JP5646298B2 - ポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料及びそれを用いて得られた金属材並びにポリフェニレンサルファイド材−金属材接合製品 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料及びそれを用いて得られた金属材並びにポリフェニレンサルファイド材−金属材接合製品 Download PDF

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Description

本発明は、ポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料及びそれを用いて得られた金属材並びにポリフェニレンサルファイド材−金属材接合製品に係り、特に、所定のポリフェニレンサルファイド材を目的とする金属材に接合せしめるために、かかる金属材の接合面に塗布される塗料と、そのような塗料が塗布されてなる金属材と、その塗布金属材を用いて得られた接合製品に関するものである。
近年、パソコンや携帯電話等の電子機器筐体は、その小型化や軽量化、更には高意匠性の観点から、その素材が、普通鋼板から高張力鋼板やアルミニウム合金板に変わりつつあり、特に最近では、アルミニウム合金板を用いたパソコン筐体の製造において、小型化、軽量化が望まれ、また、低コスト化が強く望まれている。
具体的には、パソコンにおいて、その筐体にプリント板やHDD等を固定する際には、ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、PPS樹脂とも略称する)の如き熱可塑性樹脂よりなる固定用治具を筐体に取り付けて、この固定用治具を介して、上記のプリント板等を固定するようになっている。また、そのような固定用治具の筐体への取付けには、固定用治具を事前に成形しておき、これを、ネジ等の固定具や接着剤等によって取り付けることが行なわれて来ており、そのために、固定具や接着剤を用いた固定用治具の筐体への取付けにおいては、上述の如く、事前に固定用治具を別個に製造し、その後に、固定用治具の取付け作業を実施しなければならないために、生産性や小型化、軽量化等の観点から、問題を内在するものであった。
かかる状況下、特開2003−103563号公報には、エッチングにより、筐体の基板となるアルミニウム合金板の粗面化を行ない、次いで、化学的な金属表面処理(以下、T処理と言う)を施した後、インサート射出成形手法により、かかる基板の表面に樹脂を流れ込ませて、基板上で直接に固定用治具を成形し、基板と樹脂とを一体化する方式が、明らかにされている。この方式によれば、粗面化されたアルミニウム合金板の表面に樹脂が食い込むアンカー効果が加わり、高い接合強度を得ることが出来ることとなるのであるが、そのT処理時において、成形品の浸漬処理を行なう必要があるために、高コストとなるという問題があり、また、その粗面化された剥き出しの基板に樹脂を一体化するものであるために、その残った剥き出しの部分の耐食性や耐久性が劣る等という問題も内在している。
このため、軽量化やコスト低減の観点から、アルミニウム合金板等の金属材を採用し、且つ耐食性や耐久性を向上すべく、プレコート塗膜が形成され、更に、表面にPPS樹脂の如き材料からなる部材を射出成形等によって設ける際に、その生じた部材を金属材に容易に固着、一体化させることが可能な技術の確立が、要請されているのである。
なお、特開平9−13178号公報や特開2001−191023号公報においては、ポリエステルポリオールに、硬化剤であるアミノ樹脂及び/又はイソシアネート化合物と共に、潤滑剤やポリエステル樹脂等を含有せしめて、鋼板にプレコート塗膜を形成せしめることからなる技術が明らかにされているが、それらの技術は、成形加工性や塗膜硬度、耐食性等を課題としており、PPS樹脂の如き熱可塑性樹脂材と金属材との有効な接合、特に、効果的な融合接着を実現するものではなかった。
また、特開2007−320215号公報においては、PPS樹脂等の熱可塑性樹脂が、アルミニウム合金材等の所定の金属材に対して、融合接合せしめられる技術が明らかにされており、そこでも、所定のポリエステル樹脂とアミノ樹脂及び/又はイソシアネート樹脂を含有する組成物を用いて、プレコート塗膜を形成して、それらの融合接合を行なう技術が明らかにされている。しかしながら、そのようなプレコート塗膜を用いた接合方式にあっても、未だ、電子部品筐体として満足し得る接合強度が得られていないのが実情であり、このため、それらPPS樹脂等の熱可塑性樹脂材とアルミニウム合金板等の金属材との、更に高い接合強度を与える接合方式の確立が、要請されているのである。
