JP4618998B2 - 改質シリカ系ゾルおよび該改質シリカ系ゾルの製造方法 - Google Patents

改質シリカ系ゾルおよび該改質シリカ系ゾルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子表面が塩基性金属化合物により改質されたシリカ系ゾルおよび該シリカ系ゾルの製造方法に関する。
従来、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル、酸化アンチモンゾル、酸化亜鉛ゾル、炭酸カルシウム等の無機酸化物ゾル、無機化合物ゾル、シリカ・アルミナ等の複合酸化物ゾル等は耐摩耗性、耐擦傷性、硬度、耐候性、耐光性を不付与するために、あるいは屈折率調整剤、光学材料、着色剤、紫外線遮蔽剤等として基材上の樹脂被膜あるいは樹脂フイルム等に配合して用いられている。また、フィラーあるいは結合材等としても用いられている。
特に、シリカゾル、シリカ・アルミナ等の複合酸化物ゾルは球状の微粒子ゾルが得られ、安定性等に優れていることから、前記被膜形成用塗料への分散性が良く、得られる被膜は、ボイドやピンホールが無く、膜厚が均一で強度に優れた薄膜を得ることができる。
ところで、前記シリカゾルは屈折率が低く、紫外線遮蔽能を持たないので、これらの性能を付与させるためには、他の成分のゾルを混合することが必要となるが、この場合、安定性が低下したり、ゲル化する等の問題があった。
高屈折率で、紫外線遮蔽能を有するシリカ系ゾルとして、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、シリカ・鉄等の複合酸化物ゾルが知られてはいるが、ゾル中の粒子径を精度よく、安定性において再現性良く製造することは容易なことではなかった。
また、負に帯電した酸性水性シリカゾルに、アルミニウムの塩基性塩またはジルコニウムの塩基性塩の水溶液を混合して、正に帯電したシリカゾルを得ることが特開平4−214022号公報(特許文献1)により公知であるが、濃度や温度によっては安定性が不十分であったり、ゲル化することがあった。特に、pHが約4以下の低pH域では、安定性が低く、安定したゾルが得られにくい。
特開平4−214022号公報
本発明は、シリカ系粒子の表面に塩基性金属化合物を結合・吸着させることにより、従来のシリカゾルに比べて屈折率が高く、分散安定性に優れ、また、塩基性金属化合物の金属の種類によっては紫外線遮蔽能を有する改質シリカ系ゾルおよび該シリカ系ゾルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の改質シリカ系ゾルは、シリカ系粒子の表面に、下記式(1)で表される塩基性金属化合物が結合してなるものである。
[M2(OH)n(2a-n)/b]m ・・・(1)
(式中、Mは1種または2種以上の3価および/または4価の金属カチオン、Xはアニオンであり、aは金属カチオンの価数、bはアニオンの価数を示し、1≦n≦7、n<2aであり、1≦m≦20である。)
前記塩基性金属化合物の金属カチオンは、少なくとも第2鉄イオンを含むことが好ましい。
前記改質シリカ系ゾルの改質シリカ系粒子の平均粒子径が5〜80nmの範囲にあり、pHが0.1〜5の範囲にあり、濃度が固形分として5〜60重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明の改質シリカ系ゾルの製造方法は、シリカ系ゾルを下記式(1)で表される塩基性金属化合物水溶液に添加して混合することからなることを特徴とする。
[M2(OH)n(2a-n)/b]m ・・・(1)
(式中、Mは1種または2種以上の3価および/または4価の金属カチオン、Xはアニオンであり、aは金属カチオンの価数、bはアニオンの価数を示し、1≦n≦7、n<2aであり、1≦m≦20である。)
前記シリカ系ゾルと塩基性金属化合物水溶液との混合液のpHを0.1〜5に調整することが好ましい。
本発明に係る改質シリカ系ゾルは、屈折率が高く、分散安定性に優れている。また、塩基性金属化合物の金属の種類によっては紫外線遮蔽能を有し、被膜に配合して用いた場合、基材の種類によっては密着性が向上したり、被膜の種類によっては高い絶縁性を維持することができたり、緻密な被膜を得ることができる。
