JPH04243994A - 引き上げ法による結晶成長方法 - Google Patents
引き上げ法による結晶成長方法Info
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- JPH04243994A JPH04243994A JP922691A JP922691A JPH04243994A JP H04243994 A JPH04243994 A JP H04243994A JP 922691 A JP922691 A JP 922691A JP 922691 A JP922691 A JP 922691A JP H04243994 A JPH04243994 A JP H04243994A
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Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、引き上げ法による結晶
成長方法、特に3元以上の化合物結晶を引き上げ法によ
り成長させる方法に関する。化合物半導体基板としてG
aAs等の2元化合物半導体結晶が用いられているが、
格子定数による制約が多いため3元以上の化合物半導体
基板が必要となっている。
成長方法、特に3元以上の化合物結晶を引き上げ法によ
り成長させる方法に関する。化合物半導体基板としてG
aAs等の2元化合物半導体結晶が用いられているが、
格子定数による制約が多いため3元以上の化合物半導体
基板が必要となっている。
【0002】化合物半導体基板は、融液または溶液から
の引き上げ法により成長させた結晶をスライスして用い
るのが一般的である。ここで、「融液」と「溶液」は本
質的に異質の物を指すのではなく、共に一般的には「液
状物質」を指すものである。ただ、引き上げ法による結
晶成長の分野では、目標組成に応じて調合した固体化合
物またはその混合物を融解した液状物質を「融液」と呼
びならわしており、組成が目標組成から外れた液状物質
をこれと区別して「溶液」と呼んでいる。以下、本明細
書中では、記載を簡潔にするために、これら両者を敢え
て区別する必要がない場合には「融液」と総称する。
の引き上げ法により成長させた結晶をスライスして用い
るのが一般的である。ここで、「融液」と「溶液」は本
質的に異質の物を指すのではなく、共に一般的には「液
状物質」を指すものである。ただ、引き上げ法による結
晶成長の分野では、目標組成に応じて調合した固体化合
物またはその混合物を融解した液状物質を「融液」と呼
びならわしており、組成が目標組成から外れた液状物質
をこれと区別して「溶液」と呼んでいる。以下、本明細
書中では、記載を簡潔にするために、これら両者を敢え
て区別する必要がない場合には「融液」と総称する。
【0003】3元以上の化合物結晶を引き上げ法により
成長させる場合、単に目標組成の融液から結晶を成長さ
せたのでは、溶質元素間の分配係数の差により、成長し
た結晶内に組成勾配が生ずる。即ち、融液からの晶出過
程で、固相への分配係数の大きい元素はより多く結晶中
に取り込まれるため、融液組成は目標組成に対してその
元素が枯渇してしまう。枯渇の程度は引き上げの進行に
伴って徐々に大きくなるため、最終的に成長した結晶に
は頂部から底部にかけて上記元素の濃度が徐々に低下し
た形の組成勾配が生ずる。
成長させる場合、単に目標組成の融液から結晶を成長さ
せたのでは、溶質元素間の分配係数の差により、成長し
た結晶内に組成勾配が生ずる。即ち、融液からの晶出過
程で、固相への分配係数の大きい元素はより多く結晶中
に取り込まれるため、融液組成は目標組成に対してその
元素が枯渇してしまう。枯渇の程度は引き上げの進行に
伴って徐々に大きくなるため、最終的に成長した結晶に
は頂部から底部にかけて上記元素の濃度が徐々に低下し
た形の組成勾配が生ずる。
【0004】このような3元以上の化合物結晶における
組成勾配の発生を防止し、均質な組成の結晶を成長させ
るために、引き上げ過程中に融液中に枯渇する元素を補
う必要がある。一般的にこれは、棒状の付加原料を引き
