−Trp−OH:Boc−C
ys(MeBzl)−His−Leu−Asp(OBzl)−Ile−Ile−Trp
−OBzl100mgを氷冷下、10%−1,2−エタンジチオール含
有TFA1mlに溶解し、室温下15分間放置後、溶媒を減圧留
去した。残留物にエーテルを加え粉末としてろ取、乾燥
したのち、m−クレゾール0.5mlと共にHF5mlで0℃、1
時間処理した。HFを減圧留去し、残留物にジエチルエー
テルを加え、析出物を粉末としてろ過し、水洗した。こ
れを60%酢酸に溶解し、同溶媒で充填したセファデック
スLH−20(2.5×90cm)のカラムに付し160ml〜180mlの
区分を集め凍結乾燥した。
収量 23mg(32.8%) アミノ酸分析値:Asp1.0(1),Cys0.80(1),Ile2.13
(2),Leu0.99(1),His1.07(1),Trp0.67(1). 平均回収率 90.5% ii)H−Arg−His−Leu−Asp−Ile−Ile−Trp−OH(エ
ンドセリン−3 C端部に類似、溶解性大)の合成 Boc−His−Leu−Asp(OBzl)−Ile−Ile−Trp−OBzl5
38mgを氷冷下、20%−1,2−エタンジオチール含有TFA5m
lに溶解し、室温下15分放置後、pTsOH・H2O95mgを加え
溶解したのち、溶媒を減圧留去した。残留物をDMF5mlに
溶解し、氷冷下、10%−TEA含有DMF0.75mlを加え中和し
た。これにBoc−Arg(NO2)−OH60mg,HONB50mg,WSCD・H
Cl50mgを加え一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、残留物
に水を加え沈殿をろ取した。これを乾燥ののち熱アセト
ニトリル10mlに懸濁し、室温に冷却後、析出物をろ取し
た。
収量 0.5g(78.3%) このうち102mgをアニソール0.2ml、1,2−エタンジチ
オール0.2mlと共にHFで0℃60分間処理し、HFを減圧留
去した。残留物をジエチルエーテルで洗ったのち、50%
−酢酸6mlに溶解し、同じ溶媒で充填したセファデック
スG−25(2.5×90cm)のカラムに付し展開し、100〜13
7mlの区分を集め凍結乾燥した。
収量 20mg(26.3%) アミノ酸分析値:Asp0.98(1),Ile1.95(2),Leu1.0
(1),His0.95(1),Arg0.98(1),Trp0.72(1). 平均回収率 89.7% I−2 免疫原の作製 上記I−1(i)で得られたポリペプタイドCys His
Leu Asp Ile Ile Trpと牛血清アルブミン(以下BSAと略
す)との縮合物を以下に述べるマレイミド架橋法により
作製し、免疫原とした。
即ち、BSA20mgを1.4mlの0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0に
溶解させ、N−(γ−マレイミドブチリロキシ)サクシ
ニミド(以下GMBSと略す)2.6mgを含むDMF溶液100μ
と混合し、室温で40分反応させた。反応後、あらかじ
め、2.5mMのEDTAを含む、0.1Mリン酸緩衝液、pH6.5で平
衡化したセファデックスG−25カラムで分画した。次に
マレイミド基の導入されたBSA5.4mgを含む該溶出画分1.
2mlと、90%ジメチルスルホキシドを含む水溶液1.2mlに
溶解あるいは分散させたポリペプチドCys His Leu Asp
Ile Ile Trp1.8mgとを4℃で3日間反応させた。反応
後、生理食塩水に対し、4℃、2日間透析した。
I−3 免疫 上記I−2で得た免疫原600μgを含む生理食塩水450
μに550μの完全フロイントアジュバント(Freund
complete adjuvant)を加えてよく混和し乳剤を作成
し、ウサギの皮下約20ケ所に接種した。6週間後に、不
完全フロイントアジュバントを用い、同様の操作で乳剤
を作りウサギの皮下に接種した。この操作を以後1ケ月
おきに4回行ない、追加免疫の7日後、ウサギから血液
を部分採取し常法により抗血清を得た。
I−4 アフィニティ固相の作製 ポリペプタイドArg His Leu Asp Ile Ile Trpを直接C
NBr活性化セファロース4Bに結合させ、アフィニティ固
相とした。
即ち、Arg His Leu Asp Ile Ile Trp1.5mgを10mlの0.
5M食塩を含む0.1M炭酸水素ナトリウムに溶解させ、1gの
CNBr活性セファロース4Bと室温3時間反応させた。次
に、未反応の活性基を0.1Mトリス−塩酸緩衝液、pH8で
処理したのち、PBSに分散させ、4℃で保存した。
I−5 アフィニティ固相による抗エンドセリン−3 C
端ペプタイド抗体の精製 上記I−3記載ウサギ抗血清16mlから、硫安塩析法に
より抗体を部分精製した。すなわち、抗血清10mlにPBS1
0mlを加え、さらに16.5mlの飽和硫安を徐々に撹拌しな
がら加えた(最終45%)。30分間放置したのち、12,000
×gで20分間遠心し、沈殿をPBS10mlに溶解させた。次
に、同様に飽和硫安を最終30%飽和になるように加えた
のち遠心した。沈殿を、0.15M食塩を含む0.01Mホウ酸緩
衝液、pH8(以下BBSと略す),10mlに溶解させたのち0.0
1M食塩を含む0.01Mリン酸緩衝液pH8(緩衝液B)に対
し、4℃,2日間透析した。抗体画分をBBSに透析した
後、上記I−4記載のアフィニティ固相を充填したカラ
ム(10mmφ×40mm)に付した。BBSで十分に洗浄したの
ち特異抗体を、0.5M食塩を含む0.1M酢酸緩衝液、pH4.5
で溶出し、さらに0.1M食塩を含む0.05Mグリシン−塩酸
緩衝液、pH2.0で溶出した。
溶出液は中和したのち、BBSに対し透析した。特異抗
体はpH2で溶出した画分に認められ、該画分から18mgの
特異抗体が得られた。
I−6 西洋ワヤビパーオキシダーゼ(HRP)標識化抗
エンドセリン−3 C端ペプタイド抗体の作製 上記I−5記載のアフィニティ精製抗Cys His Leu As
p Ile Ile Trp抗体より石川らの方法〔ジャーナル オ
ブ アプライド バイオケミストリィー(J.Appl.Bioch
em.),6:56−63(1984)〕に従ってFab′−HRP標識体を
作製した。
即ち、0.1M酢酸緩衝液、pH4.5に溶解した特異抗体6.4
mgにペプシン(シグマ社、2回結晶)160μgを加え、3
7℃、16時間反応させたのち、BBSで平衡化したスーパー
ロース12カラムを用いるFPLC(ファルマシア社製)でF
(ab′)画分を精製した。該画分を0.1M酢酸緩衝液、
pH5で透析したのち、最終20mMのβ−メルカプトエチル
アミンを加え、37℃で90分間放置した。反応液を2.5mM
EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0で平衡化したスー
パーロース12カラムを用いるFPLCで分離し、Fab′画分
を得た。
一方、西洋ワサビペルオキシダーゼ5mgを0.9mlの0.1M
リン酸緩衝液、pH7に溶解させ、50μのDMFに溶解させ
たGBS1.05mgを加えて室温40分反応させた。
