JP2765902B2 - アポaiの定量のための診断法及び診断システム - Google Patents

アポaiの定量のための診断法及び診断システム

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JP2765902B2 JP63509407A JP50940788A JP2765902B2 JP 2765902 B2 JP2765902 B2 JP 2765902B2 JP 63509407 A JP63509407 A JP 63509407A JP 50940788 A JP50940788 A JP 50940788A JP 2765902 B2 JP2765902 B2 JP 2765902B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (説 明) (技術分野) 本発明は、血液サンプル中のアポA I量を免疫学的に
測定するのに有利な抗体及びポリペプチドに関する。
(背 景) リポタンパク質は、血漿コレステロールの第一次キャ
リヤーである。これらは、コレステロール含有コアを囲
む、極性脂質と会合している1個以上のタンパク質から
なる、表面膜を有するミセル状の脂質−タンパク質複合
体である。リポタンパク質は本来超遠心で測定する浮遊
密度に基づき分類される。それによると、4個の主要な
密度群は、キロミクロン、超低密度リポタンパク質(VL
DL)、低密度リポタンパク質(LDL)及び高密度リポタ
ンパク質(HDL)に分類される。
現在、多くの研究により、血漿HDLコレステロール濃
度と冠動脈疾患(CAD)の危険率に逆相関があることが
分ってきた。すなわち、HDL粒子中に存在する血漿コレ
ステロールの濃度の上昇は、CADの危険率の減少と相関
している。
同様に、現在多くの研究により、血漿中のアポリポタ
ンパク質A I(アポA I)、HDLの主要なタンパク質成
分、の濃度も、CADの危険率に逆比例することが示され
てきている。さらに、ウェイスウェイラー(Weisweile
r)等(クリニカル・ケミストリー(Clin.Chem.),27:3
48(1981))は、アポA I濃度が分れば、HDLコレステロ
ールの予測値が増加するかもしれないと報告している。
CADとの逆相関があるという理由で、脂質代謝におけ
るアポA Iの構造と機能に関する研究が精力的に行なわ
れている。現在アポA Iは、機能的には、組織からのコ
レステロールの除去を仲介し、かつLCATを活性化すると
考えられている。
構造的には、精製したアポA Iは、高い割合で(55
%)α−ヘリックスを含み、これはHDL粒子中と同様リ
ン脂質と会合した時には、70%に増加すると説明されて
きている。アポA Iの脂質結合性は主にプロリン残基で
区切られた、α−ヘリックスで、かつ、両親媒性の、一
連の直列反復配列の機能によるものらしい。
本来のアポA Iの臭化シアン及びトリプシン断片のエ
ドマン分解により測定して、アポA Iのアミノ酸配列
は、ブリューワー(Brewer)等(バイオケム、バイオフ
ィズ、リサーチ、コミュニケーション(Biochem.Biophy
s.Res.Comm.),80;623−630(1978))により報告され
ている。ブリューワー(Brewer)等によると、アポA I
の臭化シアン(CNBr)切断は、アポA I配列中、アミノ
末端からカルボキシ末端に沿って順に出現する、CNBr
1、CNBr2、CNBr3及びCNBr4と命名する;4個の主要な断片
を生ずる。本発明にとって特に興味深いという理由で、
CNBr2が生ずるアポA Iの領域のアミノ酸残基配列を、CN
Br2のトリプシン切断によって生ずる種々の断片の位置
と共に、第1図に示した。
CNBr1、CNBr3及びCNBr4と同様、CNBr2はCNBr切断プロ
セス中、カルボキシ末端のメチオニン残基が分解される
結果、その部位に、ホモセリンラクトンを有するポリペ
プチドであることに注意しなければならない。
本来のアポA I、すなわち、HDL粒子中に存在するアポ
A Iの免疫化学的特性はそれが、異種抗原性であり、か
つ抗原的に不安定なことから明確になっていない。この
アポA Iの異種抗原性は、本来のHDL中の脂質により保護
されていれエピトープ群もしくは、脂質又はその他のHD
L会合タンパク質により影響を受けるアポA Iの構造に依
存するエピトープの抗体結合能の結果によるものらし
い。限定した抗血清との免疫反応性が経時的に変化する
ことで示される、アポA Iの抗原的不安定性は、インビ
トロで双方が起こることが示されてきている、自己会合
及び脱アミド化のような現象によるものらしい。
本発明にとって特に興味深いのは脱アミド化であり、
これはアポA Iにおいて、アスパラギン及びグルタミン
残基を各々アスパラギン酸及びグルタミン酸に転換す
る。インビトロでのアポA Iの脱アミド化は、水酸化ナ
トリウム(NaOH)による処理により行なわれ、かつ、正
味の陰電荷の獲得、すなわち等電点の増加により照明さ
れる。カーチス(Curtiss)等、“プロシーディング・
オブ・アーザ・ワークショップ・オン・リポプロテイン
・ヘテロジェナイアティー”(Proceeding of the Work
shop on Lipoprotein Heterogeniety),リッペル(Lip
pel)編、ナショナル・インスチチュート・オブ・ヘル
ス(National Institute of Health),刊行番号87−26
46、363−377頁(1987)参照。ミルソープ(Milthorp)
等によると(アルテリオ(Arterio),285−296(198
6))、本来のアポA Iの免疫反応性に関する保存及びNa
OH処理の効果は同様であるが同じではない。このこと
は、保存中のアポA Iの免疫反応性の損失の大部分は脱
アミド化によるものであるが、それ以外のものが関与し
ている可能性を示している。
アポA Iの異種抗原性及び抗原不安定性は、患者血液
中のアポA Iを定量する検定システムの確立を困難なも
のにしている。このようなシステムは、そのシステムの
一次抗アポA I抗体に対する免疫反応性が少なくとも一
定であり、かつ好ましくは、患者サンプル中のアポA I
の免疫反応性と等価である参照(標準)物質を必要とす
る。
最近、アポA Iの異種抗原性及び抗原的不安定性に関
する問題を克服するための努力は、その発現が特別な単
離及び保存条件下で一定もしくは“保存”される、本来
のアポA I上のエピトープを同定するモノクローナル抗
体(MAB)を使用することに集中している。ここでは
“保存性エピトープ”と呼び、このようなエピトープは
さらに、脱アミド化を起こす処理又は保存の結果、HDL
上での発現が有意に影響されない、すなわち、有意に増
減しないアポA Iエピトープと定義される。
エピトープAと命名される代表的保存性アポA Iエピ
トープは、MAB 4H1と免疫反応するアポA I CNBr1の領域
として、ミルソープ(Milthorpe)等(アルテリオ(Art
erio.),285−296(1986))により定義された。ミル
ソープ(Milthorp)等によると、エピトープAの発現
は、4℃〜−80℃の範囲の温度で保存した患者の血清サ
ンプルにおいて長時間一定であった。これは、アポA I
のCNBr2領域に存在するC,C′及びC″と命名したエピト
ープとは対照的であり、従って、これら全てのエピトー
プは、“非保存的”エピトープ、すなわち、同温度範囲
での保存で、その発現が有意に増減するエピトープであ
ることが分った。
(発明の概要) ここでは、その発明が、脱アミド化により実質的な影
響を受けない保存性アポA Iエピトープが発見された。
さらに、そのエピトープを免疫学的に模倣し得るポリペ
プチドも発見された。従って、本発明は、実質的に25個
以下のアミノ酸残基から成り、かつ式: −LEEVKAKVQPYLDDFQ− で表される配列を、そのアミノ酸残基配列の一部として
有するアポA Iポリペプチドに関する。
また本発明は、 (a) アポA I/HDL (b) 単離アポA I (c) 脱アミド化アポA I/HDL (d) アポA I CNBr2、及び (e) ポリペプチドLEEVKAKVQPYLDDFQ(このポリペプ
チドとの結合はポリペプチドAKVQPYLDDFQとの結合より
も強い) と免疫反応するが、 (f) アポA I CNBr1、 (g) アポA I CNBr2、 (h) アポA I CNBr3、 (i) ポリペプチド LEEVKAKVQYLDDFQ,及び (j) ポリペプチド LEEVKAKVQGYLDDFQ とは免疫反応しない抗アポAI抗体分子を含むモノクロー
ナル抗体に関する。
別の態様において、本発明は、 (a) LEEVKAKVQPYLDDFQ, (b) LEEVKAKVQPYLDDFQKKWQEE,及び (c) SKDLEEVKAKVQPYLDDFQ からなる群から選ばれる式で表されるアポA Iポリペプ
チドを少なくとも1回の検定を行なうのに十分な量含
む、キット形の診断システムに関する。
