JPH0417095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ガラスコツプ等のコツプに装着され
てコツプを持ち易くするためのコツプホルダーに
関するものである。

［従来の技術］ 従来この種のコツプホルダーは、コツプの下部
が嵌合される筒状のコツプホルダー本体と、この
コツプホルダー本体に取り付けられた手で持つた
めのハンドルとから成り、コツプホルダー本体の
内周面に周方向に複数の係合突起を適当間隔で突
設し、コツプの下部を嵌合する際、コツプの下部
の外周面に周方向に沿つて形成した溝に、この係
合突起を係合させることによりコツプからの脱落
を防ぐようにしている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、ガラス製のコツプの成形法として
は、吹込成形、回し吹き成形等のブロー成形法が
知られているが、回し吹き成形の場合は製品の外
形が他の成形法の場合よりもバラツキが大きく成
りやすく、そのために、コツプホルダーのコツプ
ホルダー本体にコツプの下部を嵌合する際、きつ
くなつたり、緩くて抜け落ちたりしたり、また、
取り外しが困難となるという問題を招いていた。

本考案の目的は、外径寸法にバラツキのあるコ
ツプに対しても嵌合を確実にし、抜け落ちやガタ
ツキを無くすとともに、着脱を簡単に行なえるコ
ツプホルダーを提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の目的を達成するための要旨は、上方に
コツプの下部が嵌入する開口部を有する可撓性部
材からなる筒状のコツプホルダー本体に握持用の
ハンドル部を設けたコツプホルダーにおいて、前
記コツプホルダー本体は、内周面の周方向に、嵌
入するコツプの外周面周方向に形成された凹部に
係合する係合突起を複数突設するとともに、コツ
プの外周部と当接してコツプホルダー本体を径方
向に変形させる突起部を内周面の概軸対称位置に
突設したことを特徴とするコツプホルダーにあ
る。

［作用］ 本考案の構成によれば、コツプホルダー本体を
径方向に変形させながらコツプを嵌合することで
コツプへの装着が容易に行なえ、コツプホルダー
本体の径方向変形による弾性復元力でコツプを両
側から挟持して嵌合を確実にし、外径にバラツキ
のあるコツプでも抜け落ちやガタつきをなくすと
共に、コツプホルダー本体の周壁を内側に押し込
むことでコツプに対する挟持力を弱め、簡単に取
り外しできることとなる。

［実施例］ 以下本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図は、本考案によるコツプホルダーの一実
施例の平面図、第２図はその断面図を示してい
る。

１はガラス製のコツプで、下部２には後記する
コツプホルダー４のコツプホルダー本体６に突設
された係合突起９が嵌合する溝部３が周方向に沿
つて凹設されている。コツプ１の下部２は、底部
から上方に向け径の漸増するテーパ状に形成さ
れ、コツプホルダー本体６への嵌入を容易にして
いる。

４は例えば硬質プラスチツク等の可撓性材料か
らなるコツプホルダーで、握持用のハンドル５
と、コツプ１の下部２が嵌入する開口部を有する
筒状に形成された有底のコツプホルダー本体６と
が一体的に形成されている。コツプホルダー本体
６は内周部がコツプ１の下部２の外形状に合致す
るように形成されており、周壁７の内面には、コ
ツプ１の下部２をコツプホルダー本体６の底部８
まで押し込んだ装着状態でコツプ１の溝部３に嵌
合する球面状の係合突起９が周方向に沿つて複数
突設されると共に、コツプ１の下部２の外周面に
当接する縦長の当接突起部１０がハンドル５の取
り付け部の両側および、ハンドル５の反対側に
夫々開口端面から底面に渡り鉛直に突設されてい
る。

すなわち、コツプホルダー本体６にコツプ１の
底部を押し込むと、コツプ１の外形がテーパ形状
であることから、押し込み初期では遊嵌状態で嵌
入し、当接突起部１０にコツプ１の下部２の外周
面が当接し始めると強い押し込み力が必要になり
始める。この状態からさらにコツプ１を押し込む
と、当接突起部１０に径方向外方への分力が作用
し、コツプホルダー本体６が概ね軸対称位置に設
けられた当接突起部１０側を長軸として周壁７が
楕円状に変形する。さらにコツプ１を押し込む
と、周壁７の楕円形状への変形が保持されつつコ
ツプホルダー本体６の係合突起９がコツプ１の溝
部３に係合すると共に、コツプ１の底面がコツプ
ホルダー本体６の底部８に当接することでコツプ
１の下部２にコツプホルダー４が嵌合固定される
ことになる。

したがつて、コツプ１の外形寸法にバラツキが
あつても、コツプホルダー４はコツプホルダー本
体６の周壁７が楕円形状に変形することによりそ
のバラツキを吸収し、周壁７の楕円変形に伴う当
接突起部１０の径方向内方に作用する分力と、短
軸側の周壁部の押圧力とによりコツプ１の下部２
にガタ無く挟持され、コツプ１を持ち上げてもコ
ツプホルダー４が抜け落ちたり、またコツプホル
ダー４を逆さにしてしてもコツプ１が落下したり
することが全くなく、コツプ１の下部２に確実に
固定される。

また、楕円変形したコツプホルダー本体６を手
に持つて元の形状に戻すように力を加えながらコ
ツプ１を捩つたりして引つ張ると、簡単にコツプ
ホルダー本体６からコツプ１を取り外すことがで
きる。

なお、当接突起部１０をハンドル５の取り付け
部に設けてもよいが、この場合は一体成形時にひ
けが発生しやすいので、本実施例ではハンドル５
の取り付け部の両側に当接突起部１０を設けて一
体成形時のひけ発生を防止している。

また、当接突起部１０の取り付け位置は本実施
例に限定されることはなく、概ね軸対称の位置に
夫々設けてあれば良い。

［考案の効果］ 以上説明してきたように、本考案によれば、コ
ツプの外形寸法にバラツキがあつてもコツプをコ
ツプホルダー本体に押し込むだけの簡単な操作
で、抜け落ちたり、ガタ付いたりすることなく確
実にコツプに装着することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるコツプホルダーの一実施
例を示す平面図、第２図はその断面図を示してい
る。 １……コツプ、２……下部、３……溝部、４…
…コツプホルダー、５……ハンドル、６……コツ
プホルダー本体、７……周壁、８……底部、９…
…係合突起、１０……当接突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上方にコツプの下部が嵌入する開口部を有する
   可撓性部材からなる筒状のコツプホルダー本体に
   握持用のハンドル部を設けたコツプホルダーにお
   いて、前記コツプホルダー本体は、内周面の周方
   向に、嵌入するコツプの外周面周方向に形成され
   た凹部に係合する係合突起を複数突設するととも
   に、コツプの外周部と当接してコツプホルダー本
   体を径方向に変形させる突起部を内周面の概ね軸
   対称位置に突設したことを特徴とするコツプホル
   ダー。