JPH08333393A - リポタンパク(a)の診断アッセイおよびそれに用いるペプチド - Google Patents

リポタンパク(a)の診断アッセイおよびそれに用いるペプチド

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JPH08333393A
JPH08333393A JP7141904A JP14190495A JPH08333393A JP H08333393 A JPH08333393 A JP H08333393A JP 7141904 A JP7141904 A JP 7141904A JP 14190495 A JP14190495 A JP 14190495A JP H08333393 A JPH08333393 A JP H08333393A
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antibody
peptide
apolipoprotein
lipoprotein
epitope
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JP7141904A
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G Chiknas Steven
スティーブン・ジー・チクナス
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JOHN E CARBAUGH JR
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JIYON II KAABOO JIYUNIA
JOHN E CARBAUGH JR
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血清試料中のリポタンパク(a)またはアポ
リポタンパク(a)の存在の検出および/または定量の
ためのアッセイであって、血清中のプラスミノーゲンの
存在によって引き起こされる妨害を最小限にするアッセ
イ、および該アッセイを行うための抗体を調製するため
のペプチドを提供する。 【構成】 アポリポタンパク(a)の活性部位領域のエ
ピトープと実質的に同じエピトープを呈示するペプチド
であって、該ペプチドに結合する抗体はまた該活性部位
領域の該エピトープにも結合するものであることを特徴
とするペプチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液試料などの流体試
料中のリポタンパク(a)またはアポリポタンパク
(a)の存在を決定するための診断製品および方法に関
する。本発明はまた、哺乳動物においてリポタンパク
(a)の存在を減少させるための、またはリポタンパク
(a)に対する免疫応答を生成させるための治療組成物
および方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】リポ
タンパクは血漿コレステロールの主要な担体である。リ
ポタンパクは、極性脂質に結合した1または2以上のタ
ンパク質からなる表面フィルムがコレステロール含有コ
アを取り囲むミセル状の脂質−タンパク質複合体(粒
子)である。リポタンパクは、もともと、超遠心分離に
より測定された浮力(buoyant)密度に基づいて分類さ
れた。それによれば、キロミクロン、超低密度リポタン
パク(VLDL)、低密度リポタンパク(LDL)およ
び高密度リポタンパク(HDL)の4種の主要な密度分
類が認識されている。
【0003】血漿LDLコレステロールレベルと冠状動
脈疾患(CAD)に対するリスクとの間に直接の相関関
係が研究によって確立されている。すなわち、LDL粒
子中に認められる血漿コレステロールの上昇レベルはC
ADに対するリスクの増大と相関関係を有する。同様
に、現在、多くの研究により、LDLの成員であるリポ
タンパク(a)の血漿レベルの上昇が心臓疾患およびア
テローム性動脈硬化症のハイリスク因子であることが示
されている。
【0004】リポタンパク(a)分子の構造は、ジスル
フィド結合を介して2つのアポリポタンパク(a)分子
に結合したアポリポタンパクB−100として同定され
るタンパク質部分を含むことが決定されている。リポタ
ンパク(a)の構造は血管障害の修復に関与する血液成
分であるプラスミノーゲンの構造と類似しており、プラ
スミノーゲンは組織型プラスミノーゲン活性化因子(t
−PA)またはウロキナーゼによる特定の活性部位での
タンパク質分解開裂により活性化される。プラスミノー
ゲン活性部位を包含する領域(「活性部位領域」)は、
類似のアポリポタンパク(a)領域とアミノ酸配列が異
なっている。プラスミノーゲン活性部位(アルギニン−
バリン)の周辺の配列はLYS−CYS−PRO−GL
Y−ARG−VAL−VAL−GLY−GLYである
が、一方、類似のアポリポタンパク(a)の配列はLY
S−CYS−PRO−GLY−SER−ILE−VAL
−GLY−GLYである。イートン(Eaton)ら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA、84:3224〜322
8、3227(1987)参照(参照のため本明細書に
引用する)。さらに、プラスミノーゲンはウロキナーゼ
またはt−PAによるアルギニン560での開裂により
活性化されるが、アポリポタンパク(a)は不活性ある
いはストレプトキナーゼ、ウロキナーゼまたはt−PA
によって活性化されない。上記文献参照。本明細書にお
いては、プラスミノーゲンの活性部位領域に類似のアポ
リポタンパク(a)の上記領域は、「アポリポタンパク
(a)の活性部位領域」と称する。
【0005】プラスミノーゲンおよび類似のアポリポタ
ンパク(a)活性部位領域におけるこれら相違にも拘わ
らず、リポタンパク(a)およびプラスミノーゲンのア
ミノ酸配列はかなり相同性を有しており、それぞれ「ク
リングル」と呼ばれるアミノ酸の長い繰り返し配列を有
する。リポタンパク(a)アッセイを構築しようとする
従来の試みは、リポタンパク(a)分子全体に対して産
生させた抗体を利用していた。アポリポタンパク(a)
は公知の遠心分離法によって精製することができ、つい
で、精製したタンパク質を動物に注射して抗体を産生さ
せることができる。リポタンパク(a)とプラスミノー
ゲンとの間でかなりの構造的相同性がみられるため、リ
ポタンパク(a)分子全体に対して産生させた抗体の殆
どはリポタンパク(a)とプラスミノーゲンとの両者に
共通するエピトープを認識した、すなわち、これら抗体
はプラスミノーゲンと交差反応する。従って、プラスミ
ノーゲンと交差反応しない抗体の数が少ないこと、およ
び交差反応しないこれら限られた抗体が何に結合するの
かに関して確証がないことのため、そのようなアッセイ
の成功は限られていた。さらに、アポリポタンパク
(a)のアッセイを行う能力は、アッセイ結果を正確に
比較できる標準が存在しないために行き詰まっていた。
【0006】それゆえ、血清中に存在するプラスミノー
ゲンが偽陽性の結果をもたらすので、リポタンパク
(a)について血清試料を直接アッセイすることは容易
ではなかった。このため、プラスミノーゲンによる偽陽
性の問題を回避して血清試料中のリポタンパク(a)の
存在または不存在を決定するための手段、およびアッセ
イ結果を正確に測定することのできる標準が必要とされ
ていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の目的
は、血清試料中のリポタンパク(a)またはアポリポタ
ンパク(a)の存在の検出および/または定量のための
アッセイを提供することであり、該アッセイは、血清中
のプラスミノーゲンの存在によって引き起こされる妨害
を最小限にするものである。本発明の目的はまた、その
ようなアッセイに有用でそのようなアッセイを行うため
の抗体を調製するためのペプチドを提供することにあ
る。本発明の他の目的は、アッセイ結果を正確に比較す
ることのできる標準を提供することである。
【0008】本発明の他の目的は、試料からリポタンパ
ク(a)またはアポリポタンパク(a)をクロマトグラ
フィーにより分離するための組成物および方法を提供す
ることである。本発明の別の目的は、リポタンパク
(a)が存在する哺乳動物を治療するための治療用組成
物および方法を提供することである。
【0009】これら目的を達成するに当たり、本発明の
一つの態様に従い、アポリポタンパク(a)の活性部位
領域によって呈示されるエピトープと実質的に同様のエ
ピトープを呈示するペプチドが提供され、その際、該ペ
プチドに結合する抗体はまた該活性部位領域の該エピト
ープにも結合する。好ましい態様において、該ペプチド
は、配列SER−ILEのアミノ酸残基またはその免疫
学的等価物を含む。
【0010】本発明の他の態様に従い、以下の配列のア
ミノ酸残基またはその免疫学的等価物を含むペプチドが
提供される: GLU−PRO−LYS−LYS−CYS−PRO−G
LY−SER−ILE−VAL−GLY−GLY−CY
S−VAL−ALA。 本発明の他の態様は、上記ペプチドが結合した担体から
なるペプチド構築物を提供する。
【0011】本発明の他の態様は、アポリポタンパク
(a)の活性部位領域によって呈示されるエピトープに
結合する抗体の調製法を提供する。該方法は、上記ペプ
チド構築物で動物または哺乳動物を免疫し、ついで産生
された抗体を回収することを特徴とする。この方法によ
ってかくして製造された抗体も本発明に包含される。こ
の点において、上記ペプチドを認識する抗体(モノクロ
ーナル抗体を含む)も本発明に包含される。そのような
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマもまた本
発明に包含される。好ましい態様としては、プラスミノ
ーゲンと実質的に交差反応を示さない抗体が挙げられ
る。
【0012】本発明の他の態様としては、試料中のリポ
タンパク(a)またはアポリポタンパク(a)の存在を
決定するためのアッセイが挙げられる。これらアッセイ
は、アポリポタンパク(a)の活性部位領域のエピトー
プに結合する第一抗体に試料を接触させ、アポリポタン
パク(a)−第一抗体反応生成物を生成するに充分な時
間、該第一抗体を試料と接触保持し、ついで、アポリポ
タンパク(a)−第一抗体反応生成物が存在するか否か
を決定する工程を含む。
【0013】本発明の他の態様としては、アポリポタン
パク(a)の活性部位領域のエピトープに結合する抗体
を使用することを特徴とする、試料中のリポタンパクア
ッセイが挙げられる。本発明の他の態様としては、上記
アッセイを行うことのできる試薬を包含するキットの形
態の診断システムが挙げられる。
【0014】他の態様としては、アッセイ結果を正確に
測定することのできる合成二次標準ペプチドが挙げられ
る。該標準は、連結領域によって隔てられた第一領域お
よび第二領域を含む。第一領域は第一抗体が結合するア
ミノ酸残基の配列を含み、第二領域は第二抗体が結合す
るアミノ酸残基を含む。該連結領域は、該第一抗体およ
び第二抗体が結合しない物質(たとえば、アミノ酸残
基)からなり、かつ該第一抗体および第二抗体が該第一
領域および第二領域に結合する際の立体障害を最小限に
するに充分な長さを有する。本発明のさらに他の態様
は、上記抗体を利用して試料からリポタンパク(a)ま
たはアポリポタンパク(a)をクロマトグラフィーによ
り分離する方法、および該抗体を含むクロマトグラフィ
ー物質である。
【0015】本発明のさらに他の態様としては、本発明
の抗体を含む治療用組成物、および本発明の抗体を含む
抗体コンジュゲートが挙げられる。そのようなコンジュ
ゲートは、たとえば、リポタンパク(a)を開裂させる
かまたは他の仕方で変化させる剤、またはリポタンパク
(a)−コンジュゲート複合体自体に対する免疫応答を
引き起こす剤を含んでいてよい。リポタンパク(a)に
対する免疫応答を引き起こすために本発明のペプチドを
用いることができる。そのような治療用組成物を用い、
哺乳動物においてリポタンパク(a)の存在を減少させ
る方法も提供される。
【0016】驚くべきことに、アポリポタンパク(a)
の活性部位領域は、該活性部位領域が呈示するエピトー
プと実質的に同様のエピトープを有するペプチドに対し
て産生された抗体が天然のアポリポタンパク(a)を認
識し結合するようなエピトープを呈示することがわかっ
た。とりわけ、セリン−イソロイシン(SER−IL
E)配列またはその免疫学的等価物と、それに隣接した
アポリポタンパク(a)の活性部位領域からの充分なア
ミノ酸残基またはその免疫学的等価物とを含み、アポリ
ポタンパク(a)の活性部位領域によって呈示されるエ
ピトープと実質的に同様のエピトープを生成するペプチ
ドは、アポリポタンパク(a)を認識および結合する抗
体を産生させるのに用いることができる。さらに、本発
明のペプチドに対して産生させた抗体はプラスミノーゲ
ンとの交差反応性を殆どまたは全く示さず、それゆえ、
血清中のリポタンパク(a)のアッセイまたは血清から
のリポタンパク(a)の分離に有用である。
【0017】かかる発見に基づき、リポタンパク(a)
のアッセイは今やプラスミノーゲンによる妨害の問題を
回避して行うことができる。それゆえ、少なくとも2つ
の基本的なタイプのアッセイを本発明に従って行うこと
ができる。第一のタイプのアッセイにおいては、プラス
ミノーゲンの活性部位を認識するがアポリポタンパク
(a)の活性部位は認識しないプロテアーゼ(たとえ
ば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼまたはtPA)
を、アッセイしようとする血清試料に加える。プラスミ
ノーゲンは開裂され、そのため、アポリポタンパク
(a)の活性部位領域のエピトープと同様のエピトープ
を呈示しない。それゆえ、たとえ本発明のペプチドに対
して産生された抗体がプラスミノーゲンとの交差反応性
