JPH06261785A - アポe蛋白レセプターに対するモノクローナル抗体 - Google Patents

アポe蛋白レセプターに対するモノクローナル抗体

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JPH06261785A
JPH06261785A JP5049505A JP4950593A JPH06261785A JP H06261785 A JPH06261785 A JP H06261785A JP 5049505 A JP5049505 A JP 5049505A JP 4950593 A JP4950593 A JP 4950593A JP H06261785 A JPH06261785 A JP H06261785A
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monoclonal antibody
antibody
protein receptor
amino acid
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JP5049505A
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Masaru Hamaoki
勝 濱沖
Tokuo Yamamoto
徳男 山本
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Sankyo Co Ltd
Yamasa Shoyu KK
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
Yamasa Shoyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アポE蛋白レセプターに対するモノクローナ
ル抗体、それを用いた測定もしくは検出法およびそれら
に用いるためのキット。 【構成】 アポE蛋白レセプターのNもしくはC末端部
分のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を含有するペ
プチドを抗原として使用することにより、アポE蛋白レ
セプターに対して高い結合性を有するモノクローナル抗
体が得られる。このモノクローナル抗体は、アポE蛋白
レセプター発現、組織分布、生理作用等の研究用試薬と
して、また3型高リポプロテイン血症等の病理診断用試
薬として用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アポE蛋白レセプター
に対するモノクローナル抗体、それを用いた測定もしく
は検出法およびそれらに用いるためのキットに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最近、本発明の発明者の一人である山本
は超低密度リポ蛋白(VLDL)レセプターを初めてク
ローン化し、これを報告している(1992年日本内分
泌学会)。このVLDLレセプターは、846残基のア
ミノ酸より構成され、VLDL、β−VLDLあるいは
中密度リポ蛋白(IDL)と結合して細胞中に取り込む
性質を有することから、従来レムナントレセプターまた
はアポE蛋白レセプターといわれていたものと同一のも
のであると考えられている。したがって、本明細書にお
いてはVLDLレセプター、レムナントレセプターおよ
びアポE蛋白レセプターのそれぞれの呼称を「アポE蛋
白レセプター」と統一して使用することとする。このア
ポE蛋白レセプターは、心臓、筋肉、脂肪細胞などの脂
肪酸代謝の活発な組織に多数発現し、アポEを含む中性
脂肪含量の多いリポプロテインと結合する性質を有する
ことから、中性脂肪の代謝に重要な役割を果たすものと
推測されている。また、心筋梗塞の危険性が高いヒトの
3型の高リポプロテイン血症においてはβ−VLDLが
増加する傾向を示すことから、β−VLDL増加の作用
機序の解明にはアポE蛋白レセプターの測定が必須であ
ると考えられている。このように、アポE蛋白レセプタ
ーの検出または測定は生化学および病理診断学上重要で
あり、該方法の確立が切望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検体ま
たは組織中のアポE蛋白レセプターを測定または検出し
ようとする場合、現時点では該レセプターに対する抗体
が取得されておらず、その取得法も全く報告されていな
い。したがって、本発明はアポE蛋白レセプターに対す
る抗体を提供することを第一の目的とするものである。
更に本発明の他の目的は、この抗体を用いたアポE蛋白
レセプターの測定もしくは検出法、およびそれらに用い
るためのキットを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アポE蛋
