JPH04176848A - キャンエンド用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Ｍｇ、Ｍｎ、Ｃ□ｒ、Ｃｕを必須成分として
含有し、更にＳｉ、　　Ｆｅ、　　Ｚｎ、　　Ｚｒの何
れか少なくとも１種以上を含有し、残部Ａｌと不可避的
不純物からなるキャンエンド用アルミニウム合金板の製
造方法に関し、特に耐熱性に優れ、かつ強度の異方性の
少ないキャンエンド用アルミニウム合金板を提供するも
のである。

〔従来の技術〕

飲食缶として広く用いられているイージーオープン缶は
、キャンボディ（缶胴）とキャンエンド（缶蓋）からな
り、キャンボディはしごき加工（ＤＩ成形）によりカッ
プ状に加工され、キャンエンドはスコア加工とリベット
成形（多段張出成形）を行ってタブを取付けた後、キャ
ンボディに巻締め接合される。キャンボディとしては深
絞り性及びＤＩ成形性に優れたＪＩ９３００４合金板又
はティンフリースチール板が用いられ、キャンエンドと
してはコーヒー、果汁用等にはリベット成形性の優れた
ＪＩＳ　５０５２合金板が用いられ、内圧の発生する炭
酸飲料やビール等には更に強度の高いＪＩＳ　５０８２
合金板やＪＩＳ　５１８２合金板等が用いられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

近年アルミニウム缶の需要が増大し、製造価格の低減の
ため、薄肉軽量化の傾向にある。これに伴って缶蓋の耐
圧強度低下の防止、即ち塗装焼付後の材料の強度低下防
止（耐熱性の向上）、更には成形性の面から強度の異方
性の低減が望まれている。しかしながら、耐熱性を向上
させるため単に最終冷間加工率を増大させることは、圧
延集合組織が発達し、強度の異方性が増大してしまう。

〔課題を解決するための手段〕

本発明はこれに鑑み種々検討の結果、耐熱性を向上させ
、かつ強度の異方性を少なくしたキャンエンド用アルミ
ニウム合金板の製造方法を開発したものである。

即ち本発明は、Ｍ　ｇ　２．０〜６．　（ｌｖｆ％、Ｍ
ｎ０．０５〜　１．Ｏｖｊ％、　　Ｃｒ　　０．０２〜
Ｑ、Ｉ（ｌｖ１％。

Ｃｕ　　Ｑ、’０２〜０．２０ｖｊ％を含み、更にＳｉ
Ｇ、５Ｗ１％以下、Ｆ　ｅ　　０．−５ｗｔ％以下、Ｚ
ｎＧ、５ｔｆ％以下、ＺｒＱ、１ｖ＋％以下の範囲内で
何れか１種以上を含み、残部ＡＡ’と不可避的不純物か
らなるアルミニウム合金を、均質化処理後、 熱間圧延上り温度（℃）≧２８０　　　　　・・・（２
）を満足する熱間圧延を終了し、その後直ちに焼鈍を行
いまたは熱間圧延より温度が３００℃以上の場合は焼鈍
を行わず、しかる後製品板厚まで冷間圧延を行った後、
低温焼鈍を行うことを特徴とするものである。

〔作　用〕

本発明において合金の組成を前記の如く限定したのは次
の理由によるものである。

Ｍｇは強度を向上させるために添加したもので、その含
有量を２．０〜６．０ｗｔ％（以下Ｗ１％を％と略記）
と限定したのは、２．０％未満では所望の強度が得られ
ず、６．０％を越えると圧延の際に耳割れが大きくなっ
たり、深絞り性等が低下するためである。

Ｍｎ、Ｃｒは強度と耐熱性を向上し、更にＬＤＲ（限界
絞り比）を向上させると共に結晶粒を微細化するためで
、その含有量をＭｎ０．１１５〜１．０％、　　Ｃｒ　
１１．０２〜０．’ｌＯ％と限定したのは、何れも下限
未満では上記効果が少なく、何れも上限を越えるとＬＤ
Ｒが減少し、製品に割れを生じるためである。

Ｃｕは強度を向上させるために添加したもので、その含
有量を０．０２〜０，２０％と限定したのは、ｆｌ、ｆ
１２％未満では効果が少なく、０，２０％を越えると鋳
造時に割れが発生するようになるためである。

Ｓｉ及びＦｅは成形性を改善するためで、その含有量を
Ｓｉ０．５％以下、Ｆｅ０．５％以下と限定したのは、
何れも０．５％を越えると巨大晶出物をつくりやすくな
り、成形性を劣化するためである。

Ｚｎ及びＺｒは主に強度向上、軟化防止、耐熱性向上に
有効なるも、その含有量をＺｎ０．５％以下、Ｚｒ０．
１％以下と限定したのは何れも上限を越えると巨大晶出
物をつくりやすくなり、成形性を劣化するためである。

