JPH04241913A - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

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JPH04241913A
JPH04241913A JP1471491A JP1471491A JPH04241913A JP H04241913 A JPH04241913 A JP H04241913A JP 1471491 A JP1471491 A JP 1471491A JP 1471491 A JP1471491 A JP 1471491A JP H04241913 A JPH04241913 A JP H04241913A
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佐野 雅昭
Kimimasa Murayama
公正 村山
Katsuya Murakami
克哉 村上
Seiichi Matsuo
誠一 松尾
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Toyota Motor Corp
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、嵌合し合う軸とその軸
受、例えばジャーナルとジャーナル軸受、スプライン軸
とその軸受等よりなる摺動部材に係り、より詳しくは、
摺動面がモノマー注型法に従い極薄の重合体被膜でライ
ニングされた摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】嵌合し合う軸と軸受との隙間に、低粘度
の重合性モノマーまたはプレポリマーを注入し、次いで
これを重合硬化させることにより、その摺動面に重合体
樹脂の極薄膜をライニングするところのいわゆる現合反
応成形方法は、従来より知られている(特開昭60−1
78013号および特開昭63−212518号)。
【0003】この方法において、樹脂ライニング層をこ
れら摺動部材の金属表面に直接設ける手段も可能である
が、樹脂ライニング層と該金属表面との接着力を高める
ために、予めプライマーにより摺動面を被覆し、その上
に樹脂ライニング層を形成するという手段が、むしろよ
り慣用的に採られている。そして、後者の手段には、従
来、シラン系、フェノール系等の市販のプライマーが使
用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来プ
ライマーを用い、現合反応成形方法により樹脂ライニン
グされた摺動部材を自動車等の車両の駆動系に適用した
場合、駆動系周辺における高い温度の影響、あるいは水
の侵入等により、高トルク条件下で長時間摺動運転を続
行すると、樹脂ライニング層が摺動部材より剥離してく
るという問題があった。また、かように駆動系に用いた
場合では、摺動部材の表面に錆の発生が顕著になること
も問題であった。
【0005】自動車等の駆動系は、運転時高温下にさら
されかつ水の侵入の虞れがある等、使用環境が一般に劣
悪である。従って、摺動部材をかような劣悪環境で使用
したとしても不具合が生じないよう、部材表面の樹脂ラ
イニング層の接着力の強化ならびに防錆性能の向上が求
められていた。
【0006】一方、特公昭60−17415 号公報は
、特定のエポキシ樹脂成分(a1)とジカルボン酸(a
2)と第1級ヒドロキシアルキル基を有する第2級アミ
ン(a3)とを反応させて得られる生成物(A) と、
ポリイソシアナート化合物(b1)とイソシアナート保
護剤(b2)を反応させて得られる生成物(B) とを
反応させることよりなる熱硬化性樹脂の製造法を開示す
る。そしてまた、同公報には、該熱硬化性樹脂にメトキ
シメチル化メラミン等を混入してなるプライマー用塗料
が記載されている。
【0007】しかし、このプライマー用塗料は、耐水性
に劣るため、これを自動車の駆動系における上記用途に
適用しても、樹脂ライニングの剥離及び錆の発生の問題
は解消されるものではなかった。
【0008】本発明は、かかる問題を解消するべくなさ
れたもので、その目的とするところは、たとえ長時間の
高トルク連続運転の下においても、樹脂ライニング層の
剥離が起きず、また錆の発生も少なく、耐久性に優れた
摺動部材を提供することにある。また、その技術的課題
は、プライマー層の耐水性を高め、摺動部材の金属摺動
