JPH04216312A - 薄膜磁気ヘッド及び磁気記録または再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は薄膜磁気ヘッド及びこ
れを用いた磁気記録または再生装置に関し、特に薄膜磁
気ヘッドとして複数の磁気コアを具えるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】コンピュータの外部記憶装置や画像記録
装置等として使用される磁気ディスク装置は、近年更な
る高記録密度化への要求が多大である。

【０００３】例えば、外部メモリーとして広く使用れて
いるフロッピーディスク装置においては、これまで高記
録密度化の手段としては記録波長を短小化し、線記録密
度を向上させることが行われてきた。

【０００４】一方近年はこれに加えて、トラック方向の
密度を高め、さらに高記録密度化を達成することが検討
されている。

【０００５】この時高トラック密度（狭トラックピッチ
）での記録再生が可能な装置で従来の低トラック密度（
広トラックピッチ）の記録再生も行ない得る様にするこ
と、即ち下位フォーマットとの記録再生互換（以下下位
完全互換と称する）をとるための方法として次の様な方
法が考えられている。

【０００６】図８は、上述の下位完全互換をとるために
使用する従来の磁気ヘッドの構成例に係る媒体摺動面概
略図で、電子情報通信学会技術研究報告ＭＲ９０−３３
に開示されている例である。

【０００７】図中共通のスライダ１に上位フォーマット
（高トラック密度）の記録再生用コア（上位コア）２と
下位フォーマット（低トラック密度）の記録再生用コア
（下位コア）３が組み込まれ、２トラック複合型のヘッ
ドを構成している。４は上位フォーマット録再用ギャッ
プ（上位磁気ギャップ）、５は下位フォーマット録再用
ギャップ（下位磁気ギャップ）であり、上位磁気ギャッ
プ４は下位磁気ギャップ５よりもトラック幅が狭く設定
されており、高トラック密度を達成している。

【０００８】また、上位コア２と下位コア３のトラック
中心間の距離ｌ１は約５６０μｍと狭いため、両コア２
、３間の磁束漏洩によるクロストークが発生する。そこ
でクロストーク対策として、両コア２、３間に磁気シー
ルド材６を挿入している。更に、図には示していないが
、コアの立体形状を種々工夫して、クロストーク抑制策
をとることも検討されている。

【０００９】

【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例では以下の様な欠点があった。

【００１０】まず、更なる短波長記録をするためにはス
ライダ１のレール幅（図８中ｌ２にて示す）を減少させ
、スライダ１の浮上量を抑制する必要がある。また高転
送レートを得るためディスクを高速回転した場合にも、
浮上量を小さく保って安定走行させるためにはスライダ
形状を小さくしなければならない。即ちトラック間距離
は従来の５００〜６００μｍより小さくしなければなら
ない。そのため両コア間のクロストークは増し、信号品
質の確保が困難となる。また、磁気シールドのスペース
余裕がなくなり、クロストーク対策を有効に講じること
も困難である。

【００１１】また、フロッピーディスク装置ではディス
ク媒体を交換するためにヘッドのギャップ位置やアジマ
ス角の制御が重要であるが図８に示す様な複合ヘッドに
おいてはこれが量産性低下の原因となる。

【００１２】更に単一トラックのヘッドに比べて、コア
、及びコイルの組立体を倍必要とするため、大幅なコス
ト増となる。

【００１３】斯かる背景下に、本願発明は互いにトラッ
ク密度の異なるフォーマットに適用可能であって、良好
な電磁変換特性を有する安価な薄膜磁気ヘッド及び磁気
記録または再生装置を提供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】斯かる目的下において、
本願発明にあっては少なくとも一部が磁性薄膜の堆積に
より形成される複数の磁気コアを共通の基板に並設する
薄膜磁気ヘッドであって、前記複数の磁気コアは夫々、
前記基板の上面に平行で、且つ、該上面から同一距離に
ある磁気ギャップを有すると共に、該複数の磁気コアの
トラック幅が互いに異なる構成とした。

【００１５】また、本願発明にあっては、少なくとも一
部が磁性薄膜の堆積により形成される複数の磁気コアを
共通の基板に並設する薄膜磁気ヘッドにより磁気記録媒
体に信号の記録または再生を行なう装置において、前記
複数の磁気コアは夫々、前記基板の上面に平行で、且つ
、該上面から同一距離にある磁気ギャップを有すると共
に、該複数の磁気コアによる前記磁気記録媒体上のトレ
ース幅を異ならしめる構成とした。

