JPH10258361A - 横向溶接方法 - Google Patents

横向溶接方法

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Publication number
JPH10258361A
JPH10258361A JP6469097A JP6469097A JPH10258361A JP H10258361 A JPH10258361 A JP H10258361A JP 6469097 A JP6469097 A JP 6469097A JP 6469097 A JP6469097 A JP 6469097A JP H10258361 A JPH10258361 A JP H10258361A
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JP
Japan
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welding
groove
lower plate
strap
plane
Prior art date
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Application number
JP6469097A
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English (en)
Inventor
Masaharu Sato
正晴 佐藤
Susumu Imaoka
進 今岡
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接効率が高く、低コストで溶接を実施する
ことができると共に、良好なビード外観を得ることがで
きる横向MAG溶接方法を提供する。 【解決手段】 当材4は、溶接進行方向側の側面と下板
が接触する面との角部にテーパーが設けられていると共
に、開先に面する上部に凹部が形成されている。この当
材4をテーパーが溶接方向を向くように下板2の上端に
当てて配置して、当材4の上方から溶接ワイヤ5を開先
3内に送給し、図1中の矢印で示すように当材4を溶接
方向に沿って平行に摺動させて溶接する。このとき、開
先の溶接を行う側の上半部を開放しながら、溶接の進行
と共に、当材4を下板2の表面に摺動させる。これによ
り、当材4が溶融池を常に支持しながら溶接することが
できるので、従来のように開先の溶接を行う側の上半部
が銅板等で覆われていなくても、溶接金属が溢れ出すこ
とを防止することができ、良好な外観の溶接ビードを得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、造船、鉄骨、橋
梁、タンク及び車輌等に使用される軟鋼、低温用鋼及び
ステンレス鋼等の横向溶接方法に関し、特に上板及び下
板からなる継手を横向姿勢で溶接する際に、溶接金属の
垂れ落ちを防止して、良好なビード外観を得るのに好適
である横向溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、横向溶接時のビード形成は、比較
的小電流でのストリング溶接、セラミック製の消耗式当
材を使用した溶接又は開先を摺動式の水冷銅板で完全に
覆い隠すエレクトロガス溶接により実施されてきた。こ
こで、横向溶接とは、水平面に対して45乃至90°の
角度をなす上板と下板とからなる溶接母材に対して、溶
接線が水平面に対してほぼ平行(誤差5°以内)となる
ように溶接を施すものをいう。
【0003】図10はエレクトロガス溶接による従来の
横向溶接の例を示す模式図である。この溶接は、上板5
1と下板52との間に開先53を設けて両者を突き合わ
せ、この開先53を水冷銅板54により常に覆いながら
実施される。水冷銅板54と溶接ワイヤ56との相対的
な位置を略一定に保ちながら、水冷銅板54の中央部の
凹部55から開先53内に進行方向前部側から溶接ワイ
ヤ56を送給し、開先53を溶接する。この場合に、開
先53が銅板54に覆われているため、溶融池が溢れる
虞れがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、横向溶
接において小電流でのストリング溶接を適用する場合、
単位時間当たりの溶着量が小さいため、良好なビード外
観を得ようとすると、溶接の能率向上が困難になるとい
う問題点がある。また、セラミック製の消耗式当材を使
