JPH0420672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は車両の折りたたみシートにおけるヒ
ンジ装置に関する。

（従来の技術） 従来の技術としては例えば特開昭58−36735号
公報がある。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の折りたたみシートの場合にはヒンジ機構
に対設されたシートロツク機構がシートの外部に
露出した状態でシートが折りたたまれるため、車
室の荷役性、安全性やシートの外観性等がシート
ロツク機構によつて阻害される問題点があつた。

本考案の目的は上記問題点を解消した折りたた
みシートにおけるヒンジ装置を提供することであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案の折りたたみシートにおけるヒンジ装置
はシートクツシヨンに取着されたヒンジ基板には
シートバツクに固定されたアツパアームを前後方
向への傾動可能に枢着するとともに、前記ヒンジ
基板には前記アツパーアームを後側傾動端でロツ
クするロツクレバーを、前記ヒンジ基板に取付け
たガイドピンによつて揺動可能に枢支し、前記ア
ツパーアームにはこのアツパーアームが前記ロツ
クレバーでロツクされたときにフロアに固定され
たストライカに掛止される掛合部が下端に形成さ
れたフツクを揺動可能に吊支するとともに、前記
フツクをスプリングによつて付勢してこのフツク
の後端縁の一部を、前記アツパーアームが傾動し
て前記フツクの揺動支点が円弧移動したときに前
記フツクが前記ガイドピンに摺接しながら揺動し
て前記掛合部が前記ストライカに係脱されるよう
に前記ガイドピンに弾接させた構成を有する。

（作用） ヒンジ基板に前後方向への傾動可能に枢着され
たアツパーアームが後側傾動端へ傾動すると、こ
のアツパーアームが前記ヒンジ基板にガイドピン
によつて揺動可能に枢支されたロツクレバーでロ
ツクされるとともに、前記ヒンジ基板に揺動可能
に吊支されかつスプリングで付勢されて前記ガイ
ドピンに弾接されたフツクの下端の掛合部がフロ
アに固定したストライカに掛止されて前記フツク
がロツクされる。前記ロツクレバーを操作して前
記アツパーアームのロツク状態を解除した状態で
前記アツパーアームが前方へ傾動すると、前記フ
ツクの揺動支点が円弧移動して前記フツクが前記
ガイドピンに摺接しながら揺動し、前記掛合部と
前記ストライカとの掛合状態が自動的に解離され
て前記フツクのロツク状態が解除される。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明する。

車室内のフロアＦにヒンジを介して枢着された
前脚Ｌが前端下面に取着されたシートクツシヨン
Ｓ１と、シートクツシヨンＳ１の後端に対し折り
たたみ可能に連結されたシートバツクＳ２とを備
えた折りたたみ型のシートＳにおいて、ヒンジ基
板１はシートクツシヨンＳ１の後端部の両側面に
それぞれ取着され、その後上部がシートクツシヨ
ンＳ１上に突出されている。

シートバツクＳ２をシートクツシヨン１に対し
起倒動作可能に連結するためにシートバツクＳ２
の下端部の両側面にそれぞれ固定されたアツパー
アーム２はヒンジ基板１の上端付近にピン３を介
して前後方向への傾動可能に枢着され、その下端
後部にはヒンジ基板１の後端部に突設されたほぼ
半円柱状のストツパ４に当接してアツパーアーム
２の後側傾動端を規定しかつシートバツクＳ２の
後傾端を規定するための当接面２ａが形成される
一方、シートＳの片側のアツパーアーム２の下端
前部には係止凹部２ｂがほぼＵ字状に凹設されて
いる。

アツパーアーム２を後側傾動端で解除可能にロ
ツクするために前記片側のアツパーアーム２に対
設されたロツクレバー５は枢支部６ａとガイド部
６ｂとが内外段差状に連設されたガイドピン６の
枢止部６ａを介してヒンジ基板１の後部下端に対
し上下方向への揺動操作可能に枢着されて前方へ
延出されるとともに、常にはスプリング７でアツ
パーアーム２側へ付勢され、その中央部付近上側
にはアツパーアーム２の係止凹部２ｂ内に対し脱
離可能に係入してアツパーアーム２を後側傾合端
で係止するための係止凸部５ａが突設され、その
前部の操作部５ｂを下方へ押動して係止凸部５ａ
を係止凹部２ｂ内から脱離したときにはアツパー
アーム２のロツク状態が解除されてシートバツク
Ｓ２の前傾動作が許容される。

アツパーアーム２をロツクした状態でシートバ
ツクＳ２の後端部をフロアＦに固定するためにシ
ートの両側のアツパーアーム２に対しそれぞれ連
動可能に吊支されたフツク８はアツパーアーム２
のロツク状態では同アツパーアーム２の傾動支点
ａの直下の若干前方に配置されるピン９を介して
アツパーアーム２に対し前後方向への揺動可能で
ほぼ垂直状に枢着されるとともに、常にはフツク
８の中央部付近に横出されて突片８ａとヒンジ基
板１の後端部に突設したピン１０とに掛装された
スプリング１１で後方へ付勢され、さらに、その
下端にはフロアＦのホイールハウスＦ１の頂部付
近に固定された正面ほぼ〓型状のストライカ１２
に対しアツパーアーム２のロツク時に掛合させる
ために鉤型状で後方開放の掛合部８ｂが形成さ
れ、また、フツク８の後端縁８ｃはアツパーアー
ム２の傾動に伴つて掛合部８ｂがストライカ１２
の回りを旋回してストライカ１２に掛脱されるよ
うにフツク８の姿勢を制御してフツク８を誘導す
るために前記ガイドピン６のガイド部６ｂに対し
摺動可能に弾接されている。そして、アツパーア
ーム２のロツク状態を解除してアツパーアーム２
を後側傾動端から前方へ傾動したときにはフツク
８の揺動支点ｂがアツパーアーム２の傾動支点ａ
の前下方から後下方を通つて後方へ円弧移動し、
フツク８はその後端縁８ｃが定常的にガイドピン
６のガイド部６ｂに摺接してフツク８の反時計方
向への揺動が規制された状態で傾倒しながら上方
へ変位するため、ストライカ１２に掛止された掛
合部８ｂはストライカ１２の前下方から前方を通
過してストライカ１２の上方へ移動する渦巻き状
の移動軌跡を描いてストライカ１２の回りへ旋回
し、旋回初期にストライカ１２との掛合が自動的
に解離され、シートバツクＳ２がシートクツシヨ
ンＳ１上に重置されてアツパーアーム２が前側傾
動端で横倒した状態ではフツク８を傾倒状態でヒ
ンジ基板１の下端縁の上方へ引上げて退避させる
ことができる。また、アツパーアーム２を前側傾
動端から後方へ傾動したときには掛合部８ｂは逆
の移動軌跡を描いて旋回し、後側傾動端でストラ
イカ１２に対し自動的に掛止される。