白レセプターに対する抗体を取得すべく、まずアポE蛋
白レセプター蛋白を発現させたチャイニーズハムスター
オバリーセルを動物に免疫したものの、タイターが上昇
せず、目的とする抗体を得ることができないことを見い
だした。そこで、さらに検討した結果、アポE蛋白レセ
プターの末端部分のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配
列を含有するペプチドを抗原として使用することによ
り、効率よく目的とする抗体を得ることができること、
および得られた抗体は予想以上に高親和性のものである
ことを見いだし、本発明を完成させた。従って、本発明
は、アポE蛋白レセプターに対して結合性を有するモノ
クローナル抗体、それを用いたアポE蛋白レセプターの
測定もしくは検出法およびそれらに用いるためのキット
に関するものである。以下、本発明について詳述する。
【0005】1.モノクローナル抗体 (1)特性 本発明のモノクローナル抗体はアポE蛋白レセプターに
対して結合性を有するモノクローナル抗体であって、そ
の他の特性は何ら制限されるものではないが、典型的に
は下記の特性を有する。 特異性 アポE蛋白レセプターの末端部分のアミノ酸配列に相当
するアミノ酸配列を含有するペプチドに対して特異的に
反応する。アポE蛋白レセプターの末端部分とは、N末
端またはC末端から好ましくは30残基までのアミノ酸
配列、更に好ましくは17残基までのアミノ酸配列を意
味する。本発明のモノクローナル抗体は、特に下記の式
で表されるN末端部分またはC末端部分のアミノ酸配列
中の6残基以上の連続した任意の配列を有するペプチド
に特異的に反応する。また、その特異性の程度は、もっ
とも強く反応するペプチドに対する反応性を100%と
したとき、他のペプチドに対する反応性は10%以下、
好ましくは5%以下、最も好ましくは全く反応しない。
【0006】
【式4】NH2 −GRKAKCEPSQFQCTNGR
−COOH
【式5】NH2 −GRKTKCEASQFQCTNGR
−COOH
【式6】NH2 −GHTYPAISVVSTDDDLA
−COOH
【0007】親和性 上記ペプチドに対する親和性は1x108 -1以上、好
ましくは1x109 -1以上である。
【0008】(2)製造法 上述の本発明のモノクローナル抗体は公知の方法を適宜
応用することにより製造することができる。使用する免
疫原はヒトあるいはウサギなどの動物由来のアポE蛋白
レセプターの末端部分のアミノ酸配列に相当するアミノ
酸配列を含有するペプチドである。または、2種以上の
ヒトあるいは動物由来のアポE蛋白レセプターの末端部
分のアミノ酸配列中の共通部分の配列を含有するペプチ
ドでもよい。具体的には上記のアミノ酸配列中の6残基
以上の連続した配列を有するペプチドを例示することが
できる。このようなペプチドは公知の方法により化学的
に調製することができる。また、合成したペプチドの抗
原性が乏しい場合には、ウシ血清アルブミン、キーホー
ルリンペットヘモシアニンなどのハプテン抗原の抗体製
造に常用されている高分子担体との複合体を免疫原とし
て用いるのが好ましい。
【0009】免疫原を投与する動物としては、ウシ、ウ
マ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、モルモット、イ
ヌ、ブタ、ウサギ、サル、ハト、ニワトリなどいずれで
あってもよく、特にマウス、ラット、モルモット、ウサ
ギ、ヤギなどが使用上好都合である。このような動物へ
の免疫原の投与は常法に従って行えばよく、たとえば、
完全フロインドアジュバンド、不完全フロインドアジュ
バンド、ミョウバンアジュバンド、水酸化アルミニウム
アジュバンド、百日咳菌アジュバンドなどの各種アジュ
バンドと上述の免疫源とのエマルジョンを調製し、これ
を上記動物の静脈内、腹腔内、皮下または皮内に投与す
ればよい。投与量は、動物としてウサギ、モルモットを
使用する場合には蛋白量として0.01〜10mg/
匹、またはマウス、ラットを使用する場合には、0.0
01〜1mg/匹程度が好適である。
【0010】初回投与後、1〜4週間おきに1〜5回程
度の上記と同様の追加免疫を行うことにより、動物体内
で免疫原として使用したアポE蛋白レセプターの末端部
分のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を含有するペ
プチドに対する抗体産生を誘導する。次に、抗体産生を
誘導した動物から脾細胞、リンパ節細胞、末梢血リンパ
球などの抗体産生細胞を常法により取得する。
【0011】抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞
としては、マウス、ラット、ヒトなどの種々の動物に由
来し、当業者が一般に入手可能な株化細胞を使用する。
