JPH04173877A - 塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents

塗料組成物及び塗膜形成方法

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JPH04173877A
JPH04173877A JP2300153A JP30015390A JPH04173877A JP H04173877 A JPH04173877 A JP H04173877A JP 2300153 A JP2300153 A JP 2300153A JP 30015390 A JP30015390 A JP 30015390A JP H04173877 A JPH04173877 A JP H04173877A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は塗料組成物及びそれを用いた塗膜形成方法に関
し、さらに詳しくは、耐食性、特に被塗物の端面部の防
食性を向上し、耐スクラッチ性も良好な塗膜を与えるこ
とができる塗料組成物及びそれを用いた塗膜形成方法に
関する。 〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕従来よ
り、亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板等が耐久
鋼板として広く使用されている。 また、この両者の特徴を兼ね備えるものとしてアルミニ
ウムー亜鉛合金めっき鋼板も注目されており、建物の屋
根材、壁材、各種家電製品をはじめとする広い分野で使
用されている。 ところで、亜鉛tつき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、
アルミニウムー亜鉛合金めっき鋼板等は、化成処理後に
下塗り塗料を塗装し、さらに下塗り塗膜上に上塗り塗料
を塗装して、いわゆるプレコートメタルとして使用され
ることが多いが、従来の下塗り塗料を用いて塗装した場
合、とくに被塗物の端面部等で塗膜にふくれがみられる
ことがあった。これは、鋼板が腐食して腐食生成物や水
素ガスにより塗膜が押し上げられるために生じると思わ
れる。このような腐食は、特にアルミニウムー亜鉛合金
めっき鋼板では著しく、その防止が望まれていた。 この問題を解決するためにこれまでいくつかの試みがな
された。たとえば特開昭58−120784号は、アル
ミニウムー亜鉛合金tつき鋼板上に、塗膜形成用樹脂と
、体質顔料と、水溶解度の低いクロメート系防錆顔料と
、水溶解度の高いクロメート系防錆顔料とを混合した下
塗り塗料を塗布し、この下塗り塗料上に上塗り塗料を塗
布してなるアルミニウムー亜鉛合金tつき鋼板を基板と
した塗装鋼板を開示している。また、特開昭59−14
942号は、溶融給つき法にてアルミニウム亜鉛合金め
っき層が形成されたアルミニウム亜鉛合金めっき鋼板の
表面に、アルミニウム亜鉛合金めっき層を化成処理した
化成処理層を形成し、この化成処理層の表面にクロム酸
ストロンチウム又はクロム酸カルシウムが下塗り塗料の
不揮発分に対して30〜70重量%配合された下塗り塗
料を塗装し、この下塗り塗料の上に上塗り塗料を塗装し
てなる塗装鋼板を開示している。 上述の各塗装鋼板では、それぞれある程度の耐食性の向
上がみられるが、実際に長時問屋外に暴露されると、や
はり端面部でのふくれ等が゛みられる。すなわち、上述
の各塗装鋼板に用いられた塗料では端面防食性が不十分
であった。また、上述の各塗装鋼板では耐スクラッチ性
も充分とは言い難く、たとえばそれを加工する際に、ス
クラッチ傷等が形成されることがあった。 従って本発明の目的は、アルミニウムー亜鉛合金めっき
鋼板、アルミニウムめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板等の耐
久性鋼板の耐食性、特に端面部の耐食性を向上すること
ができるとともに、耐スクラッチ性も良好な塗膜を与え
ることができる塗料組成物及びそれを用いた塗膜形成方
法を提供することである。 〔課題を解決するための手段〕 上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、少なくと
も1種のクロメート系防錆顔料と、特定の金属酸化物及