反応液をセファデックスG−25カラム(溶離液0.1Mリ
ン酸緩衝液、pH6.8)で分離し、得られたマレイミド化
ペルオキシダーゼ3.5mgと上記Fab′画分0.8mgとを混合
し、コロジオンパック(エムエス機器社)で約0.3mlに
まで濃縮したのち、4℃で16時間放置した。反応液を溶
離液に0.1Mリン酸緩衝液、pH6.5を用いるウルトロゲルA
cA44カラム(10mmφ×40mm)に供し、Fab′−ペルオキ
シダーゼ複合体画分を精製した。
II.モノクローナル抗体エンドセリン−3抗体の作製 II−1 免疫原の作製 エンドセリン−3と牛チログロブリン(TG)とを以下
に述べるマレイミド架橋法により縮合させ、免疫原とし
た。
即ち、エンドセリン−3(ペプチド研究所より購入)
265n moleを450μの0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0(10%
のDMFを含む)に溶解させ、GMBS6.6μmoleを含むDMF溶
液50μと混合し、室温で30分反応させた。
一方、TG20mg(40n mole)を0.15M食塩を含む0.02Mリ
ン酸緩衝液、pH6.8、1.4mlに溶解させ、N−サクシニミ
ジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(以
下SPDPと略す)2.5mg(8.0μmole)を含むDMF溶液100μ
を混合したのち室温40分間反応させた。反応後、ジチ
オスレイトール12.4mg(80μmole)を含む0.1M酢酸緩衝
液、pH4.5、0.5mlを加え、室温20分反応させたのち、セ
ファデックスG−25カラムで分画を行ない、SH基の導入
されたTG12mg(24n mole)を得た。
次にマレイミド基導入エンドセリン3 190n moleと、S
H基導入TG5.9n moleとを混合し、4℃で2日間反応させ
たのち、生理食塩水に対し、4℃、2日間透析した。
II−2 免疫 6〜6週令のBALB/C雌マウスに上記II−1記載の免疫
原100μg/匹をアジュバントとともに皮下免疫した。以
後3週間おきに2〜3回追加免疫を実施した。
II−3 HRP標識化エンドセリン−3の作製 エンドセリン−3 80n moleを450μの0.1Mリン酸緩
衝液、pH7.0に溶解させ、GMBS295μg(2.0μmole)を
含むDMF溶液50μと混合し、室温で30分反応させた。
反応後、セファデックスG−15カラムで分画を行ないマ
レイミド基の導入されたポリペプチド60n moleを得た。
一方、HRP(250n mole)を0.15M食塩を含む0.02Mリン
酸緩衝液、pH6.8、1.4mlに溶解させ、SPDP1.17mg(3.75
μmole)を含むDMF溶液100μを混合したのち室温40分
間反応させた。反応後、ジチオスレイトール12.4mg(80
μmole)を含む0.1M酢酸緩衝液、pH4.5、0.5mlを加え、
室温20分反応させたのち、セファデックスG−25カラム
で分画を行ない、SH基の導入された酵素6mg(150n mol
e)を得た。
次に、マレイミド基導入エンドセリン−3 50n moleと
SH基導入ペルオキシダーゼ20n moleとを混合し、4℃、
16時間反応させた。反応後、ウルトロゲルAcA44(LKB−
ファルマシア社製)カラムで分画し、ペルオキシダーゼ
標識化エンドセリン−3を得た。
II−4 細胞融合 比較的高い抗体価を示したマウスに対して240μgの
免疫原を生理食塩水0.25mlに溶解させたものを静脈内に
接種することにより最終免疫を行なった。最終免疫3日
後のマウスから脾臓を摘出し、ステンレスメツシュで圧
迫、ろ過し、イーグルズ・ミニマム・エツセンシヤルメ
デイウム(MEM)に浮遊させ、脾臓細胞浮遊液を得た。
細胞融合に用いる細胞として、BALB/Cマウス由来ミエロ
ーマ細胞P3−×63.Ag8.U1(P3U1)を用いた〔カレント
トピツクス イン マイクロバイオロジー アンド
イムノロジー、81、1(1978)〕。細胞融合は、原法
〔ネイチャー、256、495(1975)〕に準じて行なった。
即ち、脾臓細胞およびP3U1をそれぞれ血清を含有しない
MEMで3度洗浄し、脾臓細胞とP3U1数の比率を5:1になる
よう混合して、800回転で15分間遠心を行なって細胞を
沈殿させた。上清を充分に除去した後、沈殿を軽くほぐ
し、45%ポリエチレングリコール(PEG)600(コッホラ
イト社製)を0.3ml加え、37℃温水槽中で7分間静置し
て融合を行なった。融合後細胞に毎分2mlの割合でMEMを
添加し、合計12mlのMEMを加えた後600回転15分間遠心し
て上清を除去した。この細胞沈殿物を10%牛胎児血清を
含有するGITメデイウム(和光純薬)(GIT−10FCS)にP
3U1が1ml当り2×106個になるように浮遊し、24穴マル
チデイシユ(リンブロ社製)に1ウェル1mlずつ120ウェ
ルに播種した。播種後、細胞を37℃で5%炭酸ガスフラ
ン器中培養した。24時間後HAT(ヒポキサンチン1×10
-4M、アミノブリテリン4×10-7M、チミジン1.6×10
-3M)を含んだGIT−10FCS培地(HAT培地)を1ウェル当
り1mlずつ添加することにより、HAT選択培養を開始し
た。HAT選択培養は、培養開始3、6、9日後に旧液を1
ml捨てたあと、1mlのHAT培地を添加することにより継続
した。ハイブリドーマの増殖は、細胞融合後9〜14日で
認められ、培養液が黄変したとき(約1×106セル/m
l)、上清を採取し、後述するEIA法で、抗体価を測定し
た。
II−5 ハイブリドーマのスクリーニング ハイブリドーマ培養上清中の抗体価を以下の2種の方
法により測定した。いずれの方法にも抗マウスイムノグ
ロブリン抗体結合マイクロプレートを用いた。該プレー
トは、まず抗マウスイムノグロブリン抗体(IgG画分、
カッペル社製)を20μg/ml含む0.1M炭酸緩衝液、pH9.6
溶液を96ウェルマイクロプレートに100μずつ分注
し、4℃で24時間放置した。次に、プレートをPBSで洗
浄したのち、ウェルの余剰の結合部位をふさぐため25%
ブロックエース(雪印乳業社製)を含むPBSを300μず
つ分注し、少なくとも4℃で24時間処理した。
i)HRP標識化エンドセリン−3を用いるEIA法 抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレート
にバッファーE(10%ブロックエース、2mg/ml BSA、0.
4M NaCl、2mM EDTAおよび0.1%NaN3を含む0.02Mリン酸
緩衝液、pH7.0)50μおよびハイブリドーマ培養上清5
0μを加え、室温4時間反応させた。反応後、PBSで洗
浄したのち、上記II−3で作製したHRP標識化エンドセ
リン−3〔1%BSAを含む0.02Mリン酸緩衝液、pH7(バ
ッファーA)で100倍希釈〕100μを加え、4℃で16時
間反応させた。反応後PBSで洗浄したのち、固相上の酵
素活性を測定するため0.2%オルソフェニレンジアミ
ン、0.02%過酸化水素を含む0.1Mクエン酸緩衝液、pH5.
