JPH04202864A - スエード調布帛の製造方法 - Google Patents

スエード調布帛の製造方法

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JPH04202864A
JPH04202864A JP2334044A JP33404490A JPH04202864A JP H04202864 A JPH04202864 A JP H04202864A JP 2334044 A JP2334044 A JP 2334044A JP 33404490 A JP33404490 A JP 33404490A JP H04202864 A JPH04202864 A JP H04202864A
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filaments
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Kentaro Kamamoto
釜本 健太郎
Jun Nishiwaki
醇 西脇
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明はスェード調の外観及び風合を有し、かつその表
面が比較的均一に染色されてなる布帛の製造方法に関す
るものである。
【従来の技術】
従来より、高収縮性の太繊度フィラメントと低収縮性の
極細フィラメントとを交絡させた複合糸条を用いて、編
織物を製編織し、この編織物を収線処理して、編織物の
表面に低収縮性の極細フィラメントを顕現させたスェー
ド調編織物を得ることが試みられている(例えば特願平
2−252936号)。 この方法によれば、良好なスェード調の外観及び風合を
有し、そして張り及び腰のある布帛を得ることができる
。 しかし、得られた布帛を染色加工した場合、その表面が
均一に染色されに<<、いわゆる“イラツキ”を生じる
という欠点があった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明者などは、上記の欠点が何故化じるのかを検討し
た。その結果、編織物の表面が完全に極細フィラメント
で覆われていないこと、及ヒ極細フィラメントと太繊度
フィラメントとで染色性が異なること、が原因であると
判明した。即ち、例えば分散染料でこの編織物を染色し
た場合、極細フィラメントが淡色に太繊度フィラメント
が濃色に染色されるのである。この理由は、定かではな
いが、太繊度フィラメントの場合に比べて、極細フィラ
メントは、染料の染着量に対して表面積が大きいためで
あると考えられる。 このような場合、極細フィラメント及び太繊度フィラメ
ントの両者の染着量を増大させて、同様な濃色に染色す
ることが考えられる。しかしながら、極1[1フイラメ
ントの場合、染着量を増大させると、いわゆる“上付き
”という現象が生じる。 これは、極細フィラメントの表面にのみ染料が付着した
状態であり、染色堅牢度が低く、洗濯すると再びイラツ
キが生じるという欠点が発生する。 また、極細フィラメントとしてカチオン染料可染型ポリ
エステルフィラメントを使用して、カチオン染料で極細
フィラメントを、分散染料で太繊度フィラメントを染色
し、両フィラメントを同様の濃色に染色するという方法
も考えられる。しかし、一般のカチオン可染型ポリエス
テルフィラメントは、加熱しすぎると糸質劣化を起こし
、大繊度フィラメントを分散染料で染色する際に、強度
低下を惹起するという欠点があった。特に、極細のカチ
オン可染型ポリエステルフィラメントは、前記の傾向が
激しかった。 そこで、本発明は、ある特定の物性を持つ太繊度フィラ
メントと極細フィラメントとを使用して、なるべく編織
物の表面が極細フィラメントで覆われるようにすると共
に、極細フィラメントとして特殊な素材のものを使用し
、かつ特定の条件で染色することにより、スェード調の
外観及び風合を有し、その表面が比較的均一に染色され
てなる布帛を提供しようというものである。 即ち、本発明は、下記(a)及び(b)の条件を満足す
る太繊度フィラメントと下記(c)〜(e)の条件を満
足する極細フィラメントとからなる複合糸条を用いて製
編織し生地を得る工程と、該生地を収縮させて、その表
面に極細フィラメントを顕現させる工程と、120℃以