び/又は特定の金属イオンと1価又は2価の陰イオンと
の組み合わせで生成された金属塩と、無機物質粒子及び
/又は有機高分子粒子とをそれぞれ特定量含有する塗料
組成物を用いれば、良好な耐食性を得るとともに耐スク
ラッチ性も改善されることを発見し、本発明を完成した
。 すなわち、本発明の塗料組成物は、塗料固形分100重
量部に対して、 (a)少なくとも1種のクロメート系防錆顔料3〜70
重量部と、 (b)(i>Au、 Ag、 AI 、 ZnSSn、
 Cu、 Fe、 Ni、 W、 Nb。 Mn、 Mg、 Ce、 Mo、 Ca52r、 Sr
及びBaからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
の酸化物0.5〜20重量部、及び/又は (ii)前記(1)の金属群から選ばれた少なくとも1
種の金属のイオンと、1価又は2価の陰イオンとの組合
せで生成された金属塩0.5〜20重量部と(c) (
i)無機物質粒子5〜30重量部、及び/又は60有機
高分子粒子0.5〜5重ii8とを含有することを特徴
とする。 また、本発明の塗膜形成方法は、塗料固形分100重量
部に対して、 (a)少なくとも1種のクロメート系防錆顔料3〜70
重M部と、 (b)(i)Au 、 Ag 、^l、 2n、 Sn
、 Cu5FeSNi、w1〜b1Mn、 Mg、 C
e、 Mo5Ca、 2rSSr及びBaからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物0.5〜20
重量部、及び/又は (ii)前記(i>の金属群から選ばれた少なくとも1
種の金属のイオンと、1価又は2価の陰イオンの組合せ
て生成された金属塩0.5〜20重量部と(c) (i
)無機物質粒子5〜30重量部、及び/又は(ii)有
機高分子粒子0.5〜5重量部とを含有する塗料を、被
塗物の少なくとも一方の面に塗布することを特徴とする
。 以下、本発明の詳細な説明する。 まず、本発明の塗料組成物のベースとなる樹脂として、
以下の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂を用いることがで
きる。 熱硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、エポ
キシウレタン樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂
、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリルエホキシ樹
脂、アクリルフェノール樹脂、アクリルフェノールエポ
キン樹脂、ポリエステル樹脂、各種変性ポリエステル樹
脂、アルキド樹脂、イランアネート硬化型アクリル樹脂
、ウレタン樹脂、酸無水物変性ポリプロピレン樹脂等の
塗膜形成性樹脂を挙げることができる。これらには、必
要に応じてアミノ樹脂やブロックイソシアネート等の架
橋剤を添加して用いる。また上記した樹脂には、必要に
応じて油脂又は脂肪酸を30重量%程度まで加えて、柔
軟性を付与したアルキド樹脂として用いることもできる
。さらに、エポキシ樹脂と各種アミン、ポリアミド、酸
、及び酸無水物等の硬化剤を添加することができる。 また、本発明に用いることのできる熱可塑性樹脂として
は、塗料分野で通常用いることのできる塩素化ポリエチ
レン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化オレフィン系樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニリデン及び
これらを共重合したビニル樹脂、セルロース系樹脂、ア
セタール樹脂、アルキド樹脂、塩化ゴム系樹脂等を挙げ
ることができる。なお、本発明では、有機溶剤に可溶の
樹脂だけでなく、水溶性、水分散性、乳化された樹脂の
水系塗料を用いることができる。 また、活性エネルギー線硬化型塗料を用いてもよく、こ
の場合活性エネルギー線硬化型塗料としては、−船釣に
は塗膜形成成分としてその構造中にラジカル重合性の二
重結合を有するポリマー、オリゴマー、モノマー等を主
成分とし、その他必要に応じて、非反応性のポリマー、
有機溶剤、ワックス、その他の添加剤を含有してよい。 なお、活性エネルギー線としては、電子線、紫外線等が
