JPH0420707B2 - - Google Patents

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JPH0420707B2
JPH0420707B2 JP1071278A JP7127889A JPH0420707B2 JP H0420707 B2 JPH0420707 B2 JP H0420707B2 JP 1071278 A JP1071278 A JP 1071278A JP 7127889 A JP7127889 A JP 7127889A JP H0420707 B2 JPH0420707 B2 JP H0420707B2
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JP
Japan
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gas
welding
groove space
welding method
welded
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JP1071278A
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Yoshiaki Nakano
Hideto Wakinaka
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鉄筋等の棒状の被溶接材を垂直に立て
て又は水平においてエンクローズアーク溶接する
ガスシールドアークエンクローズ溶接方法に関
し、特に狭開先の場合に有効であつて、裏当材を
使用して溶接欠陥を防止し、更に整流状態のシー
ルドガス流により被覆したガスシールドアークエ
ンクローズ溶接方法に関する。
[従来の技術] 第8図a,bはいずれも従来のエンクローズア
ーク溶接方法を示す断面図であり、第8図aは水
平筋の場合、第8図bは垂直筋の場合についての
ものである。水平筋の場合は、第8図aに示すよ
うに、鉄筋1にその長手方向に直交する接合面1
aを形成し、この接合面1a間を所定の開先幅で
離隔させて両者を水平に配置する。そして、この
開先空間の下半部にあてがうようにして断面がU
字形の銅当金2を配置し、この開先空間の上方側
に設けた銅当金2の溶接口から溶接棒(いずれも
図示せず)を開先空間内に挿入し、被覆アーク溶
接により開先空間の下部から上部に向かつて溶接
金属3を充填していく。この場合に、スラグ4が
発生してこのスラグ4が鉄筋1と銅当金2との間
を埋めてビードを形成する作用を有する。
また、垂直筋の場合は、8図bに示すように、
鉄筋5を垂直に配置し、その接合面5aを鉄筋5
の長手方向に対して傾斜させて形成すること以外
は水平筋の場合と同様である。
第9図a,bは鋼製スリーブ10を使用した被
覆アーク溶接方法を示す断面図である。水平筋の
場合は、第9図aに示すように、鉄筋11をその
略垂直の接合面間に所定の開先幅をおいて水平に
配置し、この開先空間を囲繞するようにして鋼製
スリーブ10を嵌合する。そして、このスリーブ
10の上端の開口部10aを介して溶接棒(図示
せず)を開先空間内に挿入し、被覆アーク溶接す
る。これにより、溶接金属12が開先空間内に盛
りつけられる。この鋼製スリーブ10は継手の一
部となる。
垂直筋の場合は、第9図bに示すように、鉄筋
12を垂直に配置し、下方の鉄筋12には水平の
接合面を形成し、上方の鉄筋12にはスリーブ1
0の開口部10aが上方に開いた傾斜接合面を形
成する。その他の溶接条件は水平筋の場合と同様
である。
第10図はガスメタルアーク溶接方法を示す図
である。但し、第10図a,bは水平筋の場合の
夫々正面断面図及び側面断面図であり、第10図
cは垂直筋の場合の側面断面図である。水平筋の
場合は、その接合面が垂直の鉄筋21を相互間に
所定の開先幅をおいて水平に配置し、断面がU字
形をなす銅当金20を開先空間を中心として鉄筋
21の両端部を下方から抱くように配置し、鉄筋
21の下半部と銅当金20との間にガラス製テー
プ22を介装する。そして、溶接電極ワイヤ23
を開先空間にその上部から挿入し、ガスメタルア
ーク溶接する。このガラス製テープ22は銅当金
20のアークによる損傷を防止すると共に、良好
なスラグを形成するために開先空間の底部に配設
される。
なお、ガラステープ22の替わりに、鋼製裏当
