JP2854643B2 - 単結晶引上げにおけるドーピング方法 - Google Patents

単結晶引上げにおけるドーピング方法

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JP2854643B2 JP32138089A JP32138089A JP2854643B2 JP 2854643 B2 JP2854643 B2 JP 2854643B2 JP 32138089 A JP32138089 A JP 32138089A JP 32138089 A JP32138089 A JP 32138089A JP 2854643 B2 JP2854643 B2 JP 2854643B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、単結晶引上げにおけるドーピング方法に関
し、得られる単結晶体における抵抗率の均一性の向上お
よび生産性の向上を図るとともに、製品の多品種化に対
応する技術に関するものである。
[従来の技術] シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素などの単結晶
体の製造方法として、坩堝内の融液から結晶を成長させ
つつ引上げるチョクラルスキー法(CZ法)が広く行なわ
れている。
ところで近年、CZ法により得られた単結晶体を使っ
て、デバイスを作製する場合デバイスの高度化に従って
単結晶の使用可能な抵抗値範囲は限定され、かつ狭くな
ってくる傾向にある。特に、LSIの微細化により、例え
ばCMOSデバイスにおいてはしきい値電圧の厳しい制御が
必要となり、単結晶の許容抵抗値は非常に狭い範囲に限
定されてきている。このためCZ法において、得られる単
結晶体の抵抗分布をいかに制御できるかが極めて重要な
問題となっている。また、CZ法によって得られた単結晶
の用途は、MOS、バイポーラLSIをはじめトランジスタや
ダイオード等多岐に及んでおり、必要とされる単結晶体
の少量多品種化が進んでいる。
従来、CZ法によりシリコン単結晶体を製造する場合、
通常、目的とする導電型と抵抗値に応じてリン、硼素、
アンチモンなどのドーパントを選定し、その必要量を秤
量し、原料シリコンと混合し同時溶融する方法がとられ
ている。このようにして溶融した融液よりシリコン単結
晶体を引上げると、添加したドーパントの偏析係数が1
よりも小さいため、引上げが進むにつれて融液中のドー
パント濃度が高くなる。このためシリコン単結晶体中に
含まれるドーパント濃度は単結晶体の頂部側で低く、末
端部側で高くなり、抵抗値は頂部から末端部へ向って漸
次減少するものとなり、所望の抵抗値を有するシリコン
ウェハはシリコン単結晶体のごく一部からしか得られ
ず、歩留りが悪いものであった。
また、このような歩留りの悪さを解決する一手法とし
て、前記したような単結晶引上げ操作において、引上げ
重量あるいは引上げ長さが所定のものとなった際に、引
上げ炉内に予め配していた高濃度のドーパントを含むシ
リコン細棒を融液中に浸漬溶融して、ドーパント濃度を
変化させる技術も提唱されている(特開昭61−163188
号)。この方法は、引上げが進につれて融液中のドーパ
ント濃度が漸次高くなり、これに伴ない引上げられた単
結晶体の抵抗率が漸次減少し、目的とする第1の抵抗率
よりも大きくはずれると、さらにドーパントを添加し
て、融液中のドーパント濃度を、単結晶体の目的とする
第2の抵抗率を得るのに適当なものとするものであり、
1つの単結晶体において、所望の抵抗率を2ないしそれ
以上設定することで、単結晶体における製品歩留りの悪
さを改善しようとするものである。しかしながら、この
ような方法においても、引上げられた単結晶において抵
抗率が長さ方向に漸減する傾向は残っており、殊にドー
パントの偏析係数koが1よりも極めて小さい場合におい
てはその傾向が顕著であり、所望の各抵抗率から一定の
変動幅にあるものはごく一部であり、製品歩留りの向上
には限度のあるものである。
さらに、単結晶引上げ操作時に、坩堝に多結晶シリコ
