JPH0418902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車用シートを車体側に組付ける
構造で、シート組み付け、取り外しを工具を用い
ずに作業できるリヤシートクツシヨンの取付構造
に関する。

〈従来の技術〉 従来、自動車のリヤシートクツシヨンは、前後
部に設けたブラケツトを介して車体にボルト締め
して固定するもの、あるいは固定フツクに係合杆
を鉤止させる構造が一般的である。

〈考案が解決しようとする課題〉 上述した従来例は、いずれも工具を必要とした
り、大なる押圧力を作用させる必要があつたりし
て、作業性が悪いのみでなく、ボルト頭が外部に
露出して外観を損う欠点等すらあつた。

本考案は、上述のような欠点のない取付構造を
提供するものである。

〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決する本考案の構成は、リヤシー
トパンの上面に設けられて車幅方向に延びる補強
部材、同補強部材の前方に空間部を存する状態で
同補強部材を収容しうる凹部が前部下面に形成さ
れるとともに上記リヤシートパン上に載置される
リヤシートクツシヨン、同リヤシートクツシヨン
に設けられ上記空間部を経て車幅方向に延びるリ
ーンフオースワイヤ、上記空間部内で上記リーン
フオースワイヤを折り曲げて形成されるとともに
互いに車幅方向に間隔をおいて下方に延びる一対
の側方部とこの一対の側方部の下端同士を結ぶ下
方部とからなる係合部、上記補強部材の前面に取
付けられるとともに上記係合部の側方で上記空間
内を前方に延びその前端が上記係合部よりもさら
に前方に位置する脚部とこの脚部に連設されると
ともに上記係合部を挟んで上記空間内を上記補強
部材の前面に沿つて延びる取付部とからなるブラ
ケツト、上記空間内に収容されるとともに上記ブ
ラケツトの取付部に取付けられ上記係合部と係脱
しうる変位可能なロツクレバーを備えたことを特
徴とする。

〈作用〉 このように構成されたリヤシートクツシヨンの
取付構造によれば、工具を用いずワンタツチで組
付け可能であり、また取り外し時は、リヤシート
クツシヨンの前部下面より手を差し込んでロツク
レバーを手前に引き寄せるワンタツチ操作によ
り、リヤシートクツシヨンのロツクを解除すると
ともにリヤシートクツシヨンを取り外すことが可
能である。

〈実施例〉 以下、本考案によるリヤシートクツシヨンの取
付構造を図面に示す一実施例に基づいて詳細に説
明する。第１図は本考案によるリヤシートクツシ
ヨンの取付構造を示す要部の縦断面図、第２図は
第１図の組付前を示す斜視図、第３図は本考案に
よるロツク機構を示す断面図であり、図において
符号１は自動車のリヤシートクツシヨン、２はリ
ヤシートクツシヨンが載置されるリヤシートパン
を示している。

上記リヤシートクツシヨン１の前部下面には凹
部１ａが形成されており、この凹部１ａ内を通る
リーンフオースワイヤ３には矩形枠状に係合部３
ａが凹部１ａ内の左右２箇所に位置して形成され
ている。係合部３ａは下方に延びる一対の側方部
３ｂと側方部３ｂの下端同士をつなぐ下方部３ｃ
とからなる。

また、上記リヤシートパン２の上面には、リヤ
シートクツシヨン１の凹部１ａ内に嵌めこまれる
補強部材４が固定されており、車幅方向に延びる
この補強部材４の前面にはリヤシートクツシヨン
１の凹部１ａ内に形成された上記係合部３ａが係
脱されるロツク機構５が溶接等により固着されて
いる。

上記ロツク機構５は、リヤシートクツシヨン１
の係合部３ａが上方より挿通される横断面形状が
コの字状のブラケツト６と、上記係合部３ａの内
幅d₁より狭い幅d₂を有するとともに、上記ブラケ
ツト６の内壁面に上端部がリベツトまたはカシメ
７により固着されたロツクレバー８とにより構成
されている。

ブラケツト６は、補強部材４より前方に延びる
脚部６ａと脚部６ａの前端に連設された取付部６
ｂとからなり、取付部６ｂの内壁面に前述の如く
ロツクレバー８が取付けられている。