を示すとしても、酵素添加後に試料中に存在する唯一の
完全な活性部位領域はアポリポタンパク(a)の活性部
位領域であろう。それゆえ、これら抗体は実質的にアポ
リポタンパク(a)にのみ結合するであろう。
【0018】他の基本的なタイプのアッセイにおいて
は、プラスミノーゲンと実質的に交差反応しない抗体を
用いる。そのようなアッセイにおいては、プラスミノー
ゲンを開裂するために試料をプロテアーゼで前以て処理
する必要がない。そうしなくとも、通常のアッセイ形態
を用い、プラスミノーゲンによる妨害なしにアポリポタ
ンパク(a)について試料を直ちにアッセイすることが
できる。かかる抗体の選択については以下に記載する。
【0019】上記タイプのアッセイは、両方とも本発明
に包含される。当業者であれば、本明細書において教示
する生物学的生成物を用いて行うことのできる他のタイ
プのアッセイを容易に認識することができるであろう。
多くの異なるアッセイ形態(サンドイッチ、競合、沈
降、均一、不均一など)を上記タイプのアッセイに行う
ことができる。
【0020】A.定義 本明細書において使用する幾つかの術語の定義を以下に
説明する。アミノ酸残基 : 本明細書に記載するものは天然のL体
のものである。アミノ酸残基に対する以下の略語を用い
る。 記号 アミノ酸 1文字 3文字 Y Tyr L−チロシン G Gly グリシン F Phe L−フェニルアラニン M Met L−メチオニン A Ala L−アラニン S Ser L−セリン I Ile L−イソロイシン L Leu L−ロイシン T Thr L−トレオニン V Val L−バリン P Pro L−プロリン K Lys L−リジン H His L−ヒスチジン Q Gln L−グルタミン E Glu L−グルタミン酸 W Trp L−トリプトファン R Arg L−アルギニン D Asp L−アスパラギン酸 N Asn L−アスパラギン C Cys L−システイン 本明細書においては全てのアミノ酸残基配列を、左から
右への方向が通常のアミノ末端からカルボキシ末端への
方向となるような式にて表示する。
【0021】ペプチド: 本明細書においてペプチド
は、隣接残基のα−アミノ基とα−カルボキシ基との間
のペプチド結合によって一つずつ連結したアミノ酸残基
の直線状の連なりをいうのに用いる。本明細書において
ペプチドというときは、リポタンパク(a)やアポリポ
タンパク(a)などの天然に存在するタンパク質は包含
しない。タンパク質 : タンパク質とは、アミノ酸残基の天然に
存在するあらゆる組み合わせをいう。
【0022】抗体: 本明細書において抗体なる語は、
免疫グロブリン分子および/または免疫グロブリン分子
の免疫学的に活性な部分、すなわち「抗原結合部位」ま
たはパラトープ(paratope)を含む分子の集団を意味す
る集合名詞として用いる。抗原結合部位とは、抗体分子
のうち抗原に特異的に結合する構造部分をいう。抗体の
例としては、完全な免疫グロブリン分子、実質的に完全
な免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子のう
ちパラトープを含む部分(当該技術分野においてFa
b、Fab’、F(ab')2およびF(v)として知ら
れるものを含む)が挙げられる。
【0023】抗体のFabおよびF(ab')2部分は、
よく知られた方法によって実質的に完全な抗体に対して
それぞれパパインおよびペプシンのタンパク質分解反応
に供することによって調製することができる。たとえ
ば、テオフィロポラス(Theofilopolous)およびディ
クソン(Dixon)の米国特許第4,342,566号を参
照。Fab’抗体部分もまたよく知られており、F(a
b')2部分の2つのH鎖部分を連結しているジスルフィ
ド結合をメルカプトエタノールなどで還元し、ついで得
られたタンパク質メルカプタンをヨードアセトアミドな
どの試薬でアルキル化することによって製造できる。抗
体および結合断片はまた、当業者によく知られた組換え
法によっても製造することができる。たとえば、ラドナ
ー(Ladner)らの米国特許第4,946,778号を参
照。
【0024】抗体はまた、アポリポタンパク(a)のプ
ロテアーゼ部位に結合することができ反応を触媒する触
媒性抗体(catalytic antibodies)であってもよい。触
媒性抗体は当業者によく知られている;たとえば、「C
atalytic Antibodies」C&EN、26〜40頁(19
90年5月28日)(参照のため本明細書に引用する)
を参照。ポリクローナル血清 : 本明細書においてポリクローナ
ル抗体とは、本発明のペプチド構築物を注射したことに
応答して1または2以上の動物において生成された抗体
を含む血清をいう。
【0025】モノクローナル抗体: モノクローナル抗
体とは、特定の抗原と免疫反応しうる1種のみの抗体結
合部位(antibody combining site)を含む抗体分子の
集団をいう。それゆえ、モノクローナル抗体は、一般に
それが免疫反応する抗原に対して単一の結合親和性を示
す。それゆえ、モノクローナル抗体には、複数の抗体結
合部位(各々異なる抗原に対して免疫特異的である)を
有する抗体分子、たとえば2特異的または「2官能性」
モノクローナル抗体が含まれる。抗原に対するモノクロ
ーナル抗体の親和性の決定法およびこれら親和性を等価
物と比較する方法は当該技術分野でよく知られている。
たとえば、ミュラー(Muller)、J.Immunol.Met
h.、34:345352(1980)およびソカル(S
okal)ら、Biometry.、フリーマン(W.H.Freeman&
Co.)(1981)を参照。
【0026】B.ペプチド 血漿中のリポタンパク(a)の存在、および場合によっ
ては量を同定することのできる診断イムノアッセイを構
築するには、リポタンパク(a)を他の血液成分から分
離させるために抗体などの免疫学的手段が必要である。
リポタンパク(a)に結合しうる抗体とするためには、
該分子の表面上に存在するエピトープに向けられたもの
である必要がある。表面タンパク質が球状の脂質部分を
動的状態にて取り囲み動的状態にて該脂質部分中に埋め
込まれているリポタンパクの場合、実質的に常に脂質の
表面上に存在するエピトープに対する抗体を選択するこ
とが望ましい。さらに、一次構造が種々の数の「クリン
グル」と呼ばれる繰り返し断片(その数および表面利用
性(surface availability)は変わり得る)として会合
するリポタンパク(a)のような分子においては、各分
子に一つしか存在しないエピトープを選択することもま
た重要である。さらに、リポタンパク(a)またはアポ
リポタンパク(a)の血清アッセイにおいては、血清試
料中に存在するプラスミノーゲンと実質的に交差反応し
ない抗体を用いることが望ましい。アポリポタンパク
(a)の活性部位領域によって呈示されるエピトープと
実質的に同様のエピトープを呈示するペプチドに対して
産生された抗体は、上記基準のすべてを明らかに満足す
ることがわかった。
【0027】上記に従い、アポリポタンパク(a)中の
活性部位領域のエピトープと実質的に同様のエピトープ
を呈示するペプチドを合成することができる。本発明に
よるペプチドは、まず、セリン−イソロイシン(SER
−ILE)配列またはその免疫学的等価物を含む。該ペ
プチドはまた、セリンおよびイソロイシンのいずれかま
たはその両方に隣接する1または幾つかのアミノ酸残基
も含む。これら隣接する残基は、アポリポタンパク
(a)の活性部位領域からのアミノ酸残基またはその免
疫学的等価物を含んでいなければならない。免疫学的等
価物とは、アポリポタンパク(a)の活性部位領域配列
の一部またはすべてを再現するペプチドにおいて、ある
アミノ酸残基の置換および/または欠失を起こさせるこ
とができ、この新たなペプチドが依然として実質的に同
様の免疫応答を引き起こすことを意味する。そのような
置換および/または欠失は、確立された原理(その幾つ
かは以下に簡単に記載する)に従い、天然の配列を有す
るペプチドに対して産生させた抗体と実質的に同じよう
に挙動する抗体を産生させるために使用することのでき
るペプチドが得られるように行うことができる。この点
において、アポリポタンパク(a)の活性部位領域のエ
ピトープに結合する抗体は等価物と考えられる。それゆ
え、免疫学的等価物であるためには、天然のアポリポタ
ンパク(a)の活性部位領域配列またはその断片の各残
基が免疫学的等価物の残基と置換されることは必要では
なく、むしろペプチドが全体として実質的に同様の免疫
応答を引き起こすことが必要である。
【0028】それゆえ、本発明によるペプチドにおい
て、セリン(またはセリン−イソロイシン二量体)また
は該セリンの免疫学的等価物は、該セリンに結合してた
とえば以下の残基またはその免疫学的等価物を有してい
てよい: GLY− PRO−GLY− CYS−PRO−GLY− LYS−CYS−PRO−GLY− LYS−LYS−CYS−PRO−GLY− PRO−LYS−LYS−CYS−PRO−GLY− GLU−PRO−LYS−LYS−CYS−PRO−GLY− 等々。
【0029】同様に、セリン−イソロイシン二量体中の
イソロイシン、またはイソロイシンの免疫学的等価物
は、該イソロイシンに結合してたとえば以下の残基また
はその免疫学的等価物を有していてよい: −VAL −VAL−GLY −VAL−GLY−GLY −VAL−GLY−GLY−CYS −VAL−GLY−GLY−CYS−VAL −VAL−GLY−GLY−CYS−VAL−ALA 等々。
【0030】あるいは、上記残基は、SER−ILE二
量体自体に対する免疫学的等価物を呈示する1または2
以上のアミノ酸残基に結合させることができるし、また
はGLY−SER−ILEまたはSER−ILE−VA
L三量体等々(たとえば、四量体、五量体など)に対す
る免疫学的等価物を呈示する1または2以上のアミノ酸
残基に対応残基に結合させることもできる。同様に、本
発明の範囲内の他の多くの変更物および組み合わせ物の
調製は充分に当業者の技量の範囲内であり、どのペプチ
ドが所望の免疫応答を引き起こすかの決定には日常的な
実験手順のみが必要とされるであろう。
【0031】それゆえ、あるアミノ酸を他のアミノ酸で
置換することは、それが保存的であるかまたは非保存的
であるかに拘わらず、かかる変更がペプチドの使用にお
いて何らかの利点をもたらすものである限り本発明の範
囲に包含される。保存的置換とは、あるアミノ酸残基が
他の生物学的に類似の残基で置換されるものである。保
存的置換の例としては、イソロイシン、バリン、ロイシ
ンまたはメチオニンなどの疎水性残基の一つを他の疎水
性残基で置換したり、または極性残基の一つを他の極性
残基で置換すること、たとえばアルギニンとリジンとの
間、グルタミン酸とアスパラギン酸との間またはグルタ
ミンとアスパラギンとの間などでの置換が挙げられる。
保存的置換にはまた、非置換の親アミノ酸の代わりに置
換アミノ酸を使用することが含まれるが、そのようにし
て得られたペプチドもまた必要な結合活性を示すことを
条件とする。
【0032】アポリポタンパク(a)の活性部位領域の
配列と同一でない配列を有する(1または2以上の保存
的または非保存的置換および/または欠失がなされてい
るために)本発明によるペプチドは、「リンカー」(こ
れにより本発明のペプチドを標識、固体マトリックス、
または担体に都合よく結合させることができる)を提供
する目的でいずれかの末端にさらに残基が付加されてい
る場合を除き、通常、アポリポタンパク(a)の活性部
位領域の全部または一部を構成するアミノ酸残基の約3
0数%(number percent)以下、有利には約20数%以
下、好ましくは約10数%以下が置換または欠失されて
いる。本発明のペプチドに使用することのできる標識、
固体マトリックス、または担体を以下に記載する。
【0033】アミノ酸残基リンカーは、通常、少なくと
も1のアミノ酸残基を含み、40またはそれ以上の残
基、一層しばしば1〜10の残基を含んでいてよい。リ
ンカー残基はリポタンパク(a)のエピトープを形成し
ない、すなわち、これら残基は構造がリポタンパク
(a)と類似していない。連結に用いられる典型的なア
ミノ酸残基は、グリシン、アラニン、セリン、トレオニ
ンなどである。加えて、本発明によるペプチドのアミノ
酸残基配列は、特に断らない限り、末端NH2のアシル
化、たとえばアセチル化により修飾した配列により、ア
ポリポタンパク(a)の活性部位領域の天然の配列と異
なっていてよい。
【0034】本発明のペプチドの長さは、たとえば免疫
に使用した担体に依存して変わり得る。一般にペプチド
の長さは、ペプチドに対して産生させた抗体の集団が一
層高濃度の所望の抗体を含んでいるように、所望のエピ
トープ以外のエピトープの数を最小限に抑えるような長
さであるのが好ましい。さらに、ペプチドを化学合成に
より調製する場合には、一般に余分の残基があれば調製
に要する時間が長くなるであろう。しかしながら、アポ
リポタンパク(a)の活性部位領域のエピトープに加え
て他のエピトープをも呈示するペプチドも本発明に包含
される。日常的な実験によって最適の長さが得られるで
あろう。
【0035】全く単なる一つの例示として、以下のアミ
ノ酸残基の配列を有するペプチドが、アポリポタンパク
(a)の活性部位領域に結合する抗体を調製するうえで
非常に有用であることがわかった: GLU−PRO−LYS−LYS−CYS−PRO−G
LY−SER−ILE−VAL−GLY−GLY−CY
S−VAL−ALA。 この長さは、使用すべきペプチド構築物のタイプゆえに
選ばれたものであった。
【0036】本発明によるペプチドは、組換えDNA法
を含むペプチドの技術分野における当業者に知られたい
ずれの方法によっても合成することができる。固相メリ
フィールド型合成などの合成化学法が、純度、抗原特異
性、所望でない副生物がないこと、製造の容易さなどの
点から好ましい。利用できる多くの方法の優れた総論
が、固相ペプチド合成に関してはスチュワード(J.M.