金を使用することもある。即ち、第10図cに示
すように、垂直筋について鋼製裏当金を使用した
場合は、接合面が水平の鉄筋24を下方に配置
し、接合面が傾斜した鉄筋24を上方に配置する
と共に、開先空間に望ませて凹所25aを設けた
銅当金25を1対の鉄筋24の両端部を囲繞する
ように配設する。そして、この凹所25aに鋼製
裏当金26を挿入して配置し、同様にしてガスメ
タルアーク溶接する。この鋼製裏当金は継手の一
部となる。
また、このアークの周囲をガスシールドする場
合は、例えば、銅当金の先端部にシールドガスの
噴出部材を設け、シールドガスを直接開先空間に
向けて噴出させるか、又は銅当金の鉄筋近傍の部
分にシールドガス供給口を設けてこの供給口から
開先空間にシールドガスを供給するようになつて
いる(特開昭59−153581号)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述した従来の溶接方法はいず
れも以下に示すような欠点を有する。
先ず、第8図に示す従来のエンクローズアーク
溶接方法においては、銅当金2が直接溶接アーク
に曝されるため、銅当金2の損傷が著しい。この
ため、銅当金2を頻繁に交換する必要があり、溶
接治具に要する費用が極めて高い。
また、第9図に示す被覆アーク溶接方法におい
ては、鋼製スリーブ10がスラグ13と濡れる性
質があるので、開先外へのスラグ13の排出が困
難である。このため、スラグ13の巻込みが発生
すると共に、アンダーカツト14が発生しやす
い。また、鋼製スリーブ10は銅当金に比して溶
接金属に対する冷却作用が小さいため、スリーブ
10と鉄筋11との間の間隙に溶接金属が侵入し
てオーバーラツプ15が発生しやすい。更に、こ
の方法も連続溶接が困難であることから溶接能率
が低いという難点がある。
更に、第10図に示すガスメタルアーク溶接方
法においては、ガラステープ22を使用する場合
は、このガラステープ22を開先の底部に設ける
ため、溶接開始時にはアークを開先の側壁部との
間で発生させる必要がある。しかしながら、狭開
先の場合には、開先側壁部に対してトーチ角度を
大きくとることが困難である。また、ガラステー
プ22に溶接ワイヤが指向してしまい、ワイヤの
ガラステープ22へのステイツクが発生し、これ
に起因してワイヤ送給不良等が生起されるので、
アークスタートを安定して且つ良好に行うことが
できない。
更にまた、鋼製裏当金26を使用する場合は、
被覆アーク溶接方法(第9図)の場合と同様に、
アンダーカツト27又はオーバーラツプ28が発
生し易い。
上述の如く、異径断面の棒鋼である鉄筋の突合
せ溶接においては、鋼製スリーブ10及び鋼製裏
当金26のように鋼材の場合、又は銅当金2,2
0のように銅材の場合のいずれにおいても、これ
らの当金と鉄筋又は開先空間との間の間隔が、鉄
筋のリブ及び節の形状に起因して、鉄筋の任意の
断面において不規則であるため、種々の溶接欠陥
が発生する。
また、銅当金がアークに直接曝される場合に
は、銅当金の損傷が激しく、交換頻度が高い。
更に、銅当金と開先空間との間に鋼製裏当金を
設けるとアンダーカツト又はオーバーラツプ等の
溶接欠陥が発生し易い。
更にまた、ガラステープ又はセラミツクス材等
を銅当金と開先空間との間に設けるとスラグ生成
作用が得られるものの、電気絶縁性のためにアー
クの安定起動が阻害される。
一方、従来のガスシール手段においては、シー
ルドガスを直接開先空間に向けて噴射しているの
で、高速乱流状態のガスが開先内に流入する。こ
のような高速乱流状態のガス流を使用してシール
ドしようとする場合には、開先空間内への外気の
巻き込みを十分に防止する必要がある。このた
め、従来、当金治具の両端部にシール材を配設し
て外気の吸込みを防止しようとしている。しかし
ながら、鉄筋は異径棒鋼であるため、その表面に
は種々のリブパターンが存在する。また、リブの
高さも棒鋼の直径等により種々異なるので、全て
のリブパターンに対応可能のようにシール材を用
意することは極めて煩雑である。
更に、シールドガス供給口が当金における被溶
接材の直近にある場合は、この供給口が溶接金属
の充填に伴い閉塞されて本来の機能を発揮しなく
なるのに加え、極端な場合には、溶接金属が供給
口に流入して当金治具が鉄筋に固定されてしまう
という事故が発生する。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので
あつて、溶接欠陥が防止されると共に、当金の損
傷も軽減され、またアーク周囲を確実にガスシー
ルすることができるガスシールドアークエンクロ
ーズ溶接方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係るガスシールドアークエンクローズ
溶接方法は、棒状の1対の被溶接材をその接合面
間に所定の開先空間を設けて配置すると共に、前
記開先空間の外周の一部を囲む当金を配置し、こ
の当金と前記被溶接材及び開先空間との間に、導
電部材と、耐火性可撓性部材との複合体からなる
裏当材を、前記導電部材を前記被溶接材及び開先
空間側にして当金との間に介装し、溶接電極を前
記当金の開口部から開先空間に挿入してアークを
形成する溶接方法において、前記当金の開口部側
に、前記被溶接材の長手方向に平行にシールドガ
スを吐出させて相互に対向する2対のシールドガ
ス流を形成したことを特徴とする。
[作用] 本発明においては、当金と被溶接材との間に、
裏当材を配置する。この裏当材は被溶接材側に設
けられてこれと接触する導電部材と、当金側の可
撓性部材との複合体であるから、アークは導電部
材との間で発生するため、安定して且つ良好にア
ークが起動される。また、可撓性部材がこの導電
部材の裏に配設されているので、被溶接材の表面
に凹凸があり、又は1対の被溶接材間に若干の位
置の偏りがあつても、可撓性部材が変形して裏当
材は1対の被溶接材の両端部に確実に接触するの
で、溶接金属を開先空間内に保持することができ
る。即ち、溶接金属の漏出が防止されるので、こ
れにより溶接欠陥の発生を抑制することができ
る。
更に、本発明においては、当金の開口部側に2
対のシールドガス流を相互に対向するように、そ
していずれも相互に衝突するような位置関係で形
成してある。そして、これらの2対のシールドガ
ス流の衝突によつて、開先空間に向かうシールド
ガス流と外方に向うシールドガス流が形成され
る。従つて、開先空間内に流れ込むシールドガス
は吐出流が直接はいり込んだものではなく、流れ
に慣性がなく微少変動流が少ないシールドガス流
になるため、アーク及び溶接金属はシールドガス
流による悪影響を受けなくなる。また、シールド
ガスは被溶接材の表面上を長手方向に流れるの
で、リブ間に存在する空気を前記開先空間にまき
込み侵入させることが防止される。また、外方に
向かうシールドガス流は当金の開口部からの外気
の侵入を阻止する。更に、2対のシールドガス吐
出口を有しているので、外気側に近い吐出口から
の流量と奥側の流量とを相互に変えることによ
り、外気シールド性及びアーク状態の良好性等に
応じて好適な溶接状態を得ることも容易である。
このようにして、2対の対向吐出流により、開先
空間内が外気から確実に遮断されると共に、アー
ク状態を良好にすることができる。
なお、可撓性部材としては、セラミツクス繊維
体又はセラミツクスペースト等があり、可撓性を
有すると共に、溶接金属と接触しても溶融しない
ような耐火性を有するものであれば、種々の材料
のものを使用することができる。一方、導電部材
としては、薄鋼帯板、鋼製網又は小径の鋼条材等
がある。この導電部材は、耐火性可撓性部材の特
性を阻却せずに、裏当材全体としても可撓性を保
持できるものであることが好ましい。
[実施例] 以下、本発明の実施例について添付の図面を参
照して具体的に説明する。
第1図は本発明の実施例方法にて使用する裏当
材を示す斜視図、第2図は第1図の−線によ
る断面図、第3図は同じく前記裏当材の平面図で
ある。この裏当材30は帯板状の可撓性部材31
と、この可撓性部材31上に重ねられた帯板状の
導電部材32とを有する。導電部材32は溶接金
属と略同系の化学組成を有し、裏開先幅と略同一
の幅を有する。例えば、導電部材32としては、
厚さが0.6mm、幅が15mmのJIS G 3141冷間圧延
鋼帯(SPCC)を使用することができる。また、
可撓性部材31は裏開先幅より広幅であり、従つ
て、導電部材32よりも幅が広い。この可撓性部
材31としては、例えばアルミナシリカ系の帯状
セラミツクス繊維体がある。また、その形状は、
例えば厚さが2mm、幅が25mmである。この可撓性
部材31は溶接金属が接触しても溶融しないもの
であることが必要であり、このため1500℃以上の
融点を有することが好ましい。
そして、可撓性部材31の長手方向の中央に