用する場合、大溶着量の溶接が可能であるため溶接能率
は向上するものの、当材のセットによって溶接施工の工
程数が増加したり、良好なビード外観を得るためには、
溶接コストが増大する等の問題点もある。更に、図10
に示すように、水冷銅板を使用してエレクトロガス溶接
を実施する場合、装置が大型化することに加え、開先精
度の管理が煩雑であるという難点がある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接効率が高く、低コストで溶接を実施す
ることができると共に、良好なビード外観を得ることが
できる横向溶接方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る横向溶接方
法は、上板と下板との間に開先を設けて両者を突き合わ
せ、前記開先の上部を開放し下部を覆う当材を、前記下
板の溶接面側に接触させて配置し、この当材を溶接の進
行と共に溶接方向に移動させる横向溶接方法において、
前記当材は、その溶接進行方向前端の側面と下板接触面
との角部にテーパーが設けられていると共に、開先に面
する上部に凹部が形成されていることを特徴とする。
【0007】俯角;5乃至60°及び後退角;0乃至3
5°のトーチ角度で前記上板と前記当材との間からトー
チを開先内に挿入して溶接することが好ましい。この開
先は前記上板及び下板の一方の面のみに設けられてい
て、片面溶接することができる。
【0008】また、開先が前記上板及び下板の両方の面
に設けられていて、両面溶接するものであってもよく、
その場合には、一方の面の開先を溶接することにより形
成された溶接金属の裏側をはつり、その後、溶接進行方
向前端の側面と下板接触面との角部にテーパーが設けら
れ、上部に凹部が形成された当板を使用して、はつり部
を溶接することが好ましい。
【0009】本発明方法においては、上板と下板との間
に開先を設けて両者を突き合わせた後に、当材を下板に
接触させて配置する。この場合に、開先の溶接面側の上
部が開放され、且つ開先の溶接面側の下部が覆われるよ
うに、当材を配置する。溶接時においては、溶接の進行
と共に、当材を下板の表面に摺動させながら溶接方向に
移動させ、溶接ワイヤを例えば当材の上方から開先内に
送給し、開先を溶接する。そうすると、当材が開先の溶
接を行う側の下部を覆っているので、溶融池が大きくな
った場合に、溶接金属が垂れ下がることなく良好な形状
の溶接ビードを得ることができる。また、上板と当材と
の間から溶接ワイヤを挿入して溶接することができるの
で、溶接を複数回に分けて実施することができる。
【0010】また、本発明方法において使用する当材
は、開先に面する上部に凹部が形成されている。このた
め、溶融池を支持することができると共に適切な余盛高
さの溶接ビードを得ることができる。また、溶接進行方
向前端の側面と下板接触面との角部にテーパーを設けて
いるので、母材上にスパッタ等の突起がある場合であっ
ても、当材が停止する虞れがない。従って、良好な外観
の溶接ビードを得ることができる。
【0011】本発明方法においては、上板及び下板の一
方の面のみに開先が形成されていて、片面溶接又は両面
溶接するものであっても、上板及び下板の両方の面に開
先が形成されていて、両面溶接するものであってもよ
い。ここで、一方の面に形成された開先とは、レ型、V
型及びY型の形状とすることができ、両方の面に形成さ
れた開先とは、X型及びK型の形状とすることができ
る。
【0012】両面溶接する場合、開先の一方の面を上述
のように溶接した後に、当材を下板の他方の面に接触す
るように配置する。次に、この当材を下板の他方の面に
摺動させながら溶接方向に移動させながら溶接する。こ
のとき、一方の面を溶接した後、形成された溶接金属の
裏面をはつり、その後、はつり部を溶接することが望ま
しい。そうすると、他方の面においてもビード形状が整
えられ、適切な余盛を有するビードが得られる。
【0013】また、本発明においては、溶接時における
トーチの角度を適切に規定することが好ましい。このト
ーチ角度について、俯角が5°未満であると、下側開先
部にアークが当たり難く、融合不良が発生する。一方、
俯角が60°を超えると、トーチ先端又は溶接ワイヤが
上側開先部と干渉し、溶接が困難になる。
【0014】また、後退角が0°未満、即ち、トーチ角
度を前進角とすると、溶湯が下側開先部にのみ広がり、
裏波ビードを形成することができない。一方、後退角が
35°を超えると、溶接が不安定になり、ビード形状が
