JPH04164908A - グラフト共重合体及びそれを含有するコンタクトレンズ用溶液並びにそのような溶液を用いたコンタクトレンズの親水性化処理法 - Google Patents

グラフト共重合体及びそれを含有するコンタクトレンズ用溶液並びにそのような溶液を用いたコンタクトレンズの親水性化処理法

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JPH04164908A
JPH04164908A JP41221990A JP41221990A JPH04164908A JP H04164908 A JPH04164908 A JP H04164908A JP 41221990 A JP41221990 A JP 41221990A JP 41221990 A JP41221990 A JP 41221990A JP H04164908 A JPH04164908 A JP H04164908A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
[0001]
【技術分野】
本発明は、グラフト共重合体及びそれを含有するコンタ
クトレンズ用溶液、更にはそのような溶液を用いたコン
タクトレンズの親水性化処理法に係り、特に疎水性表面
を親水性表面に改質するために有用な新規なグラフト共
重合体、及びそれを用いて、硬質コンタクトレンズ及び
非含水性ソフトコンタクトレンズ等の非′I)開干4−
1b’1MU3 (O)含水性コンタクトレンズの表面
を親水性化する技術、またそのための表面親水化剤とし
て利用することの出来るコンタクトレンズ用溶液に関す
るものである。 [0002]
【背景技術】
従来より使用されている非含水性のコンタクトレンズに
は、メチルメタクリレートを主成分とするハードコンタ
クトレンズや、シロキサニルメタクリレート、フルオロ
アルキルメタクリレート等を主成分とする高酸素透過性
ハードコンタクトレンズ、及びポリジメチルシロキサン
を主成分とするシリコーンラバーやアクリル酸ブチルを
主成分とするブチルラバーからなる非含水性ソフトコン
タクトレンズがある。 [0003] ところで、これらのコンタクトレンズは非含水性である
ところから、その表面が疎水性を帯びており、中でも、
近年注目されている高酸素透過性非含水性コンタクトレ
ンズは、特に強い疎水性を有している。何故なら、レン
ズの酸素透過性を高めるためには、一般にレンズの形成
材料中のシリコーン成分やフッ素成分が増大せしめられ
る傾向となっており、換言すれば、酸素透過性の高いレ
ンズ程、シリコーン成分やフッ素成分の含有率が高いの
であり、その結果として、レンズ表面が強い疎水性を有
することとなってしまうのである。そして、このような
レンズ表面の疎水性に起因して、非含水性のコンタクト
レンズを装用した場合にはしばしば脂質汚れが付着し、
レンズに曇りの症状が現れて、視界が良好でなくなって
しまうという問題があった。 [0004] そのため、このようなコンタクトレンズの疎水性表面を
親水性化する方法として、プラズマ表面処理や、酸、ア
ルカリ等による化学処理等が考えられているがそれらの
方法では、親水性能の耐久性に問題があり、また再び処
理を施すにはかなりの手間が必要となるのである。 [0005] これに対して、親水性のポリマーを含有する溶液中にコ
ンタクトレンズを浸漬して、該ポリマーをコンタクトレ
ンズの表面に付着せしめることにより、コンタ特開平4
−164908 (◇ノ クトレンズの表面改質を行なう、ウェッティング・ソリ
ューションを用いる方法がある。この方法によれば、必
要に応じて、比較的簡便に、繰り返して親水性化処理を
行なうことが出来るところから、レンズ表面の親水性を
持続せしめることが出来るのである。 [0006] 例えば、特公昭48−37910号公報には、ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン等の水溶性ポリマーを含有するコンタクト
レンズ用溶液が明らかにされている。しかしながら、か
かる処理溶液はメチルメタクリレートからなるハードコ
ンタクトレンズやメチルメタクリレートを主成分とした
高酸素透過性ハードコンタクトレンズ等の比較的弱い疎
水性のレンズに対しては有効であるものの、シリコーン
成分やフッ素成分を多く含有する非含水性コンタクトレ
ンズに対しては、該レンズの表面が強い疎水性であるた
め、溶液中に含有される水溶性ポリマーがレンズ表面に
付着し難く、有効でなくなってしまうという欠点がある
。 [0007] また、特開昭63−246718号公報には、イオン電
荷を有する重合体物質からなるコンタクトレンズの表面
処理用レンズ溶液が明らかにされている。しかしながら
、この溶液を用いる場合には、コンタクトレンズ表面が
、その溶液中の重合体物質のイオン電荷とは逆のイオン
電荷を有している必要があると共に、イオン電荷密度が
成る程度の大きさを有していることが必要であるところ
から、親水性化処理に先立って、コンタクトレンズ表面
の電荷密度を高めるための余分な処理を行なう必要があ
り、処理が煩雑となる問題がある。更にまた、かかる公
報に記載の実施例より明らかなように、処理時間が5分
と長い上、親水性化の効果は、さほど大きくない等の幾
つかの欠点を有しているのである。 [0008]
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為さ
れたものであって、その解決すべき課題とするところは
、高酸素透過性の非含水性コンタクトレンズを長時間に
おいて快適に装用し得るようにするために、換言すれば
、該レンズに対する脂質汚れの付着を低減するために、
より安全且つ簡単に、更により短時間にコンタクトレン
ズの親水性化処理を効果的に行なうことの出来る、グラ
フト共重合体及びそれを含有するコンタクトレンズ用溶
液、更にはそのような溶液を用いた処理法を提供するこ
とにある。 [0009]
【解決手段】
そして、かかる課題を解決するために、本発明者は、鋭
意研究を重ねた結果、疎水性基を有する所定のポリマー
型重合開始剤を用いて、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、或いは2−ヒドロキシエチルメタクリレートを
主成分とするモノマー混合物を重合させて得られるグラ
フト共重合体が、良好な界面活性能を有し、コンタクト
レンズの疎水性表面に良好に吸着することにより、かか
る疎水性表面を親水性表面に改質するのに有効に使用出
来るという事実と共に、該グラフト共重合体は水不溶性
であるところから、該グラフト共重合体を主として溶解
してなる溶液中に、疎水性のコンタクトレンズを浸漬し
、直ちに取り出して水道水等の貧溶媒で充分に濯ぐとい
う簡単な操作によって、非常に良好にコンタクトレンズ
表面の親水化が為され得るという事実を見い出し、本発
明を完成させるに至ったのである。 [00103 すなわち、本発明は、かかる課題を解決するために、N
−ビニルラクタムの40〜60モル%と、下記化5にて
表わされるペルオキシド含有フマレートの少なくとも1
種の60〜40モル%とを共重合せしめてなる二元系の
N−ビニルラクタム系ポリマー型重合開始剤を用いて、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、或いは2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートを主成分とするモノマー混
合物を重合させて得られるグラフト共重合体を、その要
旨とするものである。 [0011]
【化5】 くは耐大アルキノ底または炭素数が6〜18の芳香族基
を示し、R2は、炭素数13以下の直鎖状アルキル基、
分枝鎖状アルキル基若しくは環状アルキル基、またはフ
ェニル基を示す) [0012] また、本発明にあっては、N−ビニルラクタムの40〜
60モル%と、前記化5にて表わされるペルオキシド含
有フマレートの少なくとも1種とアルキル−フルオロア
ルキルフマレート、アルキル−シリコン含有アルキルフ
マレート、フルオロアルキル−シリコン含有アルキルフ
マレート、ビス(フルオロアルキル)フマレート及びビ
ス(シリコン含有アルキル)フマレートよりなる群から
選ばれたフマル酸ジエステルの少なくとも1種とをモル