また、本発明は、 (a) アポA I/HDL (b) 単離アポA I (c) 脱アミド化アポA I/HDL (d) アポA I CNBr2、及び (e) ポリペプチドLEEVKAKVQPYLDDFQ(このポリペプ
チドとの結合はポリペプチドAKVQPYLDDFQとの結合より
も強い) と免疫反応するが、 (f) アポA I CNBr1、 (g) アポA I CNBr2、 (h) アポA I CNBr3、 (i) ポリペプチド LEEVKAKVQYLDDFQ,及び (j) ポリペプチド LEEVKAKVQGYLDDFQ とは免疫反応しない抗アポA I抗体分子を含むモノクロ
ーナル抗体を少なくとも1回の検定を行なうのに十分な
量含む、キット形の診断システムに関する。
さらに本発明は、以下の工程を含む、血液サンプル中
のアポA I量を測定する方法に関する。
(a) 血液サンプルを、 (i)ATCC名HB9570を有するハイブリドーマにより生産
される抗アポA Iモノクローナル抗体、及び (ii)(a) LEEVKAKVQPYLDDFQ, (b) LEEVKAKVQPYLDDFQKKWQEE,及び (c) SKDLEEVKAKVQPYLDDFQ からなる群から選ばれるアポA Iポリペプチド、 と混合することにより免疫反応混合物を作る工程、 (b) 該免疫反応混合物をアポA I含有免疫反応産物
が生成するのに十分な時間維持する工程、 (c) 工程(b)で生成した産物の量を測定する工
程。
(図面の簡単な説明) 第1図は、ブリューワー(Brewer)等(バイオケム、
バイオフィズ、リサーチ、コミュニケーション(Bioche
m.Biophys.Res.Comm.)80,623−630(1978))により報
告されたアポA Iのアミノ酸残基配列のうち、残基位置8
5番から120番までを示している。位置86番及び112番の
メチオニン(M)残基での切断により生成するアポA IC
NBr2は、ホモセリンラクトンに転換されるカルボキシ末
端メチオニンを含む、位置87番から111番の配列に対応
している。CNBr2のトリプシン切断で生成する、T1〜T5
と命名された5個のフラグメントの位置も合せて示して
ある。
第2図は、アポA I/HDLに対するMAB・A I−18を競合
的に阻害する、新鮮な血漿中に存在するアポA I/HDL及
びHDLの能力を示している。タンパク質濃度は、マーク
ウェル(Markwell)等(アナリティカル・バイオケミス
トリー(Anal.Biochem.)87,206−120(1978))の方法
に従って測定した。ロジットトランスホームしたHD1
(●)及びプラズマ(○)のデータは、各々−2.03及び
−2.17の勾配を示した。
第3図は、アポA I/HDL(+)及び脱アミド化アポA I
/HDL(◇)と免疫反応するMAB A I−18の能力を示す2
つのパネルを含んでいる。各希釈において抗体を用いな
いで得られたバックグランドレベルも示した(□)。パ
ネル3Aにおいて、アミド化及び脱アミド化物質に対する
MAB A I−18の平行した免疫反応性は、その抗体によっ
て認識されるエピトープは本来保存性エピトープである
ことを示している。対照的に、パネル3Bは、抗アポA I
MAB C3.5は、その発現が脱アミド化によりバックグラン
ドとほとんど区別できなくなる点まで、減少するエピト
ープを認識する。
第4図は、ペプチドA I87−105、A I90−105、A I95
−105及びA I87−101に対するMAB A I−18の免疫反応性
を示している。ペプチド競合体の濃度は第2図で説明し
たように測定され、μgタンパク質/mlで表わされてい
る。
第5図はペプチドA I95−105、A I95−105(−P)及
びA I95−105(G/P)に対するMAB A I−18の免疫反応性
を示している。ペプチド濃度は第2図で説明したように
測定した。この図は、第99番のプロリン残基の欠失(A
I95−105(−P))もしくは、第99番のプロリン残基の
グリシンへの置換(A I95−105(G/P))は、アポA Iの
保存性エピトープを免疫学的に真似する、このペプチド
の能力を実質的に減少させることを示している。
第6図は、本発明の2つのペプチド、すなわちA I90
−105及びA I90−111と比較した、ペプチドA I101−111
及びA I105−116に対するMAB A I−18の免疫反応性を示
している。ペプチド濃度は、第2図で説明したように測
定した。
第7図は、ペプチドA I95−105及びA I90−105と比較
した、ペプチドA I96−101に対するMAB A I−18の免疫
反応性を示している。ペプチド濃度は、第2図で説明し
たように測定した。
第8図は、競合インヒビターとして種々の指定された
濃度のペプチドA I90−105(▲)を用いた標準曲線を作
る事を目的とした本発明の診断システムの使用を示して
いる。参照物質として採集した正常血漿(■)を用いた
標準曲線も標準曲線を作るのに用いた。
(本発明の詳細な説明) A.定義 アミノ酸:ここで同定される全てのアミノ酸残基は天
然に存在するL型のものである。標準ポリペプチド命名
法に従がい(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミ
ストリー(J.Biol.Chem.)243,3557−59(1969))、ア
ミノ酸残基の略号は、以下の対応表に示すとおりであ
る。
ここでは全てのアミノ酸残基配列は、左から右へ従来
のアミノ末端からカルボキシ末端の方向の式で表わされ
ることに注意すべきである。さらに、アミノ酸残基配列
の最初又は最後のダッシはそのポリペプチド鎖中、総計
約50残基までの、1個以上の残基の配列への結合を示す
ことに注意すべきである。
アポA I/HDL;HDL粒子上に存在するときのアポA Iを示
す。
脱脂化アポA I:実質的に会合した脂質が無いアポA I
を意味する。
単離アポA I:アポA Iに加えて、一般的にHDLに存在す
る会合化脂質及びアポA IIのようなその他のタンパク質
を実質的に含まないアポA Iを示す。
ポリペプチド及びペプチド:ここではポリペプチド及
びペプチドは隣り合う残基のαアミノ基及びカルボキシ
ル基間のペプチド結合により順次結合する、せいぜい20
残基のアミノ酸からなる鎖状物質を示して、互いに同義
的に用いられる言葉である。
タンパク質:タンパク質は、ポリペプチドと同様の順
次結合する20残基以上のアミノ酸からなる鎖状物質を意
味して用いられる。
B.ポリペプチド ここで用いられているように、“アポA Iポリペプチ
ド”という語句はそのアミノ酸残基配列がアポA I分子
の一領域と相同的(構造が同じ)であるポリペプチドを
意味する。
ある態様において、本発明のアポA Iポリペプチドは
基本的に少なくとも約9残基、また、多くとも約40残基
のアミノ酸から成り、かつ、その配列の一部として式: AKVQPYLDDFQ で表わされる配列を有し、かつ該ポリペプチドはホモセ
リンラクトンを含まない。
別の態様において、本発明のアポA Iポリペプチド
は、基本的に少なくとも約9残基、また、多くとも25残
基、好ましくは、多くとも約20残基のアミノ酸から成
り、かつ、その配列の一部として、式: AKVQPYLDDFQ で表わされる配列を有する。
好ましいアポA Iポリペプチドを第1表に示す。
さらに、本発明のアポA Iポリペプチドは、実質的に
全てのHDL上にアポA Iによって発現されるエピトープ
(抗原決定基)を免疫学的に模倣する能力を特徴とする
ことが好ましい。
ここで用いられているように、種々の文法型の“免疫
学的に模倣する”という語句は、本発明のアポA Iポリ
ペプチドがアポA Iの保存性エピトープを認識する抗体
と免疫反応する能力を意味している。
また、ここで本ポリペプチドと呼ばれている本発明の
アポA Iポリペプチドは、組換えDNA技術を含む、ポリペ
プチド分野の熟練者によく知られている技術により合成
することができる。固相メリフィールド型合成のような
合成化学技術が純度、抗原特異性、不用な副産物の不
在、生産の簡便性等から好ましい。固相ペプチド合成に
ついては、J.Mスチワード(Steward)及びJ.D.ヤング
(Young),“固相ペプチド合成”、W.H.フリーマン
社、サンフランシスコ、1969;M.ボダンスキー(Bodansz
ky)等、“ペプチド合成”、ジョンウィリー・アンド・
サンズ(John Wiley & Sons),第2版、1976年及びJ.
メイアンホーファー(Meienhofer),“ホルモン性タン
パク質及びペプチド”、第2巻、46頁、アカデミックプ
レス(ニューヨーク)、1983、及び古典的溶液合成につ
いては、E.シュローダー(Schroder)及びK.クブケ(Ku
bke),“ペプチド”第1巻、アカデミックプレス(ニ
ューヨーク)1965、に使用しうる多くの技術が良くまと
められており、ここでは参考として引用してある。この
ような合成で用いることができる適当な保護基は上記の
テキスト中及び参考のためここで引用している、J.F.W.