5を100μずつ分注し、室温で10分間反応させた。4規
定硫酸100μを加え、反応を停止させたのち492nmの吸
収をプレートリーダー(MTP−32,コロナ社製)で測定し
た。
このようにして、ハイブリドーマの増殖が認められた
全120ウェルの上清を調べたところ、No.5およびNo.93の
ウェルに強い抗体価が検出された。
ii)HRP標識化エンドセリン−3 C端ペプチド抗体を用い
るEIA法 抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレート
にバッファーE50μ、ハイブリドーマ培養上清50μ
、および6ng/mlのエンドセリン−3を含むバッファー
E溶液50μを加え、室温で4時間反応させた。プレー
トをPBSで洗浄したのち、上記I−6で作製したHRP標識
化エンドセリン−3 C端ペプチド抗体〔バッファーC
(1%BSA、0.4M NaCl、2mM EDTAを含む0.02Mリン酸緩
衝液、pH7.2)で300倍に希釈〕100μを加え、4℃で1
6時間反応させた。次に、プレートをPBSで洗浄したの
ち、固相上の酵素活性を上記II−5(i)記載の方法に
より測定した。
このようにして、ハイブリドーマの増殖が認められた
全120ウェルの上清を調べたところ、No.93のウェルに強
い抗体価が検出された。
II−6 クローニング 抗体活性が陽性を示したNo.5およびNO.93のウェルの
各ハイブリドーマを限界希釈法によるクローニングに付
した。即ちハイブリドーマが1.5個/mlになるようRPMI16
40−20FCSに浮遊させ、96穴マイクロプレート(ヌンク
社製)1ウェル当り0.2mlずつ分注した。分注する際、
フィーダー細胞としてBALB/Cマウスの胸腺細胞をウェル
当り5×105個になるように加えた。約1週間後には細
胞の増殖が認められるようになり、上清中の抗体価を上
記II−5記載のEIA法により調べたところ、No.5ハイブ
リドーマでは41クローン中8クローンが、またNo.93の
ハイブリドーマでは41クローン中7クローンが抗体を産
生していた。
これらのクローンのうち、No.93−18より得られたク
ローンAET−30およびその産生するモノクローナル抗体A
ET−30aに注目し、以下の実験を実施した。
II−7 大量のモノクローナル抗体の調製 ミネラルオイル0.5mlを腹腔内投与されたマウス、あ
るいは未処置マウス(BALB/C)にハイブリドーマAET−3
0 1〜3×106セル/匹を腹腔内注射したのち、10〜30日
後に抗体含有腹水を採取した。
II−8 モノクローナル抗体の精製 上記II−7調製腹水よりプロテイン−Aカラムにより
モノクローナル抗体を精製した。
即ち腹水8mlを等量の結合緩衝液(3.5M NACl、0.05%
NaN3を含む1.5Mグリシン、pH9.0)で希釈したのち、あ
らかじめ結合緩衝液で平衡化したプロテイン−A−セフ
ァロース(ファルマシア製)カラムに供し、特異抗体を
溶離緩衝液(0.05%NaN3を含む0.1Mクエン酸緩衝液、pH
3.0)で溶出した。以上の操作により、40mgの特異抗体
を得た。
II−9 モノクローナル抗体のクラス・サブクラスの決
定 上記II−8精製モノクローナル抗体を1μg/mlを含む
0.1M炭酸緩衝液、pH9.6溶液を96ウェルマイクロプレー
トに100μずつ分注し、4℃で24時間放置した。上記I
I−5で述べた方法に従って、ウェルの余剰の結合部位
をブロックエースでふさいだのち、アイソタイプタイピ
ングキット(Mouse−TyperTMSub−Isotyping Kitバイオ
ラッド社製)を用いるエンサイム−リンクトイムノソー
ベントアッセイ(ELISA)によってクラス、サブクラス
を調べた。その結果AET−30aはIgG1、κクラスに属する
ことが分かった。
III.競合法−EIA 上記II−5記載の抗マウスイムノグロブリン抗体結合
マイクロプレートに、バッファーCで75倍に希釈したAE
T−30含有培養上清50μ、およびエンドセリン−1標
準液50μあるいはエンドセリン−3標準液50μを加
え、室温で1時間反応させたのち、上記II−3記載HRP
標識化エンドセリン−3(バッファーAで100倍希釈)
を加え、4℃で16時間反応させた。反応液、PBSで洗浄
したのち固相上の酵素活性をII−5(i)記載の方法に
より測定した。結果を第1図に示す。図中、−●−がエ
ンドセリン−3の標準曲線を、また−○−がエンドセリ
ン−1の標準曲線を示す。
第1図の結果から、AET−30aがエンドセリン−3と反
応し、エンドセリン−1と反応しないことが分った。
IV.サンドイッチ法−EIA 精製したモノクローナル抗体AET−30a 20μg/mlを含
む0.1M炭酸緩衝液、pH9.6溶液を96ウェルマイクロプレ
ートに100μずつ分注し、4℃で24時間放置した。ウ
ェルの余剰の結合部位をPBSで4倍希釈したブロックエ
ース(雪印乳業社製、大日本製薬社販売)300μを加
え不活化した。
以上のように調製したプレートにバッファーEで希釈
したエンドセリン−3、エンドセリン−1、エンドセリ
ン−2(ヒト)、ビッグエンドセリン−1(ヒト)、ビ
ッグエンドセリン−1(ブタ)およびビッグエンドセリ
ン−3(22−42)(ヒト)標準液100μを加え、4℃
で24時間反応させた。PBSで洗浄したのち、上記I−6
で作製したHRP標識化エンドセリン−3 C端ペプタイド抗
体(バッファーCで300倍希釈)100μを加え、4℃で
24時間反応させた。PBSで洗浄したのち、上記II−5
(i)記載の方法により固相上の応訴活性を測定した。
結果を第2図に示す。図中、−●−がエンドセリン−3
の、また−▲−がエンドセリン−1の、−■−がエンド
セリン−2(ヒト)の、−○−がビッグエンドセリン−
1(ヒト)の、−△−がビッグエンドセリン−1(ブ
タ)、および−□−がビッグエンドセリン−3(ヒト)
の標準曲線を示す。
第2図の結果から、この測定法がエンドセリン−3に
特異的であり、エンドセリン−3 4×10-17モル/ウェル
を、他のエンドセリンとはほとんど反応することなく
(交差反応性、0.1%以下)、検出し得ることが分っ
た。
V.モノクローナル抗ビッグエンドセリン−3 C端ペプタ
イド抗体の作製 V−1.ペプタイドの合成 (1)ビッグエンドセリン−3(big ET−3)(22−4
2);H−Ile−Asn−Thr−Pro−Glu−Glu−Thr−Val−Pro
−Tyr−Gly−Leu−Ser−Asn−Tyr−Arg−Gly−Ser−Phe
−Arg−Gly−OHの合成 市販のBoc−Gly−OCH2−PAM樹脂(アブライド バイ
オシステムズ社製)0.77g(0.5n mole)を用い、ペプチ
ド合成機(アブライド バイオシステムズ社製モデル43
0A)を使用し、合成した。
樹脂上のBoc基を50%トリフルオロ酢酸/塩化メチレ
ンで処理し、アミノ基を遊離させた後、このアミノ基