比で9:1〜1:9の割合で組み合わせてなるものの6
0〜40モル%とを共重合せしめてなる三元系のN−ビ
ニルラクタム系ポリマー型重合開始剤を用いて、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、或いは2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートを主成分とするモノマー混合物を
重合させて得られるグラフト共重合体をも、その要旨と
するものである。 [0013] さらに、本発明は、スチレンの40〜90モル%と、前
記化5にて表わされるペルオキシド含有フマレートの少
なくとも1種の60〜10モル%とを共重合させて得ら
れるスチレン系ポリマー型重合開始剤を用いて、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、或いは2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートを主成分とするモノマー混合物を
重合させて得られたグラフト共重合体をも、その要旨と
するものである。 [0014] そして、本発明にあっては、上記3種のグラフト共重合
体から選ばれる少なくとも1種のポリマーと、該ポリマ
ーを溶解する溶媒とから主として構成される溶液を、コ
ンタクトレンズ用溶液とするものであり、その際、有利
には、かかるポリマーを溶解する溶媒として、下記化6
:HO−(CH2CH20)n−R3(化6)(但し、
R3は、水素またはメチル基、nは1〜20の整数を表
す)にて示されるエチレングリコール系化合物:20〜
100重量%と、水:80〜O重量%からなる混合溶媒
が有利に用いられることとなる。 [0015] また、このようなコンタクトレンズ用溶液は、表面親水
性化されるべきコンタクトレンズに適用されて、その表
面を濡らし、そしてそのような表面に対して、該溶液中
に溶解されているポリマーの貧溶媒が接触せしめられる
ことにより、かかるコンタクトレンズ表面の有効な親水
性化が達成されるのである。 [0016]
【作用・効果】
かくの如き本発明に従う3種のグラフト共重合体は、幹
ポリマー中に疎水性基を有する一方、枝ポリマーが、親
水性を呈する2−ヒドロキシエチルメタクリレート或い
は該2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とす
るポリマーにて構成されているところから、侵れた界面
活性能を有するものとなるのである。 [0017] また、本発明に従うコンタクトレンズ用溶液は、そのよ
うなグラフト共重合体の少なくとも1種を含有するもの
であるが、かかるグラフト共重合体は水不溶性であると
ころから、所謂貧溶媒である水を注いで稀釈すると、該
重合体が凝集する特徴を有している。そこで、かかるコ
ンタクトレンズ用溶液を用いて、該溶液中に疎水性のコ
ンタクトレンズを浸漬する等して、該溶液にてレンズ表
面の全面を濡らすことにより、前記グラフト共重合体は
、その疎水性基をコンタクトレンズ表面に配向させて、
吸着されるようになる。即ち、本発明のコンタクトレン
ズ用溶液は、その界面活性能力により、疎水性のコンタ
クトレンズ表面を良好に濡らすという性質を有するので
ある。そして、該コンタクトレンズを直ちに水等の特開
平4−164908 (1G) 貧溶媒で濯ぐといった処理を施すことによって、溶解せ
しめられていた前記グラフト共重合体が水不溶性である
ために凝集して、レンズ表面に強く吸着され、以てコン
タクトレンズ表面が良好に親水性化されることとなる。 [0018] 要するに、かかる本発明に従うコンタクトレンズ溶液は
、疎水性のコンタクトレンズを浸漬して、取り出した後
、それを直ちに水等の貧溶媒で濯ぐという極めて簡単な
操作を行なうことにより、疎水性のコンタクトレンズ表
面を良好に親水性化することが出来るのである。従って
、強い疎水性を有する高酸素透過性の非含水性コンタク
トレンズであっても、その装用に先立って、かかる処理
を施すことにより、表面の親水性化が有利に為され得て
、脂質汚れの付着が効果的に防止され得ることとなり、
以て異物感なく、・決適に、長時間装用することが可能
となったのである。 [0019] また、本発明に従うコンタクトレンズ用溶液にあっては
、溶解されるべきグラフト共重合体の枝成分である重合
体を、2−ヒドロキシエチルメタクリレートと所定のモ
ノマー群より選ばれたモノマーとを重合させて得られる
重合体と為すことにより、該グラフト共重合体のコンタ
クトレンズに対する吸着性をより向上せしめることが出
来るのである。 [0020] そしてまた、本発明に従うコンタクトレンズ用溶液にあ
っては、前記グラフト共重合体を溶解する溶媒を、前記
化6で規定されるエチレンゲルコール系化合物の20〜
100重量%と、水の80−0重量%とから構成するこ
とにより、コンタクトレンズの規格を変化させることな
く、該グラフト共重合体を有利に溶解することが出来る
のである。 [0021]
【具体的構成】
ところで、かかる本発明に従う第一、第二のグラフト共
重合体にあっては、その前駆体である二元系、三元系の
N−ビニルラクタム系ポリマー型重合開始剤の合成ニ、
何しモ、N−ビニルラクタムが共重合せしめられるが、
そのようなN−ビニルラクタムは、具体的に、N−ビニ
ル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピ
ロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、
N−ビニル−3,3,5−)リフチル−2−ピロリドン
、N−ビニル−5−フェニル−2−ピロリドン、N−ビ
ニル−3−ベンジル−2−ピロリドン、N−ビニルピペ
リドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカプリ
ルラクタム等が挙げられ、これらの中から、単独で、ま
たは2種以上を組み合わせて用いられることとなる。な
かでも、N−ビニル−2−ピロリドンは、代表的な汎用
モノマーであり、容易に入手し得るものであるところか
ら、本発明では、特に好適に用いられる。 [0022] また、本発明においては、目的とするN−ビニルラクタ
ム系ポリマー型重合開始剤を得るために、かかるN−ビ
ニルラクタムに対して、前記化5にて表わされるペルオ
キシド含有フマレートが共重合せしめられることとなる
。このペルオキシド含有フマレートとしては、具体的に
は、t−ブチルペルオキシ−メチルフマレート、t−ブ
チルペルオキシ−エチルフマレート、t−ブチルペルオ
キシ−イソプロピルフマレート、t−ブチルペルオキシ
−n−ブチルフマレート、t−ブチルペルオキシ−n−
ペンチルフマレート、t−ブチルペルオキシ−n−へキ
シルフマレート、t−ブチルペルオキシ−n−オクチル
フマレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルへキシ
ルフマレート、t−ブチルペルオキシ−ラウリルフマレ
ート、t−ブチルペルオキシ−ステアリルフマレート、
t−ブチルペルオキシ−フェニルフマレート、t−ブチ
ルペルオキシ−シクロへキシルフマレート、t−ペンチ
ルペルオキシ−メチルフマレート、t−ペンチルペルオ
キシ−エチルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−イ
ソプロピルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−n−
ブチルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−n−ペン
チルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−n−へキシ
ルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−n−オクチル
フマレート、t−ペンチルペルオキシ−2−エチルへキ
シルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−ラウリルフ
マレート、t−ペンチルペルオキシ−ステアリルフマレ
ート、t−ペンチルペルオキシ−フェニルフマレート、