マコーミー(McOmie)“有機化学における保護基”プレ
ナムプレス、ニューヨーク、1973、中に説明されてい
る。
一般に、関連する固相合成法には成長するペプチド鎖
に1個以上のアミノ酸残基又は適当な保護がなされたア
ミノ酸残基が順次付加することが含まれる。通常第1番
目のアミノ酸残基のアミノ基もしくはカルボキシル基
が、適当な、選択的に除去できる保護基で保護されてい
る。リジンのような反応性側鎖官能基を含むアミノ酸に
は、種々の、選択的に除去可能な保護基が使用される。
例示されるように、固相合成法を用いる時、保護し
た、もしくは誘導体化したアミノ酸をその未保護のカル
ボキシル基又はアミノ基を介して不活性なサポートに結
合する。それから、アミノ基又はカルボキシル基の保護
基を選択的に除去し、ついで、適当な保護を受けた相補
的官能基(アミノ基又はカルボキシル基)を有する、配
列中の次のアミノ酸を混合し、すでに固体サポートに結
合している残基とアミド結合を形成するのに適した条件
下で反応させる。ついで、アミノ基又はカルボキシル基
の保護基がこの新しく付加したアミノ酸残基から除去さ
れ、さらに、次のアミノ酸(適当に保護された)が加え
られていく。望ましい全アミノ酸が適当な配列で結合し
た後、残存する末端および側鎖の保護基(及び固体サポ
ート)が順次又は一度に除去され、最終的なポリペプチ
ドが得られる。
本ポリペプチドはこれが必要とされる配列を含みか
つ、アポA Iの保存性エピトープと免疫反応する抗体と
免疫反応し得る限り、アポA Iのアミノ酸残基配列と同
一である必要はないことを理解すべきである。従って、
使用する際に、特別な利点を提供する、保存的又は非保
存的なアミノ酸の置換が関する。保存的置換は、互いに
生物学的に同様の残基が置き換るものである。保存的置
換の代表例には、イソロイシン、バリン、ロイシン又は
メチオニンのような疎水性残基同志の置換もしくはアル
ギニンとリジン間、グルタミン酸とアスパラギン酸間、
又はグルタミンとアスパラギン間等の極性残基間の置換
が含まれる。また“保存的置換”という語句は必要とさ
れる結合活性を示すならば未置換のアミノ酸の代りに置
換したアミノ基の使用も含まれる。
本発明のポリペプチドが1つ以上の保存的又は非保存
的置換がなされている為、アポA Iの配列と同一でない
配列を有しているとき、本発明のポリペプチドを簡便に
ラベル又は固体マトリクスもしくはキャリヤーに固定で
き、かつ、アポA Iエピトープを生成しない、すなわち
構造がアポA Iに似ていない“リンカー”を提供する目
的で各末端に付加的残基を付加する、第99番のプロリン
残基は置換又は欠失することはできないという例外付き
で、通常アミノ酸残基の多くとも約30パーセント、しば
しば多くとも20パーセント、そして好ましくは多くとも
10パーセントが置換される。本発明のポリペプチドに使
用できるラベル、固体マトリクス及びキャリヤーは以下
に説明する。
アミノ酸残基リンカーは、通常少なくとも1残基で、
40残基以上、より通常には1〜10残基であることができ
るがアポA Iエピトープを形成することはできない。リ
ンカーに用いられる典型的アミノ酸残基には、チロシ
ン、システィン、リジン、グルタミン酸及びアスパラギ
ン酸等がある。さらに、本ポリペプチドは、他言しない
限り、その配列が末端NH2アシル化、例えばアセチル
化、又はチオグリコール酸アミド化により、また、例え
ばアンモニア、メチルアミン等による末端カルボキシア
ミド化により、天然のアポA I配列とは異なることがで
きる。
キャリヤーと結合して、当分野でキャリヤー・ハプテ
ン結合体を形成した時、本発明のアポA Iポリペプチド
はアポA I、好ましくはHDL粒子の一部としてのアポA I
(アポA I/HDL)と免疫反応する抗体を誘導することが
できる。免疫学的交叉反応性に関して確立された原則か
らみて、本発明は、第1表に示したポリペプチドの抗原
的に関連した変異体に関している。“抗原的に関連した
変異体”とは少なくとも約9残基でまた多くとも20残基
のアミノ酸を含み、かつ、アミノ酸残基配列AKVQPYLLD
を含み、かつ、第1表のポリペプチド及びアポA Iと免
疫反応する抗体分子を誘導することができるポリペプチ
ドである。
C.抗体及びモノクローナル抗体 種々の文法型の“抗体”という語句はここで一群の免
疫グロブリン分子及び、又は、免疫グロブリン分子の免
疫学的活性領域、すなわち抗体結合部位もしくはパラト
ープを含む分子を意味する集合名詞として用いられる。
“抗体結合部位”とは抗原を特異的に結合する重鎖及
び軽鎖の可変及び超可変領域を含む抗体分子の構造領域
である。
種々の文法型で用いられる“抗体分子”という語句は
本来の免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免
疫的活性領域の両方に関している。
代表的抗体分子とは、本来の免疫グロブリン分子、実
質的に本来の免疫グロブリン分子及び当分野でFab,Fa
b′,F(ba′)及びF(v)として知られているもの
を含む、パラトープを含む免疫グロブリン分子の一部で
ある。
抗体のFab及びF(ab′)領域は、従来法により実
質的に本来の抗体を各々パパイン及びペプシンのタンパ
ク質分解反応により調製する。例えば、セオフィロポラ
ス(Theofilopolous)及びディクソン(Dixen)の米国
特許第4,342,566号参照。また、、Fab′抗体領域もよく
知られており、これはF(ab′)領域から、メルカプ
トエタノール等による2本の重鎖を結ぶジスルフィド結
合の還元及びヨードアセトアミドのような試薬により生
じたタンパク質メルカプタンのアルキル化により生成さ
れる。本来の抗体分子を含む抗体が好ましいので、ここ
では説明のためこれを使用する。
本発明のポリクローナル抗体は、 (1)多くとも25残基のアミノ酸を含む本ポリペプチド
及び (2)アポA I/HDL と免疫反応し得ることを特徴とする。さらに本発明のポ
リクローナル抗体は、アポA I CNBr1、CNBr3及びCNBr4
と免疫反応する抗体分子を実質的に含まないことを特徴
とする。
種々の文法型の“モノクローナル抗体”という語句は
特定のエピトープと免疫反応し得る唯一種の抗体結合部
位を含む抗体分子群を意味する。従って一般的にモノク
ローナル抗体は免疫反応するエピトープに対し単一の結
合親和性を示す。それゆえモノクローナル抗体は、異な
るエピトープに対して免疫特異的な複数の抗体結合部位
を有する抗体分子、例えば二特異的モノクローナル抗体
を含むことができる。
本発明のモノクローナル抗体は (a) アポA I/HDL (b) 単離アポA I (c) 脱アミド化アポA I/HDL (d) アポA I CNBr2、及び (e) ポリペプチドA I90−105 とは免疫反応するが、 (f) アポA I CNBr1、 (g) アポA I CNBr3、 (h) アポA I CNBr4、 (i) ポリペプチドA I90−105(−P)及び (j) ポリペプチドA I90−105(G/P) とは免疫反応しないことを特徴とし、またさらに (k) ポリペプチドA I93−101、及び (l) ポリペプチドA I105−116 とは免疫反応しないことを特徴とすることが好ましい。
本発明の好ましいモノクローナル抗体(本モノクロー
ナル抗体)は、保存性のアポA I/HDLエピトープと免疫
反応し、また、アポA I/HDL及び脱アミド化アポA I/HDL
の免疫反応性の比を約1:5から約5:1、好ましくは約1:2.
5から約2.5:1、そしてより好ましくは約1.5:1から約1:
1.5の範囲で示す。
ここで用いられているように、種々の文法型の“免疫
反応性”という語は、所定量の抗体及び所定量のアポA
I/HDL間の免疫反応を50%阻害するのに必要な抗体濃度
を意味する。すなわち、免疫反応性はB/B。値が0.5とな
るのに必要な抗原濃度である(B0は競合抗原不在下で結
合する抗体の最大値であり、またBは競合抗原存在下で
結合する結合量であり、B0及びB両方ともバックグラン
ドに対して補正してある)。ロッドバード(Rod−bar
d),クリニカル・ケミストリー(Clin.Chem.)20,1255
−1270(1974)参照。
本発明のモノクローナル抗体は本来のアポA I/HDL及
び脱アミド化アポA I/HDLに対し同一の(区別し得な
い)親和性を有することがより好ましい。すなわち、好
ましいモノクローナル抗体は別々に測定したとき、統計
解析により、P<0.1好ましくはP<0.05、より好まし
くはP<0.01の信頼性で区別し得ない、アポA I/HDL及
び脱アミド化アポA I/HDLに対する親和性を有する。
抗原に対するモノクローナル抗体の親和性の測定及び
同等物に対するこれらの親和性の比較の方法は、当分野
でよく知られている。例えば、ミュラー(Muller)、ジ
ューナル・オブ・イムノロジカル・メソッド(J.Immuno
l.Meth.)34,345−352(1980)及びソカル(Sokal)
等、バイオメトリー(Biometry),W.H.フリーマン社(1
981)参照。モノクローナル抗体の親和性を測定する好
ましい方法には、平衡競合阻害分析によるものがある。
この方法では、特徴とされるモノクローナル抗体への結
合をアポA I/HDLと競合する、アポA I/HDL及び脱アミド
化アポA Iの能力を別々に測定しまた、等価量を比較す
る。トサオ(Tsao)等、ジャーナル・オブ・バイオロジ
カル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)257,15222−15228
(1982)参照。
例えば、モノクローナル抗体によって示される親和性
がアポA I/HDL及び脱アミド化アポA I/HDLに対して同一
である(区別できない)かどうかの測定は、次のような
方法で行うことができる; (a) 液相競合物として存在する脱アミド化アポA I/
HDLの存在下、固相アポA I/HDLに結合する、所定量のモ
ノクローナル抗体に対する割合を種々の既知濃度の競合
物に対して測定する。それから各結合率測定値の対数変
換値(logit transformation)を競合物(液相ポリペプ
チド)濃度に対してプロットする。〔logit(Y)=log
e(Y/1−Y)(Yは、所定量の競合物存在下でのモノク
ローナル抗体結合率)〕 (b) ステップ(a)と同量のモノクローナル抗体を
用い、液相競合物として存在するアポA I/HDL存在下、
固相アポA I/HDLに結合する抗体の割合を工程(a)の
競合物と同じ濃度で測定する。それから各結合率の対数
転換値を、競合物(液相アポA I/HDL)濃度に対してプ
ロットする。
(c) 工程(a)及び(b)で得られた各プロットに
ついて直線回帰解析し、各々の勾配を求める。
(b) その後、アポA I/HDLについて得られた勾配及
び脱アミド化アポA I/HDLについて得られた勾配を、ソ
カル(Sokal)等(前記、p485、ボックス14.5)により
報告されたような勾配等価性テストを用いて比較する。
好ましい態様において、本モノクローナル抗体は、等
モル量のアポA I及びペプチドを用いて免疫反応性を測
定したとき、アポA I/HDL及び本ポリペプチド、好まし
くは、第1表に示したポリペプチド、より好ましくはA
I90−105に対する免疫反応性の比を約1:5から約5:1、好
ましくは約1.25から約2.5:1、及びより好ましくは約1.