面と樹脂ライニング層との接着力をより一層強化するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の用途の
ためのプライマーとして、エポキシ樹脂とブロックイソ
シアナートの反応生成物をベースとし、かつメラミン樹
脂およびエポキシ系シランカップリング剤をそれぞれ特
定の割合で含有せしめてなる組成物を新規に使用し、こ
れを摺動部材の摺動面に塗布し、そしてその上に樹脂ラ
イニング層(通常、ナイロンリム層)を形成するように
したものである。
【0010】本発明による摺動部材は、プライマーを摺
動部材の摺動面に被覆し、次いでω−ラクタム液状物、
重合触媒および重合開始剤より成るモノマー注型液の層
を該プライマー層の上に設け、次いで重合硬化すること
により、樹脂ライニングを摺動面に形成してなる摺動部
材において、前記プライマーは、エポキシ樹脂とブロッ
クイソシアナートの反応生成物、メラミン樹脂およびエ
ポキシ系シランカップリング剤より成り、該メラミン樹
脂およびエポキシ系シランカップリング剤は前記反応生
成物に基いて固形分比で夫々1/6〜1/3、1/20
0〜1/20の割合で含有してなることを特徴とするも
のである。
【0011】(発明の概要)本発明に用いるプライマー
は、エポキシ樹脂とブロックイソシアナートの反応生成
物の有機溶剤溶液に、メラミン樹脂およびエポキシ系シ
ランカップリング剤を反応生成物に基いて固形分比で夫
々1/6〜1/3、1/200〜1/20の割合で配合
したものである。
【0012】エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビスフェノ
ールS型エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂
、並びにそれらエポキシ樹脂とアジピン酸、セバシン酸
、ダイマー酸、フタル酸等のポリカルボン酸との付加反
応生成物が用いられる。
【0013】また、本発明に用いるブロックイソシアナ
ートとは、イソシアナート化合物とイソシアナート保護
剤、例えばラクタム系保護剤(ε−カプロラクタム、γ
−ブチロラクタムなど)、アルコール系保護剤(メタノ
ール、エタノール、イソブチルアルコールなど)、フェ
ノール系保護剤(フェノール、p−第三ブチルフェノー
ル、クレゾールなど)等との付加反応生成物であって、
140℃〜250℃に加熱した際、解離して遊離イソシ
アナート基を生成するものをいう。
【0014】この場合の付加反応は、通常、不活性溶剤
中のイソシアナート化合物の溶液を50℃〜100℃に
加熱し、そこにイソシアナート保護剤を滴下するという
手順により行なわれる。より好ましくは、イソシアナー
ト化合物のイソシアナート基の数とイソシアナート保護
剤中の活性水素の数との比が5:1ないし5:4となる
ような割合で両者を反応させる。
【0015】かかるイソシアナート化合物としては、脂
肪族もしくは脂環式ジイソシアナート化合物(例えばヘ
キサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシア
ナートおよび水素化ジフェニルメタンジイソシアナート
など)、芳香族ジイソシアナート化合物(例えばトリレ
ンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアナートなど)、およびこれらとポリオール化合物
(例えばエチレングリコール、トリメチロールプロパン
、ペンタエリスリトール、ヒマシ油など)との付加反応
生成物が用いられる。
【0016】本発明に用いるメラミン樹脂は、アルコキ
シメチロール化メラミンで、上記エポキシ樹脂とブロッ
クイソシアナートとの反応生成物中に存在するヒドロキ
シル基と反応して架橋を進行させるのを目的とする。典
型的には、メトキシメチロール化メラミンおよびブトキ
シメチロール化メラミンが挙げられる。
【0017】また、本発明に用いるエポキシ系シランカ
ップリング剤は、分子中にエポキシ基を有するシラン化
合物であり、特徴的には、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランおよび6−(2,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
【0018】本発明において特徴的なことは、プライマ
ー中に、メラミン樹脂およびエポキシ系シランカップリ