【００１６】

【作用】上述の如き構成の薄膜磁気ヘッド及び磁気記録
または再生装置によれば、複数の磁気コアを同時に形成
できるためにコスト的には非常に有利で、且、コア間の
クロストークも小さいので良好な電磁変換特性を得るこ
とが可能となった。

【００１７】

【実施例】図１は本発明の第１の実施例としての薄膜磁
気ヘッドの構成を示すもので薄膜素子のパターン面を表
したものであり、以下にその製造過程を説明する。

【００１８】まず、磁性基板或は磁性膜を堆積した基板
（下部磁性層）１１上に不図示の絶縁層及びコイル１８
、１９を順次薄膜堆積法とフォトリソグラフィーにより
形成する。次に磁気ギャップ１４、１５及び磁気コンタ
クトホール１６、１７を形成後、上部磁気コア１２、１
３を形成する。この時上部上位コア１２と上部下位コア
１３のパターン幅を変えることにより異なるトラック幅
を形成している。

【００１９】そして、これら各層の形成された基板上に
不図示の保護層を形成し、該保護層でこれらを被覆する
。

【００２０】図２は図１の薄膜磁気ヘッドの記録媒体摺
動面の構造を概略的に示す図であり、図示の如く上述保
護層上に保護板２０を配した後、スライダとして所定の
形状に加工する。

【００２１】この様に構成することにより、両トラック
間が５００μｍ以下あるいは数１００μｍ以下であって
も、両素子間の対向面積が従来の複合ヘッドに比べ格段
に小さいためクロストークを十分下げることが可能とな
る。

【００２２】また両コア１２、１３のギャップ１４、１
５は同一面状でインラインに形成されるため相対的なギ
ャップ位置やアジマス角はより高い精度で保障される。

【００２３】さらに両コア１２、１３、コイル１６、１
９等は同一工程で作製されるためにほぼ１トラックのヘ
ッドと同様のコストで２トラックヘッドを作製できる。

【００２４】また本例では下部磁気コアは両コアで共通
化されているが各コアで独立する様パターニングする構
成とすることも可能である。発明者等のシミュレーショ
ンによればトラック間距離に比べコア長（ギャップ部か
ら磁気コンタクト部までの長さ）が長い程クロストーク
が増大する。上述の如く複数のコアを並設する構成にあ
っては上述のコア長を相対的に長くせざるを得ないので
、上述の様に下部磁気コアを個々に設けることは、クロ
ストークを下げるという点で極めて有効である。

【００２５】図３は本願発明の第２の実施例としての薄
膜磁気ヘッドの構成を示す図である。

【００２６】同図の例は図１の薄膜磁気ヘッドの各部の
形状を変更したもので、上位磁気ギャップ１４、下位磁
気ギャップ１５のトラック幅に応じて、上部磁気コア１
２、１３及びコイル１８、１９を最適化している。

【００２７】一般に、磁気ヘッドの再生出力はトラック
幅にほぼ比例して減少する。また単位巻数当りのインダ
クタンスも減少するため上位フォーマット（狭トラック
）用ヘッドのコイル１８の巻数を下位フォーマット（広
トラック）用ヘッドのコイル１９より増すことにより、
再生信号のＳＮ比を改善することができる。

【００２８】またトラック幅が小さくなればコアの磁気
飽和を考慮した場合、磁気コンタクトホールの面積も小
さくて済む。従ってそのコンタクトホールを小さくした
分のスペースをコイルを配設するスペースに割当てるこ
とにより、コイル巻数増によるコイルパターンの狭細化
を抑制し、電気抵抗増加を抑制することが可能となる。

【００２９】即ち図３の薄膜磁気ヘッドにあっては、上
位コア１２に比し下位コア１３の形状を図示の如く全体
的に大型化し、上位コア１２用のコイル（上位コイル）
１８のターン数を下位コア１３用のコイル（下位コイル
）１９のターン数より大としている。また上位コア１２
用のコンタクトホール（上位コンクトホール）１６を下
位コア１３用のコントクトホール１７より小なる面積と
し、且つ、磁気ギャップ１４、１５に近く配設した。

