JPH0422725Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はエツクス線CTスキヤナやポジトロ
ンエミツシヨンCTスキヤナのようなCTスキヤナ
にたいする寝台装置に関している。

〔従来技術〕

この種の寝台装置において、天板を設置されて
いる支持部材が等長平行リンクの一端に連結され
ていると共に、等長平行リンクの他端が基台上で
水平移動する台に連結され、等長平行リンクの長
さの二分の一の長さをもつ制御リンクが両端を等
長平行リンクの中点と基台上で水平移動するもう
ひとつの移動台とに連結されていて、後者の移動
台を水平移動させ、制御リンクを移動台上の支点
を中心にして回転させて、支持部材をある高さま
で上昇させると共に、前者の移動台を水平移動さ
せ、平行等長リンクの移動台上の支点を移動させ
つつ、この支点を中心に回転させることで、途中
から天板を真直ぐに上昇させるようにしたもの
は、すぐに提供されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この寝台装置において、ふたつの移動台はそれ
ぞれが基台に設置されたガイドレールに案内され
ていると共に、それぞれが独立した油圧シリンダ
によつて移動されるようになつている。しかし、
ふたつの移動台が移動するためのスペースおよび
油圧シリンダにたいするスペースを確保しなけれ
ばならないため、基台の全長がかなり長くなり、
寝台装置全体が大形化している。

本考案は、よりシンプルにかつよりコンパクに
構成することができる、改良されたCTスキヤナ
用寝台装置を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のCTスキヤナ用寝台装置は、制御リン
ク自体を油圧シリンダなどのパワーシリンダによ
つて構成し、制御リンクを水平移動させる移動
台、移動台の案内機構、移動台を動かす油圧シリ
ンダなどを不要にさせて、基台を小さくさせ、構
造をよりシンプルなものにすると共に、よりコン
パクトに構成することができるようにさせたもの
である。

本考案の寝台装置の実施例は、以下に、添付図
面にしたがつて説明する。

〔実施例〕

図面において、参照符号１１は床などに設置さ
れる基台、１２は被検体を寝載する天板が設置さ
れる支持部材を示している。

基台１１には移動台１３が取り付けられてい
る。移動台は側面に車輪１４，１５を取り付けら
れている。これらの車輪は基台１１に敷設された
レール部材１６に載せられていて、移動台を基台
上で直線移動させることができるようにさせてい
る。基台の端面と移動台との間には油圧シリンダ
１７が配設されている。この油圧シリンダは移動
台の移動をなさせるためのもので、ケースおよび
ロツドがそれぞれ基台と移動台とにピンによつて
連結されている。

支持部材１２と移動台１３とはこれらの両側面
に配置されて等長平行リンクによつて連結されて
いる。リンク１８およびリンク１９は一組の等長
平行リンクを構成するリンクを示している。これ
らのリンクのうちリンク１８は一端が支持部材側
面にある軸２０に軸受を介在して取り付けられ、
他端が移動台の側面にある軸２２に軸受を介在し
て取り付けられている。リンク１９は一端が支持
部材の側面にある軸２１に軸受を介在して連結さ
れ、他端が移動台の側面にある軸２３に軸受を介
在して連結されている。反対側面にある等長平行
リンクを構成するリンクの各々はリンク１８，１
９に平行に配置され、同様にして支持部材と移動
台とに連結されている。

さらに、リンク１８および反対側側面にある等
長平行リンクにおけるリンク１８に対応するリン
クは、基台１１にたいして油圧シリンダ２４によ
つて連結されている。油圧シリンダ２４はロツド
がリンク１８の長さの二分の一まで伸長させるこ
とができるもの、より厳密には軸２５と軸２７と
の距離がリンク１８軸２０と軸２３との距離の二
分の一の長さになるまでロツドを伸長させること
ができるものからなつていて、ロツドがリンク１
８の中点に配置されかつリンク１８と反対側の等
長リンクにおけるリンクとを連結している軸２５
に軸受を介在して連結され、ケースが基台に設置
された台２６にある軸２７に軸受を介在して連結
されている。