5:1から約1:1.5の範囲で示す。
さらに、アポA I/HDL及び本ポリペプチド、好ましく
は第1表に示したポリペプチド及びより好ましくはA I9
0−105に対して同一の親和性を有するモノクローナル抗
体が好ましい。同一の親和性のスクリーニングは、工程
(a)及び(b)において等モル量のペプチド及びアポ
A Iを用い、先に説明したように行なわれる。
典型的に全抗体分子を含む本モノクローナル抗体は、
参考として引用した、ナイマン(Niman)等(プロシー
ディング・イン・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンス(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA,80,4949−4953(19
83))のポリペプチド誘導ハイブリドーマ技術を用いて
生成することができる。簡単にいうと、モノクローナル
抗体組成物を生成するハイブリドーマを作るため、ミエ
ローマ又はその他の自己複製細胞系列を、本発明のポリ
ペプチドで高度免疫化したホ乳類の脾臓から得られるリ
ンパ球と融合する。
ミエローマ細胞系列は、リンパ球と同種のものに由来
することが好ましい。典型的には、129G1X+株のマウス
が好ましいホ乳動物である。本発明で使用するのに適し
たマウスのミエローマには、各々CRL1580及びCRL1581と
いう名称で、アメリカン・タイプカルチャーコレクショ
ン(ロックビル、MD州)から入手できる、ヒポキサンチ
ン−アミノプテリン−チミジン感受性(HAT)細胞系列P
3×63−Ag8.653及びSp2/0−Ag14が含まれる。
一般的に脾細胞はポリエチレングリコール(PEG)150
0を用いてミエローマ細胞と融合する。融合したハイブ
リッドはHATに対する感受性により選択する。本発明の
モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマは各々例
6及び7で説明するラジオイムノアッセイ(RIA)及び
酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を用いて同定する。
本発明のモノクローナル抗体は適当なポリペプチド特
異性を有する抗体分子を分泌するハイブリドーマを含む
栄養培地を用いたモノクローナルハイブリドーマ培養を
開始することにより生産することができる。この培養を
ハイブリドーマが培地中に抗体分子を分泌するのに十分
な条件下及び時間、維持する。それから抗体含有培地を
回収する。さらにこの抗体分子は従来技術により単離す
ることができる。
これらの組成物の調製に有用な培地は当分野でよく知
られておりかつ市販されており、これらには合成培養培
地、近交系マウス等が含まれる。代表的合成培地には、
4.5g/のグルコース、20mMグルタミン及び20%ウシ胎
児血清を補ったダルベコ最小基礎培地(DMEM、ダルベコ
(Dulbecco)等、ビロロジー(Virol),,396(195
9))がある。代表的近交系マウス株にはBalb/Cがあ
る。
上述の方法で生産されるモノクローナル抗体は、例え
ばアポA I含有免疫反応産物の生成が必要とされる診断
及び治療様式において用いることができる。
本モノクローナル抗体、すなわちMAB A I−18を生産
するのに有用なハイブリドーマはハイブリドーマHI3503
であり、該ハイブリドーマは1987年10月14日米国20852M
D州ロックビル、アメリカンタイプカルチャーコレクシ
ョン(ATCC)にブタペスト協定必要事項に従がい保管さ
れ、ATCC名HB9570として登録された。当分野でよく知ら
れているようにハイブリドーマATCC HB9570は、本モノ
クローナル抗体を生産する、別の不朽細胞系列を生産す
るのに用いることができ、また従って本モノクローナル
抗体の生産はATCC9570自体によるハイブリドーマの培養
に依存しないことに注意すべきである。
D.診断システム 本発明のキット型の診断システムには、少なくとも1
回の検定に十分な量の、分包した免疫化学試薬としての
本アポA Iポリペプチド及び、又は本モノクローナル抗
体が含まれる。また一般的にパッケージされた免疫化学
試薬の使用説明書も含まれている。
ここで用いられているように、“パッケージ”という
語は、本発明のポリペプチド、ポリクローナル抗体又は
モノクローナル抗体の限定量を納めることができる、ガ
ラス、プラスチック、紙、ホイル等の固体マトリクス又
は固体物質を意味する。従って例えばパッケージは関連
するポリペプチドのミリグラム量を含めるのに使われる
ガラス製バイアルとすることもできるし、又は、関連す
るポリペプチドのマイクログラム量を機能的に固定し
た、すなわち抗体がより免疫学的に結合し得るように結
合した、マイクロプレートのウェルとすることもでき
る。
一般的に“使用説明書”には、試薬濃度又は、混合す
る試薬及びサンプルの相対量、試薬/サンプル混合物の
維持時間、温度、バッファ条件のような、少なくとも1
回の検定法のパラメータを示す明確な表現が含まれる。
好ましい態様において、本発明の診断システムにはさ
らに本発明のポリペプチド又は抗体分子を含む複合体の
生成を知らせることができるラベル又は指示手段を含
む。
ここで用いられている“複合体”という語は、抗体−
抗原又はレセプター−リガンド反応のような特異的結合
反応の産物を意味する。代表的複合体は免疫反応産物で
ある。
ここで用いられているように、種々の文法型の“ラベ
ル”及び“指示手段”という語は複合体の存在を指示す
る検出可能なシグナルの生成に直接的もしくは間接的に
関係する単一原子及び分子を意味する。ラベル又は指示
手段は本発明の抗体又はモノクローナル抗体組成物の一
部である、発現したタンパク質、ポリペプチド又は抗体
分子に結合、もしくは組込まれることもできるし、又は
別々に用いることもでき、そしてこれらの原子又は分子
は単独で用いることもできるし、または、他の試薬と合
せて用いることもできる。これらのラベル自身は臨床的
診断化学の分野ではよく知られているものであるが、こ
れらが他所で示す新規タンパク質の方法及び、又はシス
テムで用いられる場合に限り本発明の一部を構成する。
ラベル化手段には、化学的に抗体又は抗体と結合し、
それらを変性させることなく、有用な免疫螢光トレーサ
ーである螢光発色団(色素)を生成する螢光ラベル化剤
を用いることができる。適当な螢光ラベル化剤にはフル
オレセインイソシアネート(FIC)、フルオレセイン・
イソチオシアネート(FITC),5−ジメチルアミン−1−
ナフタレンスルホニルクロリド(DANSC)、テトラメチ
ルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、リザミ
ン、ローダミン8200スルホニルクロリド(RB200SC)等
の螢光色素がある。免疫螢光分析技術の説明は参考とし
て引用した、デルカ(DeLuca)“免疫螢光分析”、“道
具としての抗体”、マルカロニス(Marchalonis)等
編、ジョンウィリー・アンド・サンズ社、189−231頁
(1982)に報告されている。
好ましい態様において、指示グループは、ホースラデ
ィッシュパーオキシダーゼ(HRP)、グルコースオキシ
ダーゼのような酵素である。基本的指示グループがHRP
又はグルコースオキシダーゼのような酵素である場合、
レセプター−リガンド複合体(免疫反応物)が生成する
事実を可視化するのに別の試薬が必要である。HRPに対
するこのような付加的試薬には、過酸化水素及びジアミ
ノベンジジンのような酸化色素前駆体が含まれる。グル
コースオキシダーゼに有用な付加的試薬は2,2′−アジ
ノ−ジ−(3−エチル−ベンズチアゾリン−G−スルホ
ン酸)(ABTS)である。
また放射活性元素は有用なラベル化剤であり、またこ
こでは例示的に用いられている。代表的放射性ラベル化
剤は、ガンマ線を放出する放射性元素である。124I、
125I、128I、132I、及び51Cr等の、それ自体ガンマ線を
発生する元素はガンマ線放射性指示グループの一群をな
している。特に125Iが好ましい。別の有用なラベル手段
には、それ自身陽電子を放出する、11C、18F、15O及び
13N等の元素がある。このように放出される陽電子は動
物体内に存在する電子と衝突してガンマ線を生ずる。ま
た、3H又は111インジウム等のベータ線放射性物質も有
用である。
ラベルの結合、すなわちポリペプチド及びタンパク質
のラベル化は当分野ではよく知られている事である。例
えば、ハイブリドーマにより生ずる抗体分子は、培養培
地中の成分として提供される放射性同位元素含有アミノ
酸の代謝的取込みによりラベル化することができる。例
えばガルフレ(Galfre)等(メソッズ・イン・エンザイ
モロジー(Meth.Enzymol.)73,3−46(1981))参照。
活性化した官能基を介してのタンパク質結合技術は特に
適切である。例えばオーラメアス(Aurameas)等(スカ
ンジナビアン・ジャーナル・オブイムノロジー(Scand
J.Immunol.)8巻補7号、7−23(1978)、ロットウェ
ル(Rodwell)等(バイオテクノロジー(Biotech.),
889−894(1984)及び米国特許第4,493,795号参照。
また診断システムは特異的結合剤を、好ましくは分包
の形で含むことができる。“特異的結合剤”は本発明の
試薬又はこのような試薬を含む複合体を選択的に結合す
ることができる分子であるが、それ自体は本発明のポリ
ペプチド又は抗体組成物ではない。代表的な特異的結合
剤は、第2の抗体分子、補体タンパク質又はその断片、
S.オーレウム(aureus)タンパク質A等である。この特
異的結合剤は試薬が複合体の一部として存在するとき、
これと結合することが好ましい。
好ましい態様においては、この特異的結合剤はラベル
化される。しかし、この診断システムがラベル化されて
いない特異的結合剤を含むとき、一般的にこの結合剤は
増巾手段又は増巾試薬として用いられる。このような態
様においては、そのラベル化した特異的結合剤は、増巾
手段が試薬含有複合体に結合している時この増巾手段と
特異的に結合することができる。
本発明の診断キットは、“ELISA"方式で血液、血清又