したのは、製品板厚に応じて熱間圧延上り板厚を決定す
るもので、これが０．９よりも大きい場合は、熱間圧延
上り板厚が大きくなるため、製品板厚までの冷間圧延率
が大きくなり、これにより圧延集合組織が発達し強度の
異方性を助長するため好ましくないためであり、０．９
以下は製品板厚での強度を確保するたに最低限必要であ
り、可能ならばより小さな値とすることが好ましい。ま
た熱間圧延上り温度（℃）≧２８０としたのは熱間圧延
上り板の転位密度を下げるためで、熱間圧延上り温度が
２８０℃未満の場合は、熱間圧延上り板に加工組織が残
存し、転位密度が高くなっており、次の焼鈍時において
それが析出の核となり、Ａｌ！−Ｍｇ系析出物あるいは
Ｍｇ２３ｉ析出物等を析出されてしまい、強度に寄与す
る固溶Ｍｇ量が減少するため好ましくない。

次に熱間圧延を終了し、その後直ちに行なう焼鈍は、製
品板厚での成形性を確保するために、熱間圧延上り板の
長手及び巾方向を完全なＯ材とする目的で行うが、熱間
圧延上り温度がより高温、詳しくは３００℃以上ならば
熱間圧延終了時に既にＯ材となっており、あえて焼鈍を
行わなくともよい。ここで焼鈍を直ちに行うのは、熱間
圧延終了後冷間圧延を行ってから焼鈍を行ったのでは、
冷間圧延時に導入された転位が核となり、Ａｌ　−Ｍｇ
系析出物あるいはＭｇ２Ｓｉ析出物等の析出が生じ、強
度に寄与する固溶Ｍｇ量が減少し、製品板厚での強度が
低下するためである。尚焼鈍を行う場合の温度は３００
〜４００℃が好ましく、３００℃未満では十分なＯ材と
ならず、４００℃を越えると材料表面の酸化が強くなり
、表面品質が悪化するためである。次に通常の冷間圧延
にて製品板厚とするが、この際低温焼鈍を行う。この低
温焼鈍によれば塗装焼付時に熱が加わった場合の復旧過
程の駆動力が減少し、軟化が遅れるため性能が安定する
。ここで低温焼鈍温度としては１８０℃以下が好ましく
、１８０℃を越えると強度低下が大きくなる。

〔実施例〕

以下本発明を実施例について説明する。

第１表に示すＭｇ、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｃｕを含有し、更にＳ
ｉ、Ｆｅ、Ｚｎ、Ｚｒのうち何れか１種以上を含有する
アルミニウム合金を通常の溶製法により鋳造し、５２０
℃で３時間均質化処理後、第２表に示す条件で製品板厚
とした。尚熱間圧延後の焼鈍は３４０℃×４時間とし、
冷間圧延後の低温焼鈍は１４５℃×２時間とした。まと
塗装焼付処理に相当する熱処理として２１０℃×２０分
を実施した。これについて塗装焼付相当熱処理後、強度
の異方性を評価した。その結果を第３表に示す。

強度の異方性の評価としては、圧延方向に対し０°、４
５°及び９０°方向での月３５号試験を実施し、その０
．２％耐力値の最大値と最小値との差で表した。

第　　　１　　　表 第　　　２　　　表 第　　　３　　　表 第１表乃至第３表から明らかなように、本発明法によれ
ば塗装焼付相当熱処理後の強度の異方性は著しく少なく
なっており、３方向の０，２％耐力差は１ｋｇ／ｍ以下
を十分満足している。

一方比較法においては、最終冷間圧延率が本発明法と同
じものでも異方性は１ｋｇ／−より大きくなっている。

また強度自体も、本発明法は比較法に比べて１〜２　ｋ
ｇ　／　ｍｔＡ高く、更に３方向とも０．２％耐力値の
最小値を上回っており、耐熱性に優れていることが判る
。

〔発明の効果〕

本発明によれば、耐熱性を向上し、かつ強度の異方性の
少ないキャンエンド用アルミニウム合金板の製造が可能
となる等工業上顕著な効果を奏するものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｍｇ２．０〜６．０ｗｔ％、Ｍｎ０．０５〜１．
   ０ｗｔ％、Ｃｒ０．０２〜０．１０ｗｔ％、Ｃｕ０．０
   ２〜０．２０ｗｔ％を含み、更にＳｉ０．５ｗｔ％以下
   、Ｆｅ０．５ｗｔ％以下、Ｚｎ０．５ｗｔ％以下、Ｚｒ
   ０．１ｗｔ％以下の範囲内で何れか１種以上を含み、残
   部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウム合金を、
   均質化処理後、｛熱間圧延上り板厚（ｍｍ）−製品板厚
   （ｍｍ）｝／熱時圧延上り板厚（ｍｍ）熱間圧延上り温
   度（℃）≧２８０を満足する熱間圧延を終了し、その後
   直ちに焼鈍を行いまたは熱間圧延上り温度が３００℃以
   上の場合は焼鈍を行わず、しかる後製品板厚まで冷間圧
   延を行った後、低温焼鈍を行うことを特徴とするキャン
   エンド用アルミニウム合金板の製造方法。