上げの進行に応じて融液中に徐々に降下させ、結晶成長
による融液の減量分を相殺する体積だけ原料棒を新たに
融解させる形で行われる。通常この原料棒は「ソース」
と呼称されており、本明細書中でもこの呼称を用いる。
組成勾配の発生を防止し、均質な組成の結晶を成長させ
るために、引き上げ過程中に融液中に枯渇する元素を補
う必要がある。一般的にこれは、棒状の付加原料を引き
上げの進行に応じて融液中に徐々に降下させ、結晶成長
による融液の減量分を相殺する体積だけ原料棒を新たに
融解させる形で行われる。通常この原料棒は「ソース」
と呼称されており、本明細書中でもこの呼称を用いる。
【0005】
【従来の技術】従来、このソースとしては、引き上げら
れる結晶と同じ組成を持つものが用いられていた。例え
ば、InGaAs3元化合物半導体結晶の引き上げ成長
においては、同じ組成のInGaAs3元化合物棒をソ
ースとして用いていた。ここで、引き上げ結晶成長法で
は、坩堝内の融液の温度分布を、結晶引き上げ位置(結
晶成長界面)の融液温度が他の位置の融液温度よりも高
くならないように維持する。坩堝内融液の温度分布をこ
のようにするのは、所定の引き上げ位置で優先的に晶出
させ、他の位置での晶出を防止し、安定した結晶成長を
確保するためである。そのため実際上は、融液の温度は
結晶引き上げ位置で最も低く維持される。
れる結晶と同じ組成を持つものが用いられていた。例え
ば、InGaAs3元化合物半導体結晶の引き上げ成長
においては、同じ組成のInGaAs3元化合物棒をソ
ースとして用いていた。ここで、引き上げ結晶成長法で
は、坩堝内の融液の温度分布を、結晶引き上げ位置(結
晶成長界面)の融液温度が他の位置の融液温度よりも高
くならないように維持する。坩堝内融液の温度分布をこ
のようにするのは、所定の引き上げ位置で優先的に晶出
させ、他の位置での晶出を防止し、安定した結晶成長を
確保するためである。そのため実際上は、融液の温度は
結晶引き上げ位置で最も低く維持される。
【0006】通常は坩堝内融液面の中央部で引き上げを
行うので、坩堝内融液の温度は坩堝中央部で最も低く、
坩堝外周部程高くなるように維持されており、上記ソー
スの補給はこの高温の周辺部で行われる。結晶引き上げ
位置での融液温度は目標組成(例えばInGaAs)の
融点に相当する温度になっているから、ソース補給位置
での融液温度はこの目標組成の融点よりも高い。従って
、目標組成と同じ組成のソースを用い、これを一定速度
で上方から融液中に降下させて補給してゆくと、ソース
はその補給位置の直上部分まで融点以上に加熱されて融
解し、ソース下端が融液面から離脱する。更にソースが
降下すると再びソース下端が融液面に接触する。このよ
うに、引き上げ中にソースは融液と接触・離脱を繰り返
すことになる。その結果、融液中へのソース補給が断続
的に行われるため、融液組成が断続的に変化し、またソ
ースの接触・離脱時に融液温度も変化するので、安定し
て良質の結晶を得ることが出来ないという問題があった
。
行うので、坩堝内融液の温度は坩堝中央部で最も低く、
坩堝外周部程高くなるように維持されており、上記ソー
スの補給はこの高温の周辺部で行われる。結晶引き上げ
位置での融液温度は目標組成(例えばInGaAs)の
融点に相当する温度になっているから、ソース補給位置
での融液温度はこの目標組成の融点よりも高い。従って
、目標組成と同じ組成のソースを用い、これを一定速度
で上方から融液中に降下させて補給してゆくと、ソース
はその補給位置の直上部分まで融点以上に加熱されて融
解し、ソース下端が融液面から離脱する。更にソースが
降下すると再びソース下端が融液面に接触する。このよ
うに、引き上げ中にソースは融液と接触・離脱を繰り返
すことになる。その結果、融液中へのソース補給が断続
的に行われるため、融液組成が断続的に変化し、またソ
ースの接触・離脱時に融液温度も変化するので、安定し
て良質の結晶を得ることが出来ないという問題があった
。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解消し、引き上げ法による結晶成長中にソースと