は血漿等の血液サンプル中のアポA I量を検出すること
ができる。“ELISA"はサンプル中に存在する抗原を検出
及び定量するため固相に結合した抗体又は抗原及び酵素
−抗原又は酵素−抗体結合体を用いる酵素結合免疫吸着
検定法である。ELISA技術の説明は、ここに全て参考と
して引用するD.P.サイツ(Sites)による“基本及び臨
床免疫学”の第4編第22章(1982年、CA州、ロスアラモ
ス、ランジメディカル出版社)及び米国特許第3,654,09
0号、第3,850,752号及び第4,016,043号に示されてい
る。
従って、好ましい態様において、アポA Iポリペプチ
ド又は本発明のモノクローナル抗体は、固体マトリクス
に固定し、本診断システム中の1つのパッケージからな
る固体サポートを作ることができる。
タンパク質及びポリペプチドに適用しうる別の固定法
は当分野においてよく知られているけれども、一般的に
試薬は、水性媒体から吸着により固体マトリクスに固定
化される。
また有用な固体マトリクスも、当分野ではよく知られ
ている。このような物質は水に不溶性であり、これらは
ファルマシア・ファイン・ケミカルズ社(NJ州、ピスカ
タウェイ)からセファデックス(SEPHADEX)の商標で市
販されている架橋デキストラン、アガロース、IL州北シ
カゴのアボットラボラトリーズから市販されている直径
約1ミクロンから約5ミリメートルのポリスチレンビー
ズ、シート、テープ又はヘラ状のポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、架橋アクリルアミド、ニトロセルロース又は
ナイロン製の布、ポリスチレン又はポリ塩化ビニル製の
チューブ、プレート又はマイクロプレートのウェルが含
まれる。
ここで示した診断システムの試薬ラベル化特異的結合
剤又は増巾試薬は、液体分散物のような溶液又は、例え
ば凍結乾燥形などの実質的な乾燥粉末として提供するこ
とができる。指示手段が酵素の場合、酵素基質もシステ
ム中分包されて提供することができる。先に説明したマ
イクロプレートなどの固体サポート及び1種以上のバッ
ファも本診断検定システム中、分包要素として提供する
ことができる。
診断システムに関してここで議論されている包装物質
は習慣的に診断システムで使用されているものである。
これらの物質にはガラス及びプラスチック(例えば、ポ
リスチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート)製
の瓶、バイアル、プラスチック製及びプラスチックホイ
ルラミネート化した包装物等が含まれる。
E.検定法 本発明は試料中のアポA I量に直接的あるいは間接的
にその量が関係する免疫反応物を生成するため、免疫化
学試薬として本発明のポリペプチド、ポリクローナル抗
体又はモノクローナル抗体を用いて生物学的液体サンプ
ル中のアポA I量を測定するための種々の免疫検定法に
関している。当業者は本発明の免疫化学試薬が生体サン
プル中に存在するアポA I量にその量が関係する免疫反
応産物を生成するのに使用し得る、多くの従来の臨床的
診断化学操作があることを理解するであろう。従って、
ここでは代表的な検定法について説明するが、これは、
本発明に限られるものではない。
競合的又は非競合的に限らず、種々の異質及び同質の
操作法を、本発明の検定法を行なう上で採用することが
できる。例えば、本発明は血液サンプル中のアポA I量
を検定するための競合的方法に関するもので、これに
は、次の工程を含む。
(a) 血液サンプルを (i)本発明のモノクローナル抗体、好ましくはA I−1
8及び (ii)本発明のアポA Iポリペプチド、好ましくはA I90
−105 と混合することにより免疫反応物を作る。
血液サンプルは、既知量の血液又は、血清又は血漿な
どの血液由来産物として提供されることが望ましい。使
用するサンプルの種類にかかわらず、当分野でよく知ら
れているように少なくとも約12時間絶食したヒトに由来
することが望ましい。このようなサンプルは、“絶食”
サンプルと呼ばれる。また、サンプルとして血清又は血
漿を用いる時、このサンプルは検定すべきアポA Iエピ
トープの発現を修正する目的で変性及びカオトロピック
剤による処理を施す必要がないことに注意せよ。
混合するモノクローナル抗体量は分っていることが好
ましい。さらに、このモノクローナル抗体はラベル化、
すなわち酵素、放射性核種等の指示手段に機能的に結合
していることが好ましい。
アポA Iポリペプチドは固体サポートの一部として存
在する、すなわち固体マトリクスに機能的に結合してい
ることが望ましく、その結果、生成する免疫反応混合物
は固相及び液相を有する。さらに、この免疫反応混合物
中に存在するポリペプチド量はそれらのエピトープと免
疫反応し得る免疫反応混合物中に存在する抗体結合部位
数に対して過剰のエピトープを形成するのの十分な量存
在することが好ましい。
(b) この免疫反応混合物をサンプル中に存在するア
ポA Iがモノクローナル抗体中に存在する抗アポA I抗体
結合部位の一部と免疫反応(免疫学的結合)し、アポA
I含有免疫反応産物を生成するのに十分な時間で、約10
分から約16〜20時間の所定の時間、約4℃から約45℃の
温度に維持する。
生物学的検定条件とは、本発明の免疫化学試薬及び検
定すべきアポA Iの生物学的活性を維持する条件であ
る。これらの条件には、約4℃から約45℃の温度範囲、
約5から約9のpH値範囲及び蒸留水から約1モル塩化ナ
トリウムまでのイオン強度範囲が含まれる。これらの条
件を至適化する方法は当分野ではよく知られている。
(c) 生成したアポA I含有免疫反応産物の量を測定
し、それにより、サンプル中のアポA I量を測定する。
直接的にしろ間接的にしろ、アポA I含有免疫反応産
物量の測定は、当分野でよく知られた検定法で行うこと
ができ、また、典型的には使用する指示手段の種類に依
存する。
より好ましい競合的検定法においては、工程(c)で
測定される産物量は血液サンプルの代りに、既知量の本
ポリペプチド、好ましくはA I90−105を含むコントロー
ルサンプルを用いて同様に生成及び測定される免疫反応
産物量と関連している。
他の態様において、本発明は次に示す工程を含む二重
抗体又は“サンドイッチ”免疫検定法に関している。
(a) 血液サンプルを第1抗体、好ましくはモノクロ
ーナル抗体と混合し、抗体とサンプル中に存在するアポ
A I/HDLが、本モノクローナル抗体、好ましくはMAB A I
−18と免疫反応し得る第一免疫反応産物を生成しうる、
第一免疫反応混合物を生成する。第一抗体は固体マトリ
クスに機能的に結合していることが好ましい。
(b) このようにして生成した第一免疫反応混合物を
第一免疫反応産物が生成するのに十分な時間、生物学的
検定条件に維持する。その後、第一免疫反応産物はサン
プルから分離することが好ましい。
(c) 第一免疫反応産物を、 (i) 本発明のモノクローナル抗体、好ましくはMAB
A I−18、及び (ii) 本発明のアポA Iポリペプチド、好ましくはA I
90−105 と混合することにより、第二免疫反応混合物を生成す
る。工程(ii)は工程(i)の前に、もしくは実質的に
同時に、すなわち約5〜10分以内、好ましくは約1〜2
分以内に行うことが好ましい。
(d) そのようにして生成した第二免疫反応混合物
を、第二、もしくは“サンドイッチ”免疫反応産物が生
成するのに十分な正確な時間、生物学的検定条件に維持
する。
(e) 生成した第二免疫反応産物の量を測定し、それ
によりサンプル中のアポA Iの量を測定する。
ステップ(c)(i)の本モノクローナル抗体は、好
ましくは酵素でラベル化され、そして、生成する免疫反
応産物はラベル化産物であることが望ましい。
好ましくは二重抗体検定法において、二重抗体法のス
テップ(e)で測定された免疫反応産物の量は、血液サ
ンプルの代りに、既知の本ポリペプチド、好ましくはA
I90−105を含むコントロールサンプルを用いて同様に生
成し、かつ測定された免疫反応産物の量と関係してい
る。
(例) 次に示す例は本発明を説明するもので、これを制限す
るものではない。
1.抗原の調製 A.ポリペプチド ポリペプチドA I90−105、A I87−105、A I87−101、
A I90−111、A I101−111、A I93−101、A I95−105及
びA I96−101は、モデル430A自動ペプチド合成機(CA
州、フォスターシティー、アプライドバイオシステム
ズ)を使用した、メリフィールド(Merifield)(アド
バンストエンザイモロジー(Adv.Enzymol.)32,221−29
6(1969))により報告された従来の固相法により合成
した。ポリペプチドレジンはフッ化水素により切断し、
抽出後、逆相C18カラム(MA州、ミルドード、ウォータ
ーズ社)を用いた高速液体クロマトグラフィーにより分
析した。
ポリペプチドA I90−105、A I87−105、A I95−105及
びA I90−101のアミノ酸残基配列は先に第1表に示し
た。ポリペプチドA I101−111、A I87−101、A I93−10
1、A I95−105(−P)及びA I95−105(G/P)の配列は
以下の第2表に示す。
1. 第99番のプロリンが欠失していること以外、アポA
Iの第95番から第105番に相当するアミノ酸残基配列のポ
リペプチド。
2. 第99番のプロリンがグリシンに置換していること以
外、アポA Iの第95番から第105番に相当するアミノ酸残
基配列のポリペププチド。
B.アポA I/HDLの調製 HDLは地方血液銀行(CA州、サンディエゴ、サンディ
エゴプラズマセンター)の正常な絶食提供者血液のプラ
ズマフェレシスにより得られた血漿から単離した。この
目的のためにそのようにして得た血漿を最終濃度で5ミ
リモル濃度(mM)ベンズアミジン、1mMジイソプロピル
フルオロホスフェート、10mMエチレンジアミン四酢酸
(EDTA)、10ミリグラム/ミリリットル(mg/ml)大豆
トリプシンインヒビター及び10000ユニット/mlアプロチ
ニンを含むように調整した。それからHDLを密度調整用
