JP2659323B2 - 調理装置 - Google Patents

調理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調理容器内に、調理用
油及び被調理物を入れて調理する調理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】天麩羅油が入った調理鍋を加熱するガス
バーナと、調理鍋の温度を検出する温度センサと、天麩
羅油の設定温度(例えば180℃)を決める温度設定手
段と、検出温度が、設定温度に対して、上下N℃(例え
ば±4℃)の範囲内に維持される様にガスバーナの燃焼
量を制御する加熱制御器とを有する調理装置が従来より
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の調理装置に
おいて、油量を500ccと1000ccの異なる油量
において、設定温度を180℃、N=±4℃とし、天麩
羅油の温度を直接測定したところ、油量500ccの場
合は、油温度は180℃前後に制御されるが、油量10
00ccの場合は175℃前後に制御されてしまうとい
う現象が確認された。つまり、従来の調理装置は、油量
が多いと油温度が低く維持されてしまい、その結果、被
調理物が油を吸収する等して上手く揚がらないという不
具合が生じるので、使用者は、同じ油温を欲する場合で
も、天麩羅油の量に応じて設定温度自体を勘により調節
しなければならず、使い勝手が悪いとともに、設定温度
と実際の油温とが一致せず、混乱が生じる。
【0004】本発明の目的は、調理用油の量に係わり無
く、油温を設定温度に維持する事ができ、使い勝手に優
れる調理装置の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、調理用油を入れた調理容器を加熱する加熱源
と、前記調理容器に接触して配され、調理容器の温度を
検出する温度センサと、前記調理用油の設定温度を決め
る温度設定手段とを備える調理装置において、検出温度
が、制御温度、即ち(設定温度+調整値α)を維持する
様に前記加熱源の加熱力を制御する加熱制御器を設け、
前記調理用油の量が少ない場合には前記調整値αの値を
小さくし、前記調理用油の量が多い場合には前記調整値
αの値を大きくする構成を採用した。
【0006】
【作用】調理容器内の調理用油が昇温するのは、直接に
は調理容器が保有する熱量が作用し、油量が多い程、油
温をある温度に保持する為の前記熱量は大きい。そし
て、調理容器が保有する熱量と調理容器の温度は比例す
る。この為、同じ油温を欲する場合でも、油量が多い
程、調理容器の保有する熱量を多くする必要があり、従
って、調整値αの値を大きくして制御温度{=(設定温
度+調整値α)}を高くし、設定温度に実際の油温度を
一致させる。又、油量が少ない場合は調理容器の保有す
る熱量は少なくて済み、調整値αの値を小さくして制御
温度{=(設定温度+調整値α)}を低くし、設定温度
に実際の油温度を一致させる。
【0007】
【発明の効果】調理装置は、調理用油の量に係わり無
く、油温を設定温度に維持させる事ができ、使用者が調
理油の量に応じて設定温度を調節する必要は無く、使い
勝手に優れる。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図5に基づいて説
明する。図1、図2に示す様に、ガステーブルAは、天
麩羅油等の調理用油11を入れた調理容器12を加熱す
る左こんろ1と、容器底面への付勢力を有し、サーミス
タを内蔵した感熱筒21により構成される温度センサ2
と、温度設定手段3の設定信号及び温度センサ2の電気
出力が入力される制御ユニット4とを具備する。又、ガ
ステーブルAは、右こんろ5(最大4100kcal/
hのガス消費量)、及び多孔燃焼板式のグリルバーナ6
1を有するグリル6(最大1950kcal/hのガス
消費量)も有する。
【0009】左こんろ1は、最大2300kcalのガ
ス消費量を有するMバーナ13を有し、図示左方に設置
されている。又、点火放電を行う点火電極14及び燃焼
炎10により起電力を発生するサーモカップル15がM
バーナ13のガス噴出炎口に臨んで配されている。尚、
図2において、101はガス管路102に配されたセー
フティバルブ、103はガス管路102から分岐する主
ガス管路104及び副ガス管路105の内、主ガス管路
104中に配された温調用電磁弁、106はガス管路1
02中に配されたメイン弁である。尚、Mバーナ13
は、温調用電磁弁103が閉弁状態の場合に小火にな
