JPH0421545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は低周波治療器に関し、とくにその可
変抵抗器の出力電流調整構造の改良に関する。

(ロ) 従来の技術 実開昭57−107551号に示す従来例では、出力電
流の可変装置は回路的に可変抵抗器（ボリユー
ム）を使用し、それに付随して出力ダイヤルに設
けた穴と、鋼球と、その鋼球を付勢するスプリン
グからなる節動（クリツクモーシヨン）構造を有
していた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 低周波治療器の場合、使用に際し出力ダイヤル
を操作して除々にその出力を高めていくが、使用
開始時にはどうしても電気的シヨツクに対して使
用者が過敏となつているので、その出力電流の高
くなる変化量が小さいのが好ましく、慣れた状態
においてはある程度大きな量でその出力電流は増
加されればよい。しかし従来のものは出力ダイヤ
ルの鋼球の嵌まる穴の間隔が等しいので、出力ダ
イヤルの節動による回転量と出力電流の増減量は
比例関係であつた。よつて上記のように出力電流
を可変化量を変えるには特殊可変抵抗器や特殊回
路を用いる必要があり、これは高価なものとなつ
た。

この考案においては、特殊可変抵抗器や特殊回
路を用いることなく、簡単で安価な方法によつて
出力ダイヤルの節動の際の出力電流の変化量を変
化させようとするものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 この考案においては、出力ダイヤルの節動の際
の回転距離を異なるように構成するもので、その
さらに詳しい構成は出力電流調整用の可変抵抗器
と、節動用穴が同心円状に複数個配置された上記
可変抵抗器の出力ダイヤルと、上記出力ダイヤル
の回転に伴つてそれぞれの節動用穴に弾力的に嵌
合する節動用突子とを備え、かつ上記の出力ダイ
ヤルにおける節動用穴の間隔が、節動回転に伴つ
て出力電流変化量が変化するように一部または全
部において異なつて配置されてなる低周波治療器
である。

(ホ) 作用 出力ダイヤルが回転される際、節動用突子が間
隔が異なる節動用穴に嵌合することにより、出力
ダイヤルの節動回転距離がそれぞれ異なり、出力
電流の変化量もそれに対応して変化する。

(ヘ) 実施例 以下この考案の実施例を図面によつて詳述する
が、この考案は以下の実施例に限定されない。

第１図Ａ，Ｂ，Ｃはこの考案の低周波治療器１
の全体構成を示し、片面側に操作面２を備え、上
面に治療電極具（図示しない）の接続端子３、さ
らには出力電流調整用の出力ダイヤル４を備えて
いる。

第２図、第３図は出力ダイヤル４部分の内部構
成を示し、５がプリント基板、６がプリント基板
５上に付設された出力電流調整用の可変抵抗器
で、この可変抵抗器６の調整用回転軸７に出力ダ
イヤル４が固定されている。この出力ダイヤル４
の周縁面８に複数個の節動用穴９が設けられ、こ
の節動用穴９にスプリング１０によつて付勢され
る状態の節動用突子である鋼球１１が嵌合する。
１２はスプリングホルダーである。

そして上記節動用穴９は、第４図に示すように
その一部においてａ＜ｂ＜ｃ＜ｄ＜ｅというよう
にその間隔が除々に大きくなるように、またａと
ｅとでは明らかにその間隔が異なるように配置さ
れている。このように配置されることによつて、
最低出力の際に鋼球１１が節動用穴９Ｘに嵌合す
るようにすると、節動の際の間隔が除々に大きく
なる故にその出力電流の変化量も第５図に示すよ
うに、1.1−0.5＝0.6(a)、1.8−1.1＝0.7(b)、2.6−
1.8＝0.8(c)、3.5−2.6＝0.9(d)、4.5−3.5＝1.0(e)と
いうように除々に増加し、ａとｅではその変化量
は１−0.6＝0.4もの差が生じる。なおｅ＝ｆ＝ｇ
であるのでその間の変化量は1.0と一定となる。

上記の構成とすることにより、低出力電流時に
は出力電流の変化量が除々に増加し、かつ細分化
され、使用に慣れた高出力電流時には出力電流の
変化量は大きくなるもので、このように構成され
れば低周波治療器の使用性効果はきわめて大とな
る。

なお上記実施例のものでは本体と治療電極具と
が別個のものを示したが、もちろん本体に治療電
極が一体に設けられた構成のものであつてもよ
い。

(ト) 考案の効果 この考案は上述のように構成され、出力ダイヤ
ルの節動用穴の配置間隔を異なるようにすること
によつてその出力電流の変化量が容易に安価に変
化されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂ，Ｃはそれぞれこの考案の低周波
治療器の平面図、側面図、正面図、第２図は同要
部横断面図、第３図は同要部分解斜視図、第４図
は同出力ダイヤルを示す正面図、第５図はこの考
案における出力特性を示すグラフである。 １……低周波治療器、４……出力ダイヤル、６
……可変抵抗器、９……節動用穴、１１……鋼球
（節動用突子）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 出力電流調整用の可変抵抗器と、節動用穴が同
   心円状に複数個配置された上記可変抵抗器の出力
   ダイヤルと、上記出力ダイヤルの回転に伴つてそ
   れぞれの節動用穴に弾力的に嵌合する節動用突子
   とを備え、かつ上記の出力ダイヤルにおける節動
   用穴の間隔が、節動回転に伴つて出力電流変化量
   が変化するように一部または全部において異なつ
   て配置されてなる低周波治療器。