挙げられ、塗膜形成樹脂として好ましいものとしては、
アクリレート系の官能基を有するものが挙げられる。 本発明の塗料組成物に用いることのできる樹脂を以上に
述べたが、本発明の塗料組成物をプレコート方式に用い
る場合には、ベースとなる樹脂として、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂をそれぞれ対応する硬化剤と組み合わ
せた樹脂等を用いるのがよい。 上述の塗膜形成用樹脂(塗料)に加える(a)クロメー
ト系防錆顔料としては、クロム酸ストロンチウム、クロ
ム酸カルシウム、クロム酸バリウム、クロム酸亜鉛等が
挙げられるが、特に、クロム酸ストロンチウム、クロム
酸カルシウムを用いるのが好ましい。 (a)クロメート系防錆顔料の添加量は、上述した塗料
の固形分100重量部に対して3〜70重量部とする。 クロメート系防錆顔料の配合が3重量部未満であると耐
食性が低下する。一方、70重量部を超す量を添加する
と、この塗料組成物から得られる塗膜の黄色度が強くな
り、その上に設ける上塗り塗料の色相の自由度が低下す
る。また、クロメート系防錆顔料等の沈澱により塗料の
貯蔵安定性が低下する。さらに、塗膜焼付後の水冷却(
ウォータークエンチ)によるクロム溶出量が多くなって
外観ムラを生じたり、冷却水へのクロム流出が起こり、
環境汚染等の問題が生じる。好ましいクロメート系防錆
顔料の配合量は5〜60重量部であり、さらに好ましく
は5〜24重量部である。 本発明に用いる(b)(i)金属の酸化物としては、A
u。 Ag5At、Xn5Sn、Cu、Fe5Ni、W、Nb
、Mn、Mg。 CeSMo、Ca52rSSr及びBaの酸化物が挙げ
られる。 本発明ではこのAuSAg、 Al、 2nSSnSC
u、 Fe、 N+、WSN’bSMnSMgSCe、
 Mo5CaSZr、 Sr及びBaの酸化物のうちの
1種又は2種以上を用いる。上記の金属の酸化物のうち
では、Zn、 Mg% Ce、 Mo、Ca。 Srの酸化物を用いるのが好ましく、さらに好ましくは
ZnSMg5Ceの酸化物を用いる。 上述の金属酸化物を配合することにより防錆性を向上す
ることができるが、特に、アルミニウムめっき鋼板やア
ルミニウムー亜鉛合金めっき銅板等の表面にアルミニウ
ム量が多い鋼板において、このような金属酸化物を添加
することにより防錆性を大きく向上することができる。 その機構は不明であるが、鋼板と塗膜間に生じた腐食生
成物の腐食促進物質(例えばCn−等)の遮断性が改善
され、腐食の進行が抑制されると推定される。 上記のら)(1)金属酸化物の配合量は、塗料固形分1
00重量部に対して0.5〜20重量部とする。金属酸
化物の配合が0.5重量部未満であるとエツジクリープ
性が低下し、良好な耐食性が得られない。 一方、20重量部を超える量を配合すると、塗料組成物
内での顔料配合のバランスが保てず、下塗り塗料として
の良好な性能が発揮できない。好ましい金属酸化物の配
合は3〜15重量部である。 本発明ては、上述のら)(1)金属酸化物に代わって、
又はそれとともに(b)(ii)AuSAg、 AI 
SIn、 Sn、 Cu。 FeS Ni S WS Nb、Mn、Mg、Ce、M
o、口a、2r、Sr及びBaの各イオンと、1価又は
2価の陰イオンとの組合せで生成された金属塩の1種又
は2種以上を加える。ここで1価又は2価の陰イオンと
しては、硝酸イオン、炭酸イオン、亜硝酸イオン、フッ
化物イオン等を用いるのが好ましい。また、この陰イオ
ンと組合わさって塩を形成する金属イオンとしては、Z
nSMg5Ce、 Mo、Ca、Srの各イオンが好ま
しい。より好ましい金属イオンとしてはZn、Mg。 Ceのイオンが挙げられる。 好ましい金属塩としては、フッ化セリウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸亜鉛である。 上述したら)6I)金属塩の添加により防錆性が向上す
るが、このような金属塩はさきの金属酸化物と同様に、
特にアルミニウムがリッチな表面の鋼板において腐食の
進行を効果的に抑制する役目を果たすと思われる。 上述の各イオンから形成される金属塩の配合は、塗料固
形分100重量部に対して0.5〜20重量部とする。 金属塩の配合が0.5重量部未満であるとエツジクリー