悪化する。従って、本発明においては、俯角が5乃至6
0°、後退角が0乃至35°のトーチ角度で溶接するこ
とが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明における横向溶接方
法について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の実施例に係る横向溶接方法を示す模式図
である。上板1と下板2との間に開先3を設けて両者を
突き合わせ、この開先3の溶接面側の上半部が開放さ
れ、開先3の溶接面側の下半部のみを覆うように、下板
2の表面に当材4をあてがう。
【0016】図2は、本発明方法において使用する当材
を示す投影図であり、図3は当材と当材があてがわれた
下板の上端とを示す模式図である。図2に示すように、
当材4は、底平面6に垂直に交わる平面8aと、上端平
面7に垂直に交わる平面8bと、平面8a及び平面8b
を結ぶ斜平面8cと、平面8a、8b及び8cの反対側
の面において、上端平面7及び底平面6に垂直に交わる
平面9とを有する。更に、これらの面に垂直で、溶接時
に前端又は後端となる平面10a及び10bを有すると
共に、平面8a及び平面8cと平面10aとから形成さ
れる角部に、テーパー13が設けられている。底平面6
は上端平面7に比して平面8aに直交する方向の幅が大
きいので、斜平面8cと平面8bとから形成される隅部
12aは、斜平面8cと平面8aとから形成される角部
12bよりも、平面9側に寄っている。このため、図3
に示すように、当材が下板2の上端にあてがわれた場合
に、平面8aのみが下板2に接触し、斜平面8cと下板
2との間及びテーパー13と下板上端15との間には、
隙間が形成される。
【0017】このように構成された当材4をテーパー1
3が溶接進行方向を向くように下板2の上端に当てて配
置して、当材4の上方から溶接ワイヤ5を開先3内に送
給し、図1中の矢印で示すように当材4を溶接方向に沿
って平行に摺動させて、溶接する。このとき、開先の溶
接面側の上半部を開放しながら、当材4を溶接の進行と
共に、下板2の上部表面に当てて溶接進行方向に摺動さ
せる。そうすると、開先3の溶接面側の下半部は常に当
材4に覆われると共に、当材4は、下板2の上端表面と
当材4の斜平面8cとの間に、常に隙間11を形成しな
がら、溶接方向に沿って平行移動する。これにより、当
材4が溶融池を常に支持しながら溶接することができる
ので、従来のように開先の溶接を行う側の上半部が銅板
等で覆われていなくても、溶接金属が溢れ出すことを防
止することができる。
【0018】また、当材4は開先下半部のみを覆い、上
半部は開放しているので開先3の上方から溶接ワイヤ5
を送給することができる。従って、図10に示した従来
の溶接方法のように、水冷銅板(当材)54の前方から
溶接ワイヤを送給する必要がなく、通常の同軸シールド
ノズルを使用することが可能となり、溶接効率が向上す
ると共に、低コストで溶接を実施することができる。ま
た、開先下半部に当材4をあてがうことにより、溶融金
属を支持しながら、溶融金属を冷却して凝固させるの
で、ビードのボンド部と母材とのなじみを良好とし、適
度な余盛を得ることができるので、外観が良好なビード
を得ることができる。
【0019】また、当材の進行方向側にテーパー13が
設けられているので、母材上にスパッタ等の突起がある
場合でも、当材4が停止することがない。従って、安定
して溶接を実施することができる。
【0020】なお、テーパー13の溶接方向に沿った長
さは、3乃至30mmとすることが望ましい。テーパー
13の長さが3mm未満では、当材4が母材上の突起物
に引っかかる虞れがある。一方、テーパー13の長さが
30mmを超えた場合は、下板2に摺動する平面8aの
溶接方向に沿った長さが短すぎるため、溶融池が凝固す
る前に、当材4が通り過ぎてしまう。また、テーパー1
3の形状は、母材上の突起物に当材が引っかからない形
状であれば、本実施例とは異なる形状であってもよい。
【0021】上述の実施例の当材4の溶接進行方向に対
する長さは、50乃至200mmであることが好まし
い。当材は、溶融池が凝固するまでは湯を支持すること
が必要であり、溶融池の長さは50mm程度となるの
で、当材の溶接進行方向に対する長さは、50mm以上
であることが好ましい。一方、この長さが200mmを
超えると、当材の重量が重くなり過ぎ、実用的でない。
【0022】また、平面8a及び8bと斜平面8cの具
体的な寸法は、図3中のa、b、c及びdを以下のよう