使用する細胞株としては、薬剤抵抗性を有し、未融合の
状態では選択培地で生存できず、抗体産生細胞と融合し
た状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。
通常、8−アザグアニン耐性株が用いられ、この細胞株
はヒポキサンチン−グアニンホスフォリボシルトランス
フェラ−ゼ(hypoxanthine guanine phosphori1syl tr
ansferase )を欠損し、ヒポキサンチン・アミノプテリ
ン・チミジン(HAT)培地に生育できない。また細胞
の性質として免疫グロブリンを分泌しない、いわゆる非
分泌型の細胞株であることが好ましい。
【0012】ミエローマ細胞株の具体例としては、P3
x63Ag8(ATCC TIB−9)(Nature, 256,
495-497 (1975) )、P3x63Ag8U.1(P3U
1)(ATCC CRL−1597)(Current Topics
in Microbiology and Immunology, 81, 1-7 (1978)
)、P3x63Ag8.653(ATCC CRL−
1580)(J.Immunology, 123, 1548-1550 (1979)
)、P2/NSI/1−Ag4−1(ATCC TI
B−18)(Europian J. Immunology, 6, 511-519 (19
76) )、Sp2/O−Ag14(ATCC CRL−1
581)(Nature, 276,269-270 (1978) )などのマウ
スミエローマ細胞株、210.RCY.Ag1.2.3
(Y3−Ag1.2.3)(ATCC CRL−163
1)(Nature, 277, 131-133 (1979))などのラットミ
エローマ細胞株、U−266−AR1(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. U.S.A., 77, 5429(1980) )、GM1500
(Nature, 288, 488 (1980) )、KR−4(Proc. Nat
l. Acad. Sci. U.S.A.,79, 6651 (1982))などのヒトミ
エローマ細胞株を例示することができる。
【0013】細胞融合にあたっては、抗体産生細胞に適
合したミエローマ細胞を選定する。細胞融合は、イーグ
ルの最少必須培地(MEM)、ダルベッコ変法イーグル
培地(DMEM)、RPMI−1640培地などの動物
細胞培養用培地中で106〜108 細胞/mlのミエロ
ーマ細胞と抗体産生細胞を混合比1:4〜10に混合
し、37℃で1〜10分間細胞同士を接触させることに
より効率よく融合を行うことができる。細胞融合を促進
させるため、平均分子量1,000〜6,000のポリ
エチレングリコール(PEG)、ポリビニールアルコー
ル、センダイウイルスなどの融合促進剤を使用すること
ができる。また、電気パルスを利用した市販の細胞融合
装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞を融合させ
ることもできる。
【0014】細胞融合処理後の細胞から目的とするハイ
ブリドーマを選別する手段としては、選択的培地におけ
る細胞の選択的増殖を利用する方法を用いることができ
る。たとえば、細胞懸濁液を15%ウシ胎児血清(FC
S)含有RPMI−1640培地などで適当に希釈後、
マイクロプレート上に103 〜106 細胞/ウェル程度
まき、各ウェルに選択培地(たとえば、HAT培地な
ど)を加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行
う。ミエローマ細胞として8−アザグアニン耐性株、選
択培地としてHAT培地を用いた場合は、未融合のミエ
ローマ細胞は培養10日目ぐらいまでに死滅し、正常細
胞である抗体産生細胞もインビトロ(in vitro)では長
期間生育できないので、培養10〜14日目から生育し
てくる細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
【0015】アポE蛋白レセプターに対して結合性を有
するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの検
索は、酵素免疫測定法(EIA、ELISA)、ラジオ
イムノアッセイ(RIA)などによって行うことができ
る。たとえば、免疫源として使用したペプチドまたはそ
の複合体を吸着させた96ウェルELISA用マイクロ
プレートにモノクローナル抗体を含む培養上清を添加し
てペプチドと反応させ、次いで結合した特異抗体に酵素
標識抗免疫グロブリン抗体を反応させるか、あるいはビ
オチン標識抗免疫グロブリン抗体を反応させたのちアビ
ジンD−酵素標識体を反応させ、次いでいずれの場合と
も各ウェルに酵素基質を加えて発色させる。免疫源とし
て使用したペプチドまたはその複合体を固定化したウェ
