JPH04240113A - 金属含有ゼオライトおよびその製造法 - Google Patents

金属含有ゼオライトおよびその製造法

Info

Publication number
JPH04240113A
JPH04240113A JP1710191A JP1710191A JPH04240113A JP H04240113 A JPH04240113 A JP H04240113A JP 1710191 A JP1710191 A JP 1710191A JP 1710191 A JP1710191 A JP 1710191A JP H04240113 A JPH04240113 A JP H04240113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
zeolite
type
iron
faujasite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1710191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3302378B2 (ja
Inventor
Satoyuki Inui
智行 乾
Yoshiaki Ishigaki
石垣 喜章
Masami Takeuchi
正己 武内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Coke and Chemicals Co Ltd filed Critical Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Priority to JP01710191A priority Critical patent/JP3302378B2/ja
Publication of JPH04240113A publication Critical patent/JPH04240113A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3302378B2 publication Critical patent/JP3302378B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォージャサイト型ゼ
オライトの結晶骨格を構成しているAl の一部が特定
の金属原子で置換されたフォージャサイト型ゼオライト
に関するものである。また、そのようなフォージャサイ
ト型ゼオライトを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】〈ゼオライト〉ゼオライトには、結晶性
アルミノシリケートの一種であるフォージャサイト型ゼ
オライト、結晶性シリケートの一種であるZSM−5を
はじめ、多種多様のものがある。
【0003】〈フォージャサイト型ゼオライト〉結晶性
アルミノシリケートの一種であるフォージャサイト型ゼ
オライトは、三次元細孔構造を持ちかつ芳香族化合物分
子を取り込むことのできるゲージを有することから、ナ
フタレン、モノアルキルナフタレン等の芳香族炭化水素
のアルキル化触媒として利用できることが知られている
。(たとえば、特開昭63−14739号公報、特開昭
63−230645号公報、特開平1−245855号
公報、特開平1−246230号公報参照)
【0004
】特開昭63−14738号公報には、フォージャサイ
ト型ゼオライトとして脱アルミナ処理したものを用い、
ナフタレンやモノアルキルナフタレンのアルキル化を行
うことが示されている。
【0005】フォージャサイト型ゼオライト(殊にY型
ゼオライト)を金属で修飾する方法についても、いくつ
かの検討が行われている。
【0006】たとえば、特開昭63−8344号公報に
は、HY型、脱アルミニウム処理HY型、アルカリ金属
Y型、アルカリ土類金属Y型、希土類金属Y型またはV
III族金属Y型のY型ゼオライトを用いて、モノアル