Steward)およびヤング(J.D.Young)の「固相ペプ
チド合成(Solid Phase Peptide Synthesis)」、
フリーマン、サンフランシスコ(1969);ボダンス
キー(M.Bodanszky)ら、「ペプチド合成(Peptide
Synthesis)」、ジョンウイリー&サンズ(John Wil
ey & Sons)、第2版(1976);およびマイエン
ホーファー(J.Meienhofer)、「ホルモン性タンパク
質およびペプチド(Hormonal Proteins and Peptide
s)」、Vol.2、46頁、アカデミックプレス(Acade
micPress)、ニューヨーク(1983)に、古典的な
溶液合成に関してはシュローダー(E.Schroder)およ
びクブケ(K.Kubke)、1 THE PEPTIDE
S、アカデミックプレス、ニューヨーク(1965)に
見出すことができる(参照のため本明細書に引用す
る)。かかる合成に用いることのできる適当な保護基に
ついては、上記テキストの他、マッコミー(J.F.W.
McOmie)、PROTECTIVE GROUPS IN
ORGANIC CHEMISTRY、プレナムプレス
(Plenum Press)、ニューヨーク(1973)に記載
されている(参照のため本明細書に引用する)。
【0037】一般に、固相合成法は、伸長していくペプ
チド鎖に1または2以上のアミノ酸残基または適当に保
護したアミノ酸残基を連続的に付加していくことからな
る。通常、最初のアミノ酸残基のアミノ基またはカルボ
キシル基のいずれかを適当な選択的に除去し得る保護基
で保護する。リジンのような反応性の側鎖基を有するア
ミノ酸に対しては、異なる選択的に除去し得る保護基を
用いる。
【0038】例示した固相合成を用いる際、上記保護し
たまたは誘導体化したアミノ酸を、保護していないカル
ボキシル基またはアミノ基によって不活性な固相支持体
に結合させる。ついで、アミノ基またはカルボキシル基
の保護基を選択的に除去し、適当に保護した相補的な
(アミノまたはカルボキシル)基を有する該配列中の次
のアミノ酸を混合し、固相支持体にすでに結合した残基
とアミド結合を形成するのに適した条件下で反応させ
る。ついで、この新たに付加したアミノ酸残基からアミ
ノ基またはカルボキシル基の保護基を除去し、ついで次
のアミノ酸(適当に保護してある)を加え、以下同様に
操作する。すべての所望のアミノ酸が適当な順番で連結
された後、残留している末端および側鎖基の保護基(お
よび固相支持体)を順番にまたは同時に除去して最終的
なペプチドを得る。
【0039】C.ペプチド構築物 担体とカップリングさせてペプチド構築物を形成した場
合には、本発明のペプチドは、アポリポタンパク(a)
の活性部位領域に結合しうる抗体を誘発させることがで
きる。ペプチド構築物の調製は、当業者にはよく知られ
ている。多くの異なるタイプの構築物を想定することが
できるが、好ましい構築物は、タム(Tam)らのマルチ
プルアンチジェンペプチドシステム(Multiple Antig
en Peptide System)(「合成ペプチドワクチンデザ
イン(Synthetic Peptide Vaccine Design)」、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA、85:5409〜54
13(1988年8月))に従って組み立てることがで
きる。タムらの方法に従って調製した構築物からは、リ
ポタンパク(a)に高度に特異的な抗体を含む血清が得
られることがわかった。
【0040】タムらの方法に従い、約12,000ダル
トンの分子量を有する本発明の構築物を調製した(実施
例1〜3参照)。この構築物は、それぞれトリグリシン
からなる伸張部分によってコアから隔てられた8コピー
のペプチドを有する7リジン残基のコアからなってお
り、以下の構造を有する: βAla−Lys−(Lys2)−(Lys4)−((G
ly3)−Ala−Val−Cys−Gly−Gly−
Val−Ile−Ser−Gly−Pro−Cys−L
ys−Lys−Pro−Glu−OAc)8
【0041】構築物は一般に以下のようにして調製し
た。まず、メリフィールド(Merrifield)の手動合成
法(J.Amer.Chem.Soc.85、2149〜2154
(1963))に従い、βAla−OCH2−Pam樹
脂上に7リジン残基からなるコアを構築した。ついで、
トリグリシンリンカーを付加し、ついでペプチド鎖中の
アミノ酸を順番に付加した。構築物上に存在する全電荷
を減少させるため、Pam樹脂から除去するに先立って
各鎖の−NH2末端をアセチル化した。欠失ペプチド
(最終構築物において検出することは困難であるか不可
能である)を最小限に抑えるために遊離のアミノ基の9
9%以上をカバーするのを確実にしてアミノ酸の連続的
な付加の間に構築物を綿密にモニターした。ついで、樹
脂から除去した後、開裂反応における副生物を除去すべ
く変性および還元条件下で構築物を充分に透析した。つ
いで、得られた構築物を凍結乾燥し、さらに精製するこ
となく完全フロイントアジュバント中に接種するのに用
いた。
【0042】ペプチド構築物のアミノ酸分析を行った。
遊離のスルフヒドリル基の存在はジニトロベンゼン分析
(J.Biochem.、89:296(1963))により示
した。アガロース電気泳動を行ったところ、スーダンブ
ラックを用いたタンパク質用染色により単一の拡散バン
ドが示された。本発明のペプチド構築物は、抗体を産生
させるうえで有用なことに加え、リポタンパク(a)お
よびアポリポタンパク(a)抗体のELISA試験など
のアッセイ、リポタンパク(a)およびアポリポタンパ
ク(a)抗体のアフィニティー精製、および哺乳動物に
おいてリポタンパク(a)に対する免疫応答を惹起させ
るのに有用である。他の用途は、当業者には明らかであ
ろう。
【0043】D.抗体 上記のように、本発明による抗体は、アポリポタンパク
(a)の活性部位領域上のエピトープに結合する抗体で
ある。かくして実質的に純粋な所定量のモノクローナル
またはポリクローナル抗体を調製することができる。そ
のような抗体はプラスミノーゲンに対して多少の親和性
を示すかもしれない。しかしながら、好ましいことに、
これら抗体のプラスミノーゲンに対する親和性は、リポ
タンパク(a)およびアポリポタンパク(a)に対する
親和性に比べれば小さいであろう。たとえば、本発明に
よる好ましい抗体は、プラスミノーゲンに対する親和性
よりも2、5、10、100、1000、10000ま
たはそれ以上の率で大きな親和性をアポリポタンパク
(a)に対して示す抗体である。
【0044】上記のような構築物からの抗体の調製法は
よく知られており、本明細書では詳細には記載しない。
ポリクローナル血清は、たとえば、そのような構築物で
免疫したマウスから得ることができる(実施例4参
照)。ついで、日常的な方法を用い、たとえば免疫した
マウスから得た細胞からモノクローナル抗体を調製する
ことができる(実施例5参照)。本発明によりモノクロ
ーナル抗体およびハイブリドーマを得る手順の例は以下
の通りである。他の手順も当業者に知られている。
【0045】本発明によるモノクローナル抗体(一般に
完全な抗体分子を含む)は、ニマン(Niman)らによっ
て記載されたペプチド誘発ハイブリドーマ法(Proc.N
atl.Acad.Sci.USA、80:4949〜4953
(1983))(参照のため本明細書に引用する)を用
いて調製することができる。簡単に説明すると、ハイブ
リドーマ(これからモノクローナル抗体組成物を製造す
る)を生成するため、ミエローマその他の無限増殖性の
細胞株を、本発明のペプチドで高度免疫した哺乳動物の
脾臓から得たリンパ球と融合させる。
【0046】ミエローマ細胞株はリンパ球と同じ種に由
来するものであることが好ましい。一般に、たとえば1
29GlX+株のマウスが好ましい哺乳動物である。本
発明において使用するのに適したマウスミエローマとし
ては、ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン感受
性(HAT)細胞株であるP3X63−Ag8.653
およびSp2/0−Ag14が挙げられ、これらはそれ
ぞれCRL1580およびCRL1581としてアメリ
カン・タイプ・カルチャー・コレクション(ロックビ
ル、メリーランド州)から入手可能である。脾臓細胞
は、一般にポリエチレングリコール(PEG)1500
を用いてミエローマ細胞と融合させる。融合した細胞
は、HATに対する感受性により選択する。本発明のモ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、ラジオ
イムノアッセイ(RIA)やサンドイッチアッセイなど
のアッセイにより同定することができる。
【0047】本発明のモノクローナル抗体の産生は、適
当なペプチド特異性の抗体分子を分泌するハイブリドー
マを含有する栄養培地を含むモノクローナルハイブリド
ーマ培養を開始することにより行うことができる。この
培養を、該ハイブリドーマが該抗体分子を培地中に分泌
するのに充分な条件および時間維持する。ついで、この
抗体を含有する培地を回収する。ついで、よく知られた
方法により抗体分子をさらに単離することができる。
【0048】これら組成物を調製するのに有用な手段は
当該技術分野でよく知られており、また市販されてもい
るが、合成培地、近交系マウスなどが含まれる。合成培
地の例としては、グルコース(4.5g/l)、グルタ
ミン(20mm)および20%ウシ胎仔血清を添加した
ダルベッコ最小必須培地(DMEM;ダルベッコ(Dul
becco)ら、Virol.8:396(1959))が挙げら
れる。近交系マウス株の例としては、Balb/cが挙
げられる。上記方法により産生させたモノクローナル抗
体は、たとえば、リポタンパク(a)含有またはアポリ
ポタンパク(a)含有の免疫反応生成物を所望する診断
および治療態様に用いることができる。
【0049】本発明による抗体は、(1)該抗体を産生
させるのに使用したペプチドに対する、(2)リポタン
パク(a)またはアポリポタンパク(a)に対する、お
よび/または(3)プラスミノーゲンに対する親和性に
従ってスクリーニングすることができる。好ましい抗体
は、リポタンパク(a)またはアポリポタンパク(a)
に対して高い親和性を示し、プラスミノーゲンに対して
は低い親和性を示し、それら抗体を産生させるのに使用
したペプチドに対しては少なくとも若干の親和性を示す