さらに、特許第2845557号公報においては、金属体表面にポリフェニレンサルファイド樹脂を被覆するためのプライマー組成物が、開示されている。しかしながら、そのようなプライマー組成物を用いて金属体表面を塗装し、被覆した場合においては、その塗膜の焼付け温度が350〜420℃と、高温となり、アルミニウム合金等の融点が低い金属においては、強度の低下を招く等の問題を惹起することとなる。また、かかる被覆方法は、粉体塗装であり、金属の表面に連続的に被覆するには、効率が悪いといった問題も、内在している。
特開2003−103563号公報 特開平9−13178号公報 特開2001−191023号公報 特開2007−320215号公報 特許第2845557号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、金属材の所定の接合面に、目的とするポリフェニレンサルファイド材を強固に接合せしめることの出来る塗料と、それを用いて得られた塗装製品を提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載から把握することの出来る発明思想に基づいて認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) ポリフェニレンサルファイド材を金属材に接合せしめるために、かかる金属材の接合面に塗布される塗料にして、
水酸基含有ポリエステル樹脂の100重量部に対して、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂のうちの少なくとも1種を1〜400重量部の割合で用い、且つ硬化剤を0〜100重量部の割合で用いて、それらを溶剤に配合せしめ、かかる水酸基含有ポリエステル樹脂を溶解させ、更に該ポリブチレンテレフタレート樹脂及び/又はポリフェニレンサルファイド樹脂を溶解乃至は微細に分散させてなる状態に調製されていることを特徴とするポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
(2) 前記ポリブチレンテレフタレート樹脂及び/又はポリフェニレンサルファイド樹脂が、繊維状乃至は粉粒状の無機フィラーを含有している前記態様(1)に記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
(3) 前記水酸基含有ポリエステル樹脂が、8000以上の数平均分子量と、20℃以上のガラス転移点を有している前記態様(1)又は(2)に記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
(4) 前記硬化剤が、ブロック化ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選択される前記態様(1)乃至(3)の何れか一つに記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
(5) 前記溶剤が、イソホロン又はN−メチル−2−ピロリドンからなる単溶剤又はそれを主成分とする混合溶剤である前記態様(1)乃至(4)の何れか一つに記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
(6) 前記水酸基含有ポリエステル樹脂と前記硬化剤の合計量に対して、硬化触媒が、更に0〜1.0重量%の割合で添加されている前記態様(1)乃至(5)の何れか一つに記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
(7) 前記ポリブチレンテレフタレート樹脂が、加熱により前記溶剤に溶解させて得られた溶液を冷却することによって析出せしめられて、微細な固形物として分散させられている前記態様(1)乃至(6)の何れか一つに記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
(8) ポリフェニレンサルファイド材が接合せしめられる金属材の接合面に、前記態様(1)乃至(7)の何れか一つに記載の塗料が、0.5〜10g/m2 の塗膜量で塗装されていることを特徴とする金属材。
(9) 前記塗料の塗装によって形成された塗膜が加熱処理されて、焼き付けられている前記態様(8)に記載の金属材。
(10) 前記金属材が、アルミニウム若しくはその合金からなるアルミニウム材である前記態様(8)又は(9)に記載の金属材。
(11) 前記ポリフェニレンサルファイド材が、射出成形操作によって、前記態様(8)乃至(10)の何れか一つに記載の金属材上に形成されて、接合せしめられてなるポリフェニレンサルファイド材−金属材接合製品。
