JPH0418966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、連続運転形式でありながら、ローラ
ピツチを任意に変更し得るローラコンベヤに関す
るものである。

従来の技術 従来、この種のローラコンベヤとしては、たと
えば特開昭57−160807号公報に見られる構造が提
供されている。この従来構造は、本体フレーム
（平行レール）に多数のローラを遊転のみ自在に
設けて搬送経路を形成し、そして本体フレーム側
に支持ブラケツトなどを介してケースを設けてい
る。前記ケースにはローラ軸心に沿つたピンを設
け、このピンに、隣接した一対のローラの外周下
部に対して同時に接当自在なホイールと、スプロ
ケツトとを一体回転自在に設けるとともに、前記
ケース側で支持案内される駆動チエンをスプロケ
ツトに係合させている。前記ケースには駆動チエ
ンの下部を支持案内するガイドが設けられてい
る。

この従来形式によると、駆動チエンによりスプ
ロケツトを介してホイールを回転させ、このホイ
ールの回転を、接当させている一対のローラに伝
え、以つてローラ群の回転により被搬送物を搬送
経路上で搬送させる。

考案が解決しようとする問題点 このような従来形式によると、各ローラは本体
フレームに対して定置形式であることから、被搬
送物の形状や長さに応じてローラピツチを変える
ことができず、最小の形状や長さの被搬送物を円
滑に搬送できるようローラピツチを密にしたとき
には全体が高価となる。同様に各ケースも定置形
式であることから多数が必要となる。またケース
に一体形成されるガイドは金属製であることか
ら、駆動チエンの振動により金属どうしの衝突に
よる騒音が発生する。さらにガイドの摩損などに
対しては、ホイールを含めてケースごと取り換え
なければならず、その保守作業は容易に安価に行
えない。

本考案の目的とするところは、ローラピツチの
変更を任意に行えるとともに、これに追従して伝
動ローラ側の位置変更も行え、さらにチエンは騒
音を少なくしてガイドし得るとともに、保守作業
を容易に行えるローラコンベヤを提供する点にあ
る。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案のローラコン
ベヤは、支持枠で支持した支軸に伝動ローラとス
プロケツトとを回転自在に取付けるとともに、前
記伝動ローラに上方から接当自在な搬送用ローラ
を前記支持枠に設けて伝動部ユニツトを構成し、
この伝動部ユニツトの複数個を位置変更自在に支
持する本体フレームを設け、この本体フレーム
は、前記伝動部ユニツトを支持する金属製の側枠
を有し、この側枠は上下一対の取付け部を一体に
形成するとともに、これら取付け部に樹脂製のガ
イドレールを長さ方向からの差込みによつて配設
し、両ガイドレールに下部が支持案内されて作用
経路と復帰経路とを形成するチエンを設けるとと
もに、作用経路のチエンを各スプロケツトに下方
から噛合している。

作 用 かかる本考案の構成によると、チエンによりス
プロケツトを介して伝動ローラを回転させること
により、この伝動ローラを接当させた搬送用ロー
ラの強制回転を行える。また本体フレームに対す
る伝動部ユニツトの取付け位置を変更させること
で、ローラピツチの変更を任意に行えるととも
に、伝動部ユニツトの増減を任意に行える。さら
にチエンは樹脂製のガイドレールに案内されるこ
とで騒音は小さいものになる。そしてガイドレー
ルは、側枠に対して長さ方向に引抜き差込むこと
により、その交換を容易に行える。