であろう。
【0050】E.アッセイおよび診断システム 本発明は、本発明のペプチドおよび/または抗体を用い
た生物学的流体試料中のリポタンパク(a)またはアポ
リポタンパク(a)の定量のための種々のイムノアッセ
イ法を包含する。これらペプチドまたは抗体は、その存
在または量が試料中のリポタンパク(a)またはアポリ
ポタンパク(a)の存在または量に直接または間接に関
係する免疫反応生成物を生成するための免疫化学的試薬
を含む。当業者であれば、免疫反応生成物(その存在ま
たは量が生体試料中のリポタンパク(a)またはアポリ
ポタンパク(a)の存在および/または量に関係する)
を生成させるために本発明の免疫化学的試薬を用いるこ
とのできる多数のよく知られた臨床診断化学手順が存在
することが了解されるであろう。
【0051】それゆえ、本明細書においては代表的なア
ッセイ法を記載するが、本発明はこれらに限られるもの
ではない。本発明のアッセイ法を行うために種々の不均
一および均一プロトコール(競合または非競合のいずれ
も)を用いることができる。すでに記載したように、本
発明のアッセイ法はまた、存在するかもしれないプラス
ミノーゲンを開裂させるための試料処理のためにウロキ
ナーゼ、ストレプトキナーゼまたはt−PAなどのプロ
テアーゼをも用いることができる。かかる工程はいつで
も用いることができ、当業者であればかかるプロテアー
ゼを用いる仕方を容易に了解するであろう。しかしなが
ら、時間、手間および費用の観点から、かかるプロテア
ーゼは抗体がプラスミノーゲンに対して最小以上の親和
性を示す場合にのみ用いるのが好ましい。
【0052】たとえば、本発明は、二重抗体または「サ
ンドイッチ」イムノアッセイを包含するものであり、該
イムノアッセイは、(i)血管流体試料を第一抗体(た
とえばモノクローナル抗体)と混合して第一の免疫反応
混合物を生成させ、その際、該抗体と試料中に存在する
アポリポタンパク(a)とは第一の免疫反応生成物を生
成することができる(該第一抗体は固相マトリックスに
機能的に連結していてよい);(ii)かくして生成した
免疫反応生成物を、第一の免疫反応生成物が生成するの
に充分な時間、生物学的アッセイ条件下で保持し(つい
で、第一の免疫反応生成物を試料から分離することがで
きる);(iii)該第一の免疫反応生成物を、リポタン
パク(a)またはアポリポタンパク(a)を認識する第
二抗体(モノクローナルまたはポリクローナル)と混合
することにより第二の免疫反応生成物を生成させ;(i
v)かくして生成した第二の免疫反応生成物を、第二の
または「サンドイッチ」免疫反応生成物を生成するに充
分な時間、生物学的アッセイ条件下に保持し;ついで
(v)生成した第二の免疫反応生成物の存在および場合
によっては量を測定することにより、試料中のリポタン
パク(a)またはアポリポタンパク(a)の存在および
場合によっては量を測定することを特徴とする。
【0053】第二の抗体は、好ましくは酵素で標識する
のが好ましく、それゆえ、生成する第二の免疫反応生成
物は標識された生成物であろう。好ましい二重抗体アッ
セイ法においては、測定した免疫反応生成物の量を、血
管流体試料の代わりに標準試料を用いて同様に生成させ
測定した免疫反応生成物の量に関係付ける。その場合、
標準試料は本発明に従って既知の量のリポタンパク
(a)またはアポリポタンパク(a)を含有する。別法
として、合成第二標準(たとえば、実施例11を参照)
を用いることもできる。
【0054】第二抗体はまた、第一抗体が向けられる部
位とは同じでないリポタンパク(a)またはアポリポタ
ンパク(a)上の部位、すなわちアポリポタンパク
(a)の活性部位領域でない部位に向けられるのが好ま
しい。たとえば、第二の抗体は抗B−100抗体、抗プ
ラスミノーゲン抗体、またはアポリポタンパク(a)の
活性部位領域以外の部位、たとえばN末端やC末端に向
けられた他の抗アポリポタンパク(a)抗体であってよ
い。血管流体試料は、既知量または未知量の血液または
血液由来生成物(血清または血漿など)として提供する
ことができる。使用する抗体の量は、知られていても未
知であってもよい。混合物の保持は、生物学的アッセイ
条件下、約4℃から約45℃、有利には室温、すなわち
約25℃にて約数秒から約20時間の前以て決めておい
た時間にて行う。
【0055】生物学的アッセイ条件は、本発明の免疫化
学的試薬およびリポタンパク(a)およびアポリポタン
パク(a)の生物学的活性を保持する条件である。かか
る条件としては、一般に、約4℃から約45℃の温度範
囲、約5から約9のpH値範囲、およびおよそ蒸留水か
ら約1モルの塩化ナトリウムまでのイオン強度が含まれ
る。日常的な実験により、他の生物学的アッセイ条件を
決定することができる。かかる条件を最適にする方法
は、当業者によく知られている。
【0056】好ましい他のアッセイ態様は、沈降アッセ
イである。この態様においては、血管流体試料を第一抗
体(ポリクローナル血清からのものであってよい)と混
合して免疫反応混合物を生成させ、沈降性の免疫反応生
成物を得ることが含まれる。抗体は、抗体−抗原架橋が
生じたときに沈降して目的物質の存在を表示できるよう
に、固相の微細粒子(微粒子やビーズなど)に機能的に
連結していてよい。本発明の範囲に包含される他の多く
の型のアッセイは、当業者には明らかであろう。
【0057】本発明のキットの形態の診断システムは、
一般に、少なくとも1回のアッセイに充分な量にて、本
発明の抗体、および該抗体とアポリポタンパク(a)と
からなる免疫反応生成物を検出するための手段をパッケ
ージングした免疫化学試薬として含む。パッケージング
した免疫化学試薬の使用説明書も通常含まれる。本明細
書において「パッケージングした」とは、本発明の抗体
を所定の境界内に保持しうるガラス、プラスチック、
紙、繊維、ホイルなどの固体マトリックスまたは材料を
使用することを意味する。それゆえパッケージは、たと
えば、ミリグラム単位の量の抗体を含有するガラスバイ
アルであってよいし、またはマイクログラム単位の量の
抗体を機能的に固定したマイクロタイタープレートウエ
ルであってもよい。別法として、パッケージは、多孔質
膜内に包括したまたは試験ストリップもしくはディップ
スティック中に埋め込んだ抗体コーティング微粒子であ
ってよい。別法として、抗体を膜、試験ストリップまた
はディップスティックなどの上に直接コーティングさ
せ、これらを試料に接触させてもよい。他にも多くの可
能性があり、当業者には容易に理解されるであろう。
【0058】使用説明書は一般に、試薬濃度、または少
なくとも1のアッセイ法パラメータ、たとえば混合する
試薬と試料の相対量、試薬/試料混合物の保持時間、温
度、緩衝条件などを記載した具体的な表現を含む。好ま
しい態様において本発明の診断システムは、さらに標識
すなわち本発明の抗体を含む複合体の生成を表示しうる
表示手段を含む。本明細書において「複合体」とは、抗
体−抗原反応やレセプター−リガンド反応などの特異的
結合反応の生成物をいう。
【0059】本明細書において「標識」および「表示手
段」とは、検出可能なシグナルの生成に直接または間接
に関与して複合体の存在を表示する単一の原子および分
子をいう。いずれの標識または表示手段も、発現された
タンパク質、ペプチドまたは抗体(本発明の一部であ
る)に連結または組み込むことができ、または別に用い
ることができ、それら原子または分子は単独でも別の試
薬と一緒にでも用いることができる。かかる標識は、そ
れ自体、臨床診断化学においてよく知られている。
【0060】標識手段は、変性させることなく抗体また
は抗原に化学的に結合して有用な免疫蛍光トレーサーで
ある蛍光色素(染料)を生成する蛍光標識剤であってよ
い。適当な蛍光標識剤としては、フルオレセインイソシ
アネート(FIC)、フルオレセインイソチオシアネー
ト(FITC)、5−ジメチルアミノ−1−ナフタレン
スルホニルクロライド(DANSC)、テトラメチルロ
ーダミンイソチオシアネート(TRITC)、リサミ
ン、ローダミン8200スルホニルクロライド(RB2
00SC)などが挙げられる。免疫蛍光分析法は、デル
ーサ(DeLuca)の「免疫蛍光分析(Immunofluoresce
nce Analysis)」、Antibody As a Tool.中、マー
シャロニス(Marchalonis)ら編、ジョン・ウイリー&
サンズ、189〜231頁(1982)(参照のため本
明細書に引用する)に記載されている。
【0061】好ましい態様において、指示基は西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ(HRP)、グルコースオキシダー
ゼなどの酵素である。主要な指示基がHRPやグルコー
スオキシダーゼなどの酵素である場合には、生成したレ
セプター−リガンド複合体(免疫反応物)を指示するた
めにさらに試薬を必要とする。かかる試薬は、HRP用
としては過酸化水素およびジアミノベンジジンなどの酸
化染料前駆体が挙げられる。グルコースオキシダーゼに
有用な試薬としては、2,2−アジノ−ジ−(3−エチ
ルベンズチアゾリン−G−スルホン酸)(ABTS)が
挙げられる。
【0062】放射性元素もまた有用な標識剤であり、本
発明において使用することができる。放射性標識剤の例
としては、ガンマ線を放出する放射性元素が挙げられ
る。それ自体ガンマ線を放射する元素、たとえば
124I、125I、128I、132Iおよび51Crなどは、ガン
マ線放出放射性元素指示群の一つのクラスを形成する。
特に好ましいのは125Iである。有用な標識手段の他の
クラスは、それ自体陽電子を放出する11C、18F、15
および13Nなどの元素である。β線を放出する111イン
ジウムや3Hなども有用である。アポリポタンパク
(a)の活性部位領域に結合するまたは結合しない触媒
性抗体も、標識用に用いることができる。
【0063】標識の結合、すなわちペプチドおよびタン
パク質の標識は当該技術分野でよく知られている。たと
えば、ハイブリドーマにより産生されたモノクローナル
抗体は、培地中の成分として配合した放射性同位元素を
含有するアミノ酸を代謝的に導入させることによって標
識することができる。たとえば、ガルファー(Galfr
e)ら、Meth.Enzymol.、73:3〜46(1981)
を参照。活性化した官能基によるタンパク質の結合技術
やカップリングを特に応用することができる。たとえ
ば、オーラミーズ(Aurameas)ら、Scand.J.Immuno