ング剤を、エポキシ樹脂とブロックイソシアナートの反
応生成物に基いて固形分比で夫々1/6〜1/3、1/
200〜1/20の割合で含有してなることである。
【0019】メラミン樹脂およびエポキシ系シランカッ
プリング剤の配合量がかかる範囲内であれば、プライマ
ー表面につき充分に高い架橋密度が得られかつ樹脂ライ
ニング全体の耐水性も向上するため、たとえ当該プライ
マーを用いた摺動部材を例えば長時間の高トルク連続摺
動でかつ水の浸入のありうるような劣悪な条件下に使用
したとしても、樹脂ライニングが剥離することがない。
【0020】これに対して、メラミン樹脂の配合量が上
記範囲より少なすぎる場合には、プライマー表面におけ
る架橋密度が不足するため、モノマー注型液の適用時に
プライマー層の表面部分がモノマー注型液(ナイロンモ
ノマーのような重合性モノマー溶液)中に溶出し、モノ
マーの重合を阻害する。一方、メラミン樹脂の配合量が
上記範囲より多すぎる場合には、モノマー注型液の重合
反応時に、過剰分の未反応メチロール基よりホルムアル
デヒドのガスを生じ、これが重合反応を阻害する。かよ
うな重合阻害は、プライマー層と樹脂ライニング層との
間に、モノマー注型液(ナイロンモノマー)を多量に含
む低分子量の重合不良層を形成する。この層は、それ自
体凝集力が弱いため、摺動部材の金属面と樹脂ライニン
グ層との間の接着力を著しく低下せしめるだけでなく、
水の浸入によりあるいは劣悪な高湿度条件下での使用に
より、例えばナイロンモノマーが加水分解してアミノカ
プロン酸を生じ、これが摺動部材金属の腐食を引き起こ
すことになる。
【0021】また、エポキシ系シランカップリング剤の
配合量が上記範囲より少ないと、樹脂ライニングの耐水
性が満足に向上せず、摺動部位への雨水等の侵入により
樹脂ライニングの剥離が生じ、とりわけ透水性の高いナ
イロンリムの場合には、かかる剥離が起きやすい。逆に
、エポキシ系シランカップリング剤の配合量が上記範囲
より多すぎると、経済的に有利でないだけでなく、プラ
イマー自身の凝集力を弱め接着力を低下させることにな
る。
【0022】次に、本発明に用いるプライマーの製造に
ついて述べる。プライマーの製造手順は、エポキシ樹脂
とブロックイソシアナートを不活性有機溶剤中で反応さ
せ、生成物たる樹脂溶液を得る段階■と、該樹脂溶液に
メラミン樹脂およびエポキシ系シランカップリング剤を
配合する段階■とからなる。使用するエポキシ樹脂とブ
ロックイソシアナートの割合は、エポキシ樹脂に含まれ
るヒドロキシル基の数とブロックイソシアナート中のイ
ソシアナート基の数との比が10:1ないし1:1、好
ましくは5:4ないし5:1となるような範囲に設定す
る。また、段階■での反応は、通常、50℃〜150℃
の温度にて、イソシアナート基が実質的に存在しなくな
るまで行なうが、場合によっては、分子量が所望の値に
達した時点で例えば一価アルコールを加えることにより
反応を停止させ、イソシアナート基が残存するままとし
ても良い。そして段階■では、段階■より得た反応生成
物の樹脂溶液に、メラミン樹脂およびエポキシ系シラン
カップリング剤を反応生成物に基いて固形分比で夫々1
/6〜1/3、1/200〜1/20の割合で配合する
。かようにして作られたプライマーをそのままの形態で
使用しても良いが、さらに必要に応じて、防錆顔料およ
びその他の無機充填剤、流動調節剤、界面活性剤、有機
溶剤などを配合した形態で使用しても良い。
【0023】そして、上記の方法に従い製造されたプラ
イマーは、次のように使用される。まず、摺動部材のう
ち片方の部材例えばスプライン軸またはスプライン軸受
のいずれか一方の摺動面に、適当な塗布方法、例えば、
エアスプレー、静電スプレーおよび浸漬塗布により、プ
ライマーを乾燥膜厚で1〜50μmの厚さとなるように
塗布し、次いでこれを150〜250℃にて5ないし6
0分間加熱して、プライマー層の架橋反応を完了せしめ
る。
【0024】而して、プライマー層の形成された摺動部
材と、別途離型剤が摺動面に塗布された相手方の摺動部
材とを嵌め合せ、次いで両部材間のクリアランスにモノ
マー注型液(就中、下記のω−ラクタム液状物より成る
もの)を注入し、そして重合硬化せしめて樹脂ライニン
グ層を形成することにより、本発明の摺動部材が製作さ
れる。なお、かかるモノマー注型法については、特開昭
60−178013号公報、特開昭63−212518
号公報等を参照することにより理解できるであろう。