実施例 以下に本考案の一実施例を第１図〜第６図に基
づいて説明する。

１は断面Ｕ形状の本体フレームで、左右一対の
側枠１Ａ，１Ｂと、これら側枠１Ａ，１Ｂの下部
間を連結するベース枠１Ｃとにより構成される。
両側枠１Ａ，１Ｂの相対向する内側面にはＬ状の
ガイド部２Ａ，２Ｂが形成され、さらに上部には
ナツト体３Ａ，３Ｂの摺動を許す蟻溝部４Ａ，４
Ｂが形成されている。また一方の側枠１Ａで、そ
の下部の内面側には、それぞれ取付け部５，６を
介して上下一対の樹脂製のガイドレール７，８が
フレーム長さ方向からの差込みにより配設してあ
る。両側枠１Ａ，１Ｂの内面側には、その下端を
嵌合させて樹脂製の支持枠９Ａ，９Ｂがフレーム
長さ方向で位置変更（摺動）自在に設けられ、こ
れら支持枠９Ａ，９Ｂは、中間部に形成してなる
取付け孔１１Ａ，１１Ｂに通したボルト１０Ａ，
１０Ｂを前記ナツト体３Ａ，３Ｂに螺合させるこ
とで変更位置において固定される。一方の支持枠
９Ａはケース状であつて、前記ガイド部２Ａに嵌
合させる下端や取付け孔１１Ａを形成した基板部
１４と、この基板部１４の下半分内面から内方に
向けて連設した前後一対のカバー板部１５と、こ
れらカバー板部１５の下端間に設けられた連結板
部１６とにより形成され、そして基板部１４の取
付け孔１１Ａよりも上方には上下一対の貫通孔４
５ａ，４５ｂが形成される。また他方の支持枠９
Ｂは矩形板状で、一対の取付け孔１１Ｂをはさん
で両側には、高さ方向の上下端面ならびに内側面
が開放した係止溝４６ａ，４６ｂが形成されてい
る。ここで係止溝４６ａ，４６ｂの奥部から取付
け孔１１Ｂまでの距離L₁，L₂は、一方の支持枠
９Ａにおける取付け孔１１Ａから貫通孔４５ａ，
４５ｂまでの距離L₁，L₂と等しくしてある。両
支持枠９Ａ，９Ｂ間に、ローラ軸１２を介して樹
脂製の搬送用ローラ１３が遊転自在に設けられ
る。すなわち、相対遊転自在に挿通したローラ軸
１２の一端を貫通孔４５ａ，４５ｂのいずれかに
挿入し、そして他端を係止溝４６ａ，４６ｂのい
ずれかに上方から落し込むことでローラ軸１２の
取付けを行え、さらにローラ軸心１７の周りで搬
送用ローラ１３が遊転自在となる。ここで係止溝
４６ａ，４６ｂの各位の幅寸法は、ローラ軸直径
Ｄに対して、最奥部幅（円弧径）W₁は少し大き
く、入口部幅W₂はさらに少し大きくしてあり、
そして両幅部間に内方への突部４７ａ，４７ｂを
形成して、この突部間幅W₃を少し小さく、すな
わちW₂＞W₁＞Ｄ＞W₃としている。したがつて
係止溝４６ａ，４６ｂに落し込んだローラ軸１２
は突部４７ａ，４７ｂを押し込みにより通過する
ことになり、これによつて通常運転時には突部４
７ａ，４７ｂがストツパの役目を成して上方への
抜けが防止される。一方の支持枠９Ａに、ローラ
軸心１７に沿つた支軸１８が上下揺動自在に取付
けられる。すなわち基板部１４の下端に軸受孔部
１９が形成され、前記支軸１８の内端を軸受孔部
１９に嵌入して上下揺動自在としている。そして
前記カバー板部１５の遊端間に樹脂製のＬ形板部
３５を差し込みにより取付け、このＬ形板部３５
の縦板に形成した上下方向の凹部３６に前記支軸
１８の外端を嵌合して、支軸１８の上下揺動範囲
を規制している。前記支軸１８にはスプロケツト
２０が回転自在に取付けられ、このスプロケツト
２０のボス部に伝動ローラ２１を外嵌して、両者
２０，２１を一体回転自在としている。この伝動
ローラ２１はウレタンゴム製で、その外周を前記
搬送用ローラ１３の外周下部に接当自在としてい
る。そして圧接を行わせる上動付与装置の一例で
ある圧縮バネ３７が、支軸１８の外端に取付けた
ばねガイド２２とＬ形板部３５の横板との間に介
装されている。上記した９Ａ，９Ｂ〜２２，３５
〜３７により１つの伝動部ユニツト３８を成し、
多数の伝動部ユニツト３８を本体フレーム１に設
定ピツチＰ置きに配置することで搬送用ローラ１
３群により搬送経路２３を形成する。各スプロケ
ツト２０に連動する共通のチエン２４は、左右に
振分けたリンク２４ａと、リンク２４ａ間の連結
を行うピン２４ｂと、左右のリンク２４ａ間でピ
ン２４ｂに外嵌したローラ２４ｃとからなる。こ
のチエン２４は、駆動スプロケツト２５と従動ス
プロケツト２６との間に、ガイドスプロケツト２
７などを介して張設され、そして駆動スプロケツ
ト２５をモータ２８に連動連結している。これに
よりチエン２４は、各スプロケツト２０に噛合す
る作用経路２９ａと、その下方に位置する復帰経
路２９ｂとを形成する。作用経路２９ａにおいて
チエン２４は、前記取付け部５に取付けたガイド
レール７がリンク２４ａ間に下方から嵌合してロ
ーラ２４ｃの下部に接当することで支持案内さ
れ、また復帰経路２９ｂも同様に、取付け部６に
取付けたガイドレール８で下部が支持案内され
る。上部と下部の取付け部５，６により形成され
る内側開放の断面ｃ字状部分に、その内側面側に
位置するように樹脂製のガイド体３９が長さ方向
からの差込みによつて配設される。このガイド体
３９は断面がほぼｃ字状で、その上部内端には、
復帰経路２９ｂのチエン２４に対して、リンク２
４ａ間に上方から嵌合してローラ２４ｃの上部に
接近するガイド部３９ａが形成されている。３０
は被搬送物を示す。

