JPH04202435A - セリシン微粉体およびその製造法 - Google Patents

セリシン微粉体およびその製造法

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JPH04202435A
JPH04202435A JP33360890A JP33360890A JPH04202435A JP H04202435 A JPH04202435 A JP H04202435A JP 33360890 A JP33360890 A JP 33360890A JP 33360890 A JP33360890 A JP 33360890A JP H04202435 A JPH04202435 A JP H04202435A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 〈産業上の利用分野〉 本発明は、セリシン微粉体に、また絹繊維の精練処理後
の廃液からそれを回収ないし製造する方法に、関するも
のである。
絹繊維は、その独特の風合い、優雅な光沢等が好まれて
、古くから珍重されている。この絹の繊維は、絹の本質
であるフィブロインの表面がニカワ状のタンパク質であ
るセリシンで外覆された構造、いわゆる二重構造、を形
成して、他の繊維に見られない特殊な繊維形態を形成し
ている。しかしながら、この生糸の状態では、絹繊維本
来の特性である独特の柔らかくてしなやかな風合い、優
雅で気品のある光沢、鮮明な染色性等の特長を発揮する
ことができない。絹独特の性質は該フィブロインより構
成される繊維によって発揮されるため、絹繊維や絹織物
の加工においては、フィブロインの周囲を被覆している
セリシンを溶解除去する処理か行なわれている。
繭糸から製糸された該生糸に含まれるセリシンの割合い
は20〜30%とかなり高く、このような蛋白成分を含
む精練廃液を河川に流すことは大きな公害となるため許
されないところから、過去種々の処理法が検討されてい
る。例えば、凝集沈殿法、濾過法、活性炭吸着法などが
挙げられるが、何れも実用化にはそれぞれ難点かあり、
現在、絹精練廃液の処理は、生として活性汚泥法による
生化学的消化で実施している。この場合、公害対策施設
としては膨大なものとなり、また該施設の運転経費も高
額に及ぶ。
一方、二のセリシンには化粧品、医薬品などの材料とし
て重要なアミノ酸の一種であるセリンが約30重量%と
高率に含まれており、今日でもこの貴重なセリンの一部
は、生糸から直接抽出により得ている現状からすると、
絹精練の廃液からセリシンを分離回収する技術は水質の
汚濁防止、資源の利用などの面から重要なものであるこ
とは明白である。
〈従来の技術〉 従来より、この絹の精練廃液よりセリシンを固形分とし
て分離回収する方法は種々試行されている。その方法に
は、化学精練法または酵素精練法によって絹繊維よりそ
こに含有されるセリシンを部分加水分解して溶出させて
から、下記の手段によってセリシンを回収することから
なるものである。
(1) 有機酸あるいは無機酸によってセリシンの等電
点pH4,5〜5.0に調整したのち、無機凝集剤ある
いは有機凝集剤を添加してセリシンを析出させ、これを
炉別して乾燥することにより、セリシンを粉体として得
る。
(2) メタノール、エタノール、ジオキサン等の水溶
性溶媒を混合してセリシンを析出させたのち、これを炉
別乾燥して、セリシンを粉体として得る。
これらの方法は、それなりに有用であるか、経済的な回
収と云う観点においては工業化には難点かあって(これ
までの試みは、廃水処理への負荷を低減することか主目
的であったために、タンパク質セリシンか沈殿となって
生成するか分離か非常に難しい)、実用化されていない
のか現状である。
ところで、セリシンは、上記のように、セリン源として
有用なものであり、これはまた、ポリペプチドとして、
合成皮革、成型品、繊維布帛のコーティング加工などの
機能改質充填剤として有用なものであるか、上記のよう
な方法で得られたセリシンを乾燥したのちに粉砕を行な
って粉体として得た例はあるけれども、粒径か大きかっ
たり不揃いてあったりしており、また用途に応じた水分
率のコントロールか行いにくいために、上記のようなポ
リペプチドを粉砕して粉体としての用途には必ずしも満
足すべきものとはいい難い。また、フィブロインを粉砕
して粉体として得る試みがあるか、粒径か不揃いてしか