このように、本発明に従うポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料にあっては、それらポリフェニレンサルファイド材と金属材の接合のために、水酸基含有ポリエステル樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂及び/又はポリフェニレンサルファイド樹脂との2つ又は3つの樹脂成分の所定量が用いられていると共に、かかる水酸基含有ポリエステル樹脂は溶解され、更にポリブチレンテレフタレート樹脂乃至はポリフェニレンサルファイド樹脂が溶解乃至は微細な固形物乃至は粒子として分散せしめられてなる液状形態において、塗料が構成されていることによって、そのような塗料は有利に金属材表面に適用されることとなることは勿論、それら2つ又は3つの樹脂成分の存在にて、金属材の所定の接合面に対して、ポリフェニレンサルファイド材を効果的に接合せしめ得て、強固な一体的接合物として、有利に得ることが出来ることとなったのである。
特に、かかる本発明に従う塗料が塗布されてなる金属材の接合面に対して、所定のポリフェニレンサルファイド材を接合せしめて、目的とする接合物を得るに際して、かかるポリフェニレンサルファイド材は、そのような塗布された金属材を成形金型の成形キャビティ内にインサートした状態下において、ポリフェニレンサルファイド樹脂を射出成形することにより、形成されることが望ましく、そこでは、そのような射出成形操作における、可塑化された樹脂の熱が作用することによって、射出成形されるポリフェニレンサルファイド材と金属材とが、効果的に融合接着せしめられ得て、強固に接合された接合物を有利に得ることが出来る利点がある。
ところで、かかる本発明に従うポリフェニレンサルファイド(PPS)材−金属材接合用塗料において、その必須の構成成分の一つである水酸基含有ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分を主成分として得られる重縮合物からなる、水酸基を含有する公知のポリマーであって、塗料中に溶解乃至は微細に分散せしめられてなる後述のポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、PPS樹脂と協働して、接合されるべきPPS材に対してより優れた接着力を発現させ、また、PBT樹脂及びPPS樹脂の粒子状分散体の形成に際して、その粒子形成をより容易と為し、且つ安定化させ得る効果を発揮するものである。なお、この水酸基含有ポリエステル樹脂としては、その数平均分子量(Mn)が8000以上であるものが、好適に用いられることとなる。この数平均分子量が低くなると、引張剪断接着強さが低下する傾向となるからである。また、かかる水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、20℃以上であることが望ましく、更に、45℃以上であるものが、より有利に用いられることとなる。ここで、かかるガラス転移温度が20℃よりも低くなると、本発明に従う塗料を塗布してなるプレコート金属材、特にその板状物が積み重ねられて保存される際に、それら塗装金属材の耐ブロッキング性が低下して、その作業性や取扱性に問題が惹起される恐れがある。
なお、かくの如き本発明において用いられる水酸基含有ポリエステル樹脂は、各種市販されており、その中から適宜に選択されて、用いられることとなる。例えば、東洋紡績(株)製品であるバイロン296(Tg:71℃、水酸基価:6KOHmg/g、Mn:14000)、バイロン290(Tg:72℃、水酸基価:5KOHmg/g、Mn:22000)、バイロン660(Tg:55℃、水酸基価:14KOHmg/g、Mn:8000)、バイロンGK880(Tg:84℃、水酸基価:5KOHmg/g、Mn:18000)、バイロンBX−7000(Tg:60℃、水酸基価:2KOHmg/g、Mn:32000)、バイロンGK330(Tg:16℃、水酸基価:9KOHmg/g、Mn:17000);ユニチカ(株)製のエリーテルUE−9200(Tg:65℃、水酸基価:6KOHmg/g、Mn:15000)、エリーテルUE−9600(Tg:70℃、水酸基価:8KOHmg/g、Mn:18000)等を挙げることが出来る。
また、本発明に従う塗料の他の一つの必須の成分たるPBT樹脂は、よく知られているように、テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールを主成分として重縮合して得られる、熱可塑性で、結晶性の樹脂であって、本発明では、公知の各種のものが、そのまま、用いられることとなる。また、このPBT樹脂には、耐熱性等を向上させるために、ガラス繊維やガラスビーズ、粉体ガラス等の繊維状乃至は粉粒状の無機フィラーが含有せしめられることとなる。なお、この無機フィラーの含有量としては、塗料として悪影響をもたらさない限りにおいて適宜の割合が選定されるが、一般に、50重量%までの割合において含有せしめられることとなる。