プ性が低下し、良好な耐食性が得られない。一方、20
重量部を超える量を配合すると、塗料組成物内での顔料
のバランスが保てず、下塗り塗料としての良好な性能が
発揮できない。好ましい金属塩の配合は3〜15重量部
である。 本発明では、上記ら)の(i)成分、■成分を任意に組
合せることにより目的を達成するが、より好ましい(b
)の(i)成分と■成分の組合せは、(イ)酸化亜鉛と
フッ化セリウム、(ロ)酸化第二セリウムと炭酸マグネ
シウム、(ハ)酸化亜鉛と硝酸マグネシウム及び(ニ)
酸化マグネシウムとフッ化セリウム、(ホ)酸化亜鉛と
炭酸マグネシウムであり、このような組み合わせとする
とその性能は一段と向上する。 本発明では、上述の(a)、ら)成分に加えて、(c)
 (i>無機物質粒子及び/又は(ii)有機高分子粒
子を添加する。 本発明に用いる(c) (i)無機物質粒子としては、
基本的には塗膜内に存在することにより塗膜硬度を向上
させるものであれば特に限定されないが、好ましくはモ
ース硬度が5〜8、より好ましくは6〜7のものを使用
する。用いる無機物質粒子としては、具体的には、天然
または合成雲母、石膏、珪藻土、アルミ粉、アルミフレ
ーク、ガラス、長石、石英や、湿式シリカ、乾式シリカ
、コロイダルシリカ等のシリカ微粉末等が挙げられる。 このような無機物質粒子は、上述した各種シリカ微粉末
以外の場合には、その粒径が3〜30μmのものを使用
するのが好ましく、シリカ微粉末の場合には5μm以下
のものを用いるのがよい。 これら無機物質粒子の配合量は、塗料固形分100重量
部に対して5〜30重量部とする。無機物質粒子の配合
が5重量部未満であると耐スクラッチ性が低下する。一
方、30重量部を超える量を配合すると、塗膜強度が得
られず加工性に劣る。また、形成される塗膜の表面平滑
性が低下することもある。好ましい無機物質粒子の配合
は10〜25重量部である。なお、上述した各無機物質
粒子を複数種併用しても良く、たとえばシリカ微粉末と
他の無機物質粒子とを併用することができる。この場合
、両者の配合比(シリカ以外の無機物質粒子/シリカ微
粉末)を98/2〜70/30程度とするのが好ましい
。 本発明では、上述の(c) (i)無機物質粒子に代わ
って、又はそれとともに(c) (ii)有機高分子粒
子を加える。用いることのできる有機高分子粒子として
は、ポリテトラフルオロエチレンをはじめとするフッ素
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、セ
ルロース、ウレタン、ナイロン、ポリエステル、フェノ
ール樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂
及びその変性樹脂等が挙げられる。このような有機高分
子粒子としては、その粒径が0.001〜30μmのも
のを使用するのがよい。 好ましい有機高分子粒子は、粒径0.1〜10μmのポ
リテトラフルオロエチレン、ポリアミド樹脂、ポリエチ
レンである。 上述の有機高分子粒子の配合は、塗料固形分100重量
部に対して0.5〜5重量部とする。を機高分子粒子の
配合が0.5重量部未満であると耐スクラッチ性が低下
する。一方、5重量部を超える量を配合すると、層間密
着性が不良となる。好ましい有機高分子粒子の配合は0
.5〜2重量部である。 本発明では、上記(c)の二つの成分(無機物質粒子と
有機高分子粒子)を任意に組合せることにより目的を達
成するが、より好ましくは、(i>成分の無機物質粒子
と(ii)成分の有機高分子粒子とを併用する。併用し
た場合の両者の組合せは、(イ)長石とポリテトラフル
オロエチレン粉末、(Q)長石及び湿式シリカとポリテ
トラフルオロエチレン粉末、Ql)長石及びコロイダル
シリカとポリテトラフルオロエチレン粉末等が好ましい
。 以上に説明したように、本発明の塗料組成物では(a)
クロメート系防錆顔料に加えて(b)特定の金属の酸化
物及び又は塩を含有しており、これによって優れた耐食
性が得られる。この理由は必ずしも明らかではないが、
以下の作用により良好な耐食性が得られるものと思われ
る。すなわち、腐食性雰囲気下では塗装鋼板の表層部に
おいていわば電池が形成され、その電池のアノード部分
において亜鉛イオン、アルミニウムイオンの溶出が起こ
る。 こ−れにより腐食生成物が生成されるが、上述した金属