も数100μmの大きな粒子か多数存在しているために
、粉体としての応用を困難にしている。
従って、絹の精練廃液よりセリシンを固形分として分離
回収するには、回収セリシンの物性ならびに分離回収法
のいずれにも問題かあったのであって、それか解決され
れば稗益するところは大きい。
なお、フィブロイン粉体製造に関して、塩を含むフィブ
ロイン溶液を透析により精製したのち、噴霧乾燥法(特
開昭56−40’675号公報)あるいは凍結乾燥(特
開昭61−180800号公報)により粉体状フィブロ
インペプチドを得る方法か知られているが、得られる粉
体の平均粒径は10〜40μmと大きいよってある。ま
た、塩を含むフィブロイン溶液に凝固性塩を添加してフ
ィブロインを凝固析出させたのち、乾燥後粉砕して1〜
100μmの粒子径を得る方法も開示されているが(特
開昭55−139427号公報)、得られる粉体は粒径
分布が広く、大きい粒子を含んでいるようである。
〔発明の概要〕 く要 旨〉 本発明は上記の点に解決を与えることを目的とし、特定
の物性のセリシン粉体を提供することならびに特定の方
法で絹精練廃液を処理することによって、この目的を達
成しようとするものである。
すなわち、本発明による分子量が300〜50.000
の範囲にあるセリシンからなるセリシン微粉体は、平均
粒径5μm以下で粒径の分布範囲が狭く、かつ、粒子形
状が実質的に球形であること、を特徴とするものである
また、本発明による一つのセリシン微粉体の製造法は、
化学精練による絹精練廃液を限外濾過に付して分子量が
5000〜50,000の範囲にあるセリシンを含んで
なるセリシン溶液を得た後、これを100cP以下の粘
度にコントロールした状態で噴霧乾燥に付すこと、を特
徴とするものである。
そして、本発明による他のセリシン微粉体の製造法は、
酵素精練による絹精練廃液を逆滲透膜に付して分子量か
300〜10,000の範囲にあるセリシンを含んでな
るセリシン溶液を得た後、これを100cP以下の粘度
にコントロールした状態て噴霧乾燥に付すこと、を特徴
とするものである。
ここでの、「粒径の分布範囲が狭い」ということは、平
均粒径に対して、上下5μm以内に80%以上のものが
存在しかつ最大25μmを越えるものが1%以下である
ことを意味する。また、「粒子形状が実質的に球形」と
いうことは、巨視的な球を指すものであって真球のみを
意味するものではなく、具体的には長軸と短軸の比が2
=1までの楕円までを含みかつ、粉体の表面に鋭角部分
が存在しない個体を指す。
く効 果〉 本発明によるセリシン微粉体は、その物性によって、前
記のポリペプチドとして有利に用いることかできる。す
なわち、本発明により得られるセリシン微粉体は、粒径
が小さく、かつ球形をしており、しかも均一な状態で揃
っている。その上、水分のコントロールも可能である特
徴を持っているので、合成皮革、成型品、繊維布帛のコ
ーティング加工などの機能改質充填剤として使用する場
合は、主剤となる樹脂類との混合性、成型時の気泡混入
性、塗布表面のタッチの改良などにおいて好都合なもの
であり、また化粧品等への保湿剤としての用途において
も、この特性は有用なものである。
特に、本発明の場合セリシンを溶液状態のままで精製す
る特徴があるために、簡便な方法でセリシン微粉体を得
ることができる。また、本発明によるセリシン微粉体の
製造法は、これを絹精練廃液の処理法として捉えるなら
ば、セリシン個体を経済的に回収する方法として、工業
的実施の可能なものである。すなわち、該廃液の廃水処
理設備、設備の運転経費などの廃水処理負荷の軽減か図
れる大きな利点がある。
〔発明の詳細な説明〕
く絹精練廃液〉 絹の精練そのものは周知のものであり、また従って本発
明による処理の対象である絹精練廃液(以下、精練液と
いう)も周知のものである。
絹の精練の代表的なものとして化学精練法および酵素精
練法かあることは前記したところであって、本発明を適
用する精練液はこれらのいずれの方法によって得られた
ものであっても良い。精練法の一つとして発酵精練法か
あるか、これは酵素精練法の一種であると当業界におい
ても認識されており、本発明においても酵素精練法の範
喘に入るものとして取り扱うものとする。
化学精練法は、アルカリ水溶液、すなわち一般に炭酸ナ
トリウムまたは硅素ソーダ、まれには水酸化ナトリウム
やアンモニア等、の0.5〜2.596(重量)水溶液
、にマルセル石鹸等の界面活性剤を同しく0.5〜2.