本発明に係る改質シリカ系ゾルの製造方法によってよって得られる改質シリカ系ゾルは、シリカ系粒子の表面に塩基性金属化合物が結合および/または吸着しているので、粒子径分布が均一であり、表面が正に帯電し、このため分散安定性に優れる。従って、このような改質シリカ系ゾルを用いて形成した被膜、フィルムは改質シリカ系ゾルの塩基性金属化合物の種類あるいは量によって、屈折率を調整することが可能であり、耐光性、遮蔽性等にも優れている。
さらに、前記塩基性金属化合物はシリカ系粒子表面との結合性に優れている他、塩基性金属化合物の種類によっては他の被膜形成剤、フィルム形成剤、被膜やフィルム充填剤と容易に結合し、粒子径分布が均一であることから、被膜やフィルムは強度、耐擦傷性等に優れている。
改質シリカ系ゾル
本発明に係る改質シリカ系ゾルは、シリカ系粒子の表面に、前記式(1)で表される塩基性金属化合物が結合したものである。
前記シリカ系ゾルとしては、シリカ系ゾル中のシリカ系粒子の平均粒子径が概ね5〜80nmの範囲にあり、粒子径分布が均一であれば特に制限はなく、従来公知のシリカゾル、シリカ系複合ゾルを用いることができる。例えば、本願出願人の出願による、特開昭63−45113号公報、特開昭63−123807号公報等に開示したシリカゾル、特開平5−132309号公報、特開平7−133105号公報等に開示したシリカ系複合酸化物ゾルは好適に用いることができる。
次に、前記塩基性金属化合物としては前記式(1)で表される塩基性金属化合物が用いられる。
Mは3価および/または4価の金属カチオンであり、例えば、周期律表の第3B族、第4A族の元素の金属カチオンが用いられる。これらは同一化合物においてMが1種または2種以上の元素の金属カチオンを含んでいてもよい。
このような金属カチオンとしては、例えば、Al3+、Fe3+、Ga4+、Ti4+、Zr4+等が挙げられる。なかでもFe3+を含む化合物は好適に用いることができる。Fe3+を含む化合物は屈折率を高めることができるとともに、得られる改質シリカ系粒子は紫外線遮蔽能を有し、耐光性に優れている。Fe3+を含む2種以上の金属カチオンからなる場合の組み合わせとしてはAl−Fe、Ti−Fe、Zr−Fe等が挙げられる。
Xはアニオンであり、例えばハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、有機アニオン等が挙げられる。
具体的には、{Al2(OH)1(SO42.54 、{Fe2(OH)1(SO42.54 、{Zr2(OH)1(SO43.54 、Al2(OH)2(SO424 、{Fe2(OH)2(SO424 、{Fe2(OH)1(SO42.56 、{Fe2ーxAlx(OH)1(SO42.54 (0<x<2) 等の他、前記(SO4)を他の前記アニオンに置換した化合物等が挙げられる。
また、式中、mは1≦m≦20 、好ましくは2≦m≦10 の範囲にある。mが20を越えると、シリカ系粒子表面への結合が起こりにくくなり、また表面電荷が付与できないために得られる改質シリカ系ゾルが不安定であったり、凝集することがある。
なお、本発明において前記「結合」は狭義の結合に限られず、化学吸着、物理吸着等の「吸着」を含んで意味している。即ち、前記塩基性金属化合物が吸着状態にあってもシリカ系粒子の表面に電荷を付与でき、安定したゾルが得られる場合がある。一般に、前記塩基性金属化合物のmの大きいものは結合より吸着、mの小さいものは吸着より結合の傾向が強い。
このような塩基性金属化合物の改質シリカ系ゾル中の含有量は、用いるシリカ系粒子の粒子径、あるいは塩基性金属化合物のmの値によっても異なるが、塩基性金属化合物を金属酸化物モル数(Mox)で表し、シリカ系ゾルの合計酸化物モル数(シリカのモル数とシリカ以外の酸化物のモル数)をMsで表したときのモル比Mox/Ms が0.02〜1、さらには0.05〜0.5の範囲にあることが好ましい。
前記モル比Mox/Ms が0.02未満の場合は、安定性が不充分となる他、金属の種類によって異なるが、耐光性、屈折率、遮蔽性が不充分となる。前記モル比Mox/Ms が1を越えてはシリカ系粒子表面に結合あるいは吸着することが困難である。
