JPH0417328B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はコンロのような加熱調理器の調理温度
の検知装置に関するものである。

従来の技術 従来、コンロでは煮物のように食物が水中で調
理される場合、水が沸騰状態（煮汁が煮立つた状
態）に達してから火力を弱くして、弱い沸騰状態
で調理を行つていた。これらの操作は、今まで、
沸騰温度を検知する適切な手段がなかつたため使
用者が経験と勘によつてなされていた。従つて、
使用者が沸騰状態になるのが判らなかつたり、コ
ンロの前から一寸離れたりして沸騰による吹きこ
ぼれや煮こぼれを頻繁におこしていた。

発明が解決しようとする問題点 使用者が沸騰したことに気付くのが遅れたりす
ると沸騰による吹きこぼれが生じて、コンロが汚
れたり、失火や電気絶縁不良となり不安全になつ
たり、エネルギーの無駄使いになるという問題が
あつた。特に、麺をゆがく時や、貝のみそ汁を作
る時等では、沸騰と同時に多量の吹きこぼれがあ
り、かつ、この状態は一寸とした油断で頻繁に発
生するものである。

問題点を解決するための手段 この沸騰による吹きこぼれを防止するため調理
鍋の底面と接触する温度センサの温度を検出する
温度検出部の温度が温度指定部で水が沸騰する温
度よりやや低い温度を指定する温度に到達したこ
とを報知部でブザー報知して調理鍋の内部が沸騰
温度に近付いたことを予告するよう構成したもの
である。

また、沸騰を予告する報知を調理内容によつて
選択する切換スイツチを設けたり、温度指定部で
指定する温度を鍋の種類や調理の内容や調理量に
よつて微調節するようなしている。

作 用 調理鍋の内部が沸騰温度に近づいたことを報知
して予告するようにしているので、その場から離
れていても、その場にいても、その時、すぐに、
間違いなく火力調節を行えるため火力が強過ぎて
発生する沸騰による吹きこぼれを確実に防止する
ことができる。

さらに、使用する条件により沸騰を予告する温
度を調節したり、調理の内容によつて沸騰の予告
をしなかつたりすることができる。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１〜３図を用いて
説明する。本発明をガスコンロに応用した例を示
し、１はガスコンロの箱体で上面に調理鍋１４を
乗せる五徳２、バーナ３を有し、さらに、４はバ
ーナ３の中央に突出して、五徳２上に調理鍋１４
を載置した際、底面と接触して温度を検出する温
度センサ、また、前面には、点火操作や火力調節
を行うツマミ５、温度を変更するツマミ６、表示
ランプ７、報知ブザー８、及び、切換スイツチ９
を有する。さらに、側面には、ガス接続口１０と
乾電池１１を有する。

第１図は、本発明の制御システムの例を示す図
であり、ガスはガス接続口１０からガスコツク１
２、ガス流量を調節する制御弁１３を通つてバー
ナ３で燃焼する。バーナ３は調理鍋１４の底部を
加熱して調理物１５に熱を加える。１６は温度セ
ンサ４の温度を検出する温度検出部、１７は、ツ
マミ６により予め温度を設定する温度設定部、１
８は、温度比較部であり、温度設定部１７で設定
した温度に温度検出部１６の温度が到達したこと
を判断すると熱量制御部１９に信号を送り、制御
弁１３を駆動させバーナ３の燃焼量を調節すると
ともに報知部２０により表示ランプ７及び報知ブ
ザー８で報知を行うようしている。

２１は、温度指定部であり、予め、沸騰温度よ
り僅か低い温度を指定できるようなつている。こ
の温度は、調理鍋１４の種類（材質・大きさ・厚
さ）や調理の内容や調理物１５の量によつて微調
節できるようになつている。

２２は、温度判定部であり、切換スイツチ９が
閉成されていれば温度検出部１６で検出した温度
が温度指定部２１で指定する温度に到着したこと
を判定すれば、報知部２０により報知ブザー８で
報知され沸騰に近づいたことを予告するようにな
つている。なお、水の沸騰を利用しない調理（保
温・焼物・天ぷら）を行うときは、沸騰を予告す
るブザー８が不必要であり、切換スイツチ９を開
成させておけば作動しない。

第２図は、制御動作状態を説明する特性図を示
し、横軸Ｘは時間、特性イの縦軸Ｔは温度で破線
Ａは調理物１５の温度、実線Ｂは鍋底の温度セン
サ４による温度特性を示す。特性ロの縦軸は制御
弁１３のオン・オフ状態、特性ハは報知ブザー８
の信号のオン・オフ状態を示している。

温度Taは常温でバーナ３により加熱され、カ
ーブＡ，Ｂ共に上昇する。やがて、時間Xbで、
温度センサ４の温度が温度指定部２１で指定する
温度Tb（沸騰温度より僅か低い温度）に到達した
ことを温度判定部２２が判定し報知部２０により
ブザー信号のオン・オフで報知が行われる。