は、T字形のスリツト34が形成されており、導
電部材32と同一の冷間圧延鋼帯で形成されたか
しめ部材33をこのスリツト34に挿通させて、
裏当材30の厚さ方向に機械的にかしめることに
より、導電部材32と可撓性部材31とを一体的
に固定してある。
第4図は本実施例方法にて使用する当金40及
びシールドキヤツプ49を示す正面断面図、第5
図は同じくその側面断面図、第6図は同じくその
平面断面図である。この当金40は断面がU字形
をなし、その下端基部の内面は溶接せんとする鉄
筋50(第7図参照)よりも若干大きい径で湾曲
している。この当金40の長手方向の両端部に第
7図に示すように1対の鉄筋50の各端部を挿入
するようになつている。この当金40の長手方向
の両端部の側面には、クランパ41が固定されて
いて、鉄筋50を相互間に適長間隔をおいて当金
40内に挿入した状態でこのクランパ41を締め
付けることにより、鉄筋50の端部に当金40を
固定するようになつている。
なお、当金40の長手方向の中央には、その内
面下半部にその周方向に延びる溝48が形成され
ており、この溝48内に前述の裏当材30を挿入
配置するようになつている。
シールドキヤツプ49は当金の先端部に連結さ
れ、蝶ボルト60を締め付けることにより、シー
ルドキヤツプ49を当金40に固定するようにな
つている。このシールドキヤツプ49と当金40
との組立体により形成される囲繞空間に鉄筋50
が配置される。
シールドキヤツプ49の上壁には、溶接用の専
用コンタクトチツプを開先空間に挿入するための
矩形の開口部42が設けられている。この開口部
42は鉄筋の長手方向が短辺で、これに直交する
方向が長辺になるように形成されており、この開
口部42の対向する長辺側の2端面にはシールド
ガスの吐出口43,44が設けられている。開先
空間から遠い外側の吐出口43及び内側の吐出口
44はいずれも開口部42の長辺に沿つて延長す
る矩形の孔であり、同様に開口部42の長辺に沿
つて延長するように内設されたガス導入部45,
46に夫々多数の孔46aを介して連結されてい
る。これにより、ガス導入路45,46を介して
供給されるシールドガスがガス吐出口43,44
から開口部42内に吐出される。
ガス吐出口43,44内には吐出ガスを整流す
るための整流部材47が配設されている。このよ
うな整流部材47としては金網、金属多孔体又は
セラミツク多孔体等適当な厚さを有するものであ
ればよい。
本実施例においては、上述の如く構成された裏
当材30、銅当金40及びシールドキヤツプ49
を使用してガスシールドアークエクローズ溶接を
行う。第7図は水平筋の場合の実施状態を示す。
この第7図に示すように、鉄筋50の接合面50
aを鉄筋50の長手方向に対して垂直に形成し、
その接合面間に所定の開先幅に相当する間隔を設
けて両鉄筋50を対向させる。
そして、垂直断面がU字形をなす銅当金40を
この鉄筋50の両端部を取り囲むようにし、鉄筋
50間の開先空間を下方から抱くようにして配設
する。この場合に、裏当材30をその可撓性部材
31が銅当金40の内面に接触し、その導電部材
32が開先空間に臨むようにして銅当金40の溝
48内に配置しておく。そして。クランンパ41
を締め付けて銅当金40を鉄筋50に固定する
と、可撓性部材31が鉄筋50と銅当金40との
間に挟み込まれて変形し、銅当金40の内面と鉄
筋50の内面との双方に密着して両者間に介在す
る。一方、導電部材32は鉄筋50に接触して両
者が通電可能に接続される。
なお、可撓性部材31は銅当金40と鉄筋50
との間に挟まれて変形するので、例えば一方の鉄
筋50の接合面がそのリブの位置に形成されたた
め、前記接合面の直径が他方の接合面の直径より
も大きい場合にも、可撓性部材31の一方の端部
が他方の端部より大きく撓んで同様に銅当金40
と鉄筋50との間を封止する。従つて、異径断面
の鉄筋であつても、溶接金属の漏出は確実に防止
される。
そして、シールドキヤツプ49を当金40に連
結し、蝶ボルト60を緊締してシールドキヤツプ
49を当金40に固定する。
上述の如く各部材を設定した後、ガス導入路4
5,46を介してCO2等のシールドガスをガス吐
出口43,44から吐出させる。これにより、シ
ールドガスが2対の吐出口43,44から鉄筋5
0の長手方向に向けて開口部42内に吐出し、
夫々相互に対向する方向にシールドガス流が形成
される。この場合に、ガス吐出口43,444内
