JPH0417940Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、マガジンから取り出されて待機状態
にあるＸ線フイルムを、不使用状態が一定時間経
過した場合に、再びマガジンに戻す機構を備えた
Ｘ線撮影装置に関する。

［考案の背景］ Ｘ線撮影装置に利用されるＸ線フイルムの供給
機構において、次回撮影用のＸ線フイルムをマガ
ジンから取り出し、その先端部を搬送ローラに送
り込んだ状態で停止させておくＸ線フイルム待機
機構を設けることは、撮影済Ｘ線フイルムを排出
した後に次のＸ線撮影フイルムをマガジンから取
り出す機構や、実願昭52−125101号に記載の撮影
済Ｘ線フイルムの排出とオーバーラツプさせて次
のＸ線フイルムをマガジンから取り出す機構に比
して、撮影サイクルタイムの短縮化には極めて有
効である。

しかし、上記待機機構には、待機状態のＸ線フ
イルムを再びマガジン内に戻す機構が用意されて
いない。

Ｘ線フイルムが、搬送経路で長時間にわたり待
機状態におかれていると、Ｘ線フイルムに高湿度
日での吸湿、カール発生、キズ付き、プレツシヤ
カブリの発生などの悪影響が生じ好ましくない。

尚、特開昭56−138752号には、待機状態が一定
時間を超えて継続する場合に作動するシート戻し
機構が記載されている。しかしこの技術は複写機
に関する技術であり、Ｘ線撮影装置に関するもの
ではない点、機外から手指ししたシートを機外に
排出するものであり、マガジン（カセツト）にあ
つたシートをまた元のマガジンに戻すものではな
い点で、本考案が対象とする技術分野であるＸ線
撮影装置には適用することができない。

［考案の目的］ そこで、本考案は、待機状態にあるＸ線フイル
ムを自動的にマガジン内に戻す手段を有するＸ線
フイルムの供給機構を明らかにすることを目的と
するものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案のＸ線フイルムの供給機構は、異なるサ
イズ毎にマガジンに収納されたＸ線フイルムを取
り出す吸着搬送装置と、該吸着搬送装置により取
り出された前記Ｘ線フイルムを撮影部に送り込む
搬送装置と、撮影部の撮影済のＸ線フイルムをフ
イルム収納マガジンに収納する排出ローラとを有
してなるＸ線フイルムの供給機構において、該供
給機構が、先行するＸ線フイルムが撮影部に送り
込まれると、吸着搬送装置によりマガジンから取
り出された次回撮影用のＸ線フイルムを、その先
端部分を前記搬送装置の第１ローラに係合させる
と共に、その後端部分をマガジン内に残存させた
状態で待機させる待機機構と、待機機構による待
機状態が一定時間を超えて継続する場合に前記搬
送装置を逆回転させると共に前記吸着搬送装置を
逆操作させて待機状態のＸ線フイルムを元のマガ
ジンに戻す戻し機構と、を有することを特徴とす
る。

［考案の具体的構成］ 次に添付図面に示す実施例に従つて本考案の具
体的構成を説明する。

第１図は、本考案に係るＸ線フイルム供給機構
を組み込んだＸ線撮影装置であり、Ｘ線フイルム
Ｓ１は大角フイルム用マガジン１ａ、半切フイル
ム用マガジン１ｂ内に収納されて用意されており
吸着搬送装置２ａ，２ｂによりマガジン１ａない
し１ｂから取り出され、フイルム搬送装置３の第
１ローラ３ａないし３ｂに送り出され、Ｘ線フイ
ルム検出センサ４ａないし４ｂによりＸ線フイル
ムの存在が検出されると、第１ローラ３ａないし
３ｂの回転がストツプしてＸ線フイルムＳ１は停
止され待機状態となる。次に、オペレータにより
Ｘ線フイルム送りボタンが操作されると、待機状
態にあるＸ線フイルムＳ１は、Ｘ線フイルム搬送
機構３によつて搬送され、送り出しローラ３ｄを
経て撮影部５に供給される。ここでＸ線撮影が行
われ、撮影済のＸ線フイルムＳ１は、出口ローラ
６を経て収納マガジン７内に収納される。