に規定することにより得られたものが好ましい。aは5
乃至15mmであることが好ましい。aの上限値は、溶
接ワイヤと当材とが干渉することがないように決める必
要があり、その値が15mmを超える場合は、当材が溶
接ワイヤと接触し短絡する虞れがある。一方、aが5m
m未満では、溶融池が溢れ出す虞れがある。
【0023】bは0乃至15mmであることが好まし
い。bが15mmを超える場合は、aが長い場合と同様
に、当材と溶接ワイヤとが接触し短絡する虞れがある。
一方、bが0mm未満では、ビードの下端部のなじみが
劣化する。なお、bが0mm未満とは、平面8aと斜平
面8cとが形成する角部12bの高さより、平面8bと
斜平面8cとが形成する隅部12aの高さの方が低いこ
とと定義する。
【0024】cは0乃至10mmであることが好まし
い。cが10mmを超える場合は、オーバーラップが発
生する虞れがある。一方、cが0mm未満では、開先の
下端部に融合不良が発生する虞れがある。なお、cが0
mm未満とは、下板2の上端先端部14の高さよりも平
面8aと斜平面8cとが形成する角部12bの高さの方
が高いことと定義する。
【0025】dは1乃至5mmとすることが好ましい。
これ以外のdでは、余盛高さが適切な値にならない。
【0026】更に、当材4の断面形状は、開先に面する
上部裏面に凹部が形成されていれば、図2に示したもの
以外であってもよく、例えば図4(a)乃至(j)に示
すようなものが考えられる。但し、いずれの断面形状で
あっても、図3中のa乃至dが、上述の範囲の値である
ことが好ましい。このような形状とすることで、ビード
のボンド部と母材とのなじみを良好にし、適度な余盛を
得ることができる。
【0027】なお、本発明において使用する当材の材質
は特に制限されないものの、当材が非消耗式であり、ま
た高温の溶鉄に直接接触するので、熱伝導率が高い金属
か、又は耐熱性が優れているセラミック等が適当であ
る。
【0028】本実施例方法における開先形状は特に制限
されないので、図5(a)乃至(e)に示すように、レ
型、V型、Y型、X型及びK型といった種々の開先形状
を有する両側又は片側開先に対して、横向溶接すること
ができ、良好なビード外観を得ることができる。
【0029】片面溶接を実施する場合、開先部の裏面
は、セラミック製、ガラステープ製又は固形フラックス
製等の消耗式当材で覆っても、銅製の裏当金を使用して
もよく、特に制限はない。また、両面溶接を実施する場
合には、先ず片面を溶接し、形成された溶接金属の裏面
をはつった後、このはつり部を溶接することが望まし
い。
【0030】図6ははつり部の溶接方法を示す断面図で
ある。先ず、母材が片側開先のときに、はつり部を溶接
する場合について説明する。
【0031】図6(a)及び(b)に示すように、母材
の一方の面に形成されたレ型及びV型の開先に初層41
を形成し、初層41の溶接金属の裏側の不良部44をは
つった後、当材4を使用してはつり部を溶接することが
できる。また、図6(c)に示すように、Y型開先部を
溶接した後に、この開先裏面44aをはつり、その後、
このはつり部を溶接することもできる。この場合は、は
つりが施された不良部44及び開先裏面44aに沿うよ
うに、開先裏面側の下板2に当材4を摺動させながら溶
接する。そうすると、溶融池が常に保持され、適切な余
盛が得られる。これにより、更に一層良好な外観を有す
るビードを得ることができる。
【0032】次に、母材が両面開先のときに、はつり部
を溶接する場合について説明する。図6(d)及び
(e)に示すように、X開先及びK開先の両側開先にお
いては、開先の一方の面を溶接した後に、当材4を下板
2の他方の面に接触させて配置し、この当材4を溶接方
向に摺動させつつ溶接を施す。この場合に、開先の一方
の面を溶接した後で、他方の面3aに溶接する前に、他
方の面3a側から初層41に形成された不良部44に対
して、はつりを施すことが望ましい。
【0033】なお、上述の実施例方法においては、溶接
ワイヤ及びシールドガスに対する制限は特に存在せず、
溶接ワイヤとしてソリッドワイヤ及びフラックス入りワ
イヤ(FCW)が適用可能であり、シールドガスとして
は、Ar、He、CO2及びO2等、又はこれらの混合ガ
ス等が適用可能である。そして、本実施例方法はこれら
のガスを使用したMAG、MIG及びTIG溶接等に適
用することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明方法によって実際に溶接した結