り、開弁状態の場合には大火となる。
【0010】温度設定を行うと制御ユニット4に設定信
号を送出する温度設定手段3は、押圧する毎に設定温度
を10℃下げる“−”キー31、及び押圧する毎に設定
温度を10℃上げる“+”キー32を有し、これら各キ
ーはガステーブルAの前面左方に設けられた操作パネル
30の表面に配され、制御ユニット4と電気接続されて
いる。又、操作パネル30には設定温度等をデジタル表
示する七セグメントの例えば緑色のLED33(三連)
も配設されている。
【0011】制御ユニット4は、マイクロコンピュータ
を備え、温度設定手段3の設定信号と温度センサ2の電
気出力とが入力され、温調制御を行う揚げものモードを
操作パネル30内のキーにより選択した場合、検出温度
T=制御温度±4℃となる様に温調用電磁弁103を開
閉弁(図3参照)してMバーナ13の燃焼力を制御する
(但し、制御温度=設定温度+調整値α)。つまり、検
出温度Tが(制御温度+4℃)になると温調用電磁弁1
03を閉弁してMバーナ13を小火にし、検出温度Tが
(制御温度−4℃)になると温調用電磁弁103を開弁
してMバーナ13を大火にする。
【0012】又、本実施例では、検出温度Tが80℃か
ら100℃まで上昇する時間Δtに基づいて調理用油1
1の量を検知して調整値αを決定している。即ち、Δt
≦所定値(例えば50秒)の場合には調理用油11の量
が少ないと判定し、調整値αを5℃とし、Δt>所定値
(例えば50秒)の場合には調理用油の量が多いと判定
して調整値αを10℃としている。
【0013】尚、本実施例では、加熱源にガスバーナを
使用する為、バーナの燃焼炎からの輻射熱の影響を考慮
して、上記調整値αを5℃又は10℃にしている。
【0014】右こんろ5は、図示右方に設置され、点火
放電を行う点火電極52及び燃焼炎50により起電力を
発生するサーモカップル53がHバーナ51のガス噴出
炎口に臨んで配され、Hバーナ51の中央には、Mバー
ナ13と同様に温度センサ2が設けられ、焦げ付き防止
及び過熱防止の自動消火を行う為に調理容器12の温度
を検出している。尚、図2において、501はガス管路
502に配されたセーフティバルブ、503はガス管路
502中に配されたメイン弁である。
【0015】図示中央のグリル庫内に配設されるグリル
バーナ61の多孔燃焼板には、点火放電を行う点火電極
62、及び燃焼炎により起電力を発生するサーモカップ
ル63が臨んで配されている。尚、601、602はガ
ス管路603中に配されたセーフティバルブ及びメイン
弁である。
【0016】つぎに、マイクロコンピュータを有する制
御ユニット4の作動を、図3〜図5とともに説明する。
使用者が、調理用油11の温度を設定温度に維持する機
能を選択する為に揚げものキー34を押圧してガステー
ブルAの左こんろ1を揚げ物モードに設定し、温度設定
手段3の“+”キー32或いは“−”キー31を押圧し
て設定温度(本実施例では180℃)を決定し、点・消
火スイッチ41を押圧してMバーナ13を燃焼状態にす
る。尚、この時、操作パネル30のLED33には設定
温度(180℃)がデジタル表示される。ステップs1
で、制御ユニット4のマイクロコンピュータ(以下、記
載を略する)は、検出温度Tが80℃から100℃まで
上昇する時間Δtを測定する。ステップs2で、Δt≦
50秒が成立するか否か判定し、成立する場合(YE
S)は、ステップs3に進み、不成立(NO)の場合は
ステップs4に進む。ステップs3で、調整値α=5℃
とし、制御温度を設定温度(180℃)+5℃=185
℃とする。従って、図4に示す様に、検出温度Tが18
9℃{185℃(=制御温度)+4℃}に上昇すると温
調用電磁弁103を閉弁してMバーナ13を小火にし、
181℃{185℃(=制御温度)−4℃}に下降する
と温調用電磁弁103を開弁してMバーナ13を大火に
して検出温度が185℃±4℃を維持する様にMバーナ
13の火力を制御する。この場合、検出温度Tは、図4
に示す経過時間- 検出温度Tカーブ401の如く、18
0℃(設定温度)±4℃変化し、実際の油温は図5に示
す経過時間- 油温カーブ411の如く180℃(設定温
度)±4℃に維持される。ステップs4で、調整値α=
10℃とし、制御温度を設定温度(180℃)+10℃
=190℃とする。従って、図4に示す様に、検出温度
Tが194℃{190℃(=制御温度)+4℃}に上昇
すると温調用電磁弁103を閉弁してMバーナ13を小
火にし、186℃{190℃(=制御温度)−4℃}に
下降すると温調用電磁弁103を開弁してMバーナ13