融液との接触を常に維持することにより、良質な結晶を
安定して成長させることができる方法を提供することを
目的とする。
問題を解消し、引き上げ法による結晶成長中にソースと
融液との接触を常に維持することにより、良質な結晶を
安定して成長させることができる方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の引き上げ法による結晶成長方法は、融液
または溶液中に固体ソースを補給しながら、該融液また
は溶液から引き上げ法により3元以上の化合物結晶を成
長させる方法において、該ソースの補給位置における該
融液または溶液の温度よりも高い融点を持つソースを用
い、引き上げ中に該融液または溶液と該ソースとの接触
を常に維持するように該ソースの補給速度を制御するこ
とを特徴とする。
めに、本発明の引き上げ法による結晶成長方法は、融液
または溶液中に固体ソースを補給しながら、該融液また
は溶液から引き上げ法により3元以上の化合物結晶を成
長させる方法において、該ソースの補給位置における該
融液または溶液の温度よりも高い融点を持つソースを用
い、引き上げ中に該融液または溶液と該ソースとの接触
を常に維持するように該ソースの補給速度を制御するこ
とを特徴とする。
【0009】本発明の方法は、3元以上の化合物結晶と
して、III ─V族化合物(例えばInGaAs)半
導体結晶を成長させる場合に適用することができる。
して、III ─V族化合物(例えばInGaAs)半
導体結晶を成長させる場合に適用することができる。
【0010】
【作用】従来、InGaAs結晶を引き上げ成長する際
に、これと同じ組成のInGaAsソースを用いていた
ため、ソース下端が融液接触面よりも上方まで溶け上が
り、融液からのソースの離脱が発生した。本発明では、
ソース組成をソース補給位置の融液温度よりも高い融点
の組成とした上で、融液とソース間との接触が常に維持
されるようにソース補給速度を制御することにより、上
記従来のようなソース下端の溶け上がりとそれによる融
液からのソースの離脱を防止して、安定に良質な結晶を
成長させることができる。
に、これと同じ組成のInGaAsソースを用いていた
ため、ソース下端が融液接触面よりも上方まで溶け上が
り、融液からのソースの離脱が発生した。本発明では、
ソース組成をソース補給位置の融液温度よりも高い融点
の組成とした上で、融液とソース間との接触が常に維持
されるようにソース補給速度を制御することにより、上
記従来のようなソース下端の溶け上がりとそれによる融
液からのソースの離脱を防止して、安定に良質な結晶を
成長させることができる。
【0011】ソース補給速度は、単位時間当たり融液中
に融解するソース体積であり、棒状ソースの断面積と降
下速度との積であらわされ、結晶成長により失われる融
液減量分を相殺し常に坩堝内融液組成を一定に維持する
ように設定される。ここで、ソースを上記のように高融
点組成としただけでなく、ソース補給速度をも上記のよ
うに規定したのは、次の理由による。
に融解するソース体積であり、棒状ソースの断面積と降
下速度との積であらわされ、結晶成長により失われる融
液減量分を相殺し常に坩堝内融液組成を一定に維持する
ように設定される。ここで、ソースを上記のように高融
点組成としただけでなく、ソース補給速度をも上記のよ
うに規定したのは、次の理由による。
【0012】ソースが融液中に降下されつつあるとき、
融液面下に進入したソース部分が直ちに全て融解するの
ではなく、ソースの下端から上方に向け且つソース外周
から中心に向けて融解が進行するための時間が必要であ
る。したがって、ある程度以上のソース補給速度であれ
ば、融液面下にあるソース部分のうちその上部は未融解
の固体状態を維持している。しかし、ソース補給速度が
非常に遅い場合は、融液面下にあるソース部分が実質的
に全部融解して失われ、棒状ソースの融液面上方部分だ
けが残る状態になり、ソースと融液との接触が十分安定
に維持できない恐れがある。したがって、ソース補給速
