JPH0424944B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は水素冷却回転電機などに好適な軸密封
油供給装置に関する。

〔従来技術〕

一般に水素冷却回転電機、特にタービン発電機
においては、固定子の軸貫通部より水素ガスが外
部へ漏れるのを防止するため、軸密封油供給系統
より適当な圧力の軸密封油を固定子の軸密封部に
供給している。この軸密封油供給系統は、第１図
に示すように、密封油１を収納する真空油タンク
２と、常用密封油ポンプ吹込管３、常用密封油ポ
ンプ４、リリーフ弁５、圧力スイツチ６、逆止弁
７、自動油圧調整弁８などからなる常用軸密封油
供給系統と、非常用密封油ポンプ９、リリーフ弁
１０、逆止弁１１などからなる非常用密封油供給
系統と、油圧油供給系統（図示せず）から真空油
タンク２に油を補給する軸受油補給管１２と、フ
ロート弁１３と、レベルスイツチ１４と、真空ポ
ンプ１５とから構成されている。

そして、通常の運転時には、軸受油補給管１２
より補給された油はフロート弁１３を通り、真空
油タンク２内で真空ポンプ１５により充分に脱気
された後、密封油として常用密封油ポンプ４によ
り、自動油圧調整弁８で適当な密封圧に調整され
て、ａ部から固定子の軸密封部（図示せず）に供
給される。また、商用交流電源の停電によつて常
用密封油ポンプ４が停止したときや、常用密封油
ポンプ４の故障時、あるいは真空油タンク２の破
損やフロート弁１３の故障などにより真空油タン
ク２内の密封油１の油面がレベルスイツチ１４で
セツトされた規定レベル以下に低下し、レベルス
イツチ１４が動作してその信号ｂにより常用密封
油ポンプ４が停止したときには、密封油圧が圧力
スイツチ６でセツトされた規定油圧以下に低下し
て圧力スイツチ６が動作するため、その信号ｃに
より非常用密封油ポンプ９が起動し、軸受油補給
管１２からの油が真空油タンク２を介することな
く直接、非常用密封油供給系統により、自動油圧
調整弁８で適当な密封圧に調整されて、ａ部から
固定子の軸密封部に供給される。

ところで、このような従来の軸密封油供給系統
においては、前記のように商用交流電源の停電に
よつて常用密封油ポンプ４が停止したときや、常
用密封油ポンプ４が故障したときだけでなく、す
なわち常用密封油ポンプ４が健全に動作可能なと
きでも、真空油タンク２の破損やフロート弁１３
の故障などが発生すると、常用密封油ポンプ４か
ら非常用密封油ポンプ９に切換運転される。しか
し、非常用密封油ポンプ９の電源はバツテリーか
らなる容量の比較的小さな非常用電源であるた
め、非常用密封油ポンプ９を長時間連続運転する
ことは不可能で、この運転時間内に真空油タンク
２の破損やフロート弁１３の故障などを修理でき
ないときには、軸密封部への密封油の供給がとだ
え、発電機の機内から外部へ水素ガスが放出され
て、場合によつては発電機の運転を停止しなけれ
ばならない事態になる、という欠点があつた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を除
き、真空油タンクの破損やフロート弁の故障など
により真空油タンク内の密封油の油面が低下した
場合でも、常用密封油ポンプの運転により長時間
密封油を供給し得る信頼性の高い軸密封油供給装
置を提供することにある。

〔発明の概要〕

この目的を達成するため、本発明は、軸受油補
給管と常用密封油ポンプ吸込管との間に、真空油
タンクをバイパスする弁を備えたバイパス管を設
け、真空油タンク内の密封油の油面が所定レベル
以下になつたときには、前記弁を開き、軸受油補
給管からの油を前記バイパス管を通して常用密封
油ポンプにより密封油として供給するようにした
ことを特徴とする。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を第２図について詳細
に説明する。なお第２図中、第１図と同一符号は
同一物または相当物を示す。