果について説明する。図7は、溶接に使用した当材を示
す投影図である。当材4cは下板の上端に摺動する平面
22と、平面22に平行な平面23と、平面22及び平
面23に垂直に交わる底平面24と、底平面24に平行
で平面23に垂直に交わる上端平面25と、この上端平
面25と平面22とをつなげる斜平面26とを有する。
また当材4cの進行方向側の前端面27と平面22及び
斜平面26との角部にはテーパー28が設けられてお
り、前端面27の平面23側には、冷却水導水管21が
設けられている。なお、本実施例に使用した当材4cは
熱伝導率の高い銅製のブロックである。
【0035】図8は当材が配置された横向溶接装置を示
す側面図である。本実施例においては、図8に示すよう
に、当材4cを溶接装置に取り付けて片面溶接を実施し
た。溶接される母材は、共に地面に対して垂直の上板3
1aと下板31bとから構成される。上板31aには、
溶接線に略平行で、互いの位置が地面に対して垂直な面
上となるように、マグネット30を介して、上側レール
32a及び下側レール32bが取り付けられている。上
側走行ローラ33a及び下側走行ローラ33bが、走行
台車34に設けられ、上側レール32a及び下側レール
32bに、夫々、係合している。走行台車34の下部
に、上下倣いスライダ35が設けられ、この上下倣いス
ライダ35の移動部には、前後倣いスライダ36が設け
られている。前後倣いスライダ36の移動部にウィーバ
ー37が取り付けられており、このウィーバー37には
円弧状のスライダから構成されるトーチ角度調整治具3
8が取り付けられている。
【0036】このトーチ角度調整治具38の下端には当
材押しつけ治具39が設置されており、当材押しつけ治
具39の先端部に上述の当材4c(水冷式摺動銅板)が
設けられ、当材4cは下板31bの上端部に摺動するよ
うになっている。また当材4cの上方から溶接ワイヤが
送給されるように、トーチ角度調整治具38によりトー
チ40の角度が調整されている。
【0037】このように構成された溶接装置を使用し、
溶接装置に取り付けられた当材4cに冷却水を循環させ
て当材4cの加熱を防止しながら、当材押しつけ治具3
9により当材4cを溶接の進行と共に溶接方向に移動さ
せ、炭酸ガスシールドアーク溶接を実施して、溶接状況
を評価した。但し、使用した溶接ワイヤはメタル系フラ
ックス入りワイヤである。当材4cを使用して板厚が1
6mmの継手を溶接した場合の各パスの溶接条件を下記
表1に示す。なお、当材4cは、2パス目の溶接時に使
用した。
【0038】
【表1】
【0039】図9は、本実施例方法によって溶接を終え
た開先における溶接金属の積層状態を示す断面図であ
る。図9に示すように、各パスを実施する毎に、層4
1、層42及び層43が順次形成され、良好な溶接ビー
ドを得ることができた。
【0040】次に、図7及び8に示す当材及び溶接装置
を使用して、種々のトーチ角度で初層溶接を実施し、溶
接状況を評価した。各実施例及び比較例のトーチ角度及
びオレシート条件を下記表2に示し、溶接条件を下記表
3に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】このように、種々のトーチ角度で溶接を実
施した結果、実施例No.1乃至5は良好な形状の初層
溶接ビードを得ることができた。一方、比較例No.6
は、俯角が本発明範囲の下限未満であるので、下側開先
部にアークが当たりにくく、融合不良が発生した。比較
例No.7は俯角が本発明範囲の上限を超えているの
で、トーチ先端又は溶接ワイヤが上側開先と干渉し、溶
接できなくなった。また、比較例No.8は後退角が本
発明範囲の下限未満であるので、溶湯が下側開先部にの
み広がり、裏波ビードが形成できなかった。比較例N
o.9は後退角が本発明範囲の上限を超えているので、
溶接が不安定になり、ビード形状が悪化した。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る横向
溶接方法によれば、溶融池が当材によって支持されるの
で、大溶着量の高能率溶接をすることができる。また、
開先の上部が解放され、この上部から開先内に溶接ワイ
ヤを送給することができるので、シールドノズルを溶接
ワイヤと同軸に配置した通常の溶接トーチを使用するこ
とができる。また、本発明においては、開先に面する上
部に凹部が形成されていると共に、溶接進行方向前端の
側面と下板との接触面との角部にテーパーが設けられた