上の高温下で、主として太繊度フィラメントを分散染料
で染色すると共に極細フィラメントをカチオン染料で染
色する工程とを具備することを特徴とするスェード調布
帛の製造方法に関するものである。 記 (a)太繊度フィラメントの沸騰水収縮率は20%以上
であること。 (b)太織[フィラメントの最大熱応力値は0.4g/
d以上であること。 (eHj 細フィラメントの沸騰水収縮率は、次の式を
満足すること、即ち、(太繊度フィラメントの沸騰水収
縮率)−(極細フィラメントの51m1水収縮率)21
0%。 (d)極細フィラメントの最大熱応力値は、次の式を満
足すること、即ち、(太繊度フィラメントの最大熱応力
値)−(極細フィラメントの最大熱応力値)≧o、1g
/d。 (ee極細フィラメントは、酸成分とアルコール成分と
を共重合して得られるポリエステル系フィラメントであ
って、該酸成分中には、08〜1.8モル%のナトリウ
ムスルホイソフタル酸が用いられていること。 まず、本発明においては、二種類のフィラメント、即ち
太繊度フィラメントと極細フィラメントとを準備する。 太繊度フィラメントは、上記(a)及び(b)の条件を
満足するものである。(a)の条件は、太繊度フィラメ
ントの沸騰水収縮率が20%以上というものである。沸
騰水収縮率が20%未満になると、絶対的な収縮量が少
なくなって、得られる布帛に張りや腰を付与しにくくな
るので、好ましくない。ここで、沸騰水収縮率とは、以
下の如き方法で測定されるものである。即ち、フィラメ
ントの一端を固定し、他端に(1/10)g / (l
の初荷重を掛けて吊し、正しく500■−の間隔を計っ
て両端に印を付ける。そして、前記の初荷重を取り除き
、フィラメントを沸騰水中に30分間浸漬した後、取り
出して軽く吸取紙又は布で水を切る。その後、水平状態
で自然乾燥し、再び前記の初荷重を掛けて、前記両端間
の長さし■−を図り、次式によって算出された値を沸騰
水収縮率とするのである。収縮率(%)= [(500
−L ) 1500]x 100である。 また、(b)の条件は、太繊度フィラメントの最大熱応
力値が0.4g/d以上であるというものである。最大
熱応力値が0.4g/d未満であると、生地の収縮力が
低下し、布帛に目的とする張りや腰を与えにくくなるの
で、好ましくない。ここで、最大熱応力値とは、以下の
如き方法で測定されるものである。即ち、カネボウエン
ジュアリノグ社製の熱応力測定機にて、初荷重10gの
条件で得られた熱応力値の最大値を、最大熱応力値とす
るのである。 なお、太繊度フィラメントの単糸繊度は、10〜50デ
ニ一ル程度が好ましい。また、太繊度フィラメントの素
材としては、従来公知の各種重合体を使用しうるが、特
に酸成分としてイソフタル酸及びテレフタル酸を使用し
、酸成分とアルコール成分とを重合させて得られるポリ
エステル繊維を使用するのが好ましい。 一方、極細フィラメントは、上記(c)〜(e)の条件
を満足するものである。(c)の条件は、極細フィラメ
ントの沸騰水収縮率が太繊度フィラメントの沸騰水収縮
率よりも小さく、その差が10%以上であるというもの
である。この差が10%未満であると、極細フィラメン
トが太繊度フィラメントと同様に収縮し、生地の表面に
極細フィラメントが顕現しにくくなるので、好ましくな
い。なお、極細フィラメントの沸騰水収縮率の測定方法
は、前記したのと同じである。 (d)の条件は、極細フィラメントの最大熱応力値が太
繊度フィラメントの最大熱応力値よりも小さく、その差
が0.1g/d以上であるというものである。この差が
0.1g/d未満であると、極細フィラメントが太繊度
フィラメントと同様に収縮し、生地の表面に極細フィラ
メントが顕現しにくくなるので、好ましくない。なお、
極細フィラメントの最大熱応力値の測定方法は、前記し
たのと同じである。 (e)の条件は、極細フィラメントが以下の如きポリエ
ステル系フィラメントからなるというものである。即ち
、ポリエステルフィラメントは、酸成分とアルコール成
分とが共重合されてなるものであるが、本発明において
は、この酸成分中に0゜8〜18モル%のナトリウムス
ルホイソフタル酸が用いられているのである。ナトリウ
ムスルホイソフタル酸の量が0.8モル%未満であると
、カチオン染料による染色性が低下し、鮮明な色に生地
を染色しにくくなるので、好ましくない。ナトリウムス
ルホイソフタル酸の量が18モル%を超えると、染色時