ン原料およびドーパントを引上げ量に応じて補給しなが
ら、単結晶体を連続的に引上げる方法が提唱されてい
る。このような方法によれば、単結晶引上げ操作時の融
液中のドーパント濃度を一定に保つことができ、得られ
るシリコン単結晶体の抵抗値の変動が小さくなり、目的
とするデバイスに適したウェハの歩留りが良好になるこ
とが考えられる。さらにまた、このような連続引上げ方
法において、多結晶シリコン原料およびドーパントの補
給に起因する引上げ単結晶の有転位化、多結晶化を防止
するために、一部に貫通孔を有する隔壁を坩堝内に配す
るなどして、坩堝内部を、単結晶引上げを行なう凝固ゾ
ーンと多結晶シリコン原料およびドーパントを補給する
溶融ゾーンとに区画することも提唱されている(例え
ば、特開昭58−130195号、特表昭62−502793号、特開昭
58−26096号、特開昭62−105992号など)。
しかしながら、このように多結晶原料およびドーパン
トを連続的に供給する方法にあっては、従来、1つの供
給系より、多結晶原料に対し予め一定の濃度としてドー
パントを混合したものを供給するものであるために、1
回の引上げ操作においては、ある定まった1つのドーパ
ント濃度の単結晶しか製造できないものであった。
[発明が解決しようとする課題] 従って本発明は、単結晶体における抵抗率の均一性の
向上および生産性の向上を図るとともに、製品の多品種
化に対応することのできる新規なドーピング方法を提供
することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 上記諸目的は、坩堝内に多結晶原料およびドーパント
を溶融してなる融液を形成し、前記融液に種結晶を接触
させて引上げて単結晶体を成長させつつ、多結晶原料お
よびドーパントを補充し、連続的に単結晶体を引上げる
方法において、 前記多結晶原料およびドーパントの供給系をそれぞれ
独立したものとして、多結晶原料補充量に対するドーパ
ント補充量を可変のものとし、 (a)引上げる単結晶体の長さあるいは重量が所定のも
のとなるまでは、多結晶原料と、この多結晶原料の補充
量に対し得られる単結晶体の第1の目的で抵抗率ρo,1
に相当する理論ドーパント濃度Cs,1(=koCo,1、但し、
Co,1は目的の第1の抵抗率を得るための融液における理
論的ドーパント濃度であり、またkoはドーパントの平衡
偏析出係数である。)とほぼ等しい濃度となる量のドー
パントを補充し、 (b)単結晶体の長さあるいは重量が所定のものとなっ
たら、多結晶原料と、この多結晶原料の補充量に対し、
上記koCo,1よりも極めて高濃度(ko<1の場合)あるい
は極めて低濃度ないし無添加(ko>1の場合)となる量
のドーパントを補充して、融液中のドーパント濃度を、
得られる単結晶体の第2の目的の抵抗率ρo,2に相当す
る理論ドーパント濃度Cs,2を得るための融液中における
理論的ドーパント濃度Co,2(=Cs,2/ko)まで変化さ
せ、 (c)その後、多結晶原料と、この多結晶原料の補充量
に対し、koCo,2濃度とほぼ等しい濃度となる量のドーパ
ントを添加する ことを特徴とする単結晶引上げにおけるドーピング方法
により達成される。
[作用] 以下、本発明を実施態様に基づき詳細に説明する。
第1図は本発明の単結晶引上げにおけるドーピング方
法に用いられる単結晶引上げ装置の使用状態における構
成を模式的に示すものである。
第1図に示したシリコン単結晶引上げ装置1において
は、石英坩堝2の内部に、一部に貫通孔3を有する環状
隔壁4が配されており2重構造となされている。そし
て、前記環状隔壁4より内方が、融液5に種結晶6を接
触させ引上げてシリコン単結晶体7を成長させる凝固ゾ
ーン8とされ、一方、前記環状隔壁4より外方が、補充
される多結晶シリコン原料およびドーパントを溶融する
溶融ゾーン9とされている。しかしながら、本発明の単
結晶引上げにおけるドーピング方法において用いられる
単結晶引上げ装置において、坩堝2は必ずしもこのよう
に隔壁等にろい2つに区画されている必要はない。