【００３０】これによって、図３の薄膜磁気ヘッドでは
図１の薄膜磁気ヘッドの作用効果に加え上位コア１２に
於てもＳＮの良い記録再生が可能となり、しかも、上位
コンタクトホール１６の面積が狭くなった分コイルパタ
ーンによる電気抵抗が抑えられ、良好な電磁変換特性が
得られるという効果がある。

【００３１】また、上位コンタクトホール１６と磁気ヘ
ッドギャップ１４との距離が図１のヘッドに比し短いの
で、その分両コア間のクロストークを小さく抑えること
ができる。

【００３２】図４、図５は本願発明の第３、第４の実施
例としての薄膜磁気ヘッドを示す図である。

【００３３】図４、図５のヘッドの図１、図３のヘッド
との差は両コンタクトホール１６、１７間の間隔ｌ４を
、両磁気ギャップ１４、１５の中央間の間隔ｌ３よりも
大きくした処にあり、これに伴い磁気ギャップ１４、１
５間の間隔を小さくすることができた。

【００３４】従って図４、図５のヘッドでは比較的高ト
ラック密度のトラックを２トラック同時に記録したり、
再生するとが可能となった。

【００３５】図６は本願発明の第５の実施例を示す図で
、上述の各実施例と同様の手法にて基板上に３つの上部
コア１２、１３、２２を形成し、各コア１２、１３、２
２には互いに異なるトラック幅の磁気ギャップ１４、１
５、２４を形成した。

【００３６】本例では、各コア１２、１３、２２のトラ
ック幅が異なるので、各コア１２、１３、２２の形状、
コイル１８、１９、２８の巻線ターン数、コンタクトホ
ール１６、１７、２６の面積位置等も互いに異なる。図
３の説明から明らかな様に上述の如く各コア１２、１３
、２２及びコイル１８、１９、２８の形状を最適化する
ことにより各コア１２、１３、２２、について良好な電
磁変換特性が得られる。

【００３７】上述の如き図６の薄膜磁気ヘッドによれば
更に高トラック密度のフォーマットを含む３つのフォー
マットに対応可能である。

【００３８】図７は本願発明の第６の実施例を示す図で
、図６の実施例と同様に第３の磁気コア２２を形成する
のであるが、この第３の磁気コア２２のトラック幅は上
位コア１２のトラック幅と同一であり、形状も同一であ
る。

【００３９】また、コイル１８とコイル２８とは同一形
状で、コンタクトホール１６とコンタクトホール２６と
は同一の面積となっている。また下位コア１３に対して
上位コア１２及び第３コア２２はトラック幅は狭く、且
、コイル、コンタクトホール等も最適化されている。

【００４０】上述の如く構成することにより、図７のヘ
ッドによれば上位フォーマットに対して２チャンネル同
時に記録、再生することが可能となり、情報の高帯域化
、高データレート化にも対応することが可能となる。

【００４１】尚、高密度化を達成するために上位フォー
マットの高トラック密度化だけでなく、高線記録密度化
、即ち短波長化を行なう場合各素子のギャップ幅（ギャ
ップ厚み）あるいはコア厚みの最適化を行なって、最小
限の膜厚構成を変えることによりわずかのコスト増でよ
り効率の良いヘッドを提供することも可能である。

【００４２】また、本発明者らは高密度磁気記録媒体と
して、ＣｏとＣｒとを主成分とする金属薄膜型磁気記録
媒体を試作し、上述の如き各実施例の薄膜磁気ヘッドと
組合わせて評価を行なった。本媒体の構成は、宇部興産
のユーピレックスフィルムの如きポリイミドフィルムを
基板に使用し、Ｃｏ−２０ｗｔ％Ｃｒ合金ターゲットを
用いて、基板温度を２００℃としてＣｏ−Ｃｒ垂直磁化
膜をスパッタリング法にて形成した。

【００４３】上記Ｃｏ−Ｃｒ垂直磁化膜の静磁気特性と
しては、飽和磁束密度（Ｂｓ）が約５０００Ｇａｕｓｓ
、保磁力（Ｈｃ）が８００〜１５００ｅ程度が適当であ
る。尚、この種の媒体の詳細については本出願人が先に
出願した特開平１−１０２７１８号公報、特開平１−２
３２５３３号公報、特開平１−２３５０２３号公報等を
参照されたい。