t−へキシルペルオキシ−メチルフマレート、t−へキ
シルペルオキシ−エチルフマレート、t−へキシルペル
オキシ−イソプロピルフマレート、t−へキシルペルオ
キシ−n−ブチルフマレート、t−へキシルペルオキシ
−n−ペンチルフマレート、t−へキシルペルオキシ−
n−へキシルフマレート、t−へキシルペルオキシ−n
−オクチルフマレート、t−へキシルペルオキシ−2−
エチルへキシルフマレート、t−へキシルペルオキシ−
ラウリルフマレート、t−へキシルペルオキシ−ステア
リルフマレート、t−ヘキシルペルオキシ−フェニルフ
マレート、t−クミルペルオキシ−メチルフマレート、
t−クミルペルオキシ−エチルフマレート、t−クミル
ペルオキシ−イソプロピルフマレート、t−クミルペル
オキシ−n−ブチルフマレート、t−クミルペルオキシ
−n−ペンチルフマレート、t−クミルペルオキシ−n
−へキシルフマレート、t−クミルペルオキシ−n−オ
クチルフマレート、t−クミルペルオキシ−2−エチル
へキシルフマレート、t−クミルペルオキシ−ラウリル
フマレート、t−クミルペルオキシ−ステアリルフマレ
ート、t−クミルペルオキシ−フェニルフマレート等が
挙げられる。 [0023] ここにおいて、本発明に従う第一のグラフト共重合体の
前駆体としてのN−ビニルラクタム系ポリマー型重合開
始剤(二元系)は、上記の成分、即ち所定のN−ビニル
ラクタムおよび前記化5にて示されるペルオキシド含有
フマレートからなるモノマー混合物を共重合させて得ら
れるものであるが、更に、本発明では、それらの成分に
加えて、アルキル−フルオロアルキルフマレート、アル
キル−シリコン含有アルキルフマレート、フルオロアル
キル−シリコン含有アルキルフマレート、ビス(フルオ
ロアルキル)フマレート及びビス(シリコン含有アルキ
ル)フマレートよりなる群から選ばれたフマル酸ジエス
テルを用いて共重合してなる三元系のポリマー型重合開
始剤が、第二のグラフト共重合体の前駆体として用いら
れる。 [0024] なお、上記のアルキル−フルオロアルキルフマレートと
しては、例えば、下記化7にて表わされるものが用いら
れることとなる。 [0025]
【化7】 [0026] 具体的には、メチル−トリフルオロエチルフマレート、
エチル−トリフルオロエチルフマレート、イソプロピル
−トリフルオロエチルフマレート、オクチル−トリフル
オロエチルフマレート、フェニル−トリフルオロエチル
フマレート、メチル−ヘキサフルオロイソプロピルフマ
レート、エチル−ヘキサフルオロイソプロピルフマレー
ト、イソプロピルーヘキザフルオロイソプロビルフマレ
ート、オクチル−ヘキサフルオロイソプロピルフマレー
ト、シクロヘキシル−へキザフルオロイソプロピルフマ
レート、フェニル−ヘキサフルオロイソプロピルフマレ
ート、メチル−オクタフルオロペンチルフマレート、エ
チル−オクタフルオロペンチルフマレート、イソプロピ
ル−オクタフルオロペンチルフマレート、オクチル−オ
クタフルオロペンチルフマレート、シクロヘキシル−オ
クタフルオロペンチルフマレート、フェニル−オクタフ
ルオロペンチルフマレート等が挙げられる。 [0027] また、前記アルキル−シリコン含有アルキルフマレート
としては、例えば、下記化8にて表わされるものが用い
られる。 [0028]
【化8】 (式中、R1は前記と同様であり、R5は、(At、A
2.A3は、それぞね、−CH,又は−〇−si (C
H3)3からなる基である〕を示し、lは0又はl、 
mは1〜3の整数、nは0又は1である。但し、n=1
のとき1=0とする) [0029] かかるアルキル−シリコン含有アルキルフマレートの具
体例としては、メチル−トリメチルシリルプロピルフマ
レート、エチル−トリメチルシリルプロピルフマレート
、イソプロピル−トリメチルシリルプロピルフマレート
、オクチル−トリメチルシリルプロピルフマレート、シ
クロヘキシル−トリメチルシリルプロピルフマレート、
フェニル−トリメチルシリルプロピルフマレート、メチ
ルーペンタメチルジシロキサニルプロピルフマレート、
エチルーペンタメチルジシロキサニルプロピルフマレー
ト、イソプロピルーペンタメチルジシロキサニルプロピ
ルフマレート、オクチルーペンタメチルジシロキサニル
プロピルフマレート、シクロへキシルーペンタメチルジ
シロキサニルプロビルフマレート、フェニルーペンタメ
チルジシロキサニルプロビルフマレート、メチル−メチ
ルビス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマ
レート、エチル−メチルビス(トリメチルシリルオキシ
)シリルフロビルフマレート、イソプロピル−メチルビ
ス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマレー
ト、オクチル−メチルビス(トリメチルシリルオキシ)
シリルプロピルフマレート、シクロヘキシル−メチルビ
ス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマレー
ト、フェニル−メチルビス(ト特開平4−164908
 (j5) リメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマレート、メ
チル−トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピ
ルフマレート、エチル−トリス(トリメチルシリルオキ
シ)シリルプロピルフマレート、イソプロピル−トリス
(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマレート
、オクチル−トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル
プロピルフマレート、シクロへキシル−トリス(トリメ
チルシリルオキシ)シリルプロピルフマレート、フェニ
ル−トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル
フマレート、メチルーペンタメチルジシロキサニルプロ
ピルオキシエチルフマレート、エチルーペンタメチルジ
シロキサニルプロピルオキシエチルフマレート、イソプ
ロピルーペンタメチルジシロキサニルプロピルオキシエ
チルフマレート、オクチルーペンタメチルジシロキザニ
ルプロピルオキシエチルフマレート、シクロヘキシルー
ペンタメチルジシロキザニルプロピルオキシエチルフマ
レート、フェニルーペンタメチルジシロキサニルプロピ
ルオキシエチルフマレート等が挙げられる。 [0030] さらに、前記フルオロアルキル−シリコン含有アルキル
フマレートとしては、例えば、下記化9にて表わされる
ものが用いられる。 [0031]
【化9】 [0032] その具体例としては、トリフルオロエチルートリメチル
シリルプロビルフマレト、ヘキサフルオロイソプロピル
−トリメチルシリルプロピルフマレート、オクタフルオ
ロペンチル−トリメチルシリルプロピルフマレート、ト
リフルオロエ77一 チルーペンタメチルジシロキサニルプロピルフマレート
、ヘキサフルオロイソプロピルーペンタメチルジシロキ
サニルプロピルフマレート、オクタフルオロペンチルー
ペンタメチルジシロキシサニルプロビルフマレート、ト
リフルオロエチル−メチルビス(トリメチルシリルオキ
シ)シリルプロピルフマレート、ヘキサフルオロイソプ
ロピル−メチルビス(トリメチルシリルオキシ)シリル
プロピルフマレート、オクタフルオロペンチル−メチル
ビス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマレ
ート、トリフルオロエチル−トリス(トリメチルシリル
オキシ)シリルプロピルフマレート、ヘキサフルオロイ
ソプロピル−トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル
プロピルフマレート、オクタフルオロペンチル−トリス
(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマレート
、トリフルオロエチルーペンタメチルジシロキサニルプ
ロピルオキシエチルフマレート、ヘキサフルオロイソプ
ロピルーペンタメチルジシロキサニルプロピルオキシエ