キルナフタリンと低級アルコールとからジアルキルナフ
タリンを製造する方法が示されている。この公報の2頁
下段左欄の説明によれば、HY型または脱アルミニウム
処理HY型はY型ゼオライトを酸処理することにより調
製され、アルカリ土類金属Y型、希土類金属Y型または
VIII族金属Y型は、これらの金属のイオンと「イオ
ン交換」するか「含浸」することにより調製されるとし
てあり、実施例においてもそのようにして調製したゼオ
ライトを使用している。
【0007】シンポジウム「触媒研究、産学の接点を探
る」予稿集の18〜19頁には、フォージャサイト型ゼ
オライトに属するY型ゼオライトのNa をLa 、C
e 、Nd 等の希土類金属あるいはアルカリ土類金属
で「イオン交換」することによって細孔径を調節したも
のを、ナフタレンのアルキル化反応に利用することが示
されている。
【0008】また、「CHEMISTRY LETTE
RS, 1986 」の1213頁には、(a)HY型
ゼオライトを硝酸鉄(III) 水溶液で処理すること
により脱アルミニウムを行いながらFe を担持させた
鉄ゼオライト、(b)硝酸鉄(II)水溶液で処理する
ことによりイオン交換サイトに鉄を担持させた鉄イオン
交換ゼオライト、(c)水酸化鉄をゼオライト上に沈着
させた沈着鉄ゼオライトをそれぞれ用いて、トルエンの
不均化反応における触媒活性を検討した結果が示されて
いる。
【0009】上述のフォージャサイト型ゼオライトに属
するX型ゼオライトは、典型的には Na2O/Al2O3/2.5SiO2/6H2O の
組成を有し(Si/Al 原子比は1.25)、その合
成時のSiO2/Al2O3モル比は3〜5、結晶化反
応温度は100℃前後である。
【0010】また、同じくフォージャサイト型ゼオライ
トに属するY型ゼオライトは、典型的にはNa2O/A
l2O3/4.8SiO2/8H2O の組成を有し(
Si/Al 原子比は 2.4)、その合成時のSiO
2/Al2O3モル比は8〜20、結晶化反応温度は1
00℃前後である。
【0011】特開昭61−21911号公報の従来法の
説明の個所にも、一般にフォージャサイト型ゼオライト
は酸化物モル組成で、 (0.9±0.2)M2O/Al2O3/xSiO2/
wH2O(Mはここではアルカリ金属陽イオン、xは 
2.5〜6、wは6〜9)で表わされることが示されて
いる。
【0012】なおこの特開昭61−21911号公報の
発明は、シリカ源、アルミナ源およびアルカリ源よりな
る原料混合物を加熱・結晶化してフォージャサイト型ゼ
オライトを製造するに際し、予めケイ酸アルカリ水溶液
、アルミン酸アルカリ水溶液および水酸化アルカリ水溶
液を混合し熟成して得られる透明な液相物質を、該原料
混合物中に存在させるようにしたものである。
【0013】〈ZSM−5〉一方、結晶性シリケートの
一種であるZSM−5は、典型的には (0−20)M2O/(0−20)Al2O3/100
SiO2 の組成を有し(Si/Al 原子比は15以
上)、その合成時のSiO2/Al2O3モル比はたと
えば180、結晶化反応温度は150℃前後である。
【0014】特開昭57−196719号公報には、シ
リカ源、遷移金属および/またはアルミナ源、アルカリ
源、水およびジグリコールアミンを含有する反応混合物
をつくり、この混合物を結晶性シリケートが生成するに
至る時間および温度で加熱することからなる結晶性シリ
ケートの製造方法について開示があり、遷移金属につい
てはFe 、Ni 、Co 、Rh 、Ru 、Pd 
、La 、Ce 、Ti 、V、Cr 、Nb 、Ta
 が用いられるとしている。ジグリコールアミンの使用
は、遷移金属の種類に関係なく結晶度を高くし、触媒活
性を向上させるためである。なお実施例1には、水ガラ
スよりなるA液に、水と塩酸の混合物中に塩化第二鉄と
硫酸アルミニウムを溶解したB液を添加し、さらにジグ
リコールアミンを添加して反応混合物を作り、この混合
物を撹拌下に反応させて、有機化合物および結晶水を除
いた組成が0.6Na2O/0.45Fe2O3/0.
