JPH04214022A - 偏平シリカゾルの製造法 - Google Patents

偏平シリカゾルの製造法

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Publication number
JPH04214022A
JPH04214022A JP1582991A JP1582991A JPH04214022A JP H04214022 A JPH04214022 A JP H04214022A JP 1582991 A JP1582991 A JP 1582991A JP 1582991 A JP1582991 A JP 1582991A JP H04214022 A JPH04214022 A JP H04214022A
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JP
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sol
weight
silica
sio2
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JP1582991A
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English (en)
Inventor
Yoshitane Watabe
渡部淑胤
Yoshiyasu Kashima
鹿島吉恭
Kenji Tanimoto
谷本健二
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏平な形状を有するコ
ロイド状シリカの安定なゾルの製造法の改良に関する。 この偏平シリカゾルは、基材上で乾燥するときに、優れ
た被膜性を示し、塗料その他種々の分野に用いられる。
【0002】
【従来の技術】米国特許第2801902号明細書には
、粒子径5〜100ミリミクロンの負帯電球状コロイダ
ルシリカのゾルに陽イオン界面活性剤を加えた後加熱す
ることによって、この球状コロイダルシリカ粒子が平面
方面に結合して生じた板状のコロイダルシリカのゾルが
得られることが記載されている。特開昭62−2781
14号公報には、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ト
リア等で被覆された正帯電のコロイダルシリカのゾルに
陰イオン界面活性剤を加えた後加熱することによって、
シリカ小板片を造る方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記米国特許第280
1902号明細書に記載の方法、上記特開昭62−27
8114号公報に記載の方法のいずれも、コロイダルシ
リカ粒子のplanar aggregationを起
させるために、ゾル中に界面活性剤が添加され、そして
凝集したコロイダルシリカ粒子に結合を起させるために
加熱が施される
【0004】本発明は、不所望の界面活
性剤を含まず、そして加熱も要せずに効率よく、7〜3
0ミリミクロンのコロイダルシリカ粒子の平面方向結合
による偏平な100〜1000ミリミクロンのシリカゾ
ルを製造する方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の、偏平大粒子シ
リカゾルは、下記(a)工程〜(d)工程:(a)  
2〜5のpHと2〜50重量%のSiO2 濃度と7〜
30ミリミクロンの粒子径を有する負帯電シリカの酸性
水性ゾル(S0 )のSiO2 としての100重量部
に、1〜50重量%の塩基性アルミニウム塩又は塩基性
ジルコニウム塩の水溶液(B)のAl2 O2 又はZ
rO2 としての0.2〜10重量部を、上記ゾルの0
〜100℃での攪拌下に加え、更に0.1〜5時間この
攪拌を続けた後、ここに得られたゾルをアルカリ水溶液
の添加によるpH調節によって4〜7のpHに調節して
正帯電シリカの水性ゾル(S1 )を得る工程、(b)
  (a)工程で得られたゾル(S1 )のSiO2 
としての100重量部に、上記ゾル(S0 )のSiO
2 としての20〜200重量部を、ゾル(S1 )の
0〜100℃での攪拌下に加え、更に0.1〜5時間こ
の攪拌を続けた後、ここに得られたゾルをアルカリ水溶
液の添加によるpH調節によって4〜7のpHに調節し
て負帯電シリカの水性ゾル(S2 )を得る工程、(c
)  (b)工程で得られたゾル(S2 )のSiO2
 としての100重量部に、(a)工程で用いられたゾ
ル(S0 )のSiO2 100重量部に対する加えら
れた水溶液(B)のAl2 O3 又はZrO2 の重
量部の2〜50%に相当するAl2 O3 又はZrO
2 重量部としての上記水溶液(B)を、上記ゾル(S
2 )の0〜100℃の攪拌下に加え、更にこの攪拌を
0.1〜5時間続けた後、ここに得られたゾルをアルカ
リ水溶液の添加によるpH調節によって4〜7のpHに
調節して正帯電シリカの水性ゾル(S3 )を得る工程
、 (d)  (c)工程で得られたゾル(S3 )のSi
O2 としての100重量部に、(b)工程で用いられ
たゾル(S1 )のSiO2 100重量部に対する加
えられたゾル(S0 )のSiO2 の重量部の10〜
95%に相当するSiO2 としての上記ゾル(S0 
)を、上記ゾル(S3 )の0〜100℃の攪拌下に加
え、更にこの攪拌を0.1〜5時間続けた後、ここに得
られたゾルをアルカリ水溶液の添加によるpH調節によ
って4〜7のpHに調節して負帯電偏平シリカの水性ゾ
ル(S4 )を得る工程、からなる、7〜100ミリミ
クロンの厚みとこの厚みの10〜150倍であるが10
0〜1000ミリミクロンの範囲内の平面方向粒子サイ