にはいずれも整流部材47が設けられているの
で、吐出口43,44からは整流されたガスが吐
出される。この対向する2対のシールドガス流は
夫々開口部42の中央で衝突し、相互に反する方
向にその進行方向を変える。これにより、シール
ドキヤツプ49から外方に向かう外向流51と、
開先空間に向かう内向流52が形成される。この
内向流52は相互に対向する方向に進む対向流が
衝突した後、その進路を変更して形成されるもの
であり、乱れが少ない流れとなる。そして、この
内向流52は開先空間に入り、その後銅当金40
と鉄筋50との間の隙間を流れて外部に逃げる。
このような乱れが少ないシールドガス流が開先空
間に供給されるので、外気が鉄筋50の周面に沿
つて開先空間に向けて侵入してくることが防止さ
れる。また、シールドキヤツプ49の開口部42
から外方には外向流51が形成されているので、
この外向流51により開口部42を介して外気が
開先空間に侵入することが防止されている。この
ようにして、内向流52及び外向流51により開
先空間がガスシールされる。
次いで、溶接電源のアース端子と鉄筋40とを
電気的に接続した後、溶接トーチに支持された溶
接ワイヤを開口部42を介して開先空間に挿入す
る。そして、溶接ワイヤに電気的に接続されたコ
ンタクトチツプを介して溶接ワイヤに所定の電力
を供給することによりアークを形成する。この場
合に、開先空間の奥には鉄筋50に接続された導
電部材32が配設されているので、溶接棒と導電
部材32との間に安定した良好なアークが生起さ
れる。次いで、アークを一方の鉄筋50の接合面
と導電部材32との境界部に移動させ、アークを
短くしながらセミウイービングを実施する。これ
により、溶接金属を一方の鉄筋50の接合面と他
方の鉄筋50の接合面との間の開先空間に盛り付
けていき、更に開先の最前部まで溶接金属を盛り
付けて開先空間を溶融金属で充填する。次いで、
アークを停止し、溶接金属を冷却して凝固させた
後、前記クランプを外して銅当金40を取り外し
て溶接を終了する。
本実施例方法においては、銅当金40と鉄筋5
0との間に裏当材30のセラミツクス繊維からな
る可撓性部材31が介在しているので、溶接金属
が開先空間から漏出することはない。従つて、ア
ンダーカツト及びオーバーラツプ等の溶接欠陥の
発生は防止される。なお、薄鋼帯状の導電部材3
2は溶接金属と接触して溶融し、余盛を形成して
継手の一部となる。
また、シールドガスはガス導入路45,46を
通流し、その後整流部材47を通流した後、ガス
吐出口43,44から吐出するので、この吐出口
43,44からはシールドガスの整流が得られ、
乱れが少ないシールドガス流が形成される。この
ため、開先空間のアークは乱されることなく、溶
接金属は確実に大気から遮断される。更に、吐出
口43,44はシールドキヤツプ49の開口部4
2に設けてあるので、溶接金属の凝固によつてシ
ールドキヤツプが固定されてしまう等の溶接作業
上の障害が生じることはない。
なお、可撓性部材31はその溶融損耗を防止す
るために融点が1500℃以上のものを使用すること
が好ましい。
また、別の施工例として、融点が600℃、厚さ
が1mm以下のガラステープを薄鋼帯状導電部材3
2とセラミツクス可撓性部材31との間に挿入し
ておくと、導電部材32が溶接金属と接触して溶
融する際にこのガラステープも溶融してスラグを
形成するので、溶接部の外観が美麗になる。
更に、導電部材及び耐火性可撓性部材を夫々複
数個積層して裏当材を構成することにより、その
厚さを任意に設定することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されないこと
は勿論である。例えば、第7図に示す実施例のよ
うに水平筋の場合に限らず、接合面が傾斜した斜
めI形開先の垂直筋又はI形開先の垂直筋の場合
等にも本発明を適用することができる。
また、外風が強い場合には、シールドガス流量
を増大すればよいが、大量のガスを流すことはガ
スコストを高めることになるため、ついたて等に
より防風手段を講じる方が好ましい。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、溶接ワイ
ヤ挿入用の開口部に2対のシールドガス流を形成
し、これにより外方に向かうシールドガス流と内
方に向かうシールドガス流とを設けて開先空間を
シールするので、外気の侵入を確実に防止し、高