に、Boc−Arg(Tos),Boc−Phe,Boc−Ser(Bzl),Boc−
Gly,Boc−Tyr(Br−Z),Boc−Asn,Boc−Leu,Boc−Pro,
Boc−Val,Boc−Thr(Bzl),Boc−Gln,Boc−Glu(OBz
l),Boc−Ileをbig ET−3(22−42)のアミノ酸配列通
り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。さらにDCCまた
は、HOBt/DCCで活性化した同じアミノ酸誘導体で再度縮
合をした後、未反応のアミノ基は無水酢酸でアセチル化
し、保護されたbig ET−3(22−42)−OCH2−PAM樹脂
0.88gを得た。
この樹脂0.35gをp−クレゾール0.70g共存下無水フッ
化水素5mlで0℃,60分間処理した後、フッ化水素を減圧
留去し、残渣をエチルエーテル5mlで2回洗浄した後、
残渣を50%−酢酸水5mlで抽出した。不溶物を濾去し、5
0%−酢酸水5mlで洗浄した。濾液、洗液を合し、2〜3m
lに減圧濃縮し、セファデックスLH−20(2×90cm)の
カラムに付し、50%−酢酸で溶出した。主要画分を集め
濃縮し0.1%トリフルオロ酢酸水100mlに溶解し、YMC−O
DS AM120 S−50樹脂カラム(2.6×7cm)に付け、0.1
%トリフルオロ酢酸水と50%アセトニトリル(0.1%ト
リフルオロ酢酸含有)の間での直線型濃度勾配で溶出し
た。主要画分を合し、凍結乾燥し、白色粉末76mgを得
た。
アミノ酸分析値 Asp1.97(2),Thr1.76(2),Ser1.68(2),Glu2.04
(2),Gly3.00(3),Val1.00(1),Pro1.90(2),I
le0.95(1),Leu0.99(1),Tyr0.95(1),Phe1.02
(1),Arg2.27(2) 質量分析による(M+H)+2356.16 HPLC溶出時間 17.01分 カラム条件 カラム:YMC−ODS(AM−301,S−5 120A) 溶離液:A液(0.1%−トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%−トリフルオロ酢酸含有アセトニ
トリル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流 速:1.0ml/分 (2)big ET−3(1−42); H−Cys−Thr−Cys−Phe−Thr−Tyr−Lys−Asp−Lys−G
lu−Cys−Val−Tyr−Tyr−Cys−His−Leu−Asp−IleOIl
e−Trp−Ile−Asn−Thr−Pro−Glu−Glu−Thr−Val−Pr
o−Tyr−Gly−Leu−Ser−Asn−Tyr−Arg−Gly−Ser−Ph
e−Arg−Gly−OHの合成 市販のBoc−Gly−OCH2−PAM樹脂(アプライド バイ
オシステムズ社製)0.78g(0.5n mole)を用い、ペプチ
ド合成機(アブライド バイオシステムズ社製モデル43
0A)を使用し、合成した。
樹脂上のBoc基を50%トリフルオロ酢酸/塩化メチレ
ンで処理し、アミノ基を遊離させた後、このアミノ基
に、Boc−Arg(Tos),Boc−Phe,Boc−Ser(Bzl),Boc−
Gly,Boc−Tyr(Br−Z),Boc−Asn,Boc−Leu,Boc−Pro,
Boc−Val,Boc−Thr(Bzl),Boc−Gln,Boc−Glu(OBz
l),Boc−Ile,Boc−Trp(CHO),Boc−Asp(OBzl),Boc
−His(DNP),Boc−Cys(MeBzl),Boc−Lys(Cl−Z)
をbig ET−3(1−42)のアミノ酸配列通り順にHOBt/D
CCで活性化し縮合した。さらにDCCまたは、HOBt/DCCで
活性化した同じアミノ酸誘導体で再度縮合をした後、未
反応のアミノ基は無水酢酸でアセチル化し、保護された
big−ET−3(1−42)−OCH2−PAM樹脂を得た。これを
N,N′−ジメチルホルムアミド20mlに懸濁し、チオフェ
ノール2mlを加え、室温で2時間ゆるやかに攪拌した後
グラスフィルター上に樹脂を濾過し、N,N′−ジメチル
ホルムアミドとジクロロメタンで洗浄の後乾燥し1.00g
の樹脂を得た。
この樹脂0.39gをp−クレゾール0.74g,1,4−ブタンジ
チオール1.0ml共存下無フッ化水素10mlで0℃,60分間処
理した後、フッ化水素を減圧留去し、残渣をエチルエー
テル5mlで2回洗浄した後、残渣をトリフルオロ酢酸4ml
で抽出した。不溶物を濾去し、トリフルオロ酢酸2mlで
2回洗浄した。これを4M−ウレア水溶液750mlにそそ
ぎ、氷冷下にpH8.25に調節し、緩やかに空気を吹き込み
ながら一晩攪拌した。Ellmanテストが陰性になったこと
を確認した後、全溶液をYMC−ODS AM120 S−50樹脂
カラム(2.6×7cm)に付け、0.1%トリフルオロ酢酸水
と50%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)
の間での直線型濃度勾配で溶出した。主要画分を合し、
凍結乾燥し、白色粉末16mgを得た。同じカラムを用い、
20−50%のあいだでの直線型濃度勾配の溶出で再クロマ
ト精製し目的物6.3mgを得た。
アミノ酸分析値 Asp3.84(4),Thr3.31(4),Ser2.02(2),Glu3.04
(3),Pro2.22(2),Gly3.31(3),Cys1.20(2),V
al1.77(2),Ile1.83(3),Leu2.00(2),Tyr4.64
(5),Phe1.92(2),Lys1.78(2),His0.88(1),A
rg2.12(2) 質量分析による(M+H)+4979.48 HPLC溶出時間 21.00分 カラム条件 カラム:YMC−ODS(AM−301,S−5 120A) 溶離液:A液(0.1%−トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%−トリフルオロ酢酸含有アセトニ
トリル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 :1.0ml/分 (3)big ET−3(22−41)−NH2; H−Ile−Asn−Thr−Pro−Glu−Gln−Thr−Val−Pro−T
yr−Gly−Leu−Ser−Asn−Tyr−Arg−Gly−Ser−Phe−A
rg−NH2の合成 市販のp−メチルBHA樹脂(アブライド バイオシス
テムズ社製)0.60g(0.5nmole)を用い、ペプチド合成
機(アブライド バイオシステムズ社製モデル430A)を
使用し、合成した。
樹脂にBoc−Arg(Tos)をHOBt/DCCで導入した後、樹
脂上のBoc基を50%トリフルオロ酢酸/塩化メチレンで
処理し、アミノ基を遊離させた。このアミノ基に、Boc
−Phe,Boc−Ser(Bzl),Boc−Gly,Boc−Arg('Tos),Bo