の染色温度で極細フィラメントが強度低下を起こすので
、好ましくない。なお、ナトリウムスルホイソフタル酸
としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が一般的
に使用される。 なお、極細フィラメントの単糸繊度は、前記した太繊度
フィラメントの単糸繊度よりも小さいものである。具体
的には、極細フィラメントの単糸繊度は、1.5デニー
ル以下が好ましく、特に1デニール以下であるのが好ま
しい。 前記した太繊度フィラメントと極細フィラメントとを用
いて、複合糸条を作成する。複合糸条は、従来公知の方
法で作成することができる。例えば、太繊度フィラメン
トで構成されたマルチフィラメントと極細フィラメント
で構成されたマルチフィラメントとを混合しながらエア
ー処理を施し、所定の交絡数を有する複合糸条を得れば
よい。交絡数は、−船釣に50ケ/M以上が好床しく、
特に60ケ/M〜100ケ/M程度が好ましい。交絡数
が50ケ/M未満になると、両フィラメントの複合の程
度が低下する傾向が生じる。また、交絡数が100ケ/
Mを超えると、得られる布帛に交絡残跡が生じる恐れが
ある。また、両フィラメントを複合する際、極細フィラ
メントの総繊度が、全フィラメントの繊度に対して40
%以上となるようにするのが、好ましい。極細フィラメ
ントの総繊度が40%未満になると、極細フィラメント
が太繊度フィラメントを覆わない傾向が生じ、得られた
布帛の表面に極細フィラメントが顕現しない傾向となる
。 この複合糸条を用いて、生地を製編織する。そして、こ
の生地に高温リラックス処理、プレセットなどを施して
、熱を与える。すると、生地中の太繊度フィラメントは
強く収縮するが、極細フィラメントは太繊度フィラメン
トと同様には収縮しない。その結果、生地表面には極細
フィラメントが顕現するのである。 この後、分散染料とカチオン染料とを用いて、生地を染
色する。この染色は、温度を120℃以上の高温、特に
好ましくは130℃〜140℃の高温で行なうことであ
る。温度が120℃未満であると、−般に用いられてい
るカチオン可染ヤポリエステル繊維の場合は十分に濃色
に染色することが可能であるが、本発明で使用する特殊
な素材よりなる極細フィラメントを濃色に染色すること
は困難である。また、温度があまりにも高すぎると極細
フィラメントが劣化し、強度低下が起こる傾向が生じる
。このような条件で染色すると、太繊度フィラメントは
主として分散染料で染色され、極細フィラメントは主と
してカチオン染料で染色される。 以上の方法によって、スェード調の風合と外観を有し、
比較的均一な色合で表面が染色されてなる布帛を得るこ
とができるのである。この布帛の表面には極細フィラメ
ントが顕現して起毛状態となっているが、更に起毛状態
を顕著にするために、従来公知の起毛加工を施しても良
いことは、勿論である。
【実施例】
実施例 酸成分とアルコール成分とを共重合して得られ、この酸
成分中にイソフタル酸成分が12モル%含まれているポ
リエステル系フィラメントであって、沸騰水収縮率が2
5%、最大熱応力値が0.5g/dである太繊度フィラ
メントで構成された、30デニール/12フイラメント
のマルチフィラメントを準備した。 酸成分とアルフール成分とを共重合して得られ、この酸
成分中にナトリウムスルホイソフタル酸成分力1.8モ
ル%含まれているポリエステル系フィラメントであって
、沸騰水収縮率が3%、最大熱応力値がO,1g/dで
ある極細フィラメントで構成された、55デニール/1
68フイラメントのマルチフィラメントを準備した。そ
して、このマルチフィラメントを仮撚及び捲縮加工して
、仮撚捲縮加工フィラメントを準備した。 前記で準備したマルチフィラメントと仮撚捲縮加工フィ
ラメントとを引揃えてエアー処理を施し、複合糸条を得
た。この複合糸条の交絡数は80ケ/Mであった。この
複合糸条を用いて、福原精機株式会社製ダブルニットI
ILPJ−)1型、釜径33”、ゲージ28Gでかつ両
面編組織で編成して生地を得た。 この生地を、液流染色機を用いて100℃で精練熱処理
後、130℃で染色を行なった。この際、用いた染料及
び助剤は下記のと鮒りである。 記 カチオン染料(保土谷化学工業株式会社製)Aizen
 Cathjlon Br1ll Blue CD−F