ルのみで発色する培養上清を選別することにより、アポ
E蛋白レセプターに対して結合性を有する抗体を産生す
るハイブリドーマを検索することができる。
【0016】ハイブリドーマのクローニングは、限界希
釈法、軟寒天法、フィブリンゲル法、蛍光励起セルソー
ター法などにより行うことができる。このようにして取
得したハイブリドーマからモノクローナル抗体を産生す
る方法としては、通常の細胞培養法や腹水形成法などが
採用されうる。細胞培養法においては、ハイブリドーマ
を10〜15%FCS含有RPMI−1640培地、無
血清培地などの動物細胞培養用培地中で通常の方法で培
養し、その培養上清液から抗体を取得することができ
る。腹水から回収する方法では、ハイブリドーマと腫瘍
組織適合性が一致する動物に、プリスタン(2,6,1
0,14−テトラメチルペンタデカン)などの鉱物油を
腹腔内に投与した後、たとえばマウスの場合にはハイブ
リドーマを約106細胞/匹腹腔内投与する。ハイブリ
ドーマは10〜18日ほどで腹水腫瘍を形成し、血清お
よび腹水中に高濃度に抗体を生産する。
【0017】抗体の精製が必要とされる場合には、硫安
塩析法、DEAEセルロースなどの陰イオン交換体を利
用するイオン交換クロマトグラフィー、プロテインA−
セファロースなどを用いるアフィニティークロマトグラ
フィー、分子ふるいクロマトグラフィーなどの公知の方
法を適宜に選択し、組み合わせることにより精製するこ
とができる。
【0018】2.測定法及びキット 本発明の測定法は上述の本発明のモノクローナル抗体を
試薬として使用することを特徴としており、測定原理、
条件等には制限されない。反応様式による分類として、
競合反応法と非競合反応法(イムノメトリックアッセ
イ)が知られており、本発明においてはいずれの方法も
採用できる。検出方法による分類として、抗原抗体反応
の結果を直接検出する非標識法(ネフェロメトリーな
ど)と、なんらかのマーカーを使用して検出する標識法
が知られているが、本発明ではいずれの方法によっても
よい。BF分離を行う必要のあるヘテロジニアス法と必
要のないホモジニアス法が知られており、本発明にはい
ずれの方法を適用してもよい。反応相による分類とし
て、全反応が液相で行われる液相法と免疫反応の相手を
固相化して反応を行う固相法が知られているが、本発明
においてはいずれの方法も採用できる。これら、公知の
一般法の中から、本発明の測定法の目的に適合する方法
を適宜選択すればよい。
【0019】なお、一般的方法の詳細についてはたとえ
ば以下の文献に詳細に記載されている。 入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」((株)講談
社、昭和54年5月1日発行) 石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)((株)
医学書院、1982年12月15日発行) 臨床病理 臨時増刊 特集第53号「臨床検査のため
のイムノアッセイ−技術と応用−」(臨床病理刊行会、
1983年発行) 「バイオテクノロジー事典」((株)シーエムシー、
1986年10月9日発行) 「Methods in ENZYMOLOGY Vol.70」(Immunochemical
techniques (Part A)) 「Methods in ENZYMOLOGY Vol.73」(Immunochemical
techniques (Part B)) 「Methods in ENZYMOLOGY Vol.74」(Immunochemical
techniques (Part C)) 「Methods in ENZYMOLOGY Vol.84」(Immunochemical
techniques (Part D:Selected Immunoassay)) 「Methods in ENZYMOLOGY Vol.92」(Immunochemical
techniques (Part E:Monoclonal Antibodies and Gene
ral Immunoassay Methods)) [〜はアカデミックプレス社発行]
【0020】また、本発明の測定法で使用する本発明の
モノクローナル抗体の使用態様は採用する測定法に応じ
たものに適宜誘導すればよい。具体的には標識化抗体、
固相化抗体などを例示できる。使用する抗体は抗体その
ものであってもよいが、非特異的な吸着を防止する意味
から抗体の活性フラグメントを使用するのが好ましい。
抗体の活性フラグメントは、抗体の特徴を保持するもの
(たとえば、F(ab’)2、Fab’、Fabなどの
各種フラグメント)であればいずれのものであってもよ
い。これら活性フラグメントの調製は、精製抗体をパパ
イン、ペプシン、トリプシンなどのプロテアーゼを用い
て限定分解する方法など公知の方法を適用して行うこと