55Al2O3/77SiO2である結晶性シリケート
を製造した例が示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上にも述べたように、
フォージャサイト型ゼオライトはナフタレン、モノアル
キルナフタレン等の芳香族炭化水素のアルキル化触媒と
して知られているが、結晶内にラージゲージを有してい
るため目的物の選択性は余り高くはない上、そのゲージ
内でコークの析出が起こり、反応活性の劣化を起こしや
すい。
【0016】Y型ゼオライトを事後的に金属で修飾する
方法は、上述のラージゲージを縮小して選択性を向上さ
せようとするものである。
【0017】しかしながら、アルカリ土類金属または希
土類金属を用いてY型ゼオライトをイオン交換する方法
は、目的金属の確実な置換は不可能である上、選択率の
向上にも限度がある。またアルカリ土類金属でイオン交
換するときには、イオン交換により導入した金属が触媒
の再生時にBa CO3 等に変換するため、再使用が
不可能になるという問題点がある。
【0018】含浸法や沈着法により金属を担持させる場
合も、選択率の向上は余り期待できない。
【0019】HY型ゼオライトを硝酸鉄(III) 水
溶液で処理することにより脱アルミニウムを行いながら
Fe を担持させる方法は、Y型ゼオライトの骨格を構
成しているAl の一部が脱離するものの、均質性を欠
く上、Al の脱離した位置を確実にFe が占めると
は限らず、またFe が酸化物として細孔中にも残存し
、ゼオライトの細孔を閉塞する傾向がある。
【0020】特開昭57−196719号公報には、予
め反応混合物中に遷移金属を配合して反応させる方法が
示されているが、これは結晶性シリケートであるZSM
−5に関するものであり、結晶性アルミノシリケートで
あるフォージャサイト型ゼオライトを得ることを目的と
する本発明とは直接の関係がない。また結晶性シリケー
トを用いたときは、たとえ遷移金属を導入しても、ナフ
タレン、モノアルキルナフタレン等の芳香族炭化水素の
アルキル化反応における選択性が小さい。
【0021】本発明は、このような背景下において、結
晶骨格のうちAl の占めるべき位置の一部を特定の金
属で置換占有させたフォージャサイト型ゼオライトおよ
びその製造法を提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の金属含有ゼオラ
イトは、フォージャサイト型ゼオライトの結晶骨格を構
成するAl の一部が、鉄族またはチタン族の金属から
選ばれた少なくとも1種の金属で置換された構成を有す
るものである。
【0023】また本発明の金属含有ゼオライトの製造法
は、シリカ源、アルミナ源およびアルカリ源と共に、鉄
族またはチタン族の金属から選ばれた少なくとも1種の
金属の化合物を配合した混合物を調製し、該混合物をフ
ォージャサイト型ゼオライトが生成する条件下に加熱、
結晶化することを特徴とするものである。
【0024】以下本発明を詳細に説明する。
【0025】本発明においては、シリカ源、アルミナ源
およびアルカリ源と共に、鉄族またはチタン族の金属か
ら選ばれた少なくとも1種の金属の化合物を配合した混
合物を調製する。
【0026】シリカ源としては、ゼオライト合成に使用
されるもの、たとえば、シリカ粉末、コロイド状シリカ
、水ガラス、ケイ砂、含水固体ケイ酸などが用いられる
【0027】アルミナ源としては、硫酸アルミニウム、
アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、塩化アル
ミニウム、活性アルミナなどが用いられる。
【0028】アルカリ源としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウムなど
が用いられるが、シリカ源やアルミナ源としてアルカリ
金属塩を用いるときは、そのアルカリ金属をアルカリ源
として利用することもできる。
【0029】鉄族またはチタン族の金属から選ばれた金
属の化合物としては、Fe 、Co 、Ni またはZ