ここで、この単結晶引上げ装置1においては、前記多
結晶シリコン原料およびドーパントをそれぞれ独立して
補充できるように、坩堝2の溶融ゾーン9の上方には、
多結晶シリコン原料供給用管10およびドーパント供給用
管11がそれぞれ配置してある。
本発明のこの実施態様においては、シリコン単結晶の
引上げに先立ち、まず前記坩堝2内の多結晶シリコン原
料およびドーパントを装填し、この多結晶シリコン原料
およびドーパントを筒状ヒーター12による加熱によって
溶融して、融液5を形成する。この引上げ操作開始時に
おける融液5中のドーパント濃度Ct,0は、凝固ゾーン8
および溶融ゾーン9の双方において等しいものであり、
一般に、単結晶体の第1の目的の抵抗率ρo,1に相当す
る理論ドーパント濃度Cs,1を得るための融液における理
論的ドーパント濃度Co,1(=Cs,1/ko)とされる。
そして、引上げワイヤ13の先端に取付け金具14によっ
て固定された種結晶6を、凝固ゾーン8においてこの融
液5に浸け、所定速度で引上げることにより種結晶6の
先端にシリコン単結晶を成長させる。種結晶6より成長
したシリコン単結晶体7の引上げと共に、融液5が引上
げられた重量分だけ減少するので、引上げられた単結晶
体7の重量を引上げワイヤ捲取機15に取付けられた重量
分析器(図示せず)により検知し、その情報に基づき、
坩堝2内の融液5量を一定に保つように、多結晶シリコ
ン原料供給用管10およびドーパント供給用管11より多結
晶シリコン原料およびドーパントを、それぞれ補充する
が、(a)引上げる単結晶体の長さあるいは重量が所定
のものとなる、すなわち第1の目的の抵抗率ρo,1の単
結晶が所望する量得られるまでは、多結晶原料と、この
多結晶原料の補充量に対し得られる単結晶体の第1の目
的の抵抗率ρo,1に相当する理論ドーパント濃度C
s,1(=koCo,1)とほぼ等しい濃度となる量のドーパン
トを補給する。
仮に、単結晶引上げ操作において、このように多結晶
原料およびドーパントの補充を行なわなかったとする
と、ドーパントとして例えばリン、硼素、アンチモン、
砒素などのようなシリコンに対する偏析係数koが1より
も小さいものを使用した場合、引上げられる単結晶体7
におけるドーパント濃度が融液5中のドーパント濃度よ
りも低いものとなるために、引上げ操作の進行に伴な
い、融液中のドーパント濃度が漸次濃縮されるものとな
る。しかしながら、本発明におけるように、多結晶原料
と、この多結晶原料の補充量に対し得られる単結晶体の
第1の目的の抵抗率ρo,1に相当する理論ドーパント濃
度Cs,1(=koCo,1)とほぼ等しい濃度となる量のドーパ
ントを、単結晶体の引上げ量に応じて補給すれば、融液
5から単結晶体7として引上げられ減少するシリコンお
よびドーパント量と、融液5に補充されるシリコンおよ
びドーパント量の均衡が保たれ、融液5のドーパント濃
度は、Co,1で一定となり、得られる単結晶体の抵抗率ρ
を第1の目的の抵抗率ρo,1で一定に保つことができ
る。
なお、第1図に示す単結晶引上げ装置におけるよう
に、坩堝2内の凝固ゾーン8と溶融ゾーン9とが隔壁4
により区画された構成において、得られる単結晶体の抵
抗率ρを引上げ開始より短時間で第1の目的の抵抗率ρ
o,1に近似する値とするには、次のようなさらに細かな
操作を行なうことが望ましい。
すなわち、ドーパントとして偏析係数koが1よりも小
さいものを使用した場合、引上げ当初における融液5中
のドーパント濃度Ct,0を、単結晶体の第1の目的の抵抗
率ρo,1を得るための融液における理論的ドーパント濃
度Co,1よりも低くしておき、さらに、引上げ操作開始か
ら、溶融ゾーン9の融液5Aにおけるドーパント濃度CA,t
が、得られる単結晶体の第1の目的の抵抗率ρo,1に相
当する理論ドーパント濃度Cs,1(=koCo,1)とほぼ等し
くなるまでは、シリコン多結晶原料のみないしは多結晶
原料およびkoCo,1に対し有意に低い濃度となるドーパン
ト、好ましくはシリコン多結晶原料のみを添加し、その
