JPH0423862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、複写装置、印刷装置等に組み込まれ
る給紙装置に係り、特に傾動型の給紙台を有する
給紙装置に係る。

従来の技術 複写装置、印刷装置等に組み込まれる給紙装置
の一つとして、用紙を積載される給紙台と、給紙
台ローラと、前記給紙台を前記給紙ローラへ向け
て付勢するばねの如き付勢手段とを有し、前記給
紙台が給紙方向後縁の近傍部にて機枠より枢支さ
れてこの枢支点を中心として傾動するように構成
された、所謂給紙台傾動型の給紙装置が既に知ら
れており、この種の給紙装置は例えば特開昭56−
149929号公報に示されている。

上述の如き給紙装置に於ては、前記給紙台上に
積載された用紙のうち最上位にあるものが前記付
勢手段による付勢力によつて給紙ローラに押し付
けられ、前記給紙ローラが回転することによつて
前記給紙台上の用紙がその最上位にあるものより
送り出される。

考案が解決しようとする問題点 上述の如き給紙装置に於ては、給紙台上の用紙
が送り出されることによつて給紙台に於ける用紙
積載量が減少することに応じて給紙台が前記枢支
点を中心としてその給紙方向前縁が給紙ローラに
近付くべく上方へ向けて移動し、これにより給紙
台はその用紙積載量の低減に伴い水平状態に近付
くようになる。このため給紙台の用紙積載量が多
い時には給紙台が比較的大きく前下がり傾斜して
いることにより給紙台の給紙方向前縁に隣接した
位置より給紙方向へ延在する給紙板と給紙台との
相対傾斜角が大きくなり、この時には前記給紙板
が給紙台より給紙ローラによつて送り出される用
紙に対し衝突板として有効に作用して用紙の捌き
を助け、この時には用紙の重送が生じにくいが、
しかし給紙台の用紙積載量が低減するに従つて前
記相対傾斜角が減少し、前記給紙板が衝突板とし
て有効に作用する度合が減少することにより用紙
捌きの不良により用紙の重送が生じ易くなる傾向
がある。

上述の如き不具合を避けるためには用紙積載量
の変化に対する給紙台の傾斜角の変動量を小さく
すべく給紙台の枢支点が前記給紙方向前縁より可
及的に遠ざけられればよいが、しかしそれにはス
ペース的な限度がある。また給紙台は、多くの場
合、印刷装置のカバープレートの一部を兼ねてい
るため給紙台の枢支点位置はおのずと限定され、
このため前記枢支点位置を前記給紙台前縁よりさ
ほど遠ざけることができないのが現状である。

本考案は上述の如き問題点を解決した改良され
た給紙装置を提供することを目的としている。

問題点を解決するための手段 上述の如き目的は、本考案によれば、用紙を積
載される給紙台と、前記給紙台の給紙方向前縁に
隣接した位置より給紙方向へ延在する給紙板と、
給紙ローラと、前記給紙台を前記給紙ローラへ向
けて付勢する付勢手段とを有する給紙装置に於
て、前記給紙台の給紙方向前縁より給紙方向へ変
位した位置にて機枠より枢支されたレバー要素を
有し、前記レバー要素に前記給紙台が取付けられ
ていることを特徴とする給紙装置によつて達成さ
れる。

考案の作用及び効果 上述の如き構成によれば、給紙台はレバー要素
の枢支点を中心として傾動し、前記レバー要素は
複写装置或いは印刷装置の内部を横切つて延在
し、これの枢支点は給紙台が設けられている側と
は反対の側に給紙台より遠ざかつた位置に設定さ
れてよいから、給紙台の回動半径の拡大に複写装
置或いは印刷装置自身の必要スペースが有効に利
用され、これら装置が大型化されなくとも前記給
紙台の回動半径が大きくなり、この回動半径の増
大に伴い給紙台の用紙積載量の変化に対する給紙
台の傾斜角の変動量が小さくなり、用紙積載量の
変化によつて用紙送り出し状態が大きく変化する
ことが回避され、用紙積載量の変化に拘らず前記
給紙板が衝突板として常に有効に作用するように
なり、これにより常に安定した給紙が行われるよ
うになる。

実施例 第１図乃至第３図は本考案による給紙装置の一
つの実施例を示している。

図に於て、１０は円筒状版胴を、１２はプレス
ローラを、１４及び１６はレジストローラを各々
示しており、これらは機枠の一部を成す側板１８
より回転可能に支持されている。

側板１８には枢軸２０によりレバー要素２２の
一端部が回動可能に取付けられている。レバー要
素２２は、一端部を枢軸２０によつて側板１８よ
り枢支され、他端部にて給紙台２４を担持してい
る。給紙台２４は、レバー要素２０に直接取付け
られた前部給紙台２６と、一端を枢軸２８により
レバー要素２０に折畳み可能に連結された後部給
紙台３０とを有し、後部給紙台３０は、第３図に
示されている如く、枢軸２８を中心として回動さ
れて、即ち折り畳まれてカバープレートとして作
用するようになつている。尚、後部給紙台３０は
レバー要素２２に設けられたストツパ片３２と当
接することにより図にて反時計廻り方向の回動を
規制され、自重によりストツパ片３２に当接して
前部給紙台２４と直線的に連続するようになつて
いる。