ズを有する偏平形状コロイダルシリカの2〜50重量%
のSiO2 濃度を有する水性ゾルの製造法によって得
られる。
【0006】更に好ましいゾルは上記(d)工程に、更
に下記(e)工程と(f)工程を付加することによって
得られる。 (e)  (d)工程で得られたゾル(S4 )のSi
O2 としての100重量部に、上記(c)工程で用い
られたゾル(S2 )のSiO2 100重量部に対す
る加えられた水溶液(B)のAl2O3 又はZrO2
 の重量部の2〜50%に相当するAl2 O3 又は
ZrO2 重量部としての上記水溶液(B)を、上記ゾ
ル(S4 )の0〜100℃の攪拌下に加え、更にこの
攪拌を0.1〜5時間続けた後、ここに得られたゾルを
アルカリ水溶液の添加によるpH調節によって4〜7の
pHに調節して正帯電シリカの水性ゾル(S5 )を得
る工程、(f)  (e)工程で得られたゾル(S5 
)のSiO2 としての100重量部に、上記(d)工
程で用いられたゾル(S3 )のSiO2 100重量
部に対する加えられたゾル(S0 )SiO2 の重量
部の10〜95%に相当するSiO2 としての上記ゾ
ル(S0 )を、上記ゾル(S5 )の0〜100℃で
の攪拌下に加え、更にこの攪拌を0.1〜5時間続けた
後、ここに得られたゾルをアルカリ水溶液の添加による
pH調節によって4〜7のpHに調節して負帯電偏平シ
リカの水性ゾル(S6 )を得る工程。
【0007】従って、本発明の偏平大粒子シリカゾルの
製造法は、酸性水性の負帯電シリカゾルに、アルミニウ
ムの塩基性塩及びジルコニウムの塩基性塩からなる群よ
り選ばれる一種又は2種以上の金属塩基性塩の水溶液を
、この塩の金属の酸化物として上記シリカゾルのSiO
2 に対し0.01〜10重量%量混合するとことによ
り得られた正帯電のシリカゾルをSiO2 として10
0重量部と、粒子径4〜50ミリミクロンの負帯電シリ
カの酸性水性ゾルをSiO2 として10〜200重量
部混合することを特徴とする。
【0008】金属塩基性塩としては、チタン、錫、イン
ジウム、セリウム等の塩基性塩も用い得るが、特に、ア
ルミニウムの塩基性塩及びジルコニウムの塩基性塩が好
ましく、その例としては、Al(OH)2 Cl、Al
2 (OH)5 Cl等の塩基性塩化アルミニウム、A
l(OH)2 (CH3 COO)・1/3H3 BO
3 等の塩基性酢酸アルミニウム、Al2 (OH)5
 NO3 、Al(OH)(NO3 )2 等の塩基性
硝酸アルミニウム、Al(OH)2 (HCOO)等の
塩基性蟻酸アルミニウム、ZrOCl2 ・8H2 O
等のオキシ塩化ジルコニウム、ZrO(NO3 )2 
等のオキシ硝酸ジルコニウム、ZrO(CH3 COO
)2 等のオキシ酢酸ジルコニウム等が挙げられ、特に
好ましい例としては、Al2 (OH)5 Clが挙げ
られる。これら金属塩基性塩は、2種以上混合して用い
てもよく、その水溶液としては、通常1〜50重量%程
度のものが好ましい。
【0009】本発明に用いられる粒子径4〜50ミリク
ロン、好ましくは7〜30ミリミクロンの負帯電シリカ
の酸性水性ゾル(S0 )は、公知の方法で容易に製造
され、そのコロイダルシリカ粒子の形状としては、球状
、非球状のいずれでもよいが球状のものが好ましい。好
ましい例としては、粒子径7〜30ミリミクロンの球状
コロイダルシリカのアルカリ性水性ゾルを水素型陽イオ
ン交換樹脂で処理することにより得られるpH2〜5、
SiO2 濃度2〜50重量%程度の安定な酸性水性ゾ
ルが挙げられる。更に好ましくは、SiO2 濃度5〜
30重量%、粒子径7〜20ミリミクロン、pH2〜5
の水性ゾルが挙げられる。
【0010】本発明により上記塩基性塩と混合される酸
性水性の負帯電シリカゾルとしては、上記粒子径7〜3
0ミリミクロンの負帯電シリカの酸性水性シリカゾル(
S0 )の他、本発明の方法により得られた偏平大粒子
シリカゾルも用いることができる。特に、この酸性水性
の負帯電シリカゾルとして、本発明の方法により得られ
た偏平大粒子シリカゾルを繰り返し用いるときは、粒子
径が更に拡大された偏平大粒子シリカゾルを得ることが
できる。
【0011】本発明の方法の(a)工程では、上記酸性
水性の負帯電シリカゾルに、上記塩基性塩の水溶液を、
この塩の金属の酸化物、即ち、Al2 O3 、ZrO
2 又はこの両者として、上記酸性水性の負帯電シリカ
ゾルのSiO2 に対し0.2〜10重量%量、上記ゾ
ルの攪拌下、好ましくは強攪拌下、0〜100℃、好ま
しくは0〜50℃で加え、更に引きつづき0.1〜5時
間程度上記攪拌を続けることによりコロイダルシリカ表
面がAl又はZrイオンで被覆されたコロイド粒子のゾ
ルが得られ、これにアルカリ水溶液を加えてゾルのpH
が4〜7になるように調節され、正帯電のシリカゾル(
S1 )が得られる。
【0012】このアルカリ水溶液に用いられるアルカリ
としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム、セシウム等アルカリ金属水酸化物;水酸化アンモニ
ウム、水溶性第4級アンモニウム水酸化物、水酸化グア
ニジン;エチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロ
ピルアミン等水溶性のアルキルアミン;モノエタノール
アミン、トリエタノールアミン等水溶性アルカノールア
ミン;ベンジルアミン、ピペリジン等が例示され特に、
リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウムの水酸
化物が好ましい。これらアルカリ性物質は、水溶液とし
て用いるのが好ましく、0.5〜30重量%程度の濃度
がよい。これらアルカリ性物質をM2 O(但し、Mは