なお、シートバツクＳ２をシートクツシヨンＳ
１上に重置した状態で前脚Ｌを前方へ回動する
と、シートＳを折りたたみ状態で収納することが
できる。

続いて、上記した構成をもつ実施例の作用と効
果を説明する。

さて、本例ではシートクツシヨンＳ１の後端部
に取着されたヒンジ基板１にはシートバツクＳ２
の下端に固定されたアツパーアーム２を前後方向
への傾動可能に枢着するとともに、アツパーアー
ム２を後側傾動端で解除可能にロツクするために
アツパーアーム２に対設されたロツクレバー５を
揺動操作可能に枢着し、アツパーアーム２にはア
ツパーアーム２のロツク時にフロアＦ側に固定し
たストライカ１２に掛合させるために設けたフツ
ク８を揺動可能に枢着してスプリング１１で後方
へ付勢し、さらに、ロツクレバー５を枢支するた
めにヒンジ基板１に止着されたガイドピン６には
アツパーアーム２は傾動してフツク８の揺動支点
ｂが円弧移動したときにフツク８が傾倒しながら
上方へ変位しかつフツク８の掛合部８ｂがストラ
イカ１２の回りへ旋回してストライカ１２に対し
自動的に掛脱されるようにフツク８の姿勢を制御
してフツク８を誘導するために枢支部６ａに連設
されたガイド部６ｂをフツク８との対接可能に形
成してある。

従つて、ヒンジ機構内にはストライカ１２に対
し自動的に掛脱されるフツク８を一体的に組込ん
でシートロツク機構を簡略化およびコンパクト化
しうるとともに、シートＳの折りたたみ状態では
フツク８をヒンジ機構内に収納してフツク８のヒ
ンジ基板１外への突出を抑止することができ、シ
ートロツク機構の収納状態をコンパクト化して車
室内の荷役性および安全性を高め、また、ヒンジ
機構の外観性を良化することができる。

また、本例ではシートクツシヨンＳ１の後部を
持上げた状態でシートバツクＳ２を起立させてか
らシートクツシヨンＳ１の後部を押下げると、フ
ツク８がスプリング１１の弾発力に抗して揺動し
てストライカ１２に自動掛合し、シートクツシヨ
ンＳ１がストライカ１２でロツクされるため、操
作手順を誤つてもシートＳをフロアＦに対し確実
にロツクすることができる。

さらに、フツク８がアツパーアーム２の傾動動
作に連動して変位し、シートバツクＳ２を前傾し
たときにのみシートロツクが解除されるため、着
座時に誤つてロツクレバー５を揺動してアツパー
アーム２のロツク状態を解除しても、フツク８と
ストライカ１２の掛合が保持されてシートＳのフ
ロアＦからの離脱が回避され、車両走行中の安全
性を高めることができる。

（考案の効果） 本考案は前記したように構成してあるので、ヒ
ンジ機構をコンパクト化及び簡略化することがで
きる。

特に、ガイドピンがロツクレバーを枢支する機
能とフツクの姿勢を制御する機能とを兼有してい
るので、シートロツク機構を簡略化することがで
きる。

また、フツクがスプリングの弾発力によつてガ
イドピンに弾接しているので、フツクの姿勢を無
理なく円滑に制御してフツクとストライカとの掛
脱動作を円滑化することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので第１図は
ヒンジ機構の側面図、第２図は同じく斜視図、第
３図は同じく分解斜視図、第４図はシート全体の
斜視図である。 １……ヒンジ基板、２……アツパーアーム、５
……ロツクレバー、６……ガイドピン、８……フ
ツク、８ｂ……掛合部、１２……ストライカ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンに取着されたヒンジ基板には
   シートバツクに固定されたアツパアームを前後方
   向への傾動可能に枢着するとともに、前記ヒンジ
   基板には前記アツパーアームを後側傾動端でロツ
   クするロツクレバーを、前記ヒンジ基板に取付け
   たガイドピンによつて揺動可能に枢支し、前記ア
   ツパーアームにはこのアツパーアームが前記ロツ
   クレバーでロツクされたときにフロアに固定され
   たストライカに掛止される掛合部が下端に形成さ
   れたフツクを揺動可能に吊支するとともに、前記
   フツクをスプリングによつて付勢してこのフツク
   の後端縁の一部を、前記アツパーアームが傾動し
   て前記フツクの揺動支点が円弧移動したときに前
   記フツクが前記ガイドピンに摺接しながら揺動し
   て前記掛合部が前記ストライカに係脱されるよう
   に前記ガイドピンに弾接させたことを特徴とする
   折りたたみシートにおけるヒンジ装置。