r の硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の水溶性塩が好適に用
いられ、特にFe またはZr の水溶性塩が最適であ
る。
【0030】混合物の組成は、モル比で、SiO2/A
l2O3 = 9−15 M’2O/Al2O3 = 
1.5−5H2O/M’2O = 30−55 MmOn/SiO2 = 0.001−0.15(ただ
し、Mは鉄族またはチタン族の金属、Mm On は金
属Mの酸化物型であってmおよびnは正の整数)に設定
することが好ましく、組成がこの範囲からはずれるとき
は目的とするフォージャサイト型ゼオライトが得られな
い。
【0031】混合物の調製に際しては、シリカ源および
アルカリ源の混合水溶液中に撹拌下にアルミナ源および
鉄族またはチタン族の金属の化合物の水溶液を混合する
方法、シリカ源の水溶液中に撹拌下にアルミナ源、アル
カリ源および鉄族またはチタン族の金属の化合物の水溶
液の混合水溶液を混合する方法などが好適に採用される
【0032】上記混合物をフォージャサイト型ゼオライ
トが生成する条件下に加熱、結晶化することにより、目
的とするフォージャサイト型ゼオライトが得られる。
【0033】この場合、まず主原料混合物を加温反応さ
せてスラリー状物質とした後、遠心分離および水洗を行
ってゲル状物質を得、このゲル状物質を摩砕して微細ゲ
ル状物質としてから、水を加えてスラリーとなし、この
スラリーに別途準備した結晶化促進剤を混合して結晶化
に供するようにすることが好ましい。ここで結晶化促進
剤としては、上述のシリカ源、アルミナ源およびアルカ
リ源よりなる混合水溶液を熟成したものが特に好ましく
、そのほか、微粉末固体シリカ、微粉末ゼオライトなど
を用いることもできる。なお結晶化促進剤を用いるとき
は、それが最終ゼオライト中に組み込まれることを加味
して主原料混合物組成を定めるべきである。
【0034】混合物調製時の温度は30〜80℃程度と
することが好ましい。結晶化促進剤がシリカ源、アルミ
ナ源およびアルカリ源よりなる混合水溶液であるときは
、その結晶化製剤の温度も30〜80℃程度であること
が望ましい。
【0035】結晶化反応温度は70〜110℃程度、殊
に90〜100℃程度とすることが望ましく、温度が余
りに高いと結晶化反応がはやすぎて鉄族金属またはチタ
ン族金属が所期の骨格位置に入らないことがあり、一方
温度が余りに低いと結晶化が円滑に進行しない。また、
結晶化反応時間は8〜48時間程度が適当であり、反応
時間が短すぎると結晶化が不充分となり、反応時間が長
すぎると、一度骨格に入った金属が追い出されたりする
ことがある上、生産性の点で不利となる。
【0036】結晶生成後は固液分離を行い、充分に水洗
してから乾燥させる。これにより目的とする結晶物が得
られる。
【0037】得られた結晶物に対しては、空気雰囲気下
に300〜700℃、殊に350〜600℃程度の温度
条件にて20分〜5時間程度焼成を行う。これにより、
酸化物組成が       (0.1−0.15)Al2O3/(0.
6−0.8)SiO2/(0.1−0.2)M’2O/
(0.001−0.1)MmOn (ただし、M’ は
アルカリ金属、Mは鉄族またはチタン族の金属、Mm 
On は金属Mの酸化物型であってmおよびnは正の整
数、かっこ内の数値はモル組成)であるフォージャサイ
ト型ゼオライトが得られる。
【0038】そして通常は、その焼成物に対し酸処理を
行って水素型にするか、NH4 型にした後、空気中で
焼成して水素型にするか、焼成物に対してイオン交換を
行ってNH4 型に変換した後、さらに水蒸気雰囲気下
に500〜900℃程度の温度で10分〜3時間程度水
蒸気雰囲気下で焼成することにより水素型とする。水蒸
気雰囲気下に焼成することは、若干の脱Al が生じて
結晶がわずかに変形し、芳香族炭化水素のアルキル化の
点で好ましいものとなる。また、このようにして得た水
素型のゼオライトに、イオン交換法や含浸法あるいは沈
着法により、さらに鉄族金属やチタン属金属あるいはそ
の他の金属を担持させることもできる。