l.、Vol.8補遺、7:7〜23(1978)、ロッド
ウエル(Rodwell)ら、Biotech.、3;889〜89
4(1984)、および米国特許第4,493,795号
を参照。
【0064】診断システムはまた、好ましくは別のパッ
ケージとして、本発明の抗体またはペプチドまたはこれ
らを含有する複合体に選択的に結合することができる
が、それ自体は本発明の抗体またはペプチドではない分
子種である「特異的結合剤」を含んでいてよい。特異的
結合剤の例としては、第二の抗体分子、補体タンパク質
またはその断片、スタヒロコッカス・アウレウス(S.a
ureus)プロテインAなどが挙げられる。特異的結合剤
は、複合体の一部として存在するときに抗体またはペプ
チドに結合するのが好ましい。好ましい態様において、
特異的結合剤を標識する。しかしながら、標識していな
い特異的結合剤を診断システムが含む場合は、該剤は一
般に増幅手段または試薬として用いる。これら態様にお
いて、標識特異的結合剤は、増幅手段が複合体に結合し
ている場合に増幅手段に特異的に結合することができ
る。
【0065】診断キットにはまた、ウロキナーゼ、スト
レプトキナーゼまたはt−PAなどのプロテアーゼが含
まれていてよい。本発明の診断キットは、血液、血清ま
たは血漿などの血管流体試料中のリポタンパク(a)ま
たはアポリポタンパク(a)の量を検出するための「E
LISA」形態において用いることができる。「ELI
SA」とは、上記のような酵素結合抗体免疫吸着アッセ
イをいい、固相に結合した抗体または抗原および酵素−
抗原または酵素−抗体コンジュゲートを用いて試料中に
存在する抗原を検出または定量するものである。ELI
SA法は、免疫学の基礎および臨床(Basic andClini
cal Immunology)、サイツ(D.P.Sites)ら編、ラ
ングメディカルパブリケーションズオブロスアルトス
(Lange Medical Publications of LosAltos)、
カリフォルニア州(1982)の第4版の第22章中、
および米国特許第3,654,090号、同第3,850,
752号、および同第4,016,043号(すべて参照
のため本明細書に引用する)に記載されている。
【0066】それゆえ、好ましい態様において、本発明
のペプチドまたは抗体を固相マトリックスに結合して固
相支持体を生成することができる。試薬は一般に水性媒
体からの吸着により固相マトリックスに結合させるが、
当業者によく知られたタンパク質やペプチドに応用可能
な他の結合法を用いることもできる。有用な固相マトリ
ックスも当該技術分野においてよく知られている。かか
る物質は水に不溶性であり、ファルマシア・ファイン・
ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)(ピスカ
タウエイ、ニュージャージー州)からセファデックス
(SEPHADEX)の商標のもとに入手可能な架橋デ
キストラン;アガロース;直径約1ミクロンから約5m
mのポリスチレンビーズ;ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、架橋ポリアクリルアミド、ニトロセルロースベース
またはナイロンベースのシート、ストリップまたはパド
ル(paddles)などの織物;またはポリスチレンまたは
ポリ塩化ビニルなどからできたものなどのマイクロタイ
タープレートのチューブ、プレートまたはウエルが例示
できる。
【0067】本明細書に記載する診断システムのペプチ
ド、抗体、プロテアーゼ、特異的結合剤または増幅試薬
は、溶液中にて、液体分散液として、または実質的に乾
燥した粉末として、たとえば凍結乾燥形態にて提供する
ことができる。指示手段が酵素である場合は、該酵素の
基質も別パッケージにて提供することができる。上記マ
イクロタイタープレートなどのような固相支持体および
1または2以上の緩衝液もまた、本発明の診断アッセイ
システム中に別にパッケージングして含まれていてよ
い。本明細書において診断システムに関連して記載した
パッケージング物質は、診断システムにおいて通常用い
られるものである。かかる物質としては、ガラスおよび
プラスチック(たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンおよびポリカーボネート)のビン、バイアル、プラス
チックおよびプラスチック−ホイルをラミネートしたエ
ンベロープなどが挙げられる。
【0068】F.治療用組成物 本発明のペプチド、構築物および抗体はまた治療目的に
用いることができる。たとえば、抗体はそれ自体で用い
ることができるし、または、何らかの仕方でリポタンパ
ク(a)を変化させる(たとえば、開裂によって)かま
たはアポリポタンパク(a)−コンジュゲート複合体に
対する免疫応答を惹起させて宿主の免疫系によって完全
な複合体が破壊ないし除去されるようにするような剤に
抗体をコンジュゲートさせた治療用コンジュゲートを調
製するのに用いることができる。このようにして、血流
中のリポタンパク(a)の存在を減少させることができ
る。かかるコンジュゲートを調製する際には、使用する
抗体は、血液の最も重要な成分であるプラスミノーゲン
に対して実質的に交差反応を示さないのが好ましい。
【0069】免疫応答を惹起させるべく抗体にコンジュ
ゲートすることのできる剤としては、ジフテリア毒素や
ワクシニアウイルスなどの毒素が挙げられ、これらは通
常、(免疫されたヒトの)生体によって認識され免疫系
によって排除される。本発明のペプチドおよび構築物
は、宿主哺乳動物においてリポタンパク(a)に対し一
過性または長期の免疫応答を惹起させるのに用いること
ができる。医薬組成物の製造における当業者であれば、
許容された医薬担体を用い、上記抗体、コンジュゲー
ト、ペプチドおよび構築物を医薬用途に調製する仕方を
了解するであろう。
【0070】
【実施例】つぎに、実施例に基づいて本発明をさらに詳
しく説明するが、本発明はこれらに限られるものではな
い。実施例1 リポタンパク(a)ペプチド構築物コアの合成 メリフィールドらの方法に従い(J.Org.Chem.、4
3:2845〜2852(1978))、1グラムのt
−ブトキシカルボニル(Boc)βAla−OCH2
PAM樹脂(樹脂1g当たり0.01ミリモルのレベル
でβ−アラニンが置換されている)を調製した。この樹
脂をジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸(1:1)
(15ml)を3回取り替えて22℃にて全部で60分
間処理することによりBoc保護基を除去した。つい
で、この樹脂をジクロロメタン中のトリエチルアミン
(1:9)(20ml)で22℃にて20分間処理する
ことにより中和し、ジクロロメタン(20ml)で3回
およびジメチルホルムアミド(20ml)で3回洗浄
し、固相合成反応容器中に入れた。
【0071】Nα,Nε−ジt−Boc−L−リジンの
対称無水物を調製するため、Nα,Nε−ジt−Boc
−L−リジン(1ミリモル)をジメチルホルムアミド
(3ml)中に溶解した。この溶液を0℃に冷却し、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(2ミリモル)を含有す
るジメチルホルムアミド(2ml)を0℃にて加えた。
0℃にて1時間反応を進行させ、ついで溶液を22℃に
温めた。ついで、該無水物をブフナー漏斗で樹脂試料上
へ濾過し、ついで反応容器を22℃にて2時間、18サ
イクル/分にて振動させた。ついで、約1mgの樹脂の
試料を除去し、メリフィールドらによって記載されたニ
ンヒドリン法(Analytical Biochemistr
y、117:147〜157(1981))を用いて反
応の完了具合をアッセイした。樹脂をジクロロメタン中
で平衡化させ、ジクロロメタン(5ml)中のNα,N
ε−ジt−Boc−L−リジン(1ミリモル)を加え、
22℃にて10分間振動させ、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(2ミリモル)を加え、ついで22℃にて17
時間振動させることにより、反応を一層完全な状態とす
るために第二のカップリングを行った。その後のニンヒ
ドリンアッセイは、反応が99%以上完了していること
を示していた。
【0072】ついで、1mg/mlのインドールを含有
するジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸の1:1溶液
(15ml)で30分間処理することにより、Boc保
護基を除去した。その際、15分で反応溶媒を1回交換
した。ついで、ジクロロメタン中の5%ジイソプロピル
エチルアミン(15ml)で処理することによって中和
し、ついで3×15mlアリコートのジクロロメタンお
よび3×15mlアリコートのジメチルホルムアミドで
洗浄した。
【0073】担体骨格への第二のリジン残基層の付加
を、全量15mlのジメチルホルムアミド中の4ミリモ
ルのジシクロヘキシルカルボジイミドに2ミリモルのN
α,Nε−ジt−Boc−L−リジンを0℃にて加えて
対称無水物を生成させ、ついで該対称無水物を樹脂上の
遊離のアミン基と22℃にて3時間反応させることによ
り行った。2時間経過した時点で、ジメチルホルムアミ
ド中のさらに4ミリモルのジシクロヘキシルカルボジイ
ミドを加えた。ついで、樹脂をジクロロメタン(3×2
0ml)で洗浄し、遊離アミン含量のニンヒドリン定量
により反応の完了具合を測定した。ついで、上記と同様
にして保護基を除去した。
【0074】担体骨格への第三のリジン残基層の付加
を、全量15mlのジメチルホルムアミド中の8ミリモ
ルのジシクロヘキシルカルボジイミドに4ミリモルのN
α,Nε−ジt−Boc−L−リジンを加えて対称無水
物を生成させ、ついで該対称無水物を樹脂上の遊離のア
ミン基と22℃にて1時間反応させることにより行っ
た。ついで、この樹脂をジクロロメタンで洗浄した。樹
脂を細かいステンレス鋼メッシュフィルターに通すこと
により樹脂凝集物を分解し、上記と同じ反応条件だがジ
メチルホルムアミドの代わりにジクロロメタンを用いて
カップリングを再び開始した。リジン残基と樹脂の遊離
アミンとの反応は、ニンヒドリン分析により99%以上
完了していることが示された。樹脂を1ml当たり1m
gのインドールを含有するトリフルオロ酢酸:ジクロロ
メタンで処理してBoc保護基を除去した。脱保護した
樹脂の定量的ニンヒドリン分析により、1g当たり0.