アルカリ金属原子、アンモニウム基、第4級アンモニウ
ム基又はアミン分子を表わす。)で表わすとき、この加
えられるアルカリ性物質の量は、上記粒子径7〜30ミ
リミクロンの負帯電シリカの酸性水性ゾルのSiO2 
に対し、M2 O/SiO2 として0.005〜5重
量%程度である。
【0013】(b)工程では、上記(a)工程で得られ
た正帯電シリカのゾル(S1 )に、そのゾルのSiO
2 として100重量部に対し、上記負帯電シリカのゾ
ル(S0 )をそのSiO2 として20〜200重量
部量、ゾル(S1 )の攪拌下、好ましくは強攪拌下、
0〜100℃、好ましくは、0〜50℃で加え、更に引
きつづき上記攪拌が0.1〜5時間程度続けられ、次い
で上記と同じアルカリ水溶液の添加によってゾルのpH
は4〜7に調節され、上記負帯電シリカと正帯電シリカ
との planar aggregates  の負帯
電シリカのゾル(S2 )が得られる。この aggr
egate  は、ゾル(S0 )のコロイダルシリカ
のサイズの3倍以下、即ち7〜90ミリミクロン程度の
厚さを有し、そして平面方向の粒子サイズはこの厚さの
5〜150倍、即ち50〜1000ミリミクロン程度で
あるが充分な安定性を有しない。
【0014】(c)工程では、上記ゾル(S2 )に再
び上記塩基性塩の水溶液が加えられるが、その量は(a
)工程における添加割合よりも減少させた割合、即ち(
a)工程に用いられたゾル(S0 )のSiO2 10
0重量に対する添加Al2 O3 又はZrO2 の重
量部の2〜50%量に対し上記ゾル(S2 )のSiO
2 100重量部の割合が好ましい。この塩基性塩の添
加は、上記ゾル(S2 )の攪拌下、好ましくは強攪拌
下、0〜100℃、好ましくは0〜50℃程で行われ、
更に引きつづき0.1〜5時間程この攪拌が続けられ、
これにより更にAl又はZrイオンで被覆されたコロイ
ド粒子のゾルが得られ次いで、このゾルにゾルのpHが
4〜7となるように上記と同じアルカリ水溶が添加され
、正帯電シリカのゾル(S3 )が得られる。
【0015】(d)工程では、上記ゾル(S3 )に再
び負帯電シリカのゾル(S0 )が加えられるが、その
量は、(b)工程における添加割合よりも減少させた割
合、即ち(b)工程に用いられたゾル(S1 )のSi
O2 100重量部に対して加えられたゾル(S0 )
のSiO2 重量部の10〜95%量に対し上記ゾル(
S3 )のSiO2 100重量部の割合が好ましい。 (d)工程におけるゾル(S0 )の添加は、上記ゾル
(S3 )の攪拌下、好ましくは強攪拌下、0〜100
℃、好ましくは0〜50℃程度で行われ、更に引きつづ
き0.1〜5時間程この攪拌が続けられ、次いでゾルの
pHが4〜7となるように上記と同じアルカリ水溶液が
添加され、上記ゾル(S0 )の負帯電シリカと上記ゾ
ル(S3 )の正帯電シリカとの更にplanar a
ggregationが起こって生じた負帯電シリカの
ゾル(S4)が得られる。
【0016】このゾル(S4 )のコロイド粒子は、電
子顕微鏡による観察では、planar direct
ionの粒子径が厚さよりも著しく大きいという偏平な
形状を有して、その厚みはゾル(S0 )のコロイド粒
子の粒子径の5倍以下、平均1〜3倍程度であり、平面
方向の粒子サイズは厚さの10〜150倍程度である。 この偏平粒子は7〜100ミリミクロンの平均厚さと、
ほぼ100〜1000ミリミクロンの範囲内の平面方向
平均サイズを有している。
【0017】(d)工程で得られたゾル(S4 )を用
いて、即ち、(d)工程に更に(e)工程と(f)工程
を付加することにより、安定性が更に高い偏平シリカの
ゾルを得ることができる。
【0018】(e)工程では、上記ゾル(S4 )に、
また上記塩基性塩の水溶液が加えられるが、その量は(
c)工程における添加割合より減少させた比率、即ち、
(c)工程に用いられるゾル(S2 )のSiO210
0重量部に対する添加Al2 O3 又はZrO2 の
重量部の2〜50%量に対し上記ゾル(S4 )のSi
O2 100重量部の割合が好ましい。この塩基性塩の
添加は、上記ゾル(S4 )の攪拌下、好ましくは強攪
拌下、0〜100℃、好ましくは0〜50℃程度で行わ
れ、更に引きつづき、0.1〜5時間程この攪拌が続け
られ、次いでゾルのpHが4〜7となるように上記と同
じアルカリ水溶液が加えられ、正帯電のシリカゾル(S
5 )が得られる。
【0019】(f)工程では、上記ゾル(S5 )に、
また負帯電シリカゾル(S0 )が加えられるが、その
量は、(d)工程における添加割合よりも更に減少させ
た比率、即ち(d)工程に用いられるゾル(S3 )の
SiO2 100重量部に対する加えられたゾル(S0
 )のSiO2 重量部の10〜95%量に対し上記ゾ
ル(S5)のSiO2 100重量部の割合が好ましい
。そしてこの(d)工程におけるゾル(S0 )の添加
は、上記ゾル(S5 )の攪拌下、好ましくは強攪拌下
、0〜100℃、好ましくは0〜50℃程度で行われ、
更に引きつづき0.1〜5時間程この攪拌が続けられ、
次いでゾルのpHが4〜7となるように上記と同じアル
カリ水溶液が添加され、上記ゾル(S0)の負帯電シリ
カと上記ゾル(S5 )の正帯電シリカとのplana
r aggregationが起こって生じた負帯電シ
リカのゾル(S6 )が得られる。
【0020】このゾル(S6 )のコロイド粒子は、電
子顕微鏡による観察では、ゾル(S4 )のコロイド粒
子の形状から大きく変わっていることはない。やはり偏
平な形状を有していて、その厚みは約7〜100ミリミ
クロンであり、planar directionの径
は厚さの10〜150倍程度であるが、100〜100
0ミリミクロンの範囲内のサイズを有している。
【0021】上記(b)、(d)又は(f)工程により