チルフマジートオクタフルオロペンチルーペンタメチル
ジシロキサニルプロピルオキシエチルフマレート等が挙
げられる。 [0033] 更にまた、前記ビス(フルオロアルキル)フマレートと
しては、例えば、下記化10にて表わされるものが用い
られ、具体的には、ビス(トリフルオロエチル)フマレ
ート、ビス(テトラフルオロプロピル)フマレート、ビ
ス(ヘキサフルオロイソプロピル)フマレート、ビス(
オクタフルオロペンチル)フマレート等が挙げられる。 [0034]
【化101 (式中、R4は前記と同様である) [0035] また、前記ビス(シリコン含有アルキル)フマジー化1
1にて表わされるものが用いられることとなる。 [0036] 【化11】 トとしては、 例えば、 下記 [0037] 具体的には、ビス(トリメチルシリルプロピル)フマレ
ート、ビス(ペンタメチルジシロキサニルプロビル)フ
マレート、ビス(ペンタメチルジシロキサニルプロピル
オキシエチル)フマレート、ビス(メチルビス(トリメ
チルシリルオキシ)シリルプロピル)フマレート、ビス
(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル)
フマレート等が挙げられる。 [0038] ここにおいて、本発明の第一のグラフト共重合体の前駆
体として、前記N−ビニルラクタムと前記化5にて表わ
されるペルオキシド含有フマレートとからなる二元系の
N−ビニルラクタム系ポリマー型重合開始剤を製造する
に際しては、前者の40〜60モル%に対して、後者の
60〜40モル%が共重合せしめられることとなる。即
ち、ペルオキシド含有フマレートは、単独重合性に乏し
いもののN−ビニルラクタムとは良好に共重合するとい
う性質を有すると共に、得られる共重合体が交互性に富
むという特異な性質を呈するものであるカミN−ビニル
ラクタムが40モル%より少ない場合には、未反応ペル
オキシド含有フマレートが残存するのみであって経済的
ではなく、−万N−ビニルラクタムを60モル%より多
く使用した場合、換言すればペルオキシド含有フマレー
トを40モル%より少ない量において用いた場合には、
生成するポリマーはペルオキシド含有フマレートを含有
するポリマーとN−ビニルラクタムのホモポリマーとの
混合物となり易く、ポリマー型重合開始剤の分別精製が
困難となって、好ましくないのである。従って、N−ビ
ニルラクタムの使用量は、40〜60モル%、より好適
には50モル%とされることとなる。 [0039] なお、かかる二元系のN−ビニルラクタム系ポリマー型
重合開始剤を前駆体とする第一のグラフト共重合体をコ
ンタクトレンズ用溶液として用いる場合には、該グラフ
ト共重合体中の幹ポリマーに疎水性の強い置換基を導入
すると、コンタクトレンズ表面に該グラフト共重合体が
強く吸着されることとなるため、該ポリマー型重合開始
剤の合成に用いられる、前記ペルオキシド含有フマレー
トのR1としては、炭素数8〜18の直鎖状アルキル基
、分枝鎖状アルキル基若しくは環状アルキル基、または
炭素数6〜18の芳香族基であることが好ましい。 [0040] また、本発明において、第二のグラフト共重合体の前駆
体である三元系のN −ビニルラクタム系ポリマー型重
合開始剤は、 (a)前記N−ビニルラクタムの40〜
60モル%と、(b)前記ペルオキシド含有フマレート
と前記所定のフマル酸ジエステルとを9:1〜1:9の
割合(モル)で組み合わせてなるものの60〜40モル
%とを用いて、それらを共重合せしめることにより製造
されることとなる。 [0041] この場合においても、前記と同様に、ペルオキシド含有
フマレートのみならず、前記フマル酸ジエステル、例え
ば化7,8及び化10〜12にて示されるフマル酸ジエ
ステルは、単独重合性に乏しいものの、それらはN−ビ
ニルラクタムとは良好に共重合するという性質を有して
おり、また得られる共重合体は交互性に富むという特異
な性質を呈するものであるが、N−ビニルラクタムを4
0モル%より少ない量において用いると、未反応物が残
存して経済的ではなく、ま7’、: N −ビニルラク
タムを60モル%より多く用いると、生成するポリマー
はペルオキシド含有フマレート及びフマル酸ジエステル
を含有するポリマーとN−ビニルラクタムのホモポリマ
ーとの混合物となり易く、ポリマー型重合開始剤の分別
精製が困難となり、好ましくない。従って、N−ビニル
ラクタムの使用量は、40〜6特開平4−16psos
 Cps) 0モル%、より好適には50モル%とされることとなる
。 [0042] なお、かかる三元系のポリマー型重合開始剤中には、疎
水性を呈する前記フマル酸ジエステルが共重合、含有せ
しめられるが、その理由は、以下の通りである。即ち、
前記したように、二元系のポリマー型重合開始剤を前駆
体とする第一のグラフト共重合体をコンタクトレンズ用
溶液として用いる場合にあっては、その親水性化効果を
向上させるために、グラフト共重合体中に強い疎水性を
呈する置換基を含有させることが好ましく、従って、グ
ラフト共重合体の前駆体であるポリマー型重合開始剤の
製造に用いられる、前記ペルオキシド含有フマレート中
のRの炭素数を比較的大きくすることが好ましい。しか
しながら、R1の炭素数を大きくすると、合成されるポ
リマー型重合開始剤のガラス転移点が低下して、ポリマ
ーは粘稠になり、取り扱い難くなる傾向にあるところか
ら、三元系ポリマー型重合開始剤にあっては、そのよう
な不都合を改善するものである。特に、三元系ポリマー
型重合開始剤の製造に際して、そこで用いられる前記ペ
ルオキシド含有フマレートのR1を、炭素数1〜6の直
鎖状アルキル基、分枝鎖状アルキル基若しくは環状アル
キル基、またはフェニル基とし、これに前記所定のフマ
ル酸ジエステルを共重合成分として組み合わせることに
より、得られるポリマー型重合開始剤を粉末状にするこ
とが出来、しかも強い疎水性基を任意に導入し得るとこ
ろから、目的とするグラフト共重合体の製造が容易であ
り、また良好な界面活性能を有するグラフト共重合体が
得られるのである。 [0043] このような次第により、三元系のN−ビニルラクタム系
ポリマー型重合開始剤の製造には、ペルオキシド含有フ
マレートと共に、前記フマル酸ジエステルが用いられる
こととなるが、ペルオキシド含有フマレートを、フマル
酸ジエステルに対して1:9の割合(モル)より少なく
用いると、生成したポリマー型重合開始剤から製造され
るグラフト共重合体はグラフト効率が低いものとなって
しまうため好ましくなく、一方フマル酸ジエステルに対
して9:1の割合(モル)より多く用いると、必然的に
前記フマル酸ジエステルの使用量を少なくせざるを得す
、ポリマー型重合開始剤中の疎水性部位として機能する
該フマル酸ジエステルの効−81= 果が有効に発現されないため、好ましくない。従って、
ペルオキシド含有フマレートの使用量は、フマル酸ジエ
ステルに対して、モル比にて9:1〜1:9の割合とす
る必要があるのであり、またそれらペルオキシド含有フ
マレートとフマル酸ジエステルの合計量は、前記N−ビ
ニルラクタムの使用量に関連して、60〜40モル%と
されることとなるのである。 [0044] また、本発明に係る第三のグラフト共重合体にあっては
、その前駆体であるポリマー型重合開始剤において、ス
チレンの40〜90モル%と、前記化5にて表わされる
ペルオキシド含有フマレートの60〜10モル%とを用
いて、それらを共重合せしめることにより、得られるポ
リマー(重合開始剤)が用いられることとなる。 [0045] このような重合開始剤において、ペルオキシド含有フマ
レートは、単独重合性に乏しいものの、スチレンとも良
好に共重合するという性質を有しているが、スチレンを
40モル%より少なく用いると、未反応ペルオキシド含
有フマレートが残存するのみであり、経済的ではなく、
一方、スチレンを90モル%より多く使用した場合、即
ちペルオキシド含有フマレートを10モル%より少なく
使用した場合には、生成するポリマー中のスチレン含有
量が多くなって疎水性が強くなりこのポリマー型重合開
始剤を用いて得られるグラフト共重合体が、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートを主成分とする重合体の良溶
媒に均一に溶解し難くなる。従って、かかるポリマー型