後上記したように、多結晶シリコン原料およびkoCo,1
度のドーパントを添加するものである。
これは、坩堝2内の凝固ゾーン8と溶融ゾーン9とが
隔壁4により区画された構成においては、実質的に凝固
ゾーン8の融液5Bと溶融ゾーン9の融液5Aとは混合せ
ず、凝固ゾーン8には溶融ゾーン9から減少分が流入す
るのみであると考えられ、凝固ゾーン8の融液5B中のド
ーパント濃度CB,tと、溶融ゾーン9の融液5A中のドーパ
ント濃度CA,tとは、引上げ開始時においては、濃度Ct,0
で同一であるが、その後は、漸次相異なるものとなると
考えられるためである。従って、上記のごとく、凝固ゾ
ーン8から単結晶体7として引上げられ減少するドーパ
ント濃度koCo,1と同濃度のドーパントを溶融ゾーン9に
引上げ開始直後から添加しても、凝固ゾーン8の融液5B
中のドーパント濃度CB,tは直ちに平衡に達するものでは
ない。そして、得られる単結晶体の抵抗率ρを第1の目
的の抵抗率ρo,1において一定とするには、終局的に凝
固ゾーン8の融液5B中のドーパント濃度CB,tを、上記第
1の目的の抵抗率ρo,1を得るための融液の理論的ドー
パント濃度Co,1とし、また溶融ゾーン9の融液5A中のド
ーパント濃度CA,tを、上記第1の目的の抵抗率ρo,1
相当する単結晶体の理論ドーパント濃度Cs,1(=k
oCo,1)と同一のものとする必要があるためであり、上
記のごとく引上げ当初における融液5中のドーパント濃
度を設定し、かつ引上げ開始直後のドーパントの添加量
を調整することにより、この状態へ最短時間で到達させ
ることができると推定されるためである。
なお、この操作において溶融ゾーン9の融液5Aにおけ
るドーパント濃度CA,tが、単結晶体の理論ドーパント濃
度Cs,1(=koCo,1)とほぼ等しくなる時点の判断は、引
上げ操作時に融液中のドーパント濃度を実時間で計測す
ることが実質的に困難であるので、予め解析的に求めて
おくことが望ましい。また、引上げ当初における融液5
中のドーパント濃度Ct,0の融液における理論的ドーパン
ト濃度Co,1に対する低減率は、ドープしようとするドー
パントの種類(偏析係数ko)などの左右されるために一
概には規定できないが、一般的に約10〜20%程度が適当
である。
このようにして、所望する第1の目的の抵抗率ρo,1
の単結晶体が所望の重量あるいは所望の長さ得られた
ら、本願発明においてはそのまま引上げ操作を終了する
ことなく、次いで融液5中のドーパント濃度を、第2の
目的の抵抗率ρo,2に相当する理論ドーパント濃度Cs,2
を得るための融液5中における理論的ドーパント濃度C
o,2(=Cs,2/ko)へと変化させる。すなわち、シリコ
ンに対し偏析係数koが1より小さいドーパントをドープ
するこの実施態様においては、(b)単結晶体7の長さ
あるいは重量が所定のものとなったら、多結晶シリコン
原料と、この多結晶シリコン原料の補充量に対し、上記
koCo,1よりも極めて高濃度、例えば約10〜50倍となる量
のドーパントを補充するものである。
前記したように本発明の方法においては、多結晶原料
とドーパントの供給系をそれぞれ独立したもの(多結晶
シリコン原料供給用管10およびドーパント供給用管11)
としているために、前記(a)段階からこの(b)段階
に推移するために、多結晶原料補充量に対するドーパン
ト補充量を変化させることは極めて容易である。
なお、この(b)段階は、融液5中のドーパント濃度
を、(a)段階における第1の理論的ドーパント濃度C
o,1にほぼ近い濃度から、第2の理論的ドーパント濃度C
o,2にほぼ近い濃度まで変化させるために必要とされる
段階であり、この遷移期間において引上げられる単結晶
体は、ほとんど目的とする抵抗率を有するものとはなら
ないものであるために、この期間は当然に短期間である
ことが望まれる。この(b)段階において必要とされる
ドーパント添加量は、第1の理論的ドーパント濃度
Co,1、第2の理論的ドーパント濃度Co,2および融液量と
いう因子によってほぼ決定されるものであるから、前記