得られた偏平大粒子シリカゾルに、更にアルカリ性物質
を加えることにより、pH7〜12の安定なアルカリ性
水性の偏平大粒子シリカゾルを得ることができる。また
、(b)、(d)又は(f)工程により得られた偏平大
粒子シリカゾルを、水素型陽イオン交換樹脂で処理し、
更に水酸基型陰イオン交換樹脂で処理することにより、
pH2〜4の安定な酸性水性の偏平大粒子シリカゾルを
得ることができる。
【0022】本発明による偏平大粒子シリカゾルはSi
O2 濃度2〜50重量%、好ましくは10〜40重量
%の水性ゾルとして得られる。濃度の薄いゾルからは、
これを蒸発法、限外濾過法等で濃縮することにより、高
濃度のゾルを得ることができる。また、上記本発明によ
る水性ゾル、特に酸性水性ゾルの媒体の水を、親水性有
機溶媒で置換することにより、オルガノゾルを得ること
ができる。この置換方法としては、蒸留法、限外瀘過法
等が挙げられ、また、親水性有機溶媒の例としては、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホ
ルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミド、エチル
セロソルブ、エチレングリコール等が挙げられる。
【0023】更に、本発明による水性ゾルに、前記アル
ミニウムの塩基性塩、ジルコニウムの塩基性塩等を加え
ることにより、正帯電の偏平大粒子シリカゾルを得るこ
とができる。
【0024】本発明(d)又は(f)工程による偏平大
粒子シリカ水性ゾルは、動的光散乱法による測定粒子径
200〜600ミリミクロン、遠心沈降法による測定平
均粒子径200〜500ミリミクロンを示し、そして2
0℃における粘度は1.5〜500センチポイズを示し
、特に(f)工程により得られたゾルはSiO2 濃度
2〜50重量%において長期間安定である。
【0025】
【作用】本発明の方法の(f)工程により得られた偏平
大粒子シリカゾルについて、そのコロイダルシリカ粒子
を電子顕微鏡写真により観察すると、原料に用いられた
7〜30ミリミクロンのシリカゾルのコロイダルシリカ
粒子が多数planar aggregationした
と思われる形態を示している。けれども、この偏平な粒
子のゾルを強攪拌しても、その形状は変らず、また、こ
のゾルを長期間保存しても、特に、60℃の高温に1ケ
月保存しても、このゾルは、粘度の増減も、ゲル化も起
こさないという安定性を有する。従って、この偏平な粒
子は、7〜30ミリミクロンの原料シリカゾルのコロイ
ダルシリカ粒子の単なる集合体ではなく、それらコロイ
ダルシリカ粒子が平面方向に化学結合を起こした1箇の
偏平な大粒子である。前記従来の方法では、そ水性の界
面活性剤のミセルを介して7〜30ミリミクロンのコロ
イダルシリカ粒子が集合するために、このコロイダルシ
リカ粒子の化学結合は不完全であって、完全な化学結合
を起こさせるには加熱を必要としたが、本発明の方法に
よれば、そ水性の界面活性剤のミセルは介在しないから
、加熱しなくても、正帯電のコロイダイルシリカ粒子と
負帯電の7〜30ミリミクロンのコロイダルシリカ粒子
とは集合後化学結合を起こすことによって直接偏平な大
粒子が生成するものと考えられる。
【0026】けれども、(a)工程において、酸性水性
の負帯電シリカゾル(S0 )にそのSiO2 に対し
上記塩基性塩をその金属酸化物の量として0.2重量%
以下混合すると、正帯電のコロイド粒子が生じない。反
対に、(a)工程においてこの塩基性塩の量がその金属
酸化物として10重量%を越える程に多く混合すると、
後の(b)工程で上記偏平な大粒子が生成しなかったり
、或いは、(b)工程において負帯電シリカの酸性水性
シリカゾル(S0 )と混合したときにゲル化が起こっ
たり、或いは、混合物は増粘を起し、好ましい偏平大粒
子の安定なゾルが得られない。
【0027】また、(b)工程において正帯電のシリカ
ゾル(S1 )と混合される酸性水性の負帯電シリカの
ゾル(S0 )のコロイダルシリカ粒子径が7ミリミク
ロン以下、特に4ミリミクロン以下のときにも、この混
合の際ゲル化が起り易く、或いは、高濃度の偏平大粒子
シリカゾルを得ることができない。反対に、(b)工程
においてこの負帯電のコロイダルシリカの粒子径が30
ミリミクロンより大きいとき、特に50ミリミクロンよ
り大きいときには、安定な偏平大粒子シリカゾルが得ら
れない。更に、(b)工程において正帯電のシリカゾル
(S1 )のSiO2 100重量部に対し、負帯電シ
リカの酸性水性シリカゾル(S0 )をSiO2 とし
て20重量部以下、特に10重量部以下混合すると、混
合物は増粘又はゲル化を起し易く、また、200重量部
以上混合すると、偏平大粒子シリカの生成率が低下する
【0028】(c)工程においては、加えられる塩基性
塩の量を、(a)工程に用いた塩基性塩の量より小割合
の量とすることにより、そして(e)工程でも、(c)
工程に用いられた塩基性塩の量よりも小割合の量とする
ことにより、ゾル(S0 )の粒子のplanar a
ggregationが生じ易いようにコロイド粒子上
の荷電量が調節され、その結果安定性を有する偏平な形
状の大きいコロイド粒子が生成する。特に(a)〜(f
)工程による方法は、偏平な大粒子のコロイダルシリカ
の安定なゾルを得るのに好都合である。
【0029】(a)〜(f)工程において、塩基性塩の
水溶液又はゾル(S0 )の添加の後に行われる攪拌は
、Al又はZrのイオンが液中にイオンとして残存しな
いで、コロイダルシリカ粒子上になるべく全量捕捉され
て、シリカ粒子をAl又はZrイオンが被覆するように
、そしてゾル(S0 )のコロイド粒子もなるべく全量
planar aggregationを起こさせるよ
