JPH0421520B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭において使用されるスチーム
アイロンに関するものである。

従来の技術 従来、この種のスチームアイロンは、例えば特
開昭59−100号公報に示されているような構成を
採用しており、具体的には第３図のようになつて
いた。すなわち、タンク１内の水を気化室２へ導
く導水路３はベース４上へ接近して構成されてい
る。

発明が解決しようとする問題点 しかし、上記構成においては導水路３が非常に
高温になり、それによりタンク１の中の水が通過
し始めるときに内部で沸騰を生起するものであつ
た。この沸騰現象は導水路３の内圧を高めて水流
動に対して背圧となり、また気泡も発生し、した
がつて、スムーズな水の流れが得られなかつた。
このことは、スチームの噴出が出来なくなるとい
う問題につながるものであつた。本発明はこのよ
うな問題点を解決するもので導水路における水の
流れをスムーズにしスチームを安定して噴出させ
ることを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、気化室を
有するベースと、このベースの上部に設けたタン
クと、前記ベース上に固定された導水路取付板
と、この導水路取付板上に設け前記タンクから前
記気化室に連通した導水路の一内壁部を形成する
導水路パツキングとを備え、前記導水路パツキン
グは耐熱性ゴムよりなり空間によりベースと熱的
に遮蔽されているものである。

作 用 この構成により作用は次のようになる。

すなわちアイロンに通電すればベースは加熱さ
れるが、導水路のベース側が耐熱性ゴムで構成さ
れているので、これが断熱効果を発揮して同導水
路の温度上昇を抑える。よつて、導水路での水の
急激な沸騰を防ぎ、タンク内の水をスムーズに気
化室内へ流動させて安定したスチームの噴出を得
ることができる。

実施例 以下その実施例を第１図、第２図を参照して説
明する。図において、５はベースで、気化室６が
一体に形成されている。７は気化室６を覆う気化
室蓋である。８は導水路取付板で、ねじ９により
ベース５上に固定され、ベース５と導水路取付板
８は空間によつて熱的に遮蔽されている。この導
水路取付板８上には導水路本体１０と耐熱性ゴム
の導水路パツキング１１を重合させて導水路１２
が構成されている。導水路パツキング１１の導水
路本体１０とのシール面には導水路１２の形状と
相対するシールリブ１１ａが形成されている。そ
してベース５側に導水路シールパツキング１１が
位置するように設定してある。１３は導水路本体
１０に組込まれた弁装置で、ベース５に組込まれ
た熱応動部材１４に弁バネ１５を介して連係し、
上下動により導水路１２を開閉する。１６は導水
路本体１０の上面開口部を覆つている蓋パツキン
グであり、取付金具１７により導水路本体１０に
取付けられ、導水路１２の一部を構成している。
１８は導水路１２の入口１２ａの周囲に取付けら
れた弾性のある接続パツキングで、その上面をタ
ンク１９の底部に構成されたタンク出口１９ａの
周囲平面１９ｂと密着してタンク１９と導水路１
２を連通させている。２０はタンク底部のタンク
出口１９ａを常閉する常閉弁で、タンク１９をセ
ツトした場合に接続パツキング１８の一部に構成
された押上げ部２１で押し開かれ、タンク１９内
の水を導水路１２へと流入させる。２２は滴下ノ
ズルで、導水路１２の出口１２ｂに設けられてお
り、気化室蓋７の開口部７ａを通つて導水路１２
と気化室６を連通させている。２３はボール弁
で、導水路本体１０の導水路１２の一部を形成す
る中空部２４に設置され、ボタン２５の操作によ
りバネ２６を上下させ任意に導水路１２の水の流
れを止めることが出来る。水の流れを順を追つて
説明すると、第１図に示すごとくタンク１９から
の水は矢印イのように接続パツキング１８を通り
導水路１２の入口１２ａに入り矢印ロ，ハのよう
に導水路１２に沿つて流れる。さらにボール弁２
３、弁装置１３を経て矢印ホ，ヘに示すように滴
下ノズル２２から気化室６へと流れ込む。

以上のような構成においてはベース５が加熱さ
れても導水路１２を構成している導水路パツキン
グ１１が断熱効果を有して温度上昇が抑えられ、
導水路１２内部での水の沸騰を防ぎ、タンク側へ
の背圧と泡の発生を防ぐことが出来る。さらに導
水路パツキング１１の表面に界面活性剤等による
親水性被膜処理をしておけば水中に溶け込んでい
る空気等の気体が泡となつて水路表面に付着して
も水がなじんできて泡は導水路パツキング１１の
表面からすぐに離れていくので安定した水の流れ
を得ることが出来る。また導水路パツキング１１
を断熱効果の高い発泡性の耐熱性ゴムで構成すれ
ばより断熱効果を高めることが出来る。

発明の効果 上記実施例から明らかなように本発明のスチー
ムアイロンは、導水路パツキングを耐熱性ゴムと
して空間によりベースと熱的に遮しているもので
あり、この構成とすることにより、温度上昇を防
ぎ導水路内部での水の沸騰を抑えているので、背
圧および泡の発生がなく水の流れをスムーズにし
てスチームを安定して噴出させることができるも
のである。

さらに本発明においては、導水路内部での水の
気化を防ぐことが出来るので、同導水路内に水垢
等の不純物がのこつておこる導水路のつまりを防
止する効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すスチームアイ
ロンの要部分解斜視図、第２図は全体断面図、第
３図は従来例を示す断面図である。 ５……ベース、６……気化室、１１……導水路
パツキング、１２……導水路、１９……タンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 気化室を有するベースと、このベースの上部
   に設けたタンクと、前記ベース上に固定された導
   水路取付板と、この導水路取付板上に設け前記タ
   ンクから前記気化室に連通した導水路の一内壁部
   を形成する導水路パツキングとを備え、前記導水
   路パツキングは耐熱性ゴムよりなり空間によりベ
   ースと熱的に遮蔽されているスチームアイロン。 ２ 耐熱性ゴムよりなる導水路パツキングはその
   表面が親水性皮膜で覆われている特許請求の範囲
   第１項記載のスチームアイロン。