したようにドーパント添加濃度を極めて高濃度化してこ
の期間を短縮化するものである。
本発明の方法においては、このように(b)段階によ
り融液5中のドーパント濃度を第2の理論的ドーパント
濃度Co,2にほぼ近い濃度まで変化させたら、(c)その
後、多結晶原料と、この多結晶原料の補充量に対し、ko
Co,2濃度とほぼ等しい濃度となる量のドーパントを補充
しながら、さらに単結晶体が所望の重さあるいは長さに
至るまで単結晶引上げ操作を続行する。なお前記したと
同様の理由から、本発明の方法においては、(b)段階
からこの(c)段階に推移するために、多結晶原料補充
量に対するドーパント補充量を変化させることは極めて
容易である。
この(c)段階においても、前記(a)段階と同様
に、単結晶体7として引上げられ減少する第2の目的の
抵抗率ρo,2に相当する理論ドーパント濃度Cs,2(=koC
o,2)とほぼ等しい濃度となる量のドーパントが、単結
晶体の引上げ量に応じて補給されるために、融液5の濃
度は、Co,2で一定となり、得られる単結晶体の抵抗率ρ
を第2の目的の抵抗率ρo,2で一定に保つことができ
る。
なお、第1図に示す単結晶引上げ装置におけるよう
に、坩堝2内の凝固ゾーン8と溶融ゾーン9とが隔壁4
により区画された構成においては、前記したように、実
質的に凝固ゾーン8の融液5Bと溶融ゾーン9の融液5Aと
は混合せず、凝固ゾーン8には溶融ゾーン9から減少分
が流入するのみであると考えられるため、上記(b)段
階において、必要量のドーパントが溶融ゾーン9に添加
されても、溶融ゾーン9の融液5Aのドーパント濃度CA,t
が高濃度になるのみで、直ちに凝固ゾーン8の融液5Bの
ドーパント濃度CB,tが第2の理論的ドーパント濃度Co,2
に達するものではなく、また、得られる単結晶体の抵抗
率ρを第2の目的の抵抗率ρo,2において一定とするの
は、終局的に凝固ゾーン8の融液5B中のドーパント濃度
CB,tを、第2の理論的ドーパント濃度Co,2とする一方、
一端高濃度化された溶融ゾーン9の融液5A中のドーパン
ト濃度CA,tを、またある程度低減し、上記第2の目的の
抵抗率ρo,2に相当する単結晶体の理論ドーパント濃度C
s,2(=koCo,2)と等しい濃度とする必要がある。従っ
て、このような構成の単結晶引上げ装置においてドーパ
ントとして偏析係数koが1よりも小さいものを使用した
場合、(b)段階における高濃度のドーパント添加終了
後から、溶融ゾーン9の融液5Aにおけるドーパント濃度
CA,tが、得られる単結晶体の第2の目的の抵抗率ρo,2
に相当する理論ドーパント濃度Cs,2(=koCo,2)とほぼ
等しくなるまでは、シリコン多結晶原料のみないしは多
結晶原料およびkoCo,2に対し有意に低い濃度となるドー
パント、好ましくはシリコン多結晶原料のみを添加し、
その後上記したように、多結晶シリコン原料およびkoC
o,2濃度のドーパントを添加するという操作を行なうこ
とが望ましく、これによって、得られる単結晶体の抵抗
率ρを(b)段階終了後より短時間で第2の目的の抵抗
率ρo,2に近似する値とすることができる。
このようにして、(c)段階においても単結晶体が所
望の重さあるいは長さに至るまで得られた後は、常法に
基づき単結晶引上げ操作を終了することもできるが、さ
らに上記(b)段階および(c)段階と同様の工程を繰
返して、第3の目的の抵抗率ρo,3の単結晶体、さらに
は第4、第5…の目的の抵抗率の単結晶体を連続して作
製することも可能である。
なお、以上はシリコン偏析係数が1より小さいドーパ
ントをドープして単結晶体を引上げる場合を例にとり、
本発明を説明したが、本発明の単結晶引上げにおけるド
ーピング法は、同様の引上げ方法により製造されるその
他の半導体材料、例えばゲルマニウム、ガリウム砒素な
どの場合においても同様に適用できる。また偏析係数が
1より大きいドーパント(例えば、ゲルマニウムに対す
る硼素)をドープする場合においては、上記したような
偏析係数が1より小さいドーパントをドープする場合と
は逆に、第1の目的の抵抗率ρo,1よりも第2の目的の