先行するＸ線フイルムＳ１が撮影部５に送り込
まれたことが検知されると、待機機構により自動
的に、次回撮影用のＸ線フイルムＳ１がマガジン
１ａないし１ｂから取り出され、その先端部分を
搬送装置３の第１ローラ３ａないし３ｂ部分に係
合させると共に、その後端部分をマガジン１ａな
いし１ｂ内に残存させた状態で状態に待機させ
る。

待機機構によるＸ線フイルムの待機状態は、オ
ペレータによるＸ線フイルムの戻し操作用ボタン
の操作により解除されるが、待機状態が一定時間
（Ｘ線撮影の通常のサイクルタイムから算定する
が、この時間は自由にセツトできるものであるこ
とが好ましい）を超えても撮影操作が行われなか
つた場合には、戻し機構によりＸ線フイルムは自
動的に元のマガジン１ａないし１ｂに戻される。

戻し機構は、マイコンなどに利用して自動制御
されるものであり、前記した如く待機状態にある
Ｘ線フイルムを元のマガジン１ａないし１ｂに戻
すには、搬送装置３の第１ローラ３ａないし３ｂ
を一定時間（例えば数秒間）逆回転させると共に
吸着搬送装置２ａ，２ｂを逆操作させて元のマガ
ジン１ａないし１ｂに収納する。

第１図に明らかなように、Ｘ線フイルムＳ１は
待機状態にあるときに、その後端部分がマガジン
１ａないし１ｂの開口部に係合している。従つて
待機状態にあるＸ線フイルムＳ１は、それが収納
されていたマガジン１ａないし１ｂに戻されるの
であり、異なるサイズのＸ線フイルム用のマガジ
ンに間違つて戻されることがない。

本考案は、Ｘ線撮影装置本体と、Ｘ線フイルム
の貯蔵・供給を行う装置とが別体に構成されてい
る態様のものにも適用される。

［考案の効果］ 本考案によれば、待機状態にあるＸ線フイルム
は、待機状態が一定時間を超えて継続したときに
は、戻し機構により搬送装置及び吸着搬送装置を
逆操作させて自動的に元のマガジン内に戻すの
で、マガジンから取り出され長時間にわたり待機
状態に維持されることから生じる悪影響からＸ線
フイルムを守ることが可能である。

また、待機機構により待機状態にあるＸ線撮影
フイルムが、その先端部分を第１ローラに係合さ
せると共に後端部分をマガジン内に残存させてい
るので、連続撮影時の処理能力が高いだけでな
く、異なるサイズのＸ線フイルム用のマガジンに
間違つて戻してしまうことなく収納されていた元
のマガジンに戻すことができ、しかも係る元のマ
ガジンへの戻し操作が速いという効果を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したＸ線撮影装置の概略
断面図である。 図中において、各符号は下記を指示する。Ｓ１
……Ｘ線フイルム、１ａ……マガジン（供給用）、
１ｂ……マガジン（供給用）、２ａ……吸着搬送
機構、２ｂ……吸着搬送機構、３……搬送機構、
３ａ……第１ローラ、３ｂ……第１ローラ、３ｄ
……送り出しローラ、４ａ……センサ、４ｂ……
センサ、５……撮影部、６……排出ローラ、７…
…収納マガジン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 異なるサイズ毎にマガジンに収納されたＸ線フ
   イルムを取り出す吸着搬送装置と、該吸着搬送装
   置により取り出された前記Ｘ線フイルムを撮影部
   に送り込む搬送装置と、撮影部の撮影済のＸ線フ
   イルムをフイルム収納マガジンに収納する排出ロ
   ーラとを有してなるＸ線フイルムの供給機構にお
   いて、 該供給機構が、先行するＸ線フイルムが撮影部
   に送り込まれると、吸着搬送装置によりマガジン
   から取り出された次回撮影用のＸ線フイルムを、
   その先端部分を前記搬送装置の第１ローラに係合
   させると共に、その後端部分をマガジン内に残存
   させた状態で待機させる待機機構と、待機機構に
   よる待機状態が一定時間を超えて継続する場合に
   前記搬送装置を逆回転させると共に前記吸着搬送
   装置を逆操作させて待機状態のＸ線フイルムを元
   のマガジンに戻す戻し機構と、を有することを特
   徴とするＸ線フイルムの供給機構。