そして、この無機フィラーを含有せしめた、或いは含有せしめられていないPBT樹脂は、種々市販されており、例えば、東レ(株)製の、トレコン1401X06(フィラー不含)、トレコン1401X04(フィラー不含)、トレコン1201G−15(ガラス繊維15%含有)、トレコン1101G−30(ガラス繊維30%含有);三菱エンジニアリングプラスチック(株)製の、ノバデュラン5008(フィラー不含)、ノバデュラン5020(フィラー不含)、ノバデュラン5026(フィラー不含)、ノバデュラン5010G15(ガラス繊維15%含有)、ノバデュラン5010G45(ガラス繊維45%含有);ポリプラスチックス(株)製の、ジュラネックス2002(フィラー不含)、ジュラネックス2000(フィラー不含)、ジュラネックス3105(ガラス繊維15%含有)、ジュラネックス3405(ガラス繊維45%含有)等を挙げることが出来、それらの中から適宜に選択されることとなる。
さらに、本発明に従う塗料の別の一つの必須の成分として、上記PBT樹脂と共に、又はそれに代えて用いられるPPS樹脂も、また、熱可塑性で、結晶性の耐熱樹脂であり、その耐熱性等を向上させるために、ガラス繊維やガラスビーズ、粉体ガラス等の繊維状乃至は粉粒状の無機フィラーが、適宜に含有せしめられることとなる。なお、かかるPPS樹脂の形状としては、ペレット状、板状等の塊状では、溶剤中での溶解乃至は分散が極めて困難となるため、本発明においては、PPS樹脂粉体の使用が推奨される。そのようなPPS樹脂粉体は、種々市販されており、例えば、東レ(株)製のPPS樹脂粉末トレリナ(平均粒子径:60μm)等を挙げることが出来る。
そして、それら水酸基含有ポリエステル樹脂とPBT樹脂及び/又はPPS樹脂とは、本発明に従う塗料において、前者の100重量部に対し、後者は1〜400重量部となる割合において、組み合わされて、用いられることとなる。それら2つ又は3つの樹脂成分の配合比率において、PBT樹脂及び/又はPPS樹脂の配合量が400重量部を超えるようになると、溶剤による溶解が困難となったり、また、かかるPBT樹脂及び/又はPPS樹脂の分散・固定が不充分となって、本発明の目的を充分に達成し難くなる問題を惹起する。また、PBT樹脂及び/又はPPS樹脂の配合割合が1重量部未満となると、PPS材と金属材との接着性が低下する問題を惹起する。なお、本発明に従う塗料によって接合されるPPS材と金属材との間の引張剪断接着強さを更に充分に発揮せしめる上において、PBT樹脂及び/又はPPS樹脂は、少なくとも5重量部以上の割合で用いられることが望ましい。
また、本発明に従う塗料においては、水酸基含有ポリエステル樹脂を硬化させることの出来る公知の硬化剤が、かかる水酸基含有ポリエステル樹脂に対して、0〜100重量部の割合において、好ましくは10〜60重量部の割合において、添加、配合せしめられることとなる。このような硬化剤の添加によって、接合されたPPS材と金属材との間の引張剪断接着強さが、更に有効に向上せしめられ得るのであるが、そのような硬化剤の添加量が増大すると、接着性が低下する傾向となるところから、その過剰の添加は避けるべきである。そして、本発明にあっては、そのような硬化剤として、ブロック化ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂、フェノール樹脂等の公知の各種のものが、適宜に用いられることとなるが、その中でも、接着力を発現し易い硬化剤としては、ブロック化ポリイソシアネート化合物やアミノ樹脂が、好適に用いられる。
ここで、そのような硬化剤として用いられるブロック化ポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、ブロック化剤でブロックしたものである。そして、そこにおいて、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルへキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)−ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の環状脂肪族ジイソシアネート化合物;前記ポリイソシアネート化合物と多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂又は水等との付加物、若しくは前記ポリイソシアネート化合物同士の環状重合体、更に、イソシアネートビュレット体等を挙げることが出来る。特に、これらポリイソシアネート化合物の中でも、衛生上の面において、脂肪族ジイソシアネート化合物が、好ましく用いられる。