の固体臭化カリウムを用いた連続超遠心により、この調
整血漿から単離した。
第1に、この調整血漿を約2000,000×gで18〜24時間
遠心し、生成した上清の下層を回収した。この下層に密
度が1.063g/ml以上となるように固体の臭化カリウムを
加えた。ついでこの混合物を密度1.063g/mlのKBrを含む
0.1%EDTA溶液に重層し、200,000×gで48時間以上遠心
した。再び下層を回収し、それに密度が1.21g/ml以上と
なるまで固体のKBrを加えた。この調整層を密度1.21g/m
lとなるようにKBrを含む0.1%EDTA溶液に重層し、200,0
00×gで48時間以上遠心した。
それから上層を回収し、その密度が1.063g/ml以上に
なるまで固体のKBrを加えた。この調整上層を密度1.063
g/mlのKBrを含む0.1%EDTAに重層し、さらに200,000×
gで48時間以上遠心した。
その中間層を回収し、密度が1.21g/ml以上になるまで
固体KBrを加えた。その調整中間層を密度1.21のKBrを含
む0.1%EDTA溶液に重層し、300,000×gで48時間以上遠
心した。生成した、1.063〜1.21g/mlに相当する密度のH
DL含有上層を回収した。この回収したHDLをリポタンパ
ク質バッファ(LLB:150mM NaCl、1mM EDTA、0.005%の
α−テコフェロール及び5mMベンズアミジンを含む水)
に対して透析し、生成したアポA I/HDLを無菌状態で多
くとも21日間保存した。
C.脱脂化アポA Iの調製 脱脂化アポA Iは、アポA I/HDLから脂質を有機的に抽
出することにより調製した。まず例1Bで調製したアポA
I/HDLのサンプルをpH7.5の0.01パーセントEDTA溶液に対
して一晩(およそ18時間)透析し、ついで0.003パーセ
ントのEDTA溶液に対しておよそ12時間透析し、つづいて
試験管当りのタンパク質量10〜20ミリグラムとなるよう
に凍結乾燥した。4℃で各試験管に35mlの無水エタノー
ル−無水エーテル(1:1)を加えた。混合後、この溶液
を−20℃に20分間維持する。そして、この溶液を0℃、
1000×gで30分間遠心し、その上清をデカンテーション
してアポA I含有ペレットを保存した。
上述のエタノール−エーテル抽出はもう2回行ない計
3回行なった。つづいて、4℃の無水エーテル35mlをサ
ンプルに添加した。この混合物を−20℃に30分間維持
し、ついで−20℃、1000×gで30分間遠心した後、アポ
A I含有ペレットを取り出し、窒素ガスで乾燥して脱脂
化アポA Iを生成した。脱脂化アポA IはアポA Iばかり
でなく、アポA Iのような、HDLと会合したその他のタン
パク質も含むことに注意すべきである。
D.単離アポA Iの調製 アポA Iは、キノシタ(Kinoshita)等(ジャーナル・
オブ・バイオケミストリー(J.Biochem.)94、615〜617
(1983))の方法に従がい、高速液体クロマトグラフィ
ーを用いたサイズ分画により脱脂化アポA Iから単離し
た。約300mgの脱脂化アポA Iを200マイクロリットル
(μ)の0.1%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、0.1M
リン酸ナトリウム(pH7.0)の溶液に溶かし、スフェロ
ゲル(Spherogel)−TSK3000SWHPLCカラム(CA州、フラ
ートン、ベックマン社)を用いてサイズ分画した。単離
アポA Iを含む画分を−20℃で保存した。また、アポA I
はここで説明されているように、脱脂化及びポリアクリ
ルアミド電気泳動によっても単離された。
E.ポリアクリルアミド−HDLの調製 HDLは、次に示す所定量の各々別々に調製した溶液を
混ぜ合せ、架橋反応混合物を作ることにより、ポリアク
リルアミドの中に固定化した。
(a) 50mgのHDLを含むLLB 4.3 ml (b) 28%(w/v)のアクリルアミド水溶液 1.25ml (c) 2%(w/v)N,N′−メチレンビスアクリルアミ
ド水溶液 2.5 ml (d) LLB 1.25ml (e) 1%(w/v)過硫酸アンモニウム水溶液 1.2 m
l。
架橋反応は37℃で約16時間進行させた。架橋が起こら
なかったため、つづいてTEMED(N,N,N′,N′−テトラメ
チルエチレンジアミン)を加えて、37℃で約90分以内に
架橋を生成させた。生成したポリアクリルアミドを20ml
のLLBの存在下、機械的に均一化した後、LLBを用い遠心
濾過によりこれを洗浄して、ポリアクリルアミド−HDL
を作った。
2.モノクローナル抗体の生成 balb/c By Jマウス(CA州、ラジョラ、スクリップス
クリニック・アンド リサーチ ハンデーション ビ
バリウム(Scripps Clinic and Research Foundation V
ivarium))を完全フロイントアジュバント(CFA)中免
疫原としてのポリアクリルアミド−HDL50μg及びイン
ターフェロンγ500ユニットを用いて、腹腔内注射(i.
p.)で免疫化し、ついで各々3週間の間隔をあけて、イ
ンターフェロンを含まない不完全フロイントアジュバン
ト(IFA)を用いて、第2及び第3免疫化を行った。最
後のアジュバント含有免疫化後約9ケ月に、このマウス
は融合4日前生理食塩水中50μgのHDLの静脈注射によ
る追加免疫化を受け、また1日後、第2の同様な灌流免
加免疫を受けた。
このように処理された動物を殺し、各マウスの脾臓を
採取した。それから、脾臓細胞サスペンジョンを調製し
た。その後この脾臓細胞サスペンジョンから、23℃1000
rpm約10分の遠心により脾臓細胞を抽出する。上清除去
後、細胞ペレットを5mlの冷NH3Cl溶解バッファに再懸濁
し、約10分インキュベーションした。
この溶解細胞サスペンジョンに10mlのダルベッコ修正
イーグル培地(DMEM)(ギブコ社)及びヘペス〔4−
(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンエタンスル
ホン酸〕バッファを加えてからこの混合物を23℃、1000
rpmで約10分間遠心した。
この上清をデカンテーションし、ペレットを5mlのDME
M及びHEPESに再懸濁した。それから、この脾細胞サスペ
ンジョンの部分標本を計数のため取り出した。非分泌型
マウスミエローマ細胞系列P3×63Ag8.653.1(系列P3×6
3Ag8.653のサブクローン)を用いて、次に示す方法で融
合を行った。約1対10又は約1対5の脾細胞に対するミ
エローマの比重を用いるため、十分量のミエローマ細胞
を遠心でペレット化し、15mlのDMEM及びHEPESで2回洗
浄したのち、23℃、1000rpmで10分間遠心した。
脾細胞及びミエローマ細胞を丸底の15ml試験管中で合
わせた。この細胞混合物を23℃、1000rpmで10分間遠心
した後、その上清をアスピレーターで除去した。その
後、37℃で200μの50パーセント(w/v)ポリエチレン
グリコール4000(PEG,MD州、バルチモア、ATCC)水溶液
を、激しく撹拌しながら1mlピペットを用いて加え、こ
のペレットを破壊し、この細胞を15〜30秒間緩やかに撹
拌する。この細胞混合物を700rpmで4分間遠心する。
PEG添加から約8分後に、5mlの(DMEM+HEPES)バッ
ファを細胞を破壊しないように、ゆっくりペレットに加
えた。1分後この混合物を1mlピペットで分散させ、さ
らに4分間インキュベーションした。この混合物を1000
rpm7分間遠心した。上清をデカンテーションし、5mlのH
T(ヒポキサンチン/チミジン)培地をゆっくりペレッ
トに添加し、この混合物を5分間静置した。このペレッ
トを大きい塊りに壊し、最終的な細胞サスペンションを
予め7.5mlのHT培地を入れておいたT75フラスコに入れた
(フラスコ当り2.5ml)。この細胞サスペンジョンを37
℃でインキュベートし、融合細胞を生育させた。245時
間後、10mlのHT培地をフラスコに入れ、さらに6時間
後、0.3mlの0.04Mアミノプテリンを添加した。融合から
48時間後、フラスコに10mlのHAT(ヒポキサンチン/ア
ミノプリテン/チミジン)培地を加えた。
融合から三日後、生細胞をケネット(Kennett)等
(カレントトピックス・イン・マイクロバイオロジー・
アンド・イムノロジー(Curr.Top.Microbiol.Immuno
l.)81、77(1978))により報告されているように、HA
Tバッファ培地中、ウェル当り約2×104生細胞の濃度で
(計768個のウェル)、96穴組織培養プレートを用いて
プレーティングした。細胞は、HAT培地を用い、融合か
ら7日間生育させ、その後、およそ4〜5日間隔でHT培
地を必要に応じて提供する。生育は顕微鏡で観察し、約
2週間後、培養上清を回収して、基本的にカーチス(Cu
rtiss)及びエジントン(Edgington)(ジャーナル・オ
ブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)25
7、15213−15221(1982))の方法に従がい、HDL特異的
抗体の存在を検定した。
簡単に言うと、アポA I/HDL5μg/mlを含むPBS50μ
をマイクロプレートのウェルに入れた。そのプレートを
一晩(約16時間)4℃に保ち、アポA I/HDLをウェルの
壁に付着させた。ウェルを4回SPRIAバッファ(2.68mM
KCl、1.47mM KH2PO4,137mM NaCl,8.03mM Na2HPO4,0.05
%トウィーン−20、0.1KIU/mlトレイゾール、0.1%BSA,
0.015%NaN3)で洗浄後、3%正常ヤギ血清(NGs)及び
3%ウシ血清アルブミンを含むSPRIAバッファ200μを
各ウェルに添加し、過剰のタンパク質結合部位をブロッ
クした。このプレートを20℃に30分間維持した後、ウェ
ルを振って空にし、水分を吸い取ることにより乾燥した
固体サポート、すなわちアポA I/HDLを機能的に固定化
する固定マトリクスを作った。
その後、各ウェルに50μのハイブリドーマ組織培養
上清を入れ、固液相免疫反応混合物を作った。この混合