さらに、加熱され、時間Xoで温度センサ４の
温度が温度設定部１７で設定する温度Toに到達
したことを温度比較部１８が判断すれば熱量制御
部１９によつて制御弁１３を駆動させ設定温度
Toを一定の温度内に保つようガス流量を調節す
る。同時に、報知部２０により報知ランプ７及び
報知ブザー８で報知が行われる。なお、制御弁１
３は、設定温度Toを保つため、ガス流量を開閉
制御してもあるいは比例制御してもよい。

ここで、時間Xbで温度Tbに達したときと、時
間Xoで温度Toに達したときのブザー報知のオ
ン・オフ信号を第２図ハに示すようデユーテイ比
を変えて、どちらのブザー報知であるか容易に区
別できるようなしてある。なお実施例のように、
温度設定部１７により、調理温度をセツトして自
動的に火力を調節する構成でなくとも、温度指定
部２１、温度判定部２２、報知部２０により、沸
騰温度に近付いたことを単純に予告するようなし
てもよい。

調理をするために水を沸騰させようとすると
き、温度設定部１７で設定温度Toを設定する場
合、100℃以内にセツトされば問題はないが、誤
まつて100℃以上の例えば第２図イのTo′にセツ
トされれば、沸騰になつていても、温度センサ４
は設定温度To′を感知しないので、沸騰になると
同時に吹きこぼれや煮こぼれが生じてしまう結果
となる。

なお、設定温度Toを100℃の位置にセツトされ
たとしても、温度センサ４、温度設定部１７（一
般には可変抵抗器が用いられる）や制御回路等の
各種バラツキによつて、実際は、100℃以上にな
つている場合も多々あり、前述のような吹きこぼ
れや煮こぼれのトラブルにつながつてしまう。

上記構成において、温度指定部２１により水が
沸騰する温度より予め定めた温度だけ低い温度を
指定でき、温度センサ４の温度が、この指定温度
Tbに到達すると報知部２０でブザー報知し調理
物１５の温度が沸騰温度に近付いたことを予告で
きるので、そこで、使用者がガスコツク１２を用
いて火力調節すれば、吹きこぼれや煮こぼれを防
止することができるという便利性を有する。

また、天ぷら、鉄板焼等の高温調理で、この報
知ブザーが不要であるならば、切換スイツチ９を
開成しておけば鳴らなくできる。

さらに、水の沸騰温度を予告する指定温度Tb
は、鍋１４の種類（材質や厚さ）に応じて温度指
定部２１で微調節ができるような構成にしてい
る。

また、温度設定部１７で予め調理温度Toをセ
ツトし、その温度Toで火力を自動調節して調理
物１５の温度を調節するが、セツトした温度To
到達での報知ブザーと温度指定部２１で沸騰を予
告する報知ブザーとのデユーテイ比を変えている
ので容易に判別ができるようになつている。

発明の効果 以上のように本発明の加熱コンロによれば、水
が沸騰する温度の手前で、沸騰を予告するブザー
報知があるため、そこで、使用者が適切に火力を
調節できるので、吹きこぼれや煮こぼれを防止す
ることが可能であり、コンロが汚れたり、失火や
電気回路部分の電気絶縁不良等による不安全状態
の発生を防止できる有用なものである。

さらに、切換スイツチを設けて沸騰の予告報知
を選択したり、沸騰を利用しない調理では、切換
スイツチを開成して予告報知をしなくさせ操作間
違いを防止し、また、沸騰を予告する温度を鍋の
種類や調理内容や調理量に応じて微調節できるよ
うなつているので精度よく動作させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である加熱コンロの
制御図、第２図は同温度制御状態を説明する特性
図、第３図は同ガスコンロに応用した外観図であ
る。 ３……バーナ（加熱手段）、４……温度センサ、
９……切換スイツチ、１４……調理鍋、１６……
温度検出部、１８……温度比較部、２０……報知
部、２１……温度指定部、２２……温度判定部、
Tb……指定温度（水の沸騰する温度より予め定
めた温度だけ低い温度）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 調理鍋を加熱する手段と、前記調理鍋の底面
   と接触する温度センサの温度を検出する温度検出
   部と、水の沸騰する温度より予め定めた温度だけ
   低い温度を指定する温度指定部と、前記温度検出
   部の温度が前記温度指定部の指定温度に到達した
   ことを判定する温度判定部と、前記温度判定部の
   信号により沸騰が近いことを予告する報知部と、
   前記温度判定部へ通電を行う切換スイツチとを備
   え、前記温度指定部で指定する温度を微調節でき
   るようなし、かつ、前記温度判定部は前記切換ス
   イツチで沸騰を予告する報知を選択したときのみ
   作動するようなした加熱コンロ。 ２ 温度判定部の信号による報知ブザーと前記温
   度比較部の信号による報知ブザーとのデユテイ比
   を変え区別できるようした特許請求の範囲第１項
   記載の加熱コンロ。