さらに、かかるポリイソシアネート化合物をブロック化するためのブロック化剤としては、公知の各種のブロック化剤の中から、適宜に選択することが出来るが、本発明に従う塗料の乾燥温度は、使用可能な溶剤に鑑みて、200℃以上が望ましいことから、ブロック化されたものの解離温度は、塗料貯蔵時の安定性を良くするためにも、100〜200℃となるように、ブロック化剤を選定することが望ましい。そして、そのようなブロック化剤としては、例えば、ホルムアミドオキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトアルドキシム等のオキシム系ブロック化剤;ε−カプロラクタム、β−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム系ブロック化剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール系ブロック化剤;マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系ブロック化剤等を挙げることが出来る。
なお、このブロック化剤にてイソシアネート基をブロックしてなるブロック化ポリイソシアネート化合物も、各社から市販されており、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネート17B−60PX(固形分60%)、デュラネートTPA−B80E(固形分80%)、デュラネートMF−B60X(固形分60%)、デュラネートE402−B80T(固形分80%);デグッサ・ジャパン社製のベスタゴンB1530(固形分100%)、ベスタゴンB1065(固形分100%)、ベスタナットB1358(固形分100%)、ベスタナットB1370(固形分60%)等があり、それらの中から、適宜に選定されることとなる。
また、上記した硬化剤のうちの一つであるアミノ樹脂としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等を用いることが出来、より具体的には、メチル化尿素樹脂、メチルエーテル化尿素樹脂、ブチルエーテル化尿素樹脂、メチルエーテルとブチルエーテルの混合エーテル化尿素樹脂;メチロール化メラミン樹脂、メチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化メラミン樹脂、メチルエーテルとブチルエーテルの混合エーテル化メラミン樹脂等のメラミン樹脂;メチロール化ベンゾグアナミン樹脂、メチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、メチルエーテルとブチルエーテルの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂等を挙げることが出来る。市販品としては、例えば、日本サイテックインダストリーズ(株)製のサイメル303(固形分100%)、サイメル235(固形分100%)、マイコート506(固形分100%)、サイメル1123(固形分100%)、UFR65(固形分100%)、UFR300(固形分60%)等を用いることが出来る。
さらに、硬化剤としてのフェノール樹脂には、望ましくは、レゾールタイプのフェノール樹脂、その中でも、メタクレゾール樹脂が好ましく用いられ、例えば、住友デュレズ(株)製のスミライトレジンPR−53893A(固形分50%)等の市販品を用いることが出来る。
加えて、本発明に従う塗料には、上記の硬化剤と共に、必要に応じて、その硬化触媒が添加され、それによって、接合されるPPS材と金属材との間の引張剪断接着強さの効果的な向上が図られ得る。そこでは、用いられる硬化剤の種類によって、適切な硬化触媒が適宜に選択されることとなる。例えば、硬化材がブロック化ポリイソシアネート化合物の場合には、周知の錫系、ジルコニウム系、アルミニウム系、ビスマス系等の有機金属触媒が好適に用いられ、またアミノ樹脂やフェノール樹脂が硬化剤として用いられる場合にあっては、周知のリン酸系やスルホン酸系等の酸が、好適に用いられることとなる。なお、その添加量としては、水酸基含有ポリエステル樹脂と硬化剤の合計量の1重量%以下となるような割合において、用いられることが望ましい。
ところで、本発明に従う塗料は、上記した水酸基含有ポリエステル樹脂、PBT樹脂/PPS樹脂、硬化剤等を、金属材表面に均一に塗布するために、適当な溶剤を用いて、液状形態に調製されることとなるが、それら樹脂成分の中で、水酸基含有ポリエステル樹脂は、そのような溶剤に完全に溶解せしめられると共に、PBT樹脂は、溶解形態において用いられる他、溶剤に溶解し難いものであるところから、有利には、溶剤中に微細に分散せしめられた形態において存在せしめられ、これによって、本発明に従うPPS材と金属材との間の有効な接合が容易に実現され得るのである。なお、そのようなPBT樹脂の微細な分散は、公知の適宜の手法によって行ない得るものであるが、特に、本発明にあっては、PBT樹脂を所定の溶剤に添加せしめた後、加熱して、かかるPBT樹脂を溶剤に溶解せしめ、そして、その得られた溶液を冷却することによって、析出せしめて、微細な固形物粒子として、一般に、200μm以下程度の大きさにおいて、分散せしめられるようにすることが望ましい。