度はソースと融液との接触が常に維持されるように制御
する必要がある。
融液面下に進入したソース部分が直ちに全て融解するの
ではなく、ソースの下端から上方に向け且つソース外周
から中心に向けて融解が進行するための時間が必要であ
る。したがって、ある程度以上のソース補給速度であれ
ば、融液面下にあるソース部分のうちその上部は未融解
の固体状態を維持している。しかし、ソース補給速度が
非常に遅い場合は、融液面下にあるソース部分が実質的
に全部融解して失われ、棒状ソースの融液面上方部分だ
けが残る状態になり、ソースと融液との接触が十分安定
に維持できない恐れがある。したがって、ソース補給速
度はソースと融液との接触が常に維持されるように制御
する必要がある。
【0013】また、上記ソース補給速度を適正に制御す
ることは、本発明に規定したように高融点組成のソース
を用いることにより始めて事実上可能になる。すなわち
、従来のように目標組成と同じ組成のソースを用いたの
では、補給位置で融液からの加熱によるソース融解速度
が速いため、ソースと融液との接触を常に維持するには
、非常に高速でソース補給(具体的にはソース降下)を
行わなければない。一方、ソース補給速度は前記のとお
り基本的には結晶成長による融液減量速度に対応させる
必要がある。このようにソース/融液間接触を常に維持
できる高速とすることと、融液減量速度に対応させるこ
とは、実際上両立が極めて困難であり、坩堝内融液組成
を一定に維持しながら引き上げ成長を行うことが実作業
上不可能になる。
ることは、本発明に規定したように高融点組成のソース
を用いることにより始めて事実上可能になる。すなわち
、従来のように目標組成と同じ組成のソースを用いたの
では、補給位置で融液からの加熱によるソース融解速度
が速いため、ソースと融液との接触を常に維持するには
、非常に高速でソース補給(具体的にはソース降下)を
行わなければない。一方、ソース補給速度は前記のとお
り基本的には結晶成長による融液減量速度に対応させる
必要がある。このようにソース/融液間接触を常に維持
できる高速とすることと、融液減量速度に対応させるこ
とは、実際上両立が極めて困難であり、坩堝内融液組成
を一定に維持しながら引き上げ成長を行うことが実作業
上不可能になる。
【0014】本発明では、ソース補給位置での融液温度
よりも高い融点のソースを用いるので、かなり広範囲の
ソース補給速度に対して、融液面下に未融解の固体ソー
ス部分を常に維持しソース/融液間の接触を安定して維
持することが容易に行える。換言すれば、成長させる結
晶の目標組成に対して許容される範囲でソース組成を適
当に選択することにより、融液との接触を常に維持する
のに十分な未融解ソース部分を融液面下に維持できるソ
ース補給速度をかなり広い範囲で得ることができる。
よりも高い融点のソースを用いるので、かなり広範囲の
ソース補給速度に対して、融液面下に未融解の固体ソー
ス部分を常に維持しソース/融液間の接触を安定して維
持することが容易に行える。換言すれば、成長させる結
晶の目標組成に対して許容される範囲でソース組成を適
当に選択することにより、融液との接触を常に維持する
のに十分な未融解ソース部分を融液面下に維持できるソ
ース補給速度をかなり広い範囲で得ることができる。
【0015】以下、添付図面を参照し、実施例により本
発明を更に詳細に説明する。
発明を更に詳細に説明する。
【0016】
【実施例】本発明に従って、3元のIII ─V族化合
物であるInGaAs化合物半導体結晶を作製した。結
晶を引き上げる融液を形成するための固体原料としてG
aAsとInAsとを用いた。
物であるInGaAs化合物半導体結晶を作製した。結
晶を引き上げる融液を形成するための固体原料としてG
aAsとInAsとを用いた。
【0017】図1に、GaAsとInAsの擬2元平衡
状態図を示す。融液(または溶液)および成長した結晶
の組成は組成式In1−x GaxAsにおけるGa含
有量xで表される。 図2に、本実施例に用いた引き上げ装置の坩堝およびそ