うにするために必要な攪拌であり、この攪拌中の温度も
ゾルの氷点より高い温度が必要であるが、100℃より
も高いと上記攪拌中にゲル化が生じ易い。特に50℃よ
り低い温度は好都合である。
【0030】(a)〜(f)工程において、アルカリ水
溶液の添加によってゾルのpH4〜7に調節することは
、ゾルの著しいゲル化が起こらないように安定に保ち、
そして良好なplanar aggregationを
起こさせるために必要である。
【0031】本発明による偏平大粒子シリカゾルとして
は、動的光散乱法により測定される平均粒子径として6
00ミリミクロン以下がよい。これより大きいと、ゾル
を長期間保存する際ゾル中に沈降物が生成し易い。反対
に動的光散乱法により測定される平均粒子径として20
0ミリミクロンより小さいと、偏平大粒子シリカゲルの
特性が乏しくなる。また、本発明による好ましいゾルと
しては、ゾルの安定化に必要な量を越えるアニオンを含
まないものが好ましく、通常2000ppm程度以下の
アニオンを含有するゾルがよい。
【0032】
【実施例】BET法による粒子径12.5ミリミクロン
、SiO2 濃度20.2重量%、比重1.127、p
H2.8、20℃の粘度2.0cp、コロイド色を少し
呈するが、無色透明な酸性水性シリカゾル(S0 )と
、Al2 O3 濃度23重量%、Cl濃度8.0重量
%、比重1.35、pH4.0、20℃の粘度50cp
の塩基性塩化アルミニウムAl2 (OH)5 Clの
水溶液(B)を用意した。この水溶液(B)を更に水で
希釈することにより、Al2 O3 濃度2.0重量%
の水溶液(B1 )とAl2 O3 濃度4.0重量%
の水溶液(B2 )とを調整した。液の添加は、強力攪
拌機を備えた混合機中強力攪拌下に行われた。以下、%
は重量%を表わす。また、動的光散乱法粒子径は、米国
コールター社製N4 の装置により測定された。
【0033】実施例1 (a)上記シリカゾル(S0 )800gを水520g
で希釈した後、この希釈ゾル全量に塩基性塩化アルミニ
ウムの水溶液(B1 )200gを20℃で加え、引き
つづき20℃で20分間攪拌を続けた。次いで、このシ
リカゾル全量に10%NaOH水溶液7.0gを加え2
0℃で20分間攪拌することによりpH5.6正帯電の
シリカゾル(S1 )を得た。
【0034】(b)上記ゾル(S1 )の全量に上記シ
リカゾル(S0 )500gを20℃で攪拌下に加え、
引きつづき20℃で20分間攪拌したところ、乳白色の
、pH5.0のシリカゾル2027gが得られた。次い
で、このゾルの全量に10%NaOH水溶液2.2gを
加えて20℃で10分間攪拌することにより、pH6.
5のシリカゲル(S2 )が得られた。
【0035】(c)このゾル(S2 )の全量に、攪拌
下20℃で塩基性塩化アルミニウムの水溶液(B1 )
70gを加え、引きつづき20℃で30分間攪拌した。 次いで、このシリカゾル全量に20℃で10%NaOH
水溶液5.0gを加え、20℃で20分間攪拌すること
によりpH5.8のゾル(S3 )を得た。
【0036】(d)このゾル(S3 )の全量に、上記
シリカゾル(S0 )550gを攪拌下20℃で加え、
更に引きつづき20℃で20分間攪拌することにより、
乳白色のシリカゾル(S4 )2654.2gを得た。 このゾル(S4 )のpHは5.2であった。このゾル
にはpH調節のためのアルカリ水溶を加えることは不要
であった。コロイダルシリカの粒子径は330ミリミク
ロンであった。
【0037】(e)次いで、このゾル(S4 )の全量
に、20℃で攪拌下塩基性塩化アルミニウムの水溶液(
B1 )30gを加え20℃で20分間攪拌した。次い
で、このシリカゾル全量に20℃で10%NaOH水溶
液3.2gを加えて、20℃で30分間攪拌することに
よりpH5.1のゾル(S5 )を得た。
【0038】(f)上記ゾル(S5 )の全量に、20
℃で攪拌下、上記シリカゾル(S0 )650gを加え
、引きつづき20℃で30分間攪拌するこにより乳白色
のシリカゾル3337.4gを得た。このゾルのpHは
4.8であった。
【0039】最後に、このゾルの全量に20℃で10%
NaOH水溶液27.8gを加え、20℃で2時間攪拌
することにより本発明のアルカリ性の乳白色ゾル(S6
 )3365.2gを得た。このゾル(S6 )は、p
H7.64、比重1.091、20℃粘度2.8cp、
SiO2 含量15.0%、Al2 O3 含量0.1
8%、滴定法Na2 O  0.011%、炎光法Na
2 O  0.115%、動的光散乱法平均粒子径37
0ミリミクロンであった。このアルカリ性の本発明によ
るゾル(S6 )は、室温3ケ月保存後も変化がなく、
増粘もゲル化も起さない安定なゾルであることを認めた
。更に、このアルカリ性の本発明によるゾル(S6 )
について、20万倍の電子顕微鏡写真を撮影したところ
、1個のコロイダルシリカ粒子についてその構造を観察
することができた。その写真によれば原料のシリカゾル
(S0 )のコロイダルシリカ粒子が多数平面方向に結
合を起して偏平な1個の大粒子を形状していることが認
められた。
【0040】実施例2 (a)  上記シリカゾル(S0 )450gに水28
0gを加えて希釈し、これに上記塩基性塩化アルミニウ
ム水溶液(B1 )100gを20℃で加えて引きつづ
き20℃で20分間攪拌することによりシリカゾルを得
た。次いで、20℃でこのゾルに28%アンモニア水0
.6gを加え、20℃で40分間攪拌することにより、
pH5.4のゾル(S1 )を得た。
【0041】(b)  上記ゾル(S1 )の全量に、
20℃でシリカゾル(S0 )を250g加え20℃で
30分間攪拌することにより乳白色のゾル(S2 )1
080.6gを得た。このゾル(S2 )のpHは4.