そして、そのような塗料の調製に用いられる溶剤としては、o−クロロフェノール、ジクロロベンゼン、ベンジルアルコール、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒等の公知の溶剤が適宜に用いられ得るが、特に、単溶剤では、イソホロン又はN−メチル−2−ピロリドンが好適に用いられ、また混合溶剤としても、イソホロンやN−メチル−2−ピロリドンを主成分、特に60%以上の割合で含有し、沸点が200℃以上となる組成のものが、好適に用いられる。なお、そこで、イソホロンやN−メチル−2−ピロリドンに混合せしめられる溶剤としては、一般に、200℃以上の沸点を有するものであって、特に溶解性パラメータ(δ)が9〜10であるものが望ましく、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点202℃、δ=9.6)、ジエチレングリコール(沸点245℃、δ=9.1)、DBE(デュポン社製品;グルタル酸ジメチルとアジピン酸ジメチルとコハク酸ジメチルとの混合物、沸点205℃、δ=9.4)等が、好適に用いられるのである。
また、PPS樹脂が用いられる場合にあっては、それは、上述の如き溶剤中での加熱においても、溶解、分散し難いため、本発明においては、粉体状のPPS樹脂が、好適に用いられることとなる。更に、その場合において、溶剤としては、水酸基含有ポリエステル樹脂や硬化剤を溶解し、塗装性に問題がないものであれば、公知の各種の溶剤を使用することが可能である。その中でも、本発明においては、シクロヘキサノン又はイソホロンが、好ましく用いられることとなる。
なお、かくの如くして調製された本発明に従う塗料の塗布対象とされる金属材は、所定の形状を呈するものであって、板材、形材、棒材等の各種の形状のものが対象とされる。更に、その材質としても、アルミニウム若しくはその合金からなるものが好適ではあるが、鉄乃至は鋼材質や銅若しくはその合金材質等、他の金属材質のものであっても、同様の効果を得ることが出来る。
また、本発明に従う塗料を、かかる金属材のPPS材が接合されるべき接合面に塗布するに際しては、浸漬、吹付け、ロールコート等の公知の塗布手法が、適宜に採用され、そして、その塗装によって形成された塗膜が、熱風乾燥、赤外線照射、高周波加熱等の周知の加熱手段を用いて加熱されることによって、乾燥、焼き付けられることとなる。なお、このようにして、金属材の所定の接合面上に形成された塗膜は、適宜の厚さとされることとなるが、本発明にあっては、本発明に従う塗料の塗布によって、焼付け後0.5〜10g/m2 の塗膜量において、目的とする塗膜が形成されることとなる。なお、この塗膜量が少なくなると、接合強度が低下して、本発明の目的が充分に達成され得なくなるからであり、また塗膜量が10g/m2 を超えるようになると、塗装性が悪くなり、またコストが高くなることから実用的でない。
そして、かくの如く本発明に従う塗料が塗布されて、所定の塗膜が形成されてなる金属材には、そのような塗膜を介して、目的とするPPS材が接合せしめられるのであるが、かかるPPS材として、その接合に先立って、別途に、公知の成形手法によって、前記PPS樹脂と同様なPPS樹脂から所定の形状に成形されたものを用いるときには、そのようなPPS材を前記塗料の塗布された金属材の接合面に押圧せしめた状態下において、加熱して、一体的に接合する手法が、採用されることとなる。
尤も、本発明にあっては、特に、インサート射出成形手法によって、PPS材が前記塗料の塗布された金属材の接合面上に一体的に形成されるようにして、目的とする一体的な接合物が得られるようにすることが望ましい。即ち、本発明に従う塗装金属材を成形キャビティ内にセットして、前記した塗料を構成するPPS樹脂と同様なPPS樹脂を溶融、射出せしめて、該金属材表面の塗膜上において、目的とする形状のPPS材を成形することにより、かかる樹脂の溶融熱を効果的に利用して、形成されるPPS材を、そのような塗膜を介して、金属材に対して有利に融合接着せしめ得るのである。
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
(1)PBT樹脂分散液の作製
1Lのフラスコに、下記表1に示される水酸基含有ポリエステル樹脂、下記表2に示されるPBT樹脂、及び下記表4に示される溶剤のそれぞれ一つ乃至二つを用い、それらを、水酸基含有ポリエステル樹脂の100重量部に対して、下記表7に示される割合において仕込み、加熱、攪拌しながら、液温を上げて、水酸基含有ポリエステル樹脂と共に、PBT樹脂を溶解せしめた。なお、溶剤の添加量は、固形分濃度が25重量%となるように調整した。また、実験例6における溶剤は、C−1/C−3=3/2の割合で混合されている。溶解温度は、実験例24,25の場合に170℃を採用し、また実験例29の場合に155℃を採用する他、全て200℃とした。次いで、この得られた樹脂溶液を冷却することにより、水酸基含有ポリエステル樹脂溶液中にPBT樹脂が微細に分散した、各種の分散液の他、それら樹脂が溶剤に完全に溶解せしめられてなる均一な樹脂溶液を得た。なお、実験例26,29及び30の場合にあっては、PBT樹脂を上手く溶解することが出来ず、樹脂溶液中に塊状において存在して、何れも、目的とするPBT樹脂の分散液を得ることが出来なかった。