抵抗率ρo,2の方を大きいものとする、すなわち、第1
の目的の抵抗率ρo,1に相当する理論ドーパント濃度C
s,1を得るための融液中における理論的ドーパント濃度C
o,1よりも第2の目的の抵抗率ρo,2に相当する理論ドー
パント濃度Cs,2を得るための融液中における理論的ドー
パント濃度Co,2を低く設定し、これに応じて、(a)引
上げる単結晶体の長さあるいは重量が所定のものとなる
までは、多結晶原料と、この多結晶原料の補充量に対し
得られる単結晶体の第1の目的の抵抗率ρo,1に相当す
る理論ドーパント濃度Cs,1(=koCo,1)とほぼ等しい濃
度となる量のドーパントを補充し、(b)単結晶体の長
さあるいは重量が所定のものとなったら、多結晶原料
と、この多結晶原料の補充量に対し、極めて低濃度とな
る量のドーパントを補充するないし無添加として、融液
中のドーパント濃度を、得られる単結晶体の第2の目的
の抵抗率ρo,2に相当する理論ドーパント濃度Cs,2を得
るための融液中における理論的ドーパント濃度Co,2(=
Cs,2/ko)まで変化させ、(c)その後、多結晶原料
と、この多結晶原料の補充量に対し、koCo,2濃度とほぼ
等しい濃度となる量のドーパントを添加するという操作
を行なえばよい。
[実施例] 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。
第1図に示すような構成を有する単結晶引上げ装置に
おいて、以下に示すような単結晶引上げ操作を行ない、
ドーパントとしてのリン(ko=0.35)をドープしたN型
のシリコン単結晶体(直径6インチ)を作成する。
まず引上げ操作に先立ち、多結晶シリコン原料および
ドーパントとしてのリンを溶融して融液5を形成する。
この引上げ開始時の融液5中のリン濃度は、シリコン単
結晶体の第1の目的の抵抗率ρo,1=10Ω・cmを得るた
め融液中の理論的濃度Co,1=1.14×1015atoms/cm3より
も約10%低い1×1015atoms/cm3とする。なお、溶融ゾ
ーン9における融液5A量は11.1kg、凝固ゾーン8におけ
る融液5B量は13.9kgとする。
そして、引上げ開始から溶融ゾーン9における融液5A
中のリン濃度がkoCo,1=4×1014atoms/cm3となる(引
上げ重量約15kg時)までは、多結晶シリコン原料のみを
単結晶引上げ重量に見合う量で溶融ゾーンに補給し、そ
れ以降は、多結晶シリコン原料および濃度koCo,1分のリ
ンを単結晶引上げ重量に見合う量で溶融ゾーンに補給す
る。
単結晶引上げ重量が約25kgとなった時点で、補給され
るドーパントの量を増加し、多結晶シリコン原料および
濃度30koCo,1分のリンを単結晶引上げ重量に見合う量で
溶融ゾーンに補給する。
さらに単結晶引上げ重量が約30kgとなった時点で、ド
ーパントであるリンの補給を停止し、それ以降は多結晶
シリコン原料のみを単結晶引上げ重量に見合う量で溶融
ゾーンに補給する。そして溶融ゾーン9における融液5A
中のリン濃度が、シリコン単結晶体の第2の目的の抵抗
率ρo,2=約4Ω・cmに相当する理論的ドーパント濃度k
oCo,2=3koCo,1=1.2×1015atoms/cm3となったら(引上
げ重量約50kg時)、多結晶シリコン原料および濃度3koC
o,1分のリンを単結晶引上げ重量に見合う量で溶融ゾー
ンに補給し、この補給を持続しながら、引上げ重量が60
kgとなるまで単結晶成長を行なう。
そして、このようにして得られる単結晶体の抵抗率ρ
と第1の目的とする抵抗率ρo,1との比ρ/ρo,1を単結
晶体の長さ方向全体にわたり解析した。結果を第2図に
示す。一方比較例として、従来法に基づき、引上げ開始
時の融液5中のリン濃度は、シリコン単結晶体の上記第
1の目的の抵抗率ρo,1=10Ω・cmを得るための理論的
濃度Co,1=1.14×1015atoms/cm3とし、引上げ開始から
多結晶シリコン原料および濃度koCo,1分のリンを単結晶
引上げ重量に見合う量で溶融ゾーンに補給しながら、引