酸化物及び金属塩がこの腐食生成物と混合し、あるいは
複合物を生成することにより、腐食の進行が抑制される
ものと思われる。 また、本発明では第三の成分として、(c) (i)無
機物質粒子及び/又はGD有機高分子粒子を′添加する
が、この添加により耐スクラッチ性が向上する。 その理由は以下の作用によるものと思われる。 すなわち、上述した充填剤(無機物質粒子及び/又は有
機高分子粒子)が塗膜内に存在することにより、塗装さ
れた鋼板に応力がかかってもその応力の作用点が塗膜と
素地(′a板の基板)との界面とならずに、塗膜内の充
填剤の表面に移行する。 このように塗膜にかかる応力が充填剤により緩和される
と、塗膜にはスクラッチが形成されにくくなる。 また、塗膜に剪断の力がかかっても、充填剤(特に有機
高分子粒子)による内部すべりが有効となり力が分散さ
れ、塗膜の破壊が生じにくくなる。 このように、モース硬度が5〜8程度の無機物質粒子(
長石、湿式シリカ等)や、内部すべりによる潤滑効果の
あるポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリア
ミド粉末等の使用により、塗膜光沢、加工性等の一般塗
膜性能を損なうことなく耐スクラッチ性が改善される。 さらに、このような充填剤を添加することにより塗膜(
下塗り塗膜)の表面が適度に粗くなり、これによって上
塗り塗膜との層間密着性が向上し、塗膜の剥離等を防止
する利点も有する。 本発明の塗料組成物は、以上の各成分(a)、(b)及
び(c)を必須成分として含有するが、さらに着色顔料
、体質顔料及びその他の防錆顔料を含有してもよい。そ
のような顔料としては、たとえば、二酸化チタン、フタ
ロシャニンブルー、フタロシャニングリーン、キナクド
リン、インダンスロン、イソインドリノン、ペリレン、
アンスラピリミジン、カーボンブラック、ベンズイミダ
シロン、グラファイト、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄等の着
色顔料、クレー、アルミニウムシリケート等の体質顔料
が挙げられる。 さらに、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンス
ルホン酸、ジブチル錫ラウレート、ジシアンジアミン等
の触媒、ベンゾフェノール系の紫外線吸収剤、シリコー
ンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤等
の各種添加剤を加えることができる。これらの添加剤は
、塗料中に5重量部以下の量で配合し、塗料性能や塗膜
性能を改善することができる。ただし、これらの添加剤
の配合量が多くなりすぎると、塗膜形成時にハジキが生
じたり、層間付着性が悪くなったりするおそれがあるの
で好ましくない。粘度調整(作業性)のために、溶媒を
適宜添加してもよい。 各成分の混合には、塗料製造に慣用されてしするペイン
トシエイカー、デイソルバー、ボールミル、サンドグラ
インドミル、ニーダ−等の装置を用′、)る。 上述した本発明の塗料組成物は、アルミニウムー亜鉛合
金めっき鋼板、アルミニウムめっき銅板、亜鉛給つき銅
板等の耐久性鋼板の下塗り塗料として好適に用いられる
。 本発明の塗料組成物を用いた塗装は、以下のようにして
行う。 まず、被塗物となる鋼板(上述したアルミニウムー亜鉛
合金tつき鋼板等)を脱脂後、化成処理する。脱脂(表
面洗浄)及び化成処理は公知の方法により行ってよく、
用いる鋼板に適合する方法を適宜選択する。 次に、本発明の塗料組成物を塗装する。塗装に際しては
、上述の通り予袷塗料組成物を適当な粘度に調整してお
く。塗装方法は特に限定されず、エアースプレー塗装、
エアレス塗装、静電塗装などの通常の塗装方法を用いる
ことができる。また、特に塗布厚の精度、塗布表面の平
滑性等を求める場合には、グラビアコーティング方法、
ロールコーティング方法、カーテンコーティング方法、
バーコーティング方法、オフセットグラビアコーティン
グ方法を採用するのがよい。なお、プレコート方式の場
合には、ロールコーティング方法を採用するのが好まし
い。 本発明の塗膜形成方法においては、上記の塗料組成物を
下塗り塗料として被塗物に塗装をするが、その塗装は被
塗物(鋼板)の一方の面であってもよいし、両面であっ