次いで、かかる得られた各種のPBT樹脂分散液について、それぞれの粘度を、25℃において、B型粘度計(ロータはNo.3を使用)にて測定する一方、それぞれの分散液におけるPBT樹脂の分散状態を観察し、以下の基準に基づいて評価し、それぞれの結果を、下記表7に併せ示した。
完全溶解:液は透明で、分散物が存在していない
○ :平均粒径が10μm未満の分散粒子となっている分散液
○△ :平均粒径が10〜30μmの分散粒子の分散液
△ :平均粒径が30μmを越える大きさの分散粒子の分散液
× :樹脂が塊となり、分散しない状態
(2)PPS粉体樹脂分散液の作製
1Lのフラスコに、下記表1に示される水酸基含有ポリエステル樹脂、下記表3に示されるPPS粉体樹脂、及び下記表4に示される溶剤のそれぞれ一つを用い、更に下記表2に示されるPBT樹脂の必要な一つを用いて、それらを、水酸基含有ポリエステル樹脂の100重量部に対して、下記表8に示される割合において仕込み、加熱、攪拌しながら液温を上げて、溶解した水酸基含有ポリエステル樹脂に、PPS樹脂、更にはPBT樹脂を分散せしめた。なお、溶剤の添加量は、固形分濃度が25重量%となるように調整した。液温は、水酸基含有ポリエステル樹脂が溶解出来る温度を採用した。
また、この得られた各種のPPS粉体樹脂分散液の粘度及び分散状態を、上記と同様にして測定乃至は評価して、それらの結果を、下記表8に併せ示した。
Figure 0005646298
Figure 0005646298
Figure 0005646298
Figure 0005646298
(3)塗料の作製
上記した(1)及び(2)において得られた各種の分散液を用い、それぞれ攪拌しながら、下記表5及び表6に示される硬化剤及び硬化触媒を、それぞれ、必要に応じて、下記表7及び表8に示される条件下において添加して、実験例1〜46に係る各種の塗料を得た。なお、実験例26,29及び30については、PBT樹脂の溶液や分散液を得ることが出来なかったために、塗料の作製を断念した。
Figure 0005646298
Figure 0005646298
(4)塗料の評価
上記した(3)で作製された各種の塗料を用い、それぞれ、厚さ:0.3mmのJIS−A5182アルミニウム合金板に、バーコーターにて、1.0〜1.5g/m2 の塗布量となるように塗装した後、オーブンにて、260℃(最高到達温度)で30秒間(焼付け時間)焼き付けて、アルミニウム合金塗装板(プレコート板)を作製した。
一方、市販のPPS樹脂板を、厚さ:1mmで、サイズ:10mm×20mmの矩形に切り出し、それを、PPS材として作製した。
次いで、上記で作製されたアルミニウム合金塗装板の20mm×70mmのサイズのものを、300℃に加熱されたホットプレート上で、5分間、加熱せしめる一方、別途に作製された、上記のアルミニウム合金塗装板のサイズが20mm×70mmのものに、上記のPPS樹脂板を載置し、300℃の温度で5分間、加熱溶融させた後、直ちに、前記300℃に加熱されていたアルミニウム合金塗装板の端部に、かかるPPS樹脂板を挟むようにして載せて重ね合わせ、1kgfの荷重を掛けて5分間保持した後、ホットプレート上から取り出し、放冷することにより、各種の接着試験片を作製した。
そして、この得られた接着試験片について、引張試験機を用いて、重ね合わせた2枚のアルミニウム合金塗装板の端部を、それぞれ引張して(引張速度:50mm/分)、引張剪断接着強さを測定し、その結果を、下記表7及び表8に併せ示した。
また、前記で得られた各種のアルミニウム合金塗装板のブロッキング性を評価するために、各アルミニウム合金塗装板から、30mm×30mmの大きさの矩形の試料板を切り出し、その10枚を重ねて、圧力:6.8MPaと温度:50℃の条件下で、6時間保持した後、室温まで冷却し、そして、各試料板を手で1枚ずつ剥離して、ブロッキングの有無を評価した。そして、ブロッキングが全く認められない場合を◎、ブロッキングが実質的にないと判断される場合を○、重ね合わせた試料板の1枚でもブロッキングしている場合には×として評価し、その結果を、下記表7及び表8に併せ示した。
さらに、硬化塗膜の表面を0.05mmアルミ箔で擦り、分散体として塗膜中に存在するPBT樹脂、PPS樹脂の脱離がないか、どうかを、アルミ箔と塗膜との接触面の状態を目視にて観察することにより、塗膜形成性の評価を実施し、その結果を、下記表7及び表8に併せ示した。
○:アルミ箔表面変化なし。PBT樹脂、PPS樹脂の脱離なし。塗膜形成性良好。