【0039】上記の焼成後の結晶物またはNH4 型や
H型に変換後の結晶物は、成型、造粒または破砕を行う
ことにより、適当な形状、粒径に調節することができる
【0040】上記の方法により製造されたフォージャサ
イト型ゼオライトは、ナフタレンやモノアルキルナフタ
レン等の芳香族炭化水素のアルキル化触媒として特に有
用であり、そのほか、各種の触媒、吸着分離剤、分子篩
剤、担体、その他の用途に使用することができる。
【0041】
【作用および発明の効果】本発明においては、シリカ源
、アルミナ源およびアルカリ源と共に鉄族金属またはチ
タン属金属を予め原料混合物中に配合した状態で結晶化
反応に供しているので、フォージャサイト型ゼオライト
の結晶骨格を構成するAl の一部が、鉄族またはチタ
ン族の金属で置換占有されている。
【0042】そのため、一般のフォージャサイト型ゼオ
ライトの有するラージゲージを縮小することができ、た
とえばナフタレン、モノアルキルナフタレン等の芳香族
炭化水素のアルキル化触媒として用いた場合、目的物の
選択性が顕著に向上する。また、細孔内に目的金属の酸
化物が残存したり、ゲージ内でのコークの析出が生じた
りするおそれがなく、触媒寿命が長くなる。
【0043】このようなすぐれた効果は、イオン交換法
、含浸法(または沈着法)、脱アルミニウムを行いなが
ら鉄を担持させる方法などY型ゼオライトを事後的に金
属で修飾する方法によっては得られないものである。
【0044】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。使用した水はいずれもイオン交換水である。
【0045】実施例1 硫酸アルミニウム51gを水100gに溶解させた水溶
液と、硝酸鉄18.6gを水40gに溶解させた水溶液
とを混合し、A液とした。
【0046】ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス3号)
207gと、水酸化ナトリウム 5.8gを水152g
に溶解させた水溶液とを混合し、B液とした。
【0047】A液およびB液を60℃に加熱し、B液を
ホモジナイザー撹拌器で撹拌しながらそこにA液を添加
し、反応を開始させた。反応開始後30分間撹拌を続け
てスラリー状物質を得た。
【0048】このスラリー状物質を遠心分離器を用いて
ゲル状物質と水とに分離し、分離したゲル状物質に水を
加え、再び遠心分離を行うと共に、洗浄液中にSO42
− が検出されなくなるまで水洗を繰り返した。ついで
、得られたゲル状物質をらいかい機を用いて磨砕し、微
細ゲル状物質を得た。
【0049】一方、アルミン酸ナトリウム8gを水22
gに溶解した水溶液と、水酸化ナトリウム28gを水4
4gに溶解した水溶液とを混合し、30℃に保った。こ
の混合液に、同様に30℃に保ったケイ酸ナトリウム水
溶液(水ガラス3号)82.8gを加え、ゆっくり撹拌
しながら40℃に昇温してこの温度に60分間保って熟
成し、結晶化促進剤としての水溶液(C液)を調製した
【0050】先に得た微細ゲル状物質100g(水分7
1.4重量%)に水63gを加え、ホモジナイザー撹拌
器で充分に撹拌しながら、上記で調製したC液を53g
加え、30分間撹拌して結晶化用スラリーを得た。この
結晶化用スラリーをフッ素樹脂製の密閉式容器に入れ、
95℃の恒温器の中で24時間静置し、結晶化させた。 結晶化終了後、遠心分離器で固液を分離し、充分に水洗
後、110℃で乾燥させた。
【0051】なお、結晶化促進剤を含めた混合物の組成
は、モル比で、 SiO2/Al2O3 = 10  Na2O/Al2O3 = 3.3 H2O/Na2O = 43  Fe2O3/SiO2 = 0.017となる。
【0052】得られた結晶物のX線回析図を図1に示す
。図1のピークから、得られた結晶物はフォージャサイ
ト型ゼオライトであることが確認できる。
【0053】次に、上記で得た結晶物を空気雰囲気下に
おいて540℃で3時間焼成した。焼成後の酸化物組成
は、 0.122Al2O3/0.719SiO2/0.14