本発明の改質シリカ系ゾルに用いる分散媒としては水および/または有機溶媒を用いることができ、有機溶媒としてはメチルアルコール、エチルアルコール、グリコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
本発明に係る改質シリカ系ゾルは、改質シリカ系ゾル中の改質シリカ系粒子の平均粒子径が5〜80nm、さらには5〜50nmの範囲にあることが好ましい。改質シリカ系粒子の平均粒子径が5nm未満の場合は、凝集することがあり、安定性が不充分となることがある。一方、80nmを越えると、改質用塩基性化合物の結合量あるいは吸着量が減少するので耐光性、紫外線遮蔽性等の改質効果が不充分となる。
改質シリカ系ゾル中の改質シリカ系粒子の濃度は、固形分として5〜60重量%、さらには10〜40重量%の範囲にあることが好ましい。濃度が固形分として5重量%未満の場合は、薄過ぎるために用途に制限があり、被膜形成用塗布液等として用いる場合は、1回の塗布で充分な膜厚の被膜が得られなかったり、このため目的の改質効果、例えば、屈折率、耐光性、紫外線遮蔽性が充分得られないことがある。他方、濃度が固形分として60重量%を越えると、ゾルの安定性が低下するとともに、粘度が高くなる等の問題がある。
また、改質シリカ系ゾルのpHは0.1〜5、さらには0.5〜3.8の範囲にあることが好ましい。pHが0.1未満の場合は、酸性による腐食性が問題となることがあり、pHが5を越えると塩基性金属化合物が金属水酸化物になりやすく、安定性が低下する傾向にある。
なお、本発明に係る改質シリカ系ゾルは、前記したシリカ系粒子の表面に結合等した塩基性金属化合物以外に、改質シリカ系ゾルの分散媒に溶解した塩基性金属化合物を含んでいてもよい。このときの分散媒に溶解した塩基性金属化合物の濃度は概ね30重量%以下である。
改質シリカ系ゾルの製造方法
本発明に係る改質シリカ系ゾルの製造方法は、シリカ系ゾルと前記式(1)で表される塩基性金属化合物水溶液とを混合するものであるが、シリカ系ゾルとしては前述したシリカ系ゾルを用いることができ、このときシリカ系ゾル中のシリカ系粒子の濃度は酸化物として5〜50重量%、さらには10〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
シリカ系ゾル中のシリカ系粒子の濃度が酸化物として5重量%未満の場合は生産効率が低く、50重量%を越えると、粘度が高いために均一に速やかに塩基性金属化合物水溶液と混合できないことがあり、凝集することがある。
また、塩基性金属化合物としては、前述した塩基性金属化合物を用いることができ、塩基性金属化合物水溶液中の塩基性金属化合物の濃度は、固形分として0.5〜30重量%、さらには1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
塩基性金属化合物の濃度が、固形分として0.5重量%未満の場合は、所望量の塩基性金属化合物が結合・吸着しないことがある。一方、濃度が、固形分として30重量%を越えると、シリカとの混合が迅速にかつ均一にできない場合があり、得られる改質シリカ系ゾルの安定性が不充分となることがある。
本発明に係る改質シリカ系ゾルの製造方法では、シリカ系ゾルと塩基性金属化合物水溶液とを混合する際に、塩基性金属化合物水溶液にシリカ系ゾルを添加する方法が好ましい。これとは逆に、シリカ系ゾルに塩基性金属化合物水溶液を添加すると、得られるゾルの安定性が低く、凝集粒子が生成することがある。
シリカ系ゾルと塩基性金属化合物水溶液との混合比率は、得られる改質シリカ系ゾルの改質シリカ系粒子中の塩基性金属化合物の含有量が、塩基性金属化合物を金属酸化物モル数(Mox)で表し、シリカ系ゾルの合計酸化物モル数(シリカのモル数とシリカ以外の酸化物のモル数)をMsで表したときのモル比Mox/Ms が0.02〜2、さらには0.05〜1の範囲となるように用いることが好ましい。