ができる(たとえば「免疫生化学研究法(続生化学実験
講座5)」、日本生化学会編、89頁(1986年)参
照)。
【0021】抗体に結合させる標識剤としては、放射性
同位体(たとえば32P、 3H、14C、 125Iなど)、酵
素(たとえばβ−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、グルコース−6−リン酸
デヒドロゲナーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダー
ゼ、乳酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、モノ
アミンオキシダーゼなど)、補酵素・補欠分子族(たと
えば、FAD、FMN、ATP、ビオチン、ヘムな
ど)、フルオレセイン誘導体(たとえば、フルオレセイ
ンイソチオシアネート、フルオレセインチオフルバミル
など)、ローダミン誘導体(たとえば、テトラメチルロ
ーダミンBイソチオシアネートなど)、ウムベリフェロ
ンおよび1−アニリノ−8−ナフタレンスルホン酸など
の蛍光色素、ルミノ−ル誘導体(たとえば、ルミノー
ル、イソルミノール、N−(6−アミノヘキシル)−N
−エチルイソルミノールなど)などを用いることができ
る。抗体またはその活性フラグメントと標識剤との結合
は、成書〔たとえば、「続生化学実験講座5免疫生化学
研究法」(株)東京化学同人、(1986年発行)第1
02〜112頁〕に記載されているような公知の方法か
ら適宜選択して実施すればよい。
【0022】抗体を固定するための担体物質の材質とし
ては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレ
ン、ポリメチレンメタクリレートなどの合成有機高分子
化合物、デキストラン誘導体(セファデックスなど)、
アガロースゲル(セファロース、バイオゲルなど)、セ
ルロース(ペーパーディスク、濾紙など)などの多糖
類、ガラス、シリカゲル、シリコーンなどの無機高分子
化合物が挙げられ、これらはアミノ基、アミノアルキル
基、カルボキシル基、アシル基、水酸基などの官能基を
導入したものであってもよい。なお、担体物質の材質は
蛋白質の結合能の低いものが好ましく、このような材質
としては未処理のポリスチレン、ポリ塩化ビニルが例示
される。
【0023】担体物質の形状は、平板状(マイクロタイ
タープレート、ディスクなど)、粒子状(ビーズな
ど)、管状(試験管など)、繊維状、膜状、微粒子状
(ラテックス粒子など)、カプセル状、小胞体状などが
例示され、測定法に応じた適宜な形状の担体を選択する
ことができる。また、リポソーム(単層または多層の脂
質膜)なども抗体を固定するための担体物質として使用
することもできる。モノクローナル抗体と担体物質との
結合は、物理的吸着法、イオン結合法、共有結合法、包
括法など公知の方法(たとえば、「固定化酵素」(千畑
一郎編、昭和50年3月20日、(株)講談社発行)参
照)を採用することができる。とりわけ、物理的吸着法
は簡便である点で好ましい。また、上記結合は、直接行
ってもよく、両物質の間に他の物質を介して行ってもよ
い。
【0024】測定対象のサンプルとしては、ヒトを含む
動物由来のもので、アポE蛋白レセプターおよび/また
は該レセプター由来の末端部分を含むフラグメントを含
有するものであれば特に制限されない。たとえば、体
液、随液、細胞破壊液、血液、血清、血漿、尿などを例
示することができる。
【0025】上記測定法に使用するキットは、本発明の
モノクローナル抗体をキットの構成試薬の1つとして含
有することを特徴とするものであり、キットの他の試薬
構成は採用した測定法によって異なっていてもよい。競
合反応法に基づくキットの場合には、たとえば以下の試
薬構成をとりうる。 固相化抗原(抗体) 標識化抗体(抗原)溶液 既知濃度の抗原液 また、サンドイッチ法に基づくキットの場合には、たと
えば以下の試薬構成をとりうる。 固相化第一抗体 第二抗体溶液 標識化抗イムノグロブリン抗体溶液 既知濃度の抗原液
【0026】上記のキットにおいて、「抗体」とは本発
明のモノクローナル抗体であり、「抗原」とはアポE蛋
白レセプターおよび/または該レセプター由来の末端部
分を含むフラグメントであることはいうまでもない。ま
た、アポE蛋白レセプターは多価抗原であり、サンドイ
ッチ法に基づくキットの場合には「第一抗体」と「第二
抗体」はレセプター上の同一の抗原決定基を認識するも
のであってもよく、異なった抗原決定基を認識するもの
でってもよい。また、サンドイッチ法に基づくキットの
変型としては、たとえば以下の試薬構成をとりうる。 固相化第一抗体 標識化第二抗体溶液 既知濃度の抗原液
【0027】3.検出法及びキット 本発明の検出法は、ヒトを含む動物由来の組織中のアポ
E蛋白レセプターを検出するに当たり、標識した前述の