3Na2O/0.017Fe2O3 であった。
【0054】この焼成物につき1N−NH4 NO3 
溶液を用いて80℃でイオン交換を2回行った後、遠心
分離器で固液分離し、110℃で乾燥させた。
【0055】得られたNH4 型結晶物を水蒸気雰囲気
下に700℃で1時間焼成した後、再び1N−NH4 
NO3 溶液を用いて上記と同じ条件でイオン交換を行
った後、水蒸気雰囲気下において上記と同じ条件で焼成
を行った。これにより、水素型の鉄含有ゼオライトが得
られた。
【0056】この鉄含有ゼオライトのSiO2/Al2
O4モル比は 4.9、Na2O含有量は 0.8重量
%、Fe2O3 含有量は 4.8重量%であった。
【0057】また、得られた鉄含有ゼオライトのESR
(電子スピン共鳴)スペクトル分析の結果は図2の曲線
1の如くであった。g=4.3 付近に現われる上向き
のピークはゼオライトの骨格構造に取り込まれたFe3
+ を示す。g=2.3 付近には不純物としてゼオラ
イト結晶内外に存在するFe2O3 が現われることに
なるが、上記で得た鉄含有ゼオライトにはこのような遊
離のFe2O3 は実質的に存在していないことがわか
る。
【0058】比較例1 市販のY型ゼオライトを 0.3N−Fe(NO3)3
 水溶液を用いて80℃、1時間の条件にて2回イオン
交換させた後、空気雰囲気下に540℃で3時間焼成し
た。
【0059】この鉄イオン交換ゼオライトの電子スピン
共鳴スペクトル分析の結果を図2の曲線2に示す。g=
4.3 付近に現われる上向きのピークはゼオライトの
骨格構造に取り込まれたFe3+ を示すが、曲線1に
比較するとピークのシャープさが減少していることがわ
かる。またg=2.3 付近に下向きのなだらかなピー
クがあることから、不純物としてゼオライト結晶内外に
存在するFe2O3 が相当量あることがわかる。
【0060】実施例2 アルミン酸ナトリウム20gを水40gに溶解させた水
溶液(A液)、硝酸鉄6.1gを水20gに溶解させた
水溶液(B液)、およびケイ酸ナトリウム水溶液(水ガ
ラス3号)207gに水40gを加えた水溶液(D液)
をいずれも60℃に加温し、D液をホモジナイザー撹拌
器で撹拌しながら、これにA液とB液とを同時に添加し
、反応を開始させた。反応開始後30分間撹拌を続けて
スラリー状物質を得た。
【0061】このスラリー状物質につき、実施例1と同
様にして遠心分離、水洗を繰り返してから摩砕を行い、
微細ゲル状物質を得た。
【0062】この微細ゲル状物質100g(水分62重
量%)に水41gと水ガラス71gを加え、ホモジナイ
ザー撹拌器で充分に撹拌しながら、実施例1で用いたC
液を17.4g加え、30分間撹拌して結晶化用スラリ
ーを得た。この結晶化用スラリーをフッ素樹脂製の密閉
式容器に入れ、95℃の恒温器の中で17時間静置し、
結晶化させた。結晶化終了後、遠心分離器で固液を分離
し、充分に水洗後、110℃で乾燥させた。
【0063】なお、結晶化促進剤を含めた混合物の組成
は、モル比で、 SiO2/Al2O3 = 10 Na2O/Al2O
3 = 3H2O/Na2O = 40  Fe2O3/SiO2 = 0.018となる。
【0064】得られた結晶物のX線回析図から、この結
晶物はフォージャサイト型ゼオライトであることが確認
できた。
【0065】さらに実施例1と同様にして空気雰囲気下
の焼成を行った。焼成後の酸化物組成は、0.13Al
2O3/0.72SiO2/0.14Na2O/0.0
067Fe2O3 であった。
【0066】この焼成物につき、実施例1と同様にして
NH4 型結晶の取得、水蒸気雰囲気下での焼成を行い
、水素型の鉄含有ゼオライトを得た。
【0067】この鉄含有ゼオライトのSiO2/Al2
O3モル比は 5.8、Na2O含有量は 0.0重量
%、Fe2O3 含有量は 1.5重量%であった。
【0068】実施例3 実施例1で得られた水素型鉄含有ゼオライト10gを、
 0.1N−Fe(NO3)3 ・9H2 O)水溶液
300ccを用いて80℃、1時間処理する操作を2回
繰り返した後、110℃で乾燥し、さらに空気雰囲気下