物を37℃に2時間維持し、固相免疫反応産物を形成させ
た。先に説明したようにウェルを洗浄後、ml当り0.25μ
gタンパク質の濃度の125Iラベル化ヤギ抗マウスIgG50
μを各ウェルに加え、ラベル化反応混合物とした。こ
の混合物を1時間37℃に維持し、125Iラベル化固相免疫
反応産物を生成させた。先に説明したようにウェルを洗
浄後、各ウェルに結合した125Iラベル化産物の量をガン
マシンチレーションにより測定した。
ハイブリドーマA I−18はその培養培地中に抗HDL抗体
を分泌する約16個のハイブリドーマ培養物から選択し、
ついでここで説明されてるように、さらに特性を明らか
にした。
3.モノクローナル抗体調製物の精製 0.3mlのミネラルオイルで感作し、かつハイブリドー
マ5×106個を腹腔内注射した。週令10才のBalb/cマウ
スから腹水を得た。腹水生成の平均時間は9日であっ
た。23℃、15000×g、15分間の遠心による清澄化した
後、ハイブリドーマH135D3から生じた腹水を合せ、−20
℃で凍結保存した。
各5種のハイブリドーマからの精製A I−18モノクロ
ーナル抗体は、10mMトリス(pH8.0)中カラムに供給さ
れる方向に0−0.5モル濃度(M)の勾配を用い、ファ
ルマシアモノQHR5/5アニオン交換カラム(ファルマシア
・ファイン・ケミカルズ、NJ州、ピスカタウェイ)を使
用した高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)
を用いて調製した。精製したMabをアミコン撹拌限外濾
過セル(ダンバース、MA州、PM30メンブレン)を用い
て、1mg/mlの濃度に濃縮し、PBS(リン酸緩衝液、pH7.
2)に対して透析した後、−70℃に保存した。
4.放射性ヨウ素化 HDL、アポA I及び免疫化学的に精製したヤギ抗体マウ
スIgの放射性ヨウ素化は、エンザイモビーズヨウ素化操
作及びバイオラド市販のエンザイモビーズ(CA州、バー
リンガム)を用いて酵素的に行った。エンザイモビーズ
は、以下に説明するように固相ラジオイムノアッセイに
対して抗原及び抗体を特徴づけるのに用いた。
5.アポA I−臭化シアン断片特異性 MAB A I−18のアポA I CNBr断片特異性は、カーチス
(Curtiss)等(プロシーディング・オブ・ザ・ワーク
ショップ・オン・ルポプロテイン・ヘテロジェナイアテ
ィー(Proceeding of the Workshop on Lipoprotein He
terogeneity)、リッペル(Lippel)編、NIH刊行物第87
−2646号、363−377(1987))の方法に従がい、ウェス
タンブロット分析を用いて測定した。簡単に言うと、CN
Br断片化は90%ギ酸中に単離アポA Iを溶かして行っ
た。CNBrは13,000モル過剰加え、そして、その反応混合
物を約20℃に約15時間維持した。凍結乾燥につづいて、
このCNBr断片を1%SDS、0.01Mトリス(pH8.2)溶液に
溶かしてから、カーチス(Curtiss)等(ジャーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Che
m.)260,2982−93(1985))により報告されている。8
M尿素及び2%アンフォリンを含む6%ポリアクリルア
ミドスラブゲル(pH4〜pH6)の等電点電気泳動にかけ
た。電気泳動的に分離したタンパク質をMAB A I−18を
用いた免疫反応のためのトロセルロースに移した。免疫
反応産物の生成は、放射性ヨウ素化ヤギ抗マウスIg及び
それにつづくオートラジオグラフィーにより検出した。
これらの実験結果は、MAB A I−18がアポA I CNBr断
片CNBr1,CNBr3及びCNBr4とは免疫反応しないが、CNBr2
とは免疫反応することを示している。また、これらの結
果は、MAB A I−18が単離アポA Iと免疫反応することを
示していることに注意すべきである。
6.MAB A I−18免疫反応性 本来のアポA I/HDL、脱アミド化アポA I/HDL及び種々
のポリペプチドに対するMAB A I−18の免疫反応性を以
下に示すように行った競争RIAにより試験した。
10μg/mlのアポA I/HDLを含む、100μのPBS(0.15M
NaCl、0.01M NaPO4、pH7.2)をマイクロプレートのウ
ェルに入れた。このプレートを振盪器上、20℃で1時間
維持して、ウェルにアポA I/HDLを付着させ、固体サポ
ートを作った。ウェルから過剰の液体を吸い取った後、
200μのブロック溶液(PBS中3%BSA、3%NGS)を各
ウェルに入れ、ついでこのウェルを振盪器上で20℃、30
分間維持した。その後、このブロック溶液をアスピレー
ターで吸い取り、各ウェルをSPRIAバッファで3回洗浄
した。
それから、最初に各ウェルに3%BSA及び種々の濃度
の競合抗原、すなわちアポA I/HDL、脱アミド化アポA I
/HDL又はペプチドを含むPBS50μを加え、ついで第二に
3%BASを含むPBSで1.25×105倍に希釈した清澄化腹水
の形のMAB A I−18 50μを加え競争免疫化反応混合物
を作った。コントロールウェルには、競合抗原もしくは
抗体の代りに3%BSAを含むPBSを用いた。
この免疫反応混合物を振盪器上で4℃、約16時間振盪
し、固相免疫反応産物を形成させた。先に説明したよう
にウェルを洗浄後、各ウェルに100μの125Iラベル化
ヤギ抗マウスIg(3%BSA含有PBS100μ当りトリクロ
ロ酢酸沈殿性物質壊変率毎分2×105にまで希釈した125
Iラベル化ヤギ抗マウスIg)を加えた。このようにして
生成したラベル化免疫反応混合物を振盪器上4℃で4時
間維持した。つづいてこのウェルを先に説明したように
SPRIAで洗浄し、ついで生成した125Iラベル化固相免疫
反応産物を測定した。
新鮮な血漿中のアポA I/HDL及びHDLと免疫反応する、
MAB A I−18の能力を、上述のRIAにおいて競合者として
それらの各々を用いて比較した。この実験結果を第2図
に示す。HDL及び血漿の対数化データの勾配は−2.03及
び−2.17であることが分った。統計的解析は未だ行って
いないが、2つの勾配は等価であると考えている。
脱アミド化アポA I/HDLに対するMAB A I−18の免疫反
応性を試す実験において、アポA I/HDLは以下の第3表
に示した、7種のNaOH濃度を用いて脱アミド化した。
1. 脱アミド化反応は約20℃に18時間維持してから、HC
lを添加して中和した(約pH6.34〜約pH6.46)。その
後、9.5mlのPBSを各サンプルに混合した。
2. 反応物の体積はマイクロリットル(μ)で示して
ある。
3. アポA I/HDLストックはml当り10mgタンパク質の濃
度である。
第3表の各調製サンプルの連続的3倍希釈物50マイク
ロリットルを、この例の中で説明したRIAにおける競合
物として混合した。各サンプルの各希釈物存在下で生じ
125Iラベル化固相免疫反応産物の、分当りの平均カウ
ント数(CPM)及び各々のB/B0値を以下の第4表に示し
た。
第4表の結果は、MAB A I−18によって認識されるエ
ピトープは、サンプルB及びサンプルCが受けたNaOH処
理に対しては安定であることを示している。サンプルA
は未処理コントロールである。NaOHは脱アミド化に加え
てアポA Iに変化を起こさせるので、サンプルD,E,F及び
Gについて観察される、MAB A I−18により認識される
エピトープ発現の減少は実質的に脱アミド化によるもの
ではないと考えられる。
さらに、脱アミド化アポA I/HDLと免疫反応するMAB A
I−18の能力を試験するため、MAB A I−18及びもう1
つの抗アポA Iモノクローナル抗体であるMAB C3.5を、
上述のサンプルBと同様に調製したアポA I/HDLに対し
て滴定した。第3図に示した、この実験結果は、MAB C
3.5によって認識されるアポA Iエピトープは、脱アミド
化で完全に分解されるが、MAB A I−18によって認識さ
れるエピトープの発現は、脱アミド化によって実質的な
影響を受けない。
第1表及び第2表に示したポリペプチドに対するMAB
A I−18の免疫反応性を測定するため、各々のストック
溶液を10μg/mlの濃度となるよう調製した。このストッ
クの2倍連続希釈物ストック50マイクロリットルを、こ
の例で説明したRIAにおける競合物として用いた。この
実験結果を第3図〜第6図にグラフで示し、かつ、以下
の第5表にまとめた。
1. 免疫反応性は、この例のRIAにおいて、B/B0値0.5を
与えるのに必要なペプチド競合物の濃度(タンパク質μ
g/ml)である。より高い免疫反応性は、抗体・抗原反応
のより低い親和性を表わしていることに注意せよ。
上記の結果は、MAB A I−18はペプチドA I90−105,A
I90−111,A I87−105及びA I95−105に対して等価な免
疫反応性、すなわち、1:5から5:1の範囲の免疫反応性の
比、を示すことを表わしている。
さらに、A I95−105,A I95−105(−P)及びA I95−
105(G/P)に対する,AB A I−18の免疫反応性の比較
は、第99番目のプロリンの存在がMAB A I−18によって
認識される保存性アポA Iエピトープのペプチドによる
発現に必要であることを示している。
プロリンを含まないか、もしくは両サイドに少なくと
も4残基のアミノ酸が隣接するプロリンを含まない、ペ
プチドA I105−116,A I101−111,A I100−105,A I87−1
01及びA I93−101の高い免疫反応性は、MAB A I−18に
より認識されるアポA Iエピトープを免疫学的に真似る
ことができるペプチドは、残基位置第90〜第105番のア
ポA I配列に対応する、少なくとも10残基のアミノ酸配
列を有さねばならず、かつ、それはその両サイドに少な
くとも約4残基のアミノ酸を隣接するプロリンを含まな
ければならないことを示している。
7.固相ポリペプチド競合ELISA法 5mg/ml濃度のポリペプチドA I90−105を含む、600マ
イクロリットルの25mM NH4HCO3(pH9.6)を119.4mlの0.