てもよい。鋼板の両面に本発明の塗料組成物を塗布すれ
ば耐食性は一層向上するが、要求性能、製造コスト等を
考えて鋼板の一面に塗布しただけでもよい。一方の面だ
けに本発明の塗料組成物を下塗りする場合には、他の面
の下塗りとして従来の下塗り塗料を用いてもかまわない
。なお、鋼板を加工して製品とした場合の裏面となる面
への塗装の場合には、本発明の塗料組成物を適用するこ
とも可能である。裏面に本発明の塗料組成物を塗布する
ことにより、塗膜の形成されていないエツジ端面に対し
ても腐食電流が抑制され、両面のエツジクリープ性をさ
らに向上させることができる。 この下塗り塗装による塗膜厚は、乾燥時の厚さで2〜1
0μm1好ましくは3〜8μmとする。膜厚が2μm未
満であると耐食性が低下する。また10μmを超す膜厚
とすると塗膜表面の平滑性が低下するおそれがある。な
お、鋼板を加工して製品とした場合の裏面となる面にお
いては、この膜厚を5〜25μm1好ましくは8〜20
μmとする。 上述した下塗りを行い、乾燥後190〜230℃で20
〜60秒の焼付を行う。 次に、オイルフリーポリエステル、塩化ビニル、シリコ
ーンポリエステル、フッ素樹脂、熱硬化アクリル樹脂、
メラミンアルキド樹脂、シリコンアクリル樹脂等からな
る公知の上塗り塗料を塗布することができる。このとき
の塗装は公知の方法によってよい。なお、上述した下塗
り塗料とこの上塗り塗料用の樹脂の組合せは、上塗り塗
膜と下塗り塗膜との密着性に問題がなければ、同種の樹
脂を主成分とする塗料の組合せても異種の樹脂を主成分
とする塗料の組合せでもよい。 上塗り塗膜の膜厚は、塩化ビニル以外の場合には10〜
20μmとするのがよく、塩化ビニルを主とした上塗り
塗料の場合には100〜200 μmとするのがよい。 上塗り塗料の塗装後、乾燥し、190〜250 ℃で2
0〜60秒の焼付を行う。 なお、上述の下塗り塗装と上塗り塗装の間に、中塗り塗
装を行ってもよ(、塗膜の要求性能に応じて、適宜、下
塗り塗料と上塗り塗料とに適合する塗料(上塗り塗料又
は下塗り塗料と同系統の塗料)を塗布する。このときは
中塗り塗装後に焼付を行って、いわゆる3コート3ベー
クとするのがよい。 〔実施例〕 本発明を以下の具体的実施例によりさらに詳細に説明す
る。 実施例1〜19、比較例1〜5 〔1〕塗料組成物の調製 第1表に示す各成分を第2表に示す樹脂及び溶剤と混合
し、各塗料1〜13を調製した。なお、第1表及び第2
表の数字はともに重量部を示す。 調製に際しては、先ず樹脂及び溶剤の一部と顔料成分及
び無機物質粒子及び/又は有機高分子粒子からなる充填
剤成分を分散機にて分散し、次に樹脂及び溶剤の残部を
添加して粘度調整を行い、各塗料1〜13を得た。 第1表注: (1)ストロンチウムクロメートN1菊地色素■製。 (2)ジンククロメートC1菊地色素■製。 (3)クロム酸カルシウムD1菊地色素■製。 (4)クロム酸バリウム、菊池色素側製。 〔5)試薬1級、和光純薬工業側製。 (6〕試薬1級、和光純薬工業■製。 (7)試薬1級、和光純薬工業■製。 (8−1)及び(8−2) 試薬1級、和光純薬工業■
製。 (9)試薬1級、和光純薬工業■製。 αQ試薬1級、和光純薬工業■製。 卸ミネックス、白石カルシウム側製。 ロクリスタライトVX−S2 、■龍森製。 αJミクロマイカC−1000、白石カルシウム側腹。 αOハクゾールS−200、細束化学側製。 叩ニップシー/叶−20OA、日本シリカ■製。 α0ルブロンL−2、ダイキン工業■製。 0ビスコール550SP 、三洋化成工業■製。 (支)クレー1号、丸尾カルシウム側製。 Q!IITITONE R−62N、堺化学■製。 第2表注: (1)EP−7931、不揮発分40%、三井東圧化学
■製。 (2)エピコー) 1009 、不揮発分40%、油化
シェル側製。 (3)塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、VAGII 、
不揮発分20%、[JCC製。 (4)エボトートYD7020、不揮発分40%、東部
化成■製。 (5)ダイヤナールLR−90、不揮発分30%、三菱
レイヨン側製。 (6)バイロン GK780 、不揮発分40%、東洋
紡■製(シクロヘキサン、ソルベツン150 でフェス
化)。 (7)ベラコライト[6301−45、不揮発分45%
