JPH04205933A - 光記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は光記録媒体、特に記録可能な単板型光記録媒体
に関する。

更に詳しくは記録層と保護層からなる単板型の光記録媒
体で、各種情報をレーザー光によって記録することの出
来る光記録媒体に関する。

（従来技術） 記録可能な光記録媒体は追記型及び消去可能型がいづれ
も実用化されている。しかして既に実用に供されている
従来の記録可能な光記録媒体は記録層を保護するために
通常は記録層側を内側にして同一の基板又は保ｒ！ＩＮ
＆板を直接又はエアーギャップを設けて張り合わせて光
記録媒体（貼合媒体）としていた、しかしながら、従来
の張り合わせ媒体は煩雑な張り合わせ工程を必要とする
欠点を有しているだけでなく、媒体が重たいがために、
ドライブのモーターへの負担が大きかった。これらの欠
点を改良するために、単板型の記録可能な光記録媒体の
開発が試みられている。

単板型の光記録媒体に於いては記録層を保護するために
記録層の上に保護層を設ける必要があり、通常ハードコ
ート剤が保護層として塗布されている。しかしながら、
この保護層の上にラベルや粘着テープを張り付けた後こ
れらのラベルやテープを剥したりすることがよくある。

従来の保護層膜ではラベルやテープを剥す際に記録層や
保護層が剥離してしまったり、記録膜の反射率が変化し
、エラーレートが増加するという問題があった。

この問題点を改善するために、例えばハードコート剤に
ある種の添加剤を加えることも提案されている。しかし
ながら、添加剤は、保護層の上に設けられるラベル等の
印刷の密着性を低下させるという大きな問題の原因とな
る。

また、従来の保護層膜では耐久性にも問題があることを
我々は見出した。即ち保護膜の硬度のみを重要視してい
たため、記録層を湿度から守る事に於いて極めて不十分
でしかなかった。

（基本的着想） 本発明者らは保護層に用いる樹脂に特定のスリック剤を
添加して用いれば、記録層の上に直接保護層を設けた単
板型の記録可能な光記録媒体に於いて、従来防止が困難
であったラベルやテープの剥離の際の記録層や保護層の
望まざる剥離や、記録層の反射率の変化やエラーレート
の増加という致命的な問題点を解決でき、且つ、保護層
の表面に設けられる印刷との密着性に優れ、更に、より
耐久性に優れて光記録媒体となることを見い出し本発明
を完成した。

（発明の開示） すなわち、本発明は、 透明な射出成形樹脂基板上に記録層及び該記録層の上に
設けられた保護層からなる単板型光記録媒体に於いて、
前記保護層にスリック剤を添加してなることを特徴とす
る単板型光記録媒体、である。

本発明に於て用いられる透明な射出成形基板としては、
信号の記録や読み出しを行うための光を透過するものが
好ましい。光の透過率としては８５％以上であり、且つ
光学的異方性の小さいものが望ましい。例えばアクリル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性
樹脂を用いた基板が好ましい例示として挙げられる。こ
れらの中で基板の機械的強度、案内溝や再生専用信号な
どの付与のしやすさ、経済性の点からアクリル系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂の射出
成形樹脂基板が好ましく、特にポリカーボネート系樹脂
基板がより好ましい。

これらの基板の形状は板状でもフィルム状でもよく、又
円形やカード状でもよい。もちろん基板の表面には記録
位置を表す案内溝や記録位置を表すピットや一部再生専
用の情報等のためのピットを有していてもよい。かかる
案内溝やピント等は、射出成形や注型によって基板を作
る際に付与するのが好ましいが、基板上に紫外線硬化型
樹脂を塗布しスタンパ−と重ね合わせて紫外線露光を行
うことによっても付与できる。