本発明のモノクローナル抗体を抗体試薬として使用する
ことを特徴としている。したがって、標識剤、抗体の標
識方法及び標識化した抗体を使用した検出方法は免疫組
織診断法において常用されている方法をそのまま適用す
ることができる。すなわち、標識剤としては上述した放
射性同位体、酵素、補酵素・補欠分子族、蛍光色素、ル
ミノ−ル誘導体などを使用できる。このような標識剤を
結合させる抗体は、抗体自体でもよく、そのフラグメン
トであってもよい。抗体またはそのフラグメントと上記
標識剤との結合は常法によって行うことができる。この
ようにして調製した標識化抗体を常法にしたがって組織
標本に作用させ、抗体に結合させた標識剤を視覚化する
ことにより組織中のアポE蛋白レセプターを検出するこ
とができる。
【0028】上記検出法において標識剤として酵素を用
いた場合、キットとしては下記の構成試薬をとりうる。 酵素標識化抗体 基質溶液 また、上記キットの変形としてビオチンーアビジン法を
採用すれば、キットは下記の試薬から構成される。 ビオチン化抗体 アビジン化酵素 基質溶液 なお、上記のキットにおいて、「抗体」とは本発明のモ
ノクローナル抗体であることはいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体は、アポE
蛋白レセプター発現、組織分布、生理作用等の研究用試
薬として、または3型高リポプロテイン血症等の病理診
断用試薬として使用することができる。
【0030】
【実施例】
実施例1 (1)ペプチドの調製 通常の固相法により、アポE蛋白レセプターのDNA配
列から推定されるアミノ酸配列に対応した下記の三種類
のペプチドを合成した。 Aペプチド(ヒト型N末17残基);NH2 −GRKA
KCEPSQFQCTNGR−COOH Bペプチド(ウサギ型N末17残基);NH2 −GRK
TKCEASQFQCTNGR−COOH Cペプチド(ヒト型ウサギ型共通C末17残基);NH
2 −GHTYPAISVVSTDDDLA−COOH
【0031】(2)免疫源の調製 上記で合成したいずれかの抗原1.5mgとウシ血清ア
ルブミン(BSA)2mgを1.5mlの0.2Mリン
酸緩衝液pH7.0に溶解させた後、最終濃度0.2%
のグルタルアルデヒドを加え、室温3時間反応させた。
反応後、生理食塩水に対し4℃、2日間透析した。ま
た、アッセイ用にはウシ血清アルブミン(BSA)の代
わりに、マウス血清アルブミン(MSA)を使って合成
した。
【0032】(3)モノクローナル抗体の調製 BペプチドーBSA複合体50μgを50μlの生理食
塩水に溶解させたものと完全フロイントアジュバントを
1:1で混合してエマルジョンとし、Balb/cマウ
スの腹腔内に投与して初回免疫とした。初回免疫後、1
ヶ月おきに数回、同様の方法で免疫した後、最終免疫と
して10μgを尾静脈に投与した。最終免疫から3日後
にマウスの脾臓を摘出し、RPMI−1640培地で洗
浄して脾細胞浮遊液を調製した。同時にマウスミエロー
マP3x63Ag8U1(P3U1)(ATCC CR
L−1597)をRPMI−1640培地で洗浄し、脾
細胞とP3U1を10:1で混合した後、遠心分離して
得たペレットに50%ポリエチレングリコール(PE
G)1000含有RPMI−1640培地溶液1mlを
徐々に加えて細胞融合を行った。さらに、RPMI−1
640培地溶液を加えて10mlとし、遠心分離して得
たペレットを10%ウシ胎児血清(FCS)含有RPM
I−1640培地にP3U1として3x104 細胞/
0.1mlとなるように懸濁させ、96ウェルマイクロ
タイタープレートに各ウェル0.1mlずつ分注した。
【0033】翌日、ヒポキサンチンーチミジンーアミノ
プテリン含有RPMI−1640培地(HAT培地)を
0.1ml添加し、その後3〜4日ごとに培地の半分量
を新しいHAT培地で交換した。融合から14日目にハ
イブリドーマのスクリーニングをした。すなわち、あら
かじめBペプチドーMSA複合体(1μg/ml)をコ
ートし、3%ゼラチンPBSでブロックした96ウェル
マイクロプレートに上記の培養上清液を50μlずつ添
加した。次にビオチン化ウマ抗マウスIgG抗体(ベク
ター社製)を加えた後、アビジンDーホースラディッシ
ュペルオキシダーゼ(ベクター社製)、過酸化水素およ
び4ーアミノアンチピリンーフェノールを用いたELI
SA法により陽性ウェルを選択した。次に限界希釈法に
よりハイブリドーマのクローニングを行い、下記表1に
示す効率でR1〜R12の12株を確立した。また、B
ペプチドの代わりにCペプチドを用い同様の方法でC1
〜C4の4株を確立した。
【0034】
【表1】
【0035】(4)モノクローナル抗体の精製 これら樹立株細胞R1またはC1をあらかじめプリスタ
ン0.5mlで処理したマウスの腹腔内へ3x106
ずつ投与し、約2週間後に腹水を採取した。次に、得ら