前記モル比Mox/Ms が0.02未満の場合は、安定性が不充分となる他、金属の種類によって異なるが、耐光性、屈折率、遮蔽性が不充分となる。前記モル比Mox/Ms が2を越えてはシリカ系粒子表面に結合あるいは吸着することができず、ゾル中に溶解した塩基性金属化合物が多くなり、塩基性金属化合物の利用効率が低下する。
このとき、必要に応じてシリカ系ゾルと塩基性金属化合物水溶液との混合液のpHを0.1〜5、さらには0.5〜3.8の範囲に調整することが好ましい。pHが0.1未満の場合は、酸性による腐食性が問題となることがある。一方、pHが5を越えると塩基性金属化合物が金属水酸化物になりやすく、安定性が低下する傾向にある。
なお、混合液のpHを前記範囲に調整する方法としては酸またはアルカリを添加すればよい。また、混合後のpHが前記範囲となるようにあらかじめシリカ系ゾルおよび/または塩基性化合物水溶液に酸またはアルカリを加えて混合することもできる。
混合時の混合液の温度は概ね10〜90℃、さらには20〜50℃の範囲にあることが好ましい。10℃未満の場合は、シリカ系粒子への塩基性金属化合物の結合あるいは吸着が不充分となり、所望の安定性、性能を有した改質シリカ系ゾルが得られない場合があり、90℃を越えると塩基性金属化合物が単独で加水分解・重合、さらには微粒子化し、所望の改質シリカ系ゾルが得られないことがある。
得られた改質シリカ系ゾルは、必要に応じて濃縮あるいは希釈することができる。濃縮する方法としては、限外濾過膜法、エバポレーターによる加熱濃縮等が挙げられる。さらに、必要に応じて限外濾過膜法、エバポレーター法により有機溶媒に溶媒置換し、改質シリカ系オルガノゾルとすることもできる。
このようにして得られた改質シリカ系ゾルは、平均粒子径が5〜80nm、さらには5〜50nmの範囲にあり、pHが0.1〜5、さらには0.5〜3.8の範囲にあり、濃度が固形分として5〜60重量%、さらには10〜40重量%の範囲にあり、改質シリカ系粒子中の塩基性金属化合物の含有量が、塩基性金属化合物を金属酸化物モル数(Mox)で表し、シリカ系ゾルの合計酸化物モル数(シリカのモル数とシリカ以外の酸化物のモル数)をMsで表したときのモル比Mox/Ms が0.02〜1、さらには0.05〜0.5の範囲にあることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に詳述する。
改質シリカ系ゾル(1)の調製
塩基性硫酸鉄水溶液(多木化学(株)製:ダンパワー、pH2.5、Fe23濃度16.4重量%)500gを5Lの攪拌機付きガラス容器に採取し、温度25℃にした。その後、攪拌しながら、この溶液に25℃のシリカゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイドSN、pH3.0、SiO2濃度20重量%、平均粒子径12nm)1500gを2分間かけて添加した。その後、25℃に保ちながら60分間攪拌を継続して改質シリカ系ゾル(1)を調製した。
この改質シリカ系ゾル(1)は、酸化物合計濃度(SiO2+Fe23)が19.1重量%、平均粒子径13nm、Fe23/SiO2モル比0.10、pH1.5であった。粒径分布は均一であった。
平均粒子径は透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値を用いた。また、粒子径分布はTEM写真を観察し、粒子径が平均粒子径の1/2、あるいは2倍の粒子および凝集粒子の有無を観察した。
安定性の評価
得られた改質シリカ系ゾル(1)をガラス容器に採り、25℃の恒温槽に浸漬し、ゾルの状況を観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
2ヶ月以上安定であった。 :◎
31日〜2ヶ月の間に白濁、ゲル化が開始した。:○
8〜30日の間に白濁、ゲル化が開始した。 :△
7日以内に白濁、ゲル化が開始した。 :×
屈折率の測定
改質シリカ系ゾル(1)中の改質シリカ系粒子の屈折率を以下の方法で測定した。
(1) 改質シリカ系ゾルをエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2,3滴ガラス基板に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が最も透明性を有したときの標準屈折液の屈折率を改質シリカ系粒子の屈折率とした。