本発明の光記録媒体に於いては、該透明な射出成形樹脂
基板の上に、記録層、保護層を順次積層してなるが、記
録層に用いられる物質としては特に制限はなく、シアニ
ン、フタロシアニン等の有機色素やＩｎ５ｂＴｅ、　Ｔ
ｅＧｅＳｂ等の相変化に依って記録できる合金やＧｄＴ
ｂＦｅ、　ＴｂＦｅＣｏ等の光磁気合金が好ましい、特
に記録膜の成膜の容易さの点からは有機色素が好ましい
。又記録層は上記した有機色素膜や合金膜単独でもよく
、又これらの膜の上や下に更に反射膜や誘電体膜を積層
した膜からなってもよい。なお、色素層は、色素の他に
レジナスバインダーやレベレング剤などの添加剤を含ん
でいてもよい。特に高反射率が要求される媒体に於いて
は金、アルミ、銀、銅等の反射膜を設けるのが好ましい
、布板のＣＤプレーヤーとの互換性を考慮すれば前記し
たような有機色素膜と反射膜からなるのが好ましい。

本発明に於いては前記したような記録層の上に更にこの
記録層を保護するために保護層が設けられる。保護層は
通常樹脂であるが、保護層に用いられる樹脂としては、
樹脂の傷付きを防止するために開発されているハードコ
ート剤が特に好ましいものとして挙げられる。ハードコ
ート剤としては種々のものが開発されているが、紫外線
硬化型や電子線硬化型の樹脂が硬化に優れ、且つ溶剤を
含有しないので好ましい。

本発明に於いて前記ハードコート剤に添加されるスリッ
ク剤の具体例としては、例えば高級脂肪酸、脂肪酸アミ
ド化合物及びワックス類が好ましい。高級脂肪酸のより
具体例といては、ラウリン酸、ミリスチン酸、バルミチ
ン酸、ステアリン酸、アラキシン酸、ワシルイン酸、リ
ノール酸、リルン酸、オレイン酸等の炭素数が１２〜２
０程度の飽和又は不飽和のカルボン酸が挙げられる。脂
肪酸アミド化合物としては、前記した高級脂肪酸のアミ
ドやイミド、又ジアミンとのビスアミド化合物が好まし
いものとして挙げられる。ワックスとしては、天然パラ
フィン、石油から得られるマイクロワラマス、ポリエチ
レンワックス等の炭化水素系ワックスと、フロロカーボ
ン系のワックスが挙げられる。

これらの化合物は、−ａに保護層である紫外線硬化型樹
脂や電子線硬化型樹脂との相溶性が適度に悪く、樹脂を
硬化した後、徐々に樹脂の表面にブリードしてくる。本
発明の保護層に添加されるスリック剤はこのように保護
層の表面にブリートしてくるが、ブリードする量があま
り多いと表面が白化したり、べとついたりして好ましく
ない。

一方、ブリード量があまり少ないと本発明の効果が充分
に発現しない。ブリードする量は添加するスリック剤の
量と保護層に用いるハードコート剤とスリック剤との相
溶性により定まるつ通常スリック剤の添加量は保護層に
用いられるハードコート剤に対して０．０１〜１重量％
が好ましい。この範囲において、剥離防止という本発明
の効果が奏されるにもっとも好ましい適量がブリードす
るのである。

なお、保護層表面の印刷に用いられる樹脂も通常紫外線
硬化樹脂が用いられ、前記したスリック剤が保護層樹脂
に添加されていても、表面へのブリードが遅いために、
保護層樹脂の硬化直後に速やかに印刷が実施されれば、
保護層と印刷層との密着性は問題ないし、又たとえ経時
により、スリック剤がブリードしてきても、印刷層表面
までブリードするので層間の密着性は低下しないのであ
本発明に於いては、記録層の膜厚は通常３０〜７００ｎ
ｍであり、５０〜５００ｎｍがより好ましい。又、記録
層の上に設けられた保護層は単板型光記録媒体の記録層
を保護するための機能を有する層であり、通常１μ、好
ましくは２μ以上の膜厚の硬い膜であれば良い。膜厚の
上限は特にないが、通常は１００μ以下である。