×:アルミ箔正面白粉付着。PBT樹脂、PPS樹脂の脱離あり。塗膜形成性不良。
Figure 0005646298
Figure 0005646298
かかる表7及び表8の結果から明らかなように、本発明に従う実験例1〜25,31〜38,40,42〜46に係る各塗料においては、それぞれの塗装後のアルミニウム合金塗装板とPPS樹脂板との間の引張剪断接着強さが、2.1MPa以上となり、それらの間が高い接着性において接合されていることを示した。
これに対して、実験例26,29及び30の場合にあっては、PBT樹脂の分散が不充分で、塗料化することが出来ず、加えて実験例39の場合には、PPS樹脂の添加量が多いために、塗膜が形成され得ず、また、実験例27の場合にあっては、PBT樹脂やPPS樹脂が含有せしめられていないために、アルミニウム合金塗装板とPPS樹脂板との接合が出来ず、更に、実験例28,41の場合にあっては、硬化剤の使用量が多いために、アルミニウム合金塗装板とPPS樹脂板との間の接合強度が低く、そのために、引張剪断接着強さの値も低く、実用的な接合体を得ることが出来ないことが認められる。

Claims (12)

  1. ポリフェニレンサルファイド材を金属材に接合せしめるために、かかる金属材の接合面に塗布される塗料にして、
    2〜14KOHmg/gの水酸基価を有する水酸基含有ポリエステル樹脂の100重量部に対して、ポリブチレンテレフタレート樹脂を1〜400重量部の割合で用い、且つ硬化剤を0〜100重量部の割合で用いて、それらを溶剤に配合せしめ、かかる水酸基含有ポリエステル樹脂を溶解させ、更に該ポリブチレンテレフタレート樹脂を溶解乃至は微細に分散させてなる状態に調製されていることを特徴とするポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
  2. 前記ポリブチレンテレフタレート樹脂が、繊維状乃至は粉粒状の無機フィラーを含有している請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
  3. 前記水酸基含有ポリエステル樹脂が、8000以上の数平均分子量と、20℃以上のガラス転移点を有している請求項1又は請求項2に記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
  4. 前記水酸基含有ポリエステル樹脂に対して、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂と共に、更にポリフェニレンサルファイド樹脂が用いられている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
  5. 前記硬化剤が、ブロック化ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選択される請求項1乃至請求項の何れか1項に記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
  6. 前記溶剤が、イソホロン又はN−メチル−2−ピロリドンからなる単溶剤又はそれを主成分とする混合溶剤である請求項1乃至請求項の何れか1項に記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
  7. 前記水酸基含有ポリエステル樹脂と前記硬化剤の合計量に対して、硬化触媒が、更に0〜1.0重量%の割合で添加されている請求項1乃至請求項の何れか1項に記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
  8. 前記ポリブチレンテレフタレート樹脂が、加熱により前記溶剤に溶解させて得られた溶液を冷却することによって析出せしめられて、微細な固形物として分散させられている請求項1乃至請求項の何れか1項に記載のポリフェニレンサルファイド材−金属材接合用塗料。
  9. ポリフェニレンサルファイド材が接合せしめられる金属材の接合面に、請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の塗料が、0.5〜10g/m2 の塗膜量で塗装されていることを特徴とする金属材。
  10. 前記塗料の塗装によって形成された塗膜が加熱処理されて、焼き付けられている請求項に記載の金属材。
  11. 前記金属材が、アルミニウム若しくはその合金からなるアルミニウム材である請求項又は請求項10に記載の金属材。
  12. 前記ポリフェニレンサルファイド材が、射出成形操作によって、請求項乃至請求項11の何れか1項に記載の金属材上に形成されて、接合せしめられてなるポリフェニレンサルファイド材−金属材接合製品。
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