耐光性の評価
水溶性樹脂(日本合成化学(株)製:ポリエスター970、樹脂濃度20重量%)100重量部に、酸化物濃度を20重量%に調整した改質シリカ系ゾル(1)30重量部を混合して塗料とした。この塗料をポリカーボネート基板(厚さ:3mm)にワイヤバーにて塗布し、100℃で30分間乾燥して、厚さ3μmの透明被膜を得た。
透明被膜を形成した基板を耐光性試験機(スガ試験機(株)製、サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター)に設置し、塗布基板の表面温度を60℃に維持しながら紫外線を250時間照射した後、透明被膜付基板の変化を観察し、以下の基準により評価した。
変色が認められなかった。 :◎
僅かに変色が認められた。 :○
明らかに変色が認められた。:△
濃い変色が認められた。 :×
改質シリカ系ゾル(1) の安定性、改質シリカ系粒子の屈折率、耐光性の測定結果を、酸化物合計濃度、平均粒子径、pH等と共に表1に示した。
改質シリカ系ゾル(2)の調製
実施例1において、塩基性硫酸鉄水溶液を800gを用いた以外は同様にして改質シリカ系ゾル(2)を調製した。この改質シリカ系ゾル(2)は、酸化物合計濃度(SiO2+Fe23)が18.7重量%、平均粒子径13nm、Fe23/SiO2モル比0.16、pH1.4であった。粒径分布は均一であった。
実施例1と同様にして、改質シリカ系ゾル(2)の安定性、改質シリカ系粒子の屈折率、耐光性を測定し、結果を表1に示した。
改質シリカ系ゾル(3)の調製
実施例1において、塩基性硫酸鉄水溶液を200gを用いた以外は同様にして改質シリカ系ゾル(3)を調製した。この改質シリカ系ゾル(3)は、酸化物合計濃度(SiO2+Fe23)が19.6重量%、平均粒子径12nm、Fe23/SiO2モル比0.04、pH2.0であった。粒径分布は均一であった。
改質シリカ系ゾル(4)の調製
塩基性硫酸鉄水溶液(多木化学(株)製:ダンパワー、pH2.5、Fe23濃度16.4重量%)500gを5Lの攪拌機付きガラス容器に採取し、温度25℃にした。
別途、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイドSI-50、pH9.5、SiO2濃度20重量%、平均粒子径25nm)に濃度4重量%の硫酸100gを加えてpHを3.0とした。
ついで、塩基性硫酸鉄水溶液を攪拌しながら、これに25℃のpH調整したシリカゾル1500gを2分間かけて添加した。その後、25℃に保ちながら60分間攪拌を継続して改質シリカ系ゾル(4)を調製した。
この改質シリカ系ゾル(4)は、酸化物合計濃度(SiO2+Fe23)が18.2重量%、平均粒子径30nm、Fe23/SiO2モル比0.10、pH1.4であった。粒径分布は均一であった。
改質シリカ系ゾル(5)の調製
塩基性硫酸鉄水溶液(多木化学(株)製:ダンパワー-FA、pH2.1、Fe23濃度7.9重量%、Al23濃度4.7重量%)500gを5Lの攪拌機付きガラス容器に採取し、温度40℃にした。その後、攪拌しながら、この溶液に25℃のシリカゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイドSN、pH3.0、SiO2濃度20重量%、平均粒子径12nm)1500gを30分間かけて添加した。その後、40℃に保ちながら60分間攪拌を継続して改質シリカ系ゾル(5)を調製した。この改質シリカ系ゾル(5)は、酸化物合計濃度(SiO2+Fe23+Al23)が18.1重量%、平均粒子径13nm、(Fe23+Al23)/SiO2モル比0.09、pH1.6であった。粒径分布は均一であった。
<削除>
改質シリカ系ゾル(7)の調製
実施例1で得た改質シリカ系ゾル(1)100gに塩基性硫酸鉄水溶液(多木化学(株)製:ダンパワー、pH2.5、Fe23濃度16.4重量%)20gを混合して改質シリカ系ゾル(7)を調製した。