前記側枠１Ａ，１Ｂはアルミニウムの引抜き成
形により得られ、その際にガイド部２Ａ，２Ｂや
蟻溝部４Ａ，４Ｂなどの成形と同時に、下部の取
付け部６の内側に上面開放の保持溝３１を長さ方
向の全長に成形するとともに、上部の取付け部５
の内側に内面開放のタツピング溝３２を長さ方向
の全長に形成している。そして前記伝動ユニツト
３８間に、前記チエン２４の復帰経路２９ｂの内
側を覆うカバー体３３を設けている。このカバー
体３３は、板状のアルミニウムの引抜き製品から
なり、必要寸法に切断されて使用される。そして
下端は前記保持溝３１に対する上方からの差込み
部３３ａとなり、また上部の適所には貫通孔３３
ｂが形成される。このカバー体３３の伝動部ユニ
ツト３８間への取付けは、その差込み部３３ａを
保持溝３１に上方から差込み、そして貫通孔３３
ｂに通したタツプねじ３４を前記タツピング溝３
２にねじ込むことで行える。

次に上記実施例における搬送作業を説明する。

第１図、第２図、第４図は圧縮バネ３７の弾性
力によつて全ての伝動ローラ２１を支軸１８とと
もに上方へ移動させ、それぞれ対応する搬送用ロ
ーラ１３に圧接させることで、搬送経路２３の全
長を駆動区域Ａとした使用状態を示している。前
記モータ２８によりチエン２４は常時駆動されて
おり、したがつてチエン２４に係合している全て
のスプロケツト２０は支軸１８の周りで回転して
いる。さらに伝動ローラ２１は、搬送用ローラ１
３の外周下部に接当していることで、搬送用ロー
ラ１３群を強制回転させ、被搬送物３０を搬送経
路２３上で搬送することができる。その際にチエ
ン２４の作用経路２９ａにおいては、その下部に
ガイドレール７が嵌合し、また上部側からスプロ
ケツト２０が噛合していることから、チエン２４
は上方へ遊動せずガイドレール７から外れること
はない。さらに復帰経路２９ｂにおいては、その
下部にガイドレール８が嵌合するとともに上部に
ガイド部３９ａが嵌合していることから、チエン
２４は同様に上方へ遊動せずガイドレール８から
外れることはない。

このような搬送作業中において、たとえば被搬
送物３０からの異物は搬送用ローラ１３上、なら
びに搬送用ローラ１３間に落下する。ここで搬送
用ローラ１３上に落下した異物は、搬送用ローラ
１３上を滑り落ちて搬送用ローラ１３間に移行す
ることになり、したがつてスプロケツト２０や伝
動ローラ２１からなる伝動部ユニツト３８、なら
びにその下方に位置するチエン２４は、搬送用ロ
ーラ１３やカバー板部１５によつて異物から保護
し得る。前述したように異物の全ては搬送用ロー
ラ１３間から落下することになるが、ここで復帰
経路２９ｂのチエン２４は、側枠１Ａとカバー体
３３によつて保護されていることから、チエン２
４のかかる部分に異物が落下することはない。

このようなローラピツチＰの変更や搬送速度の
変更などにより異なる径の搬送用ローラ１３を使
用するとき、先ず現在使つている搬送用ローラ１
３の除去が行われる。すなわち搬送用ローラ１３
の他端を持上げてローラ軸１２の他端を係止溝４
６ａまたは４６ｂから上方へ外す。そして搬送用
ローラ１３を長さ方向に引き、ローラ軸１２の一
端を貫通孔４５ａまたは４５ｂから抜出させる。
次いで他方の支持枠９Ｂのみ天地を入れ変えてセ
ツトし直す。その後、新たな搬送用ローラ１３の
ローラ軸１２の一端を貫通孔４５ｂまたは４５ａ
に差込み、そして他端を係止溝４９ｂまたは４６
ａに落し込めばよい。

被搬送物３０として第５図に示すように長尺の
ものを扱うとき、その設定ピツチＰを長くし、搬
送用ローラ１３や伝動ローラ２１などからなる伝
動部ユニツト３８の数を減少することができる。
これは、先ずカバー体３３を取外し、そしてボル
ト１０Ａ，１０Ｂを緩め、ガイド部２Ａ，２Ｂの
案内により両支持枠９Ａ，９Ｂを搬送経路２３の
方向に移動させたのち、一体的に移動したナツト
体３Ａ，３Ｂに対してボルト１０Ａ，１０Ｂを締
付け操作して固定すればよい。その際に余分な搬
送用ローラ１３や支持枠９Ａ，９Ｂなどは除去さ
れる。そして、変更させたピツチに応じた長尺の
カバー体３３が取付けられる。