を大火にして検出温度が190℃±4℃を維持する様に
Mバーナ13の火力を制御する。この場合、検出温度T
は、図4に示す経過時間- 検出温度Tカーブ402の如
く変化し、実際の油温は図5に示す経過時間- 油温カー
ブ412の如く180℃(設定温度)±4℃に維持され
る。
【0017】本実施例のガステーブルAは、以下の利点
を有する。 〔ア〕ガステーブルAは、検出温度Tが80℃から10
0℃まで上昇する時間Δtが長い場合、つまり、Δt>
50秒の場合(油量が多い場合)には、調整値αの値を
10℃と大きくして制御温度を高くし、Δtが短い場
合、つまり、Δt≦50秒の場合(油量が少ない場合)
には、調整値αの値を5℃と小さくして制御温度を低く
する構成である。
【0018】この為、図5に示す様に、調理用油の量が
少ない場合であっても多い場合であっても、油温と設定
温度とを略一致させる事ができ、使用者が調理用油11
の量に応じて設定温度を調節する必要は無く、ガステー
ブルAは使い勝手に優れる。
【0019】特に、本実施例の様に操作パネル30のL
ED33に設定温度をデジタル表示する場合には、調理
ブック等に指定された調理用油11の油温を設定温度と
して表示させる事ができ、混乱が生じない。
【0020】〔イ〕油温が昇温し切っていない検出温度
Tが80℃から100℃まで安定上昇する初期昇温域で
昇温時間Δtを測定している。この為、油量の判定を適
格に行う事ができる。
【0021】本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施
態様を含む。 a.上記実施例では、昇温時間Δtの長さ(50秒)を
基準として調理用油の油温を二段階に判断し、調整値α
を+5℃と+10℃の二種類の内から選択するものを示
したが、基準となるΔtの長さを二つ以上複数設定し、
油量及び調整値αを三つ以上の多段階に分けるか、又は
Δtの長さと油量及び調整値αを対応させて調整値αを
連続変化させる構成にしても良く、又、調整値αの値は
加熱源が電気や電磁力である場合の様に燃焼炎から直接
の輻射熱を考慮しないときには、油量が少量の場合に+
0℃、多量の場合に例えば+4℃としても良い。又、昇
温時間Δtの長さで無く、例えば、検出温度Tが70℃
から90℃迄変化する間の加熱量ΔQの大きさによっ
て、或いは90℃時点での温度上昇勾配(微分量)の大
きさによって調理用油11の油量を自動的に判断しても
良い。又、操作パネル30に油量の設定スイッチを設
け、使用者が、多段階或いは無段階に油量を設定操作す
るものであっても良い。 b.上記実施例では、温調用電磁弁103を開閉してM
バーナ13の燃焼力を増減するものを示したが、比例弁
によりMバーナ13の燃焼力を無段階に制御するもので
あっても良い。 c.時間Δtを測定する為の温度(上記実施例では80
℃と100℃)は、初期昇温域内であれば他の温度であ
っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガステーブルの斜視図である。
【図2】そのガステーブルの原理説明図である。
【図3】そのガステーブルの制御ユニットの作動を説明
するフローチャートである。
【図4】そのガステーブルにおいて、設定温度を180
℃にし、油量が少ない場合、多い場合の経過時間- 検出
温度の関係を示すグラフである。
【図5】そのガステーブルにおいて、設定温度を180
℃にし、油量が油量が少ない場合、多い場合の経過時間
- 油温(実測値)の関係を示すグラフである。
【符号の説明】 A ガスバーナ(調理装置) α 調整値 2 温度センサ 4 制御ユニット(加熱制御器) 11 調理用油 12 調理容器 13 Mバーナ(加熱源) 31 “−”キー(温度設定手段) 32 “+”キー(温度設定手段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調理用油を入れた調理容器を加熱する加
    熱源と、 前記調理容器に接触して配され、調理容器の温度を検出
    する温度センサと、 前記調理用油の設定温度を決める温度設定手段とを備え
    る調理装置において、 検出温度が、制御温度、即ち(設定温度+調整値α)を
    維持する様に前記加熱源の加熱力を制御する加熱制御器
    を設け、 前記調理用油の量が少ない場合には前記調整値αの値を
    小さくし、前記調理用油の量が多い場合には前記調整値
    αの値を大きくする事を特徴とする調理装置。
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