において540℃で3時間焼成を行い、鉄イオン交換−
鉄含有ゼオライトを得た。
【0069】この鉄イオン交換−鉄含有ゼオライトのS
iO2/Al2O3モル比は 6.3、Fe2O3 含
有量は11.5重量%であった。
【0070】実施例4 実施例2の硝酸鉄の代わりに硝酸ジルコニウム 2.6
gを水46gに溶解した水溶液(B液)を用い、結晶化
時間を16時間としたほかは、実施例2を繰り返した。
【0071】得られた結晶物のX線回析図から、この結
晶物はフォージャサイト型ゼオライトであることが確認
できた。
【0072】さらに実施例2と同様にして空気雰囲気下
の焼成、NH4 型結晶の取得、水蒸気雰囲気下での焼
成を行い、水素型のジルコニウム含有ゼオライトを得た
【0073】このジルコニウム含有ゼオライトのSiO
2/Al2O3モル比は 5.0、Zr2O4 含有量
は1.9重量%であった。
【0074】応用例 実施例1〜4で得た金属含有フォージャサイト型ゼオラ
イトを圧縮成形した後、26〜42メッシュに揃えた。
【0075】このようにして得た触媒1gを石英製反応
管に充填し、空気気流中にて360℃で1時間加熱した
後、窒素気流(1.2リットル/hr)に切り替え、β
−メチルナフタレンとメタノールとの重量比で1:1の
混合物を温度300℃、流量3g/hrの条件で反応器
に通じ、メチル化反応を行った。
【0076】反応生成物をガスクロマトグラフィーによ
り分析(面積比による定量分析)した結果は、次の通り
であった。転化率とあるのはβ−メチルナフタレンの転
化率、選択率とあるのはジメチルナフタレンの選択率で
ある。
【0077】
【0078】比較例1は転化率はよいが選択率が低く、
工業化に際しては実施例の方がすぐれていることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた結晶物のX線回析図である
【図2】実施例1および比較例1で得られた鉄含有ゼオ
ライトの電子スピン共鳴スペクトル分析結果を示したも
のである。
【符号の説明】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フォージャサイト型ゼオライトの結晶骨格
    を構成するAl の一部が、鉄族またはチタン族の金属
    から選ばれた少なくとも1種の金属で置換された構成を
    有する金属含有ゼオライト。
  2. 【請求項2】酸化物組成が       (0.1−0.15)Al2O3/(0.
    6−0.8)SiO2/(0.1−0.2)M’2O/
    (0.001−0.1)MmOn (ただし、M’ は
    アルカリ金属、Mは鉄族またはチタン族の金属、Mm 
    On は金属Mの酸化物型であってmおよびnは正の整
    数、かっこ内の数値はモル組成)である請求項1記載の
    金属含有ゼオライト。
  3. 【請求項3】鉄族またはチタン族の金属がFe 、Co
     、Ni またはZr である請求項1または2記載の
    金属含有ゼオライト。
  4. 【請求項4】シリカ源、アルミナ源およびアルカリ源と
    共に、鉄族またはチタン族の金属から選ばれた少なくと
    も1種の金属の化合物を配合した混合物を調製し、該混
    合物をフォージャサイト型ゼオライトが生成する条件下
    に加熱、結晶化することを特徴とする金属含有ゼオライ
    トの製造法。
  5. 【請求項5】調製した混合物の組成が、モル比で、Si
    O2/Al2O3 = 9−15 M’2O/Al2O
    3 = 1.5−5H2O/M’2O = 30−55 MmOn/SiO2 = 0.001−0.15(ただ
    し、M’ はアルカリ金属、Mは鉄族またはチタン族の
    金属、Mm On は金属Mの酸化物型であってmおよ
    びnは正の整数)である請求項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】結晶物の酸化物組成が       (0.1−0.15)Al2O3/(0.