1M NaHCO3(pH9.0)と混合し、ペプチドコーティング溶
液を作った。このペプチドコーティング溶液150マイク
ロリットルを柔軟性のあるポリ塩化ビニル製のマイクロ
プレート(ナンク(Nunc)社)のウェルに加えた。それ
からこのウェルを約16〜20時間4℃に保持し、ペプチド
をウェルの壁に吸着させた。振ってペプチドコーティン
グ溶液を除いた後、ウェルを洗浄バッファ(1g/BSA、
0.5ml/トウィーン20、及び2μ/アプロチニンを
含むPBS)350μで一度洗浄した。過剰のタンパク質結
合部位は、各ウェルにブロッキングバッファ(3%BSA
含有PBS)200μを入れ、このウェルを1時間20℃に保
持し、振ることによりブロッキングバッファを除いた
後、先に説明したようにウェルを3回洗浄することによ
りブロッキングした。このようにして作成したA I90−1
05ポリペプチド含有固体サポートは使用するまで乾燥剤
の存在下、4℃で保存した。
検定するサンプル又は標準物質100マイクロリットル
をポリペプチドコート化ウェルに加えた。つづいて、各
ウェルに0.5μg/mlHPPOラベル化MAB A I−18を含むPBS1
00μを加えた。この固液相競合免疫混合物を60分間20
℃に保持して、液相アポA I含有免疫反応産物及び固相
ポリペプチド含有免疫反応産物を生成させた。その後、
ウェルを洗浄バッファで3回洗浄して、固相産物と液相
産物を分離した。
それから、OPD基質200マイクロリットルを各ウェルに
加え、発色反応混合物を作成し、これを30分間約20℃に
保持した。つづいて、各ウェルに4N H2SO4 50μを加
えて発色反応を停止し、ついでこの溶液の490ナノメー
トルの吸光度をマイクロプレートリーダー(ダイナテク
社)で測定した。
上述の固相ELISA法を、MAB A I−18への結合を競合す
るポリペプチドA I90−105及びアポA I参照物質の能力
の比較に使用した。参照物質は既知量の検定可能アポA
I/HDLを含む約20検体の正常血漿の集合物とした。第8
図に示したこの実験の結果は、MAB A I−18がペプチド
及び参照物質に対し等価な免疫反応性を有することを示
している。
特別な態様及び例を含む先に示した明細は本発明の説
明を意図したものであって、これを制限するものではな
い。その他の多くの変化及び修正が本発明の精神及び範
囲を逸脱することなしに可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/53 G01N 33/577 B 33/577 C12P 21/08 // C12P 21/08 C12N 5/00 B (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 特表 昭62−501770(JP,A) Nucleic.Acids Re s.11[9] P.2827−2837 (1983) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に25個以下のアミノ酸残基から成
    り、かつ式: −LEEVKAKVQPYLDDFQ− で表される配列を、そのアミノ酸残基配列の一部として
    有するアポA Iポリペプチド。
  2. 【請求項2】前記ポリペプチドが、 (a) LEEVKAKVQPYLDDFQ, (b) LEEVKAKVQPYLDDFQKKWQEE,及び (c) SKDLEEVKAKVQPYLDDFQ からなる群から選ばれる式で表されるアミノ酸残基配列
    を有する請求項1記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】(a) アポA I/HDL (b) 単離アポA I (c) 脱アミド化アポA I/HDL (d) アポA I CNBr2、及び (e) ポリペプチドLEEVKAKVQPYLDDFQ(このポリペプ
    チドとの結合はポリペプチドAKVQPYLDDFQとの結合より
    も強い) と免疫反応するが、 (f) アポA I CNBr1、 (g) アポA I CNBr2、 (h) アポA I CNBr3、 (i) ポリペプチド LEEVKAKVQYLDDFQ,及び (j) ポリペプチド LEEVKAKVQGYLDDFQ とは免疫反応しない抗アポA I抗体分子を含むモノクロ
    ーナル抗体。
  4. 【請求項4】前記抗体がATCC名HB9570を有するハイブリ
    ドーマにより生産されるものである請求項3記載のモノ
    クローナル抗体。
  5. 【請求項5】(a) LEEVKAKVQPYLDDFQ, (b) LEEVKAKVQPYLDDFQKKWQEE,及び (c) SKDLEEVKAKVQPYLDDFQ からなる群から選ばれる式で表されるアポA Iポリペプ
    チドを少なくとも1回の検定を行なうのに十分な量含
    む、キット形の診断システム。
  6. 【請求項6】前記ポリペプチドが固体マトリクスに機能
    的に結合している請求項5記載の診断システム。
  7. 【請求項7】少なくとも1回の検定を行なうのに十分な
    量の、 (a) アポA I/HDL (b) 単離アポA I (c) 脱アミド化アポA I/HDL (d) アポA I CNBr2、及び (e) ポリペプチドLEEVKAKVQPYLDDFQ(このポリペプ
    チドとの結合はポリペプチドAKVQPYLDDFQとの結合より
    も強い) と免疫反応するが、 (f) アポA I CNBr1、 (g) アポA I CNBr2、 (h) アポA I CNBr3、 (i) ポリペプチド LEEVKAKVQYLDDFQ,及び (j) ポリペプチド LEEVKAKVQGYLDDFQ とは免疫反応しない抗アポA I抗体分子を含むモノクロ
    ーナル抗体をさらに含む請求項5記載の診断システム。
  8. 【請求項8】前記抗体分子がATCC名9570を有するハイブ
    リドーマによって生産されるものである請求項7記載の
    診断システム。
  9. 【請求項9】前記抗体分子が酵素指示手段に機能的に結
    合している請求項7記載の診断システム。
  10. 【請求項10】(a) アポA I/HDL (b) 単離アポA I (c) 脱アミド化アポA I/HDL (d) アポA I CNBr2、及び (e) ポリペプチドLEEVKAKVQPYLDDFQ(このポリペプ
    チドとの結合はポリペプチドAKVQPYLDDFQとの結合より
    も強い) と免疫反応するが、 (f) アポA I CNBr1、 (g) アポA I CNBr2、 (h) アポA I CNBr3、 (i) ポリペプチド LEEVKAKVQYLDDFQ,及び (j) ポリペプチド LEEVKAKVQGYLDDFQ とは免疫反応しない抗アポA I抗体分子を含むモノクロ
    ーナル抗体を少なくとも1回の検定を行なうのに十分な
    量含む、キット形の診断システム。
  11. 【請求項11】前記抗体分子がATCC名9570を有するハイ
    ブリドーマによって生産されるものである請求項10記載
    の診断システム。
  12. 【請求項12】前記抗体分子が酵素指示手段に機能的に
    結合している請求項11記載の診断システム。
  13. 【請求項13】以下の工程を含む、血液サンプル中のア
    ポA I量を測定する方法。 (a) 血液サンプルを、 (i)ATCC名HB9570を有するハイブリドーマにより生産
    される抗アポA Iモノクローナル抗体、及び (ii)(a) LEEVKAKVQPYLDDFQ, (b) LEEVKAKVQPYLDDFQKKWQEE,及び (c) SKDLEEVKAKVQPYLDDFQ からなる群から選ばれるアポA Iポリペプチド、 と混合することにより免疫反応混合物を作る工程、 (b) 該免疫反応混合物をアポA I含有免疫反応産物
    が生成するのに十分な時間維持する工程、 (c) 工程(b)で生成した産物の量を測定する工
    程。
  14. 【請求項14】前記ポリペプチドが固体マトリクスに機
    能的に結合しており、かつ、前記抗体が酵素ラベルに機
    能的に結合しておりかつ、工程(b)で生成した前記産
    物がラベル化免疫反応産物である請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】アポA I/HDL及びポリペプチドLEEVKAKVQ
    PYLDDFQと免疫反応し得る抗体分子を生産し、かつATCC
    名HB9570を有するハイブリドーマ。
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