08ミリモルのアミン含量、すなわち出発物質の遊離ア
ミン含量の8倍のアミン含量が示され、図1に示すリジ
ン骨格の構造と一致していた。
【0075】今度は、3つのグリシン残基を順番に付加
することにより各遊離アミン基にトリグリシン鎖連結基
を付加した。0.7ミリモルのBoc−グリシンをジメ
チルホルムアミド(3ml)中に溶解することにより溶
液を調製した。この溶液を4℃に冷却し、ジメチルホル
ムアミド(7ml)中の1−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−3−エチルカルボジイミド(0.7ミリモル)
を加えた。この溶液を4℃で1時間放置し、22℃に温
め、樹脂上に濾過し、ついで樹脂を22℃にて2時間振
動させた。ついで、遊離のアミンに対するニンヒドリン
アッセイを用いてカップリングの完了具合について樹脂
を調べた。反応が完了していないならば、樹脂をジクロ
ロメタンで洗浄し、上記カップリング手順を再び開始し
た。反応が99%以上完了していたら上記と同じトリフ
ルオロ酢酸:ジクロロメタン:インドール手順を用いて
Boc保護基を除去し、下記構造が得られるまでつぎの
グリシン残基を付加した: 樹脂−PAM−CH2O−βAla−K−K2−K4
(GGG−NH28 この構造は、Lp(a)ペプチド構築物のコアを構成す
る。
【0076】実施例2 コア構築物上へのリポタンパク(a)ペプチドの合成 コア構築物上へリポタンパク(a)ペプチドを合成する
ため、α−アミノ基がBoc保護されたアミノ酸のみを
用いた。使用した他の保護基は、L−システインに対し
てp−メトキシベンジル、L−セリンに対してO−ベン
ジル、L−リジンに対してε−カルボベンゾキシル、お
よびL−グルタミン酸に対してΓ−ベンジルエステルで
あった。
【0077】使用する一般的なカップリング反応には、
Boc保護したアミノ酸(0.4ミリモル)をジクロロ
メタン(3〜5ml)中に溶解し、得られた溶液を4℃
に冷却することによって必要なアミノ酸の対称無水物を
調製することが含まれていた。これにジクロロメタン
(10ml)中に溶解したジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(2ミリモル)を加え、これら試薬を4℃にて1時
間反応させた。ついで、この溶液を22℃に温め、前以
てジクロロメタン中で平衡化しておいた樹脂上に濾過し
た。ついで、樹脂を上記無水物溶液とともに22℃にて
1〜2時間振動させた。ついで、樹脂の試料を除き、反
応の完了具合をニンヒドリン分析により測定した。反応
が95%未満しか完了していなかったならば、ジクロロ
メタンの代わりにジメチルホルムアミドを用いて上記と
同じ手順により第二のカップリングを行った。
【0078】N−t−Boc−L−グリシンをカップリ
ングするには、ジシクロヘキシルカルボジイミドの代わ
りに1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル
カルボジイミドを用いた。N−t−Boc−L−グルタ
ミン酸のΓ−ベンジルエステルをカップリングするに
は、該アミノ酸(0.4ミリモル)をジクロロメタン
(5ml)中に溶解し、ついで樹脂に加え、ついで樹脂
を22℃にて5分間振動させた。ついで、これにジクロ
ロメタン(7ml)中に溶解したジシクロヘキシルカル
ボジイミド(2ミリモル)を加え、樹脂を22℃にて1
8時間振動させて許容しうる程度のカップリングを得
た。
【0079】各カップリング工程が首尾よくいった後、
インドール(1mg/ml)を含有するトリフルオロ酢
酸:ジクロロメタン(1:1)溶液(15ml)中で樹
脂を30分間振動させ、ジクロロメタン(15ml×
6)で樹脂を濯ぎ、ジクロロメタン中のジイソプロピル
エチルアミンの5%溶液(15ml×2)で樹脂を20
分間中和し、ついでジクロロメタン(20ml×3)で
樹脂を濯ぐことによりBoc保護基を除去した。上記合
成ペプチドを有するコア構築物の構造は下記の通りであ
った: 樹脂−PAM−CH2O−βAla−KK2K4−(GGGAVCGGVISGPCKKPE
−NH2)8
【0080】完成した構造に対して2回行った定量的ニ
ンヒドリンアッセイは、未反応の樹脂に対する前分析で
予想された0.08ミリモル/gに対して、0.087お
よび0.103ミリモル/gの遊離アミン含量が示され
た。ついで、N末端アミノ基の電荷を中和するためにペ
プチド構築物をアシル化した。4−ジメチルアミノピリ
ジン(3ミリモル)を用い、ジメチルホルムアミド中の
3mM無水酢酸からなる溶液を調製した。この試薬(1
5ml)とともにペプチド構築物を含有する樹脂を22
℃にて30分間振動させた。ついで、樹脂をジメチルホ
ルムアミドで洗浄した。ニンヒドリン法を用いた樹脂試
料のアッセイは、ペプチド構築物上に遊離のアミノ残基
が存在しないことを示していた。
【0081】実施例3 樹脂からの構築物の開裂および免疫のための調製 ペプチド構築物を含有する樹脂を、トリフルオロメタン
スルホン酸:トリフルオロ酢酸:ジメチルスルフィド:
m−クレゾール溶液(1:5:3:1、v/v)(20
ml)で0℃にて4時間処理した。ついで、−5℃に冷
却した無水エーテル中のβ−メルカプトエタノールの1
%溶液(30ml)を加え、反応混合物を充分に撹拌し
た。ついで、この混合物を250ml容の分離フラスコ
に移し、8M尿素および0.2Mジチオトレイトールを
含有する0.1Mトリス緩衝液(pH8.0)(100m
l)とともに反応溶液を震盪させることにより構築物を
抽出した。層を分離させ、水層をスペクトラポール(S
pectra por)透析チューブ(1000MΓカットオフ)
中に入れ、0.1Mβ−メルカプトエタノールおよび8
M尿素を含有する炭酸アンモニウム緩衝液(pH8.
0);8M尿素を含有する0.1M炭酸アンモニウム緩
衝液(pH8.0);2M尿素を含有する0.1M炭酸ア
ンモニウム緩衝液(pH8.0);水;および1M酢酸
に対して連続的に一夜透析した。
【0082】ついで、得られた物質(1M酢酸中)を凍
結乾燥し、回収した物質についてアミノ酸含量を分析
し、さらに精製することなく用いた。そのアミノ酸分析
の結果は以下の通りであった。アミノ酸 予想された比率 測定された比率 E 8 8.34 S 8 8.64 G 48 58.90 A+βA 9 11.30 P 16 16.90 V 16 16.20 C 16 存在 I 8 5.80 K 23 25.90
【0083】実施例4 ペプチド構築物によるマウスの免疫 実施例3で調製したペプチド構築物を成体BALB/C
マウスに注射した。各マウスには、完全フロイントアジ
ュバント(1ml)中に溶解した凍結乾燥ペプチド(5
0μg)を与えた(0.5mlは腹腔内に、0.5mlは
皮下に)。ペプチド注射から30日後に各マウスの一方
の目から血清を採取し、ペプチド構築物に対する抗体に
ついては実施例6に記載するマイクロプレートEIA
(エンザイムイムノアッセイ)により、リポタンパク
(a)に対する抗体については実施例9に記載するオク
タロニー免疫沈降アッセイにより試験した。マイクロプ
レートEIAによってペプチド構築物に対する抗体につ
いて陽性と試験されたマウスについては、ペプチド構築
物(50μg)(PBS中、0.2ml/マウス)を尾
静脈中に注射することにより、細胞融合の4日前に再接
種した。
【0084】実施例5 免疫マウスの脾臓細胞をマウスミエローマ細胞と融合す
ることによるハイブリドーマの製造 8−アザグアニンを含有するOpti−MEMR(ギブ
コ、#320−1985)中で以前に継代培養した凍結
シードストックからマウスミエローマ細胞(SP2/0
−Ag−14)を増殖させた。これら細胞を解凍し、融
合に供する前にOptimem培地(0.1%β−メルカプト
エタノール、1mM L−グルタミン、1mcg/ml
ファンギゾン、0.05mg/ml硫酸ゲンタマイシン
および6%FBS(ウシ胎仔血清)を含有するOpti
−MEMR)中で2日間増殖させた。ついで、遠心分離
により細胞を回収し、FBSを含有しない冷(4℃)O
ptimem培地中で洗浄した。細胞試料を採り、トリパンブ
ルー排除により生存性を試験した(95+%の生存
性)。ついで、細胞を遠心分離にかけ、FBSを含有し
ない冷Optimem培地中にさらに2回再懸濁し、最後にF
BSを含有しない冷Optimem培地中に再懸濁した。
【0085】ペプチド構築物に対する抗体について陽性
と試験された実施例4のマウスを、頚部の脱臼により屠
殺した。無菌条件下で脾臓を取り出し、FBSを含有し
ない冷Optimem培地で洗浄し、氷上の円錐チューブ上の
メッシュ粉砕カップ中に入れ、鋏で刻んだ。ガラス棒を
使って細胞をメッシュに無理やり通し、ACK緩衝液
(0.15M塩化アンモニウムおよび0.01M EDT
A(エチレンジアミン四酢酸)を含有する7mM炭酸緩
衝液(pH7.4))を用いてチューブ中に濯いだ。細
胞を10分間放置し、遠心分離にかけてペレットとし、
FBSを含有しない冷Optimem(50ml)中に再懸濁
した。凝固した物質を10mlピペットで除いた。細胞
のアリコートを除き、Optimemで1:10に希釈し、生
存脾臓細胞数をトリパンブルー排除により測定した。つ
いで、脾臓細胞を丸底チューブ中でSP2/0細胞と混
合して3:1の比率とした。
【0086】細胞を遠心分離によりペレットとし、上澄
み液を注いで除いた。ついで、チューブを37℃の水浴
中に入れ、細胞ペレットが滑らかなスラリーを生成する
まで穏やかに叩いた。ついで、これに37℃のポリエチ
レングリコール(分子量1500)(2ml)を穏やか
に撹拌しながら1分間かけてゆっくりと加えて該溶液を
スラリーと混合した。ついで、遠心分離により細胞をペ
レット化し、FBSを含有しない37℃のOptimem培地
(2ml)を1分間かけてゆっくりと加え、ついで同じ
溶液(10ml)をさらに2分間かけて加えた。細胞お
よび溶液を50ml容の円錐チューブに移し、さらに1
0mlの37℃血清不含Optimem培地をゆっくりと加え
た。ついで、細胞をペレット化し、2×HAT培地(1
5%MRC−5ならしEMEM/NEAA培地を含有す
るOptimem培地中の50×HAT(マンハイム(B.Ma
nnheim))の4%溶液)(25ml)中に再懸濁した。
ついで、細胞を2×HAT培地(100〜150ml)
中に希釈し、96ウエルポリスチレンマイクロプレート
中に0.1ml/ウエルにて分配した。ついで、マイク
ロプレートを37℃および5%CO2にて水ジャケット
被覆したCO2インキュベーター中に入れた。融合から
4日、7日および10日目に培地をウエル当たり0.1
mlを用いて1×HAT(15%MRC−5ならしEM
EM/NEAA培地を含有するOptimem培地中の50×
HATの2%溶液)で交換した。
【0087】目に見えるコロニーが出現したら、ペプチ
ド構築物に対する抗体の産生について下記実施例6に記
載のエンザイムイムノアッセイによりすべてのウエルを
試験した。エンザイムイムノアッセイにおいて上昇した
活性を示した細胞を2回サブクローニングし、増殖させ
て非産生細胞を除いた。2回のサブクローニングの後、
リポタンパク(a)に対する抗体の産生(実施例7)に
ついて下記実施例8に記載のエンザイムイムノアッセイ
により細胞を試験した。
【0088】実施例6 アポリポタンパク(a)ペプチド構築物に対する抗体を
検出するためのエンザイムイムノアッセイ このアッセイのため、0.1M炭酸ナトリウム緩衝液
(pH9.0)中に溶解したペプチド構築物をポリスチ
レン96ウエルマイクロプレート中で37℃にて18時
間インキュベートした(0.5μgペプチド構築物/0.
12ml/ウエル)。ついで、プレートを洗浄緩衝液
(0.5%BSA(ウシ血清アルブミン)および0.1%
アジ化ナトリウムを含有する5%ラクトース溶液)で3
回洗浄した。ついで、アッセイで必要となるまで、各ウ
エルに0.2mlの洗浄緩衝液を入れてプレートを4℃
にて貯蔵した。アッセイ前に洗浄緩衝液を除き、プレー
トを逆さにしてウエル内に液滴が観察されなくなるまで
紙タオル上で叩くことにより乾燥させた。
【0089】アッセイすべき血清(実施例4においてペ
プチド構築物で免疫したマウスからのもの)を試料希釈
緩衝液(1%BSA、0.1%アジ化ナトリウムおよび
0.1%トリトンX−705を含有するリン酸緩衝食塩
水(PBS)、pH7.0)で1:50に希釈し、これ
ら希釈した試料の0.12mlアリコートをアッセイプ
レート中のウエルに加えた。プレートを覆い、37℃で
1時間温めた。ついで、プレートをアッセイ洗浄緩衝液
(1.2M硫酸アンモニウム、0.12M塩化マグネシウ
ム、0.001M塩化亜鉛、0.1%アジ化ナトリウムお
よび0.001%トリトンX−705を含有する0.3M
トリス緩衝液、pH8.0)で洗浄し、排水し、叩いて
乾燥させた。
【0090】ついで、各ウエルに、PBSで1:500
に希釈したアルカリホスファターゼ標識したヤギ抗マウ
スIgG(0.1ml)を加えた。ついで、プレートを
37℃で1時間インキュベートし、アッセイ洗浄緩衝液
で4回洗浄し、排水し、叩いて乾燥させた。ついで、各
ウエルに基質溶液(ジエタノールアミン緩衝液中のp−
ニトロフェニルホスフェート;キルケガール&ペリー・
ラボラトリーズ(Kirkegaard&Perry Laboratories,
Inc.)、ガイセルスブルク、メリーランド州)(0.1
ml)を加え、室温で30分間インキュベートすること
によってアルカリホスファターゼ活性の存在を決定し
た。最も反応性の高いウエルの410nmにおける吸光
度が1.5〜2.0に達したときに、5%EDTA(0.