【００４４】上述の媒体を使用して、狭トラック幅、短
波長においてもＳ／Ｎの良好な電磁変換系が得られる。 また、上記各実施例の薄膜ヘッドはスライダの摺動面積
が小さく、低荷重である為、上述の剛性の高い金属薄膜
型の磁気記録媒体であっても良好なヘッドタッチが得ら
れ、ヘッド及び媒体のダメージを減少する等の効果も生
じる。

【００４５】以上説明した各実施例のヘッドの様にトラ
ック幅の異なる複数の磁気コアを薄膜技術を用いて同一
基板上に形成することにより、以下の効果を有する。

【００４６】また、低クロストークでトラック幅の異な
る複合ヘッドが得られ高記録密度、高転送レートの上位
フォーマットと下位フォーマットとの記録再生について
完全互換性を具備するヘッドが提供できる。

【００４７】また、低クロストークのため、複数トラッ
クの間隔を狭めることが容易になり、スライダ或はスラ
イダレール幅を小さく構成でき高速摺動媒体や金属薄膜
媒体に対しても良好なヘッドタツチを得られる。

【００４８】更に、ヘッドギャップの位置が高精度に決
定でき、且、この精度を保つために量産性を犠牲にする
ことはない。また、単一トラック記録再生用ヘッドと同
一のコストで上位フォーマットと下位フォーマットとの
互換性を具えるヘッドが得られる。

【００４９】

【発明の効果】以上説明した様に、本願発明によれば互
いにトラック密度の異なるフォーマットに適用可能で、
良好な電磁変換特性を有する安価な薄膜磁気ヘッド及び
磁気記録または再生装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の一実施例としての薄膜磁気ヘッドの
構成を示す図である。

【図２】図１の薄膜磁気ヘッドの記録媒体摺動面の構造
を概略的に示す図である。

【図３】本願発明の第２実施例としての薄膜磁気ヘッド
の構成を示す図である。

【図４】本願発明の第３実施例としての薄膜磁気ヘッド
の構成を示す図である。

【図５】本願発明の第４実施例としての薄膜磁気ヘッド
の構成を示す図である。

【図６】本願発明の第５実施例としての薄膜磁気ヘッド
の構成を示す図である。

【図７】本願発明の第６実施例としての薄膜磁気ヘッド
の構成を示す図である。

【図８】従来の複合磁気ヘッドの構成例に係る媒体摺動
面の概略図である。

【符号の説明】

１１　　基板 １２、１３、２２　　上部磁気コア １４、１５、２４　　磁気ギャップ １６、１７、２６　　磁気コンタクトホール１８、１９
、２８　　コイル

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　少なくとも一部が磁性薄膜の堆積によ
   り形成される複数の磁気コアを共通の基板に並設する薄
   膜磁気ヘッドであって、前記複数の磁気コアは夫々、前
   記基板の上面に平行で、且つ、該上面から同一距離にあ
   る磁気ギャップを有すると共に、該複数の磁気コアのト
   ラック幅が互いに異なることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
   ド。
2. 【請求項２】　　請求項１の薄膜磁気ヘッドにおいて、
   前記複数の磁気コアは夫々上部コア及び下部コアを有し
   、該上部コアと下部コアとを磁気的に結合する磁気コン
   タクトホールと磁気記録媒体摺動面との距離が、前記複
   数の磁気コア間で互いに異なることを特徴とする薄膜磁
   気ヘッド。
3. 【請求項３】　　請求項１の薄膜磁気ヘッドにおいて、
   前記複数の磁気コアに対するコイルのターン数またはコ
   イルの断面積が互いに異なることを特徴とする薄膜磁気
   ヘッド。
4. 【請求項４】　　請求項１〜３のいずれかに記載の薄膜
   磁気ヘッドにおいて、前記複数の磁気コアは夫々上部磁
   性層、下部磁性層及びこれらの絶縁層を有し、これら各
   層の厚みを前記複数のコア間で実質的に同一とすること
   を特徴とする薄膜磁気ヘッド。
5. 【請求項５】　　少なくとも一部が磁性薄膜の堆積によ
   り形成される複数の磁気コアを共通の基板に並設する薄
   膜磁気ヘッドにより磁気記録媒体に信号の記録または再
   生を行う装置において、前記複数の磁気コアは夫々、前
   記基板の上面に平行で、且つ、該上面から同一距離にあ
   る磁気ギャップを有すると共に、該複数の磁気コアによ
   る前記磁気記録媒体上のトレース幅を異ならしめたこと
   を特徴とする磁気記録または再生装置。