この実施例が第１図の従来例と異なる点は、レ
ベルスイツチ１４からの信号ｂによつて常用密封
油ポンプ４を停止させる信号線が省略され、その
代りに、軸受油補給管１２と常用密封油ポンプ吹
込管３との間に、真空油タンク２をバイパスす
る、途中に電磁弁１６を有するバイパス管１７が
設けられるとともに、前記電磁弁１６は常時閉じ
ていて、レベルスイツチ１４からの信号ｂによつ
て開くようになつており、さらに真空油タンク２
の出口部に逆止弁１８が設けられていることであ
る。

したがつて、前記のように真空油タンク２の破
損やフロート弁１３の故障などによつて真空油タ
ンク内の油面がレベルスイツチ１４でセツトされ
た規定レベル以下に低下した場合には、レベルス
イツチ１４が動作し、その信号ｂによつて電磁弁
１６が開き、軸受油補給管１２から補給される油
がバイパス管１７を通して常用密封油ポンプ４に
より固定子の軸密封部へ供給されることになる。
なお、商用交流電源の停電によつて常用密封油ポ
ンプ４が停止したときや、常用密封油ポンプ４が
故障したときなど、すなわち常用密封油ポンプ４
が健全に動作できないときには、従来例と同様
に、常用密封油ポンプ４から非常用密封油ポンプ
９に切換運転され、軸受油補給管１２からの油が
バイパス管１７を通ることなく直接、非常用密封
油ポンプ９により軸密封部に供給される。

常用密封油ポンプ４は商用交流電源によつて駆
動されるものであるため、バツテリーで駆動され
る非常用密封油ポンプ９と違つて長時間の連続運
転が可能であり、真空油タンク２の破損やフロー
ト弁１３の故障などを修理する間、連続して軸密
封部へ密封油を供給することができる。また、真
空油タンク２の出口部には逆止弁１８が設けられ
ているため、バイパス管１７を通つた油が真空油
タンク２内に逆流するのを防ぐこともできる。

なお、常用密封油ポンプ４の吹込力と真空ポン
プ１５の吹込力の強弱などの関係から真空油タン
ク２内に逆流する危険性のないときには、逆止弁
１８を省略できるのは勿論である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、真空油
タンクの破損やフロート弁の故障などにより真空
油タンク内の密封油の油面が低下した場合でも、
非常用密封油ポンプを切換運転することなく、常
用密封油ポンプの運転によつて密封油を供給する
ようにしたので、真空油タンクの破損やフロート
弁の故障などの修理を行なう間、連続して密封油
を安定に供給することができ、その信頼性を向上
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の軸密封油供給装置を示す系統
図、第２図は本発明の一実施例に係る軸密封油供
給装置を示す系統図である。 １……密封油、２……真空油タンク、３……常
用密封油ポンプ吸込管、４……常用密封油ポン
プ、９……非常用密封油ポンプ、１２……軸受油
補給管、１４……レベルスイツチ、１６……電磁
弁、１７……バイパス管、１８……逆止弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 密封油を収納する真空油タンクと、この真空
   油タンク内に軸受油供給系統から油を補給する軸
   受油補給管と、前記真空油タンク内の密封油を常
   用密封油ポンプにより軸密封部に供給する常用密
   封油供給系統と、前記軸受油補給管からの油を真
   空油タンクを通さずに非常用密封油ポンプにより
   軸密封部に供給する非常用密封油供給系統と、前
   記真空油タンク内の油面のレベルが所定値以下に
   なつたことを検出する手段とを備えたものにおい
   て、前記軸受油補給管と前記常用密封油供給系統
   の常用密封油ポンプ吹込管との間に、前記真空油
   タンクをバイパスするバイパス管を設け、かつこ
   のバイパス管に、常時は閉じているが前記検出手
   段の検出信号で開となる弁を設けたことを特徴と
   する軸密封油供給装置。 ２ 特許請求の範囲第１項において、前記常用密
   封油ポンプ吹込管の真空油タンク出口部付近に逆
   止弁を設けたことを特徴とする軸密封油供給装
   置。