c−Tyr(Br−Z),Boc−Asn,Boc−Leu,Boc−Pro,Boc−V
al,Boc−Thr(Bzl),Boc−Gln,Boc−Glu(OBzl),Boc−
Ileをbig ET−3(22−41)−NH2のアミノ酸配列通り順
にHOBt/DCCで活性化し縮合した。さらにDCCまたは、HOB
t/DCCで活性化した同じアミノ酸誘導体で再度縮合をし
た後、未反応のアミノ基は無水酢酸でアセチル化し、保
護されたbig ET−3(22−41)−BHA樹脂1.96gを得た。
この樹脂0.23gをp−クレゾール0.40g共存下無水フッ
化水素5mlで0℃,60分間処理した後、フッ化水素を減圧
留去し、残渣をエチルエーテル5mlで2回洗浄した後、
残渣を50%−酢酸水5mlで抽出した。不溶物を濾去し、5
0%−酢酸水5mlで洗浄した。濾液、洗液を合し、2〜3m
lに減圧濃縮し、セファデックスLH−20(2×90cm)の
カラムに付し、50%−酢酸で溶出した。主要画分を集め
濃縮し0.1%トリフルオロ酢酸水100mlに溶解し、YMC−O
DS AM120 S−50樹脂カラム(2.6×7cm)に付け、0.1
%トリフルオロ酢酸水と50%アセトニトリル(0.1トリ
フルオロ酢酸含有)の間での直線型濃度勾配で溶出し
た。主要画分を合し、凍結乾燥し、白色粉末56mgを得
た。
アミノ酸分析値 Asp1.97(2),Thr1.88(2),Ser1.75(2),Glu2.05
(2),Gly3.00(3),Val1.00(1),Pro1.93(2),I
le0.95(1),Leu0.98(1),Tyr0.95(1),Phe1.02
(1),Arg2.18(2) 質量分析による(M+H)+2298.19 HPLC溶出時間 17.01分 カラム条件 カラム:YMC−ODS(AM−301,S−5 120A) 溶離液:A液(0.1%−トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%−トリフルオロ酢酸含有アセトニ
トリル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 :1.0ml/分 (4)big ET−3(1−41)−NH2; H−Cys−Thr−Cys−Phe−Thr−Tyr−Lys−Asp−Lys−G
lu−Cys−Val−Tyr−Tyr−Cys−His−Leu−Asp−Ile−I
le−Trp−Ile−Asn−Thr−Pro−Glu−Gln−Thr−Val−P
ro−Tyr−Gly−Leu−Ser−Asn−Tyr−Arg−Gly−Ser−P
he−Arg−NH2の合成 市販のp−メチルBHA樹脂(アプライド バイオシス
テムズ社製)0.60g(0.5n mole)を用い、ペプチド合成
機(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)を
使用し、合成した。
樹脂にBoc−Arg(Tos)をHOBt/DCCで導入した後、樹
脂上のBoc基を50%トリフルオロ酢酸/塩化メチレンで
処理し、アミノ基を遊離させた後、このアミノ基に、Bo
c−Phe,Boc−Ser(Bzl),Boc−Gly,Boc−Arg(Tos),Bo
c−Tyr(Br−Z),Boc−Asn,Boc−Leu,Boc−Pro,Boc−V
al,Boc−Thr(Bzl),Boc−Gln,Boc−Glu(OBzl),Boc−
Ile,Boc−Trp(CHO),Boc−Asp(OBzl),Boc−His(DN
P),Boc−Cys(MeBzl),Boc−Lys(Cl−Z)をbig ET−
3(1−41)−NH2のアミノ酸配列通り順にHOBt/DCCで
活性化し縮合した。さらにDCCまたは、HOBt/DCCで活性
化した同じアミノ酸誘導体で再度縮合をした後、未反応
のアミノ基は無水酢酸でアセチル化し、保護されたbig
−ET−3(1−41)−BHA樹脂を得た。これをN,N′−ジ
メチルホルムアミド20mlに懸濁し、チオフェノール2ml
を加え、室温で2時間ゆるやかに撹拌した後グラスフィ
ルター上に樹脂を濾過し、N,N′−ジメチルホルムアミ
ドとジクロロメタンで洗浄の後乾燥し1.34gの樹脂を得
た。
この樹脂0.74gをp−クレゾール1.0g、1,4−ブタンジ
チオール1.0ml共存下無水フッ化水素10mlで0℃,60分間
処理した後、フッ化水素を減圧留去し、残渣をエチルエ
ーテル5mlで2回洗浄した後、残渣をトリフルオロ酢酸6
mlで抽出した。不溶物を濾去し、トリフルオロ酢酸2ml
で2回洗浄した。これを4M−ウレア水溶液1000mlにそそ
ぎ、氷冷下にpH8.0に調節し、緩やかに空気を吹き込み
ながら一晩撹拌した。Ellmanテストが陰性になったこと
を確認した後、全溶液をYMC−ODS AM120 S−50樹脂
カラム(2.6×7cm)に付け、0.1%トリフルオロ酢酸水
と50%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)
の間での直線型濃度勾配で溶出した。主要画分を合し、
凍結乾燥し、白色粉末35mgを得た。同じカラムを用い、
20−50%のあいだでの直線型濃度勾配の溶出で再クロマ
ト精製を繰り返し、目的物9.5mgを得た。
アミノ酸分析値 Asp3.89(4),Thr3.81(4),Ser1.98(2),Glu3.04
(3),Pro2.09(2),Gly3.30(3),Cys1.60(2),V
al1.79(2),Ile1.83(3),Leu2.00(2),Tyr4.72
(5),Phe1.92(2),Lys1.88(2),His0.91(1),A
rg2.20(2) 質量分析による(M+H)+4921.31 HPLC溶出時間 21.00分 カラム条件 カラム:YMC−ODS(AM−301,S−5 120A) 溶離液:A液(0.1%−トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%−トリフルオロ酢酸含有アセトニ
トリル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 :1.0ml/分 V−2.免疫原の作製 上記V−1で得られたビッグエンドセリン−3 C末端
ペプタイドIle−Asn−Thr−Pro−Glu−Gln−Thr−Val−
Pro−Tyr−Gly−Leu−Ser−Asn−Tyr−Arg−Gly−Ser−
Phe−Arg−Gly(1)と牛チログロブリン(TG)とを以
下に述べるマレイミド架橋法により縮合させ、免疫原と
した。
即ち、ポリペプタイド1.28μmoleを350μlの0.1Mリ
ン酸緩衝液、pH7.0(10%のDMFを含む)に溶解させ、GM
BS25.6μmoleを含むDMF溶液100μlと混合し、室温で30
分反応させた。
一方、TG30mg(60n mole)を0.15M食塩を含む0.02Mリ
ン酸緩衝液、pH6.8、1.4mlに溶解させ、SPDP3.7mg(12.