非消耗式当材を使用するので、母材表面にスパッタ等の
微小な突起がある場合においても、当材が停止する虞れ
がなく、良好なビード形状を得ることができると共に、
溶接コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る横向溶接方法を示す模式
図である。
【図2】本発明方法において使用する当材を示す投影図
である。
【図3】当材と当材があてがわれた下板の上端とを示す
模式図である。
【図4】当材の形状を示す断面図である。
【図5】開先形状を示す断面図である。
【図6】はつり部の溶接方法を示す断面図である。
【図7】溶接に使用した当材を示す投影図である。
【図8】本実施例の当材が設置された横向溶接装置を示
す側面図である。
【図9】本実施例方法によって片面溶接を終えた開先に
おける溶接金属の積層状態を示す断面図である。
【図10】エレクトロガス溶接による従来の横向溶接の
例を示す模式図である。
【符号の説明】
1,51,31a;上板 2,52,31b;下板 3,53;開先 4,4c;当材 5,56;溶接ワイヤ 6,24;底平面 7,25;上端平面 8a,8b,9,22,23,10a,10b;平面 8c,26;斜平面 12a;隅部 12b;角部 13,28;テーパー 14;先端部 21;冷却水導水管 27;前端面 30;マグネット 32a;上側レール 32b;下側レール 33a;上側走行ローラ 33b;下側走行ローラ 34;走行台車 35;上下倣いスライダ 36;前後倣いスライダ 37;ウィーバー 38;トーチ角度調整治具 39;当材押しつけ治具 40;トーチ 41,42,43;層 44;不良部 44a;開先裏面 54;水冷銅板 55;凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上板と下板との間に開先を設けて両者を
    突き合わせ、前記開先の上部を開放し下部を覆う当材
    を、前記下板の溶接面側に接触させて配置し、この当材
    を溶接の進行と共に溶接方向に移動させる横向溶接方法
    において、前記当材は、その溶接進行方向前端の側面と
    下板接触面との角部にテーパーが設けられていると共
    に、開先に面する上部に凹部が形成されていることを特
    徴とする横向溶接方法。
  2. 【請求項2】 俯角;5乃至60°及び後退角;0乃至
    35°のトーチ角度で前記上板と前記当材との間からト
    ーチを開先内に挿入して溶接することを特徴とする請求
    項1に記載の横向溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記開先は前記上板及び下板の一方の面
    のみに設けられていて、片面溶接することを特徴とする
    請求項1又は2に記載の横向溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記開先は前記上板及び下板の両方の面
    に設けられていて、両面溶接することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の横向溶接方法。
  5. 【請求項5】 一方の面の開先を溶接することにより形
    成された溶接金属の裏側をはつり、その後溶接進行方向
    前端の側面と下板接触面との角部にテーパーが設けら
    れ、上部に凹部が形成された当板を使用して、はつり部
    を溶接することを特徴とする請求項4に記載の横向溶接
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100971330B1 (ko) * 2008-06-11 2010-07-20 주식회사 한진중공업 개방형 습동판을 구비한 일렉트로 가스 용접장치
JP2012115858A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Ishii Iron Works Co Ltd 溶接継手の開先部と溶接施工法
EP2960000A4 (en) * 2013-02-25 2017-01-25 Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co., Ltd. Butt joint welding apparatus and method therefor

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