8であったからアルカリは加えなかった。
【0042】(c)  次いで、このゾル(S2 )の
全量に、20℃で上記塩基性塩化アルミニウム水溶液(
B1 )35gを加え、20℃で20分間攪拌すること
により、シリカゾルを得た。次いで、このゾルに、20
℃で28%アンモニウム水0.3gを加えて引きつづき
20℃で40分間攪拌することによりpH6.0のゾル
(S3 )を得た。
【0043】(d)  このゾル(S3 )の全量に、
20℃で上記シリカゾル(S0 )280gを加えて2
0℃で30分間攪拌することにより、乳白色のゾル(S
4 )1395.9gを得た。このゾルのpHは5.4
であったからアルカリは加えなかった。このゾルのコロ
イダルシリカの粒子径は250ミリミクロンであった。
【0044】(e)  次いで、このゾル(S4 )の
全量に、20℃で上記塩基性塩化アルミニウム水溶液(
B1 )15gを加えて20℃で20分間攪拌すること
により、シリカゾルを得た。次いで、このゾルに20℃
で28%アンモニア水0.25gを加えて20℃で40
分間攪拌することによりpH5.7のゾル(S5 )を
得た。
【0045】(f)  このゾル(S5 )の全量に、
20℃で上記シリカゾル(S0 )320gを加え20
℃で40分間攪拌することにより、乳白色のゾル(S6
 )1731.1gを得た。このゾル(S6)のpHは
5.2であったからアルカリは加えなかった。
【0046】最後に、このゾル(S6 )の全量に、2
8%アンモニア水4.9gを加え3時間攪拌することに
より、本発明によるアルカリ性のゾルを得た。
【0047】このゾルは、pH8.25、比重1.09
2、20℃の粘度4.0cp、SiO2 含量15.1
%、Al2 O3 含量0.173%、NH3 含量0
.098%、滴定法NH3 含量0.02%、動的光散
乱法によるシリカの平均粒子径280ミリミクロン、乳
白色のゾルであった。このゾルは、室温に3ケ月保存後
も、増粘もゲル化も起らず、安定であった。
【0048】実施例3 実施例1で得られたpH7.64のアルカリ性ゾル17
20gに水酸基型陰イオン交換樹脂200gを加えて攪
拌した後、このイオン交換樹脂をゾルから分離し、洗浄
水を加えることにより、pH9.97のゾルを得た。次
いで、このゾルをロータリーエバポレーターにより濃縮
したところ、SiO2 含量30.0%の高濃度ゾル8
60gが得られた。
【0049】このゾルは、pH10.1、比重1.21
1、20℃の粘度105cp、Al2 O3 含量0.