又、上記したごとく、本発明の光記録媒体は保護層の上
に更に印刷などを行うこともできる。

（発明を実施するための好適な形１り 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明の実施の態様はこれにより限定されるものではない。

ｌ１性よ 厚さ１．２ｍｍ、直径１２０＋ｉｍのスパイラル状の案
内溝（深さ７０ｎ鴎、幅０．６μｍ、ピッチ１．６μ謡
）を有する射出成形ポリカーボネート樹脂基板の案内溝
を有する面の中心部に、１．１゛−ジプロピル−３，３
，３’、３°−テトラメチル−５，５°−ジメトキシイ
ンドジカーボシアニンアイオダイド色素の６重量％のダ
イア七トンアルコール溶液を滴下したのち、この樹脂基
板をｌｏｏｏｒｐｍの速度で１０秒間回転した。つぎに
この樹脂基板を４０℃の雰囲気で１０分間乾燥し、樹脂
基板上に実質的にシアニン色素のみからなる１２０μ繻
の有機色素層を成膜した。

次にこの色素層の上に金をスパンター法によって成膜し
、厚さ１００μ議の反射層を設け、有機色素膜と反射膜
からなる記録層を形成した。更にこの反射層の上に、ス
リック剤たるステアリン酸を０．０８重置％添加した紫
外線硬化樹脂（大日本インキ株式会社製、ダイキュアク
リア５Ｄ−１７）をスピンコード法によって塗布し、紫
外線を照射し８μ瑚保ｆＪＩＩｉを積層し、更にこの保
護層の上に紫外線硬化インキを用いてラベルの印刷を行
い、本発明の光記録媒体を製作した。

この光記録媒体の印刷面にセロファンテープを張り付け
た後剥離したところ、記録層の剥離は全く観察されなか
った。又、基板を通して集束レーザービームを用いて反
射率を測定しても反射率の変化は認められなかった。

１較±１ 実施例１に於いて保護層に用いる紫外線硬化樹脂にステ
アリン酸を添加せずに光記録媒体を製作した。この光記
録媒体の保護層側にセロファンテープを張り付けた後剥
離したところ、記録層が部分的に剥離してしまった。記
録層が剥離していない部分で反射率を測定したが約反射
率は５０％低下していた。

実施例１に於けるステアリン酸の代わりに、表１に示し
たスリック剤（何れもライオンアーマ−社商品、脂肪酸
アミド系スリツク側）を用いて、実施例１と同じ方法で
媒体を作成し評価した。結果を表１に纏めた。

表１ 実施例１に於いて、紫外線硬化樹脂をダイキュアクリア
５Ｄ−１７の代わりにダイキュアクリアＥＸ−７０４を
、又表２に示したスリック剤を用いる以外は実施例１と
同じ方法で媒体を製作し評価した。

表２ １ニアライドケミ力ル社商品、ポリエチレン系ワックス
２：３Ｍ社商品、フロロカーボン系ワックス（発明の効
果） 実施例から明らかなように本発明に於いては、保護層に
用いる樹脂に特定のスリック剤を添加することによって
、光記録媒体の保護層の表面にセロファンテープ等を張
り付けた後、このテープを剥離しても、記録膜の剥離は
起こさず、且つ反射率の変化もないと云う顕著な作用効
果を奏するのである。

特許出願人　　三井東圧化学株式会社

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）透明な射出成形樹脂基板上に記録層及び該記録層
   の上に設けられた保護層からなる単板型光記録媒体に於
   いて、前記保護層にスリック剤を添加してなることを特
   徴とする単板型光記録媒体。
2. （２）スリック剤が高級脂肪酸、脂肪酸アミド及びワッ
   クス類から選択されることを特徴とする請求項１記載の
   光記録媒体。
3. （３）スリック剤の添加量が保護層に用いられる樹脂に
   対して０．０１〜１重量％である請求項２記載の光記録
   媒体。
4. （４）記録層が色素を含有する層と金属の反射層からな
   ることを特徴とする請求項１記載の光記録媒体。