この改質シリカ系ゾル(7)は、酸化物合計濃度(SiO2+Fe23)が18.6重量%、平均粒子径13nm、Fe23/SiO2モル比0.18、pH1.9であった。粒径分布は均一であった。
改質シリカ系ゾル(8)の調製
実施例4において、シリカゾルの代わりにシリカ・アルミナゾル(触媒化成工業(株)製:ファインカタロイドUSBB-120、pH10.0、(SiO2+Al23)濃度20重量%、平均粒子径25nm)に濃度4重量%の硫酸80gを加えてpHを5.0として用いた以外は同様にして改質シリカ系ゾル(8)を調製した。粒径分布は均一であった。
この改質シリカ系ゾル(8)は、酸化物合計濃度(SiO2+Fe23+Al23)が18.4重量%、平均粒子径26nm、Fe23/(SiO2+Al23)モル比0.11、pH3.5であった。粒径分布は均一であった。
比較例1
シリカ系ゾル(R1)
シリカ系ゾル(R1)としてシリカゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイドSN、pH3.0、SiO2濃度20重量%、平均粒子径12nm)を用いた。粒径分布は均一であった。
比較例2
シリカ系ゾル(R2)
シリカ系ゾル(R2)としてシリカゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイドSI-50、SiO2濃度20重量%、平均粒子径25nm)を用いた。粒径分布は均一であった。
比較例3
改質シリカ系ゾル(R3)の調製
実施例1において、塩基性硫酸鉄水溶液500gの代わりに、pH1.1、Fe23濃度16.4重量%の硫酸鉄水溶液(Fe2(SO4)3)500gを用いた以外は同様にして改質シリカ系ゾル(R3)を調製した。この改質シリカ系ゾル(R3)は、酸化物合計濃度(SiO2+Fe23)が19.1重量%、Fe23/SiO2モル比0.10、pH1.3であった。しかしながら、改質シリカ系ゾル(R3)は不安定で平均粒子径は50nmを越える凝集粒子であった。
Figure 0004618998

Claims (6)

  1. シリカ系粒子の表面に、下記式(1)で表される塩基性金属化合物が結合してなる改質シリカ系ゾルであって、ゾル中の改質シリカ系粒子の屈折率の値が1.46〜1.50の範囲にある改質シリカ系ゾル
    [M2(OH)n(2a-n)/b]m ・・・(1)
    (式中、Mは1種または2種以上の3価および/または4価の金属カチオンであって少なくとも第2鉄イオンを含み、Xはアニオンであり、aは金属カチオンの価数、bはアニオンの価数を示し、1≦n≦7、n<2aであり、1≦m≦20である。)
  2. 前記金属カチオンMがFe、Al−Fe、Ti−Fe、Zr−Feのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の改質シリカ系ゾル。
  3. 前記改質シリカ系ゾルの改質シリカ系粒子の平均粒子径が5〜80nmの範囲にあり、pHが0.1〜5の範囲にあり、濃度が固形分として5〜60重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の改質シリカ系ゾル。
  4. 前記改質シリカ系ゾルのpHが0.5〜3.8の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の改質シリカ系ゾル。
  5. シリカ系ゾルを下記式(1)で表される塩基性金属化合物水溶液に添加して混合することからなる、屈折率の値が1.46〜1.50の範囲にある改質シリカ系粒子が分散したゾルの製造方法。
    [M2(OH)n(2a-n)/b]m ・・・(1)
    (式中、Mは1種または2種以上の3価および/または4価の金属カチオンであって少なくとも第2鉄イオンを含み、Xはアニオンであり、aは金属カチオンの価数、bはアニオンの価数を示し、1≦n≦7、n<2aであり、1≦m≦20である。)
  6. 前記シリカ系ゾルと塩基性金属化合物水溶液との混合液のpHを0.1〜5に調整することを特徴とする請求項5に記載の改質シリカ系粒子が分散したゾルの製造方法。
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