0μmole)を含むDMF溶液を混合したのち室温40分間反応
させた。反応後、ジチオスレイトール18.6mg(120μmol
e)を含む0.1M酢酸緩衝液、pH4.5、0.5mlを加え、室温2
0分反応させた後、セファデックスG−25カラムで分画
を行ない、SH基の導入されたTG18mg(36n mole)を得
た。
次にマレイミド基導入ポリペプタイド920n moleと、S
H基導入TG29n moleとを混合し、4℃で2日間反応させ
たのち、生理食塩水に対し、4℃、2日間透析した。
V−3.免疫 6〜8週令のBALB/c雌マウスに上記V−2記載の免疫
原15μg/匹(ビッグエンドセリン−3 C端ペプタイドと
して)をアジュバントとともに皮下免疫した。以後3週
間おきに2回追加免疫を実施した。
V−4.HRP標識化ビッグエンドセリン−3 C端ペプタイド
の作製 ビッグエンドセリン−3 C端ペプタイド330n moleを50
0μlの0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0に溶解させ、GMBS2.78
mg(9.9μmole)を含むDMF溶液50μlと混合し、室温で
60分反応させた。反応後、セファデックスG−25カラム
で分画を行ないマレイミド基の導入されたポリペプチド
200n moleを得た。
一方、HRP10mg(250n mole)を用いて、II−3記載の
方法によりSH基の導入された酵素6mg(150n mole)を得
た。
次に、マレイミド基導入ビッグエンドセリン−3 C端
ペプチド200n moleとSH基導入ペルオキシダーゼ50n mol
eとを混合し、4℃、16時間反応させた。反応後、ウル
トロゲルAcA44(LKB−ファルマシア社製)カラムで分画
し、ペルオキシダーゼ標識化ビッグエンドセリン−3 C
端ペプチドを得た。
V−5.細胞融合 V−3記載の、ビッグエンドセリン−3 C端ペプチド
を免疫中のマウスを用いて、II−4記載の方法により細
胞融合を実施し、ハイブリドーマを得た。
V−6.ハイブリドーマのスクリーニング ハイブリドーマ培養上清中の抗体価を以下の2種の方
法により測定した。すなわち、抗マウスイムノグロブリ
ン抗体又はビッグエンドセリン−3 C端ペプチド結合マ
イクロプレートを用いた。該プレートは、まず抗マウス
イムノグロブリン抗体(IgG画分、カッペル社製)又は
ビッグエンドセリン−3 C端ペプタイドを20μg/ml含む
0.1M炭酸緩衝液、pH9.6溶液を96ウェルマイクロプレー
トに100μlずつ分注し、4℃で24時間放置した。次に
プレートをPBSで洗浄したのち、ウェルの余剰の結合部
位をふさぐため25%ブロックエース(雪印乳業社製)を
含むPBSを300μlずつ分注し、少なくとも4℃で24時間
処理した。
i)HRP標識化ビッグエンドセリン−3 C端ペプタイドを
用いるEIA法 抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレート
にバッファーE(10%ブロックエース、2mg/ml BSA、
0.4M NaCl、2mM EDTAおよび0.1%NaN3を含む0.02Mリン
酸緩衝液、pH7.0)50μlおよびハイブリドーマ培養上
清50μlを加え、室温4時間反応させた。反応後、上記
V−4で作製したHRP標識化ビッグエンドセリン−3 C端
ペプタイド[バッファーCで400倍希釈]100μlを加
え、4℃で16時間反応させた。反応後PBSで洗浄したの
ち、固相上の酵素活性をII−5(i)に記載の方法によ
り測定した。
このようにして、ハイブリドーマの増殖が認められた
全120ウェルの上清を調べたところ、No.44およびNo.77
のウェルに強い抗体価が検出された。
ii)ビッグエンドセリン−3 C端ペプチド結合 マイクロプレートを用いるELISA法ビッグエンドセリ
ン−3 C端ペプタイド結合マイクロプレートにバッファ
ーE50μl、ハイブリドーマ上清100μlを加え、室温4
時間反応させた。反応液PBSで洗浄したのち、HRP標識抗
マウスイムノグロブリン抗体[バッファーCで10000倍
希釈]100μlを加え、4℃で16時間反応させた。次
に、プレートをPBSで洗浄したのち、固相上の酵素活性
を上記V−6(i)記載の方法により測定した。
このようにして、ハイブリドーマの増殖が認められた
全120ウェルの上清を調べたところ、No.77のウェルに強
い抗体価が検出された。
V−7.クローニング 抗体活性が陽性を示したNo.44およびNo.77のウェルの
各ハイブリドーマをII−6の項に従い、クローニングを
行った。約1週間後には細胞の増殖が認められるように
なり、上清中の抗体価を上記V−6(i)記載のEIA法
により調べたところ、No.44ハイブリドーマでは76クロ
ーン中2クローンが、またNo.77のハイブリドーマでは7
6クローン中75クローンが抗体を産生していた。
これらのクローンのうち、No.77−30より得られたク
ローンbET−31およびその産生するモノクローナル抗体b
ET−31a、No.44−52より得られたクローンbET−23およ
びその産生するモノクローナル抗体bET−23aに注目し、
以下の実験を実施した。
V−8.大量のモノクローナル抗体の調製 ミネラルオイル0.5mlを腹腔内投与されたマウス、あ
るいは未処置マウス(BALB/C)にハイブリドーマbET−3
1またはbET−23 1〜3×106セル/匹を腹腔内注射し
たのち、10〜14日後に抗体含有腹水を採取した。
V−9.モノクローナル抗体の精製 上記V−8調製腹水よりプロテイン−Aカラムにより
モノクローナル抗体bET−31aおよびbET−23aをII−8の
方法に従い精製した。bET−31aが30mg bET−23aが50mg
の特異抗体を得た。
V−10.モノクローナル抗体のクラス・サブクラスの決
定 上記V−9精製モノクローナル抗体bET−31aおよびbE
T−23aのクラス・サブクラスのII−9で述べた方法に従
い決定した。その結果、bET−31aおよびbET−23aはいず
れもIgGl、κクラスに属することが分かった。
VI.ビッグエンドセリン−3に関する競合法−EIA 上記V−6記載の抗マウスイムノグロブリン抗体結合
マイクロプレートに、バッファーCで100倍に希釈したb
ET−31aおよびbET−23a含有培養上清50μl、およびビ
ッグエンドセリン−1,エンドセリン−3,ビッグエンドセ
リン−3,ビッグエンドセリン−3 C端ペプタイド(22−4
2)、あるいはビッグエンドセリン−3 C端ペプタイド
(22−41)−NH2標準液50μlを加え、室温で1時間反
応させたのち、上記V−4記載HRP標識化ビッグエンド
セリン−3 C端ペプタイド(バッファーCで200倍希釈)
を加え、4℃で16時間反応させた。反応後、PBSで洗浄
したのち固相上の酵素活性をII−5(i)記載の方法に
より測定した。その結果を第3図(A),(B)に示
す。図中、−▲−がビッグエンドセリン−3を、−○−
がビッグエンドセリン−1を、−●−がエンドセリン−
3を、−■−がビッグエンドセリン−3 C端ペプチド(2
2−42)を、また、−□−がビッグエンドセリン−3 C端
ペプチド(22−41)−NH2の標準曲線を示し、(A)がb
ET−31a、(B)がbET−23aを用いた競合法の結果を示
す。