品質の健全な溶接部を形成することができる。ま
た、吐出口は開口部に設けられているので、溶接
金属の侵入もなく、溶接の障害となることはな
い。また、少なくとも導電部材と、耐火性可撓性
部材との複合体からなる裏当材を当金と被溶接材
との間に配設するから、前記可撓性部材が変形し
て当金と被溶接材との間に密着して介在するの
で、溶接金属の漏出が確実に防止され、溶接欠陥
の発生が回避される。また、開先空間の奥には、
導電部材が配設されているので、狭開先であつて
もアークは安定して生起される。
このようにして、本発明によれば、溶接欠陥が
ない美麗な裏ビードを高効率で形成することがで
きる。
なお、本発明はエンクローズアーク溶接方法で
あり、裏当金の導電部材はアークが形成された後
に溶融して裏ビードを形成する。従つて、継手の
一部として裏当金が残存する被覆アーク溶接法
(第9図)及びガスメタルアーク溶接法(第10
図)と異なり、継手の全周に亘つて溶接金属の外
観検査を実施できる。また、超音波探傷検査につ
いても問題なく適用可能であり、本発明は溶接部
の品質保証上極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例方法にて使用する裏当
材を示す斜視図、第2図は第1図の−線によ
る断面図、第3図は同じくその裏当材の平面図、
第4図は本発明の実施例方法にて使用する銅当金
及びシールドキヤツプを示す正面断面図、第5図
は同じくその側面断面図、第6図は同じくその平
面断面図、第7図は同じく本実施例の実施状態を
示す正面断面図、第8図a,bは従来のエンクロ
ーズアーク溶接方法を示す図、第9図a,bは従
来の被覆アーク溶接方法を示す図、第10図a乃
至cは従来のガスメタルアーク溶接方法を示す図
である。 30,50,54,57,60,63,71,
75,78…裏当材、31…可撓性部材、32…
導電部材、33…かしめ部材、40…銅当金、4
1…クランパ、43,44…シールドガス吐出
口、47…整流部材、45,46…シールドガス
導入路、46a…シールドガス噴出口、49…シ
ールドキヤツプ、50…鉄筋、50a…接合面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 棒状の1対の被溶接材をその接合面間に所定
    の開先空間を設けて配置すると共に、前記開先空
    間の外周の一部を囲む当金を配置し、この当金と
    前記被溶接材及び開先空間との間に、少なくとも
    導電部材と、耐火性可撓性部材との複合体からな
    る裏当材を、前記導電部材を前記被溶接材及び開
    先空間側にして当金との間に介装し、溶接電極を
    前記当金の開口部から開先空間に挿入してアーク
    を形成する溶接方法において、前記当金の開口部
    側に、前記被溶接材の長手方向に平行にシールド
    ガスを吐出させて相互に対向する2対のシールド
    ガス流を形成したことを特徴とするガスシールド
    アークエンクローズ溶接方法。 2 前記当金の開口部側にガス吐出口を有するシ
    ール部材を設け、このガス吐出口には、ガスの整
    流作用を有する部材を充填してあることを特徴と
    する請求項1に記載のガスシールドアークエンク
    ローズ溶接方法。 3 前記ガス吐出口は前記シール部材の開口部に
    おける前記被溶接材の長手方向に対向する対向面
    に複数個設けられていることを特徴とする請求項
    2に記載のガスシールドアークエンクローズ溶接
    方法。 4 前記導電部材は帯板状をなし、前記可撓性部
    材は前記導電部材より広幅の帯板状をなしている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスシールド
    アークエンクローズ溶接方法。 5 前記可撓性部材はセラミツクス繊維で構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のガス
    シールドアークエンクローズ溶接方法。 6 前記可撓性部材は1500℃以上の融点を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載のガスシールド
    アークエンクローズ溶接方法。
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