重合開始剤におけるスチレン/ペルオキシド含有フマレ
ートの共重合割合は、40〜90モル%/60〜10モ
ル%とされることとなるのである。 [0046] また、かかるポリマー型重合開始剤には、スチレンとい
う疎水性を呈するモノマーが用いられるところから、共
重合せしめられる前記ペルオキシド含有フマレートのR
1は、特に、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、分枝鎖
状アルキル基若しくは環状アルキル基、又はフェニル基
であることが好ましい。即ち、このR1の炭素数が大き
いと、得られるポリマー型重合開始剤の疎水性が強くな
り過ぎるため、続いてグラフト重合を行なう際に、該ポ
リマー型重合開始剤が、モノマーである2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートや、その重合溶媒に溶解し難くな
り、好ましくないのである。 [0047] ところで、上述の如き、本発明に係るグラフト共重合体
の前駆体であるN−ビニルラクタム系およびスチレン系
のポリマー型重合開始剤は、何れも、一般的なラジカル
重合開始剤を用いるラジカル重合法により容易に合成さ
れ、そして、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合
等の公知の重合技術を用いて、重合が行なわれる。 [0048] また、かかる重合反応の温度としては、ペルオキシド含
有フマレート中のペルオキシド基の分解が抑制される範
囲、即ち約り℃〜約60℃の範囲が適当である。このよ
うな重合温度の範囲内で使用出来るラジカル重合開始剤
としては、例えば、2,2′−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル)2.2−アゾビス
(2−シクロプロピルプロピオニトリル)2.2’−ア
ゾビス(2゜4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′
 −アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物やイソ
ブチルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカー
ボネート、t−ブチルペルオキシピバレート等の有機過
酸化物等が挙げられ、これらのうちから1種または2種
以上を選択して使用することが出来る。 [0049] さらに、これらラジカル重合開始剤の使用量としては、
重合させるべき全モノマーの100重量部に対して、約
0.01〜5重量部の範囲が好ましい。また重合時間は
、重合温度、ラジカル重合開始剤の種類等に応じて決定
されることとなるが、1〜72時間程度が好適に採用さ
れる。 [00503 なお、このようにして得られるポリマー型重合開始剤の
数平均分子量は、約1000〜100万の範囲が好まし
く、より好ましい範囲は、約1000〜約1万である。 因みに、数平均分子量が、約1000より小さい場合は
、そのポリマー型重合開始剤を用いて得られるグラフト
共重合体中の、幹ポリマーの性質が発揮されなくなる傾
向があるからであり、また、数平均分子量が、約100
万より大きくなると、そのポリマー型重合開始剤を用い
て得られるグラフト共重合体の分子量が非常に大きくな
り、それ故に、本発明に従ってコンタクトレンズ用溶液
を調製するために、かかるグラフト共重合体を所定の溶
媒に対して溶解せしめる際において、その溶解性が劣っ
てくる傾向があるからである。 [0051] ところで、本発明において用いられるN−ビニルラクタ
ム系のポリマー型重合開始剤は、ポリマー鎖中に親水性
を呈するN−ビニルラクタム単位と疎水性部位を有する
ペルオキシド含有フマレート単位やフマル酸ジエステル
単位が交互に存在する構造を採るものであるところから
、続いて、2−ヒドロキシエチルメタクリレート或いは
2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とするモ
ノマー混合物をグラフト共重合させる際に、かかるポリ
マー型重合開始剤が、そのモノマー混合物や重合溶媒に
溶解し易く、均一な重合が可能となる。そして、得られ
るグラフト共重合体は、その幹ポリマー中に疎水性部位
が存在するところから、優れた界面活性能を有するもの
となるのである。 [0052] また、本発明にて用いられるスチレン系のポリマー型重
合開始剤は、ポリマー鎖中に、疎水性で、しかも吸着現
象に有利に働くベンゼン環を有しているところから、得
られるグラフト共重合体は優れた疎水−親水界面活性能
を有するものとなるのである。 そして、本発明のグラフト共重合体は、前述の如き、N
−ビニルラクタム系及びスチレン系のポリマー型重合開
始剤の少なくとも一つを用いて、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、或いは2−ヒドロキシエチルメタクリ
レートを主成分とするモノマー混合物を重合(グラフト
)させることにより得られるものであるが、グラフト重
合させる際に、上記の如きモノマー混合物の使用におい
ては、必要に応じて、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートと共に、他のモノマーを共重合せしめることも可能
である。 [0053] 特に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートと共重合せ
しめるべきモノマーとして、アルキル(メタ)アクリレ
ート、シロキザニルアルキル(メタ)アクリレート、フ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート、スチレン系モノ
マー及びビニルエステル類を使用する場合には、得られ
る重合体のコンタクトレンズ表面に対する付着性を効果
的に向上せしめることが出来るのである。なお、かかる
モノマーは、その中から選ばれた1種類を用いても、ま
た2種類以上を組み合わせて用いても良いが、その全量
がモノマー混合物中20重量%以下となるようにするこ
とが望ましい。即ち、20重量%を越えて使用されると
、得られる重合体の疎水性が増大し、本発明のコンタク
トレンズ用溶液の重要な作用である親水性化作用が劣っ
てくることとなって、好ましくないのである。なお、上
記で「・   (メタ)アクリレート」とあるのは、「
・ ・メタクリレート」または「・ ・アクリレート」
を表し、以下についても同様である。 [0054] ここで、かかるモノマーのより具体的な例を挙げると、
前記アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(
メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ
)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェ
ニル(メタ)アクリレート等がある。 [0055] また、前記シロキザニルアルキル(メタ)アクリレート
の具体例としては、トリメチルシリルメチル(メタ)ア
クリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリ
レート、ペンタメチルジシロキザニルメチル(メタ)ア
クリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピル(メ
タ)アクリレート、メチルビス[トリメチルシロキシ]
シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス[トリメ
チルシロキシ]シリルプロピル(メタ)アクリレート、
メチルビス[トリメチルシロキシ]シリルプロピルグリ
セロール(メタ)アクリレート等を挙げることが出来る
。 [0056] さらに、前記フルオロアルキル(メタ)アクリレートの
具体例としては、2,22−トリフルオロエチル(メタ
)アクリレート、2.2.3.3−テトラフルオロプロ
ピル(メタ)アクリレート、1.1.1.3.3.3−
へキサフルオロ−2−プロピル(メタ)アクリレート、
2.2.3.3.4.4.5.5−オクタフルオロペン
チル(メタ)アクリレート、2.2.3.3.4.4.