【0025】本発明の摺動部材において、樹脂ライニン
グ層を形成するところのモノマー注型液は、ω−ラクタ
ム液状物、重合触媒および重合開始剤より成る。モノマ
ー注型液は、本発明で用いるプライマーとの関連で、以
下の二例のモノマー注型液がとりわけ好ましい。
【0026】好ましいモノマー注型液の最初の例は、エ
ステル結合型のモノマー注型液で、以下の組成よりなる
(以下、モノマー注型液Aという。)。 (A) アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物の
重合触媒を含むω−ラクタム液状物;および(B) 次
式で表されるラクタム重合開始剤
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】 または
【0029】
【化3】 (式中、Zはポリプロピレンオキサイドポリオール、A
は脂肪族または芳香族のヒドロカルビル基であり、Qは
C3 〜C11のアルキレン基を有するラクタム残基で
あり、tは少なくとも1であり、mは0または1であり
、mが0のとき、nは0または1で、pは1であり、m
が1のとき、nは1〜3の範囲内で、p=nであり、R
1 はアルキル基、アルアルキル基、アルキルオキシ基
、アリールオキシ基、ハロゲン基またはアルアルキルオ
キシ基である。)を少なくとも1つ含むω−ラクタム液
状物。
【0030】好ましいモノマー注型液の別の例は、アミ
ド結合型のモノマー注型液で、以下の組成よりなる(以
下、モノマー注型液Bという。)。 (A) アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物の
重合触媒を含むω−ラクタム液状物;および(B) 次
式で表されるラクタム末端基
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】 および/または
【0033】
【化6】 (式中、QはC3 〜C11のアルキレン基を有するラ
クタム残基であり、該ラクタムの窒素原子を介してC、
PまたはSに結合しており、Aは脂肪族または芳香族の
ヒドロカルビル基またはヒドロカルビルエーテル基であ
り、mは0または1であり、mが0のとき、nは0また
は1で、pは1であり、mが1のとき、nは1〜3の範
囲内で、p=nであり、そしてR1 はアルキル基、ア
ルアルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、
ハロゲン基またはアルアルキルオキシ基を表わす。)を
少なくとも2つ、および第1級または第2級アミノ基を
少なくとも2つ含有するテレキーリックポリアミンに由
来する弾性体骨格、とを含有するラクタム重合開始剤を
少なくとも1つ含むω−ラクタム液状物。
【0034】モノマー注型液Bにおいて、より好ましい
ラクタム重合開始剤は、式
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】 または
【0037】
【化9】 (式中、Zはポリオキシアルキレンポリアミン、オキシ
アルキレンコポリマーポリアミン、ポリアルカジエンポ
リアミン、アルカジエンコポリマーポリアミン、ポリア
ルケンポリアミン、アルケンコポリマーポリアミンおよ
びこれらの組合せよりなる群から選択される第1級また
は第2級アミノ基を少なくとも2つ有するテレキーリッ
クポリアミンから誘導される多価の基であり、tは少な
くとも1であり、A、Q、m、nおよびR1 は上記の
定義を表わす。)で示される。
【0038】上記のラクタム重合開始剤は、いすれも、
少なくと2つのアシルラクタム基を有するアシルラクタ
ムモノマーと、テレキーリックポリプロピレンオキサイ
ドポリオールまたはテレキーリックポリアミンとの反応
によって生成され得る。卓越した性質のブロック共重合
体を生成させるためには、実質的なラクタム重合の前に
、ポリプロピレンオキサイドポリオールの水酸基または
ポリアミンのアミノ基の少なくとも90モル%、好まし
くは95%をラクタム末端基に転換させておくのがよい
【0039】ラクタム重合開始剤の数平均分子量は、約
500〜約15000、より好ましくは約1000〜約
10000のものが有利であり、特に好ましくは、約2
000〜約6000のものである。
【0040】テレキーリックポリプロピレンオキサイド
ポリオールまたはテレキーリックポリアミンの数平均分