1ml)を加えてすべてのウエルにおける反応を停止さ
せた。ダイナテックMR−300ELISAプレートリ
ーダーを用いて410nmにおける吸光度を各ウエルに
おいて測定し、記録した。OD410がペプチド構築物を
コーティングしていないウエルの吸光度と比較して0.
05吸光度単位大きいならば試料は陽性であると認めら
れた。
【0091】実施例7 ヒト血清からのリポタンパク(a)の単離および精製 実施例10に記載したエンザイムイムノアッセイにより
リポタンパク(a)の存在について陽性と試験された一
人のドナーから血漿試料を得た。65mlの試料を10
℃、105,000×gにて24時間遠心分離にかけ
た。上部浮遊層を除き、残留する下部溶液を脱イオン水
で全量65mlとした。ついで、この溶液に、高分子デ
キストラン硫酸(分子量500,000)の100mg
/ml溶液(0.715ml)および1M塩化カルシウ
ム(7.15ml)を加えた。この溶液を4℃で1時間
沈殿させた。固形分を10℃、1,600×gで15分
間遠心分離にかけて除いた。上部溶液を注いで除き、固
形分を0.1mM EDTAおよび0.1mM PMSF
(フェニルメチルスルホニルフルオライド)を含有する
塩化ナトリウム溶液(10℃の密度1.12kg/L)
(60ml)中に一夜かけて溶解させた。ついで、この
溶液を10℃、10,5000×gで23時間遠心分離
にかけた。上部層を除き、スペクトラポール7透析チュ
ーブ(MΓ8,000カットオフ)中に入れ、0.1mM
EDTAおよび0.1mM PMSFを含有する塩化ナ
トリウム溶液(10℃における密度1.05kg/L)
に対して48時間透析し、10℃において透析液を2回
交換した。ついで、透析液を10℃、10,5000×
gにて72時間遠心分離にかけた。浮遊している物質を
除き、残留する下部溶液(リポタンパク(a)を含有す
る)をさらに使用するため4℃で貯蔵した。
【0092】実施例8 天然のリポタンパク(a)に対する抗体を検出するため
のエンザイムイムノアッセイ このアッセイのため、実施例7で単離したLp(a)を
0.1M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)で1:25
6に希釈した。ついで、この溶液を96ウエルポリスチ
レンマイクロプレート中に入れ(0.3μgのタンパク
質/0.12ml/ウエル)、37℃で18時間インキ
ュベートした。ついで、プレートを洗浄緩衝液(0.5
%BSAおよび0.1%アジ化ナトリウムを含有する5
%ラクトース溶液)で4回洗浄した。ついで、アッセイ
で必要となるまで、このプレート(各ウエル中に0.2
mlの洗浄緩衝液を含む)を4℃で貯蔵した。アッセイ
前に洗浄緩衝液を除き、プレートを逆さにしてウエル内
に液滴が観察されなくなるまで紙タオル上で叩くことに
より乾燥させた。
【0093】アッセイすべき血清を試料希釈緩衝液(1
%BSA、0.1%アジ化ナトリウムおよび0.1%トリ
トンX−705を含有するPBS、pH7.0)で1:
50に希釈し、これら希釈した試料の0.12mlアリ
コートをアッセイプレート中のウエルに加えた。プレー
トを覆い、37℃で2時間温めた。ついで、プレートを
アッセイ洗浄緩衝液(1.2M硫酸アンモニウム、0.1
2M塩化マグネシウム、0.001M塩化亜鉛、0.1%
アジ化ナトリウムおよび0.001%トリトンX−70
5を含有する0.3Mトリス緩衝液、pH8.0)で洗浄
し、排水し、叩いて乾燥させた。
【0094】ついで、各ウエルに、PBSで1:500
に希釈したアルカリホスファターゼ標識したヤギ抗マウ
スIgG(0.1ml)を加えた。ついで、プレートを
37℃で1時間インキュベートし、アッセイ洗浄緩衝液
で4回洗浄し、排水し、叩いて乾燥させた。ついで、各
ウエルに基質溶液(ジエタノールアミン緩衝液中のp−
ニトロフェニルホスフェート;キルケガール&ペリー・
ラボラトリーズ、ガイセルスブルク、メリーランド州)
(0.1ml)を加え、室温で30分間インキュベート
することによってアルカリホスファターゼ活性の存在を
決定した。最も反応性の高いウエルの410nmにおけ
る吸光度が1.5〜2.0に達したときに、5%EDTA
(0.1ml)を加えてすべてのウエルにおける反応を
停止させた。ダイナテックMR−300ELISAプレ
ートリーダーを用いて410nmにおける吸光度を各ウ
エルにおいて測定し、記録した。OD410が天然のリポ
タンパク(a)をコーティングしていないウエルの吸光
度と比較して0.05吸光度単位大きいならば試料は陽
性であると認められた。
【0095】実施例9 オクタロニー免疫拡散アッセイ 1mMマグネシウムおよび1mMカルシウムを含有する
1%アガロースの溶液を加熱沸騰させ、その2〜3ml
を顕微鏡スライド上に置き、放置して固化させた。固化
したら、パスツールピペットの先端を用い、中央のウエ
ルと5mmの距離を置いて該ウエルを囲む8つのウエル
とからなるバラ花飾り状にアガロースゲルにパンチ穴
(直径3mm)をあけた。実施例7で調製した精製リポ
タンパク(a)を、全量10〜15μlで中央のウエル
に入れた。周囲のウエルにはリポタンパク(a)に対す
る抗体について試験しようとする血清または培養液(1
0〜15μl)を満たした。ついで、スライドを100
%湿度チャンバ中、37℃で16〜24時間インキュベ
ートした。インキュベーション時間の終了後、抗体:抗
原相互反応を示す白色の沈降線または領域の存在につい
てスライドを調べた。
【0096】実施例10 リポタンパク(a)を検出するためのエンザイムイムノ
アッセイ このアッセイのため、ペプチド構築物に対して向けられ
た抗体(実施例5)を20mMクエン酸緩衝液(pH
6.0)中に希釈し、ポリスチレン96ウエルマイクロ
プレート中に37℃で18時間インキュベートした
(0.6μg抗体/0.12ml/ウエル)。ついで、プ
レートを洗浄緩衝液(0.5%BSA(ウシ血清アルブ
ミン)および0.1%アジ化ナトリウムを含有する5%
ラクトース溶液)で3回洗浄した。ついで、アッセイで
必要となるまで、このプレート(各ウエル中に0.2m
lの洗浄緩衝液を含む)を4℃で貯蔵した。アッセイ前
に洗浄緩衝液を除き、プレートを逆さにしてウエル内に
液滴が観察されなくなるまで紙タオル上で叩くことによ
り乾燥させた。
【0097】アッセイすべき血清を試料希釈緩衝液(1
%BSA、0.1%アジ化ナトリウムおよび0.1%トリ
トンX−705を含有するPBS、pH7.0)で1:
50に希釈し、これら希釈した試料の0.12mlアリ
コートをアッセイプレート中のウエルに加えた。プレー
トを覆い、37℃で1時間温めた。ついで、プレートを
アッセイ洗浄緩衝液(1.2M硫酸アンモニウム、0.1
2M塩化マグネシウム、0.001M塩化亜鉛、0.1%
アジ化ナトリウムおよび0.001%トリトンX−70
5を含有する0.3Mトリス緩衝液、pH8.0)で洗浄
し、排水し、叩いて乾燥させた。
【0098】ついで、各ウエルに、試料希釈緩衝液で
1:1000に希釈したアルカリホスファターゼ標識し
たヒツジ抗ヒトアポリポタンパクB−100 IgG
(0.1ml)を加えた。ついで、プレートを37℃で
1時間インキュベートし、アッセイ洗浄緩衝液で4回洗
浄し、排水し、叩いて乾燥させた。ついで、各ウエルに
基質溶液(ジエタノールアミン緩衝液中のp−ニトロフ
ェニルホスフェート;キルケガール&ペリー・ラボラト
リーズ、ガイセルスブルク、メリーランド州)(0.1
ml)を加え、室温で30分間インキュベートすること
によってアルカリホスファターゼ活性の存在を決定し
た。最も反応性の高いウエルの410nmにおける吸光
度が1.5〜2.0に達したときに、5%EDTA(0.