、大日本インキ化学工業側製。 (8)二カラツクMW−24X 、不揮発分80%、三
相ケミカル側製。 (9)スーパーベッカミンL−107−70、不揮発分
70%、大日本インキ化学工業■製。 αqコロネート2182、不揮発分80%、日本ポリウ
レタン側製。 (社)スワゾール100、芳香族溶剤、丸善石油@製。 (財)エピコー)1055、不tj[発分40%、油化
ンエル■製。 以下に示すアルミニウムー亜鉛合金めっき銅板、亜鉛め
っき鋼板、アルミニウムめっき111板を準備し、脱脂
を行い試験板の基板とした。 次に、各試験基板に対して以下に示す化成処理を塗装面
に施した。 化成処理後、上述の塗料1〜13を用い、以下に示す条
件で各試験基板に下塗りを施した。各試験基板と塗料1
〜13との組合せを第3表に示す。 上述の下塗り後、第3表に示すように実施例16.17
及び18においては、以下に示す条件で中塗りを行い、
他は中塗りを行わずに下記の条件で上塗りを行った。 〔2〕鋼板(試験板) ■A1/Zr+1:  アルミニウムー亜鉛合金めっき
鋼板、アルミニウム含有量5%0 ■711/Zn2:  アルミニウムー亜鉛合金めっき
鋼板、アルミニウム含有量55%。 ■A1:  アルミニウムめっき鋼板。 ■Zn: 溶融亜鉛めっき鋼板。 〔3〕化成処理 上記の各鋼板に対して公知の方法により化成処理を行っ
た。化成処理は、第3表に示すように実施例8.9及び
比較例5 (共に亜鉛めっき鋼板)においてはリン酸亜
鉛系の処理液(サーフダインZD9200、日本ペイン
ト側製)を用い鋼板をこの処理液に浸漬することで、他
の例ではクロメート系の処理液(サーフコートNRC3
00、日本ペイント側製〉を用いてこれを塗布すること
で行った。 〔4〕下塗り 第1表及び第2表に示した各塗料組成物を下塗り塗料と
して、第3表に示すように上述の各鋼板の両面(又は片
面)に下塗りを行った。 この下塗り塗装はロールコータ−法により行い、第2表
に示す温度で60秒の焼付を行った。なお、得られた乾
燥膜厚を第3表に合わせて示す。 〔5〕中塗り 第3表に示すように、実施例16.17及び18の試験
板に対しては、上述の下塗り塗膜の上に中塗りを行った
。中塗り塗料としてはエポキシ系塗料スーパーラックD
IF P−29(日本ペイント側製)を用い、バーコー
ド法により乾燥膜厚が3μmとなるように塗布し、20
0 ℃で40秒の焼付を行った。なお、実施例16にお
いては試験板の両面にこの中塗りを行った。また実施例
17及び18では片面のみを中塗りした。 〔6〕上塗り 以下の上塗り塗料をロールコータ−法により塗布した。 塗布量はそれぞれ乾燥膜厚が以下に示すように調整した
。また焼付条件はそれぞれ以下の通りとした。 この上塗り塗料と試験基板との組合せは、第3表に示す
通りとした。 Aに オイルフリーポリエステル系塗料、スー<−ラッ
クDIF F−60、ホワイト (日本ペイント側腹)
:乾燥膜厚15μm:焼付条件は到達最高温度が200
 ℃で40秒とした。 A2:  シリコンポリエステル系塗料、スーパーラッ
クDIF 5−30、ホワイト (日本ペイント側製)
:乾燥膜厚15μm=焼付条件は到達最高温度が220
  ℃で40秒とした。 A3: 熱硬化型アクリル系塗料、スーパーラックDI
F A−55、ホワイト (日本ペイント側腹):乾燥
膜厚15μm:焼付条件は到達最高温度が220  ℃
で50秒とした。 A4: 塩化ビニルゾル塗料、ビニゾール10000X
−20、ホワイト (日本ペイント側製):乾燥膜厚2
00 μm:焼付条件は到達最高温度が200℃で60
秒とした。 A5:  フッ素樹脂塗料、デニラナー01ポヮイト(
日本ペイント側腹):乾燥膜厚20μm=焼付条件は到
達最高温度が245 ℃で50秒とした。 ^6: オイルフリーポリエステル系塗料(中塗り塗装
を施した場合の上塗り塗料として)、スーパーラックD
IF F−25、ホワイト (日本ペイント側腹):乾
燥膜厚15μm:焼付条件は到達最高温度が200 ℃
で50秒とした。 上記の塗装を施して得られた各試験板について、耐エツ
ジクリープ性、加工部白錆性及びスクラッチ性について
下記の要領で試験をした。結果を第2表に合わせて示す
。 〔7〕耐エツジクリープ性 上記塗装を施した試験板を、自然暴露試験用としてはl
Qcm X3Qcm、塩水噴霧試験用としては7cm×