れた腹水を50%飽和硫安で沈澱させ、沈澱を0.1M
トリスー塩酸緩衝液に透析後、同緩衝液で平衡化させた
DE52(ワットマン社製)を充填したカラムに添加
し、素どうり画分を集め精製抗体を得た。
【0036】(5)モノクローナル抗体のサブクラス Aペプチド、BペプチドまたはCペプチド(10μg/
ml)をコートし、25%ブロックエ−ス(大日本製薬
社製)含有PBSでブロッキング処理を施してある96
ウェルマイクロタイタープレートにハイブリドーマの培
養上清または精製モノクローナル抗体溶液を添加し、M
onoAbー1D EIAキット(Zymed社製)を
用いて抗体のクラス、タイプの検索を行った。結果は表
2に示す。
【0037】(6)モノクローナル抗体の性質 特異性 96ウェルマイクロプレートにAペプチド、Bペプチド
またはCペプチドとMSAとの複合体をコートし、3%
ゼラチンPBSでブロックした後、抗体液50μlを反
応させ、通常のELISAを用いて抗体の特異性を調べ
た。その結果を表2に示す。なお、表中の%は各クロー
ンにおけるもっとも強く反応するペプチドとの反応性を
を100%としたときの他のペプチドとの反応性を表示
したものである。
【0038】親和性 96ウェルマイクロプレートにBあるいはCペプチドー
MSA複合体をコートし、3%ゼラチンPBSでブロッ
クした後、1%BSA、0.1%NaN3 含有PBSで
5〜0.01μg/mlの濃度に段階希釈した抗体液5
0μl を一夜反応させ、その上清に残存する抗体濃度を
測定し、この値を遊離抗体濃度とした。また、反応前抗
体濃度より遊離抗体濃度を差し引いて得られた数値を結
合抗体濃度とした。この遊離抗体濃度および結合抗体濃
度からスキャッチャードプロットにより抗体の結合定数
(Kd)を求めた。この結果も表2に併せて示す。
【0039】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/06 G01N 33/53 D 8310−2J 33/577 B 8310−2J //(C12P 21/08 C12R 1:91) (C12N 5/16 C12R 1:91)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アポE蛋白レセプターに対して結合性を
    有するモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 結合性がアポE蛋白レセプターの末端部
    分のアミノ酸配列に対するものである、請求項1記載の
    モノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 末端部分のアミノ酸配列がアポE蛋白レ
    セプターのN末端部分のアミノ酸配列に相当するもので
    ある、請求項2記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 N末端部分のアミノ酸配列が下記式で表
    される配列中の6残基以上の連続した配列に相当するも
    のである、請求項3記載のモノクローナル抗体。 【式1】NH2 −GRKAKCEPSQFQCTNGR
    −COOH
  5. 【請求項5】 N末端部分のアミノ酸配列が下記式で表
    される配列中の6残基以上の連続した配列に相当するも
    のである、請求項3記載のモノクローナル抗体。 【式2】NH2 −GRKTKCEASQFQCTNGR
    −COOH
  6. 【請求項6】 末端部分のアミノ酸配列がアポE蛋白レ
    セプターのC末端部分の配列に相当するものである、請
    求項2記載のモノクローナル抗体。
  7. 【請求項7】 C末端部分のアミノ酸配列が下記式で表
    される配列中の6残基以上の連続した配列に相当するも
    のである、請求項6記載のモノクローナル抗体。 【式3】NH2 −GHTYPAISVVSTDDDLA
    −COOH
  8. 【請求項8】 アポE蛋白レセプターおよび/または該
    レセプター由来の末端部分を含むフラグメントを含有す
    ることが疑われる試料と、請求項1から7のいずれか1
    項に記載のモノクローナル抗体とを接触させて、抗原抗
    体複合体の生成を測定もしくは検出することを特徴とす
    る、アポE蛋白レセプターおよび/または該レセプター
    由来の末端部分を含むフラグメントを測定もしくは検出
    する方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から7のいずれか1項に記載の
    モノクローナル抗体を構成試薬の1つとして含有する、
    請求項8記載の測定もしくは検出する方法に用いるため
    のキット。
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