子量は、約300〜約10000のものが有利であり、
より好ましくは少なくとも約500、特に好ましくは、
少なくとも約1000のものである。
【0041】また、ω−ラクタム液状物とは、γ−ブチ
ロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタ
ム、ω−カプリルラクタム、ω−ウンデカノラクタム、
ω−ラウリンラクタムなどの単独液状物、ならびにこれ
らの一種もしくはそれ以上の混合物をいう。
【0042】重合触媒は、ω−ラクタムのアニオン重合
に用いられるものから適宜選択使用することができ、例
えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、これらの
水素化物、水酸化物、炭酸塩、アルキル化物、アリール
化物、アルコキシドならびにグリニャール化合物等が挙
げられる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例に
おいて、部は重量部を表わす。 実施例1 (a) プライマーの調製 エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポトートYD−
017  エポキシ当量1960)784部を、キシロ
ール78.4部およびセロアセ196部に溶解した後、
アゼライン酸25.1部およびジエタノールアミン13
.3部を加え、N2 ガス下140℃で4.5時間反応
せしめた。次いで、樹脂固形分の酸価が1.2KOHm
g/gになったところでキシロール314部およびメチ
ルイソブチルケトン245部を加え、その後冷却して生
成物(A)を得た。別途、セロアセ375部にヘキサメ
チレンジイソシアナート224部およびε−カプロラク
タム151部を加え、100℃で3時間反応させて、生
成物(B)を得た。次に、生成物(A)165部に生成
物(B)7.5部およびキシロール26.3部を加え、
N2 ガス下100℃で3時間反応させた後、メチルイ
ソブチルケトン19.4部を加え、その後冷却して固形
分40%の熱硬化性樹脂溶液を得た。
【0044】さらに、三本ロールを用いて、この熱硬化
性樹脂溶液100部にルチル型酸化チタン12部および
ストロンチウムクロメート10部を充分に混練し、次い
でメトキメチロール化メラミン10部およびγ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン1部を加えた。そし
て、この溶液が100センチポイズ(25℃)の粘度に
なるまで、セロアセ/キシロールの1:1混合溶剤で希
釈することにより、プライマーを調製した。
【0045】(b) 摺動部材の製造 摺動部材として、下記の表1に示す諸元のスプライン軸
およびその軸受を使用した。(a) で調製したプライ
マーを適当な塗布方式によりスプライン軸の摺動面に被
覆するとともに、離型剤をスプライン軸受の摺動面に塗
布した。次に、該スプライン軸およびその軸受を嵌合し
、両者のクリアランスに、上記モノマー注型液Aを注入
し、次いで加熱によって重合硬化することにより、極薄
の樹脂ライニング(プライマー層の上に樹脂ライニング
層が積層されてなる。)をスプライン軸の摺動面に形成
した。
【0046】
【表1】 実施例2 モノマー注型液Aの代りにモノマー注型液Bを使用した
ことを除いて、実施例1(b) に記載したのと同様の
手順に従い、実施例2の摺動部材を製造した。なお、プ
ライマーとしては、実施例1(a) で調製したプライ
マーを使用した。
【0047】試験例 −接着力試験− 図1に示すように、受け治具1の中に、製造した摺動部
材2を、その樹脂ライニングのみで部材2が支持される
ように収め、次いでパンチ5により摺動部材2を打ち抜
き、その時に加わった荷重Pを測定し、この荷重Pを接
着力を表わす示度として評価することとした。なお、図
1中、3は樹脂ライニング層、4はプライマー層を表わ
す。
【0048】製造時点における初期接着力、ならびに7
0℃の温水中に24時間浸漬した後における劣化後接着
力を測定した。各実施例の摺動部材について試験すると
ともに、比較のため、次の例についても同様の試験を夫
々行なった。
【0049】比較例1 メトキシメチロール化メラミンの配合量が15部である
ことを除いて、実施例1(a) と同じ条件、手順でプ
ライマーを調製し、そしてこれを用い、実施例1(b)
 の手順に従い、摺動部材を製造した。
【0050】比較例2 メトキシメチロール化メラミンの配合量が5部であるこ