上げ重量が60kgとなるまで引上げた場合の単結晶体の抵
抗率ρと第1の目的とする抵抗率ρo,1との比ρ/ρo,1
を同様に解析した。結果を第2図に示す。
第2図に示す結果から明らかなように、実施例におい
ては、第1の目的とする抵抗率ρo,1に近似する抵抗率
を有する部位と、第2の目的とする抵抗率ρo,2に近似
する抵抗率を有する部位とが1つの単結晶体において良
好に形成された。さらに、各部位における各目的抵抗率
からの変動幅も比較例における変動幅に比べて低いもの
となった。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、坩堝内に多結晶原
料およびドーパントを溶融してなる融液を形成し、前記
融液に種結晶を接触させて引上げて単結晶体を成長させ
つつ、多結晶原料およびドーパントを補充し、連続的に
単結晶体を引上げる方法において、前記多結晶原料およ
びドーパントの供給系をそれぞれ独立したものとして、
多結晶原料補充量に対するドーパント補充量を可変のも
のとし、所望する単結晶体の抵抗率に応じて補充するド
ーパント濃度を制御することにより、1つの単結晶体に
おいて、2種以上の抵抗率の部位を容易に作り分けるこ
とができ、かつその各部位における各目的の抵抗率から
の変動幅も低いものとすることができる。従って、単結
晶体の生産性および製品歩留が向上し、製品の少量多品
種化に対応できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法に用いられる単結晶引上げ装置の
使用状態における構成を模式的に示すものであり、また
第2図は各種の条件において引上げた単結晶体の長さ方
向における抵抗率の変動を示すものである。 1…単結晶引上げ装置、2…石英製坩堝、3…貫通孔、
4…環状隔壁、5,5A,5B…融液、6…種結晶、7…単結
晶体、8…凝固ゾーン、9…溶融ゾーン、10…多結晶シ
リコン原料供給用管、11…ドーパント供給用管、12…筒
状ヒータ、13…引上げワイヤ、14…取付け金具、15…引
上げワイヤ捲取機。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】坩堝内に多結晶原料およびドーパントを溶
    融してなる融液を形成し、前記融液に種結晶を接触させ
    て引上げて単結晶体を成長させつつ、多結晶原料および
    ドーパントを補充し、連続的に単結晶体を引上げる方法
    において、 前記多結晶原料およびドーパントの供給系をそれぞれ独
    立したものとして、多結晶原料補充量に対するドーパン
    ト補充量を可変のものとし、 (a)引上げる単結晶体の長さあるいは重量が所定のも
    のとなるまでは、多結晶原料と、この多結晶原料の補充
    量に対し得られる単結晶体の第1の目的で抵抗率ρo,1
    に相当する理論ドーパント濃度Cs,1(=koCo,1、但し、
    Co,1は目的の第1の抵抗率を得るための融液における理
    論的ドーパント濃度であり、またkoはドーパントの平衡
    偏析係数である。)とほぼ等しい濃度となる量のドーパ
    ントを補充し、 (b)単結晶体の長さあるいは重量が所定のものとなっ
    たら、多結晶原料と、この多結晶原料の補充量に対し、
    上記koCo,1よりも極めて高濃度(ko<1の場合)あるい
    は極めて低濃度ないし無添加(ko>1の場合)となる量
    のドーパントを補充して、融液中のドーパント濃度を、
    得られる単結晶体の第2の目的の抵抗率ρo,2に相当す
    る理論ドーパント濃度Cs,2を得るための融液中における
    理論的ドーパント濃度Co,2(=Cs,2/ko)まで変化さ
    せ、 (c)その後、多結晶原料と、この多結晶原料の補充量
    に対し、koCo,2濃度とほぼ等しい濃度となる量のドーパ
    ントを添加する ことを特徴とする単結晶引上げにおけるドーピング方
    法。
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