第3図の結果から、bET−31aおよびbET−23aはとも
に、ビッグエンドセリン−1およびエンドセリン−3と
反応しないことから、ビッグエンドセリン−3に特異的
な抗体であり、さらに、ビッグエンドセリン−3 C端ペ
プタイド(22−42)およびビッグエンドセリン−3 C端
ペプタイド(22−41)−NH2と同程度に反応することか
ら、ビッグエンドセリン−3のC端部位に広い特異性を
有することがわかった。
VII.ビッグエンドセリン−3に関するサンドイッチ法−
EIA VII−1.HRP標識化モノクローナル抗体bET−31aの作製 上記V−9記載の方法で精製したbET−31aをI−6記
載の方法に従ってFab′−HRP標識体を作製した。
即ち、0.1M酢酸緩衝液、pH4.5に溶解したモノクロー
ナル抗体bET−31a 10.5mgにペプシン(シグマ社、2回
結晶)3.17μgを加え、37℃,16時間反応させたのち、B
BSで平衡化したウルトロゲルAcA44カラムでF(ab′)
画分を精製した。該画分を0.1M酢酸緩衝液、pH5で透
析したのち、最終20mMのβ−メルカプトエチルアミンを
加え、37℃で90分放置した。反応液を2.5mM EDTAを含む
0.1Mリン酸緩衝液,pH6.0で平衡化したセファデックスG
−25カラムで分離し、Fab′画分を得た。
一方、西洋ワサビペルオキシダーゼ5mgを0.9mlの0.1M
リン酸緩衝液、pH7に溶解させ、50μlのDMFに溶解させ
たGMBS1.05mgを加えて室温で40分反応させた。
反応液をセファデックスG−25カラム(溶離液0.1Mリ
ン酸緩衝液、pH6.8)で分離し、得られたマレイミド化
ペルオキシダーゼ3.5mgと上記Fab′画分1.3mgとを混合
し、コロジオンパック(エムエス機器社)で約0.3mlに
まで濃縮したのち、4℃で16時間放置した。反応液を溶
離液に0.1Mリン酸緩衝液、pH6.5を用いるウルトロゲルA
cA44カラム(10mmφ×40mm)に供し、Fab′−ペルオキ
シダーゼ複合体画分を精製した。
VII−2.HRP標識化モノクローナル抗体bET−23aの作製 上記VII−1記載の方法に従いモノクローナル抗体bET
−23a12.7mgを用いて、HRP標識化bET−23aを作製した。
VII−3.サンドイッチ法EIA IVで作製したAET−30a結合マイクロプレートにバッフ
ァーEで希釈したビッグエンドセリン−3、ビッグエン
ドセリン−1(ヒト)、エンドセリン−3、エンドセリ
ン−1およびエンドセリン−2(ヒト)標準液100μl
を加え、4℃で24時間反応させた。PBSで洗浄したの
ち、上記VII−1、VII−2で作製したHRP標識化bET−31
aまたはbET−23a(バッファーCで200倍希釈)100μl
を加え、4℃で24時間反応させた。PBSで洗浄したの
ち、上記II−5(i)記載の方法により固相上の酵素活
性を測定した。HRP標識化bET−31aを用いた場合の結果
を第4図に、HRP標識化bET−23aを用いた場合の結果を
第5図に示す。図中、−▲−がビッグエンドセリン−3
の、また−○−がビッグエンドセリン−1(ヒト)の、
−●−がエンドセリン−3の、−■−がエンドセリン−
1の、−□−がエンドセリン−2の標準曲線を示す。
第4図の結果から、HRP標識化bET−31aを用いる測定
法はビッグエンドセリン−3に特異的であり、他のエン
ドセリンとはほとんど反応せず(交差反応性、0.1%以
下)、また測定感度は、6×10-17モル/ウェルである
ことが分った。
同様に第5図の結果から、HRP標識化bET−23aを用い
る測定法は、ビッグエンドセリン−3に特異的であり、
他のエンドセリンとはほとんど反応しない(交差反応
性、0.1%以下)ことが分った。また、測定感度は、8
×10-16モル/ウェルであった。
VIII.羊水中のエンドセリン−3の定量 羊水(1ml)をセップパックC−18カートリッジで濃
縮・前処理したのち、エンドセリン−3を上記IV記載サ
ンドイッチ法−EIAにより定量した。羊水の前処理の方
法をスキーム1に、測定結果を第1表に示した。第1表
の結果より、出産時の羊水中に4.2±3.9pg/ml(mean±S
D,n=8)のエンドセリン−3が存在することが分っ
た。
IX.羊水中のエンドセリン−3の逆相高速液体クロマト
グラフィー(RP−HPLC)による検出 第1表、No.3の羊水1.5mlを上記V記載のセップパッ
クC−18カートリッジを用いて前処理したのち、チッ素
気流下で濃縮した。次に濃縮物を、後述する溶離液A100
μに溶解したのち、RP−HPLCで分離した。分離条件を
以下に示す。
カラム:ODS−80TM(4.6mmφ×250mm,東ソー社製) 溶離液A:0.05%−トリフルオロ酢酸(TFA)を含む5
%アセトニトリル 溶離液B:0.05%TFAを含む60%アセトニトリル 溶出方法:溶離液Bの濃度を最初の5分間の間に0〜
40%に、次の20分間に40〜65%に、さらに次の5分間に
65〜100%に、直線的に上昇させる。
流 速:1ml/分 分 画:0.5ml/tube 溶出画分を減圧下、遠心濃縮乾固したのち、250μ
のバッファーEに溶解させ、上記IV記載のサンドイッチ
法−EIAに供した。結果を第6図に示す。羊水中のエン
ドセリン−3の免疫活性は合成エンドセリン−3の溶出
位置に検出されたことから、該サンドイッチ法−EIAが
エンドセリン−3を検出していることが確認された。
X.健常人および透析患者血漿中のエンドセリン−3の定
量 ヒト血漿(1ml)をスキーム1に示す方法により、濃
縮、前処理したのち、エンドセリン−3を上記IV記載サ
ンドイッチ法−EIAにより定量した。健常人17名(男
性、37.5±4.9才)および透析患者24名(男性、46.0±
7.0才)の血漿の測定結果を第7図に示す。
この結果から、この測定法により血漿中のエンドセリ
ン−3が定量可能であること、および、透析患者でエン
ドセリン−3の血漿レベルが増加することから、この測
定法が臨床上も有用であることが明らかにされた。
XI.健常人および透析患者血漿中のエンドセリン−3免
疫活性のRP−HPLCによる検出 健常人血漿、20ml、あるいは透析患者血漿80mlを同量
のPBSで希釈したのち、AET−30の結合セファロース4Bカ
ラム(I−4記載の方法により、1.5mgの抗体を1gのCNB
r活性化セファロース4Bに結合させたゲル1.5mlを含む)
に10ml/時間の速度で通した。カラムを15mlのPBSで洗浄
したのち、3mlの0.05%TFAを含む60%アセトニトリル溶
液で溶出し、窒素気流下濃縮した。濃縮物を0.05%TFA
および0.05%CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)
ジメチルアンモニオ]1−プロパンスルホネート)(3
−[(3−cholamidopropyl)dimethylammonio]−1−
propanesultonate)を含む5%アセトニトリル溶液で溶
解したのち、IX記載の溶出条件により、RP−HPLCで分析
した。
結果を第8図に示す。健常人(A)および透析患者
(B)いずれの免疫活性も、標準の合成エンドセリン−
3の溶出位置に検出されたことから、該サンドイッチ−
EIAが、血漿中のエンドセリン−3を検出していること
が確認され、その優れた特性が明らかとなった。