5%(重量)混合し、pHか11,5以上のかなり強い
アルカリ水溶液で、温度95℃以上で3〜4時間にわた
って絹を処理することからなる。化学精練法は、現在最
も行なわれている精練方法である。
一方、酵素精練を実施する場合は、pH9〜]0におい
て、蛋白質分解酵素数ppm〜数百pp+nか溶存する
液で絹を2〜3時間処理する。その場合に用いる酵素と
しては、通常の蛋白質分解酵素、放線菌から得られるプ
ロナーゼ、パパインから得られる酵素酢、アスペルギル
ス・ニガー等のカビから得られるプロテアーゼ、/\チ
ルス・ズブチリス等の細菌から得られるプロテアーゼ例
えばスブチリシンB、P、N、およびトリプシン、キモ
トリプシン、パパイン、プロリン等が挙げられ、これら
を単独あるいは2種以上混合して利用することかできる
。使用する酵素の量は、通常酵素の種類、純度、反応条
件等によって異なるか、通常は数ppmから数百ppm
のオーダーである。この場合の処理条件は使用する酵素
の種類、濃度等によって異なるか、通常pH5〜9、好
ましくは6〜8.5で、温度が20〜50℃、好ましく
は30〜45℃、である。
発酵精練も酵素精練の一種であるか、酵素濃度か低いた
め、処理時間は24〜48時間必要である。
これらの方法によって得られた精練液は、セリシン濃度
か通常約0.5%〜2%のものである。
なお、精練廃液中のセリシンは、絹の外皮として存在し
ていたときに比べれば、精練処理によって解重合か行な
われて分子量か低下している。すなわち、精練処理でセ
リシンのアミド結合は加水分解を受け、ペプチドとして
コロイド状に精練液に溶解して行く。この場合、加水分
解で生成するペプチドの分子量は、処理時間よりも処理
液のアルカリ濃度に相関する。
〈精練液の処理〉 本発明がこれらすべての精練法に対して適応できて、最
終的にセリシン微粉体を得ることができることは前記し
たところである。たたし、精練液からのセリシン濃縮/
精練工程には、採用した精練法に依存して、幾つかの相
違点か生じる。
セリシン微粉体を得るためには、得られた精練液中のセ
リシンを濃縮精製する必要がある。本発明の場合には、
限外濾過法を用いることによってこの工程を非常に簡便
かつ高効率で行なうことかできる。濃縮に先立ち(ある
いは濃縮後に)、i濾過、濃度の調整、除菌、その他の
予備処理を行なう二とができることはいうまでもない。
化学精練により得られる精練液からセリシンを回収する
場合には、セリシンの分子量が300〜50.000の
範囲にあって、しかもブロードに分布しているため、こ
の精練液から分子量5000〜50,000のセリシン
溶液を得るためには、分画分子量20,000前後の限
外濾過膜を用いて濃縮精製するのが効率的に好ましい。
この場合、分画分子4120.000 (ポリエチレン
グリコール(PEG)換算分子量)前後の膜(表1)を
用いることによって(一般的精練助剤である炭酸ナトリ
ウムまたは硅素ソーダ、まれには水酸化ナトリウムやア
ンモニア、そしてマルセル石鹸等の界面活性剤は、限外
濾過膜の分画分子量よりも十分に小さいために、膜から
外に流出することが起こり、セリシンの純度は濃縮と同
時に向上していく現象かおきる)、非常に簡単に化学精
練精練液よりセリシンの純度の高い濃縮液を得ることか
できる。また、高純度を必要とするときには、濃縮の後
に蒸留水を加えて置換による精製を行なうことによって
、任意の純度にまで簡便に連続工程として精製を行なう
ことかできる。
酵素精練の場合には、セリシンを濃縮精製する工程にお
いて精練液中に存在するのは、酵素と塩か主成分となる
ために、蛋白質純度は初期から比較的高く、従って、限
外ン濾過法を用いてセリシンの濃縮を行なうたけて十分
な純度の蛋白質濃縮液を得ることかできる。
酵素精練を行なった浴中のセリシンの分子量は、一般的
に300〜10,000の範囲にあり、具体的な処理と
しては、分画分子量の比較的小さな限外濾過膜を用いる
ことが好ましく、分画分子量10.000程度のものを
用いると良い。この場合、得られるセリシンの分子量は
5000〜10.000の範囲にある。また、純度的に
脱塩のみて対応できる場合には、逆滲透膜を用いて脱塩
濃縮をすることか、セリシンの回収率を高める。
この場合に得られるセリシンの分子量は、300〜10
,000である。
発酵精練の場合にも、セリシン濃縮液の作成方法は酵素
精練と同様であり、限外濾過膜も比較的分画分子量の小
さいものを用いることが好ましい。
たたし、発酵精練の場合には、濃縮前の処理として、ポ
アーサイズ0. 2μm程度の精密濾過膜によって細菌
の除去を行なうことが望ましい。
なお、本発明においても限外濾過は、電気透析を同時に
実施して行なうことができて、濾過を完全にあるいは速
やかに行なうのに資することかできる。従って、本発明
での「限外か過」は、そのように理解するものとする。
表1=利用可能な限外濾過膜の例 岩城硝子     ポリエーテルスルホン樹脂    
 30ポリエーテルスルホン樹脂     30ポリエ
ーテルスルホン樹脂     30アミコン     
ポリスルホン系          10ポリスルホン
系          30ポリサツカライド    
     30東ソー      ポリスルホン系  
        30日東電工     ポリオレフィ
ン系          20ポリスルホン系    
      20東洋       芳香族ポリアミド
系        20^bcor        ポ
リフッ化ビニリデン        20DDS   
     ポリスルホン、スルホン化     20D
orr−()I 1ver    ポリスルホン   
        100S順旧C8酢酸セルロース  
        200smonjcs      ポ
リスルホン            20Paters
on Candy   酢酸セルロース       
   20Rhone−Pou l enc   ポリ
アクリロニトリル−メタクリルスルホン酸     2
0Rhone−Pou I enc   ポリスルホン
、スルホン化     20Wafilin     
  ポリアクリロニトリル        10Wes
tern Dynamjcs  セルロース     
       20Western Dynuics 
 ポリスルホン           20適当な限界
濾過膜、たとえば、表1に示すもの、を用いて限外か過
を行なって、セリシン溶液か約0.5%〜2%であった
精練液を濃縮する。セリシン溶液の濃縮は、濃度的には
できるたけ高濃度にするのか、乾燥の効率から考えると
好ましいか、セリシン溶液の純度が増した場合に、濃縮
と比例して溶液の粘度か高くなるため、またケル化か始
まるために、1096前後までの濃縮か好ましい。
また、限外濾過工程において徐々にではあるがセリシン
が分解するために、長時間の限外濾過は収率の低下をま
ねく。
くセリシンの微粉体化〉 限外ン濾過によって濃縮されたセリシン溶液を粉体化す
る方法には各種のものがありえて、−例として1)凍結
乾燥法、2)減圧乾燥法、3)噴霧乾燥法、などを挙げ
ることかできようが、乾燥された粉体の粒径をコントロ
ールしようとした場合には、本発明製造法に従って噴霧
乾燥法を行なうことが望ましい。他の乾燥法の場合には
、乾燥工程において同時に粒径をコントロールすること
は困難である。
本発明においては、前記のように、溶液状態でセリシン
の純粋な溶液を得る二とかできるので、このままの状態
て噴霧乾燥に付すことができる。
この噴霧乾燥法についてはセリノン溶液を噴霧乾燥する
場合の噴霧方法については、代表的なものとして表2に
示すものかある。
表2・噴霧方式の代表的なもの この霧状セリノン水溶液は、通常110〜250℃、好
ましくは150〜200’C1の雰囲気中で短時間にて
乾燥粉体化することが好ましい。
250℃付近の高温で乾燥を行なうと水滴が突沸するこ
とによって球状を維持しない。目的とする性能を有する
セリシン微粉体を得るために、噴霧乾燥条件を適宜選ぶ
ことができる。
噴霧乾燥を行なうスプレードライヤーについては特別制
限かなく、各社・各仕様のスプレードライヤーを用いる
ことができる。たたし、非常に水分率の高い溶液の噴霧
を行なう場合には、セリシンが乾燥不十分のために壁面
に付着する現象が起こるので、乾燥室の径か100cm
以上のものを用いるのが好ましい。乾燥室径の小さいス
プレードライヤーを用いた場合には、乾燥温度をできる
だけ高<  (200℃以上)することによって対応す
ることかできる。
スプレードライヤーにおける噴霧形式には、先にも示し
たように様々なものかあるが、平均粒径5μm前後ある
いは、5μm以下のものを得たい場合には、遠心エネル
ギーを利用した回転ディスク型のアトマイサー(一般に
、ロータリーアトマイサーと呼ばれている)を用いるの
が効果的である。この場合のアトマイサーの径は、10
0 mm以上のものが好ましく、かつアトマイサーの回
転数を毎分20,000回転以上とすることが好ましい
。平均粒径5μm以下の微粉体を安定して作成すること
ができるからである。なお、原理的には、遠心噴霧方式
の場合、上記の大径のアトマイサーより小径の物で高回
転数にすることによって、あるいは大径の物で低回転に
て同様の噴霧状態を作ることはできるか、現実はそのよ
うなことは行なわれていないようである。
噴霧乾燥を行なう場合には、乾燥に付す溶液の状態によ
って、生成粒子の粒径に大きな影響か生しる。
本発明製造法は、この点を解明して、良好な粒子特性の
粒状セリシンを得るのに成功したものである。すなわち
、具体的には、セリシン溶液を噴霧する場合には、セリ
シン溶液が約1%を越えると部分的なゲル化の開始とと
もに溶液の粘度が急上昇するので、そのような高粘度液
を噴霧乾燥室に供給すると粒径か小さくしかも粒度分布
の揃った噴霧乾燥物を得ることができない。このような
ところから、噴霧乾燥に供給すべきセリシン溶液はセリ
シン濃度か1%以下のものであることが必要ということ
になるのであるが、一方、濃度1%以下のセリシン溶液
をrIR霧乾燥した場合には、−旦は粒径は5μm前後
のものかできあかるけれども、粉体粒子か極端に中空状
態であるために、熱風中で乾燥後に常温に戻る際に、粉
体内部の空気か収縮するにともなって、粉体か収縮して
、表面に激しい凹凸を持ったセリシン粉体となる。その
ようなセリシン粉体は、本発明による実質的に球形の粒
子からなるセリシン微粉体とはいえない。
本発明によるセリシン微粉体の製造法は、この点にも解
決を与えたものであって、供給液の温度をコントロール
して、具体的には供給液を加熱して、粘度を低下させ、
あるいはゲル化を防ぐことによって、10%前後の濃度
でセリシン溶液を噴霧乾燥に付することか可能となった
すなわち、噴霧乾燥供給液としてのセリシン溶液の最適
条件は濃度と温度とによって支配されるので、本発明は
セリシン溶液の所与の温度での粘度を100cp(セン
チボイズ)以下、好ましくは60cp以下、にコントロ
ールすることによって、この最適条件を実現する。10
%前後の濃度のセリシン溶液の場合は、その粘度を1o
Oc9以下にするには温度を約60℃以上にすればよい
。なお、セリシン溶液の粘度は、所与の温度でB型粘度
計によって測定したものである。
噴霧乾燥において水分率に影響するファクターは多いか
、とくに影響を与えるのは、乾燥温度と、噴霧された液
滴(粉体)の乾燥室内における滞留時間である。
作成された粉体を他の高分子材料に対して混合して用い
る場合には、できるだけ水分率を低下させたものが応用
範囲が広がる。
〈実施例〉 以下の実施例は本発明を説明するためのものである。な
お、実施例中の測定は次の方法で行なったものである。
(I)  ペプチドの粒径測定 走査型電子顕微鏡による写真撮影により得られる粉体状
セリシンペプチドの写真上の任意の1.000個の当該
粒子の粒径を測定する。ここでは、日立製作新製のSE
Mによって測定を行なった。
(II)  ペプチドの水分率測定 水分早計による水分率測定から決定する。ここでは、サ
ルトリウス社製の水分率針を用い、任意の約3グラムに
ついて3回測定してその平均値を水分率とした。
(m)  セリシン濃度の測定 紫外分光光度計を用いて吸光度を測定することによって
、セリシン溶液の濃度を求めた。なお、この場合の吸光
度から濃度への換算は、前もって検量線を作成すること
によって行なった。
(IV)  ペプチドの分子量の測定 SDS−page電気泳動法または、ケル濾過法によっ
て分子量の測定を行なった。
(V)  精練液の粘度 所与の温度での、B形粘度計によるみかけ上の粘度によ
り表示した。
絹精練を硅素ソーダの1.5%(重量)水溶液にマルセ
ル石鹸1.O(重量)を混合し、pHか11.5以上の
かなり強いアルカリ水溶液中、温度95℃以上で3時間
処理を行なった。ここでのセリシン濃度は、約1.0%
であった。ここで得られた精練液を限外ン濾過に付し、
セリシン濃度を約10%にまで濃縮を行なった。限外i
濾過膜には、分画分子量20,000 (PEG換算)
のポリスルホン系の膜を用いた。
硅素ソーダおよびマルセル石鹸は、それらの分子量が、
限外濾過膜の分画分子量20,000に比較して十分に
小さいので、膜を透過する。ゆえに、濃縮と同時にセリ
シンの純度も結果的に向上することになり、簡便な方法
で濃縮工程と精製工程を複合化したことになる。また、
高純度を必要とするときには、濃縮の後に蒸留水を加え
て精製を行なうことにより、任意の純度にまで精製を行
なうことができる。ここでは、濃縮液と等量の純水を加
えて再濃縮を行なった。
以上の処理で精練液(セリシン濃度的1%)を約8%濃
度のセリシン溶液とした。このときのセリシンの分子量
は、6,000〜50,000に分布していた。化学精
練後のセリシンの分子量は300〜50,000に主に
分布していることから、本濃縮法を用いることによって
、非常に効率よく濃縮精製が行なえることが確認された
絹精練を酵素プロテアーゼ10ppIl水溶液pH8,
0中にて3時間行なった。ここでの酵素は、精練用とし
て一般に販売されているものを用いた。
ここで得られたセリシン濃度は約0.5%であり、分子
量の分布幅は300〜10,000であった。
この後に得られたセリシン溶液を逆滲透膜に付して、セ
リシン濃度的6%にまで濃縮脱塩を行なった。
〔実施例2〕 (粒径コントロール) 実施例1−1で調製したセリシン濃縮液を、スプレード
ライヤー(大河原化工機社製)を用いて噴霧乾燥した。
この時に、遠心噴霧の遠心力を変化させて、また乾燥温
度を変化させて、噴霧を行なった。
使用したスプレードライヤーは、下記の特性のものであ
る。
乾燥室径+1,200市以上 アトマイザ−径:120+au以上 回収装置 サイクロン士・\グツイルター(回収率95
%以上) 噴霧乾燥条件ノよ、下記の通りである。
セリシン溶液:濃度的8%(609C〜70℃で、粘度
50cpて供給) アトマイサー回転数 20,000rpm乾燥温度、2
00℃ 得られた実験結果は、下記の通りである。
表3:実験結果1 (アトマイサー回転数の影響)回転
式アトマイザ−の回転数が15.00Orpmを越えた
条件から粉体としてセリシンを得た。
また、回転数が上昇するに伴って、生成するセリシンの
粒径が小さくなることが確認された。
(ロ) 実験結果2(供給液の温度の影響)スプレード
ライヤー運転条件 回転数:20,000rpI11 乾燥温度 200℃ 表4.実験結果2(供給液温度の影響)このとき、供給
液の粘度は50℃を越えた温度で100cP以下であっ
た。この結果から供給液の粘度をコントロールすること
によって粒径の分布範囲かコントロールできることが確
認された。
以上の試験を行なったところ、遠心噴霧機の回転数を2
0.00Orpm以上、供給液の温度60℃以上、乾燥
温度200℃以上で、平均粒径5μm以下の微粉体か得
られた。ここで均一な微粉体を製造するために最も効果
的であったのか供給液の調温てあった。
添付の第1図は、得られたセリシン微粉体の走査型電子
顕微鏡写真を示す。
また、下記はこのセリシン微粉体の粒度分布の測定結果
を示すものである。
表5 粒度分布測定結果 比較実験として、実施例1と同様なセリシンを含む化学
精練処理後の廃液に付して、これまでの一般的タンパク
質の分離法である無機酸を加える方法と有機溶媒を加え
る方法によってセリシンの分離を試みた。無機酸として
は塩酸を用い、有機溶媒としてはメタノールを用いた。
実験方法は、精練廃液を塩酸にてpH3,5に調整し、
そのときのセリシンの沈殿量を、溶液中のセリシンの濃
度変化から追跡した。有機溶媒の場合には、沈殿か生成
するまで有機溶媒を加え、同様にして追跡を行なった。
結果を下表に示す。無機酸を添加した場合には、セリシ
ンの等電点pH3,9付近から沈殿の生成か始まり、p
H3,8から3.5まで変化させても同様の沈殿生成量
であった。このときの沈殿生成量は、約60%と算出さ
れた。これに対して、有機溶媒を添加した場合には、も
との精練廃液に対して2倍量以上添加しても沈殿は生成
しなかった。
このようにして得られたセリシンを戸別することを試み
たか、フィルターの目詰まりが著しくて実用には適して
いないと判断し、回収を断念した。
故に、噴霧乾燥を行なうだけのセリシンを得ることも不
可能であった。そこで、凍結乾燥してセリシンの乾燥体
とすることを試みたか、得られた粉体の粒径は数μm〜
数100μmと不均一なものしかえることができなかっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例で得られたセリシン微粉体の粒子構造
を示す走査型電子顕微鏡写真である。 出願人代理人  佐  藤  −雄 第1図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、平均粒径5μm以下で粒径の分布範囲が狭く、かつ
    粒子形状が実質的に球形であることを特徴とする、分子
    量が300〜50,000の範囲にあるセリシンからな
    る、セリシン微粉体。 2、化学精練による絹精練廃液を限外ろ過に付して分子
    量が5000〜50,000の範囲にあるセリシンを含
    んでなるセリシン溶液を得た後、これを100cP以下
    の粘度にコントロールした状態で噴霧乾燥に付すことを
    特徴とする、セリシン微粉体の製造法。 3、酵素精練による絹精練廃液を逆滲透膜に付して分子
    量が300〜10,000の範囲にあるセリシンを含ん
    でなるセリシン溶液を得た後、これを100cP以下の
    粘度にコントロールした状態で噴霧乾燥に付すことを特
    徴とする、セリシン微粉体の製造法。
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