上記では搬送経路２３の全長を駆動区域Ａとし
ているが、これは上動付与装置として圧縮ばね３
７に代えてシリンダ装置を使用することで、駆動
区域Ａと非駆動区域Ｂとに切換え制御することが
できる。すなわちシリンダ装置の伸展動で搬送用
ローラ１３に伝動ローラ２１を圧接させることに
よつて、圧縮ばね３７の使用時と同様に駆動区域
Ａを形成し得る。そして、シリンダ装置の逆作動
によつて伝動ローラ２１を下方へ移動させ、搬送
用ローラ１３から伝動ローラ２１を離間させるこ
とで、伝動ローラ２１から搬送用ローラ１３への
伝動が断たれることになり、これにより第６図の
非駆動区域Ｂで示すように搬送用ローラ１３群の
回転を停止させて、被搬送物３０を搬送経路２３
上でストレージすることができる。その際に前記
駆動区域Ａは、被搬送物３０を感知レバーや光電
管装置などで検出して、この被搬送物３０の搬送
前方側の搬送用ローラ１３を順次強制回転させる
とともに、被搬送物３０が通つた跡の搬送用ロー
ラ１３を順次回転停止させるように制御すること
で、搬送方向側に順次変位させ得る。また特定の
箇所においては、制御信号などで非駆動区域Ｂを
形成して被搬送物３０のストレージを行え、この
被搬送物３０に後続の被搬送物３０が接近してき
たとき、自動制御によつて駆動区域Ａを解消して
非駆動区域Ｂとし、衝突することなく連続したス
トレージを行える。

第７図は別の実施例を示す。すなわち上位の取
付け部５の下面側に下向きの蟻溝部４０を一体成
形しておき、そして蟻溝部４０に樹脂製でレール
状のガイド体３９を下向きで配設している。

考案の効果 上記構成の本考案によると、チエンによりスプ
ロケツトを介して伝動ローラを回転させることに
より、この伝動ローラを接当させてなる搬送用ロ
ーラを強制回転して被搬送物を搬送することがで
きる。また本体フレームに対する伝動部ユニツト
の取付け位置を変更させることでローラピツチの
変更を任意に行うことができ、これにより被搬送
物の形状、長さに応じて搬送用ローラや駆動ロー
ラなどからなる伝動部ユニツトを減少できて全体
のコストダウンをはかることができるとともに、
伝動部ユニツトの減少によつて駆動装置のコンパ
クト化を図ることができる。特に本考案による
と、チエンを樹脂製のガイドレールで案内するこ
とで騒音は小さいものにできる。そしてガイドレ
ールは、側枠に対して長さ方向に引抜き差込むこ
とにより、その交換は容易な作業で安価に行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本考案の一実施例を示し第１
図は一部切欠き正面図、第２図は要部の一部切欠
き側面図、第３図は他方支持枠の側面図、第４図
〜第６図は搬送状態を示す概略側面図、第７図は
別の実施例を示す要部の正面図である。 １……本体フレーム、１Ａ，１Ｂ……側枠、２
Ａ，２Ｂ……ガイド部、３Ａ，３Ｂ…ナツト体、
５，６……取付け部、７，８……ガイドレール、
９Ａ，９Ｂ……支持枠、１２……ローラ軸、１３
……搬送用ローラ、１８……支軸、２０……スプ
ロケツト、２１……伝動ローラ、２３……搬送経
路、２４……チエン、２９ａ……作用経路、２９
ｂ……復帰経路、３３……カバー体、３７……圧
縮ばね、３８……伝動部ユニツト、３９……ガイ
ド体、Ａ……駆動区域、Ｂ……非駆動区域、Ｐ…
…設定ピツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持枠で支持した支軸に伝動ローラとスプロケ
   ツトとを回転自在に取付けるとともに、前記伝動
   ローラに上方から接当自在な搬送用ローラを前記
   支持枠に設けて伝動部ユニツトを構成し、この伝
   動部ユニツトの複数個を位置変更自在に支持する
   本体フレームを設け、この本体フレームは、前記
   伝動部ユニツト支持する金属製の側枠を有し、こ
   の側枠は上下一対の取付け部を一体に形成すると
   ともに、これら取付け部に樹脂製のガイドレール
   を長さ方向からの差込みによつて配設し、両ガイ
   ドレールに下部が支持案内されて作用経路と復帰
   経路とを形成するチエンを設けるとともに、作用
   経路のチエンを各スプロケツトに下方から噛合し
   たことを特徴とするローラコンベヤ。