の周辺部分を示す。同図中、1は坩堝、2は融液(また
は溶液)、3は種結晶(シード)、4は棒状ソース、5
は成長した結晶、および6は引き上げ軸である。坩堝1
は、その周囲に配置された図示しないグラファイトヒー
ターにより加熱される。坩堝1内の融液2面の中央部で
結晶5が引き上げ成長され、融液2の外周部でソース4
の補給が行われる。
状態図を示す。融液(または溶液)および成長した結晶
の組成は組成式In1−x GaxAsにおけるGa含
有量xで表される。 図2に、本実施例に用いた引き上げ装置の坩堝およびそ
の周辺部分を示す。同図中、1は坩堝、2は融液(また
は溶液)、3は種結晶(シード)、4は棒状ソース、5
は成長した結晶、および6は引き上げ軸である。坩堝1
は、その周囲に配置された図示しないグラファイトヒー
ターにより加熱される。坩堝1内の融液2面の中央部で
結晶5が引き上げ成長され、融液2の外周部でソース4
の補給が行われる。
【0018】図3に、図2の坩堝1内における融液2の
温度分布を模式的に示す。坩堝1内の融液2の温度は、
引き上げの行われる坩堝中央部(Z=0)で低く、外周
になるほど高い、下に凸な弧状の分布をしている。図3
中、Z=Sはソース補給位置を、Z=±Wは坩堝壁の位
置を示す。図1において、組成x1Lの融液から組成x
1のInGaAs結晶を成長している場合、融液から結
晶が晶出している成長界面での温度はT1であり、これ
は組成x1の融点に相当する。
温度分布を模式的に示す。坩堝1内の融液2の温度は、
引き上げの行われる坩堝中央部(Z=0)で低く、外周
になるほど高い、下に凸な弧状の分布をしている。図3
中、Z=Sはソース補給位置を、Z=±Wは坩堝壁の位
置を示す。図1において、組成x1Lの融液から組成x
1のInGaAs結晶を成長している場合、融液から結
晶が晶出している成長界面での温度はT1であり、これ
は組成x1の融点に相当する。
【0019】従来は、成長させるInGaAs結晶と同
じ組成x1の棒状In1−x1Gax1Asソース4を
融液2中に降下してゆき、結晶5の成長による融液2の
減量分に等しい量を融液2に補給することによって、融
液2の組成を一定に維持し、結晶5の組成変動を防止し
ていた。しかし、図3に示すように、ソース補給位置で
の融液温度Tsは成長界面での融液温度T1(=組成x
1の融点)よりも高いため、ソース4が溶け上がり、融
液2からの離脱が発生していた。
じ組成x1の棒状In1−x1Gax1Asソース4を
融液2中に降下してゆき、結晶5の成長による融液2の
減量分に等しい量を融液2に補給することによって、融
液2の組成を一定に維持し、結晶5の組成変動を防止し
ていた。しかし、図3に示すように、ソース補給位置で
の融液温度Tsは成長界面での融液温度T1(=組成x
1の融点)よりも高いため、ソース4が溶け上がり、融
液2からの離脱が発生していた。
【0020】本発明においては、ソース4の組成を目標
組成x1よりもGaAs寄りの組成x2とすることによ
り、ソースの融点をソース補給位置(Z=S)での融液
温度Tsより高くする。その際、組成x2(>x1)の
In1−x2Gax2Asソース4を用いて、結晶5の
成長による融液減量分に等しい量で補給を行うと、融液
2の組成xはx1Lから徐々に増加してGaAs側に移
行するが、ソース補給速度(ソース4の断面積と降下速
度との積)を適当に調整することにより、融液2の組成
を引き上げ成長中一定に保持することができる。
組成x1よりもGaAs寄りの組成x2とすることによ
り、ソースの融点をソース補給位置(Z=S)での融液
温度Tsより高くする。その際、組成x2(>x1)の
In1−x2Gax2Asソース4を用いて、結晶5の
成長による融液減量分に等しい量で補給を行うと、融液
2の組成xはx1Lから徐々に増加してGaAs側に移
行するが、ソース補給速度(ソース4の断面積と降下速
度との積)を適当に調整することにより、融液2の組成
を引き上げ成長中一定に保持することができる。
【0021】本実施例における実際の手順は次の通りで
あった。固形のGaAs40.04gとInAs32.