36%、滴定法Na2 O  0.08%、動的光散乱
法平均粒子径340ミリミクロン、乳白色であった。室
温3ケ月保存後も、増粘、ゲル化共に起らず安定であっ
た。
【0050】実施例4 実施例3で得られたpH10.1、SiO2 含量30
.0%のゾル800gに水1000gを加えて希釈した
後、これに水素型陽イオン交換樹脂200gを加えて攪
拌し、次いでこの樹脂をゾルから分離し、洗浄水を加え
ることにより、pH3.6の酸性ゾル2180gを得た
【0051】このゾルは、比重1.050、20℃の粘
度85cp、SiO2 含量11.0%、Al2 O3
 含量0.132%、動的光散乱法による平均粒子径4
30ミリミクロン、乳白色を呈し、チクソトロピック性
を示した。このゾルは、室温3ケ月保存後も、増粘、ゲ
ル化共に起らず安定であった。
【0052】実施例5 (a)  上記シリカゾル(S0 )800gに水52
0gを加えて希釈した後、これに20℃で塩基性塩化ア
ルミニウム水溶液(B1 )50gを加えて引きつづき
20℃で20分間攪拌することにより、シリカゾルを得
た。次いでこのゾル全量に、20℃で10%NaOH水
溶液2.3gを加えて20℃で40分間攪拌することに
よりpH5.6のゾル(S1 )を得た。
【0053】(b)  上記ゾル(S1 )の全量に、
20℃で上記シリカゲル(S0 )500gを加え20
℃で40分間攪拌することにより乳白色のゾル1872
.3gを得た。このゾルのpHは5.1であった。
【0054】次いで、このゾルの全量に20℃で10%
NaOH水溶液20gを加えて20℃で2時間攪拌する
ことにより、アルカリ性のゾル(S2 )1892.3
gを得た。このゾルはpH9.02、比重1.080、
20℃の粘度2.5cp、SiO2 含量13.9%、
Al2 O3 含量0.053%、滴定法Na2 O 
 0.07%、炎光法Na2 O  0.1%、動的光
散乱法による測定平均粒子径110ミリミクロンであっ
た。この例による生成ゾル(S2 )は、粒子径は大き
くなかった。
【0055】比較例 (a)  上記シリカゾル(S0 )400gに20℃
で上記塩基性塩化アルミニウム水溶液(B2 )400
gを加え20℃で20分間攪拌することにより、シリカ
ゾルを得た。次いで、このゾル全量に20℃で10%N
aOH水溶液21gを加え引きつづき20℃で30分間
攪拌することによりpH5.2のシリカゾル(S1)を
得た。
【0056】(b)この(S1 )の全量に、20℃で
シリカゾル(S0 )400gを加え20℃で30分間
攪拌したが、コロイド色を呈した透明な正帯電のシリカ
ゾル(S2 )しか得られなかった。
【0057】(c)  次いで、この得られたゾル(S
2 )全量に20℃で上記塩基性塩化アルミニウム水溶
液(B2 )400gを加え20℃で20分間攪拌した
後、20℃で10%NaOH水溶液21gを加えた。
【0058】(d)  (c)工程で得たゾル全量に上
記シリカゾル(S0 )400gを加え20℃で30分
間攪拌したが、やはり、コロイド色を呈した透明な正帯
電のシリカゾルのままであった。
【0059】(e)  次いで、上記(d)工程で得ら
れたゾルの全量に、20℃で上記塩基塩化アルミニウム
水溶液(B2 )400gを加え20℃で20分間攪拌
した後、20℃で10%NaOH水溶液21gを加えた
【0060】(f)  (e)工程で得たゾル全量に上
記シリカゾル(S0 )400gを加え20℃で30分
間攪拌したが、やはり、コロイド色を呈した透明な正帯
電のシリカゾルのままであった。この最後に得られたゾ
ルは、pH5.6、20℃の粘度2.0cp、SiO2
 含量11.3%、Al2 O3 含量1.68%、動
的光散乱法による平均粒子径46ミリミクロンであった
【0061】この比較例は、(a)工程で塩基性塩化ア
ルミニウムの添加量が、Al2 O3 /SiO3 と
して20重量%であり、Al2 O3 の添加量が多す
ぎたために、この正帯電シリカゾルにシリカゾル(S0
 )を加えたときにplanar aggregati
onが起らず、偏平大粒子のコロイダルシリカが生成し
なかったことを示している。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、簡易にかつ効率よく、
7〜30ミリミクロンの負帯電コロイダルシリカの酸性
水性ゾルから、そのコロイダルシリカ粒子の平面方向結
合による偏平大粒子シリカゾルを好ましく造ることがで
きる。
【0063】本発明の方法により得られた負帯電の偏平
大粒子シリカゾルは、安定であって、従来の負帯電球状
シリカゾルが示す如き各種の性能の他に、特に、高い造
膜性を示す。従って、このゾル単独で用いても、種々の
用途において改良された用途製品を得ることができるが
、このゾルは亦、他のアニオン性粒子の分散体とも安定
に混合できる性質を有し、これら混合物からも種々の改
良された用途製品を得ることができる。このような安定
に混合できるアニオン性粒子の分散体の例としては、従
来から知られている各種アニオン性シリカゾル、シリカ
以外のアニオン性金属酸化物ゾル、水ガラス水溶液、ア
ニオン性又はノニオン性界面活性剤、水溶性のポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、メラミン樹脂、
ベントナイト、アルギン酸ソーダ、アニオン性又はノニ
オン性の各種樹脂エマルジョン、アルキルシリケート加
水分解液、りん酸、クロム酸等の酸、りん酸アルミニウ
ム、りん酸カルシウム等の水溶液、親水性有機樹脂の有
機溶媒溶液等が挙げられる。
【0064】本発明による負帯電の偏平大粒子シリカゾ
ルを変性することによって得られる正帯電の偏平大粒子
シリカゾル、及びこのゾルと安定に混合できる他の成分
との混合物からも、種々の改良された用途製品を得るこ
とができる。更に、本発明による偏平大粒子シリカゾル
は、シランカップリング剤で処理することにより変性さ
せることもできる。このカップリング剤で処理したシリ
カゾルを乾燥することにより、そ水性のシリカパウダー
を得ることができる。
【0065】本発明によるこれら各種の偏平大粒子シリ
カゾルは、塗料、接着剤等の結合剤又はフィラーとして