5.5.6.6.7.7−ドゾカフルオロヘプチル(メ
タ)アクリレート等を挙げることが出来る。 [0057] 更にまた、前記スチレン系モノマーとしては、例えばス
チレン、パラ−メチルスチレン、tert−ブチルスチ
レン、ペンタフルオロスチレン、トリメチルシリルスチ
レン、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン等
を用いることが出来そして前記ビニルエステル類として
は、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル
、ラウリン酸ビニル等が用いられ得るものである。 [0058] ところで、本発明に従うグラフト共重合体は、上記の如
きポリマー型重合開始剤と、2−とドロキシエチルメタ
クリレート或いは2−ヒドロキシエチルメタクリレート
を主成分とするモノマー混合物とを適宜に組み合わせて
、重合を行なうことにより、容易に合成されるものであ
る。なお、この重合はラジカル重合にて行なわれること
となるカド一般に、ラジカル重合には、塊状重合、溶液
重合、懸濁重合、乳化重合等の各種の方法が用いられて
おり、この場合には、主成分である2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートが、それ自身にラジカルの連鎖移動反
応を受は易いヒドロキシエチル基を有しているところか
ら、例えば塊状重合等では架橋反応が進行して溶媒に不
溶性となってしまい、好ましくないため、連鎖移動剤を
含有した溶液重合法、或いはそれ自身が連鎖移動能を有
する溶媒を用いる溶液重合法が、好適に採用されること
となる。 [0059] そして、上記の如く、連鎖移動剤を併用する場合の連鎖
移動剤としては、例えば、n−ブチルメルカプタン、ド
デシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタ
ン類や、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素等が挙
げられる。これら連鎖移動剤の使用量は、重合させるべ
き全七ツマ−の100重量部に対して約0.05〜5重
量部の範囲が好ましい。 [00601 さらに、本発明に係るグラフト共重合体を得るために、
前記ポリマー型重合開始剤の使用量は、重合させるべき
全モノマーまたは全モノマー混合物の100重量部に対
して0.01〜10重量部の範囲が好ましい。即ち、そ
の使用量が0゜01重量部よりも少ない場合には、得ら
れるグラフト共重合体の界面活性能力が乏しくなり、一
方10重量部よりも多い場合には、得られるグラフト共
重合体の親水性が乏しくなるからである。 [0061] また、かかる溶液重合に用いられるべき溶媒としては、
例えばメタノール、エタノール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル等のアルコール類やジメチルスルホキ
サイド等を挙げることが出来る。これらの溶媒は、重合
させるべき全モノマーの100重量部に対して50〜1
000重量部の範囲で用いるのが好ましい。該使用量が
50重量部より少ない場合には、重合中に架橋反応が進
行し易くしばしばゲル化を起こしてしまうからであり、
一方、1000重量部より多い場合には、重合反応終了
後の重合体を精製する過程において、沈澱溶媒を大量に
使用しなければならなくなり、好ましくないからである
。 [0062] なお、重合反応は、室温〜120℃の温度条件下で、重
合反応が略完結するのに必要な時間性なわれることとな
る。 [0063] ここで、本発明に従うグラフト共重合体を得るために用
いられるポリマー型重合開始剤は、ラジカル発生基であ
るペルオキシドを多量含有しており、しかも該ペルオキ
シドの分解温度は比較的高いのであるが、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、或いは2−ヒドロキシエチル
メタクリレートを主成分とするモノマー混合物をグラフ
ト重合させる際に、ペルオキシドの分解速度が小さいた
め、それらモノマーが重合を完結してしまっても、なお
ペルオキシドが残存してしまう傾向があり、それ故に、
得られたグラフト共重合体の安定性を著しく悪化させて
しまうことになる。即ち、グラフト共重合体中に残存し
たペルオキシドが、室温においても徐々に分解してラジ
カルを発生し、そのラジカルが、例えばグラフト共重合
体中の2−ヒドロキシエチル基に作用する等して、グラ
フト共重合体を架橋(J闇十471b’1MU3 ((
0/させてしまうという現象が起こるのである。そこで
、かかる問題を回避するために、ペルオキシドの分解速
度をより大きくする性質を有する、第3級アミン等を併
用することが好ましい。 [0064] かかる第3級アミンとしては、例えばトリエチルアミン
、N、N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン
等が挙げられ、これらの第3級アミンは、用いられるポ
リマー型重合開始剤中に含まれるペルオキシドと当モル
量からその倍モル量の範囲で用いるのが好ましい。即ち
、その使用量がペルオキシドと当モル量より少ない場合
には、ペルオキシドが残存する可能性があり、一方ベル
オキシドの倍モル量より多い場合には、重合終了後のポ
リマー溶液がひどく着色することとなるのである。この
ように、グラフト重合する際に、第3級アミンを併用す
ることにより、グラフト効率を一段と高めることが出来
、しかもペルオキシドを完[0065] 以上のように、ポリマー型重合開始剤とモノマーを組み
合わせ、所定の条件にて重合反応を行なわせた後、得ら
れた重合生成物をメタノールにて稀釈し、アセトンやジ
エチルエーテルの如き貧溶媒中に注ぎ込んで重合物を沈
澱せしめる。そして、かかる沈澱物を濾取し、減圧乾燥
することにより、目的とするグラフト共重合体含有物を
得ることが出来るのである。 [0066] ところで、本発明のグラフト共重合体を製造する際には
、フリーのラジカルによるグラフト化されていない線状
のポリマーも副生成物として出来てしまうのであるが、
適当な方法で分別精製することにより、目的とするグラ
フト共重合体を得ることが出来るのである。 [0067] なお、本発明に従うコンタクトレンズ用溶液においては
、上述のグラフト共重合体の分別精製を行なわなくても
、疎水性のコンタクトレンズを充分に親水性化’41開
干4−164HL)6 t、C/ノ共重合体含有物と称
する)をそのまま使用することが出来るのである。 [0068] このようにして得られるグラフト共重合体含有物の数平
均分子量は、約1000〜約1000万の範囲が望まし
く、より好適には約2000〜10万の範囲とされる。 即ち、かかる数平均分子量が約1000より小さい場合
には、グラフト共重合体含有物の水に対する溶解性が増
大する傾向になるところから、そのグラフト共重合体含
有物を用いて調製されたコンタクトレンズ用溶液を用い
た場合、そのグラフト共重合体含有物は、たとえ吸着さ
れても、水道水で濯ぐことにより容易にレンズから離脱
してしまい、充分な親水性化効果が得られなくなるから
であり、また、数平均分子量が約1000万より大きく
なると、そのグラフト共重合体含有物の溶媒に対する溶
解性が劣ってくるからである。 [0069] 一方、本発明に従うコンタクトレンズ用溶液に用いられ
るべき溶媒としては、コンタクトレンズの規格(ベース
カーブ、パワー サイズ等)を変化させることのないも
のが選択されることとなる。一般に、かがるコンタクト
レンズ用溶液の溶媒には、主に水が使用されており、コ
ンタクトレンズの規格が良好に保たれているのであるが
、本発明においては、前記グラフト共重合体含有物が水
不溶性であるところから、水以外の溶媒が必要とされる
。従って、本発明にて使用され得る溶媒は、コンタクト
レンズの規格を変化させることがなく、且つ前記グラフ
ト共重合体含有物を溶解し得るものである。 [0070] そして、本発明にあっては、そのような溶媒として、下
記化12:HO−(CH2CH20)n−R3(化12
)(但し、R3は水素またはメチル基、nは1〜20の
整数を表わす)にて示されるエチレングリコール系化合
物:20〜100重量%と水:80−。 重量%とからなる溶媒が好適に用いられる。 [0071] なお、上記化12において、n=0の場合には、水また
はメタノールであるが水ではグラフト共重合体含有物を
溶解することが出来ず、またメタノールでは′!1開平
4−164908 (26ノコンタクトレンズの規格を
変化させてしまう恐れがある一方、nが20より大きい
場合には、化合物の分子量が増大し、溶液の粘度が高く
なって取り扱い難くなるため、好ましくない。 [0072] そして、かかる溶媒と、前記グラフト共重合体含有物と