    6−0.8)SiO2/(0.1−0.2)M’2O/
    (0.001−0.1)MmOn (ただし、M’ は
    アルカリ金属、Mは鉄族またはチタン族の金属、Mm 
    On は金属Mの酸化物型であってmおよびnは正の整
    数、かっこ内の数値はモル%)である請求項4記載の製
    造法。
JP01710191A 1991-01-16 1991-01-16 金属含有ゼオライトおよびその製造法 Expired - Fee Related JP3302378B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01710191A JP3302378B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 金属含有ゼオライトおよびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01710191A JP3302378B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 金属含有ゼオライトおよびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04240113A true JPH04240113A (ja) 1992-08-27
JP3302378B2 JP3302378B2 (ja) 2002-07-15

Family

ID=11934624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01710191A Expired - Fee Related JP3302378B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 金属含有ゼオライトおよびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3302378B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006054447A1 (ja) * 2004-11-22 2006-05-26 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 鉄含有結晶性アルミノシリケート及び該アルミノシリケートを含む水素化分解触媒並びに該触媒を用いる水素化分解法
JP2006247460A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 吸着剤の製造方法
JP2007238361A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Chubu Electric Power Co Inc 鉄成分含有型人工ゼオライトの製造方法及び鉄成分含有型人工ゼオライト

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006054447A1 (ja) * 2004-11-22 2006-05-26 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 鉄含有結晶性アルミノシリケート及び該アルミノシリケートを含む水素化分解触媒並びに該触媒を用いる水素化分解法
JPWO2006054447A1 (ja) * 2004-11-22 2008-05-29 出光興産株式会社 鉄含有結晶性アルミノシリケート及び該アルミノシリケートを含む水素化分解触媒並びに該触媒を用いる水素化分解法
US7674367B2 (en) 2004-11-22 2010-03-09 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Iron-containing crystalline aluminosilicate, hydrocracking catalyst comprising the aluminosilicate, and method of hydrocracking with the catalyst
JP5231735B2 (ja) * 2004-11-22 2013-07-10 出光興産株式会社 鉄含有結晶性アルミノシリケート及び該アルミノシリケートを含む水素化分解触媒並びに該触媒を用いる水素化分解法
JP2006247460A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 吸着剤の製造方法
JP2007238361A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Chubu Electric Power Co Inc 鉄成分含有型人工ゼオライトの製造方法及び鉄成分含有型人工ゼオライト

Also Published As

Publication number Publication date
JP3302378B2 (ja) 2002-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108178164B (zh) 一种多级孔zsm-5分子筛及其制备方法和其制备px催化剂的方法
US7658909B2 (en) Process for preparing a beta zeolite
DK159548B (da) Zeolitter, fremgangsmaade til fremstilling heraf samt katalysator omfattende zeolitmaterialet
WO1991006367A2 (en) Zeolite l
EA000242B1 (ru) Цеолит ers-10 и способ его приготовления
CN106395851B (zh) 一种含Ba杂原子LTL分子筛及其制备方法与应用
WO2005030909A1 (en) Crystalline aluminosilicates: uzm-13, uzm-17, uzm-19 and uzm-25
JPH0788217B2 (ja) 合成ゼオライト物質及びその製法
US5338525A (en) MFI-type zeolite and its preparation process
JPS58204817A (ja) 結晶性アルミノシリケ−トゼオライトの製造法
JP2002509477A (ja) アルキル化触媒およびその応用
JP2001058816A (ja) NaY型ゼオライト
US5304601A (en) Catalysts based on a faujasite and its application
JP3302378B2 (ja) 金属含有ゼオライトおよびその製造法
JPS6144805B2 (ja)
US11472711B2 (en) Process for preparing an IZM-2 zeolite in the presence of a mixture of nitrogenous organic structuring agents in hydroxide form and of bromide and of an alkali metal chloride
JPS61200928A (ja) 低級オレフインの製造方法
CN109694090A (zh) Scm-13分子筛及其制备方法
JPH0321529B2 (ja)
US5756064A (en) Siliceous offretite
JPH04360842A (ja) モノまたは/およびジアルキルナフタレンの製造方法
JPH035436B2 (ja)
JPH0249246B2 (ja)
JPH04360841A (ja) モノまたは/およびジアルキルナフタレンの製造法
JPS58110419A (ja) 結晶性アルミノシリケ−トゼオライト及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020409

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080426

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090426

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090426

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100426

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees