JPH0419224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 プリント板の端部等に取付け用金具等をねじに
より締結する場合のねじ締め部位置決め機構で、
詳しくは、ねじ孔基準の位置決め方式に関し、 金具、スペーサ及びプリント板の最も重要なね
じ締め部を適確に位置決めして、ねじ締めの作業
性を向上することを目的とし、 治具上で取付け用金具、スペーサ及びプリント
板を締結する各ねじ締め部位置に、筒状のピンガ
イドを立設し、該ピンガイドの内部より上方に突
出して各ねじ孔より若干細い位置決めピンを、ス
プリングを付勢して移動可能に挿入するように構
成する。

〔産業上の利用分野〕

本考案は、プリント板の端部等に取付け用金具
等をねじにより締結する場合のねじ締め部位置決
め機構で、詳しくは、ねじ孔基準の位置決め方式
に関する。

電子装置においてプリント板を筐体フレームに
実装する場合に、プリント板の端部にＬ字形等取
付け用金具を締結し、この金具によりプリント板
を実装することが多い。この金具使用の場合は、
一般に絶縁及び弾性を有するスペーサをプリント
板と金具の間に介装してねじにより共締めされる
ことから、ねじ締め作業の際にはこれら３者の位
置決めを行う必要がある。

〔従来の技術〕

そこで、従来上記プリント板ねじ締め部の位置
決め機構は、第３図ａ，ｂに示すように、治具１
の上に巾方向位置決め用の４本のピン２ａないし
２ｄと、長さ方向位置決め用の２本のピン２ｅ，
２ｆを立設して成る。そして、治具１上の６本の
ピン２ａないし２ｆの内側に金具３を締結面を上
にして設置し、この金具３の上にスペーサ４を同
様にピン２ａないし２ｆでガイドして載せる。ま
た、プリント板５は上述の２本のピン２ａ，２ｂ
等で位置決めしてスペーサ４上に載せ、これらの
各ねじ孔３ａ，４ａ，５ａにねじ６を螺合して締
結するものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記従来のものは６本のピン２ａな
いし２ｆにより主として金具３とスペーサ４の巾
と長さの外形を基準にして位置決めする方法であ
るため、外形の加工精度を高くする必要がある。
特に、中間のスペーサ４の寸法精度が低いと、ス
ペーサ４が位置ずれを生じてねじ孔を塞ぎねじ締
め作業が煩雑化する。更に、６本のピン２ａない
し２ｆの金具３とスペーサ４の位置決め用であ
り、プリント板５までは確実に位置決めし難い等
の問題がある。

本考案は、かかる問題点に鑑みなされたもので
あつて、その目的とするところは、金具、スペー
サ及びプリント板の最も重要なねじ締め部を適確
に位置決めして、ねじ締めの作業性を向上するこ
とができるプリント板ねじ締め部位置決め機構を
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案の位置決め機
構は、 金具、スペーサ及びプリント板のねじ孔を基準
にして、外形の寸法、形状と無関係に位置決めす
る技術思想である。

そこで、治具上の２つ以上の各ねじ締め部位置
に所定の高さの筒状ピンガイドを立設し、このガ
イドの内部より上方に突出してスプリングを付勢
した位置決めピンを移動可能に挿入する。

そして、突出状態の位置決めピンに金具、スペ
ーサ及びプリント板の各ねじ孔を嵌合して位置決
めするように構成される。

〔作用〕

上記構成に基づき、ピンガイドから突出する位
置決めピンに金具、スペーサ及びプリント板の各
ねじ孔を順次嵌合することで、これら３者のねじ
締め部が位置決めされる。その後、位置決めピン
の直上からねじを螺合すると、ピンがねじの進行
に伴い下方移動して位置決め状態を保ちながら締
結される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図ａ，ｂにおいて、符号１は治具であり、
この治具１上のねじ孔ピツチＰに一致する間隔の
２つのねじ締め部位置Ａ，Ｂにピンガイド１０が
立設される。このピンガイド１０はＬ字形の金具
３と同じかそれより少し高い高さの筒状を成し、
大径部１０ａ、小径部１０ｂ及びねじ６に対する
逃げ部１０ｃが段付きに形成されて上方に開口し
ている。位置決めピン１１は逆Ｔ字形を成して、
ピンガイド１０の大径部１０ａから小径部１０ｂ
を介し上方に突出して移動可能に挿入され、小径
部１０ｂにより抜止めされる。ピン１１にはスプ
リング１２が付勢されて突出状態から下降可能で
あり、先端は各ねじ孔３ａ，４ａ，５ａより若干
細く、金具３、スペーサ４及びプリント板５を合
計した厚さと略同一の突出量に設定されている。

上記構成により、位置決めピン１１はピンガイ
ド１０の上方に突出しており、第１図ｂのように
このピン１１に先ず金具３のねじ孔３ａを上方か
ら嵌合しながら、金具３をピンガイド１０上に載
せる。次いで、スペーサ４をそのねじ孔４ａをピ
ン１１に嵌合しながら金具３上に重ね、更にプリ
ント板５も同様にそのねじ孔５ａをピン１１に嵌
合しながらスペーサ４上に重ねる。これにより、
金具３、スペーサ４及びプリント板５の３者がね
じ孔基準にして位置決めされるのである。

その後、ねじ６をピン１１の直上からプリント
板ねじ孔５ａに螺合すると、ピンガイド１０がプ
リント板５等の受け台として機能する。そして、
第２図のようにねじ６の進行に伴いピン１１は押
されて徐々に下降しながらねじ孔から抜けるので
あり、こうしてねじ６は各ねじ孔５ａ，４ａ，３
ａにピン１１で位置決め保持した状態で締結して
終了する。尚、締結時にねじ６の先が金具３より
少し出ても、逃げ部１０Ｃによりピンガイド１０
との干渉が防止される。

〔考案の効果〕

以上述べてきたように、本考案によれば、金
具、スペーサ及びプリント板の位置決めをねじ孔
基準で行うので、金具、スペーサの外形寸法の精
度は無関係になり、ねじ締め部の位置決めと共に
ねじ締め作業を確実に行い得る。

ねじ締め作業性が向上し、自動化が可能にな
る。

ピンガイドは締結時の受け台にもなつて、締結
がし易くなる。

締結する部材の数、厚さの変化に対しても容易
に適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案の位置決め機構の実施例を示
す平面図、ｂは同断面図、第２図はねじ締め状態
を示す断面図、第３図ａは従来例の平面図、ｂは
同断面図である。 図において、１は治具、３は取付け金具、４は
スペーサ、５はプリント板、３ａ，４ａ，５ａは
ねじ孔、１０はピンガイド、１１は位置決めピ
ン、１２はスプリングを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 治具１上で取付け用金具３、スペーサ４及びプ
   リント板５を締結する各ねじ締め部位置Ａ，Ｂ
   に、筒状のピンガイド１０を立設し、 該ピンガイド１０の内部より上方に突出して各
   ねじ孔３ａ，４ａ，５ａより若干細い位置決めピ
   ン１１を、スプリング１２を付勢して移動可能に
   挿入することを特徴とするプリント板ねじ締め部
   位置決め機構。