から、本発明に従うコンタクトレンズ用溶液が、主とし
て調製されることとなるが、その濃度(ここでは、グラ
フト共重合体含有物を溶解している溶液における、重合
体の溶媒に対する濃度をいう)が高いと、水で濯ぐ際に
重合体の凝集沈澱が素早く起こり、コンタクトレンズ表
面に重合体粒子が沈着してしまう問題が生じる一方、そ
の濃度が0.01重量%より小さいと、重合体のコンタ
クトレンズ表面への吸着量が少なくなって、親水性化の
効果が劣るようになるところから、かかる濃度は0.0
1〜1.5重量%とされるのが望ましく、より好適には
0.1〜1.0重量%とされることとなる。 [0073] なお、上記の如く調製される本発明に従うコンタクトレ
ンズ用溶液に対して、その他、必要に応じて、界面活性
剤、粘性基剤、等張化剤、防腐剤等を添加しても何等差
支えない。これらの各成分の配合により、親水性化剤と
しての機能の他に、洗浄剤、保存剤、洗浄保存剤等とし
ての機能を付与することが出来るのである。 [0074] 以上のようにして調製壽れた、本発明に従うコンタクト
レンズ用溶液の使用方法としては、該コンタクトレンズ
用溶液中にコンタクトレンズを浸漬したり、或いは該溶
液をコンタクトレンズ表面に噴霧または塗布した後、水
道水で充分に濯ぐだけで良く、このような簡単な操作に
よって、該溶液中に含まれる2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートを主成分とする親水性のグラフト共重合体が
コンタクトレンズ表面に吸着されて、以て該コンタクト
レンズに良好な親水性を付与することが出来るのである
。 [0075] シカモ、該親水性グラフト共重合体は、水不溶性である
ところがら、コンタクトレンズ表面に強く吸着されるの
であり、疎水性の強いコンタクトレンズに適用した場合
にも、該レンズ表面に良好に吸着されて、親水性を付与
することが出来る。それ故、コンタクトレンズ表面への
脂質汚れの付着を効果的に防止し得て、コンタクトレン
ズの曇りの症状を制御し、長時間装用を可能ならしめる
ものである。 [0076]
【実施例】
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのよ
うな実施例の記載によって、何等の制約をも受けるもの
でないことは、言うまでもないところである。 また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正
、改良等を加え得るものであることが、理解されるべき
である。 [0077] 先ず、下記製造例1〜5において、本発明に従うグラフ
ト共重合体の合成に用いられるポリマー型重合開始剤を
、何れも、溶液重合法により調製した。 [0078] 製造例 l N−1::ニルー2−ピロリドン(以下、NVPと略称
する):Q、31g (0゜0028モル)、t−ブチ
ルペルオキシ−ラウリルフマレート(以下、LF−PO
と略称する): 1.00g (0,0028モル) 
、2.2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)(以下、■−65と略称する):0.002g (
8゜05X10−6モル)及びテトラヒドロフラン(以
下、THFと略称する):2ccを、50m1のガラス
製アンプル中に入れて、該アンプル内を窒素ガス置換し
た後、封管し、そして40℃にて18時間重合せしめた
。かかる重合が終了した後このポリマー溶液を30cc
のジエチルエーテルにて稀釈し、分液ロートに移した。 次いで、蒸留水で3回洗浄した後、エーテル層を分取し
て、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濾過し
て、エーテルを減圧溜去せしめた。得られた残渣は、非
常に粘稠性のあるポリマーであり、収量は1.23g、
収率は93゜9%であった。そのフーリエ変換赤外吸収
スペクトル(I R)を、図1に示した[0079] かかるIRスペクトルの結果から明らかなように、NV
Pのビニル基由来の吸収ピーク(1629cm’)およ
びLF−POのビニル基由来の吸収ピーク(1643c
m’)が消失しており、重合の進行が示されている。ま
た、IRスペクトルにおける特性吸収帯は、NVP中(
7)=N=0 (ν=1690〜1700cm−1)L
F−PO中のラウリルエステルの=C=O(ν=172
5〜1735cm ’)、LF−PO中のt−ブチルペ
ルオキシエステルの=C=O(シ=1770〜1780
cm−1)であることが示されている。従って、得られ
たポリマーは、目的とするポリマー型重合開始剤である
ことを確認した。 [0080] 製造例 2 MVP:0.73g (0,0066モル)  t−ブ
チルペルオキシ−エチルフマレート(以下、EF−PO
と略称する):0.85g (0,0039モル)1.
43g (0,0026モル)  V−65:0.03
3g (1,33xlO−4モル)及びTHF:1.8
2gを、50m1のガラス製アンプルに入れ、該アンプ
ル内を窒素ガス置換した後、封管し、そして40℃にて
18時間重合せしめた。かかる重合の終了の後、得られ
た重合生成物、即ちポリマー溶液を大量のn−ヘキサン
中に投入してポリマーを沈澱せしめ、そしてその得られ
たポリマーを濾別、乾燥して、目的とするポリマー型重
合開始剤を得た。その収量は2.64g、収率は87.
7%であった。このポリマーのフーリエ変換IRスペク
トルを図2に示した。 [0081] かかるIRスペクトルにおける特性吸収帯は、NVP中
の=N=O(シ=1690〜1700cm−1)、EF
−PO中のエチルエステルの=C=0 (ν=1730
〜1740cm−1) 、EF−PO中のt−ブチルペ
ルオキシエステルの=C=○O〜1200cm’)であ
ることを示している。 [0082] 製造例 3〜5 下記表1に示されるモノマー混合物を用いて、製造例2
と同様にして重合せしめた後、処理、精製を行ない、ポ
リマー型重合開始剤を得た。そして、この得られたポリ
マー型重合開始剤について、それぞれ、IRスペクトル
を測定した結果、使用したモノマーがポリマー中に導入
されていることを確認した。 [0083]
【表1】 Me  32F:メチルーペンタメチルジシロキサニル
プロピルフマレート St :スチレン IPPニジイソプロピルペルオキシ ジカーボネート [0084] 実施例 1〜4 ポリマー型重合 剤を用いて合成したグラフト共重合 の合成とその 訃言 価 製造例1で得られたポリマー型重合開始剤(以下、F−
PO <L> と略称す 523と略称する) 製造例3で得られたポリマー型重
合開始剤(以下、N52F−PO<E> 532と略称
する)及び製造例5で得られたポリマー型重合開始剤(
以下、5F−PO<E> 82と略称する)を用い、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、2−HEM
Aと略称する)のグラフト重合を、それぞれ、行なった
。 [0085] すなわち、下記衣2に示される重合用組成物を50m1
のガラス製アンプルに入れ、該アンプル内を窒素ガス置
換した後、封管し、そして80℃にて18時間更に11
5℃にて2時間加熱し、重合を完結せしめた。かかる重
合が終了した後、各ポリマー溶液を、それぞれ、メタノ
ールにて稀釈し、大量のジエチルエーテル中に投入、し
て、ポリマーを沈澱せしめ、そして濾別、乾燥せしめて
、目的とするグラフト共重合体含有物を得た。 [0086]
【表2】 [0087] 得られたポリマーを、それぞれ、エチレングリコールに
、0.05%、0. 1%、0.5%及び1.0%の濃
度となるように溶解せしめ、表面張力を測定した。その
結果を、図3に示した。 [0088] 比較例1〜4 2−HEMAと   モノマーのランダム共重合 の合
成とその 訃比実施例1〜4において用いた各ポリマー
型重合開始剤中に存在する疎水基、即ちNF−PO<L
>であればラウリル基、NF8F−PO<E>523で
あればオクタフルオロペンチル基、N52F−PO<E
> 532であればペンタメチルジシロキサニル基、5
F−PO<E>82であればフェニル基に着目し、それ
ぞれのポリマー型重合開始剤を用いて合成したグラフト
化ポリ2−HEMAを含有するポリマーと、それぞれに
含まれる同様の疎水基を、等モル量、ランダムに含有す
るように調製した2−HEMAのランダム共重合体の性
能を比較した。 [0089] すなわち、下記衣3に示される重合用組成物を、それぞ
れ、50m1のガラス製アンプルに入れ、該アンプル内
を窒素ガス置換した後、封管し、そして大量のジエチル
エーテル中に投入してポリマーを沈澱せしめ、濾別、乾
燥させて、目的とするランダム共重合体を得た。 [00901