20cmのサイズにカットし、カットした三辺をポリエ
ステルチーブでシールした。なお、このシール幅はカッ
ト端部より5mmとした。 三辺をポリエステルチーブでシールした上記の試験板に
ついて、自然暴露試験として沖縄県で40ケ月問屋外に
放置した。 また、塩水噴霧試験としては、JIS 22371 に
準拠して850時間の試験を行った。 それぞれの試験を終了した試験板について、塗膜上に生
じたブリスターのシールしなかった辺からの最大長さ(
mm)を測定した。 〔8〕前加工白錆性 各塗装板を7 X18cmの大きさにカットし、111
cm長の辺において、端から15cmの部分で折り曲げ
2T加工(この板を2枚分挟むことができる隙間を形成
するように、側面からみて3字状になるように端から1
5cmの部分でこの板を折り曲げる)し、JIS X2
371 に準拠して塩水噴霧試験を行った。 1000時間の試験終了後、折り曲げ加工を実施した箇
所からの白錆の発生状況を以下の基準で評価した。 3点:白錆の発生20%未満 2点:白錆の発生40%未満20%以上1点:白錆の発
生40%以上 試験結果を第2表に合わせて示す。
〔9〕スクラツチ性 外周面にぎざぎざのない10円硬貨で試験塗膜を引っ掻
き(0,5kgの力で)、試験塗膜の損傷を以下の基準
に従って評価した。 3点:表面にキズ及びハタリがあってもその程度が小さ
くて上塗り塗膜の一部が残っており、下塗り(又は中塗
り)塗膜が現れていないもの。 2点:下塗り塗膜の一部が削られており、下塗り塗膜に
剥離が見られるもの。 1点二上塗り塗膜及び下塗り塗膜ともに削りとられ、素
地(基板の化成処理面)が露出しているもの。 結果を第3表に合わせて示す。 第3表注: (1)クロメート系:サーフコートNRC300を基板
に塗布することにより行った。 リン酸亜鉛:サーフダインZD9200を用い、これに
基板を浸漬することにより行った。 (2)各塗料は第1表に示す塗料に対応する。 〔発明の効果〕 以上詳述したように、本発明の塗料組成物を塗装した鋼
板は、良好な耐食性を有し、加工端部における塗膜の膨
れが防止されるとともに耐スクラッチ性も向上している
。 本発明の塗料組成物を下塗り塗料として、各種鋼板の少
なくとも一方の面に塗装すれば良好な耐食性を得ること
ができる。 本発明の塗料組成物はプレコート方式の鋼板に好適であ
り、コイルコーティング法により耐食性及び耐スクラッ
チ性に優れたプレコートメタルを製造することができる
。このようなプレコートメタルは、洗濯機等の各種家電
製品、屋根、壁材等の屋外建設材等に好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)塗料固形分100重量部に対して、 (a)少なくとも1種のクロメート系防錆顔料3〜70
    重量部と、 (b)(i)Au、Ag、Al、Zn、Sn、Cu、F
    e、Ni、W、Nb、Mn、Mg、Ce、Mo、Ca、
    Zr、Sr及びBaからなる群から選ばれた少なくとも
    1種の金属の酸化物0.5〜20重量部、及び/又は (ii)前記(i)の金属群から選ばれた少なくとも1
    種の金属のイオンと、1価又は2価の陰イオンとの組合
    せで生成された金属塩0.5〜20重量部と (c)(i)無機物質粒子5〜30重量部、及び/又は
    (ii)有機高分子粒子0.5〜5重量部とを含有する
    ことを特徴とする塗料組成物。
  2. (2)塗料固形分100重量部に対して、 (a)少なくとも1種のクロメート系防錆顔料3〜70
    重量部と、 (b)(i)Au、Ag、Al、Zn、Sn、Cu、F
    e、Ni、W、Nb、Mn、Mg、Ce、Mo、Ca、
    Zr、Sr及びBaからなる群から選ばれた少なくとも
    1種の金属の酸化物0.5〜20重量部、及び/又は (ii)前記(i)の金属群から選ばれた少なくとも1
    種の金属のイオンと、1価又は2価の陰イオンとの組合
    せで生成された金属塩0.5〜20重量部と (c)(i)無機物質粒子5〜30重量部、及び/又は
    (ii)有機高分子粒子0.5〜5重量部とを含有する
    塗料を、被塗物の少なくとも一方の面に塗布することを
    特徴とする塗膜形成方法。
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