;耐火物、鋳型等の結合剤として;セラミックファイバ
ー、ガラスファイバー等無機繊維成形用結合剤として;
有機繊維の処理剤として;紙の滑り防止剤として;紙の
コーティング剤成分として;金属の表面処理剤として;
金属の焼付防止剤及び酸化防止剤の成分として;各種樹
脂、フィルムに混入させるフィラーとして;金属及び半
導体等の研磨剤成分として等々、種々の用途に用いるこ
とができる。そして、これら種々の用途において、分散
性、結合性、付着性、吸着性、耐熱性、耐火性、帯電防
止性、親水性、増摩擦性、耐薬品性、造膜性等各種の性
能の向上をもたらす。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)工程〜(d)工程:(a)  
    2〜5のpHと2〜50重量%のSiO2 濃度と7〜
    30ミリミクロンの粒子径を有する負帯電シリカの酸性
    水性ゾル(S0 )のSiO2 としての100重量部
    に、1〜50重量%の塩基性アルミニウム塩又は塩基性
    ジルコニウム塩の水溶液(B)のAl2 O2 又はZ
    rO2 としての0.2〜10重量部を、上記ゾルの0
    〜100℃での攪拌下に加え、更に0.1〜5時間この
    攪拌を続けた後、ここに得られたゾルをアルカリ水溶液
    の添加によるpH調節によって4〜7のpHに調節して
    正帯電シリカの水性ゾル(S1 )を得る工程、(b)
      (a)工程で得られたゾル(S1 )のSiO2 
    としての100重量部に、上記ゾル(S0 )のSiO
    2 としての20〜200重量部を、ゾル(S1 )の
    0〜100℃での攪拌下に加え、更に0.1〜5時間こ
    の攪拌を続けた後、ここに得られたゾルをアルカリ水溶
    液の添加によるpH調節によって4〜7のpHに調節し
    て負帯電シリカの水性ゾル(S2 )を得る工程、(c
    )  (b)工程で得られたゾル(S2 )のSiO2
     としての100重量部に、(a)工程で用いられたゾ
    ル(S0 )のSiO2 100重量部に対する加えら
    れた水溶液(B)のAl2 O3 又はZrO2 の重
    量部の2〜50%に相当するAl2 O3 又はZrO
    2 重量部としての上記水溶液(B)を、上記ゾル(S
    2 )の0〜100℃の攪拌下に加え、更にこの攪拌を
    0.1〜5時間続けた後、ここに得られたゾルをアルカ
    リ水溶液の添加によるpH調節によって4〜7のpHに
    調節して正帯電シリカの水性ゾル(S3 )を得る工程
    、 (d)  (c)工程で得られたゾル(S3 )のSi
    O2 としての100重量部に、(b)工程で用いられ
    たゾル(S1 )のSiO2 100重量部に対する加
    えられたゾル(S0 )のSiO2 の重量部の10〜
    95%に相当するSiO2 としての上記ゾル(S0 
    )を、上記ゾル(S3 )の0〜100℃の攪拌下に加
    え、更にこの攪拌を0.1〜5時間続けた後、ここに得
    られたゾルをアルカリ水溶液の添加によるpH調節によ
    って4〜7のpHに調節して負帯電偏平シリカの水性ゾ
    ル(S4 )を得る工程、からなる、7〜100ミリミ
    クロンの厚みとこの厚みの10〜150倍であるが10
    0〜1000ミリミクロンの範囲内の平面方向粒子サイ
    ズを有する偏平形状コロイダルシリカの2〜50重量%
    のSiO2 濃度を有する水性ゾルの製造法。
  2. 【請求項2】  請求項1の(a)工程〜(d)工程ま
    で行った後に下記(e)工程と(f)工程:(e)  
    (d)工程で得られたゾル(S4 )のSiO2 とし
    ての100重量部に、上記(c)工程で用いられたゾル
    (S2 )のSiO2 100重量部に対する加えられ
    た水溶液(B)のAl2O3 又はZrO2 の重量部
    の2〜50%に相当するAl2 O3 又はZrO2 
    重量部としての上記水溶液(B)を、上記ゾル(S4 
    )の0〜100℃の攪拌下に加え、更にこの攪拌を0.
    1〜5時間続けた後、ここに得られたゾルをアルカリ水
    溶液の添加によるpH調節によって4〜7のpHに調節
    して正帯電シリカの水性ゾル(S5 )を得る工程、(
    f)  (e)工程で得られたゾル(S5 )のSiO
    2 としての100重量部に、上記(d)工程で用いら
    れたゾル(S3 )のSiO2 100重量部に対する
    加えられたゾル(S0 )SiO2 の重量部の10〜
    95%に相当するSiO2 としての上記ゾル(S0 
    )を、上記ゾル(S5 )の0〜100℃での攪拌下に
    加え、更にこの攪拌を0.1〜5時間続けた後、ここに
    得られたゾルをアルカリ水溶液の添加によるpH調節に
    よって4〜7のpHに調節して負帯電偏平シリカの水性
    ゾル(S6 )を得る工程、とを付加してなる、7〜1
    00ミリミクロンの厚みとこの厚みの10〜150倍で
    あるが100〜1000ミリミクロンの範囲内の平面方
    向粒子サイズを有する偏平形状コロイダルシリカの2〜
    50重量%のSiO2 濃度を有する水性ゾルの製造法
  3. 【請求項3】  酸性水性の負帯電シリカゾルに、アル
    ミニウムの塩基性塩及びジルコニウムの塩基性塩からな
    る群より選ばれる一種又は2種以上の金属塩基性塩の水
    溶液を、この塩の金属の酸化物として上記シリカゾルの
    SiO2 に対し0.01〜10重量%量混合するとこ
    とにより得られた正帯電のシリカゾルをSiO2 とし
    て100重量部と、粒子径4〜50ミリミクロンの負帯
    電シリカの酸性水性ゾルをSiO2 として10〜20
    0重量部混合することを特徴とする、実質的に粒子径4
    〜50ミリミクロンのコロイダルシリカ粒子の平面方向
    結合による偏平大粒子シリカゾルの製造方法。
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