1ml)を加えてすべてのウエルにおける反応を停止さ
せた。ダイナテックMR−300ELISAプレートリ
ーダーを用いて410nmにおける吸光度を各ウエルに
おいて測定し、記録した。OD410が抗体をコーティン
グしていないウエルの吸光度と比較して0.05吸光度
単位大きいならば試料は陽性であると認められた。
【0099】実施例11 合成標準の調製 精製し安定化した天然リポタンパク(a)の標準溶液の
調製に伴う困難さを回避するため、リポタンパク(a)
およびアポリポタンパク(a)のエンザイムイムノアッ
セイに使用するための合成二次標準の合成が提唱され
る。リポタンパク(a)の合成標準の構造の例示として
以下のものが挙げられる:
【化1】 (式中、X=アポリポタンパク(a)のプロテアーゼ開
裂領域 Y=アポリポタンパクB−100のC末端側 Z=エピトープを分離するスペーサー領域)
【0100】アポリポタンパク(a)二次標準の構造の
例示としては、以下のものが挙げられる:
【化2】 (式中、X=アポリポタンパク(a)のプロテアーゼ開
裂領域 Y=アポリポタンパク(a)のC末端側 Z=エピトープを分離するスペーサー領域)
【0101】これら例示した二次標準は、アッセイ態様
における第二の(リポーター)抗体としてそれぞれアポ
リポタンパクB−100およびアポリポタンパク(a)
のC末端領域に対する抗体と相互反応するように設計さ
れているが、これらタンパク質の他の領域を合成して独
特のエピトープを提供することができ、これらを用いる
こともできる。グリシンスペーサー領域は、最適化ペプ
チドを得るべく長さおよびアミノ酸組成の両方を変える
ことができ、かかる最適化ペプチドは水溶性で、固相表
面に結合した抗体(捕捉抗体)と固相支持体に結合した
天然物質の量に関係付けることが可能なシグナルを提供
するために使用した標識抗体(リポーター抗体)との間
の立体障害をなくすに充分な長さを有するであろう。
【0102】これら二次標識の一つの利点は、アッセイ
が機能することを可能とする免疫学的相互反応の側面が
合成によって提供されることによって、システム内で相
互反応する既知量の標的抗原によって生成されるシグナ
ルを再生成することができるモデルを提供することがで
きることである。(重量のわかっている)二次標準によ
って産生されるシグナルを測定することにより、アッセ
イ中の天然物質によって産生されたシグナルに対する関
係付けを行うことができ、それによって天然物質の定量
が可能となる。
【0103】
【配列表】
【0104】配列番号:1 配列の長さ:15アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:ペプチド ハイポセティカル配列:No 起源:ヒト 配列:
【化3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明によって提唱されるペプチド
構築物コアのリジン骨格の構造を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 G01N 33/531 33/531 33/68 33/68 9281−4B C12N 5/00 B // C12N 15/02 9162−4B 15/00 C

Claims (64)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アポリポタンパク(a)の活性部位領域
    のエピトープと実質的に同じエピトープを呈示するペプ
    チドであって、該ペプチドに結合する抗体はまた該活性
    部位領域の該エピトープにも結合するものであることを
    特徴とするペプチド。
  2. 【請求項2】 セリン−イソロイシン(SER−IL
    E)配列またはその免疫学的等価物を含む請求項1に記
    載のペプチド。
  3. 【請求項3】 該セリン−イソロイシン(SER−IL
    E)配列またはその免疫学的等価物に隣接してアポリポ
    タンパク(a)活性部位領域からのアミノ酸配列をさら
    に含む請求項2に記載のペプチド。
  4. 【請求項4】 以下のアミノ酸残基の配列またはその免
    疫学的等価物を含む請求項3に記載のペプチド: GLU−PRO−LYS−LYS−CYS−PRO−G
    LY−SER−ILE−VAL−GLY−GLY−CY
    S−VAL−ALA。
  5. 【請求項5】 該ペプチドに結合する抗体はまた該活性
    部位領域の該エピトープにも結合するがプラスミノーゲ
    ンには実質的に結合しない、請求項1に記載のペプチ
    ド。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のペプチドが担体に結合
    してなるペプチド構築物。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のペプチドが担体に結合
    してなるペプチド構築物。
  8. 【請求項8】 該担体が複数のリジン残基を含むコアで
    あり、該ペプチドがそのカルボキシル末端で該コアに結
    合している請求項7に記載の構築物。
  9. 【請求項9】 該コアが複数の8リジン残基を含む請求
    項8に記載の構築物。
  10. 【請求項10】 以下の構造のコアを有する請求項9に
    記載の構築物: 樹脂−PAM−CH2O−βALA−K−K2−K4
    (GGG−NH28
  11. 【請求項11】 以下の構造を有する請求項10に記載
    の構築物: βAla−Lys−(Lys2)−(Lys4)−((G
    ly3)−Ala−Val−Cys−Gly−Gly−
    Val−Ile−Ser−Gly−Pro−Cys−L
    ys−Lys−Pro−Glu−OAc)8
  12. 【請求項12】 請求項7に記載の構築物で動物を免疫
    することを特徴とする、アポリポタンパク(a)の活性
    部位領域に結合する抗体の製造法。
  13. 【請求項13】 請求項6に記載の構築物で動物を免疫
    することを特徴とする、アポリポタンパク(a)の活性
    部位領域には結合するがプラスミノーゲンには実質的に
    結合しない抗体の製造法。
  14. 【請求項14】 請求項12の方法により製造された抗
    体。
  15. 【請求項15】 請求項13の方法により製造された抗
    体。
  16. 【請求項16】 リポタンパク(a)の活性部位領域に
    結合する抗体。
  17. 【請求項17】 本質的に請求項16に記載の抗体から
    なる多量の抗体。
  18. 【請求項18】 アミノ酸残基配列SER−ILEまた
    はその免疫学的等価物を含むペプチドによって呈示され
    るエピトープを認識する、請求項16に記載の抗体。
  19. 【請求項19】 以下のアミノ酸残基配列またはその免
    疫学的等価物を含むペプチドによって呈示されるエピト
    ープを認識する、請求項18に記載の抗体: GLU−PRO−LYS−LYS−CYS−PRO−G
    LY−SER−ILE−VAL−GLY−GLY−CY
    S−VAL−ALA。
  20. 【請求項20】 請求項18に記載の抗体を含むポリク
    ローナル血清。
  21. 【請求項21】 モノクローナル抗体である請求項18
    に記載の抗体。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載のモノクローナル抗
    体を産生するハイブリドーマ。
  23. 【請求項23】 プラスミノーゲンに実質的に結合しな
    い請求項18に記載の抗体。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の抗体を含むポリク
    ローナル血清。
  25. 【請求項25】 モノクローナル抗体である請求項23
    に記載の抗体。
  26. 【請求項26】 本質的に請求項23に記載の抗体から
    なる多量の抗体。
  27. 【請求項27】 請求項25に記載のモノクローナル抗
    体を産生するハイブリドーマ。
  28. 【請求項28】 (A)アポリポタンパク(a)の活性
    部位領域により呈示されるエピトープに結合する第一抗
    体に試料を接触させ、(B)アポリポタンパク(a)−
    第一抗体反応生成物を生成するに充分な時間、第一抗体
    を試料と接触させて保持し、ついで(C)アポリポタン
    パク(a)−第一抗体反応生成物が存在するか否かを決
    定することを特徴とする、試料中のリポタンパク(a)
    の存在を決定するためのアッセイ法。
  29. 【請求項29】 サンドイッチアッセイである請求項2
    8に記載のアッセイ法。
  30. 【請求項30】 沈降アッセイである請求項28に記載
    のアッセイ法。
  31. 【請求項31】 均一アッセイである請求項28に記載
    のアッセイ法。
  32. 【請求項32】 工程(C)を、アポリポタンパク
    (a)の活性部位領域には存在しないエピトープに結合
    する第二抗体を用いて行う、請求項29に記載のアッセ
    イ法。
  33. 【請求項33】 該第二抗体が抗B−100抗体である
    請求項32に記載のアッセイ法。
  34. 【請求項34】 該第二抗体が抗プラスミノーゲン抗体
    である請求項32に記載のアッセイ法。
  35. 【請求項35】 該第二抗体が抗アポリポタンパク
    (a)抗体である請求項32に記載のアッセイ法。
  36. 【請求項36】 該第一抗体が、アミノ酸残基配列SE
    R−ILEまたはその免疫学的等価物を含むペプチドに
    よって呈示されるエピトープを認識する、請求項28に
    記載のアッセイ。
  37. 【請求項37】 該第一抗体が、以下のアミノ酸残基配
    列またはその免疫学的等価物を含むペプチドによって呈
    示されるエピトープを認識する、請求項28に記載のア
    ッセイ法: GLU−PRO−LYS−LYS−CYS−PRO−G
    LY−SER−ILE−VAL−GLY−GLY−CY
    S−VAL−ALA。
  38. 【請求項38】 該第一抗体がモノクローナル抗体であ
    る請求項28に記載のアッセイ法。
  39. 【請求項39】 該第一抗体がポリクローナル血清中に
    含まれる請求項28に記載のアッセイ法。
  40. 【請求項40】 該第一抗体がプラスミノーゲンに実質
    的に結合しない請求項28に記載のアッセイ法。
  41. 【請求項41】 試料中に存在するプラスミノーゲンを
    開裂するためにプロテアーゼを加える工程を包含する請
    求項28に記載のアッセイ法。
  42. 【請求項42】 該第一抗体がプラスミノーゲンに実質
    的に結合しない請求項41に記載のアッセイ法。
  43. 【請求項43】 アポリポタンパク(a)の活性部位領
    域によって呈示されるエピトープに結合する抗体を使用
    することを特徴とする、試料中のリポタンパクアッセイ
    法。
  44. 【請求項44】 該抗体が、アミノ酸残基配列SER−
    ILEまたはその免疫学的等価物を含むペプチドによっ
    て呈示されるエピトープを認識する、請求項43に記載
    のアッセイ法。
  45. 【請求項45】 該抗体が、以下のアミノ酸残基配列ま
    たはその免疫学的等価物を含むペプチドによって呈示さ
    れるエピトープを認識する、請求項43に記載のアッセ
    イ法: GLU−PRO−LYS−LYS−CYS−PRO−G
    LY−SER−ILE−VAL−GLY−GLY−CY
    S−VAL−ALA。
  46. 【請求項46】 該抗体がプラスミノーゲンに実質的に
    結合しない請求項43に記載のアッセイ法。
  47. 【請求項47】 少なくとも1のアッセイを行うのに充
    分な量の請求項16に記載の抗体を含むことを特徴とす
    る、キット形態の診断システム。
  48. 【請求項48】 (A)試料を請求項16に記載の抗体
    に接触させてリポタンパク(a)−抗体反応生成物また
    はアポリポタンパク(a)−抗体反応生成物を生成さ
    せ、ついで(B)工程(A)で生成した反応生成物を試
    料の残部から分離することを特徴とする、試料からリポ
    タンパク(a)またはアポリポタンパク(a)をクロマ
    トグラフィーにより分離する方法。
  49. 【請求項49】 該抗体がモノクローナル抗体である請
    求項48に記載の方法。
  50. 【請求項50】 担体に結合した請求項16に記載の抗
    体を含むクロマトグラフィー材料。
  51. 【請求項51】 該担体がモノクローナル抗体である請
    求項50に記載のクロマトグラフィー材料。
  52. 【請求項52】 請求項16に記載の抗体を含む治療用
    コンジュゲート。
  53. 【請求項53】 該抗体がリポタンパク(a)を変化さ
    せる剤に結合している請求項52に記載の治療用コンジ
    ュゲート。
  54. 【請求項54】 該剤が毒素である請求項53に記載の
    治療用コンジュゲート。
  55. 【請求項55】 該抗体がモノクローナル抗体である請
    求項52に記載の治療用コンジュゲート。
  56. 【請求項56】 薬理学的に許容し得る担体とともに請
    求項52に記載のコンジュゲートを含む医薬組成物。
  57. 【請求項57】 薬理学的に許容し得る担体とともに請
    求項16に記載の抗体を含む医薬組成物。
  58. 【請求項58】 リポタンパク(a)の存在を減少させ
    る必要がある哺乳動物に治療学的有効量の請求項56に
    記載の医薬組成物を投与することを特徴とする、哺乳動
    物におけるリポタンパク(a)の存在を減少させる方
    法。
  59. 【請求項59】 リポタンパク(a)の存在を減少させ
    る必要がある哺乳動物に治療学的有効量の請求項57に
    記載の医薬組成物を投与することを特徴とする、哺乳動
    物におけるリポタンパク(a)の存在を減少させる方
    法。
  60. 【請求項60】 アポリポタンパク(a)に対する免疫
    応答を引き起こすに充分な量の請求項6に記載のペプチ
    ド構築物を哺乳動物に投与することを特徴とする、アポ
    リポタンパク(a)に対する免疫応答を引き起こす方
    法。
  61. 【請求項61】 連結領域によって分離された第一領域
    および第二領域を含む合成二次標準ペプチドであって、
    該第一領域は第一抗体が結合するアミノ酸配列を含み、
    該第二領域は第二抗体が結合するアミノ酸残基を含み、
    該連結領域は該第一抗体および第二抗体が結合しない物
    質からなり、かつ該第一抗体および第二抗体が該第一領
    域および第二領域に結合する際の立体障害を最小限にす
    るに充分な長さを有することを特徴とするペプチド。
  62. 【請求項62】 該領域の一つが、アポリポタンパク
    (a)またはアポリポタンパクB−100のN末端また
    はC末端領域のエピトープを認識する抗体に結合する、
    請求項61に記載の合成二次標準ペプチド。
  63. 【請求項63】 該領域の一つが、アポリポタンパク
    (a)の活性部位領域のエピトープを認識する抗体に結
    合する、請求項61に記載の合成二次標準ペプチド。
  64. 【請求項64】 該領域の一つが、アポリポタンパク
    (a)の活性部位領域のエピトープを認識する抗体に結
    合する、請求項62に記載の合成二次標準ペプチド。
JP7141904A 1995-06-08 1995-06-08 リポタンパク(a)の診断アッセイおよびそれに用いるペプチド Pending JPH08333393A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013253980A (ja) * 2007-06-08 2013-12-19 Quest Diagnostics Investments Inc 差異荷電粒子移動度によるリポ蛋白質の分析

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