上記ロツクレバー８は弾性板材により形成さ
れ、カシメ７の位置より内側下方に傾斜面８ａ
と、外側に水平に屈曲した係止部８ｂとを有し、
下端部には垂直に屈曲した操作部８ｃが設けられ
ている。ここで上記補強部材４の前面に固着され
たロツク機構５が、リヤシートクツシヨン１の凹
部１ａ内に設けられた係合部３ａに係止されたと
き、ロツクレバー８の操作部８ｃはリヤシートク
ツシヨン１の下面より突出さないようになつてい
る。

つぎに、上述したように構成されたロツク機構
によるリヤシートクツシヨン１の係脱について詳
述する。

まず、リヤシートクツシヨン１をリヤシートパ
ン２上に設置する場合は、前部下面に設置された
係合部３ａをリヤシートパン２上の補強部材４に
固着されたロツク機構５のブラケツト６内に押し
込む。このときリヤシートクツシヨン１の係合部
３ａは、ロツクブラケツト６に上端部が固着され
たロツクレバー８の傾斜面８ａをすべりながら、
ロツクレバー８を前方へ押し出し、係合部３ａが
傾斜面８ａを越えたとき、ロツクレバー８の係止
部８ｂに係合される。

また、上記の状態よりリヤシートクツシヨン１
を取り外す場合は、リヤシートクツシヨン１の前
部下面より手を差し込みロツクレバー８を手前方
向へ引き寄せるとともに、リヤシートクツシヨン
１を上方へ持ち上げるだけで良いものであり、こ
のときロツクレバー８を手前方向へ引き寄せれ
ば、係止部８ｂがリヤシートクツシヨン１の係合
部３ａより外れるので容易に持ち上げることが可
能となる。

〈考案の効果〉 以上実施例に基づいて詳細に説明したように、
本考案のリヤシートクツシヨンの取付構造によれ
ば、リヤシートクツシヨンの前部下面に設けたロ
ツク機構の構造が簡単であり、しかもリヤシート
クツシヨンの前部下面に収納されているので外観
上の見栄えがよい。

また、リヤシートクツシヨンを取り外す場合
は、ロツク機構のロツクレバーを手前に引き寄せ
るだけのワンタツチ操作によりロツク解除と取り
外し操作を同時に行なうことができるものであ
る。

さらに、係合部はシートクツシヨンの凹部内に
収まつているので、その搬送や取付作業の際に作
業者を傷付けたりすることがなく、安全であり、
また車体を傷付けることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるリヤシートクツシヨンの
取付構造を示す斜視図、第２図は第１図の組付前
の状態を示す斜視図、第３図は本考案によるロツ
ク機構を示す断面図である。 図面中、１はリヤシートクツシヨン、１ａは凹
部、２はリヤシートパン、３はリーンフオースワ
イヤ、３ａは係合部、４は補強部材、５はロツク
機構、６はロツクブラケツト、８はロツクレバ
ー、８ａは傾斜面、８ｂは係止部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤシートパンの上面に設けられて車幅方向に
   延びる補強部材、同補強部材の前方に空間部を存
   する状態で同補強部材を収容しうる凹部が前部下
   面に形成されるとともに上記リヤシートパン上に
   載置されるリヤシートクツシヨン、同リヤシート
   クツシヨンに設けられ上記空間部を経て車幅方向
   に延びるリーンフオースワイヤ、上記空間部内で
   上記リーンフオースワイヤを折り曲げて形成され
   るとともに互いに車幅方向に間隔をおいて下方に
   延びる一対の側方部とこの一対の側方部の下端同
   士を結ぶ下方部とからなる係合部、上記補強部材
   の前面に取付けられるとともに上記係合部の側方
   で上記空間内を前方に延びその前端が上記係合部
   よりもさらに前方に位置する脚部とこの脚部に連
   設されるとともに上記係合部を挟んで上記空間内
   を上記補強部材の前面に沿つて延びる取付部とか
   らなるブラケツト、上記空間内に収容されるとと
   もに上記ブラケツトの取付部に取付けられ上記係
   合部と係脱しうる変位可能なロツクレバーを備え
   たことを特徴とするリヤシートクツシヨンの取付
   構造。