88gとを図2の坩堝1に装入し、グラファイトヒータ
ー(図示せず)により1200℃まで加熱して、坩堝1
内にInGaAs融液2を形成した。上記調合比により
融液組成x1L=0.615である。次に、坩堝1の中
央部(引き上げ位置:Z=0)の融液温度が成長温度1
168℃になるまで降温し、この温度に保持した。予め
引き上げ軸6の下端に固定したGaAsシード結晶3を
降下させ、融液2に接触させた。引き上げ軸6を40r
pmで回転させながら、2mm/hrで引き上げを開始
した。同時に、In1−x2Gax2Asソース4(組
成x2=0.96、断面積=0.79cm2 )を降下
速度4.5mm/hrで融液2中に補給開始した。この
ソース組成(0.96)は、補給位置(Z=S)での融
液温度Ts=1178℃より高い1181℃を融点とす
るように設定したものである。この条件でソース補給を
継続しながら4時間引き上げ成長を行った結果、組成x
1=0.05のIn1−x1Gax1As結晶(直径1
.5cm、長さ0.8cm)が得られた。
あった。固形のGaAs40.04gとInAs32.
88gとを図2の坩堝1に装入し、グラファイトヒータ
ー(図示せず)により1200℃まで加熱して、坩堝1
内にInGaAs融液2を形成した。上記調合比により
融液組成x1L=0.615である。次に、坩堝1の中
央部(引き上げ位置:Z=0)の融液温度が成長温度1
168℃になるまで降温し、この温度に保持した。予め
引き上げ軸6の下端に固定したGaAsシード結晶3を
降下させ、融液2に接触させた。引き上げ軸6を40r
pmで回転させながら、2mm/hrで引き上げを開始
した。同時に、In1−x2Gax2Asソース4(組
成x2=0.96、断面積=0.79cm2 )を降下
速度4.5mm/hrで融液2中に補給開始した。この
ソース組成(0.96)は、補給位置(Z=S)での融
液温度Ts=1178℃より高い1181℃を融点とす
るように設定したものである。この条件でソース補給を
継続しながら4時間引き上げ成長を行った結果、組成x
1=0.05のIn1−x1Gax1As結晶(直径1
.5cm、長さ0.8cm)が得られた。
【0022】上記引き上げ成長中、融液2とソース4と
の接触を両者間の電気的導通により連続して監視し、常
に接触が保たれていることを確認した。
の接触を両者間の電気的導通により連続して監視し、常
に接触が保たれていることを確認した。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
引き上げ法による結晶成長中にソースと融液との接触を
常に維持することにより、良質な結晶を安定して成長さ
せることができる。
引き上げ法による結晶成長中にソースと融液との接触を
常に維持することにより、良質な結晶を安定して成長さ
せることができる。
【図1】InAs─GaAs擬2元平衡状態図である。
【図2】引き上げ成長装置の一部を示す断面図である。
【図3】引き上げ成長法における坩堝内融液の温度分布
を示すグラフである。
を示すグラフである。
x1L…融液組成
x1…結晶組成
x2…ソース組成
1…坩堝
2…融液
3…シード結晶
4…ソース
5…成長した結晶
6…引き上げ軸
T1…成長界面融液温度
Ts…ソース補給位置融液温度
Claims (3)
- 【請求項1】 融液または溶液中に固体ソースを補給
しながら、該融液または溶液から引き上げ法により3元
以上の化合物結晶を成長させる方法において、該ソース
の補給位置における該融液または溶液の温度よりも高い
融点を持つソースを用い、引き上げ中に該融液または溶
液と該ソースとの接触を常に維持するように該ソースの
補給速度を制御することを特徴とする引き上げ法による
結晶成長方法。 - 【請求項2】 前記3元以上の化合物がIII ─V
族化合物半導体であることを特徴とする請求項1記載の
方法。 - 【請求項3】 前記III ─V族化合物半導体がI
nGaAs半導体であることを特徴とする請求項2記載
の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP922691A JPH04243994A (ja) | 1991-01-29 | 1991-01-29 | 引き上げ法による結晶成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP922691A JPH04243994A (ja) | 1991-01-29 | 1991-01-29 | 引き上げ法による結晶成長方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04243994A true JPH04243994A (ja) | 1992-09-01 |
Family
ID=11714506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP922691A Withdrawn JPH04243994A (ja) | 1991-01-29 | 1991-01-29 | 引き上げ法による結晶成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04243994A (ja) |
-
1991
- 1991-01-29 JP JP922691A patent/JPH04243994A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980514 |