XII モノクローナル抗体AET−30aの中和活性能の検討 ブタ左冠状動脈より摘出した約2cmのらせん状条片
を、混合ガス(95%O2+5%CO2)通気下にクレブス−
ヘンゼライト液(以下栄養液と略す)で満たされたマグ
ヌス管内に懸垂した。37℃で3時間放置したのち、血管
平滑筋の収縮により発生する張力をアイソメトリックト
ランデューサー(ポリグラフ、NEC三栄社製)により測
定した。試料として、あらかじめ20倍moleのAET−30aと
37℃、20分間反応させたエンドセリン−3溶液(最終エ
ンドセリン−3濃度1×10-8M)を添加しても発生する
張力は、同濃度のエンドセリン−3により惹起される張
力の7.0%(n=5)であるのに対し、対照抗体H272−1
1(抗癌胎児性抗原)とエンドセリン−3とを反応させ
た溶液(最終1×10-8M)を添加した場合にはエンドセ
リン−3と同程度(121%,n=5)の収縮による張力が
観測された。以上のことから、AET−30aはエンドセリン
−3の血管平滑筋収縮活性を中和することが明らかとな
った。
〔発明の効果〕
本発明のエンドセリン−3に対するモノクローナル抗
体は、極めて高い結合能を有し、かつエンドセリン−3
の血管平滑筋収縮活性を中和することができる。該モノ
クローナル抗体とエンドセリン−3のC端部を認識する
抗体とを用いるサンドイッチ法による免疫学的測定法に
より、エンドセリン−3を高感度にかつエンドセリン−
1あるいはエンドセリン−2あるいはビッグエンドセリ
ン−3と交差反応することなく定量することができる。
また該抗体は、エンドセリン−3と関連する各種疾患に
おいて、エンドセリン−3の強力なアンタゴニストとし
て使用し得る。
また、本発明のビッグエンドセリン−3 C端ペプチド
に対するモノクローナル抗体は、ビッグエンドセリン−
3 C末端に対し、幅広い特異性を有することから、ビッ
グエンドセリン−3免疫活性の検出に有利であり、該モ
ノクローナル抗体とエンドセリン−3に対するモノクロ
ーナル抗体とを用いるサンドイッチ法による免疫学的測
定法により、ビッグエンドセリン−3を高感度にかつ、
エンドセリン−1、−2、−3、およびビッグエンドセ
リン−1と交差反応することなく定量することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はモノクローナル抗体AET−30aを用いる競合法−
EIAにおけるエンドセリン−3およびエンドセリン−1
の標準曲線を示す。 第2図はモノクローナル抗体AET−30aおよび抗エンドセ
リン−3 C端ペプタイド抗体を用いるサンドイッチ法−E
IAにおけるエンドセリン−3(−●−)、エンドセリン
−1(−▲−)、エンドセリン−2(−■−)、ヒトビ
ッグエンドセリン−1(−○−)、ブタビッグエンドセ
リン−1(−□−)、およびビッグエンドセリン−3
(−△−)の標準曲線を示す。 第3図(A)はモノクローナル抗体bET−31aを用いる競
合法−EIA、(B)はモノクローナル抗体bET−23aを用
いる競合法−EIA、各々におけるビッグエンドセリン−
3(−▲−)、ビッグエンドセリン−1(ヒト)(−○
−)、エンドセリン−3(−●−)、ビッグエンドセリ
ン−3 C端ペプチド(22−42)(−■−)、およびビッ
グエンドセリン−3C端ペプチド(22−41)−NH2(−□
−)の標準曲線を示す。 第4図はモノクローナル抗体AET−30aおよびモノクロー
ナル抗体bET−31aを用いるサンドイッチ法−EIAにおけ
るビッグエンドセリン−3(−▲−)ビッグエンドセリ
ン−1(ヒト)(−○−)、エンドセリン−3(−●
−)、エンドセリン−1(−■−)、およびエンドセリ
ン−2(−□−)の標準曲線を示す。 第5図はモノクローナル抗体AET−30aおよびモノクロー
ナル抗体bET−23aを用いるサンドイッチ法−EIAにおけ
るビッグエンドセリン−3(−▲−)ビッグエンドセリ
ン−1(ヒト)(−○−)、エンドセリン−3(−●
−)、エンドセリン−1(−■−)、およびエンドセリ
ン−2(−□−)の標準曲線を示す。 第6図はセップパックC−18カートリッジ処理後のヒト
羊水の逆相HPLCによる分離および、上記サンドイッチ法
−EIAによる検出結果を示す。矢印は合成標準エンドセ
リンおよびビッグエンドセリンの溶出位置を示す。 略号: ET−3,エンドセリン−3;(a)ヒトビッグエンドセリン
−1の酸化物;hbig−ET−1,ヒトビッグエンドセリン−
1;(b)エンドセリン−1の酸化物;pbig−ET−1,ブタ
ビッグエンドセリン−1;ET−1,エンドセリン−1,および
ET−2,エンドセリン−2。 第7図は、健常人および透析患者血漿中のエンドセリン
−3濃度の測定結果を、また、第8図は、健常人および
透析患者血漿エンドセリン−3免疫活性の逆相HPLCによ
る分離および上記サンドイッチ法−EIAによる検出結果
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/577 C12N 15/00 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/08 C07K 16/18 C12N 15/00 - 15/07 BIOSIS(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンドセリン−3に結合性を有し、エンド
    セリン−1及びエンドセリン−2と交差反応性を示さな
    い、AET−30aで標示されるマウスモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】エンドセリン−3に結合性を有し、エンド
    セリン−1及びエンドセリン−2と交差反応性を示さな
    い、AET−30aで標示されるマウスモノクローナル抗体を
    産生するハイブリドーマ細胞。
  3. 【請求項3】寄託番号がFERM BP−2523(AET−30)で
    ある、請求項2記載のハイブリドーマ細胞。
  4. 【請求項4】請求項1記載の抗エンドセリン−3モノク
    ローナル抗体AET−30aと、被検液および標識化エンドセ
    リン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識
    化エンドセリン−3の割合を測定することを特徴とす
    る、被検液中のエンドセリン−3の定量法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の抗エンドセリン−3モノク
    ローナル抗体AET−30aを用いたサンドイッチ法による被
    検液中のエンドセリン−3の定量法。
  6. 【請求項6】担体上に不溶化した請求項1記載の抗エン
    ドセリン−3モノクローナル抗体AET−30aに被検液を接
    触させた後、標識化された抗エンドセリン−3C端ペプチ
    ド(Csy His Leu Asp Ilc Ilc Trp)抗体を接触
    させ、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特
    徴とする、被検液中のエンドセリン−3の定量法。
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