レバー要素２２の枢軸２０は、給紙台２４上の
用紙積載量の変化による給紙台２４の傾斜角の変
動量が可及的に少なくなるよう給紙台２４の給紙
方向前縁より可及的に遠ざかつた位置に設けられ
ていて良い。

給紙台２４の給紙方向前方には、その前縁、即
ち図にて最右端に隣接した位置にて実質的に垂直
方向に延在する前部衝壁板３４と、該前部衝壁板
の上端部より給紙方向へ向けて、即ちレジストロ
ーラ１４及び１６の側へ向けて少し上り勾配に傾
斜して延在する給紙板３６とが設けられている。

給紙台２４の給紙方向前縁と前部衝壁板３４及
び給紙板３６との境界部の上方には給紙ローラ３
８が側板１８より回転可能に支持されている。給
紙板３６のうちこれが給紙ローラ３８と対向する
部分には開口部（図示省略）が設けられており、
この開口部には紙捌きパツド４２が配設されてい
る。紙捌きパツド４２はばね４４により給紙ロー
ラ３８の外周面へ向けて付勢されている。

レバー要素２２と側板１８との間には引張コイ
ルばね４６が設けられており、この引張コイルば
ね４６は付勢手段として作用してレバー要素２２
及び給紙台２４を枢軸２０の周りに図にて時計廻
り方向、即ち給紙ローラ３８の側へ向けて付勢し
ている。

給紙台２４上に積載された用紙Ｐは、その前端
縁を前部衝壁３４に突き当てられることにより給
紙方向の位置決めをなされ、引張コイルばね４６
のばね力により給紙台２４がレバー要素２２と共
に給紙ローラ３８の外周面へ向けて付勢されるこ
とにより給紙台２４上に積載されている用紙Ｐの
うち最上位にあるものの前端近傍部が給紙ローラ
３８の外周面に押し付けられ、給紙ローラ３８が
図にて反時計廻り方向に回転駆動されることによ
りその最上位にある用紙Ｐが給紙台２４より給紙
板３６に案内されてレジストローラ１４及び１６
へ向けて送り出されるようになつている。

給紙台２４は、第１図に示されている如く、許
容最大量の用紙Ｐが積載されて給紙ローラ３８よ
り引き離された位置ある時も前下がりの傾斜角を
有するように設定されており、これにより給紙台
２４より給紙ローラ３８によつてレジストローラ
１４及び１６へ向けて送り出される用紙は紙捌き
パツド４２によつて紙捌き作用を受けると共に給
紙台２４より給紙板３６に移行する際に給紙台２
４と給紙板３６との相対的傾斜角に従つて折れ曲
がつて進行するようになり、これにより給紙板３
６がその用紙に対し衝突板として有効に作用し、
用紙の捌きが助けられ、用紙の重送が生じること
が回避される。

給紙台２４上の用紙が減少すると、給紙台２４
は、第２図に示されている如く、引張コイルばね
４６のばね力によりレバー要素２２と共に枢軸２
０を中心として回動し、これにより給紙台２４上
の用紙積載量が低減するに伴い給紙台２４の給紙
板３６に対する傾斜角が増大し、給紙台２４上の
用紙積載量が低減するに従つて給紙板３６がます
ます給紙台２４より送り出されてくる用紙Ｐに対
し衝突板として有効に作用するようになり、用紙
の重送が生じることが回避される。

以上に於ては、本考案を特定の実施例について
詳細に説明したが、本考案は、これに限定される
ものではなく、本考案の範囲内にて種々の実施例
が可能であることは当業者にとつて明らかであろ
う。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による給紙装置の一つの実施例
を給紙台上の用紙積載量が多い時の状態を示して
おり、第２図は給紙台上の用紙積載量が少ない時
の状態を示しており、また第３図は給紙台が折畳
まれた時の状態を示している。 １０……円筒状版胴、１２……プレスローラ、
１４，１６……レジストローラ、１８……側板、
２０……枢軸、２２……レバー要素、２４……給
紙台、２６……前部給紙台、２８……枢軸、３０
……後部給紙台、４２……紙捌きパツド、４４…
…ばね、４６……引張コイルばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 用紙を積載される給紙台と、前記給紙台の給紙
   方向前縁に隣接した位置より給紙方向へ延在する
   給紙板と、給紙ローラと、前記給紙台を前記給紙
   ローラへ向けて付勢する付勢手段とを有する給紙
   装置に於て、前記給紙台の給紙方向前縁より給紙
   方向へ変位した位置にて機枠より枢支されたレバ
   ー要素を有し、前記レバー要素に前記給紙台が取
   付けられていることを特徴とする給紙装置。