図面は天板がもつとも低い位置H₁にある状態
を示している。天板の上昇は、まず油圧シリンダ
２４がロツドを伸長させることによつて開始され
る。油圧シリンダ２４のロツドが伸びると、リン
ク１８が軸２２を中心に反時計方向に回転され、
支持部材１２がリンク１８，１９によつて左に移
動しつつ上昇される。支持部材１２が高さH₁か
ら高さH₂まで上昇されると、油圧シリンダ２４
の作動が停止し、同時に油圧シリンダ１７が作動
させられる。

油圧シリンダ１７のロツドが伸長されると、移
動台１３はレール部材１６にそつて右方向に水平
移動され、リンク１８が移動台１３と一緒に右に
水平移動されつつ軸２２を中心にして反時計方向
に回転され、支持部材１２がさらに上昇させられ
る。このときに、油圧シリンダ２４はリンク１８
の中点２５に連結され、インク１８の長さの二分
の一まで伸長されているので、軸２０，２１は移
動台１３の水平移動にともなつて真直ぐに直線移
動させられ、高さH₂から高さH₃まで真直ぐに支
持部材１２を上昇させることができる。

支持部材１２の下降は、これとは逆に、油圧シ
リンダ１７が移動台１３を左に移動させて、高さ
H₃からH₂まで支持部材１２を真直ぐに下降させ
たあと、油圧シリンダ２４が作動して、さらに高
さH₁まで支持部材を下降させることによつてな
される。

本考案による寝台装置は、このように、等長平
行インク１８，１９の回転を油圧シリンダ２４に
よつて直接になさせ、従来装置における制御リン
クを水平移動させるための移動台、これを案内す
るレールなどを必要とせず、しかもこの移動台を
動かす水平配置された油圧シリンダも必要としな
いので、基台１１の全長が短くなり、寝台装置全
体をコンパクトに構成させることができる。さら
に、等長平行リンクを回転させる油圧シリンダ２
４は基台１１にたいする角度が従来装置における
制御リンクを回転させる移動台を水平移動させる
油圧シリンダに比較して大きくなり、油圧シリン
ダ２４にたいする負荷を小さくすることができる
ので、油圧シリンダ２４を小型化することがで
き、しかも前述のように部品点数も少なくするこ
とができるので、低コストでもつて製作すること
ができ、そして油圧シリンダ２４の小型化によつ
て、ランニングコストも小さくさせることができ
る。

なお、以上述べた実施例において、リンク１８
は油圧シリンダ２４によつて回転されているが、
他の構成をもつパワーシリンダ、たとえば空気圧
シリンダやねじによる伸縮機構を具備しているシ
リンダによつてなさせてもよく、移動台１３も油
圧シリンダ以外の駆動手段によつて移動させるよ
うにしてもよい。

〔考案の効果〕

本考案のCTスキヤナ用寝台装置は、以上述べ
たように、基台と、支持部材と、基台に直線移動
可能に設置された移動台と、移動台の前記移動を
なすために移動台と基台との間に配設された駆動
手段と、支持部材と移動台とに連結された等長平
行リンクと、等長平行リンクを構成しているリン
クの一方と移動台とに連結されたパワーシリンダ
とを具備し、後者のパワーシリンダがすくなくて
も等長平行リンクの二分の一の長さまで伸長しう
るものからなつていると共に、前記リンクの中点
および基台に連結されていて、従来装置における
制御リンクを水平移動させる移動台、移動台の案
内機構などを不要にさせ、しかも移動台を動かす
水平配置された油圧シリンダを必要としないよう
にさせているので、よりコンパクトにかつシンプ
ルに構成することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案のCTスキヤナの寝台装置の一実
施例の構成を示す側面図である。 １１……基台、１２……支持部材、１３……移
動台、１７……駆動機構、１８，１９……等長平
行リンク、２４……パワーシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台と、支持部材と、基台に直線移動可能に設
   置された移動台と、移動台の前記移動をなすため
   に移動台と基台との間に配設された駆動手段と、
   支持部材と移動台とに連結された等長平行リンク
   と、等長平行リンクを構成しているリンクの一方
   と移動台とに連結されたパワーシリンダとを具備
   し、パワーシリンダがすくなくても等長平行リン
   クの二分の一の長さまで伸長しうるものからなつ
   ていると共に、前記リンクの中点および基台に連
   結されていること、を特徴としているCTスキヤ
   ナの寝台装置。