【表3】 [0091] 得られたポリマーを、それぞれ、エチレングリコールに
、0.05%、0.1%、0.5%及び1.0%の濃度
となるように溶解せしめ、実施例1〜4と同様にして、
表面張力を測定した。その結果を、図3に併わせ示した
。 [0092] 肋間+4−164908 (36) かかる図3から明らかなように、実施例1〜4で合成し
たグラフト化ポリ2−HEMAを含有するポリマーは、
それぞれ、比較例1〜4にて得られた、それと等モル量
の、同様の疎水基を含有するランダムポリ2−HEMA
のそれぞれと比較して、より侵れた表面張力低下能を有
していることが認められた。 [0093] 実施例 5〜7 製造例4で得られたポリマー型重合開始剤(以下、5F
−PO<E> 55と略称する) 、5F−PO<E>
 82、及びNF8F−PO<E> 523を用い、2
−HEMA或いは2−HEMAを主成分とする七ツマー
混合物のグラフト重合を行なった。 [0094] すなわち、下記表4に示される重合用組成物を用い、そ
れぞれ、実施例1〜4と同様にして重合せしめ、目的と
するグラフト共重合体含有物を得た。 [0095]
【表4】 [0096] 実施例 8〜21 実施例1〜7で得られた各重合体を、下記衣5に示され
る溶媒のそれぞれに溶解せしめて、 コンタクトレンズ用溶液を調製した。 [0097]
【表5】 [0098] そして、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
メタクリレート及び1、1.1.3.3.3−へキサフ
ルオロ−2−プロピルメタクリレートを主成分とする共
重合体からなる高酸素透過性ハードコンタクトレンズを
ハードコンタクトレンズ保存用ホルダーに挿入し、それ
ぞれのコンタクトレンズ用溶液を満たしたハードコンタ
クトレンズ用保存ケース中にホルダーごと5秒間浸漬し
た後、ホルダーごと取り出して、水道水で充分に濯ぐこ
とにより、コンタクトレンズの親水性化処理を行なった
。 その後、エアーコンプレッサーで各レンズの表面の水滴
を吹き飛ばし、次いでエルマ光学(株)製のゴニオメー
タ−式接触角測定器G−1型を用いて、液滴法による接
触角を測定した。その結果を、表5に併わせ示した。 [0099] 比較例5〜7 従来から親水性化効果を付与するために代表的に用いら
れているポリビニルアルコール水溶液とポリN−ビニル
ピロリドン水溶液とを用いて、上記と同様の親水性化処
理を行ない、その後、レンズの接触角を測定し、比較例
5及び6として表5に併わせ示した。更に、比較例7は
、親水性化処理を一切行なわなかったコンタクトレンズ
について、その接触角を測定したものである。 [0100] 以上の結果から明らかなように、本発明に従うコンタク
トレンズ用溶液を用いて、所定の親水性化処理を行なっ
た場合、非常に短時間の処理で、著しい接触角の低下が
認められ、それによって、疎水性コンタクトレンズの表
面を、簡単に且つ良好に親水性化することが出来ること
が判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製造例1で得られた本発明に用いられるポリマー型重合
開始剤のフーリエ変換赤外吸収スペクトル(IR)を示
した図である。
【図2】 製造例2で得られた本発明に用いられるポリマー型重合
開始剤のフーリエ変換赤外吸収スペクトル(IR)を示
した図である。
【図3】 実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた各ポリマーを
エチレングリコールに溶解させた溶液について、その表
面張力をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。
【書類者】
【図1】 図面 口
【図2】 芦 口 戸
【図3】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−ビニルラクタムの40〜60モル%と
    、下記化1にて表わされるペルオキシド含有フマレート
    の少なくとも1種の60〜40モル%とを共重合せしめ
    てなるポリマー型重合開始剤を用いて、2−ヒドロキシ
    エチルメタクリレート、或いは2−ヒドロキシエチルメ
    タクリレートを主成分とするモノマー混合物を重合させ
    て得られるグラフト共重合体。 【化1】 ▲数式、化学式、表等があります▼ (但し、R_1は、炭素数18以下の直鎖状アルキル基
    、分枝鎖状アルキル基若しくは環状アルキル基または炭
    素数が6〜18の芳香族基を示し、R_2は、炭素数1
    3以下の直鎖状アルキル基、分枝鎖状アルキル基若しく
    は環状アルキル基、またはフェニル基を示す)
  2. 【請求項2】前記N−ビニルラクタムが、N−ビニル−
    2−ピロリドンである請求項1記載のグラフト共重合体
  3. 【請求項3】N−ビニルラクタムの40〜60モル%と
    、下記化2にて表わされるペルオキシド含有フマレート
    の少なくとも1種とアルキル−フルオロアルキルフマレ
    ート、アルキル−シリコン含有アルキルフマレート、フ
    ルオロアルキル−シリコン含有アルキルフマレート、ビ
    ス(フルオロアルキル)フマレート、およびビス(シリ
    コン含有アルキル)フマレートよりなる群から選ばれた
    フマル酸ジエステルの少なくとも1種とをモル比で9:
    1〜1:9の割合で組み合わせてなるものの60〜40
    モル%とを共重合せしめてなるポリマー型重合開始剤を
    用いて、2−ヒドロキシエチルメタクリレート或いは2
    −ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とするモノ
    マー混合物を重合させて得られるグラフト共重合体。 【化2】 ▲数式、化学式、表等があります▼ (但し、R_1は、炭素数18以下の直鎖状アルキル基
    、分枝鎖状アルキル基若しくは環状アルキル基または炭
    素数が6〜18の芳香族基を示し、R_2は、炭素数1
    3以下の直鎖状アルキル基分枝鎖状アルキル基若しくは
    環状アルキル基、またはフェニル基を示す)
  4. 【請求項4】前記N−ビニルラクタムが、N−ビニル−
    2−ピロリドンである請求項3記載のグラフト共重合体
  5. 【請求項5】スチレンの40〜90モル%と、下記化3
    にて表わされるペルオキシド含有フマレートの少なくと
    も1種の60〜10モル%とを共重合させて得られるポ
    リマー型重合開始剤を用いて、2−ヒドロキシエチルメ
    タクリレート、或いは2−ヒドロキシエチルメタクリレ
    ートを主成分とするモノマー混合物を重合させて得られ
    たグラフト共重合体。【化3】 ▲数式、化学式、表等があります▼ (但し、R_1は、炭素数18以下の直鎖状アルキル基
    、分枝鎖状アルキル基若しくは環状アルキル基(または
    炭素数が6〜18の芳香族基を示し、R_2は、炭素数
    13以下の直鎖状アルキル基分枝鎖状アルキル基若しく
    は環状アルキル基、またはフェニル基を示す)
  6. 【請求項6】前記請求項1、3及び5に記載のグラフト
    共重合体から選ばれた少なくとも1種のポリマーと、該
    ポリマーを溶解する溶媒とから主として構成されている
    ことを特徴とするコンタクトレンズ用溶液。
  7. 【請求項7】前記ポリマーを溶解する溶媒が、下記化4
    :HO−(CH_2CH_2O)_n−R_3(化4)
    (但し、R_3は、水素またはメチル基、nは1〜20
    の整数を表す)にて示されるエチレングリコール系化合
    物:20〜100重量%と、水:80〜0重量%とから
    構成されている請求項6記載のコンタクトレンズ用溶液
  8. 【請求項8】前記請求項6に記載のコンタクトレンズ用
    溶液を用い、該溶液にてコンタクトレンズの表面を濡ら
    した後、かかる表面を、該溶液中に溶解されているポリ
    マーの貧溶媒に接触せしめることを特徴とするコンタク
    トレンズの親水性化処理法。
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WO1998004605A1 (fr) * 1996-07-29 1998-02-05 Kazunori Kataoka Polymeres modifies dont la molecule contient un segment poly(2-hydroxyethyl(meth)acrylate)
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