2RH1%o、 v、 f分散染料(三菱化成株式会社
製) 1)ilnix Bluell−SE     
           2%o、 v、 f助剤 ニッカサンソルトCl−12(日華化学株式会社製) 
           2%0.豐f酢酸(48%) 
        0.2ee/1以上のようにして得ら
れた布帛は、その表面が濃色に均一に染色されておりイ
ラツキも少なく、風合も良好で、高級感を感じさせる良
好なスェード調布帛であった。 比較例1 沸騰水収縮率が40%、最大熱応力値が03g/dの大
繊度フィラメントで構成された、30デニール/12フ
イラメントのマルチフィラメントを用いた以外は、実施
例1と同様にして布帛を得た。この布帛は、表面に極細
フィラメントが十分に顕現しておらず、また布帛に張り
や腰がなく、スェード調布帛として不適当なものであっ
た。 比較例2 沸騰水収縮率が5%、最大熱応力値が0.1g/dの極
細フィラメントで構成された、55デニール/168フ
イラメントの仮撚捲縮加工フィラメントを用いる以外は
、実施例1と同様の方法で生地を得た。次いで、この生
地を液流染色機を用いて100℃で精練熱処理した後、
130℃で染色を行なった。 この際、用いた染料及び助剤は下記のとおりであった。 記 分散染料(三菱化成株式会社製> Dianjx Bl
ueU−SE                2%o
、 v、 r助剤 サンツル) RZ−8(日華化学株式会社製)0.5g
、/1 酢酸り48%)         0.2cc・′l得
られた布帛は、スェード調風合を示すものであったが、
その表面が均一に染色されておらず、外観上イラツキの
あるものであった。
【作用及び発明の効果】
以上説明したように、本発明は収縮性に一定の差異があ
る太繊度フィラメントと極細フィラメントとを複合した
糸条で生地を編成し、その後収縮処理して布帛を得ると
いうものである。従って、収縮性の大なる太繊度フィラ
メントが収縮することによって、収縮性の小なる極細フ
ィラメントが生地表面に顕現し、スェード調の布帛にな
る。また、太繊度フィラメントの収縮によって、布帛に
張り及び腰が付与せしめられる。 また、本発明は、本来的に濃色に染色しにくい極細フィ
ラメントの素材としである特定のポリエステルを使用し
たので、カチオン染料によって濃色に染色しうるように
なる。従って、得られた生地を、カチオン染料と分散染
料の存在下で染色すると、極細フィラメントは主として
カチオン染料によって、太繊度フィラメントは主として
分散染料によって良好に染色され、極細フィラメントも
太繊度フィラメントも同様の濃色に染色することができ
る。依って、布帛表面を均一に染色することが可能にな
り、外観上イラツキが少なくなるという効果を奏する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 下記(a)及び(b)の条件を満足する太繊度フィラメ
    ントと下記(c)〜(e)の条件を満足する極細フィラ
    メントとからなる複合糸条を用いて製編織し生地を得る
    工程と、該生地を収縮させて、その表面に極細フィラメ
    ントを顕現させる工程と、120℃以上の高温下で、主
    として太繊度フィラメントを分散染料で染色すると共に
    極細フィラメントをカチオン染料で染色する工程とを具
    備することを特徴とするスエード調布帛の製造方法。 記 (a)太繊度フィラメントの沸騰水収縮率は20%以上
    であること。 (b)太繊度フィラメントの最大熱応力値は0.4g/
    d以上であること。 (c)極細フィラメントの沸騰水収縮率は、次の式を満
    足すること、即ち、(太繊度フィラメントの沸騰水収縮
    率)−(極細フィラメントの沸騰水収縮率)≧10%。 (d)極細フィラメントの最大熱応力値は、次の式を満
    足すること、即ち、(太繊度フィラメントの最大熱応力
    値)−(極細フィラメントの最大熱応力値)≧0.1g
    /d。 (e)極細フィラメントは、酸成分とアルコール成分と
    を共重合して得られるポリエステル系フィラメントであ
    って、該酸成分中には、0.8〜1.8モル%のナトリ
    ウムスルホイソフタル酸が用いられていること。
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