とを除いて実施例1(a) と同じ条件、手順でプライ
マーを調製し、そしてこれを用い、実施例1(b) の
手順に従い、摺動部材を製造した。
【0051】比較例3 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを配合し
ないことを除いて、実施例1(a) と同じ条件、手順
でプライマーを調製し、そしてこれを用い、実施例1(
b) の手順に従い、摺動部材を製造した。
【0052】比較例4 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを10部
配合することを除いて、実施例1(a) と同じ条件、
手順でプライマーを調製し、そしてこれを用い、実施例
1(b) の手順に従い、摺動部材を製造した。
【0053】比較例5 実施例1(a) と同じ条件、手順で調製したプライマ
ーを摺動部材の金属摺動面に被覆し、そして該部材を、
ナイロン11粉末が入った容器の中に浸漬し、次いで加
熱することにより、プライマー層上にナイロンが粉体コ
ーティングされた摺動部材を製造した。
【0054】対照例 プライマーを予め塗布せずに、実施例の手順に準じて、
現合反応成形方法により摺動部材を製造した。
【0055】従来例1 市販のシランカップリング系プライマーを使用し、実施
例の手順に準じて、現合反応成形方法により摺動部材を
製造した。
【0056】従来例2 市販のフェノール系プライマーを使用し、実施例の手順
に準じて、現合反応成形方法により摺動部材を製造した
【0057】これら試験の結果を図2に示す。図2より
、実施例の摺動部材は、初期接着力および劣化後接着力
の双方について顕著に向上していることがわかる。
【0058】−実車走行試験− 各摺動部材を自動車の駆動系にトルク伝達部品として組
み込み、そして浸水および起伏路における実車走行試験
を、短距離、中距離および長距離の夫々について行ない
、樹脂ライニングの剥れの有無および錆の発生について
調べた。その結果を表2に示す。
【0059】
【表2】 表2より、実施例の摺動部材は、長時間の高トルク連続
摺動という条件でかような悪路走行試験を行なっても、
樹脂ライニングの剥れが起きず、また錆の発生も殆ど見
られないことが分かる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プライマー層の耐水性がより一層高まり、かつ摺動部材
の金属摺動面と樹脂ライニングとの接着力が著しく強化
され、よってたとえ長時間の高トルク連続運転の下にお
いても、樹脂ライニングの剥離が起きず、また錆の発生
も殆ど無く、耐久性に優れた摺動部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】各摺動部材における樹脂ライニングの接着力試
験の方法を示す説明図である。
【図2】実施例及び比較例等の摺動部材についての樹脂
ライニングの接着力試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
2  摺動部材 3  樹脂ライニング層 4  プライマー層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  プライマーを摺動部材の摺動面に被覆
    し、次いでω−ラクタム液状物、重合触媒および重合開
    始剤より成るモノマー注型液の層を該プライマー層の上
    に設け、次いで重合硬化することにより、樹脂ライニン
    グを摺動面に形成してなる摺動部材において、前記プラ
    イマーは、エポキシ樹脂とブロックイソシアナートの反
    応生成物、メラミン樹脂およびエポキシ系シランカップ
    リング剤より成り、該メラミン樹脂およびエポキシ系シ
    ランカップリング剤は前記反応生成物に基いて固形分比
    で夫々1/6〜1/3、1/200〜1/20の割合で
    含有してなることを特徴とする摺動部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000104731A (ja) * 1998-09-29 2000-04-11 Oiles Ind Co Ltd 二つの摺動部材を組み合わせた摺動構造およびそれを用いたすべり支承装置
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